JP2015169750A - 光量調節装置および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一の駆動源で動画撮影時と静止画撮影時に最適な駆動を可能にすることで、光量調節装置を小型化すること。【解決手段】光量調節装置は開口部が形成され、光軸を中心として回転する第1の回転部材および第2の回転部材と、前記第1または第2の回転部材を回転駆動可能である単一の駆動部材と、前記第1または第2の回転部材の回転に伴って移動することで前記開口部の開口径を変化させる遮光部材と、を有する光量調節装置であって、前記光量調節装置は、前記駆動部材が前記第2の回転部材に係合しない状態で前記第1の回転部材に係合することで前記第1の回転部材を回転する第1の状態と、前記第1の回転部材に係合しない状態で前記第2の回転部材に係合することで前記第2の回転部材を回転する第2の状態と、前記第1および第2の回転部材に係合することで前記第1および第2の回転部材を係合する第3の状態となる。【選択図】図2
Description
本発明は、光量調節装置および撮像装置に関する。
近年のデジタルカメラにおいては、静止画撮影だけでなく、動画撮影が可能な機種も市場投入されている。そのため、デジタルカメラの交換レンズに搭載される絞り装置は、静止画撮影においては、連続撮影速度向上のために高速駆動が求められると同時に、動画撮影においては、非常に滑らかな低速駆動が要求される。滑らかな低速駆動とは、高分解能に低速駆動を行うことを意味する(動画撮影において、絞り動作が低分解能である場合には、不自然な光量変化が動画として取得され、品位を損なう)。また、静止画撮影時には、シャッターチャンスを逃さないために、電源投入直後に撮影スタンバイの状態になっていることが望ましい。
従来、絞り装置は、1つのモータと1つの回転リング(ロータリープレート)と1つのカム軌跡を持つカム板(カムプレート)により絞り羽根が駆動されており、そのモータの特性の範囲内で高速駆動および低速駆動を行っている。特許文献1では、駆動ユニットとしてステッピングモータを備えた電磁駆動絞り装置が開示されている。ステッピングモータによって駆動される絞り装置であるため、1−2相駆動により、静止画撮影での連続撮影のための高速駆動性能を確保し、マイクロステップ駆動により、動画撮影での滑らかな低速駆動を行うことができる。
しかしながら、特許文献1では、モータに直結された1個のロータリープレートで高速および低速駆動を行っている。そのため、高速駆動性能と低速駆動性能は、モータ単体の駆動特性、モータのピニオンとロータリープレートの螺合による減速比、カムプレートのカム軌跡の設定から、一意的に決まってしまう。例えば、要求される高速駆動の性能を満足するようにロータマグネットの表面磁束密度を高めて駆動力を向上させれば、コギングトルクの増大により低速駆動で要求される駆動の滑らかさが損なわれてしまう。逆に、要求される低速駆動の性能を満足するようにロータマグネットの着磁ピッチ(隣り合うN極とS極の角度)を小さくして多極化し、1回転当たりに停止可能なステップ数を増すと、滑らかに駆動できるが、高速な駆動指令に追従できず高速駆動ができない。その対策として、停止精度に優れ、出力トルクが大きいモータを用いて駆動精度と高速化を達成する方法が考えられるが、大型のモータが必要となるため、装置全体が大型化してしまう。また、大型のモータでは、ロータ直径が大きくなることでロータイナーシャが増加するため、モータが駆動指令を受けてからの始動が遅く、電源投入後から撮影スタンバイの状態までの時間が長くなってしまう。
このような課題を鑑みて、本発明は、単一の駆動源で動画撮影時と静止画撮影時に最適な駆動を可能にすることで、光量調節装置を小型化することを目的とする。また、静止画撮影時に電源投入直後に撮影スタンバイの状態にセット可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての光量調節装置は、開口部が形成され、光軸を中心として回転する第1の回転部材および第2の回転部材と、前記第1または第2の回転部材を回転駆動可能である単一の駆動部材と、前記第1または第2の回転部材の回転に伴って移動することで前記開口部の開口径を変化させる遮光部材と、を有する光量調節装置であって、前記光量調節装置は、前記駆動部材が前記第2の回転部材に係合しない状態で前記第1の回転部材に係合することで前記第1の回転部材を回転する第1の状態と、前記第1の回転部材に係合しない状態で前記第2の回転部材に係合することで前記第2の回転部材を回転する第2の状態と、前記第1および第2の回転部材に係合することで前記第1および第2の回転部材を係合する第3の状態となることを特徴とする。
本発明の他の側面としての撮像装置は、開口部が形成され、光軸を中心として回転する第1の回転部材および第2の回転部材と、前記第1または第2の回転部材を回転駆動可能である単一の駆動部材と、前記第1または第2の回転部材の回転に伴って移動することで前記開口部の開口径を変化させる遮光部材と、駆動電源と、を有する撮像装置であって、前記撮像装置は、前記駆動部材が前記第2の回転部材に係合しない状態で前記第1の回転部材に係合することで前記第1の回転部材を回転する第1の状態と、前記第1の回転部材に係合しない状態で前記第2の回転部材に係合することで前記第2の回転部材を回転する第2の状態と、前記第1および第2の回転部材に係合することで前記第1および第2の回転部材を係合する第3の状態となり、前記撮像装置は、前記駆動電源を投入した際、前記第1の状態であることを特徴とする。
本発明によれば、単一の駆動源で動画撮影時と静止画撮影時に最適な駆動を可能にすることで、光量調節装置を小型化することができる。また、静止画撮影時に電源投入直後に撮影スタンバイの状態にセット可能な撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を用いて、本発明の光量調節装置を搭載したカメラシステムについて説明する。図1は、本発明の光量調節装置を搭載したカメラシステムの構成を示すブロック図である。このカメラシステムは、撮像素子22を備えたカメラ本体20と、カメラ本体20に装着される交換レンズ10とを有している。交換レンズ10内のレンズCPU1と、カメラ本体20内のカメラCPU21は、レンズ通信接点12およびカメラ通信接点27を介して通信可能である。
交換レンズ10において、レンズユニットL1〜L4および光量調節装置100によって撮影光学系Lが構成される。レンズユニットL1、L4は固定のレンズユニット、レンズユニットL2は変倍用のレンズユニット、レンズユニットL3はフォーカスレンズユニットである。
レンズユニットL2は、レンズCPU1の制御信号を受けたズーム駆動回路11からの出力を受けることで、光軸X方向に移動可能である。これにより、撮影光学系Lの焦点距離を変化させることができる。焦点距離検出回路9は、レンズユニットL2の位置を検出することで撮影光学系Lの焦点距離を検出する。焦点距離検出回路9は、レンズユニットL2の位置を32分割されたグレーコードパターンを用いて検出している。
レンズユニットL3は、レンズCPU1からの制御信号を受けたフォーカス駆動回路3の出力を受けることで、光軸X方向に移動可能である。これにより、撮影光学系Lの焦点調節を行うことが可能である。フォーカス駆動モータの駆動によって回転する回転部材には、パルス発生ユニットが設けられている。パルス発生ユニットは、回転部材の回転に応じたパルス信号をフォーカス駆動回路3に出力する。レンズCPU1は、パルス発生ユニットから出力されたパルス信号を検出することで、レンズユニットL3の位置検出を行う。
光量調節装置100は、複数の絞り羽根を光軸Xと略直交する面内で移動させることで、光が通過する口径を変化させる。レンズCPU1からの制御信号を受けた絞り駆動回路8は、光量調節装置100を駆動する。
操作スイッチ2は、マニュアル操作によるズーミング、フォーカシングおよび絞り値の設定や、オートフォーカスおよびマニュアルフォーカスの切り換え等を行う。
レンズCPU1内のメモリには、交換レンズ10のID、焦点距離情報、レンズユニットL3の移動量に対する撮像素子面上のピント移動量(以下、フォーカス敏感度という)等が、分割された焦点距離毎に格納されている。
被写体50の像は、交換レンズ10内の撮影光学系Lを通過し、カメラ本体20内の撮像素子22の撮像面(受光面)に結像する。撮像素子22は、CCDやCMOS等の光電変換素子で構成されており、光学像を光電変換によって電気信号に変換する。撮像素子22から読み出された信号は、増幅処理およびA/D変換処理が施された後、デジタル映像信号としてカメラCPU21に出力される。本実施形態のカメラシステムでは、デジタル映像信号を用いて、動画像または静止画像を形成している。
デジタル映像信号は、カメラCPU21に出力されるだけではなく、オートフォーカス(以下、AFという)処理回路29に対しても出力される。AF処理回路29にデジタル映像信号が入力されると、一画面分の画像データにおける高周波成分がハイパスフィルタ(HPF)等を介して抽出され、この高周波成分に対して累積加算等の演算処理等が行なわれる。これによって、高域側の輪郭成分量等に対応するAF評価値が算出される。そして、このAF評価値がピークを示す位置までレンズユニットL3を移動させることで、いわゆるコントラスト検出方式による焦点検出を行うことができる。AF処理回路29で算出されたAF評価値は、カメラCPU21に出力される。本実施形態のカメラシステムにおける焦点調節動作は、コントラスト検出方式と、レンズCPU1内に格納されているフォーカス敏感度の情報とに基づいてレンズユニットL3を光軸方向に移動させることによって行われる。
記録回路23は、カメラ本体20に対して着脱可能な記録媒体に映像信号を記録する。なお、本実施例では、各種バッファメモリ等は、カメラCPU21内に含まれている。レリーズスイッチ24は、測光、焦点検出および合焦動作といった撮影準備動作を開始させるためのスイッチ(SW1)と、撮像素子22への露光を開始させるためのスイッチ(SW2)の2段スイッチで構成されている。レリーズスイッチ24の出力信号はカメラCPU21に入力され、カメラCPU21は入力信号に応じた動作を行う。表示ユニット25には、例えば、撮像素子22を用いて撮影された動画像や静止画像が表示される。
カメラCPU21は、表示ユニット25の駆動制御、撮影モードや各種設定等を行うために操作される設定スイッチ26からの入力に対応した制御動作、電源(駆動電源)28における残り容量のチェックや電力の分担等といったあらゆる制御を行っている。
次に、図2および図3を参照して、本発明の光量調節装置100の構成について説明する。図2は、光量調節装置100の分解斜視図である。図3は、光量調節装置100の構成を概念的に示す断面図である。
光量調節装置100は、モータ(駆動部材)101、第1のロータリープレート(第1の回転部材)103、第2のロータリープレート(第2の回転部材)104、第1のカバー部材105、第2のカバー部材106および絞り羽根(遮光部材)107を有する。第1のロータリープレート103、第2のロータリープレート104、第1のカバー部材105および第2のカバー部材106には、それぞれ光軸を中心とした穴部が形成されており、被写体光が通過する開口部となる。
モータ101は、第1のカバー部材105に固定されている。モータ101は、カメラシステムの絞り駆動回路8からの駆動指令により駆動される。モータ101に設けられたピニオン(出力ギヤ)101−1は、第1のロータリープレート103に設けられたギヤ部103−1と係合する。そのため、第1のロータリープレート103は、第1のカバー部材105の嵌合部に案内されながらモータ101の出力に応じて光軸周りに回転する。ただし、ピニオン101−1に対するギヤ部103−1の位置によっては互いに噛み合わないように構成されており、噛み合いが外れているとモータ101の出力があっても第1のロータリープレート103は回転しない。また、モータ101に設けられたピニオン101−1は、第2のロータリープレート104に設けられたギヤ部104−1と係合する。そのため、第2のロータリープレート104は、第2のカバー部材106の嵌合部に案内されながらモータ101の出力に応じて光軸周りに回転する。ただし、ピニオン101−1に対するギヤ部104−1の位置によっては互いに噛み合わないように構成されており、噛み合いが外れているとモータ101の出力があっても第2のロータリープレート104は回転しない。
第1のロータリープレート103には穴部103−2が複数(図中では6箇所)形成され、第2のロータリープレート104には長穴部104−2が複数(図中では6箇所)形成されている。絞り羽根107に設けられたダボ部107−1および107−2は、それぞれ穴部103−2および長穴部104−2に嵌合する。ロータリープレート103,104は、絞り羽根107によって開口部の開口径を変化させることで、開口部を通過する光量を減少または増加させることが可能となる。
次に、図4および図5を参照して、ピニオン101−1と第1および第2のロータリープレート103,104の位置関係による第1および第2のロータリープレート103,104の駆動について詳細に説明する。図4は静止画撮影時の動作順序を示す図であり、図5は動画撮影時の動作順序を示す図である。図4および図5では、第1および第2のロータリープレート103,104とピニオン101−1の位置関係を模式的に示している。図4および図5では、点線Pはピニオン101−1の位置を示している。また、第1のロータリープレート103のギヤ部103−1と第2のロータリープレート104のギヤ部104−1は、図4および図5にて、ハッチングが施された部分である。
接触部103−3は、永久磁石であり、第1のロータリープレート103に一体的に取り付けられている。また、接触部104−3は、鉄片等の磁性部材で形成され、第2のロータリープレート104に一体的に取り付けられている。接触部103−3と接触部104−3は、逆の材質であってもよい。なお、接触部103−3と接触部104−3は、両者が接近すると接触し、後述するように第1および第2のロータリープレート103,104を一体的に移動させることが可能な構造であれば、永久磁石と鉄片でなくてもよい。
ストッパ部105−1、105−2およびストッパ部106−1、106−2は、それぞれカバー部材105、106に設けられている。これらが第1および第2のロータリープレート103,104の一部分と当接することで第1および第2のロータリープレート103,104の回転がそれぞれ規制される。
図4を用いて、静止画撮影時の第1および第2のロータリープレート103,104の駆動について説明する。
図4(a)は、電源OFF時の初期状態を示している。第1のロータリープレート103は、ストッパ部105−2に当接しているため、図中左方向への移動が規制されている。ギヤ部103−1はピニオン101−1に噛み合っておらず、ギヤ部104−1のみがピニオン101−1に噛み合っている。また、接触部104−3が接触部103−3と接触している。
図4(b)は、撮影スタンバイの状態を示している。第1のロータリープレート103はストッパ部105−2に当接しているため停止しているが、第2のロータリープレート104はモータ101により図中左方向へ回転駆動可能な状態になっている。このとき、接触部104−3が接触部103−3から離れている。また、絞り羽根107は、開放状態となっている。
図4(c)は、図4(b)の状態から第2のロータリープレート104をさらに図中左方向へ移動した状態を示している。このとき、第2のロータリープレート104はストッパ部106−2に当接しておらず、絞り羽根107は小絞り状態となっている。すなわち、静止画撮影では、図4(b)〜(c)の状態の間で光量調節動作を行っている。
撮影が終了して電源OFFになると、第2のロータリープレート104は、図中右方向へ移動して、図4(d)の状態となる。図4(d)は、図4(a)と同一の状態である。
なお、磁気吸引力と離間距離の関係が線形でないために、接触部の接触時や接触から解放された直後に各ロータリープレートの振動による光量変化の影響が懸念される。本実施形態では、図3(a)、(b)、(d)では絞り羽根107が開放状態となっているため、上記懸念は問題にならない。
また、第1のロータリープレート103は全く駆動せずに、撮影スタンバイから絞り羽根107の開閉までが行えるため、電源投入直後に絞り駆動が開始でき、即座に撮影を行うことができる。このことは、静止画撮影の際にはシャッターチャンスを逃さないために重要である。
図5を用いて、動画撮影時の第1および第2のロータリープレート103,104の駆動について説明する。動画撮影時には、モータ101を静止画撮影時とは反対方向に駆動する。
図5(a)は、電源OFF時の初期状態を示している。第1のロータリープレート103は、ストッパ部105−2に当接しているため、図中左方向への移動が規制されている。ギヤ部103−1はピニオン101−1に噛み合っておらず、ギヤ部104−1のみがピニオン101−1に噛み合っている。また、接触部104−3が接触部103−3と接触している。
図5(b)は、電源投入直後の状態を示している。図5(a)の状態から第2のロータリープレート104を図中右方向へ駆動すると、第2のロータリープレート104は第1のロータリープレート103と接触した状態で一体的に図中右方向へ移動する。その後、図5(b)に示すように、ギヤ部103−1は、ピニオン101−1に噛み合う。すなわち、ギヤ部103−1,104−1は、ともにピニオン101−1に噛み合っている。
図5(c)は、図5(b)の状態から第1および第2のロータリープレート103,104をさらに図中右方向へ移動させた状態を示している。このとき、ギヤ部104−1がピニオン101−1に噛み合っておらず、ギヤ部103−1のみがピニオン101−1に噛み合っている。
図5(d)は、図5(c)の状態から第1および第2のロータリープレート103,104をさらに図中右方向へ移動させた状態を示している。図5(c)の状態ではギヤ部104−1とピニオン101−1の噛み合いが外れているが、接触部104−3が接触部103−3と接触しているため、第1のロータリープレート103の駆動に伴って第2のロータリープレート104が移動する。そして、第2のロータリープレート104がストッパ部106−1に当接し、図中右方向への移動が規制されている。
図5(e)は、撮影スタンバイの状態を示している。第2のロータリープレート104はストッパ部106−1に当接しているため停止しているが、第1のロータリープレート103はモータ101により図中右方向へ回転駆動可能な状態になっている。このとき、接触部103−3が接触部104−3から離れている。また、絞り羽根107は、開放状態となっている。
図5(f)は、図5(e)の状態から第1のロータリープレート103をさらに図中右方向へ移動した状態を示している。このとき、第1のロータリープレート103はストッパ部105−1に当接しておらず、絞り羽根107は小絞り状態となっている。すなわち、動画撮影では、図5(e)〜(f)の間で光量調節動作を行っている。
撮影が終了して電源OFFになると、第1のロータリープレート103は、図中左方向へ移動して図5(g)の状態となる。図5(g)は、図5(a)と同一の状態である。
なお、磁気吸引力と離間距離の関係が線形でないために、接触部の接触時や接触から解放された直後に各ロータリープレートの振動による光量変化の影響が懸念される。本実施形態では、図4(a)〜(e)、(g)では絞り羽根107が開放状態となっているため、上記懸念は問題にならない。
ところで、第2のロータリープレート104に形成された複数の長穴部104−2のうちの1つを拡大すると、図5に示すような形状になっている。カム部104−2−aは、動画撮影時に第1のロータリープレート103が回転した際に絞り羽根107のダボ部107−2が摺動する。一方、カム部104−2−bは、静止画撮影時に第2のロータリープレート104が回転した際に絞り羽根107のダボ部107−2が摺動する。カム部104−2−bは、カム部104−2−aと比べると、第2のロータリープレート104の回転方向(図中R方向)に対するカム軌跡の傾斜角が大きくなっている(図中α>βの関係になっている)。これにより、絞り羽根107を静止画撮影時には高速度で駆動し、動画撮影時には静止画撮影時に比べて低速度で駆動することができる。すなわち、静止画撮影時のほうが動画撮影時に比べて開口部の開閉動作の速度を速く行うことができる。これは連写撮影などの速写性の高さを要求される静止画撮影時には必要なことである。カム部104−2−cは、各ロータリープレートの回転方向(図中R方向)とほぼ同方向のカム軌跡を有する。図4(a)、(b)、(d)および図5(a)〜(e)、(g)の状態では、絞り羽根107のダボ部107−2がカム部104−2−cを摺動することで、絞り羽根107の開放状態が維持されている。
以上の構成によれば、単一の駆動源で動画撮影時と静止画撮影時に最適な駆動を可能にし、結果として装置を小型化することができる。また、静止画撮影時には電源投入直後に即座に撮影スタンバイの状態にセットできるので、シャッターチャンスを逃すことなく撮影することができる。
実施例1では、第1および第2のロータリープレート103,104を一体的に回転させるための接触部に、永久磁石と鉄片等の磁性部材を用いているが、コイルバネ等の弾性部材を用いても同様の効果が得られる。本実施例では、その構成を図7および図8を用いて説明する。
第1のロータリープレート103にはバネ固定部103s−3が設けられ、第2のロータリープレート104にはバネ固定部104s−3が設けられている。バネ固定部103s−3とバネ固定部104s−3には、引っ張りコイルバネ(付勢部材)108が取り付けられている。なお、実施例1で説明した構成部品の中で同等の機能を有する部品は同一の番号で示している。
第1のロータリープレート103にはバネ固定部103s−3が設けられ、第2のロータリープレート104にはバネ固定部104s−3が設けられている。バネ固定部103s−3とバネ固定部104s−3には、引っ張りコイルバネ(付勢部材)108が取り付けられている。なお、実施例1で説明した構成部品の中で同等の機能を有する部品は同一の番号で示している。
図7を用いて、静止画撮影時の第1および第2のロータリープレート103,104の駆動について説明する。
図7(a)は、電源OFF時の初期状態を示している。第1のロータリープレート103は、ストッパ部105−2に当接しているため、図中左方向への移動が規制されている。ギヤ部103−1はピニオン101−1に噛み合っておらず、ギヤ部104−1のみがピニオン101−1に噛み合っている。また、バネ固定部103s−3とバネ固定部104s−3が引張りコイルバネ108によって引き寄せられている。
図7(b)は、撮影スタンバイの状態を示している。第1のロータリープレート103はストッパ部105−2に当接しているため停止しているが、第2のロータリープレート104はモータ101により図中左方向へ回転駆動可能な状態になっている。このとき、バネ固定部104s−3がバネ固定部103s−3から離れた位置にある。また、絞り羽根107は、開放状態となっている。
図7(c)は、図7(b)の状態から第2のロータリープレート104をさらに図中左方向へ移動した状態を示している。このとき、第2のロータリープレート104はストッパ部106−2に当接しておらず、絞り羽根107は小絞り状態となっている。この状態ではコイルバネ108が引き伸ばされているため互いに引き寄せるバネ力が生じているが、その力よりもモータ101の出力が大きいために絞り羽根107は小絞り状態を維持することができる。また、モータ101の出力に応じて開放位置から小絞り位置の範囲で任意に停止させることができる。すなわち、静止画撮影では、図7(b)〜(c)の間で光量調節動作を行っている。
撮影が終了して電源OFFになると、第2のロータリープレート104は、図中右方向へ移動して、図7(d)の状態となる。図7(d)は、図7(a)と同一の状態である。
本実施例では、第1および第2のロータリープレート103,104の接触時や接触解除時に引張りコイルバネを用いている。すなわち、バネ固定部103s−3,104s−3間の距離とバネ力の関係が線形であるために、本実施例では各ロータリープレートの振動による光量変化の影響が排除できる。
また、第1のロータリープレート103は全く駆動せずに、撮影スタンバイから絞り羽根の開閉までが行えるため、電源投入直後に絞り駆動が開始でき、即座に撮影を行うことができる。このことは、静止画撮影の際にはシャッターチャンスを逃さないために重要である。
図8を用いて、動画撮影時の第1および第2のロータリープレート103,104の駆動について説明する。動画撮影時には、モータ101を静止画撮影時とは反対方向に駆動する。
図8(a)は、電源OFF時の初期状態を示している。第1のロータリープレート103は、ストッパ部105−2に当接しているため、図中左方向への移動が規制されている。ギヤ部103−1はピニオン101−1に噛み合っておらず、ギヤ部104−1のみがピニオン101−1に噛み合っている。また、バネ固定部104s−3が引張りコイルバネ108によってバネ固定部103s−3に引き寄せられて、バネ固定部104s−3とバネ固定部103s−3が接触している。
図8(b)は、電源投入直後の状態を示している。図8(a)の状態から第2のロータリープレート104を図中右方向へ駆動すると、第1のロータリープレート103は、コイルバネ108によって第2のロータリープレート104に一体的に保持されているため、図中右方向へ移動していく。その後、図8(b)に示すように、ギヤ部103−1にピニオン101−1が噛み合う。すなわち、ギヤ部103−1,104−1は、ともにピニオン101−1に噛み合っている。
図8(c)は、図8(b)の状態から第1および第2のロータリープレート103,104をさらに図中右方向へ移動させた状態を示している。このとき、ギヤ部104−1がピニオン101−1に噛み合っておらず、ギヤ部103−1のみがピニオン101−1に噛み合っている。
図8(d)は、図8(c)の状態から第1および第2のロータリープレート103,104をさらに図中右方向へ移動させた状態を示している。図8(c)の状態ではギヤ部104−1とピニオン101−1の噛み合いが外れているが、バネ固定部104s−3がバネ固定部103s−3に引き寄せられ、接触している。そのため、第1のロータリープレート103の駆動に伴って第2のロータリープレート104が移動する。そして、第2のロータリープレート104がストッパ部106−1に当接し、図中右方向への移動が規制されている。
図8(e)は、撮影スタンバイの状態を示している。第2のロータリープレート104はストッパ部106−1に当接しているため停止しているが、第1のロータリープレート103はモータ101により図中右方向へ回転駆動可能な状態になっている。このとき、バネ固定部103s−3がバネ固定部104s−3から離れている。また、絞り羽根107は、開放状態となっている。
図8(f)は、図8(e)の状態から第1のロータリープレート103をさらに図中右方向へ移動した状態を示している。このとき、第1のロータリープレート103は、ストッパ部105−1に当接しておらず、絞り羽根107は小絞り状態となっている。この状態ではコイルバネ108が引き伸ばされているため互いに引き寄せるバネ力が生じているが、その力よりもモータ101の出力が大きいために絞り羽根107は小絞り状態を維持することができる。また、モータ101の出力に応じて開放位置から小絞り位置の範囲で任意に停止させることができる。すなわち、動画撮影では、図8(e)〜(f)の間で光量調節動作を行っている。
撮影が終了して電源OFFになると、第1のロータリープレート103は、図中左方向へ移動して図8(g)の状態となる。これは図8(a)と同一の状態である。
本実施例では、第1および第2のロータリープレート103,104の接触時や接触解除時に引張りコイルバネを用いている。すなわち、バネ固定部103s−3,104s−3間の距離とバネ力の関係が線形であるために、本実施例では各ロータリープレートの振動による光量変化の影響が排除できる。
なお、本実施例においても、第2のロータリープレート104に形成された長穴部104−2は図5に示すような形状になっている。その機能については、実施例1と同様であるため、本実施例では説明を省略する。
以上の構成によれば、単一の駆動源で静止画撮影時と動画撮影時に最適な駆動を可能にし、結果として装置を小型化することができる。また、静止画撮影時には電源投入直後に即座に撮影スタンバイの状態にセットできるので、シャッターチャンスを逃すことなく撮影することができる
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
101 モータ(駆動部材)
103 第1のロータリープレート(第1の回転部材)
104 第2のロータリープレート(第2の回転部材)
107 絞り羽根(遮光部材)
103 第1のロータリープレート(第1の回転部材)
104 第2のロータリープレート(第2の回転部材)
107 絞り羽根(遮光部材)
Claims (8)
- 開口部が形成され、光軸を中心として回転する第1の回転部材および第2の回転部材と、
前記第1または第2の回転部材を回転駆動可能である単一の駆動部材と、
前記第1または第2の回転部材の回転に伴って移動することで前記開口部の開口径を変化させる遮光部材と、を有する光量調節装置であって、
前記光量調節装置は、前記駆動部材が前記第2の回転部材に係合しない状態で前記第1の回転部材に係合することで前記第1の回転部材を回転する第1の状態と、前記第1の回転部材に係合しない状態で前記第2の回転部材に係合することで前記第2の回転部材を回転する第2の状態と、前記第1および第2の回転部材に係合することで前記第1および第2の回転部材を係合する第3の状態となることを特徴とする光量調節装置。 - 前記第2の回転部材には、前記遮光部材が摺動することで、前記開口径を変化させる第1のカム部と、第2のカム部が形成され、
前記第1のカム部の軌跡は、前記第1のカム部の軌跡よりも前記第2の回転部材の回転方向に対する傾斜角が大きく、
前記遮光部材は、前記第1の状態において第1のカム部を摺動することで第1の速度で移動し、前記第2の状態において前記第2のカム部を摺動することで前記第1の速度より低速な第2の速度で移動することを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。 - 前記第1の回転部材は、第1の接触部を備え、
前記第2の回転部材は、第2の接触部を備え、
前記光量調節装置は、前記第1および第2の接触部が当接することで前記第1および第2の回転部材が一体的に移動可能となることを特徴とする請求項1または2に記載の光量調節装置。 - 前記第2の回転部材には、前記第1のカム部と前記第2のカム部を繋ぐ第3のカム部が形成され、
前記遮光部材が前記第3のカム部を摺動することで前記開口部が開放状態を維持することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記第1および第2の接触部は、磁性部材であることを特徴とする請求項3に記載の光量調節装置。
- 前記第1および第2の接触部には、付勢部材が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の光量調節装置。
- 開口部が形成され、光軸を中心として回転する第1の回転部材および第2の回転部材と、
前記第1または第2の回転部材を回転駆動可能である単一の駆動部材と、
前記第1または第2の回転部材の回転に伴って移動することで前記開口部の開口径を変化させる遮光部材と、
駆動電源と、を有する撮像装置であって、
前記撮像装置は、前記駆動部材が前記第2の回転部材に係合しない状態で前記第1の回転部材に係合することで前記第1の回転部材を回転する第1の状態と、前記第1の回転部材に係合しない状態で前記第2の回転部材に係合することで前記第2の回転部材を回転する第2の状態と、前記第1および第2の回転部材に係合することで前記第1および第2の回転部材を係合する第3の状態となり、
前記撮像装置は、前記駆動電源を投入した際、前記第1の状態であることを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像装置は、静止画撮影時は前記第1の状態となり、動画撮影時は前記第2の状態となることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014043585A JP2015169750A (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | 光量調節装置および撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014043585A JP2015169750A (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | 光量調節装置および撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015169750A true JP2015169750A (ja) | 2015-09-28 |
Family
ID=54202552
Family Applications (1)
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JP2014043585A Pending JP2015169750A (ja) | 2014-03-06 | 2014-03-06 | 光量調節装置および撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015169750A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107635780A (zh) * | 2015-06-09 | 2018-01-26 | 精工爱普生株式会社 | 液体喷射装置、罐单元、打印机 |
WO2021159970A1 (zh) * | 2020-02-14 | 2021-08-19 | 梁燕玲 | 转接装置 |
-
2014
- 2014-03-06 JP JP2014043585A patent/JP2015169750A/ja active Pending
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