JP4124877B2 - オイル交換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等に使用する潤滑オイルの抜き取り充填、あるいは自動車のエンジン内部にフラッシングオイルを注入し、所定時間フラッシング洗浄を行った後、エンジン内部に注入したフラッシングオイルを回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置として例えば特開平1−229199号公報に記載のものが知られている。こうした従来装置では、本体上方など見易い位置にエンジンから抜き取った古いエンジンオイル・フラッシングオイルを一旦収納する廃油ディスプレイ容器を配設し、容器内に収納したオイルの汚れ具合を外部からチェックしたのち本体内の廃油タンクへ排出することが行われている。
【0003】
このように構成することで、顧客に対して、エンジンから抜き取った使用済の古いオイルがどの程度汚れているかをまず示し、次にエンジン内部をフラッシングした使用済フラッシングオイルの汚れ具合を示すことでエンジンフラッシングの効果を視覚的にアピールしている。
【0004】
しかしながらこの従来例では、エンジンから抜き取った古いエンジンオイル・フラッシングオイルの全量を廃油ディスプレイ容器内に収容するいわゆるバッチ方式であるため、容器内は廃油で満たされた状態となり、オイルの汚れの程度を比較判断することが困難であった。すなわち、廃油ディスプレイ容器内に収容される廃油は、抜き取ったエンジンオイルはもちろんのこと、1回目のフラッシング終了後のフラッシングオイルも抜き取ったエンジンオイルと同程度に汚れているものであり、そのようにひどく汚れたオイルを容器内に満たした状態では外光がほとんど透過されず、視覚的にチェックしようにも同程度の黒いオイルが確認されるにとどまるのである。また、エンジンのフラッシング作業はフラッシングオイルを入れ換えて2回行われるのが通常であるが、一般的な顧客の場合、2回目のフラッシング終了後のオイルにも相当な汚れが認められる場合が多く、そのようなオイルを廃油ディスプレイ容器内に満たすと、1回目の使用済フラッシングオイルとそれほど大差ない状態に視認されてしまうのである。そのような場合、顧客に対してエンジン内部の洗浄がまだ十分ではないという印象を与えてしまうおそれがあった。
【0005】
また、特開平6−48494号公報には、透明容器内において廃油の抜き取り管から噴出する廃油を廃油キャップに当てて流下させ、その流下するオイルを見ることで汚れ具合を確認する廃油ディスプレーが開示されている。
【0006】
この従来例は、透明容器内に廃油を満たすことなく半球状の廃油キャップ内面に向けて廃油を噴出し、円筒状に流下する廃油を確認するので、前記従来例と比較すると外光が透過しやすく、したがってある程度廃油の汚れ具合の変化を確認することができるもののまだ十分とはいえなかった。なぜなら、廃油が円筒状に流下するので、流下するオイル膜を二重に透かした状態で確認せざるを得ず、その分だけ光が減衰してしまうのである。また、抜き取った廃油の粘度や廃油キャップ内面への噴出量によっては、きれいな円筒状のオイル流下膜が形成されずに滴り落ちる状態となり、汚れ具合の変化を確認できないケースがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、自動車等に使用する潤滑オイルの抜き取り充填、あるいは自動車のエンジン内部にフラッシングオイルを注入し、所定時間フラッシング洗浄を行った後、エンジン内部に注入したフラッシングオイルを回収する装置において、抜き取ったオイルの汚れ具合が正しく判断できる装置が提供できないかという点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記のような問題を解決するために本発明では、自動車用オイルの抜き取りを行う管路の途中に透明部材からなるオイル確認部を備えたオイル交換装置において、
オイル確認部は、透明部材からなる周壁と、周壁内側空間に回転可能に軸支され、前記抜き取り管路内を流れるオイルを周壁内周面に向けて噴射するオイル噴射ノズル体と、オイル噴射ノズル体から噴射するオイルの排出口とを備え、オイル抜き取りの際、前記オイル噴射ノズル体はオイル噴射と共に回転動作することを特徴とするオイル交換装置を提案する。
【0009】
(2)また、上記提案のオイル交換装置において、オイル噴射ノズル体は、オイルを周壁内周面に向けて噴射するディスプレイノズルと、該ディスプレイノズルから分岐し、オイル噴射ノズル体に回転動力を与える動力ノズルとを備え、オイル抜き取りの際、動力ノズルからのオイル噴射に伴う反力でディスプレイノズルを回転することを特徴とするオイル交換装置を提案する。
【0010】
【作用】
(1)の提案によれば、自動車から使用済オイルを抜き取る管路の途中に透明な周壁を備えるオイル確認部を設け、使用済オイルを周壁内周面に向けて噴射するオイル噴射ノズル体を周壁内側空間に回動可能に配置して、オイルの抜き取り動作に伴ってオイル噴射ノズル体が回転しながらオイルを噴射する。したがって、オイル噴射ノズル体から噴射された使用済オイルは、周壁内周面のほぼ同じ高さをなぞるように周回するので、透明周壁にあたって壁面を伝わり落ちるオイルの薄膜が形成され、オイルの汚れ具合を正しく判断することができる。また、周壁内周面のオイルがあたる箇所は同じ場所に留まらず周回移動し、一周して同じ箇所へ戻る頃にはオイルの薄膜はほぼ落ちきった状態となるので、オイル薄膜を二重に見ることがなく、光が十分透過した好条件の下で視認することができる。
【0011】
(2)の提案によれば、オイル噴射ノズル体は、オイルを周壁内周面に向けて噴射するディスプレイノズルの他に、オイル噴射に伴う反力でディスプレイノズルに回転動力を与える動力ノズルを備えたので、モーター等の動力源を必要とせず、オイル抜き取りに伴うオイルの流れのみでオイル噴射ノズル体を回転させることができる。
【0012】
【実施例】
以下、図面を基に、本発明の実施例について説明する。図1は本発明実施例に関わるオイル交換装置の外観図、第2図は本発明実施例の構成説明図、第3図は本発明実施例の制御系ブロック図、第4図はコントロールパネル部の拡大図である。1はオイル交換装置本体で、装置本体外にホース2を延出し、その先端にノズル3を設けている。このノズル3は自動車のエンジンのオイルレベルゲージ穴へ挿入可能な太さの管材から形成されており、通常は本体1の一側に設けられるノズルホルダー4内に収容されている。5は装置本体外に延出するホースで、その先端にガンノズル6を設け、通常は本体1の一側に設けられるガンノズルホルダー7に懸架されている。8はフラッシング終了段階に使用された再利用可能なフラッシングオイルを貯えるサブタンク、9は抜き取った使用済エンジンオイルおよび使用済フラッシングオイルを貯える廃油タンク、10は新しいフラッシングオイルを貯える新油タンクで、いずれも本体1内部に載置され、本体1後方より自由に取り出すことができる。11は本体前面上方に設けられるコントロールパネル、12は自動車から抜き取ったエンジンオイルあるいはフラッシングオイルの汚れ具合を確認するオイル確認部である。
【0013】
次に図2を基に本発明実施例の全体構成について説明する。再利用可能なフラッシングオイルを貯えるサブタンク8、オイルパン内から抜き取った使用済エンジンオイルあるいは使用済フラッシングオイルを貯える廃油タンク9、新しいフラッシングオイルを貯える新油タンク10は、それぞれロードセル(計量装置)13、14、15上に載置され、これらロードセルによりタンクの重量を検出することでタンク内のフラッシングオイル量・廃油量や流出量・流入量が検知される。これらタンクのうち、新油タンク10は、ポンプPM1、管路2−1、管路2−1の途中にある電磁弁V2、ホース2を介してノズル3に接続され、ノズル3による新フラッシングオイル供給経路が構成される。また、ポンプPM1から分岐して、管路5−1、管路5−1の途中にある電磁弁V1、ホース5を介してガンノズル6に接続され、ガンノズル6による新フラッシングオイル供給/補充経路が構成される。廃油タンク9は、管路2−2、管路2−2の途中にある電磁弁V3、共通管路2−5、共通管路2−5の途中にあるポンプPM2、ストレーナ16、ホース2を介してノズル3に接続され、ノズル3による廃油吸入経路が構成される。サブタンク8は、管路2−3、管路2−3の途中にある電磁弁V4、共通管路2−5、共通管路2−5の途中にあるポンプPM2、ストレーナ16、ホース2を介してノズル3に接続され、ノズル3による再利用フラッシングオイル供給経路が構成される。また、このサブタンク8には再利用フラッシングオイル供給経路とは別経路で、管路2−4、管路2−4の途中にあるフィルター18、管路2−4の途中にある逆止弁CV1、共通管路2−5、共通管路2−5の途中にあるポンプPM2、ストレーナ16、ホース2を介してノズル3に接続され、ノズル3による再利用フラッシングオイル吸入経路が構成される。管路17−1、電磁弁V6、流量調整弁RV1、オイル確認部12、電磁弁V5、管路17−2で構成される経路は、ポンプPM2に並列して接続されるサブ管路であり、電磁弁V5・V6を開閉制御することで、ノズル3から吸入されるエンジンオイルあるいはフラッシングオイルをオイル確認部12で視覚的に確認できる。なお、ポンプPM2は正転/逆転可能なモータによって駆動され、共通管路2−5の途中にあって供給/吸入の双方の動作が可能なよう構成されている。
【0014】
次に、図3に本発明実施例の制御系ブロック図を示す。20は本体1内に設けられる制御部で、コントロールパネル11およびロードセル13・14・15からの信号に応じポンプおよび電磁弁等を作動させるものである。22はマイクロコンピュータで、CPU23、メモリ24、およびインターフェイス25を備えて、メモリ24で与えるプログラムに応じて制御を行う。26はポンプPM1・PM2の駆動/停止および正転/逆転の切り換えを行うポンプ駆動回路、27は電磁弁V1〜V6をそれぞれ開閉動作させる電磁弁駆動回路、28はコントロールパネル11の表示器31を駆動する表示駆動回路、29はコントロールパネル11のスピーカー出力を行うスピーカー駆動回路である。30はコントロールパネルに備えられる操作パネルであり、フラッシングを行うにあたってその作業コース等の選択あるいは指示を与える。
【0015】
このようにコントロールパネル11には、操作パネル30、表示器31、スピーカー32が備えられている。操作パネルには図4に示すように、前回データクリアキー21、全自動上抜きコース選択キー33、全自動下抜きコース選択キー34、数値設定キー34−1、自動コース選択キー35、抜き取りキー36、スタートキー37、全自動(上抜き・下抜き)コーススタートキー38、フラッシング継続キー39、最終抜き取りスタートキー40、ストップキー41、ノズル注入キー42、ガンノズル注入キー43、管理モードキー44、タンク残量キー45、ホース内オイル抜き取りキー46、タイマー・登録キー47、新油補充キー48、廃油タンク・サブタンク排出キー49が備えられている。表示器には、7セグメント表示素子等からなる表示パネル31−1〜31−3、LED等からなるエラー表示部50が備えられている。
【0016】
全自動上抜きコース選択キー33、全自動下抜きコース選択キー34、数値設定キー34−1、自動コース選択キー35は、それぞれのキーを押すことにより、後述するフローチャートに基づいてフラッシング動作を行う。管理モードキー44は、フラッシングの繰り返し回数の設定や、抜き取ったエンジンオイル量に対するフラッシングオイル注入量の割合設定といった管理モードメニューを実行する。タンク残量キー45は、サブタンク・廃油タンク・新油タンクの現在残量を表示パネル31−1〜31−3に表示させる。ホース内オイル抜き取りキー46は、管路やホース途中にあるオイルをタンクに収容させる。タイマー・登録キー47は、フラッシング動作中に表示するカウント時間の設定、および管理モードメニューの各種設定内容を登録する。新油補充キー48は、新油タンクに新フラッシングオイルを補充するもので、ガンノズル6を補充用チューブに交換した上で新フラッシングオイル缶に挿入し(図示しない)、このキーを押すとポンプPM1を逆転させて新油タンク10に新フラッシングオイルを補充することができる。廃油タンク・サブタンク排出キー49は、廃油タンク9あるいはサブタンク8に貯えられているオイルをノズル3から本体外部に排出する。
【0017】
次に図5を基にオイル確認部12の構成について説明する。図5(a)はオイル確認部の外観を示し、図5(b)はその断面を示す説明図である。51はガラス等の透明材料からなる周壁で、上部に蓋52、下部にベース53が取り付けられて周壁内側に密閉空間が形成される。56はパッキンで、周壁51の上縁と下縁にはめ込まれ、蓋52およびベース53との接合部をシールする。55は取り付け支柱で、両端にネジ部が設けられており、一端がベース53に固着され、他端が周壁51を覆う蓋52に設けられる支柱穴(図示しない)を通してナット61で固定されることで蓋を固定する。54は周壁内側に軸支されるオイル噴射ノズル体、57はオイル噴射ノズル体から噴射されるオイルを排出するオイル排出口であり、管路17−2(図2に示す)に接続される。
【0018】
オイル噴射ノズル体54は、ベース53に固定され管路17−1(図2に示す)につながるノズル軸60と、ノズル軸60にベアリング62を介して回転可能に取り付けられるタービン59と、タービン59と一体に設けられるディスプレイノズル58とで構成される。タービン59はタービン羽根59aを備え、ノズル軸60に設けられる動力ノズル61からのオイル噴射を受けてその運動エネルギーから回転動力を得る。したがって、ポンプPM2を逆転駆動してオイル抜き取りを開始するとともに電磁弁V5・V6を開くと、タービン59およびディスプレイノズル58が回転し、同時にディスプレイノズルに設けられたオイル噴射口58aから周壁51内周面に抜き取ったオイルが噴射される。噴射されて周壁内面にあたったオイルは薄膜を形成しながら壁面を伝わり落ち、動力ノズル61から噴射されたオイルとともにオイル排出口57より排出される。なお、オイル噴射口58aからのオイル噴射量は流量調整弁RV1(図2に示す)で調整可能であり、オイルの粘度等に応じて適宜調整することで、周壁内面上に最も視認しやすいオイル薄膜を得ることができる。
【0019】
次に本発明実施例による動作のうちの「自動コース」について説明する。
<自動コース>
自動車のオイルレベルゲージにノズル3を挿入し、コントロールパネル11においてクリアキー21を押して前回行われたフラッシング動作のデータをクリアした上で、次に自動コース選択キー35を押し、続いてスタートキー37を押すと、自動コースが実行される。
【0020】
以下、この時の動作を図6および図7のフローチャートを基に説明する。まずポンプPM2を逆転すると共に電磁弁V3、V5、V6を開き(S1)、エンジンオイルパン内にある使用済エンジンオイルの抜き取りを開始する。抜き取られた使用済エンジンオイルは、ノズル3、共通管路2−5、管路2−2、および、管路17−1、オイル確認部12、管路17−2を流れて廃油タンク9へ貯えられ、オイルの汚れ具合をアピールすると共に、表示部にはロードセル14で検出する廃油タンク重量の変化に基づいて算出されたエンジンオイルの抜き取り量が表示パネル31−1に表示される(S3)。やがてロードセル14で計量される廃油タンク内の廃油量W1に変化が無くなると(S4)、制御部20では、抜き取ったエンジンオイルの量をメモリD1に記憶して(S5)、ポンプPM2を停止すると共に弁V3、V5、V6を閉じて使用済エンジンオイルの抜き取りを停止する(S6)。なお、このエンジンオイル抜き取り中に、廃油タンク内の廃油量W1が所定量W2(今回の抜き取り途中で満タンにならないよう、タンク残容量が5リットル程度の時)以上か否かの判定を行
い(S2)、タンク残容量を十分 確保できない場合は、制御部20に予め記憶されている音声(廃油を排出して下さい。等)をスピーカー32から1回だけ出力し(S9、S10)、廃油タンクがほぼ一杯になっていることを作業者に報知することもできる。また、S6で使用済エンジンオイルの抜き取りを停止した後、これから注入する新フラッシングオイルをノズル3から注入するか、あるいはガンノズル6から注入するかの選択を促す音声をスピーカー32から出力し(S7)、ノズル注入キー42、ガンノズル注入キー43からの入力を待って(S8)、注入ノズルの選択をすることもできる(本実施例ではノズル3を選択したものとして説明する)。
【0021】
次に、使用済エンジンオイルを抜き取ったエンジンに新フラッシングオイルを注入する。(ここで注入する新フラッシングオイル量は、エンジンオイル抜き取り量D1に対して注入割合分だけ行われる。この注入割合設定は管理モードメニューで設定されるものであり、例えば50〜150%といった範囲内で設定される。)S11において新油タンク10内の新フラッシングオイル残量が注入割合量(ここではD1×50%とする)よりも上回っているかどうか判定し(S11)、これから注入する新フラッシングオイルの量が確保できているのを確認した上で、ポンプPM1を正転すると共に電磁弁V2を開き、新フラッシングオイルの注入を開始する(S12)。そして、注入量を表示パネル31−1に表示しながら(S13)、注入割合量だけ(D1×50%)の注入が行われると(S14)、ポンプPM1を停止すると共に電磁弁V2を閉じて新フラッシングオイルの注入を終了する(S15)。次にエンジン駆動を促す音声をスピーカー32から出力し(S16)、一時停止して(S17)作業者によるエンジンの駆動と、駆動後に行うスタートキー37の押下を待つ。スタートキー37が押下されると(S18)、表示パネル31−2にフラッシング時間を示すカウントダウン表示を行う(S19)。所定時間(これは管理モードキー44による管理モードメニューで設定するものであり、例えば10秒〜10分といった範囲内で設定される)のカウントダウンが行われると(S20)、エンジン停止を促す音声をスピーカー32から出力し(S21)、まだフラッシングを継続するか否かの入力を待つ(S22)。なお、S11において、新油タンク10内の新フラッシングオイル残量が注入割合量(D1×50%)に満たない場合は、エラー表示部50にエラー表示を行って(S23)一時停止し(S24)、新油タンク10への新フラッシングオイル補充を待つ。作業者によって新フラッシングオイルの補充が行われ、スタートキー37が押下されると(S25)、S11から再び実行する。
【0022】
S22においてフラッシング継続キー39の押下があると、スタートキー37の入力を待ち(S26)、スタートキー37が押されると、次に廃油タンクの残容量が現在オイルパン内に注入されているフラッシングオイル量(D1×50%)以上か否かの判定を行い(S27)、廃油タンク残容量が十分確保できているのを確認した上で、ポンプPM2を逆転すると共に電磁弁V3、V5、V6を開き(S28)、表示パネル31−1に抜き取り量を表示しながらオイル確認部12で使用済フラッシングオイルの汚れ具合をアピールし(S29)、エンジンオイルパン内にある使用済フラッシングオイルの全量抜き取りを開始する。全量抜き取りが完了すると(S30)、▲4▼に戻ってS6から再び実行する。なお、S27で廃油タンク残容量が不足している場合は、エラー表示部50にエラー表示を行って(S31)一時停止し(S32)、廃油タンク内の廃油排出を待つ。作業者によって廃油の排出が行われ、スタートキー37が押下されると(S33)、S27から再び実行する。
【0023】
S22においてフラッシング継続キー39の入力がなく、スタートキー37が押下されると(S34)、廃油タンクへの抜き取りを行う。ポンプPM2を逆転すると共に電磁弁V3、V5、V6を開き(S35)、表示パネル31−1に抜き取り量を表示しながら(S36)、エンジンオイルパン内にある使用済フラッシングオイルの汚れ具合をアピールしながら全量抜き取りを開始する。全量抜き取りが完了すると(S37)、ポンプPM2を停止すると共に電磁弁V3、V5、V6を閉じ(S38)、続いて、廃油タンク10内の廃油量W1が所定量W2以上か否かの判断と、サブタンク内の再利用フラッシングオイル量W3が所定量W4以下か否かの判断と、新油タンク10内の新フラッシングオイル量W5が所定量W6以下か否かの判断を行い(S44、S46、S48)、W1がW2以上、W3がW4以下、W5がW6以下であれば制御部20に予め記憶されている音声を順次スピーカー32から出力することにより(S45、S47、S49)、廃油タンク9がほぼ満タンになっていることや、サブタンク8内の再利用フラッシングオイルがほぼ空になっていることや、新油タンク10内の新フラッシングオイルがほぼ空になっていることを作業者に報知して一連のフラッシング作業を終了する。
【0024】
S22においてフラッシング継続キー39の入力がなく、続くS34でもスタートキー37の入力がなく、最終抜き取りスタートキー40が押下されると(S39)、サブタンクへの抜き取りを行う。ポンプPM2を逆転し(S40)、表示パネル31−1に抜き取り量を表示しながら(S41)、エンジンオイルパン内にある使用済フラッシングオイルの全量抜き取りを開始する。全量抜き取りが完了すると(S42)、ポンプPM2を停止し(S43)、S44からS49を実行して一連のフラッシング作業を終了する。
【0025】
本発明は以上のように構成されるものであるが、上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例では、使用済の古いエンジンオイルを抜き取ったのちにエンジン内部をフラッシングする例について説明したが、フラッシング作業後に新しいエンジンオイルを注入する装置でも実施可能である。またオイル確認部において、透明材からなる周壁は円筒形上に限るものではなく、ベルジャーあるいはドーム形状にしても良い。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、自動車から使用済オイルを抜き取る管路の途中に透明な周壁を備えるオイル確認部を設け、使用済オイルを周壁内周面に向けて噴射するオイル噴射ノズル体を周壁内側空間に回動可能に配置して、オイルの抜き取り動作に伴ってオイル噴射ノズル体が回転しながらオイルを噴射する。したがって、オイル噴射ノズル体から噴射された使用済オイルは、周壁内周面のほぼ同じ高さをなぞるように周回するので、透明周壁にあたって壁面を伝わり落ちるオイルの薄膜が形成され、オイルの汚れ具合を正しく判断することができる。また、周壁内周面のオイルがあたる箇所は同じ場所に留まらず周回移動し、一周して同じ箇所へ戻る頃にはオイルの薄膜はほぼ落ちきった状態となるので、オイル薄膜を二重に見ることがなく、光が十分透過した好条件の下で視認することができる。このように、使用済オイルの汚損程度を薄い膜の状態で確認できるので、「最初に抜き取った状態」「フラッシング作業中の状態」といったオイル交換作業の流れの中で、汚損状態にあったオイルが徐々にきれいな状態に移り変わっていく様を確実に認識することができる。
【0027】
また、オイル噴射ノズル体は、オイルを周壁内周面に向けて噴射するディスプレイノズルの他に、オイル噴射に伴う反力でディスプレイノズルに回転動力を与える動力ノズルを備えたので、オイル抜き取りに伴うオイルの流れのみでオイル噴射ノズル体を回転させることができ、モーターや複雑な機構を必要とせずに簡単な構成で視認効果の高いオイルディスプレイが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例に関わるオイル交換装置の外観図である。
【図2】本発明実施例の構成を示す説明図である。
【図3】本発明実施例の制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明実施例のコントロールパネルを示す説明図である。
【図5】本発明実施例によるオイル確認部の構成を示す説明図である。
【図6】本発明実施例による自動コースの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明実施例による自動コースの動作を示すフローチャートである。

Claims (2)

  1. 自動車用オイルの抜き取りを行う管路の途中に透明部材からなるオイル確認部を備えたオイル交換装置において、
    オイル確認部は、透明部材からなる周壁と、周壁内側空間に回転可能に軸支され、前記抜き取り管路内を流れるオイルを周壁内周面に向けて噴射するオイル噴射ノズル体と、オイル噴射ノズル体から噴射するオイルの排出口とを備え、オイル抜き取りの際、前記オイル噴射ノズル体はオイル噴射と共に回転動作することを特徴とするオイル交換装置。
  2. 請求項1記載のオイル交換装置において、オイル噴射ノズル体は、オイルを周壁内周面に向けて噴射するディスプレイノズルと、該ディスプレイノズルから分岐し、ディスプレイノズルに回転動力を与える動力ノズルとを備え、オイル抜き取りの際、動力ノズルからのオイル噴射に伴う反力でディスプレイノズルを回転することを特徴とするオイル交換装置。
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