JP4123893B2 - スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリュー圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば冷凍装置では、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを順に接続し、上記凝縮器と膨張弁との間と、上記圧縮機の圧縮部との間をインジェクション配管で接続している。このインジェクション配管にインジェクション膨張弁を介設し、このインジェクション膨張弁の開度を、上記圧縮機の吐出ガス温度に基いて制御している。これによって、上記圧縮機の圧縮部に適量の液冷媒をインジェクションし、上記圧縮機の吐出ガス温度を所定温度以下にして、上記圧縮機が異常高温になって故障することを防止している。このような圧縮機には、従来、異常検出装置を備えたものがある(例えば特許文献1参照)。この圧縮機の異常検出装置は、上記圧縮機の吐出ガス温度の上昇勾配と、上記圧縮機の吐出ガス圧力の上昇勾配とを演算し、上記吐出ガス温度の上昇勾配が所定値よりも大きく、かつ、上記吐出ガス圧力の上昇勾配が所定値よりも小さいときに、上記圧縮機を停止する。これによって、上記圧縮機が異常高温に達する前に、上記インジェクション膨張弁およびこの膨張弁の制御系の異常を検出して圧縮機を停止して、上記圧縮機の故障を回避するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−247959号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の圧縮機は、スクリュー圧縮機のような容量制御を行なう圧縮機である場合、容量制御のためのスライドバルブの異常が、上記異常検出装置では検出し難いという問題がある。上記スライドバルブの異常によって、例えば容量が過大の状態で運転が継続された場合、過大な負荷でモータが焼き付きを生じる等のような重大な故障に至る虞がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、スライドバルブの異常が迅速かつ確実に検出できて、重大な故障が回避できるスクリュー圧縮機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明のスクリュー圧縮機は、ケーシング内でスクリューが回転すると共に、スライドバルブで容量を制御するスクリュー圧縮機において、
上記スクリューを駆動するモータの電流の値を検出する電流センサと、
上記スライドバルブを駆動するピストンを有するシリンダと、
上記ピストンが追従するパイロット弁体と、
上記シリンダのピストンの一方の側の室と低圧側とを連通する通路に設けられた開閉弁と、
上記開閉弁を開放して、上記シリンダの上記一方の室を低圧側に連通させて、上記シリンダを介して上記スライドバルブを低負荷である第1の状態に位置させたときに上記電流センサが検出する第1電流値と、上記開閉弁を閉じ、上記スライドバルブを上記パイロット弁体の軸方向位置で設定される所定の負荷である第2の状態に位置するようにしたときに上記電流センサが検出する第2電流値とについて、上記第1電流値に対して上記第2電流値が所定の関係にない場合、上記モータへの電力の供給を遮断する制御部と
を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部によって、上記開閉弁が開放され、上記シリンダの上記一方の室が低圧側に連通され、これによって、上記ピストンが上記スライドバルブを低負荷である第1の状態に確実に位置させる。これによって、スクリュー圧縮機の容量が、確実に低負荷の第1の状態に対応する容量になる。このとき、上記電流センサによって、上記スクリューを駆動するモータに流れる電流の値である第1電流値が検出される。一方、上記開閉弁が閉じられ、上記シリンダの上記一方の室が低圧側と遮断され、かつ、上記パイロット弁体が駆動される。このパイロット弁体に追従する上記ピストンが、上記スライドバルブを所定の負荷である第2の状態に位置させる。このとき、上記電流センサによって、上記モータに流れる電流の値である第2電流値が検出される。
【0008】
ここにおいて、上記開閉弁が閉じられ、かつ、上記パイロット弁体が駆動されたにも拘らず、上記スライドバルブが、例えば異物の噛み込み等の異常によって殆ど移動しない場合、スクリュー圧縮機の容量が増大しないので、上記スクリューを駆動するモータの負荷が殆ど変化しない。したがって、上記第2電流値は第1電流値と殆ど変化しない。一方、上記スライドバルブが、例えば、上記パイロット弁体の駆動による適切移動位置を超えて、高負荷側に異常に移動した場合、スクリュー圧縮機の容量が所定容量よりも大きくなる。したがって、上記スクリューを駆動するモータの負荷が所定負荷よりも大きくなるので、上記第2電流値が、上記第1電流値と比較して過大になる。このように、上記第1電流値に対して上記第2電流値が所定の関係にあるか否かが判定されることによって、上記スライドバルブに異常が生じているか否かが確実に判定される。
【0009】
上記第1電流値に対して上記第2電流値が所定の関係にない場合、上記制御部によって、上記モータへの電力の供給が遮断される。したがって、上記スライドバルブに関する異常が迅速かつ確実に検出され、また、スライドバルブが異常のまま運転が継続されてスクリュー圧縮機が重大な故障に至ることが、有効に回避される。
【0010】
請求項2の発明のスクリュー圧縮機は、請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
上記スライドバルブが第1の状態に位置するとき、容量が最大容量に対して12%であることを特徴としている。
【0011】
請求項2のスクリュー圧縮機によれば、上記スライドバルブが第1の状態に位置するとき、容量が最大容量に対して12%であるので、この12%の容量から所定容量になるようにスライドバルブを駆動しようとした場合における上記スライドバルブの異常が、迅速かつ正確に検出される。
【0012】
請求項3の発明のスクリュー圧縮機は、請求項1または2に記載のスクリュー圧縮機において、
上記第2電流値は、上記開閉弁を閉じた時点から所定時間後に、上記電流センサが検出する電流値であることを特徴としている。
【0013】
請求項3のスクリュー圧縮機によれば、上記開閉弁を閉じた時点から所定時間後に、上記電流センサよって第2電流値が検出され、この第2電流値が上記第1電流値に対して所定の関係にあるか否かが上記制御部によって判定される。上記所定時間を、上記スライドバルブが所定位置に移動するのに十分な時間に設定することによって、上記スライドバルブが上記所定位置に移動したか否かが正確に検出され、このスライドバルブの異常が確実に検出される。
【0014】
請求項1の発明のスクリュー圧縮機は、
上記制御部は、上記第2電流値が第1電流値以下である場合、上記モータへの電力の供給を遮断することを特徴としている。
【0015】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、上記第2電流値が第1電流値以下である場合、上記スライドバルブを第2の状態に位置するようにしたときのモータの負荷が、上記低負荷の第1の状態におけるモータの負荷よりも増大していない。したがって、スクリュー圧縮機の容量が第1の状態から増大していないことが検出されて、上記スライドバルブが移動していないことが検出される。このスライドバルブの動作の異常が検出された場合、上記モータへの電力の供給が遮断されて、スクリュー圧縮機の重大な故障が回避される。
【0016】
請求項1に発明のスクリュー圧縮機は、
上記制御部は、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最大係数を乗じた値以上である場合、上記モータへの電力の供給を遮断することを特徴としている。
【0017】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、例えば、上記スライドバルブが第2の状態に位置した場合、上記モータが実際に受ける最大負荷のときの第2電流値について、この第2電流値の第1電流値に対する割合を、上記正常状態を示す最大係数に設定する。これによって、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最大係数を乗じた値以上である場合、スライドバルブが上記第2の状態の位置よりも高容量側に過剰に移動したことが、確実に検出される。このスライドバルブの過剰な移動が検出された場合、上記モータへの電力の供給が遮断されて、スクリュー圧縮機の重大な故障が効果的に回避される。
【0018】
請求項1の発明のスクリュー圧縮機は、
上記制御部は、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最小係数を乗じた値以下である場合、上記モータへの電力の供給を遮断することを特徴としている。
【0019】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、例えば、上記スライドバルブが第2の状態に位置した場合、上記モータが実際に受ける最小負荷のときの第2電流値について、この第2電流値の第1電流値に対する割合を、上記正常状態を示す最小係数に設定する。これによって、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最大係数を乗じた値以下である場合、スライドバルブの移動量が過小であって上記第2の状態の位置に達していないことが、確実に検出される。このスライドバルブの過小な移動が検出された場合、上記モータへの電力の供給が遮断されて、スクリュー圧縮機の重大な故障が効果的に回避される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明のスクリュー圧縮機を示す断面図である。このスクリュー圧縮機は、ケーシング1内にスクリュー2を収容し、このスクリュー2は、回転軸3を介して図示しないモータで回転駆動されるように形成されている。上記スクリュー2の外周側に、このスクリュー2の圧縮開始位置を制御して容量を制御するスライドバルブ6を設けている。このスライドバルブ6は、スクリュー2側以外の三方をケーシング1に囲まれている。上記スライドバルブ6は、軸方向の両端面に、冷媒や冷凍機油からなる流体の低圧LPと高圧HPを各々受けて、矢印Xで示すように左方に付勢されている。上記スライドバルブ6は、連結部材8およびロッド9を介して、シリンダ12のピストン10に連結されている。このピストン10の両側に室14,15を形成し、各室14,15を絞りS1,S2によって高圧HP側に連通している。
【0022】
上記ピストン10に関してロッド9の反対側には、このロッド9の軸と略一直線上に位置する軸を有する突出部17が一体に形成されている。上記ロッド9、ピストン10および突出部17には、軸貫通孔18が形成されている。この軸貫通孔18の低圧LP側端は、上記スクリュー2の端面に形成された開口に連通するように形成されている。このスクリュー2の端面の開口は、このスクリュー2および回転軸3に形成されたスクリュー軸貫通孔21を介して低圧LP側に連通している。また、上記ロッド9は、上記ピストン10の連結部近傍に、径方向に延びて一端が室15に開口する制御通路22を備え、この制御通路22の他端が、上記軸貫通孔18に開口している。この軸貫通孔18に、パイロット弁体20を軸方向に摺動自在に嵌合している。このパイロット弁体20は、高圧HP側に配置された図示しない駆動手段によって軸方向に駆動される。この駆動手段によって上記パイロット弁体20を軸方向に駆動し、このパイロット弁体20にピストンを追従させて、上記スライドバルブ6を所定位置に駆動するように形成している。
【0023】
上記シリンダ12の室15は、通路としての低圧配管24を介して低圧LP側に接続されている。この低圧配管24に開閉弁としての電磁開閉弁25を設け、この電磁開閉弁25を開放して上記室15を低圧LP側に連通し、あるいは、上記電磁開閉弁25を閉じて上記室15と低圧LP側との連通を遮断するようにしている。
【0024】
上記スクリュー2は、インジェクション配管26を介して液冷媒が供給される。すなわち、このスクリュー圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とを順に接続してなる冷凍サイクルにおいて、上記凝縮器と膨張弁との間と、上記スクリュー2との間を、インジェクション開閉弁27が介設されたインジェクション配管26で接続している。上記インジェクション開閉弁27を開放し、上記凝縮器で凝縮された比較的低温の液冷媒をスクリュー2に供給して、このスクリュー2が圧縮する冷媒ガスの温度調節を行なうようにしている。
【0025】
このスクリュー圧縮機は、上記スクリュー2を回転駆動するモータの電流を検出する図示しない電流センサを備える。また、図示しない制御部を備え、この制御部によって、上記電流センサからの信号に基いて、上記スライドバルブ6の異常を検出するように形成されている。
【0026】
図2は、上記構成のスクリュー圧縮機が起動され、冷凍サイクルの通常運転であるサーモ制御運転に移るまでの起動制御運転時に実行されるステップを示したフロー図である。また、図3は、スクリュー圧縮機の起動制御運転時の動作と、上記低圧配管24の電磁開閉弁25の動作とを、共通の時間軸を用いて示したフロー図である。図3において、横軸が時間軸t(秒)である。
【0027】
まず、時刻t1において、スクリュー圧縮機のモータへの電力の供給が開始され、スクリューが回転駆動されて、スクリュー圧縮機が起動する(S1)。このとき、制御部のタイマカウンタが計時を開始する。また、上記制御部の制御の下で、上記低圧配管24の電磁開閉弁25が開放され、この低圧配管24を介して、上記シリンダ12の右方の室15が低圧LP側に連通する。上記スクリュー2の動作によって高圧HP側の流体圧力が上昇するに伴って、上記ピストン10の左方の室14内の流体圧力が上昇する一方、右方の室15は、低圧LP側に連通しているので流体圧力が殆ど上昇しない。その結果、上記シリンダ12のピストン10は、右方に付勢されて、上記スクリュー2から遠ざかるように駆動される。これによって、上記ピストン10に連結されたロッド9および連結部材8を介して、スライドバルブ6が、低負荷である第1の状態の位置に駆動される。このスライドバルブ6が第1の状態に位置したとき、スクリュー圧縮機の容量は、最大容量に対して12%の容量になる(S2)。本実施形態では、最大容量に対して12%の容量を、スクリュー圧縮機の運転時の最小容量にしている。上記制御部は、上記タイマカウンタが30秒を計時した時刻t2で(S3)、上記モータの電流値である第1電流値を電流センサで検出する(S4)。この電流センサが検出した第1電流値Aを、上記制御部のメモリに記憶する。上記タイマカウンタが30秒を計時した時刻t2で上記モータの電流値を検出することによって、このスクリュー圧縮機が確実に12%容量で動作しているときの第1電流値Aを検出する。
【0028】
上記スクリュー圧縮機の起動時t1から50秒が経過すると、上記制御部は、上記電磁開閉弁25を閉鎖する。これによって、上記シリンダ12の室15と低圧LP側との連通が遮断され、上記室15内に、絞りS1を介して高圧HP側の流体が流入する。これによって、上記室15内の流体圧力が上昇して、上記シリンダ12のピストン10に作用する図中上向きの付勢力が減少する。上記ピストン10に連結されたスライドバルブ6には、矢印X方向の力が作用しているので、上記ピストン10に作用する図中上向きの付勢力の減少に伴って、上記ピストン10が、図中下方のスクリュー2側に向って移動を開始する。このとき、上記ピストン10と一体に形成されたロッド9に形成された制御通路22は、上記軸貫通孔18に嵌合しているパイロット弁体20によって、上記軸貫通孔18との連通が遮断されている。上記ピストン10が図中下方に所定量移動すると、上記制御通路22の開口が、上記パイロット弁体20の先端20aよりもスクリュー2側に位置するようになる。その結果、上記制御通路22が軸貫通穴18に連通して、上記室15内の流体圧力が再び低下する。そして、上記スライドバルブ6に作用する力と、上記ピストン10に作用する力とが釣り合って、上記ピストン10およびスライドバルブ6が停止する。この上記ピストン10およびスライドバルブ6の停止位置は、上記パイロット弁体20の軸方向位置で設定され、このスライドバルブ6の停止位置において、スクリュー圧縮機の容量が最大容量に対して25%になるように設定されている。
【0029】
上記タイマカウンタが時刻t1から110秒を計時した時刻t3において(S5)、スクリュー圧縮機が25%容量に達する(S6)。この時刻t3で、タイマカウンタが0から計時をし直す。上記時刻t3から、タイマカウンタが30秒の経過を計時すると(S7)、制御部は電流センサに指令して、この時刻t4におけるモータの電流値Bを検出させる(S8)。そして、上記時刻t4におけるモータの電流値Bと、制御部のメモリに記憶している上記時刻t2におけるモータの電流値Aとを比較して、異常判定を行なう(S9)。
【0030】
このステップS9では、上記制御部は、上記電流値Aと電流値Bとについて、以下のような3つの式で表される比較を行って、異常判定を行なう。
A≧B…(1)
A×C≦B…(2)
A×D≧B…(3)
ここで、Cは正常状態を示す最大係数であり、Dは正常状態を示す最小係数である。制御部は、上記電流値Aと電流値Bとが式(1),(2),(3)を満たす場合、スクリュー圧縮機が異常であると判定する。
【0031】
まず、上記電流値Aと電流値Bとが式(1)を満たす場合、時刻t4におけるモータ負荷が、時刻t3におけるモータ負荷以下である。つまり、時刻t4におけるスクリュー圧縮機の容量が、時刻t3における容量から増大していない。したがって、スライドバルブ6が、例えば異物の噛み込みなどによって動作していないことが検知される。
【0032】
次に、上記電流値Aと電流値Bとが式(2)を満たす場合、時刻t4におけるモータ負荷が、時刻t3におけるモータ負荷に基く所定負荷以上である。つまり、時刻t4におけるスクリュー圧縮機の容量は、t3における容量から過大に増加している。したがって、時刻t3から時刻t4に至る間のスライドバルブ6の移動量が過大であることが検知される。
【0033】
また、上記電流値Aと電流値Bとが式(3)を満たす場合、時刻t4におけるモータ負荷が、時刻t3におけるモータ負荷に基く所定負荷以下である。つまり、時刻t4におけるスクリュー圧縮機の容量が、t3における容量から比較して、増加量が少ない。したがって、時刻t3から時刻t4に至る間のスライドバルブ6の移動量が不足していることが検知される。
【0034】
上記電流値Aと電流値Bが、式(1),(2),(3)のいずれか1つを満たすとき、制御部は、上記モータに供給している電源を遮断し、スクリュー圧縮機を停止して、異常停止をする(S10)。
【0035】
上記電流値Aと電流値Bが、式(1),(2),(3)のいずれも満たさない場合、タイマカウンタが上記時刻t3から60秒の経過を計時した(S11)時刻t5において、時刻t1から行なわれた起動制御運転を終了し、冷凍サイクルのサーモ制御運転に移る(S12)。
【0036】
このように、本実施形態のスクリュー圧縮機は、上記電流値Aと電流値Bとが所定の関係にあるか否かを判断することによって、スライドバルブに異常が生じているか否かを迅速かつ正確に判定できる。したがって、上記スクリュー圧縮機は、例えばモータの焼き付きなどが生じる前に停止するので、重大な故障が確実に回避できる。
【0037】
上記実施形態において、スクリュー圧縮機の運転最小容量は最大容量に対して12%の容量であるが、上記運転最小容量は最大容量に対して12%に限られない。
【0038】
また、上記容量制御機構を有する圧縮機は、スクリュー圧縮機以外の圧縮機でもよい。
【0039】
また、上記制御部は、電流値Aと電流値Bについて、上記式(1),(2),(3)以外の関係を満たす場合にスクリュー圧縮機が異常であると判断してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1のスクリュー圧縮機によれば、ケーシング内でスクリューが回転すると共に、スライドバルブで容量を制御するスクリュー圧縮機において、上記スクリューを駆動するモータの電流の値を検出する電流センサと、上記スライドバルブを駆動するピストンを有するシリンダと、上記ピストンが追従するパイロット弁体と、上記シリンダのピストンの一方の側の室と低圧側とを連通する通路に設けられた開閉弁と、上記開閉弁を開放して、上記シリンダの上記一方の室を低圧側に連通させて、上記シリンダを介して上記スライドバルブを低負荷である第1の状態に位置させたときに上記電流センサが検出する第1電流値と、上記開閉弁を閉じ、かつ、上記パイロット弁体を駆動して、上記スライドバルブを所定の負荷である第2の状態に位置するようにしたときに上記電流センサが検出する第2電流値とについて、上記第1電流値に対して上記第2電流値が所定の関係にない場合、上記モータへの電力の供給を遮断する制御部とを備えるので、上記制御部によって、上記スクリューを駆動するモータの負荷の変化、すなわち、スクリュー圧縮機の容量の変化が検知され、これによって、上記スライドバルブの異常が迅速かつ確実に検知できる。その結果、スライドバルブが異常のまま運転が継続されてスクリュー圧縮機が重大な故障に至ることが、有効に回避できる。
【0041】
請求項2のスクリュー圧縮機によれば、上記スライドバルブが第1の状態に位置するとき、容量が最大容量に対して12%であるので、この12%の容量から所定容量になるようにスライドバルブを駆動しようとした場合における上記スライドバルブの異常が、迅速かつ正確に検出できる。
【0042】
請求項3のスクリュー圧縮機によれば、上記第2電流値は、上記開閉弁を閉じた時点から所定時間後に、上記電流センサが検出する電流値であるので、上記所定時間を、上記スライドバルブが所定位置に移動するのに十分な時間に設定することによって、上記スライドバルブが上記所定位置に移動したか否かが正確に検出でき、このスライドバルブの異常が確実に検出できる。
【0043】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記第2電流値が第1電流値以下である場合、上記モータへの電力の供給を遮断するので、このスクリュー圧縮機の容量が第1の状態から増大していないこと、すなわち、上記スライドバルブが移動していないことが検出できて、このスライドバルブの動作が異常である場合、上記モータへの電力の供給を遮断して、このスクリュー圧縮機が重大な故障に至ることを回避できる。
【0044】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最大係数を乗じた値以上である場合、上記モータへの電力の供給を遮断するので、スライドバルブが上記第2の状態の位置よりも高容量側に過剰に移動したことが確実に検出され、また、このスライドバルブの過剰な移動が検出された場合、上記モータへの電力の供給を遮断して、このスクリュー圧縮機の重大な故障を効果的に回避できる。
【0045】
請求項1のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最小係数を乗じた値以下である場合、上記モータへの電力の供給を遮断するので、上記スライドバルブの移動量が過小であって上記第2の状態の位置に達していないことが、確実に検出でき、また、このスライドバルブの過小な移動が検出された場合、上記モータへの電力の供給を遮断して、スクリュー圧縮機の重大な故障を効果的に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のスクリュー圧縮機を示す断面図である。
【図2】 スクリュー圧縮機の起動時に実行されるステップを示したフロー図である。
【図3】 スクリュー圧縮機の起動時の動作と、低圧配管の電磁開閉弁の動作とを、共通の時間軸を用いて示したフロー図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 スクリュー
3 回転軸
6 スライドバルブ
8 連結部材
9 ロッド
10 ピストン
12 シリンダ
14,15 室
17 突出部
18 軸貫通孔
20 パイロット弁体
21 スクリュー軸貫通孔21
22 制御通路
24 低圧配管
25 電磁開閉弁
26 インジェクション配管
27 インジェクション開閉弁
Claims (3)
- ケーシング(1)内でスクリュー(2)が回転すると共に、スライドバルブ(6)で容量を制御するスクリュー圧縮機において、
上記スクリュー(2)を駆動するモータの電流の値を検出する電流センサと、
上記スライドバルブ(6)を駆動するピストン(10)を有するシリンダ(12)と、
上記ピストン(10)が追従するパイロット弁体(20)と、
上記シリンダ(12)のピストン(10)の一方の側の室(15)と低圧側とを連通する通路(24)に設けられた開閉弁(25)と、
上記開閉弁(25)を開放して、上記シリンダ(12)の上記一方の室(15)を低圧側に連通させて、上記シリンダ(12)を介して上記スライドバルブ(6)を低負荷である第1の状態に位置させたときに上記電流センサが検出する第1電流値と、上記開閉弁(25)を閉じ、上記スライドバルブ(6)を上記パイロット弁体(20)の軸方向位置で設定される所定の負荷である第2の状態に位置するようにしたときに上記電流センサが検出する第2電流値とについて、上記第2電流値が第1電流値以下である場合、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最大係数を乗じた値以上である場合、および、上記第2電流値が、上記第1電流値に正常状態を示す最小係数を乗じた値以下である場合のいずれか一つを満たすときに、上記モータへの電力の供給を遮断する制御部と
を備えることを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
上記スライドバルブ(6)が第1の状態に位置するとき、容量が最大容量に対して12%であることを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 請求項1または2に記載のスクリュー圧縮機において、
上記第2電流値は、上記開閉弁(25)を閉じた時点から所定時間後に、上記電流センサが検出する電流値であることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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