JP4125079B2 - 光量調節装置および光学機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影面に銀塩フィルムを用いた写真カメラ、撮像素子としてCCD等を用いたデジタルスチルカメラといった光学機器に備えられる光量調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動絞り装置では、ガルバノ式のアクチュエータを用いて絞り値が小絞り状態で光量調節機構の絞りの開き方向と閉じ方向で負荷のヒステリシスが生じるためにハンチングを発生するので、この対策としてガルバノ式のアクチュエータの駆動電圧に交流信号を重畳し光量調節機構の絞りの開き方向と閉じ方向で負荷のヒステリシスから生じるアクチュエータの駆動電圧のヒステリシスを無くしハンチングを防止する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、図10には、ビデオカメラなどに一般的に用いられている撮像部の構成を示している。この撮像部における撮像光学系は、被写体側から順に、フィールドレンズ101、バリエータレンズ102、絞り装置(光量調節装置)114、アフォーカルレンズ103、およびCCD撮像素子116が配置されて構成されている。
【0004】
バリエータレンズ102とフォーカスレンズ104はそれぞれ鏡枠105、106に保持され、これら鏡枠105,106に保持され、これら鏡枠105、106は不図示のガイド軸によって光軸方向にガイドされている。
【0005】
鏡枠105,106にはラック105a、106aが取り付けられており、ステッピングモータ107,108の出力軸としてのスクリュー軸107、108が作動してスクリュー軸107aと108aとのかみ合い作用によってバリエータレンズ102およびフォーカスレンズ104が光軸方向(矢印方向)に進退駆動される。
【0006】
このようにステッピングモータ107,108によりバリエータレンズ102およびフォーカスレンズ104を目標位置に駆動する場合、まずバリエータレンズ10およびフォーカスレンズ104を基準となる位置(初期位置)にセットし、この初期位置から目標位置まで移動させさせるために必要なパルス数の駆動信号をステッピングモータ107、108に入力する。
【0007】
このため、この撮影部には、バリエータレンズ102、およびフォーカスレンズ104が初期位置に位置しているか否かを検出する初期位置センサとして、発光素子と受光素子とが一体となったフォトインターラプタ109、110が設けられている。
【0008】
この撮影部の制御を司るマイクロプロセッサ111は、フォトインターラプタ109、110の発光素子と受光素子の間に鏡枠105、106に設けられた遮光部材105b、106bが入り込んで受光素子に発光素子からの光が入射しなくなったことをもって、バリエータレンズ102およびフォーカスレンズ104が初期位置に位置したことを検知する。
【0009】
なお、遮光部材105bは、バリエータレンズ102の望遠側か広角側かのゾーン検出を可能とする形状に設定されている。また、遮光部材106bはフォーカスレンズ104の遠距離物体に対してフォーカスする位置か至近物体に対してフォーカスする位置かのゾーン検出を可能する形状に設定されている。
【0010】
マイクロプロセッサ111の内部記憶装置112には、バリエータレンズ102の初期位置に対する望遠側と広角側の位置が、ステッピングモータ107の回転量に対応したステップ数として記憶されている。また、フォーカスレンズ104の初期位置に対しても、物体距離とバリエータレンズ102の位置とで決定される位置データがステッピングモータの回転量に対応したステップ数として記憶されている。
【0011】
ステッピングモータ107、108はステッピングモータ駆動回路119、120に入力されるマイクロプロセッサ111からの正逆信号により駆動される。つまり、撮像光学系の変倍動作およびこれに伴う合焦動作は、ビデオカメラなどで一般的に用いられているカムデータを利用した電子カム方式によりステッピングモータ107、108を制御することによって行われる。
【0012】
一方、絞り装置114所謂ガルバノ方式のアクチュエータ113とこのアクチュエータ113により開閉駆動される絞り羽根114と絞り開閉状態を検出する位置検出素子(ホール素子)115とから構成されている。CCD撮像素子116からの電気信号は、A/D変換回路117によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、信号処理回路118に入力される。
【0013】
信号処理回路118は、入力された電気信号から映像信号を記録部に送る。マイクロプロセッサ111は、入力された輝度信号成分が常に適正値になるようにアクチュエータ113をフィードバック制御する
この際、マイクロプロセッサ111には、位置検出素子115からの出力が増幅され、さらにA/D変換回路123によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて絞りの開閉位置を示す情報として入力される。マイクロプロセッサ111は、この絞り位置情報に基づいて輝度信号成分が常に適正値になるように駆動回路121に開閉信号を送り、アクチュエータ113を制御する。
【0014】
マイクロプロセッサ111からは、絞り位置を所定の開閉位置に位置決めするための開閉信号を駆動回路に送ることもできる。
【0015】
【特許文献1】
特開平6−250258号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の電動絞り装置や図8に示す撮像部の光量調節装置では、レンズ102、104の駆動制御については、ステッピングモータを駆動源として使用し直接マイクロプロセッサ111によるスピード制御や位置制御を行うことができるにもかかわらず、絞り装置114の駆動源にはガルバノ方式のアクチュエータ113を用いている。
【0017】
このため、制御回路が複雑になるだけでなく、絞り位置情報を得るための増幅器122やA/D変換回路123も必要になり、部品点数の増加やコスト増を招くと言う問題がある。
【0018】
また、制御系がアナログ回路を用いているので光量調節装置の絞り値に応じて詳細な制御データを決定するには不向きである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、絞り開口形状を可変し光量を調節する光量調節機構と、光量機構を駆動する駆動源のステッピングモータと、駆動源を制御し絞り開口形状を所定位置に設定する制御回路とからなる光量調節装置において、所定の絞り値に設定する際に絞り開放方向から設定する場合と絞り閉方向から設定する場合に生じる絞り設定誤差以上に駆動源のステッピングモータと制御回路とにより光量調節機構を開閉動作する振幅から振幅が0になるまで時間経過とともに振幅を減衰させるように制御回路により駆動源を制御して光量調節機構を所定位置に収束させて位置設定を行うことを特徴とする。
【0020】
本願第2の発明は、絞り開口形状を可変し光量を調節する光量調節機構と、光量機構を駆動する駆動源のステッピングモータと、駆動源を制御し絞り開口形状を所定位置に設定する制御回路とからなる光量調節装置において、所定の絞り値に設定する際に絞り開放方向から設定する場合と絞り閉方向から設定する場合に生じる絞り値設定誤差以上に駆動源のステッピングモータと制御回路とにより光量調節機構を開閉動作する振幅から振幅が0になるまで時間経過とともに振幅を減衰させるよう制御回路により駆動源を制御するとともに、ステッピングモータにより光量調節機構を開閉動作する振幅の周期をステッピングモータの駆動入力パルスレートを低下させることにより光量調節機構を所定位置に収束させて位置設定を行うことを特徴とする。
【0021】
なお、本発明の光量調節装置は、カメラ等の光学機器に備え付けることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光量調節装置を光学機器に用いた場合の構成図と光量調節装置の駆動源のステッピングモータの通電波形を示す。
【0023】
被写体側から順に、フィールドレンズ201、バリエータレンズ202、絞り装置(光量調節装置)214、アフォーカルレンズ203、およびCCD撮像素子216が配置されて構成されている。
【0024】
バリエータレンズ202とフォーカスレンズ204はそれぞれ鏡枠205、206に保持され、これら鏡枠205,206に保持され、これら鏡枠205、206は不図示のガイド軸によって光軸方向にガイドされている。
【0025】
鏡枠205,206にはラック205a、206aが取り付けられており、ステッピングモータ207,208の出力軸としてのスクリュー軸207、208が作動してスクリュー軸207aと208aとのかみ合い作用によってバリエータレンズ202およびフォーカスレンズ204が光軸方向(矢印方向)に進退駆動される。
【0026】
このようにステッピングモータ207,208によりバリエータレンズ202およびフォーカスレンズ204を目標位置に駆動する場合、まずバリエータレンズ210およびフォーカスレンズ204を基準となる位置(初期位置)にセットし、この初期位置から目標位置まで移動させさせるために必要なパルス数の駆動信号をステッピングモータ207、208に入力する。
【0027】
このため、この撮影部には、バリエータレンズ202、およびフォーカスレンズ204が初期位置に位置しているか否かを検出する初期位置センサとして、発光素子と受光素子とが一体となったフォトインターラプタ209、210が設けられている。
【0028】
この撮影部の制御を司るマイクロプロセッサ211は、フォトインターラプタ209、210の発光素子と受光素子の間に鏡枠205、206に設けられた遮光部材205b、206bが入り込んで受光素子に発光素子からの光が入射しなくなったことをもって、バリエータレンズ202およびフォーカスレンズ204が初期位置に位置したことを検知する。
【0029】
なお、遮光部材205bは、バリエータレンズ202の望遠側か広角側かのゾーン検出を可能とする形状に設定されている。また、遮光部材206bはフォーカスレンズ204の遠距離物体に対してフォーカスする位置か至近物体に対してフォーカスする位置かのゾーン検出を可能する形状に設定されている。
【0030】
マイクロプロセッサ211の内部記憶装置212には、バリエータレンズ202の初期位置に対する望遠側と広角側の位置が、ステッピングモータ207の回転量に対応したステップ数として記憶されている。また、フォーカスレンズ204の初期位置に対しても、物体距離とバリエータレンズ202の位置とで決定される位置データがステッピングモータの回転量に対応したステップ数として記憶されている。
【0031】
ステッピングモータ207、208はステッピングモータ駆動回路219、220に入力されるマイクロプロセッサ211からの正逆信号により駆動される。つまり、撮像光学系の変倍動作およびこれに伴う合焦動作は、ビデオカメラなどで一般的に用いられているカムデータを利用した電子カム方式によりステッピングモータ207、208を制御することによって行われる。
【0032】
一方、光量調節装置は光量調節機構214と、ステッピングモータ224と、このステッピングモータ224により開閉駆動される絞り羽根214a,214bとステッピングモータ224の駆動回路225と、さらにこの駆動回路225へ制御信号を入力するマイクロプロセッサ211とからなる制御回路で構成されている。なお、ステッピングモータ駆動回路225およびマイクロプロセッサ211により請求の範囲に言う制御手段が構成される。
【0033】
即ち、図1の図中の矢印に示すように、絞り値が所定の値よりも小絞り側の場合には、マイクロプロセッサ212より所定の絞り位置を中心に絞り値が開方向から作動する場合の絞り停止位置と絞りが閉方向から作動する場合の絞り停止位置の停止位置誤差(ヒステリシス)以上に駆動源のステッピングモータ224とステッピングモータ224を制御し絞り値を所定の値に設定する前述の制御回路とにより光量調節機構214を開閉動作する振幅から振幅が0になるまで時間経過とともに振幅を減衰させるように制御回路により駆動源を制御すし光量調節機構を所定位置に収束させて位置設定を行うのでヒステリシスの影響を無くし高精度なし絞り値の設定ができる。
【0034】
図3にカメラなどの光学機器に応用した場合のフローチャートを示す。
【0035】
カメラ電源が投入(ON)されるとST101の露出設定(露出モード)を行いST102で絞り値を決定する。ST103では絞り値が小絞り領域かどうか(振幅動作が必要かどうか)を判定しNO(N)の場合はST104に移り絞り値を所定値に設定する。
【0036】
YES(Y)の場合はST105に移りマイクロプロセッサ211のメモリ212の格納されている絞り値に応じた最適な振幅を決定し、ST106はST105で決定した最適な振幅をステッピングモータ駆動回路219へ出力し絞り設定を行う。
【0037】
ST107では、露出再設定するかどうかを判定しYの場合は再度ST101の露出設定に戻る。Nの場合は画像を取り込み記録モードへ移る。
【0038】
また、図2は絞り値が所定の値よりも小絞り側の場合には、マイクロプロセッサ212より所定の絞り位置を中心に絞り値が開方向から作動する場合の絞り停止位置と絞りが閉方向から作動する場合の絞り停止位置の停止位置誤差(ヒステリシス)以上に駆動源のステッピングモータ224とステッピングモータ224を制御し絞り値を所定の値に設定する前述の制御回路とにより光量調節機構214を開閉動作する振幅から振幅が0になるまで時間経過とともに振幅を減衰させて制御するとともにステッピングモータ224により光量調節機構214を開閉動作する振幅の周期をステッピングモータ224の駆動入力パルスレートを低下させる事により光量調節機構214を所定の絞り位置に収束させて位置設定を行ういより安定した収束動作ができる。
【0039】
光量調節機構を収束させる際のステッピングモータ224への駆動入力の周期(パルスレート)は初期値(周期)をTsecとするとn番目の周期Tnは、Tn=T(n-1)+tk(補正値)secで設定するか、Tn=T(n-1)×k(係数)で設定されるように時間経過とともに周期が長くなるように決定する。
【0040】
図4にカメラなどの光学機器に応用した場合のフローチャートを示す。
【0041】
カメラ電源が投入(ON)されるとST101の露出設定(露出モード)を行いST102で絞り値を決定する。ST103では絞り値が小絞り領域かどうか(振幅動作が必要かどうか)を判定しNの場合はST104に移り絞り値を所定値に設定する。
【0042】
Yの場合はST105に移りマイクロプロセッサ211のメモリ212の格納されている絞り値に応じた最適な振幅条件とパルスレート条件を決定し、ST106はST105で決定した最適な振幅と周期をステッピングモータ駆動回路219へ出力し絞り設定を行う。最適な周期の設定方法は前述の設定方法などで設定すればよい。
【0043】
ST107では、露出再設定するかどうかを判定しYの場合は再度ST101の露出設定に戻る。Nの場合は画像を取り込み記録モードへ移る。
【0044】
CCD撮像素子216からの電気信号はA/D変換回路217によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、信号処理回路218に入力される。信号処理回路218は入力された電気信号から映像信号を作り、この映像信号を記憶部に送るとともに、映像信号のうちの輝度信号成分をマイクロプロセッサ211に送る。
【0045】
マイクロプロセッサ211は入力された輝度信号成分が常に適性値になるようにステッピングモータ駆動回路225に制御信号を送り、ステッピングモータ224をフィードバック制御する。
【0046】
ステッピングモータ駆動回路225はマイクロプロセッサ211からの制御信号に応じてステッピングモータ224の初期位置を設定するためのステッピングモータ224の励磁コイルに通電を行ったり、初期位置から任意の位置へ回転させて位置決めするための励磁コイルへの通電を行ったりする。
【0047】
なお、バリエータレンズ202およびフォーカスレンズ204の駆動とともに光量調節機構214の駆動もステッピングモータにて行うため、従来のように絞り装置におけるガルバノ方式のアクチュエータの駆動回路や絞りの位置検出のためのAMP(増幅器),A/D変換機などを設ける必要がなくなり、カメラ全体としての制御を容易にすることができる。
【0048】
ズームスイッチ225は、広角側にズーミング動作させるためのスイッチと、望遠側にズーミング動作させるためのスイッチとからなり、これらスイッチからの信号はマイクロプロセッサ211に入力される。マイクロプロセッサ211は、入力された信号に応じてステッピングモータ駆動回路219,220に制御信号を送り、バリエータレンズ202をズーム駆動するとともに、このズーム駆動装置に応じた位置にフォーカシングレンズ204を駆動する。
【0049】
モード切り換えスイッチ226は、このカメラによって動画撮影を行う(動画モード)か、静止画撮影を行う(静止画モード)か、を選択させるためのスイッチである。
【0050】
シャッタースイッチ227は静止画モードが選択された場合に、静止画撮影を実行させるためのスイッチである。また、録画スイッチ228は、動画モードが選択された場合に動画撮影の開始および終了を指示するためのスイッチである。
【0051】
光量調節機構214の絞り動作については図5〜9で詳細に説明してあるので詳細な説明は省略する。また、シャッター動作については任意の絞り位置から絞り閉じ方向へ急速に励磁コイルへの通電入力(閉じ方向へ所定のパルスレートを与える)を与えることでシャッター動作ができる。
【0052】
図5〜図9は、本実施形態の光量調節機構の構成を詳しく説明する。
【0053】
図5には、本実施形態の構成を示している。
【0054】
ステッピングモータ1、ステッピングモータ励磁コイル端子1a〜1d、ステッピングモータ出力軸2、レバー3はステッピングモータ出力軸2に固着されている、レバー3の回転位置規制をするストッパー4・5、で構成されている。
【0055】
ステッピングモータ1の不図示の構成は外周面に10着磁した円筒形状のロータマグネットと電気角で90度の位相差を持ってロータマグネットと対抗配置したステータと励磁コイルからなる2個の電磁石を具備し、各励磁コイルに交番電流を通電することにより正逆回転する2相のステッピングモータである。
【0056】
上記構成のステッピングモータ駆動装置の初期位置決定方法を以下に説明する。
【0057】
A〜Mはステッピングモータ1を1−1相励磁駆動した場合の1ステップの回転位置を示す。すなわち上記構成のステッピングモータ1は1回転で20箇所の停止位置を持っている。
【0058】
図6を用いて、ステッピングモータ1のレバー3をGの位置へ初期化する場合の動作を説明する。
【0059】
ステッピングモータ1の1組の励磁コイルへの交番電流波形の位相とストッパー4,5の位置関係を示す。ここで、励磁コイルへの交番電流波形の位相とストッパー4,5で決まるレバー3の位置規制範囲は略一致している。
【0060】
レバー3をGの位置に初期化する場合は、Gの位置に対応した励磁コイルへの通電条件に設定する。このとき、レバー3は任意の位置にありGの位置の通電条件により図6に示すように初期状態ではA相,B相が同一の通電条件となるポイントがハッチングで示す3箇所(C,G,K)に存在するため、どの位置に決定されるかは不確定である。仮に、Cの位置に確定されたとして初期化するための励磁コイルへの通電条件を以下の順序で変化させる。
【0061】
▲1▼
初期化励磁コイル通電入力をG→H…・・L→Mまで変化させる。
このとき、レバー3はC→D…L→Iの位置(ストッパー4)まで移動する。
【0062】
▲2▼
励磁コイル通電入力をM→L…B→Aまで変化させる
このとき、レバー3は励磁コイルへの入力により決まる移動量は回転位置規制のストッパー5で動きが規制されるので励磁コイルの通電入力がEになるとレバー3はAの位置で停止する。
【0063】
▲3▼
レバー3がAの位置で停止した状態でさらに励磁コイルへの通電入力がE→D→Cに変化する。
【0064】
励磁コイルへの通電入力が電気角で180°以上になるとレバー3はCの位置へ逆方向に移動して停止する。(Xの位置はストッパー5が設けられているのでレバー3は移動することなく同位相であるCの位置へしか移動できない)
▲4▼
さらに励磁コイルへの通電入力をC→B→Aと変化させると、レバー3は、励磁コイルへの通電入が同位相となりレバー3は同期してC→B→A(ストッパー5)まで移動する。
【0065】
▲5▼
励磁コイルへの通電入力をA→B…F→Gまで変化させると、レバー3はすでに▲4▼の動作で同期状態になっているのでレバー3は、励磁コイルへの通電入力と同期してA→B…F→Gで位置決めされ停止する。
【0066】
すなわち、初期化動作として初期化すべきレバー3の任意の位置を中心としてストッパー4,5のレバー3の位置規制範囲を往復する励磁コイルへの通電入力を変化させると目標の任意の位置へ初期化が可能である。
【0067】
次に、図7はレバー3をAの位置に初期化する場合の励磁コイルへの通電入力変化とレバー3の位置の変化と励磁コイルへの通電入力同期する様子を表した図である。▲1▼〜▲5▼で同期がとれた状態は黒丸で示している。
【0068】
動作は図6で説明したので省略する。
【0069】
初期化動作が完了後、励磁コイルへの通電入力をA〜Mまでの任意の位置へ変化させて所定の位置へ位置決めすることが出来る。
【0070】
また、Aの位置とMの位置をストッパー4,5に付勢して位置決めする場合は電気角で90°程度励磁コイルへの通電入力の位相を付勢したい方向へ進めた通電条件で保持することができる。
【0071】
図8は、本実施形態のステッピングモータ駆動装置を光量調節装置に用いた場合の構成を示す。
【0072】
図8において、ステッピングモータ1に溶接などで固着されたステッピングモータ地板10は光量調節装置のベースとなる固定地板12と結合するためのビス閉め用の円弧状の長穴10a,10bをそなえており固定地板12との位置関係すなわちレバー13の位置規制ストッパー4,5との位相関係を調整できる構成にしてある。レバー13は、固定地板12に圧入などで固定された軸18に回転可能に支持されている。
【0073】
ステッピングモータ出力軸2に圧入などで固着されたピニオンギヤ11はレバーギヤ13aと噛合いステッピングモータ1の励磁コイルへの通電入力によりピニオンギヤ11が回転するとレバー3が軸18を回転中心としてストッパー4〜5の位置規制範囲を往復作動できる。
【0074】
絞り羽根14,15はレバー13に設けたレバーピン13b,13cと絞り羽根に設けた長溝14a,15aが作動可能に勘合しており、絞り羽根14,15のスラスト方向の作動をガイドするガイド16により絞り羽根14,15は直進移動する。絞り羽根14,15の光軸方向は不図示のガイドにより作動可能に位置決めされている。
【0075】
すなわち、ステッピングモータの出力軸2が正逆回転する事により、図9に示すように、絞り羽根14,15で形成される開口部の面積が変化するので、開口部を通過する光量を調節することが可能である。
【0076】
ステッピングモータ1を固定地板12に取り付ける際には、図6に示すAの位置に対応する励磁コイルへの通電入力をステッピングモータ1へ与えて保持する。
【0077】
次にレバー13をストッパー5へ付勢して固定する。この状態でステッピングモータ1のピニオンギヤ11とレバーギヤ13aを噛合せてビス止めしてステッピングモータ1を仮固定する。このときストッパー5とレバー13の当接部に隙間などが生じている場合やストッパー4,5とレバー13の当接部の隙間が不均等になっている場合は円弧状の長穴10a,10bの範囲で微調節をして励磁コイルへの通電入力とストッパー4,5との位相関係を実用上問題ない範囲(電気角で±45°程度)に合わせておく事が必要である。
【0078】
【発明の効果】
このように、絞り開口形状を可変し光量を調節する光量調節機構と光量機構を駆動する駆動源のステッピングモータを制御し絞り値を所定位置に設定する制御回路とからなる光量調節装置において、所定の絞り値に設定する際に絞り開放方向から設定する場合と絞り閉方向から設定する場合に生じるヒステリシス以上に光量調節機構を開閉動作させる振幅から振幅が0になるまで時間経過とともに振幅を減衰させるようにステッピングモータを制御し絞り設定値に収束させるのでヒステリシスの影響を受けず高精度の絞り位置決めを行う事ができる。
【0079】
また、絞り開口形状を可変し光量を調節する光量調節機構と光量機構を駆動する駆動源のステッピングモータを制御し絞り値を所定位置に設定する制御回路とからなる光量調節装置において、所定の絞り値に設定する際に絞り開放方向から設定する場合と絞り閉方向から設定する場合に生じるヒステリシス以上に光量調節機構を開閉動作させる振幅から振幅が0になるまで時間経過とともに振幅を減衰させるとともにステッピングモータにより光量調節機構を開閉動作する振幅の周期をステッピングモータの駆動入力パルスレートを低下させステッピングモータを制御し絞り設定値に収束させるのでさらに絞り位置決め精度を向上させることが可能である。
【0080】
本発明の光量調節装置を用いた光学機器(ビデオカメラ・デジタルカメラ・スチールカメラなど)において、光量調節装置の駆動源にステッピングモータを用いて小絞りにしても高精度な絞り値の設定ができるのでデジタルカメラやムービカメラなどの光量調節装置として安価で高精度な光量調節装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における光学機器の構成図とステッピングモータの通電波形を示す図。
【図2】本実施形態において、ステッピングモータの通電波形を示す図。
【図3】本実施形態である光量調節装置を光学機器に応用した場合のフローチャート。
【図4】本実施形態である光量調節装置を光学機器に応用した場合のフローチャート。
【図5】ステッピングモータ駆動装置の構成図。
【図6】ステッピングモータの動作説明図。
【図7】ステッピングモータの動作説明図。
【図8】ステッピングモータ駆動装置を光量調節装置に用いた場合の構成図。
【図9】光量調節装置の動作説明図。
【図10】従来の光学機器(カメラ)の構成図。
【符号の説明】
214 光量調節機構
224 ステッピングモータ
225 ステッピングモータ駆動回路
211 マイクロプロセッサ
212 メモリ
Claims (3)
- 絞り開口形状を調節する調節機構と、前記調節機構を駆動するためのステッピングモータと、前記ステッピングモータを駆動制御するための制御回路とを有する光量調節装置において、
前記調節機構を開放方向から駆動した場合と前記調節機構を閉方向から駆動した場合に生じるヒステリシス以上の駆動振幅になるような前記調節機構を駆動する状態から、前記駆動振幅が略0の駆動振幅になるような前記調節機構を駆動する状態になるまで、前記ステッピングモータを正逆回転駆動制御することで、前記調節機構の開閉動作を繰り返しながら前記駆動振幅を時間経過とともに減衰させる制御回路を有することを特徴とする光量調節装置。 - 前記調節機構の駆動振幅の周期を時間経過とともに長くする請求項1に記載の光量調節装置。
- 請求項1又は2に記載の光量調節装置を有する光学機器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1066450C (zh) * | 1995-04-10 | 2001-05-30 | 株式会社大塚制药工场 | 吡唑并[1,5-α]嘧啶衍生物 |
-
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