JP4124706B2 - 耐食性に優れたFe−Cr系合金構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス鋼を代表とするFe−Cr系合金を素材とする電気機器、精密加工機器、自動車、建材などの機械器具や部品などの構造体であって、成形や組立てによって、隙間部が形成されている場合に、その隙間部の耐食性を向上した構造体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼を代表とするFe−Cr系合金(以下、単にFe−Cr系合金と記す)は、防錆性能に優れているので各種の耐食性を要求される用途、特に美観や意匠性、メインテナンスフリーといった特徴を最大限に活かす様々な用途に広く使用されてきた。しかし、実際には使用環境によっては、耐食性が必ずしも充分とは言い難く、特に隙間部、溶接部、異種金属との接合部など(以下、単に隙間部と記す)に腐食が発生し、進展することが明らかになった。例えば、板を2枚溶接した時に形成される板と板、またボルト止めを行った時に形成されるボルト(金具)と母材との隙間などである。このような構造体は自動車、建材をはじめほとんどの構造体で形成される。従来はこれらの耐食性が最も劣る部位、すなわち隙間部に合わせてFe−Cr系合金を選定するため、腐食環境でない用途では過剰品質となる場合があった。
【0003】
ステンレス鋼の特に隙間部の耐食性を向上させる方法として、隙間部にステンレス鋼より卑な金属(ステンレス鋼よりイオンになりやすい金属)を挟んだり、施工後に隙間となる部位に予めステンレス鋼より卑な金属箔を貼り付けたり、卑な金属を含む塗料を塗布する提案がされている(特許文献1)。
しかし、金属箔を貼り付けるのは、作業工程が1段増えることと部材数が増加するので、実際的ではなく、塗料を塗布する方がより簡便である。そこで、本発明者は、特許文献1に記載される施工例に従って、ジンクリッチ塗料(金属亜鉛粉を含有する塗料)を試験片の隙間部およびその周辺部に塗布してその耐食性を評価したところ、試験片を模擬腐食環境に曝す実験では、耐食性の向上が認められたものの、現実の構造体に使用して、構造体をさらに加工したり、あるいは運搬したりした後には、従来と同じような錆が発生することを発見した。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−72985号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジンクリッチ塗料を塗布し、腐食機能を高めたFe−Cr系合金の構造体を、現実の使用環境においても、隙間部の耐食性に優れ、腐食することがないようにし、それによって構造体の強度低下がなく、長期間の使用に耐え得るようにしたFe−Cr系合金の構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クロムを6mass%以上25mass%以下含有するFe−Cr系合金の構造体の隙間部を有する表面の不動態被膜に、乾燥重量に対して下記(1)式で示される量の金属亜鉛粉を含有する塗膜を、乾燥膜厚で5μm以上100μm未満になるように形成することを特徴とする耐食性に優れたFe−Cr系合金構造体の製造方法である。
70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}≦X≦70・・・・(1)
ただし、Xは塗膜中の金属亜鉛粉の含有量(mass% )で、
CrはFe−Cr系合金中のCr含有量(mass% )であり、
MoはFe−Cr系合金中のMo含有量(mass% )である。
【0009】
前記Fe−Cr系合金構造体の製造方法において、前記金属亜鉛粉の平均粒子径が3μm以下であるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明は、鉄より卑な金属粉を含有する塗料、特に亜鉛を含有するジンクリッチ塗料による犠牲防食効果を損なわず、しかもジンクリッチ塗料による防食塗膜を有するFe−Cr系合金構造体を加工、または運搬した場合にも、錆が特に発生しやすい隙間部における錆の発生を防止したFe−Cr系合金構造体を、防食塗膜の金属亜鉛含有量を規定し、かつその膜厚を規定することによって得るものである。
【0011】
本発明が対象とする構造体を構成するFe−Cr系合金は、Cr含有量が6mass% 以上25mass% 以下であることを必須とする。Cr含有量が6mass% 未満であると屋内、屋外の大気環境で使用された場合でも、赤錆の発生が著しく、隙間部での十分な耐食性確保が難しい。
Cr含有量が25mass% を超えるとFe−Cr系合金そのものの耐食性が向上し、ジンクリッチ塗料塗布の意味が薄れる。好ましいのは11〜20mass% である。
Cr以外の成分は特に規定されず、加工性、強度、その他の目的に応じて、C、Si、Mn、Ni、Cu、Mo、W、Nb、Ti、Zr、V、B、Al、Nなどの元素を適宜添加することができる。特にMoは耐食性の向上に有効であり、含有量は0mass% 以上3.0mass% 以下、好ましくは0.5mass% 以上2.0mass% 以下である。
【0012】
本発明の構造体は、前記のようなFe−Cr系合金の部材によって、成形または組立ててなるものであり、その構造、形状に拘らない。例えば、1枚のFe−Cr系合金板を曲げ、その端部同士を溶接、かしめ、ボルト締めなどによって接合したもの、あるいはFe−Cr系合金板をプレス成形した部品を複数個組合わせて溶接、かしめ、ボルト締めなどの手段で一体化したものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
本発明者は、Fe−Cr系合金で構成された構造体の隙間部の腐食の防止には、前記先行技術に開示されているように、亜鉛などの鉄より卑な金属の持つ犠牲防食性能を利用することが有効であると考えた。しかし、前述したように、市販の普通鋼用亜鉛含有ジンクリッチ塗料を塗布した場合には、実際の使用環境において、特に加工や運搬の際に、飛び石のような外傷を受けた場合や、振動によりボルトなどのつなぎ部が収縮するような力を受けた場合に、塗膜が部分的に剥離し、十分な防食機能が発揮されない。
【0014】
すなわち、本発明者は、従来の普通鋼用に開発、実用化されたジンクリッチ塗料をFe−Cr系合金用に改良し、その塗料を塗布したFe−Cr系合金の加工や運搬などの実際の使用環境での使用時に、錆が発生する現象を詳細に調査したところ、ジンクリッチ塗料の塗膜(以下、防食塗膜と記すことがある)が、構造体外部からの衝撃や摩擦、あるいは振動によって剥離することが防食機能低下の原因であることを究明した。この剥離現象は、Fe−Cr系合金の表層の不動態被膜が防食塗膜と地鉄との密着を妨げることによって生じており、普通鋼の上に塗布した防食塗膜では発生し難い現象である。
普通鋼の防食機能に優れるジンクリッチ塗料は、亜鉛の犠牲防食機能を利用した塗料であり、防食機能を維持するために、市販のジンクリッチ塗料による塗膜の亜鉛含有量は、塗膜の乾燥重量に対して70mass% 超になるように使用されている。
【0015】
本発明者は、防食塗膜とFe−Cr系合金との密着性および防食機能について検討したところ、元々普通鋼の防食塗料として開発された市販のジンクリッチ塗料は、普通鋼よりは耐食性に優れているFe−Cr系合金に対して、少なくとも耐食性に関しては品質過剰であり、ジンクリッチ塗料の金属亜鉛粉の含有量を低減させても防食機能の低下に影響がなく、加えて十分な密着性が得られることを知見した。すなわち、塗膜乾燥重量に対して亜鉛含有量が70mass% 以下のジンクリッチ塗料であっても、Fe−Cr系合金に対して優れた防食機能と十分な密着性を付与できることを知見した。
【0016】
またFe−Cr系合金の耐食性は、孔食指数(Cr+3.3Mo)と正の相関があることが知られている。そこで、本発明者はより隙間防食性を発揮し得る塗膜中の必要亜鉛含有量と前記の孔食指数の関係を調査したところ、図1に示すように亜鉛含有量Xが、70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}以上である場合に、Fe−Cr系合金の十分な隙間防食性が得られることを見出した。
以上の理由から、塗膜中の亜鉛含有量Xは下記(1)式で規定される。
70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}≦X≦70・・・・(1)
ただし、(1)式中で、Xは塗膜中の金属亜鉛粉の含有量(mass% )で、
CrはFe−Cr系合金中のCr含有量(mass% )であり、
MoはFe−Cr系合金中のMo含有量(mass% )である。Moは必須成分ではなく、Moを含まない場合には、前記(1)式においてMo=0として計算する。
【0017】
防食塗膜中の亜鉛含有量は、前記したように孔食指数、換言すれば、Fe−Cr系合金の耐食性に依存するので、耐食性の高い場合には、塗膜中の亜鉛含有量をより少なくできるが、耐食性の低い場合には、塗膜中の亜鉛含有量をより多くする必要がある。
そして防食塗膜中の亜鉛含有量の下限値は、(1)式よりCr含有量が25mass%で、Moが0mass%の場合の2.5mass%である。ただし、Cr含有量が25mass%を超えると、中性塩化物環境での耐食性が充分となり、防食塗膜が不要となる。なお、Znを0mass%とした塗膜の塗布は、表面に色をつける必要がある場合に用いる程度で耐食性確保という観点から見るとコスト高になり、高Crステンレス鋼を用いる意味もなくなるため不要である。
【0018】
本発明において、防食塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で5μm以上100μm未満とする。膜厚が5μm未満であると、亜鉛含有量の増加に伴い、密着性を確保することが難しくなる。また犠牲防食能力は単位面積あたりの亜鉛含有量に依存するが、膜厚が5μm未満であると有効亜鉛量を十分に確保できない。一方、膜厚が100μm以上であると、品質過剰になるとともに、塗膜の乾燥時間が長くなり、作業効率が低下する上、塗膜の密着性も悪化する。一層好ましいのは50μm以下の場合である。なお、乾燥膜厚の測定は、塗布後の乾燥膜の断面を、観察倍率400倍で、各5視野観察し、各視野について3箇所の膜厚を求め、これを平均したものを平均膜厚とし、さらに、5視野の平均膜厚を平均して求めた。
【0019】
金属亜鉛粉の平均粒子径は好ましくは3μm以下である。金属亜鉛粉の粒子径が3μmを超えると、塗膜が薄い場合には、塗膜の密着性が低下する。また金属亜鉛粉が塗膜中に微細に分散していた方が、亜鉛の犠牲防食性能が向上する傾向にあり、この点からも金属亜鉛粉の平均粒子径が3μm以下であるのが好ましい。なお、金属粉の粒子径は、1個の金属粒子の最大粒子径と最小粒子径を測定し、これを加算して2で割った値である。平均粒子径は塗布後の乾燥塗膜の断面を、電子顕微鏡を用い、観察倍率400倍で、各5視野観察し、視野中の全ての各金属粉の粒子径を求め、これらを算術平均して求めた。
【0020】
ジンクリッチ塗料の添加成分は特に限定されず、従来のジンクリッチ塗料などと同様に、塗料の分散または塗膜の乾燥、硬化、諸物性の改良などのための成分、例えば、バインダー、乾燥剤、硬化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤などの添加剤、溶剤または希釈剤などがさらに添加される。
なお、塗料中に金属亜鉛粉を安定して懸濁させるために添加する分散剤や乳化剤の添加量は、従来のジンクリッチ塗料の場合の添加量より少量にすることができる。
【0021】
バインダーとしては、一般的なアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などやこれらの樹脂の組合わせなどが用いられる。また、無機バインダーとして、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、ケイ酸ソーダなどを用いてもよい。好ましいのはエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂である。
バインダーの添加量は樹脂の種類、乾燥剤、硬化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤などの添加剤との兼ね合いで必要用途、特性により適宜決定すればよい。
【0022】
塗布の方法は、スプレー塗装、刷毛塗り、塗料中への浸漬など、特に限定されない。構造体の生産ラインに合わせて適宜選択すればよい。
ジンクリッチ塗料は、硬化剤の種類によって、常温硬化型と加熱硬化型がある。常温硬化型の場合、塗布後、常温放置して硬化させる。加熱硬化型の場合、加熱して乾燥(焼付け)する。その結果、耐食性に優れる塗膜が形成される。
【0023】
本発明においては、金属亜鉛粉を含有する塗膜をFe−Cr系合金構造体表面に形成するが、その形成範囲は構造体に形成された隙間部を全て含む範囲であれば、構造体の局部の面であっても、一面であっても全面であっても構わない。前記塗膜によって防食性を高める必要があるのは隙間部であるから、その部分が最低限被覆されていれば、Fe−Cr系合金構造体全体の耐食性も十分である。
【0024】
【実施例】
(例1〜51)
表1に示す9成分を含有する冷延焼鈍板(板厚0.8mm)を図2に示すようなL字形(幅80mm-w、長辺150mm-l、短辺50mm-h)に加工し、試験片2枚の短辺から構成される面(幅80mm-w、短辺50mm-h)の上部から20mmを中心としてシーム溶接して試験片を調製した。この試験片の全面に、表2に示す乾燥塗膜における亜鉛含有量の防食塗料(バインダーとしてエポキシ樹脂を使用した)を、表2に示す乾燥膜厚になるようにスプレー塗布した。1.0時間放置し乾燥して、塗膜を硬化させた。なお、亜鉛の平均粒子径および乾燥塗膜の平均膜厚は前述の方法により測定した。
【0025】
また、乾燥塗膜中の亜鉛粒子の含有量(mass% )は、乾燥塗膜が鋼板に付着した状態で鋼板質量(W1 )を測定し、その後、塗膜剥離剤、例えば「ネオリバーSP−751」(三彩化工(株))を使用して、鋼板と塗膜を分離し、鋼板を乾燥し、鋼板の質量(W2 )を測定した。続いて、除去した塗膜を硫酸または過塩素酸で溶解し、その溶液を原子吸光法で分析して亜鉛の質量(W3)を求めた。そして、W3 /(W1 −W2 )×100から乾燥塗膜中の亜鉛粒子含有量を算出した。
次に試験片2枚の端面を突き合わせた部分に、隙間を形成するために、プラスチッククリップを被せた。
【0026】
試験片のプレス成形部の塗膜評価を目的として、JIS B7729およびJIS B7777に規定されたエリクセン試験機と試験方法に準拠し、直径10mm、高さ8mmのポンチを使用して、試験片を加工した。
試験片の塗膜密着性は、図2に示すように、長さ60mm、幅80mmの矩形の中に描いた長さ115mmの対角線上の、両端から20mm空けて、クロスカットした。
試験片の衝撃に対する塗膜密着性は、玄武岩(砕石、平均粒子径8〜12mm)100gを、室温、圧力7kgf/cm2 で、試験片の表面外側に垂直に当てて、試験片表面に飛び石による傷を付けるグラベロ部6を設けた。なお、グラベロ部6の形成はASTM D3170に準じた装置を用いて実施した。
【0027】
飛び石、傷などの外部からの衝撃などでの塗膜密着性および耐食性評価、隙間部(プラスチック、裏面)はそれぞれ隙間部に塗料を塗布した後の耐食性評価、板と他部材が接触した時に形成された隙間部の耐食性評価を目的としている。
試験片の耐食性は、SAE(アメリカ自動車技術者協会)J2334に準拠した塩乾湿複合サイクル試験(CCT)により評価した。CCTの試験条件は、北米スノーベルトにおいて15年間に相当する期間使用することを想定して、120サイクル行い、錆発生状況を目視で、下記のような5段階表示した。
1; 赤錆(直径1mmを超える点錆)
2; 軽微な赤錆(直径1mm以下の点錆)
3; しみ錆(直径1mmを超える点錆)
4; 軽微なしみ錆(直径1mm以下の点錆)
5; 錆なし
とし、1と2を不合格、3〜5を合格とした。表2に各種試験結果を示した。
【0028】
なお、No.1〜3、6〜7、15〜16、18〜19、21〜23、25〜26、30〜32は、いずれも塗膜中の亜鉛含有量Xが本発明の下限値である70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}を下回った比較例である。これらはいずれも耐食性が悪く、不合格になった。
No.14、29および38は、亜鉛を80mass% 含有する市販のジンクリッチ塗料を塗布した比較例であり、グラベロ試験により容易に塗膜が剥離し、総合評価が不合格になった。
No.34〜38はFe−Cr系合金のCr含有量が6mass% を下回った比較例であり、いずれも耐食性が不十分であった。
No.45〜46は膜厚が薄い比較例であり、いずれも耐食性が悪い。
No.51は膜厚が過剰に厚い比較例であり、エリクセン試験、グラベロ試験において、容易に塗膜が剥離し、耐食性が低下した。
【0029】
一方、No.4〜5、8〜13、17、20、24、27〜28、33、39〜44、47〜50はいずれも本発明の条件を満たし、グラベロ試験やエリクセン試験において塗膜剥離が生じることがなく、全体的に高い耐食性を発現した。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、Fe−Cr系合金構造体の隙間部の耐食性を著しく向上することができるので、強度低下がなく、長期間の使用に耐え得る構造体を製造することができる。また、従来隙間部腐食がネックとなって高価なCrやMoを多量に含有したFe−Cr系合金を使用せざるを得なかったFe−Cr系合金構造体のCrやMoの量の削減が可能となり、構造体の製造コストを著しく削減することができるという効果も有する。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐食性の合否判定に及ぼす鋼板の孔食指数(Cr+3.3Mo)と、防食塗膜中の亜鉛含有量との関係を示すグラフ。
【図2】 L字形試験片のグラベロ試験などの耐食性試験の状況を示す立面図と平面図。
【符号の説明】
1: L字形試験片
2: 隙間部
3: プラスチッククリップ
4: エリクセン
5: クロスカット
6: グラベロ試験
7: シーム溶接部
Claims (2)
- クロムを6mass%以上25mass%以下含有するFe−Cr系合金の構造体の隙間部を有する表面の不動態被膜に、乾燥重量に対して下記(1)式で示される量の金属亜鉛粉を含有する塗膜を、乾燥膜厚で5μm以上100μm未満になるように形成することを特徴とする耐食性に優れたFe−Cr系合金構造体の製造方法。
70−{2.7×(Cr+3.3Mo)}≦X≦70・・・・(1)
ただし、Xは塗膜中の金属亜鉛粉の含有量(mass% )で、
CrはFe−Cr系合金中のCr含有量(mass% )であり、
MoはFe−Cr系合金中のMo含有量(mass% )である。 - 前記金属亜鉛粉の平均粒子径が3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のFe−Cr系合金構造体の製造方法。
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