以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である撮像システムの構成を示している。該撮像システムは、ビデオカメラ、一眼レフデジタルスチルカメラ等の撮像装置(以下、カメラという)9と、該カメラ9に着脱可能に装着される交換レンズ(レンズ装置)8とにより構成されている。なお、図中の線20は、交換レンズ8とカメラ9との境界を示す。
まず、交換レンズ8の構成について説明する。図1において、1はフォーカスリングであり、交換レンズ8の鏡筒回りで回転操作可能である。2はフォーカスリング1の回転方向を示している。
3,4,6,7は交換レンズ8内においてズーム撮影光学系を構成するレンズユニットである。ここでは、最も一般的にビデオカメラで用いられている4群リアフォーカスタイプの光学系を示している。但し、本発明において、レンズタイプはこの限りではない。
3は正の光学的パワーを有する固定の前玉レンズユニット、4は光軸方向に移動して変倍効果を得る変倍レンズユニット(バリエーターレンズ)、6は固定のアフォーカルレンズユニットである。また、7は光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズユニットであり、変倍中のピント移動を抑えるためのコンペンセータとしての働きも有する。
5は絞りユニットで、変倍レンズユニット4とアフォーカルレンズユニット6との間に配置されている。絞りユニット5は、その開口径を変更することで、像面に到達する光量を調節する。
10はフォーカスリング1の回転方向と回転量又は回転速度を検出するリング回転検出器である。リング回転検出器10は、例えば、リング1に櫛歯状に形成された複数の突起部が不図示のフォトインタラプタの発光部と受光部の間を通過することで矩形波信号を出力する。この矩形波信号をカウントしたり入力間隔をモニタしたりすることで、フォーカスリング1の回転方向と回転量又は回転速度を検出することができる。リング回転検出器10としては、可変抵抗器を用いたもの等、その構成や検出原理は問わない。
11はズームアクチュエータであり、ステップモータや、マグネットもしくはコイルが光軸方向にリニアに移動するボイスコイル型リニアアクチュエータなどで構成される。
12はズーム位置検出器であり、変倍レンズユニット4の光軸方向の位置を検出する。ズームアクチュエータ11がステップモータの場合は、例えば、電源投入時に初期位置に変倍レンズユニット4がリセットされた後、ステップモータの駆動パルスをカウントすることでその位置を検出することができる。初期位置へのリセットは、不図示のフォトインタラプタの発光部と受光部との間への変倍レンズユニット4に設けられた遮光部の挿入を検出することで行われる。また、ズーム位置検出器12としては、磁気式もしくは光学式エンコーダを用いることもできる。
13はフォーカスアクチュエータであり、ステップモータや、マグネットもしくはコイルが光軸方向にリニアに移動するボイスコイル型リニアアクチュエータなどで構成される。
14はフォーカス位置検出器であり、ズーム位置検出器12として説明したもののうちのいずれかが使用される。
15は交換レンズ側のコントローラとしてのレンズCPU(制御手段、レンズ通信手段)である。レンズCPU15は、各位置検出器やスイッチの状態を把握して、各アクチュエータの駆動を制御したり、後述するカメラCPUとの通信を行ったりする。
16はレンズCPU15内に設けられたズームトラッキングメモリである。該メモリ16は、変倍中に連動する変倍レンズユニット4とフォーカスレンズユニット7の被写体距離に応じた位置関係情報を記憶している。変倍を行う際に、変倍レンズユニット4とフォーカスレンズユニット7の位置関係をこの情報に応じた関係に維持することにより、被写体にピントを合わせたままの変倍(ズーミング)を行うことができる。
17は第1の操作部材としてのファインダ倍率切換えスイッチである。これについては後述する。
18は第2の操作部材としてのオートフォーカスモード(AF)とマニュアルフォーカスモード(MF)とを切り換えるために操作されるAF/MF切換えスイッチである。
21は接点ブロック(レンズ側接点ブロック、及び該レンズ側接点ブロックと接続される撮像装置側接点ブロック)であり、交換レンズ8とカメラ9のマウント部に構成される。19および22の矢印は、該接点ブロック21を介して通信が行われることを表している。
次に、カメラ9の構成について説明する。23はカメラ側のコントローラとしてのカメラCPUであり、カメラ9での各動作の制御を司る。
24はCCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子であり(図には、CCDと記す)、撮影光学系によって形成された被写体像を光電変換する。
25はカメラ信号処理回路であり、撮像素子24からの出力に対してゲイン調整やガンマ補正などの所定の処理を施す。これにより、映像信号が生成される。映像信号は、後述する電子ビューファインダ29に供給されて映像として表示される。また、映像信号は、記録部30に出力され、ここで不図示の記録媒体(半導体メモリ、光ディスク、磁気テープ等)に記録される。
26はAFゲートであり、例えば撮影画面の中心部の映像信号成分を取り出す。
27はAF回路であり、AFゲート26を通過した映像信号成分から所定の周波数成分を抽出し、映像のコントラストに対応したAF評価値信号を生成する。AF評価値信号が最大となるようにフォーカスレンズユニット7を駆動することで、いわゆるコントラスト検出(TV−AF)方式のAFを行うことができる。
28は表示範囲切換え回路であり、電子ビューファインダ29に映像信号のうちどの画面部分を表示するか、すなわち表示モードを切り換える。例えば、撮影画面全体を表示する「標準」(標準モード)と、撮影画面の中心部のみ(一部)を拡大表示する「拡大」(拡大モード)とを切り換えることができる。なお、「拡大」表示する範囲は、画面中心部でなくてもよく、該範囲を撮影者(使用者)が予め設定できるようにしてもよい。
ここで、ファインダ倍率切換えスイッチ17について説明する。このスイッチ17は、カメラ側に設けられた表示範囲切換え回路28の「標準」と「拡大」の表示サイズ切換え機能をコントロールするために操作される。AF/MF切換えスイッチ18によってマニュアルフォーカスが選択されているときに該ファインダ倍率切換えスイッチ17が「標準」側又は「拡大」側に操作されると、レンズCPU15は、その情報(信号)を接点ブロック21を介してカメラCPU23に通信する。カメラCPU23は、受け取った情報に応じて、表示範囲切換え回路28を動作させ、電子ビューファインダ29に標準サイズでの表示又は拡大サイズでの表示を行わせる。拡大サイズは、標準サイズの2倍等、任意の倍率でよく、該倍率を予め撮影者が設定できるようにしてもよい。
次に、本実施例におけるレンズCPU15およびカメラCPU23の動作を、図2および図3を用いて説明する。
まず、レンズCPU15は、図2のステップ(図では「S」と略す)201で動作をスタートする。ステップ202では、AF/MF切換えスイッチ18の状態を検出する。オートフォーカスが選択されている場合には、ステップ205に進み、オートフォーカスが選択されていることをカメラCPU23に通信する。
この場合、レンズCPU15は、ファインダ倍率切換えスイッチ17の操作を受け付けない。すなわち、オートフォーカス時においては、レンズ側からの電子ビューファインダ29の標準/拡大表示切換えのコントロールは禁止される。これは、AFによってある程度高精度にピント合わせを行うことができ、拡大表示によってピント合わせを確認する必要性に乏しいからである。また、撮影者にマニュアルフォーカスを行う意思がない状態で誤ってファインダ倍率切換えスイッチ17に触れてこれを切り換えてしまった場合に、電子ビューファインダ29の表示サイズが切り換わることを防止する意味もある。この場合、撮影者が、レンズ側でのズーミング又はカメラ側での電子ズームが行われてしまったと勘違いするおそれがあるためである。なお、ステップ205からはステップ202に戻る。
一方、ステップ202でマニュアルフォーカスが選択されている場合は、ステップ203に進む。
ステップ203では、ファインダ倍率切換えスイッチ17の状態を検出する。そして、ステップ204では、レンズCPU15は、カメラCPU23に対して、マニュアルフォーカスが選択されていることと、ファインダ倍率切換えスイッチ17の状態(「標準」か「拡大」か)を通信する。このファインダ倍率切換えスイッチ17の状態を示す信号が、カメラ側の表示範囲切換え回路28をコントロールするための信号である。そして、ステップ202に戻る。
なお、このフローは、例えば1/60秒(テレビNTSCのフィールド周期)ごとに実行され、レンズ側でのAF/MF切換えスイッチ18の状態と、マニュアルフォーカス時におけるファインダ倍率切換えスイッチ17の状態は、随時レンズ側からカメラ側へ通信されている。
一方、カメラCPU23の動作は、図3のステップ301でスタートする。ステップ302では、レンズ側からの通信によって、オートフォーカスが選択されているかマニュアルフォーカスが選択されているかを判別する。オートフォーカスが選択されているときは、ステップ304に進み、表示範囲切換え回路28に「標準」サイズでの映像表示を行わせる。
また、ステップ302でマニュアルフォーカスが選択されている場合には、ステップ303で、レンズ側から通信されてきたファインダ倍率切換えスイッチ17の状態を判別する。「標準」と判別した場合は、ステップ304に進み、オートフォーカス時と同様に、表示範囲切換え回路28に「標準」サイズでの映像表示を行わせる。また、「拡大」と判別した場合には、ステップ305に進み、表示範囲切換え回路28に「拡大」サイズでの映像表示を行わせる。これにより、撮影範囲の中心部が電子ビューファインダ29に拡大表示されるので、拡大表示された被写体に対してマニュアルフォーカスによってより正確にピントを合わせ込むことができる。ステップ304,305からはステップ302に戻る。
図4には、本実施例の交換レンズ8の外観を示している。ファインダ倍率切換えスイッチ17は、「標準」と「拡大」の2ポジションで切換えられるスイッチである。また、AF/MF切換えスイッチ18も、「MF」と「AF」の2ポジションで切換えられるスイッチである。
さらに、ファインダ倍率切換えスイッチ17は、マニュアルフォーカスに際してフォーカスリング1上に手(一般には左手)を置いた状態のまま親指で操作できる範囲に配置されている。言い換えれば、AF/MF切換えスイッチ18よりもフォーカスリング1に近い位置に配置されている。電子ビューファインダ29の表示サイズ切換え機能は、マニュアルフォーカス時に併用される機能であるため、このような配置を採ることで、スムーズな撮影が可能となる。
なお、本実施例では、電子ビューファインダ29において「標準」と「拡大」の2つの表示サイズを選択できる場合について説明したが、拡大表示倍率を複数段階選択できるようにしてもよい。この場合、ファインダ倍率切換えスイッチ17のポジションを該段階数に応じて増やせばよい。
また、上記実施例では、オートフォーカス選択時にはファインダ倍率切換えスイッチ17による表示サイズ切換えを受け付けないようにした場合について説明したが、必ずしもこうである必要はない。すなわち、マニュアル/オートフォーカスにかかわらず、ファインダ切換えスイッチ17を通じて電子ビューファインダ29での表示サイズを切り換えられるようにしてもよい。
図5には、実施例1の変形例としての交換レンズ8′の外観を示している。実施例1では、ファインダ倍率切換えスイッチ17を2ポジション切換えタイプのスイッチとした場合について説明したが、本実施例では、ファインダ倍率切換えスイッチ17′をプッシュスイッチとしている。
本実施例では、ファインダ倍率切換えスイッチ17′を押す前は、カメラ側の電子ビューファインダ29において「標準」サイズで映像が表示される。そして、ファインダ倍率切換えスイッチ17′を押すと、電子ビューファインダ29に所定時間の間のみ「拡大」サイズでの映像表示が行われ、その後、元の「標準」サイズ表示に復帰する。
また、AF/MF切換えスイッチ18は、実施例1と同様に、「MF」と「AF」の2ポジションで切換えられるスイッチである。
さらに、本実施例においても、ファインダ倍率切換えスイッチ17′は、マニュアルフォーカスに際してフォーカスリング1上に手(一般には左手)を置いた状態のまま親指で操作できる範囲に配置されている。言い換えれば、AF/MF切換えスイッチ18よりもフォーカスリング1に近い位置に配置されている。
次に、本実施例におけるレンズCPU15およびカメラCPU23の動作を、図6および図7を用いて説明する。なお、本実施例において、ファインダ倍率切換えスイッチ17′以外の構成は実施例1と同様である。このため、以下の説明において、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。
まず、レンズCPU15は、図6のステップ401で動作をスタートする。ステップ402では、AF/MF切換えスイッチ18の状態を検出する。オートフォーカスが選択されている場合には、ステップ406に進み、オートフォーカスが選択されていることをカメラCPU23に通信する。この場合、レンズCPU15は、ファインダ倍率切換えスイッチ17′の操作を受け付けない。理由は、実施例1で述べた通りである。
一方、ステップ402でマニュアルフォーカスが選択されている場合は、ステップ403に進む。
ステップ403では、レンズCPU15は、カメラCPU23に対して、マニュアルフォーカスが選択されていることを通信する。
次に、ステップ404では、ファインダ倍率切換えスイッチ17′が操作されたか否かを判別する。操作されていない場合は、ステップ402に戻る。また、操作された場合は、ステップ405に進む。なお、このフローは、例えば1/60秒(テレビNTSCのフィールド周期)ごとに実行され、レンズ側でのAF/MF切換えスイッチ18の状態とファインダ倍率切換えスイッチ17′の状態は、随時レンズ側からカメラ側へ通信されている。
ステップ405では、レンズCPU15は、カメラCPU23に対して、ファインダ倍率切換えスイッチ17′が操作されたことを通信する。このファインダ倍率切換えスイッチ17′の操作を示す信号が、カメラ側の表示範囲切換え回路28をコントロールするための信号である。
一方、カメラCPU23の動作は、図7のステップ501でスタートする。ステップ502では、カメラCPU23は、レンズ側からの通信によって、オートフォーカが選択されているかマニュアルフォーカスが選択されているかを判別する。オートフォーカスが選択されているときは、ステップ508に進み、表示範囲切換え回路28に「標準」サイズでの映像表示を行わせる。この後、ステップ502に戻る。
また、ステップ502でマニュアルフォーカスが選択されている場合には、ステップ503で、レンズ側からの通信によって、ファインダ倍率切換えスイッチ17′が押されたか否かを判別する。押されていないと判別した場合は、ステップ508に進み、オートフォーカス時と同様に、表示範囲切換え回路28に「標準」サイズでの映像表示を行わせる。また、「拡大」と判別した場合には、ステップ504に進み、表示範囲切換え回路28に「拡大」サイズでの映像表示を行わせる。これにより、撮影範囲の中心部が電子ビューファインダ29に拡大表示されるので、拡大表示された被写体に対してマニュアルフォーカスによってより正確にピントを合わせ込むことができる。
さらに、ステップ505では、カウンタを初期設定する。そして、ステップ506で、カウンタ値が0になったか否かを判別し、0でない場合はステップ507に進む。ステップ507では、カウンタ値を1デクリメントし、ステップ506に戻る。このフローも、例えば1/60秒周期で実行されており、該周期で、カウンタ値の0判定とデクリメントとが繰り返される。
こうして、カウンタ値が0になると、ステップ506からステップ508に進む。ステップ508では、表示範囲切換え回路28に「標準」サイズでの映像表示を行わせる。これにより、「拡大」サイズでの表示状態から「標準」サイズでの表示状態に自動的に戻る。この後、ステップ502に戻る。
なお、本実施例2では、電子ビューファインダ29において「標準」と「拡大」の2つの表示サイズを選択できる場合について説明したが、拡大表示倍率を複数段階選択できるようにしてもよい。この場合、ファインダ倍率切換えスイッチ17′の1回目の操作により第1の拡大倍率での表示が行われ、2回目の操作によりさらに大きい拡大倍率での表示が行われ、3回目の操作で標準に戻るようにしてもよい。
また、本実施例では、オートフォーカス選択時にはファインダ倍率切換えスイッチ17′による表示サイズ切換えを受け付けないようにした場合について説明したが、必ずしもこうである必要はない。すなわち、マニュアル/オートフォーカスにかかわらず、ファインダ切換えスイッチ17′を通じて電子ビューファインダ29での表示サイズを切り換えられるようにしてもよい。
実施例1,2では、レンズ側に設けられたファインダ倍率切換えスイッチによってカメラ側に設けられた電子ビューファインダの表示倍率をコントロールすることができる場合について説明した。これに対して、本実施例では、レンズ側に設けられた光学ズーム機能とカメラ側に設けられた電子ズーム機能とをレンズ側で操作可能とする例を示している。
図8には、本発明の実施例3である撮像システムの構成を示している。なお、図8において、図1と共通する構成要素には図1と同符号を付して説明に代える。
交換レンズ80において、31は電子ズームON/OFFスイッチ(第1の操作手段)であり、ONとOFFの2ポジションを有するスイッチである。撮影者は、このスイッチ31を操作して、カメラ側に設けられた電子ズーム機能のON(使用)とOFF(不使用)とをコントロールすることができる。ここで、電子ズーム機能とは、撮像素子24を通じて得られた画像のうちの表示および記録範囲を可変とすることでズーム効果を得る機能である。一般に、電子ズームは、撮影光学系のズーミング(光学ズーム)で得られる最大倍率(テレ端)よりもさらに大きな倍率で画像を表示又は記録する場合に使用される。
32はズーム操作を行うために回転操作されるズームリング(第2の操作手段)である。33はズームリング32の回転を検出するリング回転検出器である。リング回転検出器33は、実施例1で示したリング回転検出器10と同様に構成されている。
また、カメラ90において、34は上記電子ズームのための画像処理を制御する電子ズーム制御回路である。他の構成については、実施例1と同様である。
次に、本実施例におけるレンズCPU15およびカメラCPU23の動作を、図9および図10を用いて説明する。
まず、レンズCPU15は、図9のステップ601で動作をスタートする。ステップ602では、電子ズームON/OFFスイッチ31の状態を読み込む。OFFであれば、ズーム効果を得る手段は光学ズームのみであるので、ステップ610に進み、ズームリング32の操作に応じて光学ズーム動作を行う。具体的には、ズームリング32の回転をリング回転検出器33によって検出し、検出されたズームリング32の回転方向と回転量(又は回転速度)に応じてズームアクチュエータ11により変倍レンズユニット4を駆動する。
また、ステップ602において、電子ズームON/OFFスイッチ31がONである場合は、ステップ603に進む。電子ズームON/OFFスイッチ31の状態を示す情報はは、レンズCPU15からカメラCPU23に伝達される。
ステップ603では、リング回転検出器33を通じてズームリング32の操作が行われたか否かを検出する。ズームリング32の操作が行われていない場合には、ステップ602に戻る。また、ズームリング32が操作された場合には、ステップ604に進む。
ステップ604では、レンズCPU15は、カメラCPU23からの通信により受け取った情報に基づいて、カメラ側の電子ズームの倍率が1より大きいか否か、つまり電子ズームによる画像拡大が行われているか否かを判別する。以下、電子ズームによる画像拡大が行われている(光学ズームはテレ端にある)状態を、電子ズーム領域にあるという。
電子ズーム領域にない場合には、ステップ605に進み、ズームリング32の操作方向がワイド方向かテレ方向かを判別する。ワイド方向であれば、ステップ606に進み、ステップ610と同様にして、ワイド方向への光学ズームを行う。また、テレ方向であれば、ステップ607に進む。
ステップ607では、ズーム位置検出器12を通じて光学ズームがテレ端にあるか否かを判別する。テレ端でない場合には、ステップ608に進み、ステップ610と同様にして、テレ方向への光学ズームを行う。一方、テレ端である場合には、ステップ609に進み、レンズCPU15は、リング回転検出器33によって検出したズームリング32の回転方向と回転量(又は回転速度)の情報をカメラCPU23に通信する。また、このとき、レンズCPU15は、変倍レンズユニット4がテレ端にあることをカメラCPU23に通信する。この情報は、カメラ側において電子ビューファインダ29に表示される。
一方、カメラCPU23は、図10のステップ701で動作をスタートする。ステップ702では、レンズ側からの通信により電子ズームのON/OFFスイッチ31がONかOFFかを判別する。OFFであれば、ステップ703に進み、電子ズーム制御回路34を動作させない(電子ズーム倍率を1に固定する)。そして、ステップ702に戻る。また、ONであれば、ステップ704に進む。
ステップ704では、レンズ側からの通信によって、ズームリング32の操作が行われたか否かを判別する。操作が行われていない場合は、ステップ702に戻る。また、操作が行われた場合は、ステップ705に進む。
ステップ705では、現在、電子ズーム領域か否かを判別する。電子ズーム領域にある場合には、ステップ706に進み、レンズ側から受信したズームリング32の回転方向と回転量(又は回転速度)の情報に基づいて、電子ズーム制御回路34に電子ズームを行わせる。
そして、ステップ707では、電子ズームがワイド端に到達したか否かを判別する。ワイド端に到達した場合は、ステップ708に進み、カメラCPU23は、レンズCPU15に対して、電子ズームがワイド端に達し、電子ズーム領域にないことを通信する。そして、ステップ702に戻る。
一方、ステップ705において、現在、電子ズーム領域にない場合には、ステップ709に進む。ステップ709では、レンズ側から受信したズームリング32の回転方向がテレ方向か否かを判別する。ワイド方向である場合はステップ709に進む。また、テレ方向である場合は、ステップ710に進み、レンズ側から受信したズームリング32の回転量(又は回転速度)の情報に基づいてテレ方向への電子ズームを電子ズーム制御回路34に行わせる。そして、ステップS702に戻る。
以上のように、本実施例によれば、レンズ側に設けられた電子ズームON/OFFスイッチ31がOFF(第1の状態)の場合には、ズームリング32の操作によって、レンズ側の光学ズーム機能(第1の機能)をコントロールすることができる。また、電子ズームON/OFFスイッチ31がON(第2の状態)の場合には、ズームリング32の操作によって、カメラ側の電子ズーム機能(第2の機能)をコントロールすることができる。したがって、撮影に際して、光学ズームおよび電子ズームを含むズームの操作を、ズームリング32から手を離さずにスムーズに行うことができる。
なお、電子ズームON/OFFスイッチ31とズームリング32の実際の交換レンズ上での配置関係については、次の実施例4において説明する。
図11には、本発明の実施例4である交換レンズ81の外観を示す。本実施例の交換レンズには、実施例3で説明したズームリング32および電子ズームON/OFFスイッチ31と、実施例1で説明したフォーカスリング1およびファインダ表示倍率切換えスイッチ17とが設けられている。さらに、該交換レンズには、後述する露出調整リング51と露出調整モード設定スイッチ50とが設けられている。
ファインダ表示倍率切換えスイッチ17は、実施例1で説明したように、マニュアルフォーカスに際してフォーカスリング1上に手を置いた状態のまま親指で操作できる範囲に配置されている。図11では、上述した他のリング32,51やスイッチ31,50よりもフォーカスリング1に近い位置に配置されている。
また、電子ズームON/OFFスイッチ31も、ズーム操作に際してズームリング32上に手(一般には左手)を置いた状態のまま親指で操作できる範囲に配置されている。言い換えれば、電子ズームON/OFFスイッチ31は、上述した他のリング1,51やスイッチ17,50よりもズームリング32に近い位置に配置されている。このため、電子ズームを使用するか否かの切換えをズームリング32から手を離さなくても行うことができる。しかも、前述したように、撮影中のズーム機能として併用されるレンズ側の光学ズーム機能とカメラ側の電子ズーム機能のコントロールをズームリング32の操作で行うことができる。したがって、ズームに関連する操作をレンズ側のみで行うことができ、スムーズに撮影を行うことができる。
また、露出調整モード設定スイッチ(第1の操作手段)50は、「絞り」,「シャッタ速度」,「プログラム」の3ポジションに切り換えが可能なスイッチである。
カメラに設けられた不図示のダイヤルを操作して、AEオフ又はAEロックの状態から、該スイッチ50を「絞り」(第1の状態)にセットする。この状態において、露出調整リング(第2の操作手段)51が回転操作されると、レンズCPU15は該リング51の回転方向および回転量を不図示のリング回転検出器を通じて検出する。そして、該検出結果に応じて、交換レンズ81内に設けられた絞りユニット5の駆動(第1の機能)をコントロールする。これにより、マニュアル操作による露出調整を行うことができる。
また、同様の状態から該スイッチ50が「シャッタ速度」(第2の状態)が設定された場合において、露出調整リング51が回転操作されると、レンズCPU15は該リング51の回転方向および回転量をカメラCPU23に通信する。これを受けたカメラCPU23は、該リングの回転方向および回転量に応じて、撮像素子24の電荷蓄積時間(電子シャッタのシャッタ速度:第2の機能)をコントロールする。
さらに、被写体の明るさに応じた露出が、絞りユニット5の開口径(絞り値)とシャッタ速度の両方を組み合わせて(併用して)コントロールされる場合において、該コントロールがカメラのメモリに記憶されたいわゆるプログラム線図に従う場合がある。この場合には、該スイッチ50を「プログラム」(第2の状態)にセットする。
そして、露出調整リング51が回転操作されると、レンズCPU15は該リング51の回転方向および回転量をカメラCPU23に通信する。これを受けたカメラCPU23は、該リングの回転方向および回転量に応じて、絞り値とシャッタ速度を該プログラム線図上で変更する(第2の機能)。絞り値の制御については、カメラCPU23からレンズCPU15に指令され、レンズCPU15によって絞りユニット5が駆動される。なお、プログラム線図が複数ある場合には、その数だけ「プログラム」の選択ポジションを増やせばよい。
このように、露出調整モード設定スイッチ50と露出調整リング51とを操作することで、レンズ側とカメラ側での様々な露出調整機能のコントロールを行うことができる。
以上説明したように、上記各実施例によれば、交換レンズに設けられたスイッチを操作することによって、カメラ側の機能をコントロールすることができる。特に、該スイッチは、そのスイッチによりコントロールされるカメラ側の機能と併用される又は関連の強いレンズ側の機能をコントロールするための操作リングの近くに配置されている。このため、撮影者は、該操作リング上に手を置いたままスイッチを操作できる。したがって、スムーズな撮影を行うことができる。
また、実施例3,4によれば、交換レンズに設けられたスイッチの切換えによって、同じ交換レンズに設けられた操作リングを通じてレンズ側の機能をコントロールしたりカメラ側の機能をコントロールしたりすることができる。すなわち、スイッチの切換えによって操作リングによるコントロール対象をレンズ側とカメラ側とに変更することができる。しかも、スイッチは、操作リング上に手を置いたまま操作できる。したがって、スムーズな撮影を行うことができる