JP4124942B2 - 波長モニタ装置、およびその調整方法、並びに波長安定化光源 - Google Patents
波長モニタ装置、およびその調整方法、並びに波長安定化光源 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長分割多重伝送方式用の半導体レーザ装置に用いられ、レーザ出力光の波長をモニタし、さらに特定の波長に安定化する波長モニタ装置、およびその調整方法、並びに波長安定化光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信において、伝送する情報の大容量化に伴い、多様な伝送方式が検討されている。その中の一つに、1本の光ファイバ中に複数の異なる波長を同時に伝送することで伝送容量を増やす、波長分割多重伝送方式(以下、WDMと言う)が検討されている。しかし、複数の異なる波長を多重化するといっても、ファイバの増幅帯域を越えた波長は使用できないので、多くの信号光を多重化するためには個々の信号光の波長幅を狭く、かつ各信号間の波長間隔も狭くすることが重要な技術課題となる。この課題を克服するためには挟帯域な信号光の発振波長をモニタし、高精度に安定化させる技術が必要となっている。
【0003】
図9は例えば1998年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B−10−180、エタロン型波長検出モジュール(p502)に示された従来の波長モニタ装置を示す構成図であり、図において、1a,1bは入力光をそれぞれ分波するビームスプリッタ、2a,2bはそれぞれ波長透過特性が異なるファブリペローエタロン(以下、FPエタロンと言う)、3a,3bはフォトディテクタ(以下、PDと言う)である。
【0004】
次に動作について説明する。
ビームスプリッタ1aは、入力光の一部を分波し、FPエタロン2aは、その分波された入力光の一部を通過させ、PD3aは、そのFPエタロン2aを通過した入力光の一部を受光する。同様にビームスプリッタ1bは、入力光の一部を分波し、FPエタロン2bは、その分波された入力光の一部を通過させ、PD3bは、そのFPエタロン2bを通過した入力光の一部を受光する。
このとき、FPエタロン2a,2bは、入力される波長によって透過率が異なるように設定されているので、PD3a,3bの受光に応じた出力信号強度は、分波された入力光の波長に依存する。従って、出力光の波長変化は、PD3a,3bからの出力信号強度の変化として測定することができる。
図10はPD出力波長特性を示す特性図であり、図において、λ0は出力光の波長として所望の波長である基準波長、aは出力光の波長に応じたPD3aの変換効率、bは出力光の波長に応じたPD3bの変換効率であり、横軸は基準波長λ0を中心とした正負の相対波長(Δλ=λ−λ0)で示されている。このように、FPエタロン2a,2bは、それぞれ波長透過特性が異なるため、両者の差分をとると、両者の透過率が等しい波長、すなわち、波長透過特性のクロス点で差分信号はゼロとなり、その波長を基準波長λ0とした波長の変化量が正負の符号をもって得られる。
【0005】
図11は例えばU.S.Patent 5,825,792に記載された従来の波長モニタ装置を示す構成図であり、図において、5はDFB(Distributed Feedback)半導体レーザ装置、6はDFB半導体レーザ装置5からの出力光のビーム広がりを調節する光学レンズ、7はFPエタロン、8a,8bはPD、8はPD8a,8bを固定する共通基盤、9はPD8aからの出力信号からPD8bからの出力信号を減算し、DFB半導体レーザ装置5にフィードバックする減算器である。
【0006】
次に動作について説明する。
DFB半導体レーザ装置5は、レーザ光を出力し、光学レンズ6、およびFPエタロン7は、その出力光の一部を通過し、PD8a,8bは、その通過した出力光の一部を受光する。FPエタロン7は、入力する波長によって透過率が異なるので、PD8a,8bの受光量は、出力光の波長に依存する。従って、DFB半導体レーザ装置5からの出力光の波長変化は、PD8a,8bの出力信号強度の変化として測定することができる。
また、図11に示したように、出力光の光軸に垂直な面に対してFPエタロン7の端面を傾けると、ビーム位置によってFPエタロン7への入射角度が異なるので、それに伴って波長透過特性も変わる。そこでFPエタロン7の透過光内で適当な2カ所にPD8a,8bを配置すると、それらPD8a,8bの出力信号は異なる波長特性を示す。この異なる波長特性を利用することによって、2つの異なる波長特性を持つFPエタロンを必要とせず、1個のFPエタロン7で2種類の波長特性を持つ信号が得られる。
今、安定させたい波長を基準波長λ0とする。この基準波長λ0のときにFPエタロン7の傾きを固定した状態で、PD8a,8bの受光量が等しくなるようにPD8a,8bの位置を調節する。これらPD8a,8bの両出力信号の差分を減算器9でとると、その信号は基準波長λ0でゼロとなり、基準波長λ0の周辺の波長では正負の符号を持った誤差信号が得られる。その誤差信号をDFB半導体レーザ装置5にフィードバックすることにより、DFB半導体レーザ装置5から出力される出力光の波長を基準波長λ0に安定化できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の波長モニタ装置は以上のように構成されているので、図9に示した波長モニタ装置では、2つのビームスプリッタ1a,1b、2つのFPエタロン2a,2b、2つのPD3a,3bを用いているので光学部品が多くなる。また、2つのビームスプリッタ1a,1bを用いているために光軸が増え、アライメントが難しくなるという課題があった。さらに、温度によって波長透過特性が変化する2つのFPエタロン2a,2bを用いているために、相互の温度による特性を補正することが困難になるなどの課題があった。
【0008】
また、図11に示した波長モニタ装置では、FPエタロン7を光軸に対して傾けることによって、2種類の波長透過強度をモニタしている。しかし、PD8a,8bの受光面がDFB半導体レーザ装置5を見込む角度内のビームにおいても、FPエタロン7を通過する角度が入射位置によって異なるため、PD8a,8bで受光した波長透過特性は、この見込み角内の波長透過特性の平均として表される。従って、モニタリングする波長精度が悪くなるという課題があった。これは、FPエタロン7の開口面積が広ければ広いほど精度が悪くなる。
また、DFB半導体レーザ装置5からの出力光は、平行化されていないので、終始ある広がり角をもって伝播する。この広がり角がFPエタロン7での波長透過特性を決めているので、光学レンズ6、FPエタロン7、およびPD8a,8bの光軸上の位置が厳しく制限される課題があった。
さらに、一般にFPエタロンは、温度によって波長透過特性が変化してしまうので、外部気温変化等によりFPエタロンの結晶温度が変化すると、誤差信号のゼロ点がずれてしまう課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、小型でアライメントが容易で高精度に波長を安定化する波長モニタ装置、およびその調整方法、並びに波長安定化光源を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る波長モニタ装置は、偏光した平行なレーザ光の光軸上に配置され、入出力光方向の両端面に反射手段を有し、入力光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折結晶と、複屈折結晶を透過した出力光の直交した偏光成分を空間的に分離する偏光分離手段と、分離された偏光成分をそれぞれ受光する第1および第2の受光素子と、第1および第2の受光素子からの受光信号の一方もしくは両方を用いて入力光の波長を検出する波長検出回路とを備え、複屈折結晶は、光軸上に2個並べて配置され、結晶温度による屈折率変化と結晶温度による光軸方向の結晶厚み変化を相殺するように所定の連立方程式を満たすものを用いる第1および第2の複屈折結晶からなるようにしたものである。
【0011】
この発明に係る波長モニタ装置は、入力光に直線偏光を用いるものである。
【0012】
この発明に係る波長モニタ装置は、複屈折結晶のファスト軸またはスロー軸を入力光の偏光方向に対して45度傾けて配置するものである。
【0013】
この発明に係る波長モニタ装置は、偏光分離手段において、複屈折結晶のファスト軸の偏光成分を反射し、スロー軸の偏光成分を透過するものである。
【0014】
この発明に係る波長モニタ装置は、偏光分離手段において、入力光のビーム断面に対して半分の領域で複屈折結晶のファスト軸方向の偏光成分のみを透過し、入力光のビーム断面の他の半分の領域でスロー軸方向の偏光成分のみ透過する2象限偏光選択するものである。
【0015】
この発明に係る波長モニタ装置は、偏光分離手段を複屈折結晶の出力面に施したものである。
【0016】
この発明に係る波長モニタ装置は、偏光分離手段と第1および第2の受光素子との間に、それぞれビームを集光するビーム集光手段を備えたものである。
【0017】
この発明に係る波長モニタ装置は、複屈折結晶、偏光分離手段、および第1および第2の受光素子の端面を光軸に対して正対させずに傾けて配置するものである。
【0018】
この発明に係る波長モニタ装置は、波長検出回路において、第1および第2の受光素子の受光信号の差を演算する減算器を備えたものである。
【0019】
この発明に係る波長モニタ装置は、波長検出回路において、第1および第2の受光素子の受光信号の和を演算する加算器を備えたものである。
【0020】
この発明に係る波長モニタ装置は、波長検出回路において、第1および第2の受光素子の受光信号の和を演算する加算器と、第1および第2の受光素子の受光信号の差を演算する減算器と、加算器からの出力信号と減算器からの出力信号との割り算を演算する割算器とを備えたものである。
【0021】
この発明に係る波長モニタ装置は、偏光分離手段によって分離された一方の偏光成分をそれぞれ受光する第1および第3の受光素子と、偏光分離手段によって分離された他方の偏光成分をそれぞれ受光する第2および第4の受光素子とを備えたものである。
【0022】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1から第4の受光素子を一つの基盤上にまとめて配列した4象限受光素子を備えたものである。
【0023】
この発明に係る波長モニタ装置は、入力光の波長をλ、複屈折結晶の屈折率をn、結晶長をLとしたとき、λ2/(2・n・L)が0.8[nm]以上にしたものである。
【0024】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶のうちのいずれか一方に、結晶温度が増加するにつれて屈折率が減少する結晶を用いるものである。
【0025】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とβ−BaB2O4結晶とを用いるものである。
【0026】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とSiO2結晶とを用いるものである。
【0027】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とYLF結晶とを用いるものである。
【0028】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とPbMoO4結晶とを用いるものである。
【0029】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とTiO2結晶とを用いるものである。
【0030】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とSiO2結晶とを用いるものである。
【0031】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とTiO2結晶とを用いるものである。
【0032】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とYLF結晶とを用いるものである。
【0033】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とβ−BaB2O4結晶とを用いるものである。
【0034】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とPbMoO4結晶とを用いるものである。
【0035】
この発明に係る波長モニタ装置は、第1の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段と、第2の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段の一方もしくは両方を波長検出手段が備え、第1または第2の受光素子から出力された受光信号の一方もしくは両方の信号強度を変更することにより、レーザ光の発信波長を調整するようにしたものである。
【0036】
この発明に係る波長モニタ装置の調整方法は、波長モニタ装置の複屈折結晶を配置する際に、所望の波長で第1および第2の受光素子の受光信号の強度が等しくなるように光軸に対する複屈折結晶のファスト軸とスロー軸を含む面の角度を調節するものである。
【0037】
この発明に係る波長モニタ装置の調整方法は、第1の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段と、第2の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段の一方もしくは両方を波長検出手段が備え、第1または第2の受光素子から出力された受光信号の一方もしくは両方の信号強度を変更することにより、レーザ光の発信波長を調整するようにしたものである。
【0038】
この発明に係る波長安定化光源は、波長モニタ装置に偏光したレーザ光を出力する半導体レーザ装置と、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の発振波長を制御するレーザ駆動制御装置とを備えたものである。
【0039】
この発明に係る波長安定化光源は、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置への注入電流を調節して発振波長を制御するものである。
【0040】
この発明に係る波長安定化光源は、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の温度を調節して発振波長を制御するものである。
【0041】
この発明に係る波長安定化光源は、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の共振器長を調節して発振波長を制御するものである。
【0042】
この発明に係る波長安定化光源は、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の回折格子の角度を調節して発振波長を制御するものである。
【0043】
この発明に係る波長安定化光源は、半導体レーザ装置から出力されたレーザ光を平行化して波長モニタ装置の複屈折結晶に入力するレーザ光平行化手段を備えたものである。
【0044】
この発明に係る波長安定化光源は、半導体レーザ装置と複屈折結晶との間、または半導体レーザ装置とレーザ光平行化手段との間にレーザ光を伝送する光ファイバを備えたものである。
【0045】
この発明に係る波長安定化光源は、半導体レーザ装置と、レーザ光平行化手段と、波長モニタ装置と、レーザ駆動制御装置とを1つのモジュール内に備えたものである。
【0046】
この発明に係る波長安定化光源は、波長安定化光源を複数個設け、全ての波長安定化光源の出力を一本または複数本の伝送手段にまとめたものである。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による波長安定化光源を示す構成図であり、図において、11は直線偏光であるp偏光のレーザ光を出力する半導体レーザ装置、12は半導体レーザ装置11から出力されたレーザ光を平行化するレンズ(レーザ光平行化手段)、13はレンズ12を介して入力されたレーザ光の波長をモニタする波長モニタ装置、14は波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置11の発振波長を制御するレーザ駆動制御装置である。
【0048】
また、波長モニタ装置13において、21は偏光した平行なレーザ光の光軸上に配置され、入出力光方向の両端面に反射コーティング(反射手段)が施され、入力光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折結晶である。なお、この複屈折結晶21の両端面に施される反射コーティングは、両面ミラー機能を有するものである。
図2はこの発明の実施の形態1による複屈折結晶の配置を示す説明図であり、複屈折結晶21は、結晶構造が異方性を持つために、入力光の偏光方向によって結晶内の屈折率が異なり、光軸上に垂直な面内において屈折率が最も低い軸方向をファスト軸、そのファスト軸に垂直な軸をスロー軸と呼ぶ。複屈折結晶21は、それらファスト軸およびスロー軸と呼ばれる2つの軸を有する。この実施の形態1の複屈折結晶21は、図2に示されるように、入力光の偏光方向に対してファスト軸およびスロー軸が45度傾くように配置する。
図1に戻って、22はその光軸上に配置され、複屈折結晶21を透過した出力光の直交した偏光成分を空間的に分離する偏光子(偏光分離手段)であり、この実施の形態1の偏光子22は、複屈折結晶21を透過したファスト軸方向の偏光成分を反射し、複屈折結晶21を透過したスロー軸方向の偏光成分を透過するものを用いる。
23は偏光子22を反射したファスト軸方向の偏光成分を受光し、その受光強度に応じた受光信号を出力する受光素子(第1の受光素子)、24は偏光子22を透過したスロー軸方向の偏光成分を受光し、その受光強度に応じた受光信号を出力する受光素子(第2の受光素子)、25は受光素子23,24からの受光信号に応じて波長モニタ装置13に供給された入力光の波長を検出する波長検出回路である。
【0049】
次に動作について説明する。
半導体レーザ装置11は、p偏光のレーザ光を出力し、レンズ12は、その半導体レーザ装置11からの出力光を平行化し、波長モニタ装置13に供給する。
波長モニタ装置13において、複屈折結晶21は、平行化されたレーザ光を入力し、入力された複屈折結晶21中のレーザ光は、複屈折結晶21の両端面に施された反射コーティング間で反射され、複屈折結晶21の両端面間で共振し、複屈折結晶21内で成立し得るモード、すなわち波長のみが出力される。
【0050】
一般に入射光に対して反射コーティングを施した両端面を持つエタロン結晶の透過率Tは以下の(式1)で表される。
【数1】
ここで、t1,t2は位相を考慮した両端面の複素透過率、r1,r2は両端面の複素反射率、iは虚数単位、nは屈折率、Lは結晶長、λは波長である。
図3は複屈折結晶にエタロン結晶を用いた場合の波長透過特性を示す特性図であり、A
はファスト軸方向偏光の透過特性、Bはスロー軸方向偏光の透過特性である。図に示したように複屈折結晶21にエタロン結晶を用いた場合、複屈折結晶21は軸方向によって屈折率が異なるので、偏光方向によって波長透過特性も異なる。両特性のFSR(自由スペクトル領域)は屈折率nと結晶長Lに依存し、そのFSRの値はλ2/(2・n・L)となる。以上のことから、複屈折結晶21からの出力光をファスト軸方向とスロー軸方向との偏光成分に分離して受光することにより、2種類の波長透過特性A,Bと等しい波長特性を持つ信号強度が得られる。
従って、図1において、偏光子22は、複屈折結晶21を透過したファスト軸方向の偏光成分を反射し、複屈折結晶21を透過したスロー軸方向の偏光成分を透過する。受光素子23は、偏光子22を反射したファスト軸方向の偏光成分を受光し、その受光強度に応じた受光信号を出力し、受光素子24は、偏光子22を透過したスロー軸方向の偏光成分を受光し、その受光強度に応じた受光信号を出力する。
【0051】
図3を参照しながら、受光素子23,24から得られる受光信号を波長透過特性A,Bと同一とし、それらを受光信号A,Bとし、それらの受光信号A,Bが得られたときの波長モニタ方法について説明する。今、基準波長をλ0とする。受光信号Aの波長特性は基準波長λ0付近において、波長が長くなるに従って受光強度が減少し、波長が短くなるに従って受光強度は増加する。一方、受光信号Bの波長特性は基準波長λ0付近において、波長が長くなるに従って受光強度が増加し、波長が短くなるに従って受光強度は減少する。従って、予め波長検出回路25に図3に示した波長透過特性A,Bに応じた値を保持しておき、それら受光信号A,Bのうちのどちらかの受光信号の変化分を波長検出回路25でモニタリングすることによって波長の基準波長λ0からの変化分である相対波長を検出することができる。
また、基準波長λ0を含むスロープ内は、波長に対して受光強度が一意的に決まるため、その受光強度を測定することで波長検出回路25では絶対波長も検出することができる。このときFSRを長くすることで一つのスロープは広い波長範囲にまたがるため、広い範囲で絶対波長がモニタできる。なお、FSRを長くするためには、結晶長Lを短くするか、もしくは屈折率nの小さい複屈折結晶21を用いればよい。
【0052】
半導体レーザ装置11から出力されるレーザ光の波長の安定化を行うには、レーザ駆動制御装置14により、波長検出回路25から出力される波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置11の発振波長を制御することにより、基準波長λ0を安定化することができる。
例えば、図1に示した波長安定化光源を波長分割多重伝送方式(WDM)用として用いた場合、国際電気通信連合が規定する波長(以下、ITUグリッドと言う)の一つを基準波長λ0とし、少なくとも100GHz以上(0.8nm以上)のFSRに設定することにより、ITUグリッド間隔が25GHz(=0.2nm)では基準波長λ0周辺で2チャンネル以上の複数のチャンネルについて波長を安定化することができ、また、絶対波長もモニタすることができる。
【0053】
以上のように、この実施の形態1によれば、複屈折結晶21の性質である屈折率の軸方向異方性を利用することによって、一つの複屈折結晶21で2種類の波長特性を持った受信信号が得られるので、独立した複数のフィルタを用いた場合に生じる外部環境の変化による波長特性のばらつきを新たに考慮する必要がなく、小型でアライメントが容易で波長をモニタできる波長モニタ装置が得られ、また、高精度に波長を安定化することができる波長安定化光源が得られる。
また、波長モニタ装置13の入力光に直線偏光であるp偏光のレーザ光を用いたので、複屈折結晶21と偏光子22の配置を容易にすることができる。
さらに、図2に示したように、複屈折結晶21を入力光の偏光方向に対してファスト軸およびスロー軸が45度傾くように配置したので、波長透過特性の異なる2つの受光強度を等しくすることができ、受光素子23,24、および波長検出回路25の設計製作を容易にすることができる。
さらに、複屈折結晶21を透過したファスト軸方向の偏光成分を反射し、複屈折結晶21を透過したスロー軸方向の偏光成分を透過する偏光子22を設けたので、波長透過特性の異なる2つの偏光成分を容易に分離することができる。
さらに、ITUグリッドの一つを基準波長λ0とし、少なくとも100GHz以上(0.8nm以上)のFSRに設定することにより、ITUグリッドの複数のチャンネルについて波長を安定化することができ、また、絶対波長もモニタすることができる。
さらに、波長モニタ装置13にp偏光のレーザ光を出力する半導体レーザ装置11と、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置11の発振波長を制御するレーザ駆動制御装置14とを設けたので、小型で高精度に波長を安定化することができる波長安定化光源が得られる。
さらに、半導体レーザ装置11から出力されたレーザ光を平行化するレンズ12を設けたので、平行なレーザ光を波長モニタ装置13に容易に入力することができ、また、複屈折結晶21内を伝播するビームは平行となるので、よりノイズの少ない受信信号を得ることができる。
【0054】
なお、上記実施の形態1では、半導体レーザ装置11からの出力光の光軸上に複屈折結晶21および偏光子22を配置したが、この場合、複屈折結晶21の入力側の端面に施された反射コーティングによる入力光の反射により、半導体レーザ装置11の動作の安定性が損なわれる可能性がある。
そこで、複屈折結晶21、偏光子22、第1および第2の受光素子23,24を配置する際に、その光軸に対して正対させずに斜めに傾けて配置しても良い。
この場合、図3に示した波長透過特性から少しずれた波長透過特性となるが、配置後、予めその少しずれた波長透過特性を計測しておき、その計測した波長透過特性に応じた値を波長検出回路25に保持させることにより、実施の形態1と同様に小型でアライメントが容易で波長をモニタできる波長モニタ装置が得られ、そして、光軸に対して斜めに傾けて配置したので、複屈折結晶21の入力側の端面に施された反射コーティングによる反射光が半導体レーザ装置11に戻ることがなく、半導体レーザ装置11の動作の安定性を維持することができる。
【0055】
また、波長検出回路25に2つの受光素子23,24の受光信号の差分を演算する減算器を設け、その差分信号に応じて波長をモニタするようにしても良い。
図4は2つの波長透過特性の差分を示す特性図であり、図において、Cは波長透過特性Bから波長透過特性Aを減算した差分の波長透過特性であり、受光素子23,24から得られる受光信号を、受光信号A,Bとし、それらの受光信号A,Bの差分を差分信号Cとする。
上記実施の形態1と同様に安定化させたい波長を基準波長λ0とする。差分信号Cは、受光信号A,Bの波長透過特性に従う受光強度変化を示すので、予め波長検出回路25に図4に示した波長透過特性Cに応じた値を保持しておき、減算器による差分信号Cをその波長透過特性Cと照合することによって、基準波長λ0からのずれ量(相対波長)をモニタすることができる。また、受光信号A,Bでの波長モニタの場合と同様に、差分信号Cの基準波長λ0を含むスロープ内にある波長については、一つの波長に対する信号強度が一意的に決められるため、絶対波長もモニタすることができる。このモニタされた波長を波長モニタ信号としてレーザ駆動制御装置14に出力し、半導体レーザ装置11の発振波長を制御する。このように差分信号Cから波長をモニタすると、受光素子23,24から得られる受光信号A,Bの同位相のノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比が良くなると共に、信号強度が受光信号A,Bより2倍の信号振幅が得られるので、高精度に波長をモニタすることができる。
なお、これまでは安定させたい基準波長λ0が差分信号Cにおいてゼロクロス点であった場合の波長安定化方法を説明したが、差分信号Cに適当なオフセット電圧を加えてゼロクロス点を調節すれば、その調節したゼロクロス点により、任意の波長に対して安定化させることができる。
【0056】
また、波長検出回路25に、減算器と並列に、2つの受光素子23,24の受光信号の和を演算する加算器を設け、その和信号に応じて半導体レーザ装置11の出力強度を調節するようにしても良い。
上記実施の形態1による波長モニタ装置では、半導体レーザ装置11からの受光強度を波長に変換しているため、半導体レーザ装置11自体の出力変動は少ない方が良い。この加算器からの和信号は差分信号Cのゼロクロス点付近では波長によらず一定で半導体レーザ装置11からの全出力のみに依存するため、これをモニタリングすることによって全出力の強度変化などを知ることができる。そこでレーザ駆動制御装置14では、この和信号に応じて半導体レーザ装置11に入力する注入電流を調節することによって、半導体レーザ装置11の出力強度を常に一定に保つことができ、これによって、波長安定化も高精度に行うことができる。
【0057】
さらに、波長検出回路25に、和信号と差分信号Cとの比を演算する割算器を設け、その比に応じて波長をモニタするようにしても良い。
この場合、差分信号Cのゼロクロス点付近では割算器からの出力信号は半導体レーザ装置11の出力変動の影響を受けないので、その割算器からの出力信号に応じて波長をモニタすると、半導体レーザ装置11の出力変動に影響されずに、より高精度な波長安定化を行うことができる。
【0058】
さらに、波長モニタ装置13の複屈折結晶21の調整方法として、半導体レーザ装置11からの出力光の波長が所望の波長の時に、受光素子23,24の受光信号A,Bの強度が等しくなるように、光軸に対する複屈折結晶21の傾きを調節する。複屈折結晶21は光軸に対して結晶の傾きを変えると、それに伴いレーザ光が結晶内を伝播する距離が変わり、また、光軸に対するファスト軸またはスロー軸の角度も変わるので、受光信号A,B、および差分信号Cの波長特性も左右にずれる。従って、この調整方法により、任意の所望の波長を受光信号A,Bでスロープの中心に合わせること、すなわち、ゼロクロス点に合わせることができる。また、この所望の波長は受光信号A,Bおよび差分信号Cの中心に位置するために、その波長の周辺の広い範囲で波長モニタ、および波長安定化ができる。
【0059】
また波長検出回路25に、受光素子23から出力される受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段、受光素子24から出力される受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段回路を設けるようにしても良い。この場合、第1または第2の受光信号利得調整手段回路の一方もしくは両方の利得を適当に調整することにより、この両者の差信号の強度がゼロとなる波長を任意に調整し、その波長を基準波長として波長モニタおよび波長制御を行うことができる。
【0060】
さらに、レーザ駆動制御装置14において、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて、半導体レーザ装置11の注入電流および温度を調節して発振波長を制御するようにしても良い。
半導体レーザ装置11は、出力強度および温度が変化すると発振波長も変化する。従って、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて、レーザ駆動制御装置14で注入電流および温度の調節を行うことによって、半導体レーザ装置11の発振波長を容易に制御することができる。
【0061】
さらに、半導体レーザ装置11に共振器長を調節できる半導体レーザ装置を使用し、レーザ駆動制御装置14において、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて、半導体レーザ装置11の共振器長を調節して発振波長を制御するようにしても良い。
一般に発振波長は、共振器内に立ち得るモードのみに制限される。従って、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて、レーザ駆動制御装置14で半導体レーザ装置11の共振器長の調節を行うことによって、半導体レーザ装置11の発振波長を容易に制御することができる。
【0062】
さらに、半導体レーザ装置11のレーザ共振器に回折格子を用いて、レーザ駆動制御装置14において、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて、半導体レーザ装置11の回折格子の角度を調節して発振波長を制御するようにしても良い。
レーザ共振器に回折格子を用いると、特定の波長のみを選択的に反射するため、発振波長をその回折格子の角度によって選択することができる。従って、この角度を調節する。具体的には、波長モニタ装置13からの波長モニタ信号に応じて、レーザ駆動制御装置14で半導体レーザ装置11の回折格子の角度の調節を行うことによって、半導体レーザ装置11の発振波長を容易に制御することができる。
【0063】
さらに、半導体レーザ装置11と波長モニタ装置13の複屈折結晶21との間、または、半導体レーザ装置11とレンズ12との間に、レーザ光を伝送する偏波保存ファイバ(光ファイバ)を設けても良い。
この場合、半導体レーザ装置11がいかなる位置にあっても、そのモニタ光を偏波保存ファイバによって引き出すことができ、半導体レーザ装置11と波長モニタ装置13とを離して使用することができる。
【0064】
さらに、半導体レーザ装置11と、レンズ12と、波長モニタ装置13と、レーザ駆動制御装置14とを備えた波長安定化光源を1つのモジュール内にパッケージング化しても良い。
上記波長安定化光源は、装置全体が小型であるために、1つのモジュール内にパッケージング化することで、波長安定化光源の取り扱いを容易にすることができる。
【0065】
さらに、波長安定化光源を1つのモジュールにパッケージング化した後、それぞれ異なる発振波長を持つ複数の波長安定化光源のモジュールの出力を、一本または複数本の光ファイバ(伝送手段)で伝送するようにしても良い。
このように、この実施の形態1による波長安定化光源を使用することによって、隣合う発振波長が混ざり合うという問題が解消されるので、発振波長間隔を狭くすることができる。例えば、通信用光源として使用する場合、多くのベースバンド周波数をまとめて一度に多くの情報を伝送することができる。
【0066】
なお、上記実施の形態1では、波長検出回路25において、受光信号A,B、差分信号C、和信号、比に応じて波長をモニタしたが、それら受光信号A,B、差分信号C、和信号、比をレーザ駆動制御装置14に伝送し、そのレーザ駆動制御装置14において、受光信号A,B、差分信号C、和信号、比に応じて半導体レーザ装置11の発振波長を制御するようにしても良い。
【0067】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による波長安定化光源を示す構成図であり、図において、32は実施の形態1における偏光子22の代わりに設けられた2象限偏光子(偏光分離手段)である。その2象限偏光子32において、32aは複屈折結晶21のファスト軸方向の偏光成分のみ透過するファスト軸偏光子、32bはスロー軸方向の偏光成分のみ透過するスロー軸偏光子である。
その他の構成は、実施の形態1と同一なので、その重複する説明を省略する。
【0068】
次に動作について説明する。
この2象限偏光子32は、ファスト軸偏光子32aとスロー軸偏光子32bの側面を接合した構成で、入射開口面の半分の領域をファスト軸偏光子32a、他の半分の領域をスロー軸偏光子32bで占めている。複屈折結晶21からの出力光の中心が2象限偏光子32の開口面中心にくるように配置すると、透過したレーザ光断面の半分の領域はファスト軸方向の偏光成分のみで、その他の半分の領域はスロー軸方向の偏光成分のみとなる。その両者を受光素子23,24で受光することにより、上記実施の形態1と同様な波長モニタを行うことができる。
【0069】
以上のように、この実施の形態2によれば、2象限偏光子32を用いたので、偏光子22を用いた場合に比べ、反射光をモニタする必要がなく、光軸が1つのみとなり、アライメントが容易となる。また、受光素子23,24を並列に配置することができるので、装置全体を小型化することができる。
【0070】
なお、複屈折結晶21の出力端面に直接に2象限偏光子32を施して、複屈折結晶21と2象限偏光子32とを一体化しても良い。この場合、2象限偏光子32を新たに光軸上に設置する必要がなく、部品点数が減り、アライメントもさらに容易になる。さらに、上記実施の形態1において、複屈折結晶21と偏光子22とを一体化しても良く、同様な効果が得られる。
【0071】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による波長安定化光源を示す構成図であり、図において、33は受光素子23と同様にファスト軸偏光子32aを透過したファスト軸方向の偏光成分を受光する受光素子(第3の受光素子)、34は受光素子24と同様にスロー軸偏光子32bを透過したスロー軸方向の偏光成分を受光する受光素子(第4の受光素子)である。また、波長検出回路25において、25aは受光素子34による受光信号から受光素子33による受光信号を減算する減算器、25bは受光素子23による受光信号と受光素子24による受光信号とを加算する加算器である。
その他の構成は、実施の形態2と同一なので、その重複する説明を省略する。
【0072】
次に動作について説明する。
受光素子23,33は、ファスト軸偏光子32aからのファスト軸方向の偏光成分のみの透過光を受光するように、また、受光素子24,34は、スロー軸偏光子32bからのスロー軸方向の偏光成分のみの透過光を受光するように並列に配置し、受光素子23と受光素子24からの受光信号を加算器25bに、また、受光素子33と受光素子34からの受光信号を減算器25aに入力する。
波長検出回路25では、それら減算器25aおよび加算器25bによる演算結果に応じて、波長をモニタして波長モニタ信号としてレーザ駆動制御装置14に出力するか、それら減算器25aおよび加算器25bによる演算結果をそのままレーザ駆動制御装置14に出力し、そのレーザ駆動制御装置14において、その演算結果に応じて半導体レーザ装置11の発振波長を制御する。
【0073】
以上のように、この実施の形態3によれば、受光素子からの各出力を直接に加算器、および減算器に入力できるため、容易に受光信号の和と差分をモニタすることができる。
【0074】
なお、それら受光素子23,24,33,34を一つの基盤上にまとめて配置した4象限受光素子と用いても良い。この場合、4象限受光素子に4つの受光素子がまとまっているために取り扱いが容易で、アライメントも容易で、装置も小型化できる。
【0075】
なお、この実施の形態3は、上記実施の形態2に基づいて説明したが、上記実施の形態1にも適用できる。その場合、偏光子22からの反射光を受光素子23,33で受光し、透過光を受光素子24,34で受光することによって同様の効果が得られる。
【0076】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による波長安定化光源を示す構成図であり、図において、41aはファスト軸偏光子32aと受光素子23との間に設けられ、ファスト軸偏光子32aを透過したファスト軸方向の偏光成分を受光素子23上に集光する集光レンズ(ビーム集光手段)、41bはスロー軸偏光子32bと受光素子24との間に設けられ、スロー軸偏光子32bを透過したスロー軸方向の偏光成分を受光素子24上に集光する集光レンズ(ビーム集光手段)である。
その他の構成は、実施の形態2と同一なので、その重複する説明を省略する。
【0077】
次に動作について説明する。
集光レンズ41aを、ファスト軸偏光子32aと受光素子23との間に設け、集光レンズ41bを、スロー軸偏光子32bと受光素子24との間に設ける。この場合、適当な集光レンズ41a,41bの焦点距離を選ぶことによって、受光素子23,24上で2象限偏光子32からの出力光が集光される。
【0078】
以上のように、この実施の形態4によれば、受光するレーザ光が受光素子23,24上で集光されるために、受光素子23,24の単位面積当たりの受光強度が増加する。従って、S/N比が向上し、また、受光素子23,24の開口面積を小さくすることができる。
【0079】
なお、この実施の形態4は、上記実施の形態2に基づいて説明したが、上記実施の形態1および3にも適用できる。実施の形態1の場合、偏光子22と受光素子23との間に集光レンズ41aを設ければ良い。また、実施の形態3の場合には、2象限偏光子32と受光素子23,24,33,34との間にそれぞれ4個並列に集光レンズを配置すれば良い。その場合、この実施の形態4と同様の効果が得られる。
【0080】
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5による波長安定化光源を示す構成図であり、図において、21a,21bは光軸上に2個並べて配置され、結晶温度に対する屈折率の変化を相殺する複屈折結晶(第1および第2の複屈折結晶)である。
その他の構成は、実施の形態1と同一なので、その重複する説明を省略する。
【0081】
次に動作について説明する。
複屈折結晶21a,21bは、どちらか一方が結晶温度の増加に従って屈折率が減少するような結晶を選ぶ。また、複屈折結晶21a,21bの結晶長LA,LBは、以下の連立方程式(式2)、(式3)を満たすものを用いる。
【数2】
ここで、nA,nBは、それぞれ複屈折結晶21a,21bの屈折率、dnA/dT,dnB/dTは、それぞれ温度Tの変化による屈折率nA,nBの変化、αA,αBは、それぞれ複屈折結晶21a,21bの線膨張係数、C0は光速である。
【0082】
今、複屈折結晶21a,21b中に伝播するレーザ光の腹または節の数をmとすると、レーザ光の波長λは(式4)のように表される。
【数3】
次に、(式4)について温度を変数として微分してmを消去すると、以下の(式5)のようになる。
【数4】
(式5)は、温度Tによって変化する測定波長λの様子を表している。右辺には屈折率n、線膨張係数α、結晶長Lなどの複屈折結晶21a,21bの物性パラメータが入っているために、これらの値が温度Tによって変化すると正確な波長をモニタすることが困難である。そこで、(式3)を満たすような結晶長Lを選ぶと、右辺中カッコ{}内の値はゼロとなるので、∂λ/∂T=0となり、温度Tの変化に対して影響を受けない波長モニタおよび波長安定化を行うことができる。また、(式2)を加え、連立方程式(式2)、(式3)を満たすような結晶長Lを選ぶと、所望のFSRを持つ温度不感な波長モニタおよび波長安定化を行うことができる。
【0083】
なお、ファスト軸とスロー軸でn、dn/dT、αの値が異なる場合には、どちらか一方の軸について連立方程式(式2)、(式3)を満たすような結晶長を選ぶ。例えば、ファスト軸方向のnA、dnA/dT、αAについて、(式2)、(式3)を満たすような結晶長Lを選ぶと、受光素子24による受光信号Bは、温度が変化すると波長に対する受光強度が変化するが、受光素子23による受光信号Aは、温度変化によって波長に対する受光強度は変化しない。このようにして、ファスト軸に対してだけでも温度に対して影響を受けない波長モニタリングを行うことができる。
また、受光素子24による受光信号Bが温度変化によって波長に対して受光強度が変化するので、複屈折結晶21a,21bの温度を調節することにより、受光信号Aおよび受光信号Bのゼロクロス点を変化させ、ゼロクロス点での波長モニタおよび波長安定化させる波長を任意に変更することができる。
【0084】
例えば、YVO4結晶とβ−BaB2O4結晶とをそれぞれ複屈折結晶21a,21bとしたときに、ファスト軸に関して温度不感な波長モニタ信号が得られる結晶長を求める。この両結晶の各物性値にnA=1.9448、nB=1.6467、dnA/dT=8.5[×10-6/K]、dnB/dT=−16.8[×10-6/K]、αA=4.4[×10-6/K]、αB=0.5[×10-6/K]という値を用いると、連立方程式(式2)、(式3)より結晶長はLA=0.0506[mm]、LB=0.0540[mm]となる。
【0085】
以上、複屈折結晶21a,21bの例として、YVO4結晶とβ−BaB2O4結晶との組み合わせを挙げたが、どちらか一方の結晶がその結晶温度が増加したときに屈折率が減少する複屈折結晶であればどのような組合せでも良い。
例えば、YVO4結晶とSiO2結晶(呼称は水晶)、YVO4結晶とYLF結晶(化学組成はLiY1.0+XNdXF4(Xはある係数)であるが通常はYLFと呼ばれる。)、YVO4結晶とPbMoO4結晶、YVO4結晶とTiO2結晶(呼称はルチル)、CaCO3結晶(呼称は方解石)とSiO2結晶、CaCO3結晶とTiO2結晶、CaCO3結晶とYLF結晶、CaCO3結晶とβ−BaB2O4結晶、CaCO3結晶とPbMoO4結晶の組み合わせでも同様の効果が得られる。
【0086】
以上のように、この実施の形態5によれば、光軸上に2個並べて配置され、結晶温度に対する屈折率の変化と結晶温度に対する光軸方向の結晶厚み変化を相殺する複屈折結晶21a,21bを設けたので、温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる。
なお、この実施の形態5は、上記実施の形態1に基づいて説明したが、上記実施の形態2から4にも適用でき、同様の効果が得られる。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、偏光した平行なレーザ光の光軸上に配置され、入出力光方向の両端面に反射手段を有し、入力光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折結晶と、複屈折結晶を透過した出力光の直交した偏光成分を空間的に分離する偏光分離手段と、分離された偏光成分をそれぞれ受光する第1および第2の受光素子と、第1および第2の受光素子からの受光信号の一方もしくは両方を用いて入力光の波長を検出する波長検出回路とを備え、複屈折結晶は、光軸上に2個並べて配置され、結晶温度による屈折率変化と結晶温度による光軸方向の結晶厚み変化を相殺するように所定の連立方程式を満たすものを用いる第1および第2の複屈折結晶からなるように構成したので、複屈折結晶の性質である屈折率の軸方向異方性を利用することによって、複屈折結晶で2種類の波長特性を持った受信信号が得られるので、独立した複数のフィルタを用いた場合に生じる外部環境の変化による波長特性のばらつきを新たに考慮する必要がなく、小型でアライメントが容易で波長をモニタできる波長モニタ装置が得られる。
また、複屈折結晶を、光軸上に2個並べて配置され、結晶温度による屈折率変化と結晶温度による光軸方向の結晶厚み変化を相殺する第1および第2の複屈折結晶からなるように構成したので、温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0088】
この発明によれば、入力光に直線偏光を用いるように構成したので、複屈折結晶と偏光子の配置を容易にすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0089】
この発明によれば、複屈折結晶のファスト軸またはスロー軸を入力光の偏光方向に対して45度傾けて配置するように構成したので、波長透過特性の異なる2つの受光強度を等しくすることができ、第1および第2の受光素子、および波長検出回路の設計製作を容易にすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0090】
この発明によれば、偏光分離手段において、複屈折結晶のファスト軸の偏光成分を反射し、スロー軸の偏光成分を透過するように構成したので、波長透過特性の異なる2つの偏光成分を容易に分離することができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0091】
この発明によれば、偏光分離手段において、入力光のビーム断面に対して半分の領域で複屈折結晶のファスト軸方向の偏光成分のみを透過し、入力光のビーム断面の他の半分の領域でスロー軸方向の偏光成分のみ透過する2象限偏光選択するように構成したので、反射光をモニタする必要がなく、光軸が1つのみとなり、アライメントが容易となる。また、第1および第2の受光素子を並列に配置することができるので、装置全体を小型化することができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0092】
この発明によれば、偏光分離手段を複屈折結晶の出力面に施すように構成したので、偏光分離手段を新たに光軸上に設置する必要がなく、部品点数が減り、アライメントもさらに容易にすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0093】
この発明によれば、偏光分離手段と第1および第2の受光素子との間に、それぞれビームを集光するビーム集光手段を備えるように構成したので、受光するレーザ光が第1および第2の受光素子上で集光されるために、第1および第2の受光素子の単位面積当たりの受光強度が増加する。従って、S/N比が向上し、また、第1および第2の受光素子の開口面積を小さくすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0094】
この発明によれば、複屈折結晶、偏光分離手段、および第1および第2の受光素子の端面を光軸に対して正対させずに傾けて配置するように構成したので、複屈折結晶の入力側の端面に施された反射手段による反射光が半導体レーザ装置に戻ることがなく、半導体レーザ装置の動作の安定性を維持することができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0095】
この発明によれば、波長検出回路において、第1および第2の受光素子の受光信号の差を演算する減算器を備えるように構成したので、減算器からの差分信号から波長をモニタすると、第1および第2の受光素子から得られる受光信号の同位相のノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比が良くなると共に、信号強度が受光信号より2倍の信号振幅が得られるので、高精度に波長をモニタすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0096】
この発明によれば、波長検出回路において、第1および第2の受光素子の受光信号の和を演算する加算器を備えるように構成したので、加算器からの和信号に応じて半導体レーザ装置に入力する注入電流を調節することによって、半導体レーザ装置の出力強度を常に一定に保つことができ、これによって、波長安定化も高精度に行うことができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0097】
この発明によれば、波長検出回路において、第1および第2の受光素子の受光信号の和を演算する加算器と、第1および第2の受光素子の受光信号の差を演算する減算器と、加算器からの出力信号と減算器からの出力信号との割り算を演算する割算器とを備えるように構成したので、その割算器からの出力信号に応じて波長をモニタすると、半導体レーザ装置の出力変動に影響されずに、より高精度な波長安定化を行うことができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0098】
この発明によれば、偏光分離手段によって分離された一方の偏光成分をそれぞれ受光する第1および第3の受光素子と、偏光分離手段によって分離された他方の偏光成分をそれぞれ受光する第2および第4の受光素子とを備えるように構成したので、受光素子からの各出力を直接に加算器、および減算器に入力できるため、容易に受光信号の和と差分をモニタすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0099】
この発明によれば、第1から第4の受光素子を一つの基盤上にまとめて配列した4象限受光素子を備えるように構成したので、4象限受光素子に4つの受光素子がまとまっているために取り扱いが容易で、アライメントも容易で、装置も小型化できる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0100】
この発明によれば、入力光の波長をλ、複屈折結晶の屈折率をn、結晶長をLとしたとき、λ2/(2・n・L)が0.8[nm]以上にするように構成したので、ITUグリッドの複数のチャンネルについて波長を安定化することができ、また、絶対波長もモニタすることができる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0101】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶のうちのいずれか一方に、結晶温度が増加するにつれて屈折率が減少する結晶を用いるように構成したので、温度変化による第1および第2の複屈折結晶の屈折率変化を相殺するのが容易になる波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0102】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とβ−BaB2O4結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0103】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とSiO2結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0104】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とYLF結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0105】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とPbMoO4結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0106】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とTiO2結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0107】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とSiO2結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0108】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とTiO2結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0109】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とYLF結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0110】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とβ−BaB2O4結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0111】
この発明によれば、第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とPbMoO4結晶とを用いるように構成したので、容易に温度変化による波長モニタの補正が不要な波長モニタ装置が得られる効果がある。
【0112】
この発明によれば、第1の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段と、第2の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段の一方もしくは両方を波長検出手段が備え、第1または第2の受光素子から出力された受光信号の一方もしくは両方の信号強度を変更することにより、レーザ光の発信波長を調整するようにしたので、この両者の差信号の強度がゼロとなる波長を波長モニタおよび波長制御の基準波長として任意に調節することができるようになるという効果がある。
【0113】
この発明によれば、波長モニタ装置の複屈折結晶を配置する際に、所望の波長で第1および第2の受光素子の受光信号の強度が等しくなるように光軸に対する複屈折結晶のファスト軸とスロー軸を含む面の角度を調節するように構成したので、この調整方法により、任意の所望の波長を2つの受光信号でスロープの中心に合わせること、すなわち、ゼロクロス点に合わせることができる。また、この所望の波長は2つの受光信号および差分信号の中心に位置するために、その波長の周辺の広い範囲で波長モニタ、および波長安定化ができる波長モニタ装置の調整方法が得られる効果がある。
【0114】
この発明によれば、第1の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段と、第2の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段の一方もしくは両方を波長検出手段が備え、第1または第2の受光素子から出力された受光信号の一方もしくは両方の信号強度を変更することにより、レーザ光の発信波長を調整するようにしたので、この両者の差信号の強度がゼロとなる波長を波長モニタおよび波長制御の基準波長として任意に調節することができるようになるという効果がある。
【0115】
この発明によれば、波長モニタ装置に偏光したレーザ光を出力する半導体レーザ装置と、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の発振波長を制御するレーザ駆動制御装置とを備えるように構成したので、小型で高精度に波長を安定化することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0116】
この発明によれば、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置への注入電流を調節して発振波長を制御するように構成したので、容易に発振波長を制御することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0117】
この発明によれば、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の温度を調節して発振波長を制御するように構成したので、容易に発振波長を制御することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0118】
この発明によれば、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の共振器長を調節して発振波長を制御するように構成したので、容易に発振波長を制御することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0119】
この発明によれば、レーザ駆動制御装置において、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の回折格子の角度を調節して発振波長を制御するように構成したので、容易に発振波長を制御することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0120】
この発明によれば、半導体レーザ装置から出力されたレーザ光を平行化して波長モニタ装置の複屈折結晶に入力するレーザ光平行化手段を備えるように構成したので、平行なレーザ光を波長モニタ装置に容易に入力することができ、また、複屈折結晶内を伝搬するビームは平行となるので、よりノイズの少ない受信信号を得ることができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0121】
この発明によれば、半導体レーザ装置と複屈折結晶との間、または半導体レーザ装置とレーザ光平行化手段との間にレーザ光を伝送する光ファイバを備えるように構成したので、半導体レーザ装置がいかなる位置にあっても、そのモニタ光を光ファイバによって引き出すことができ、半導体レーザ装置と波長モニタ装置とを離して使用することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0122】
この発明によれば、半導体レーザ装置と、レーザ光平行化手段と、波長モニタ装置と、レーザ駆動制御装置とを1つのモジュール内に備えるように構成したので、1つのモジュール内にパッケージング化することで、波長安定化光源の取り扱いを容易にすることができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【0123】
この発明によれば、波長安定化光源を複数個設け、全ての波長安定化光源の出力を一本または複数本の伝送手段にまとめるように構成したので、この発明による波長安定化光源を使用することによって、隣合う発振波長が混ざり合うという問題が解消されるので、発振波長間隔を狭くすることができる。例えば、通信用光源として使用する場合、多くのベースバンド周波数をまとめて一度に多くの情報を伝送することができる波長安定化光源が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による波長安定化光源を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による複屈折結晶の配置を示す説明図である。
【図3】 複屈折結晶にエタロン結晶を用いた場合の波長透過特性を示す特性図である。
【図4】 2つの波長透過特性の差分を示す特性図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による波長安定化光源を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による波長安定化光源を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による波長安定化光源を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による波長安定化光源を示す構成図である。
【図9】 従来の波長モニタ装置を示す構成図である。
【図10】 PD出力波長特性を示す特性図である。
【図11】 従来の波長モニタ装置を示す構成図である。
【符号の説明】
11 半導体レーザ装置、12 レンズ(レーザ光平行化手段)、13 波長モニタ装置、14 レーザ駆動制御装置、21 複屈折結晶、21a,21b 複屈折結晶(第1および第2の複屈折結晶)、22 偏光子(偏光分離手段)、23 受光素子(第1の受光素子)、24 受光素子(第2の受光素子)、25 波長検出回路、25a 減算器、25b 加算器、32 2象限偏光子(偏光分離手段)、32a ファスト軸偏光子、32b スロー軸偏光子、33 受光素子(第3の受光素子)、34 受光素子(第4の受光素子)、41a,41b 集光レンズ(ビーム集光手段)。
Claims (37)
- 偏光した平行なレーザ光の光軸上に配置され、入出力光方向の両端面に反射手段を有し、入力光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折結晶と、上記複屈折結晶を透過した出力光の直交した偏光成分を空間的に分離する偏光分離手段と、上記偏光分離手段によって分離された偏光成分をそれぞれ受光する第1および第2の受光素子と、上記第1および第2の受光素子からの受光信号の一方もしくは両方を用いて入力光の波長を検出する波長検出回路とを備え、上記複屈折結晶は、光軸上に2個並べて配置され、結晶温度による屈折率変化と結晶温度による光軸方向の結晶厚み変化を相殺するように以下の連立方程式を満たすものを用いる第1および第2の複屈折結晶からなることを特徴とする波長モニタ装置。
但し、FSRは自由スペクトル領域、n A ,n B はそれぞれ第1および第2の複屈折結晶の屈折率、L A ,L B はそれぞれ第1および第2の複屈折結晶の結晶長、c 0 は光速、dn A /dT,dn B /dTはそれぞれ温度Tの変化による屈折率n A ,n B の変化、α A ,α B はそれぞれ第1および第2の複屈折結晶の線膨張係数である。 - 入力光に直線偏光を用いることを特徴とする請求項1記載の波長モニタ装置。
- 複屈折結晶は、ファスト軸またはスロー軸を入力光の偏光方向に対して45度傾けて配置することを特徴とする請求項2記載の波長モニタ装置。
- 偏光分離手段は、複屈折結晶のファスト軸の偏光成分を反射し、スロー軸の偏光成分を透過することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 偏光分離手段は、入力光のビーム断面に対して半分の領域で複屈折結晶のファスト軸方向の偏光成分のみを透過し、入力光のビーム断面の他の半分の領域でスロー軸方向の偏光成分のみ透過する2象限偏光選択することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 偏光分離手段は、複屈折結晶の出力面に施したことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 偏光分離手段と第1および第2の受光素子との間に、それぞれビームを集光するビーム集光手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 複屈折結晶、偏光分離手段、および第1および第2の受光素子の端面を光軸に対して正対させずに傾けて配置することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 波長検出回路は、第1および第2の受光素子の受光信号の差を演算する減算器を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 波長検出回路は、第1および第2の受光素子の受光信号の和を演算する加算器を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 波長検出回路は、第1および第2の受光素子の受光信号の和を演算する加算器と、上記第1および第2の受光素子の受光信号の差を演算する減算器と、上記加算器からの出力信号と上記減算器からの出力信号との割り算を演算する割算器とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 偏光分離手段によって分離された一方の偏光成分をそれぞれ受光する第1および第3の受光素子と、上記偏光分離手段によって分離された他方の偏光成分をそれぞれ受光する第2および第4の受光素子とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1から第4の受光素子を一つの基盤上にまとめて配列した4象限受光素子を備えたことを特徴とする請求項12記載の波長モニタ装置。
- 入力光の波長をλ、複屈折結晶の屈折率をn、結晶長をLとしたとき、λ2/(2・n・L)が0.8[nm]以上であることを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶のうちのいずれか一方に、結晶温度が増加するにつれて屈折率が減少する結晶を用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とβ−BaB2O4結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とSiO2結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とYLF結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とPbMoO4結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、YVO4結晶とTiO2結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とSiO2結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とTiO2結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とYLF結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とβ−BaB2O4結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 第1および第2の複屈折結晶に、CaCO3結晶とPbMoO4結晶とを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置。
- 波長検出手段は、第1の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段と、第2の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段の一方もしくは両方を備え、上記第1または第2の受光素子から出力された受光信号の一方もしくは両方の信号強度を変更することにより、レーザ光の発信波長を調整することを特徴とする請求項1記載の波長モニタ装置。
- 請求項1から請求項11および請求項14から請求項26のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置の複屈折結晶を配置する際に、所望の波長で第1および第2の受光素子の受光信号の強度が等しくなるように光軸に対する上記複屈折結晶のファスト軸とスロー軸を含む面の角度を調節することを特徴とする波長モニタ装置の調整方法。
- 波長検出手段は、第1の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第1の受光信号利得調整手段と、第2の受光素子から出力された受光信号の利得を調節する第2の受光信号利得調整手段の一方もしくは両方を備え、上記第1または第2の受光素子から出力された受光信号の一方もしくは両方の信号強度を変更することにより、レーザ光の発信波長を調整することを特徴とする請求項1記載の波長モニタ装置の調整方法。
- 請求項1から請求項26のうちのいずれか1項記載の波長モニタ装置と、上記波長モニタ装置に偏光したレーザ光を出力する半導体レーザ装置と、上記波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて上記半導体レーザ装置の発振波長を制御するレーザ駆動制御装置とを備えた波長安定化光源。
- レーザ駆動制御装置は、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置への注入電流を調節して発振波長を制御することを特徴とする請求項29記載の波長安定化光源。
- レーザ駆動制御装置は、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の温度を調節して発振波長を制御することを特徴とする請求項29記載の波長安定化光源。
- レーザ駆動制御装置は、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の共振器長を調節して発振波長を制御することを特徴とする請求項29記載の波長安定化光源。
- レーザ駆動制御装置は、波長モニタ装置からの波長モニタ信号に応じて半導体レーザ装置の回折格子の角度を調節して発振波長を制御することを特徴とする請求項29記載の波長安定化光源。
- 半導体レーザ装置から出力されたレーザ光を平行化して波長モニタ装置の複屈折結晶に入力するレーザ光平行化手段を備えたことを特徴とする請求項29から請求項33のうちのいずれか1項記載の波長安定化光源。
- 半導体レーザ装置と複屈折結晶との間、または半導体レーザ装置とレーザ光平行化手段との間にレーザ光を伝送する光ファイバを備えたことを特徴とする請求項29から請求項34のうちのいずれか1項記載の波長安定化光源。
- 半導体レーザ装置と、レーザ光平行化手段と、波長モニタ装置と、レーザ駆動制御装置とを1つのモジュール内に備えたことを特徴とする請求項34記載の波長安定化光源。
- 請求項29から請求項36のうちのいずれか1項記載の波長安定化光源を複数個設け、全ての上記波長安定化光源の出力を一本または複数本の伝送手段にまとめたことを特徴とする波長安定化光源。
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