JP4123890B2 - ポンプ水車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一のランナーを使って、回転方向を変えて、ポンプ、水車両方の運転を可能にしたポンプ水車に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、同一のランナーを使って回転方向を切り換えでポンプ運転と水車運転を行うポンプ水車のランナーは、ポンプ運転時に所定の揚程を得るために、充分な遠心ポンプ作用が発揮されるように設計される。しかしながら、この設計が、ポンプ水車の水車運転には悪影響を与える。いわゆるS字特性と呼ばれる特性が大なり小なり現れ、これを完全に回避するのは難しいと考えられている。特に、水車運転の起動時における同期制御段階では、発電機を電力系統へスムースに並列させるために、S字特性の影響を受けないような運転点で水車運転が起動されるようになっている。
【0003】
なお、本発明は、S字特性の影響を受ける運転点でのポンプ水車の水車運転の起動に関するものであるが、従来は、上述のように、S字特性の影響を受けないような運転点で起動を行うものしかなく、S字特性の影響を受ける運転点で水車運転起動を行うポンプ水車に関する先行技術は見当たらない。
【0004】
S字特性を考慮したポンプ水車の水車運転の起動に関するものとして、本発明者が提案した特願2001−106613号「ポンプ水車」がある。
【0005】
【特許文献1】
特願2001−106613号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ポンプ水車のポンプの性能を高くしようとすると、S字特性の影響が大きくなり、発電機を電力系統にスムースに並列できる水車運転起動の際の運転点は高落差側に移行し、ポンプ水車を起動できる落差が制限されることになる。しかしながら、ポンプ水車の性能を高くしてもS字特性の影響で運転点が制限されないようにすることが望まれ、また、運転の自由度を考慮すると、ポンプ水車をより低落差側で安定して起動できることが望まれる。
【0007】
本発明の目的は、ポンプ水車の水車起動時、低落差でもS字特性の影響を受けずに、ポンプ水車の回転数を系統周波数に同期させ、発電機を電力系統にスムースに並列できるポンプ水車を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、S字特性による水車運転側の同期不能問題、並列不能問題を解決することにより、ポンプ運転性能をより高めることを可能にしたポンプ水車を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、所定の落差以下における発電モード起動時に、ランナーの回転速度を系統周波数に同期させる同期制御段階で、回転速度の制御系における微分演算要素の影響度が他の演算要素の影響度に比べて支配的になる制御モードをガバナに具備させたものである。
【0010】
また、本発明は、S字特性の影響を受ける領域における発電モード起動時、ランナーの回転速度を系統周波数に同期させる同期制御段階で、回転速度の制御系における微分演算要素の影響度が他の演算要素の影響度に比べて支配的になる制御モードをガバナに具備させたものである。
【0011】
さらに、具体的には、前記目的は、特許請求の範囲に記載された構成によって達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を詳細に説明する前に、従来における問題も含めて、ポンプ水車の運転特性について説明する。
【0013】
ポンプ水車の流量特性は、一般に、案内羽根開度をパラメータにして単位落差当り回転数(N1 =N/√H)と単位落差当り流量(Q1 =Q/√H)との関係を示す一群の特性曲線で表す。他方、ポンプ水車のトルク特性は、案内羽根開度をパラメータにして単位落差当り回転数(N1 =N/√H)と単位落差当りトルク(T1 =T/H)との関係を示す一群の特性曲線で表す。なお、これら2種類の特性曲線を総称して完全特性と呼ぶ。
【0014】
なお、上記流量特性曲線は、水車運転領域において、N1 の値の増加に伴ってQ1 の値が減少する第1の部分と、N1 の値の減少に伴ってQ1 の値が減少する第2の部分とを有する。ところで、前記第1の部分の中にも、N1 の値の増加に伴ってQ1 の値が比較的ゆるやかに減少する部分(これを第1の部分の緩変部分と呼ぶ)と、N1 の値の増加に伴ってQ1 の値が比較的急激に減少する部分(これを第1の部分の急変部分と呼ぶ)がある。本明細書においては、説明の便宜上、前記第2の部分と、前記第1の部分の急変部分をまとめてS字特性部分と称する。S字特性部分における水車運転にあっては、単位落差当りトルク(T1 )もまた単位落差当り流量Q1 と同様に、単位落差当り回転数(N1 )の増加に伴い、減少する第1の部分と、N1 の減少に伴い減少する第2の部分がある。
【0015】
ポンプ水車の発電モードの通常運転は、上記第1の部分の緩変部分において行われる。しかしながら、同じ有効落差の下でも、すなわち、同じN1 の下でも水車出力が小さくなればなるほど、すなわち、ガイドベーン開度が小さくなればなるほど、そのガイドベーン開度におけるS字特性は通常運転が行われるN1 範囲に近づいてくる。ポンプ水車を起動する時、特に回転速度が定格速度近辺まで上昇し電力系統との同期化制御が行われる時点ではガイドベーン開度は無負荷開度になるので当然ながら通常運転では最小のガイドベーン開度になる時であり、S字特性部分が通常運転のN1 範囲に最も接近する時である。有効落差が最低の場合には、Hが最小になるためN1 が最大になり、運転点の方からもS字特性への接近が進むので条件はより厳しくなる。この結果、回転速度が定格値近くまで上昇し電力系統周波数への同期制御が行われる段階では、運転点がS字特性部分に入り込み上記第1の部分の急変部分に位置することも少なくない。まして、落差変動幅が非常に広く基準有効落差に対する最低有効落差の比が非常に小さい場合の最低有効落差では条件は一層厳しくなる。そして、場合によっては、回転速度が定格回転付近まで上昇した段階で、運転点がS字特性の上記第2の部分に落ち込む可能性もある。落差変動幅がそれほど広くない場合でも、水車起動時には、流量をゼロから少なくとも無負荷相当流量まで増加させる必要があり水撃の影響は避けられず、過渡的には運転点がS字特性に深く入り込む可能性もある。
【0016】
水車運転領域においてS字特性を有するポンプ水車の特性を、図1(A)および図1(B)に示す。図1(A)においては、ポンプ水車の特性が、案内羽根開度をパラメータにとり、単位落差当りの回転数(N1 )と単位落差当りの流量(Q1 )との関係として示されている。他方、図1(B)においては、ポンプ水車の特性が、同じパラメータにより、単位落差当りの回転数(N1 )と単位落差当りのトルク(T1 )との関係として示されている。上記において、符号N,Q,HおよびTは、それぞれ、ポンプ水車の回転数,流量,有効落差およびトルクを示す。
【0017】
特性曲線1および1′は、所定の比較的大きな案内羽根開度の下で得られる。特性曲線2および2′は、それよりも小さな案内羽根開度の下で得られる。特性曲線3および3′は更にそれよりも小さい案内羽根開度の下で得られる。
【0018】
特性曲線1の第2の部分、すなわちa−d−h部分においては、Q1 の値は、N1 の減少に伴い減少する。同様に、曲線部分b−e−iは、特性曲線2の第2の部分で、N1 の減少に伴いQ1 が減少する部分である。さらに、曲線部分c−f−jは、特性曲線3の第2の部分で、同様に、N1 の減少に伴いQ1 が減少する部分である。一見して明らかなように、特性曲線1の第2の部分a−d−hは、特性曲線2の第2の部分b−e−iより長く、特性曲線2の第2の部分b−e−iは、特性曲線3の第2の部分c−f−jよりも長い。このことは、案内羽根開度が小さくなるとS字特性部分のQ1 軸方向の長さが短くなることを意味する。
【0019】
図1(A)におけると同様に、図1(B)においても、曲線部分a′−d′−h′,b′−e′−i′およびc′−f′−j′は、それぞれ特性曲線1′,2′および3′の第2の部分である。
【0020】
図1(B)は、図1(A)と密接な関係がある。例えば、図1(A)の曲線3上のQ1 =Q1x,N1 =N1xを満たす点xは、図1(B)の曲線3′上の点x′に対応している。点x′は、T1 =T1x′,N1 =N1x′(=N1x)を満たす点である。同様に、図1(A)における点a,b,c,d,e,f,h,iおよびjはそれぞれ図1(B)における点a′,b′,c′,d′,e′,f′,h′,i′およびj′に対応している。
【0021】
曲線NRは、無負荷流量曲線である。曲線1,2,3と曲線NRとの交点α,β,γは、それぞれ、曲線1′,2′,3′とT1 軸(T1 =0)との交点α′,β′,γ′に対応している。
【0022】
発電モードで起動する時を考えると、発電機負荷≒0の下で、回転速度をゼロから定格のN0 まで上げる必要があるが、このことは、上述のN1−T1特性上で考えれば、運転点を、停止中の原点(N1 =0,T1 =0)から、T1 軸上をN1=N0/√Hまで左側に移動させることに他ならない。例えば、NがN0 まで上昇した時点で、T1 軸とその時のHの下で求まるN1=N0/√Hの線の交点がα点とβ点の中間に来る場合には、案内羽根開度を1と2の中間まで開く必要がある。他方、上述の水車起動をN1−Q1特性上で観察すると、運転点は起点(N1=0,Q1 =0)からNR線上のα点とβ点の中間点まで移動することになる。すなわち、Q1 は0からα点のQ1 とβ点のQ1 の中間値まで増大させ、流量Qも相当量まで増やす必要がある。
【0023】
ところで、水車に直結される発電機が同期発電機の場合には、電力系統に並列するための回転速度、すなわち、定格回転速度N0 は変らないが、N1 は落差次第で大きくなったり、小さくなったりする。すなわち、最低落差の場合には、最大N1 の下で、回転速度を電力系統周波数に同期させる必要があり、この場合には、運転点が、もはや、流量特性曲線の第1の部分の緩変部分に留まることは難しく、第1の部分の急変部分に位置するようになることがある。
【0024】
また、同一のランナーを使って回転方向を切り換えでポンプ運転と水車運転を行うポンプ水車の場合には、ポンプ運転時に充分な遠心ポンプ作用が発揮できるようにランナー形状は偏平にせざるをえない。このために水車運転においてはS字特性すなわち遠心力による逆流特性がN1 の低い側へ移動してきて通常の運転範囲に近づくことになる。すなわち、ポンプ水車では一般的に、ポンプ性能を高めようとすると、水車運転側でS字特性の通常運転のN1 範囲への接近が進み、結果的に発電モード起動時の回転速度制御問題が浮上するという関係にある。
【0025】
このため場合によっては、回転速度が定格値付近まで上昇しても、それから、動揺を繰り返し、発電機をスムースに電力系統に並列できないという問題が発生する。特に、電力系統への並列を前にした同期制御段階で運転点がS字特性の第2の部分になる場合には、従来技術では回転速度制御は不能となり、並列できないことになる。並列できなければ、その落差では発電プラントとして使えないので、その損害は甚大である。
【0026】
図2は同期制御段階で運転点がS字特性の第2の部分に入るケースにおいて、典型的な従来技術を使って発電モード起動を行う場合の解析例を示す。その内、(A)はガイドベーン開度Y,水車流量Q,回転速度Nおよび水車出力Pt の時間応答グラフを示し、(B)は、ガイドベーン開度Y,水車流量Q,有効落差Hの時間応答グラフを示し、(C)は起動開始からガバナによる同期制御段階までのN1−Q1平面上の運転点軌跡を示し、(D)はガバナのPID各演算部の出力信号Zp ,Zi ,Zd と回転速度Nの時間応答を対比して示すグラフである。なお、図12はガバナの構成を示す図で、G10は目標回転速度設定部、G11はNと目標回転速度設定部からの目標回転速度信号N0 の差を与える比較部、G01は符号変換部、G02は比例演算部、G03は積分演算部、G04は微分演算部、G05は加算部、G06は油圧増幅部、G07はガイドベーンサーボモーター開度をガイドベーン開度に変換するリンク機構部を示す。また、G09はG08のガイドベーン開度制限装置から与えられるガイドベーンの開度上限制限Yu とPID演算部の総和信号ΣZを比較して低い方を出力するLVG(Low Value Gate)である。なお、ガイドベーン開度制限装置がガバナ演算部出力を制限している時は、I演算要素の出力がガイドベーン開度制限装置の設定値を超えて暴走しないように関連した制限が与えられるようにしている。また起動開始前に目標回転速度N0 は定格回転速度付近に、ガイドベーン開度制限の設定値Yu は水車の起動に必要なトルクを出すに充分な大きさでありかつ過大な回転速度のオーバーシュートを起こさない程度の開度(以下起動開度と呼ぶ)に各々設定している。図2(A)について説明すれば、起動開始前にはゼロであったガイドベーン開度制限装置の設定を上げ始めるとガイドベーンはこれに追従して次第に開いていき水車流量も増加し始める。やがて、水車の発生トルクが静摩擦トルクに打ち勝ち回転速度の上昇が始まる。回転速度が目標回転速度近辺になるとガバナ制御が始まるが、回転速度は全く安定せず上昇下降を繰り返し、ガイドベーンは開閉を繰り返し、水車出力は増減を繰り返す。この状態では同期、並列はとても不可能である。当然ながら図2(B)のようにこの時流量も増減を繰り返し、これに伴って、水撃圧も変動を繰り返す。この理由は、図2(C)からも明らかなように回転速度が定格値に近づいた段階でポンプ水車の運転点がS字特性の第2部分に突入し、その後はS字特性をQ1 の上下方向に行ったり来たりし始めるためである。発明者の最新の研究によれば、この現象は詳しく解明されつつある。詳細は後で説明する。なお、図2(D)はこの時のガバナの比例演算部の出力Zp ,積分演算部の出力Zi ,微分演算部の出力Zd の応答を回転速度Nの動きと対比させて示すものである。
【0027】
本発明は上記のような分析に基づいてなされたもので、水車起動時の、特に同期制御段階での運転点がS字特性の第2部分に入るような厳しい条件下でもガバナによる回転速度制御を可能にし、同期、並列が可能な落差範囲を低落差側に大幅に拡大しようとするものであり、また、このS字特性による水車運転側の同期不能問題、並列不能問題を解決することにより、ポンプ運転性能をより高めることを可能にしようとするものである。
【0028】
次に、発明者自身の最新の研究から得られた本発明の理論的背景を先に説明する。回転速度ガバナが制御する対象はポンプ水車および発電機であるが、制御対象は近似的に次のように模擬できる。なお、水車上下流水路は剛体として扱う剛性理論に基づいている。まず、基礎式として下記を考える。
【0029】
【数1】
【0030】
【数2】
【0031】
【数3】
【0032】
【数4】
【0033】
【数5】
【0034】
なお、Qは水車流量(m3/s)、Q0 は水車流量の初期値、Yはガイドベーン開度(pu)、Y0 はガイドベーン開度の初期値、Nは回転速度(rpm)、N0 は回転速度の初期値、Hは有効落差(m)、H0 は有効落差の初期値、Ψは水車効率(pu)、Ψ0 は水車効率の初期値、Lは水車上下流水路の全長(m)、Aは水車上下流水路の平均断面積(m2)、gは重力の加速度(m/s2)、tは時間(s)、Pt は水車出力(KW)、Pt0は水車出力の初期値を示し、回転二次モーメント(kgf・m2):I=(GD2/4g)の関係にある。
【0035】
ここで、各変数を下記のように定格出力相当のガイドベーン開度Yr ,定格回転速度Nr ,基準落差Hr ,定格流量Qr ,定格出力Ptr,定格出力および基準落差時の効率Ψr で無次元化する。
【0036】
y=ΔY/Yr,n=ΔN/Nr,h=ΔH/Hr,q=ΔQ/Qr,pt=ΔPt/Ptr,η=ΔΨ/Ψr
しかもη0=Ψ0/Ψr,q0=Q0/Qr,pt0=Pt0/Ptr,h0=H0/Hr,y0=Y0/Yr,n0=N0/Nrと置くと、初期条件近傍の微小変化を想定すれば、制御対象は図3また図4のように線形模擬できる。なお、yは制御対象にとっては入力である案内羽根開度(p.u.)、pt は水車出力(p.u.)、nは制御対象にとっては出力となる回転速度(p.u.)である。また、Tm は水車および発電機の慣性効果の時定数(sec)で(NrN0GD2)/(365000Ptr)に相当し、Tw は水車の上下流水路の時定数(sec)で(LQr)/(AHrg)に相当する。Sはラプラス演算子で、係数Cph,Cpy,Cpn,Cqq,Cqy,Cqnはそれぞれ下記のように定義される。
【0037】
【数6】
【0038】
【数7】
【0039】
【数8】
【0040】
【数9】
【0041】
【数10】
【0042】
【数11】
【0043】
なお、運転点がS字特性の第2部分にある時には、(∂Q1/∂N1)>0で(∂T1/∂N1)>0となるので、通常運転領域では正となるCqqが負となり、点線で囲んだh→q→hの閉ループ回路が正帰還回路になり、通常運転領域では負となるCpnが正となり、点線で囲んだpt→n→ptの閉ループ回路が正帰還回路になる。さらに、通常運転領域では正となる水車出力pt の定常項ゲインCpyが負となり、ガイドベーンyを開くと水車出力pt の定常項が逆に減少することになり、従来技術によるガバナでは安定な回転速度制御はおよそ不可能となる。図5は上記のように線形化した制御対象のモデルと線形化した典型的なPID形ガバナのモデル(点線で囲った部分)を組み合わせた回転速度制御系全体のブロック線図である。なお、G01は符号変換部、G02は比例演算部、G03は積分演算部、G04は微分演算部、G05は加算部、G06は油圧増幅部、G07はガイドベーンサーボモーター開度をガイドベーン開度に変換するリンク機構部を示す。また、Kp は比例ゲイン、Ki は積分ゲイン、Kd は微分ゲイン、Ty は油圧増幅部の時定数、KGV=y/ySVをそれぞれ示す。ここで、ガバナの設定値は、従来技術によれば通常運転用と同じかそれに近い例えば、Kp=2.3,Ki =0.2 ,Kd =2のように設定していた。本発明者の最新研究によれば、水車出力pt の定常項ゲインCpy>0となる通常運転に適するようにガバナ側も定常項であるKi が比較的大きくなっていたと解釈できる。このためガバナは回転速度nが上昇すれば、ガイドベーン開度yを閉じて水車出力を下げようとするが、運転点がS字特性の第2部分にある場合には、肝心のCpy<0となり、実際には逆作用になってしまう。それに加えて、前述のように2ヶ所に正帰還回路が現れ、正にお手上げ状況と言える。図2はこの時の回転速度制御の状況をより詳しく観察するために図3,図4,図5の線形化簡略モデルよりはるかに精度の高い解析モデルで解析した結果である。すなわち、水車上下流の水路は剛性理論ではなく弾性理論で模擬し、水車特性は、実際の水車の特性(N1−Q1特性およびN1−T1特性)を使い、各種非線形要素もできるだけ非線形のまま忠実に模擬した場合の解析結果で、ほぼ実物の挙動を表していると考えてよい。なお、この場合、図3,図4,図5の簡略化モデルで解析しても、回転速度制御系が不安定になることには変わりはない。
【0044】
さて、上記の理論的背景を踏まえて本発明の作用を以下説明する。最初に本発明の基本思想を説明する。すなわち、図4においてCpy<0であるためこれによる回転速度制御は諦め、代わりに通常は負になる水車出力pt の非定常項のゲイン−CqyCqhが正になる(∵Cqy>0でCph<0)ことに着目してy→−h→pt→n→ ガバナ→yより成るループで回転速度制御を行うと言う逆転の発想である。発明者の最新の研究によれば、ガバナの比例ゲインKp や積分ゲインKi を通常より小さくし、他方、微分ゲインKd を通常より大きくして、ガバナ演算部の出力信号Σzに占める微分演算部の出力zd の割合を通常より格段に上げることによってこれが実現できる可能性がある。ガバナの伝達関数を微分演算強調形にする理由は、通常なら有害な水車出力pt の非定常項、すなわち、水撃作用を効果的に引き出すためである。より具体的に説明すれば、今仮にnがS字特性の第2の部分による逆特性で低下方向に暴走しようとしたら、ガイドベーンyを開けて流量を低下させこの水撃でhを下げ、これによってpt を上げてnの低下暴走を防ぎ、擬似安定状態を得ようとするものである。yの変化幅は僅かでも変化勾配次第で(水車出力pt の非定常項の変化幅)>(水車出力pt の定常項の変化幅)になるからである。
【0045】
運転点がS字特性の第2の部分に入るようなケースは基準落差付近では考えられない。また、同じ発電モードの起動時でも回転速度が低い発電起動モードの前半では考えられない。なぜならば、N1=N/√Hが異常に高くなることはないからである。結局、起こりうるとしたら最低落差付近で回転速度が定格値付近まで上昇した段階である。従って、前記微分演算強調制御モードもこの段階になって採用すればよい。すなわち、前記微分演算強調制御モードは通常は必要がなく、逆に、有害になる公算が大きいので、必要に応じて投入できる形で備えておくのがよい。
【0046】
発電モードの起動時の前半で、回転速度が低い段階からガバナを微分演算強調形設定にする必要はない。回転速度が低い段階では運転点はS字特性の外かS字特性の第1の部分の緩変化部分にあって、(∂Q1/∂N1)>0またはそれに近い直立勾配にはなっていないからで、上述の理論からも明らかである。この段階で微分演算強調形設定にすれば、起動に要する時間が異常に長くなるばかりか逆に有害となる公算が大きい。すなわち、回転速度が充分上がるまでは通常設定とし、それから微分演算強調設定に切り換えればよい。
【0047】
ところで、ガバナに関する最新の国際規格IEC International Standard 61362(Guide to Specification of Hydraulic Turbine Control Systems ) First Edition によるとPID形ガバナは図6のように定義されている。ここでG11は加算部、G12は比例演算部、G13は積分演算部、G14は微分演算部、G15は加算部、G16は定常的にはyがxの一次方程式で与えられるようにするための復元回路で速度調定率装置と呼ぶ。なお、前記IEC規格のxは図5のnに相当する。なお、bp は速度調定率で一般的にガバナの過渡現象を左右するほど大きくないので、図5ではこれを無視している。なお、図6のガバナのKp は図5のガバナのKp と同じであるが、図5のガバナのKi は図6のガバナのKi=Kp/Ti に相当し、図5のガバナのKd は図6のガバナのKd=KpTv に相当する。また、図6のTldは充分小さいので図5ではこれを無視している。他方、図6では図5の油圧増幅部の時定数Ty を無視している。かくして、発電モード起動時には回転速度が定格値付近まで上昇した段階で積分演算ゲインKi をそれ以前に比べて大幅に下げ、他方、微分演算ゲインKd=KpTv をそれ以前に比べて同じかそれ以上に保持すれば、ガバナの演算部がタイムリーに微分演算強調設定になる。
【0048】
発電モード起動時には、回転速度が定格値付近まで上昇した段階で積分演算ゲインKi だけ下げるのではなく、比例ゲインKp も同時に下げれば、より効果的な微分演算強調設定にできる。
【0049】
当該機を電力系統に同期、並列させた後は、すみやかにガイドベーンを開き、運転点をS字特性から遠ざけるべきである。ここで、「すみやかにガイドベーンを開く」とは、「S字特性による実害を伴う電力の負側への落ち込みが生じない程度に早めにガイドベーンを所定の開度以上に開ける」ことを意味する。即ち、例えば同期並列後2〜3秒以上躊躇すれば条件にもよるが、この間に電力はゼロから負電力側へ落ち込む可能性が高いので、早くガイドベーン開動作を開始するだけではなく、開速度も通常レートとしても高めの速度でS字特性の影響が及ばない範囲に早く退避することが必要である。従って、回転速度を系統周波数に同期させ、発電電動機を電力系統に並列させた後は、速やかに、即ち、S字特性による実害を伴う電力の負側への落ち込みが生じない程度に早めにガイドベーンを所定の開度以上に開けるように制御することが望ましい。さもないと、並列直後に運転点が急に動き電力系統に外乱を与える可能性がある。特に発電モードでありながら急に揚水を始め、+出力どころか逆に−出力を送り出す可能性がある。ガイドベーン開度が小さい内は並列時点の運転点N1 においてQ1 が3価になる場合でもガイドベーン開度を上げていけばやがては2価になり、さらに上げれば1価になり運転点は確実にS字特性の外に出るので、そこまで早く回避するべきである(図1参照)。
【0050】
なお、上記の最新のIECガバナ規格によると、比例ゲインKp の調整範囲は0.6〜10 であるが、上述の微分演算強調設定では0.6 より格段に低いKp の設定が必要となるはずである。他方、同IEC規格によれば、微分ゲインTv の調整範囲は0〜2であるので、例えKp を上記本発明の考案者の研究結果に反して調整範囲下限の0.6 に留めたとしても微分ゲインKd=KpTv の調整範囲は0〜1.2にしかならない。しかし、実際の微分演算強調設定ではKd=KpTvは少なくとも5以上にする必要があると考えられる。
【0051】
前記微分演算強調設定では、50秒以下の比較的短い周期のNの変動波に対しては、ほとんど微分演算要素だけで対応するようになり、この間積分演算要素はほとんど一定値を保持するかガイドベーン開度応答波形の中間値に相当するゆっくりした応答だけを分担することになる。微分演算要素は入力の−Nの波形に対して位相差で90度進みの応答波形を出力するのに対して、積分演算要素は90度遅れの応答波形を出力するため、もし、積分演算要素のゲインが充分小さくなく、上述の比較的短い周期の応答にも積分演算要素までが参画してくるとなると、積分演算要素の出力が折角の微分演算要素の出力を減衰させることになるからである。かくして上述の微分演算強調設定にすれば、ガバナの演算部出力はほとんど−N信号に対して90度進みの波形を出力することになり、N信号からは90度遅れの波形を出力することになる。油圧増幅部で若干の位相遅れは避けられないとすれば、最終的なガイドベーンの応答波形はN波形に対して90度より若干大きい遅れの波形になる。しかし、前述の理論から明らかなようにNが低下中にタイムリーにガイドベーンを開けて水撃圧によって有効落差を下げることで結果的に水車出力を上げてタイムリーにNを回復させる必要があるので、最終的なガイドベーンの応答波形がN波形に対して180度近くまで遅れることは許されない。やはり、120度遅れ程度に留める必要がある。
【0052】
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。図13は本発明の一実施例のガバナを備えたポンプ水車のブロック図である。
【0053】
1は水車の回転速度Nを検出する速度検出部、Xn は前記速度検出部からの速度検出信号、2は回転速度の基準値を設定する速度調整部、X0 は速度調整部2からの設定値を示す。3は速度調整部設定値X0 と前記速度検出信号Xn の差、すなわち、速度偏差信号X0−Xnと速度調定率設定部からの復元信号Xσを突き合わせる加算器である。この結果得られる制御偏差信号Xεが回転速度制御手段の主たる演算部を構成するPID演算回路に入力される。
【0054】
発電モード起動の前半、すなわち、停止から回転速度が第1の指令値まで上昇するまでの間は、比較的高いゲインに設定した比例演算要素(P要素)4aを使い、回転速度が第1の指令値を超えれば、微分演算強調形設定にするため比較的低いゲインに設定した比例演算要素(P要素)4bを使う。このゲイン切換を行うのが接点19a,19bで、これらは一種の速度リレーの接点である。当然ながら、前者の比例演算要素のゲインKpa≫後者の比例演算要素のゲインKpbとなっている。ゲインKpaは例えば2.3でゲインKpbは例えば0.1である。同様に、停止から回転速度が第1の指令値まで上昇するまでの間に使用する積分演算要素(I要素)5aと回転速度が第1の指令値を超えたことを条件に使用する積分演算要素(I要素)5bの切換も接点19a,19bで行われる。なお、前者の積分ゲインKia≫後者の積分ゲインKibである。ゲインKiaは例えば0.2 でKibは例えば0.02 である。なお、接点19a,19bは同時にスイング動作して下側接点を開き上側接点を閉じる。接点19a,19bが各2個ある理由は比例演算要素,積分演算要素共に同時に切り換えするためである。
【0055】
なお、微分演算要素6(D要素)のゲインKd は回転速度が充分上昇し同期制御が行われる段階で微分演算強調形設定になるように最初から充分大きい値に設定しておく。例えば12としておく。かくして、微分演算要素6(D要素)からは出力信号Zd が出力される。また、接点19bからは比例演算要素の出力信号Zp ,積分演算要素の出力信号Zi が出力される。
【0056】
そして、これらの3つの出力信号は加算部7で加算され、その出力ΣZが回転速度制御手段の主演算部が求めるガイドベーン開度指令を示している。23はLow Value Gate、すなわち、低値選択回路で、2つの入力ΣZとYu を比べて小さい方の信号を最終のガイドベーン開度指令Zとして出力する。ところで、22はガイドベーン開度制限装置または負荷制限装置と呼ばれるものでYu は同装置で設定されるガイドベーン開度の上限制限値である。すなわち、ガバナの主演算部からいかに大きなガイドベーン開度指令ΣZが出されても22のLVGの出力はYu に制限されたままなので、上述のような名称が付けられている。なお、図示してないが、Yu <ΣZとなりΣZが制限を受ける時には積分演算要素5aまたは5bいずれか一方の使用中の積分演算要素の出力も制限されるように工夫している。
【0057】
他方、実際のガイドベーン開度は信号Yで示される。
【0058】
加算部8,リミッター9,油圧サーボ機構10は、一種の油圧増幅部になっている。かくして、加算部8,リミッター9,油圧サーボモーター10はリミッター付一次遅れ要素を構成し、最終のガイドベーン開度指令Zを増幅して水量制御手段であるガイドベーンを直接操作するに充分なストロークと操作力をもつガイドベーン開度Yに変換する増幅器である。Yε 1 は最終のガイドベーン開度指令Zと実際のガイドベーン開度Yの偏差を示す。リミッター9のθR はガイドベーンの開速度をθR/Tyに、θL は閉速度をθL/Tyにそれぞれ制限するためのものである。Yε 2は偏差信号Yε 1を上記開閉速度制限を考慮して制限した信号である。上記のYε 1,Yε 2、リミッター9はブロック線図のイメージで説明したが、具体的な製品イメージでは、Yε 1 は変位制限が与えらる前の配圧弁プランジャーの変位、Yε 2 は変位制限を受けた後の配圧弁プランジャーの変位と考えてもよい。
【0059】
なお、加算部11には出力調整部13から所望出力相当のガイドベーン開度設定信号Ya が与えられる。なお、Ya は発電モード起動の際であれば、無負荷開度相当信号になる。もし実際のガイドベーン開度Y<Ya の場合にはその差がゼロになるまでガバナのPID演算部に開信号σ(Ya−Y)が送り続けられるので、やがてはY=Ya となりその段階で落ち着く。速度調定率設定部12は上記の係数σを設定する部分である。換言するとσは速度検出信号Xn の変化に対する案内羽根開度Yの変化の割合を決めるゲインで、一般には電力系統の中での当該プラントの役割、すなわち、負荷分担の割合を考慮して一度決めたら変更されないものである。また14は水路系を含む水車と発電機を総合した対象機を示す。
【0060】
ここで、速度調整部2,出力調整部13,速度調定率設定部12の作用を図14(A),(B)により説明する。なお、ここで無負荷時のガイドベーン開度は0.2(pu)と仮定する。図14(A)の右下がりの実線はこのプラントが電力系統に接続される直前の状態を示す。すなわち、定格値N(同期速度)ラインとこの実線の交点がガイドベーン開度を示すが、丁度無負荷開度0.2 になっている。なお、水車を起動する前はこの実線はこれより低い位置に設定される。例えば図14(A)の点線の位置に設定される。このように図14(A)の実線より下側でこの実線を上下に平行移動させるのが、速度調整部2である。この実線を上下に平行移動した時無負荷開度0.2 線上の交点が上下に動くことから速度調整部の名が付いている。他方、このプラントが電力系統に接続された後の動きについて図14(B)により説明する。この場合は、実線と定格速度との交点はY=1.0になっている。すなわち、100%負荷運転中を示す。図14(A)の並列時の実線位置は図14(B)では点線の位置になる。このように実線を平行移動させてガイドベーン開度を調整するのが出力調整部13である。出力調整部13は、実線を水平方向に平行移動させるものであるが、無限大電力系統に連繋された状態では、回転速度は事実上1.0 固定されるので、実線の水平方向移動に伴うN=1.0 線上の交点は左右に動くことから、この名が付けられている。図14(B)の実線の設定では、定常時はN=1.0,Y=1.0で運転されるが、今、仮に電力系統の周波数が3%上昇しN=1.03 になったとすると、Yは0.2 になる。電力系統周波数の上昇幅が1.5% であれば、Y=0.6 に閉め込まれる。このように周波数変化幅とガイドベーン閉め込み幅の間に比例関係を与えているのが、速度調定率設計部12である。速度調定率設計部12のゲインを大きくすれば、図14(B)の実線の右下がり勾配はよりきつくなり、周波数変化に対するガイドベーン開度応答幅のゲインが下がってくる。
【0061】
なお、図13のポンプ水車14の運転点は起動前にはN1=0,Q1=0にあるが、極低落差を想定しているので、回転速度が定格回転速度付近まで上昇した段階では、N1 がS字特性の(∂Q1/∂N1)>0となる逆勾配領域に入るものとする。なお、この場合制御対象のポンプ水車の管路時定数Tw=2.87(s),回転部慣性の時定数Tm=16.2(s)とする。
【0062】
さて、図13の本発明の実施例の起動から同期制御までの挙動を図7〜図12に示すコンピュータシミュレーション解析結果を使って以下説明する。なお、この解析は、図2の従来技術解析に相当する本発明の適用例解析で、ガバナの演算部を除いては全く同じ条件の解析である。特に、起動の途中で微分演算強調形設定に移行するようにしている点が違うだけである。
【0063】
図7の(1)は回転速度N,ガイドベーン開度Y,水車流量Q,水車出力Pt の時間応答グラフである。10秒の時点からYが開き始め、これに伴って流量も増えていくが、水車の発生トルク>静摩擦トルクとなる時点(48秒)までNはゼロのまま留まる。58秒時点からガバナが制御を始める。なお、この時のガバナ演算部の設定は、Kp =2.3,Ki =0.2,Kp =12である。約60秒時点で回転速度が所定値以上になったことを条件にガバナ演算部のKp が2.3 から0.1に切り換わり、Ki が0.2から0.02 に切り換わり、ガバナは微分演算強調形設定に移行する。なお、ガイドベーンはガイドベーン開度制限装置によって与えられる起動開度以上には開かず、ここで頭打ちになる。なお、120秒時点から回転速度を同期速度に導くため回転速度調整部の設定値がゆっくりと下げられる。この図7の(1)の結果は、図2(A)の従来技術の結果と比べれば明白で、回転速度の安定性は格段に向上し、同期制御段階でも全く問題は見当たらない。図7の(2)はガイドベーン開度Y,水車流量Q,有効落差Hの時間応答グラフである。ここでは、ガイドベーンを開いた時流量が減少し、ガイドベーンを閉じた時流量が増加しており、通常の逆で、運転点が正にS字特性の逆勾配領域にあることが解る。さらには、この流量変化に伴う有効落差Hの応答波形がガイドベーンYの波形に対してほぼ逆向きになっていることが判る。図8の(3)はこの水車の起動から同期制御段階までのN1−Q1平面上の運転点軌跡である。同期制御段階の運転点軌跡も明らかに収束しており、図2(C)の従来技術の場合とは大きく異なっている。図8の(4)は回転速度Nに対するガバナのPID演算部出力Zp ,Zi ,Zd の応答グラフである。ガバナを微分演算強調設定にした後、Zp はほとんどゼロになり、Zi の変化勾配は極めてゆるやかになる。かくしてNの変化に対応するガバナのN安定化制御はほとんどZd に任される。なお、N波形の上昇から下降への移行を上に凸、下降から上昇への移行を下に凸と呼び、Zd 波形の上昇から下降への移行を上に凸、下降から上昇への移行を下に凸とそれぞれ呼べば、N波形の上に凸に対してZd 波形の上に凸が、N波形の下に凸に対してZd 波形の下に凸が約90度の位相遅れで現れることが判る。図9は120秒時点以降の同期制御段階の回転速度N,ガイドベーン開度Y,水車流量Q,有効落差H,水車出力Pt の各時間応答グラフを示す。この図からNが低下し始めたら、Yが開かれ、Hが低下してQの低下によるPt の低下を抑えNを安定させる様子が確認できる。図10は120秒時点以降の同期制御段階のガバナのPID各演算部の出力の時間応答グラフを示す。ガバナはもはや微分演算強調設定になっているので、Zp,Ziの変化勾配は極めてゆるやかで、Zp,ZiはもはやN安定化制御には参画しておらず、N安定化制御はほとんどZd に任されていることが解る。図11の(7)は120秒以降のN1−Q1平面上の運転点軌跡を示す。回転速度を電力系統周波数に同期させるためN1 が次第に低下し、運転点が略無負荷流量線に沿って右から左に動いていく。このグラフから明らかなように、同期完了時のガイドベーン開度はYb よりYa に近い。また、ガイドベーン開度Y=Ya,Y=Ybの特性グラフから運転点は間違いなくS字特性の逆流特性領域の中を移動していることが解る。図11の(8)は120秒以降のN1−T1平面上の運転点軌跡を示す。運転点は略T1 =0線上を右から左へ移動しながら同期制御されている。ガイドベーン開度Y=Ya,Y=Ybの特性グラフからこのN1−T1平面上でも運転点はS字特性の逆流特性領域の中を移動していることが解る。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、ポンプ水車の起動可能範囲を低落差側に大幅に広げることを可能にすることができる。さらには、低落差側に落差変動可能範囲を拡大したことにより、その分上/下ダム面積を小さくし、経済設計できる可能性も出てくる。
【0065】
また、ポンプ水車のポンプ性能と水車性能の両立をより容易にし、ポンプ水車の高性能化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】S字特性を有するポンプ水車の特性図。
【図2】従来技術を使って発電モード起動を行う場合のポンプ水車の挙動解析例を示す図。
【図3】制御対象の水車および発電機の線形化模擬モデルを示す図。
【図4】制御対象の水車および発電機の線形化模擬モデルを示す図。
【図5】制御対象を含めた回転速度制御系の線形化模擬モデルを示す図。
【図6】最新のIEC規格による水車ガバナを示す図。
【図7】本発明のポンプ水車の発電モード起動時の挙動解析例を示す図。
【図8】本発明のポンプ水車の発電モード起動時の挙動解析例を示す図。
【図9】本発明のポンプ水車の発電モード起動時の挙動解析例を示す図。
【図10】本発明のポンプ水車の発電モード起動時の挙動解析例を示す図。
【図11】本発明のポンプ水車の発電モード起動時の挙動解析例を示す図。
【図12】ガバナの構成図。
【図13】本発明のガバナを備えたポンプ水車のブロック線図。
【図14】ガバナの速度調整部,出力調整部,速度調定率設定部の作用を説明する図。
Claims (10)
- ランナーと、前記ランナーの回転トルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、前記水量調整手段を制御し前記ランナーの回転速度を制御するガバナを備え、前記ランナーの回転方向を切り換えることによって揚水及び発電の両モードで運転可能にしたポンプ水車において、
前記ガバナは、S字特性の影響で(∂Q1/∂N1)の勾配が直立に近いか(∂Q1/∂N1)>0となる逆勾配領域における発電モード起動時(但し、Q1は単位落差当たりの流量、N1は単位落差当たりの回転数)、前記ランナーの回転速度を系統周波数に同期させる同期制御段階で、前記回転速度の制御系における微分演算要素の影響度が他の演算要素の影響度に比べて支配的になるように関係するゲインを切り換える制御モードを有するポンプ水車。 - 請求項1において、
前記同期制御段階は、前記ランナーの回転速度が定格値付近まで上昇し系統周波数への同期制御が行われる段階であり、前記回転速度の制御系における微分演算要素の影響度が他の演算要素の影響度に比べて支配的になる制御モードは、IEC International Standard 61362(Guide to Specification of Hydraulic Turbine Control Systems)First Editionによるガバナの積分演算ゲインKiをそれ以前の段階に比べて大幅に低く設定し、他方、前記IEC Standardによるガバナの微分演算ゲインKd=KpTvをそれ以前に比べて同じかそれ以上に保持することにより、前記微分演算要素の影響度を他の演算要素である積分演算要素の影響度に比べて支配的にしたものであるポンプ水車。 - 請求項1において、
前記制御モードは、前記回転速度が定格値付近まで上昇する前と後で、前記ガバナの比例演算部または積分演算部またはその両方の演算部の伝達関数を切換可能にし、前記回転速度が定格値付近まで上昇した後回転速度を系統周波数に同期させる同期制御が終了するまでは、前記微分演算要素の影響度を他の演算要素の影響度に比べて支配的になるように前記比例演算部または積分演算部またはその両方の演算部の伝達関数を切り換えるようにしたものであるポンプ水車。 - 請求項1において、
前記回転速度を系統周波数に同期させ、前記発電電動機を電力系統に並列させた後、前記ガバナは、速やかに前記水量調整手段を開くように制御し、運転点をS字特性から遠ざけるように制御するポンプ水車。 - 請求項1において、
前記回転速度を系統周波数に同期させ、前記発電電動機を電力系統に並列させた後、前記制御モードの設定を解除し、前記ガバナの比例演算部または積分演算部またはその両方の演算部の伝達関数を所定の有負荷運転用設定に切り換えるようにしたポンプ水車。 - 請求項1において、
前記制御モードは、前記回転速度が定格値付近まで上昇する前は、IEC International Standard 61362(Guide to Specification of Hydraulic Turbine Control Systems)First Editionによるガバナの比例ゲインKp>0.6とし、その後回転速度を系統周波数に同期させる同期制御が終わるまではKp<0.5とする一方、前記IEC規格による微分ゲインKd=(Kp*Tv)>5とする制御モードであるポンプ水車。 - ランナーと、前記ランナーの回転トルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量を調整するガイドベーンと、前記ガイドベーンを制御し前記ランナーの回転速度を制御するガバナを備え、前記ランナーの回転方向を切り換えることによって揚水及び発電の両モードで運転可能にしたポンプ水車において、
前記ガバナは、S字特性の影響で(∂Q1/∂N1)の勾配が直立に近いか(∂Q1/∂N1)>0となる逆勾配領域における発電モード起動時(但し、Q1は単位落差当たりの流量、N1は単位落差当たりの回転数)、前記ランナーの回転速度を系統周波数に同期させる同期制御段階で、回転速度波形の上に凸に対してガイドベーン応答波形の上に凸が現れるタイミングが、または回転速度波形の下に凸に対してガイドベーン応答波形の下に凸が現れるタイミングが位相差で120度以下の遅れとなるように調整するようにしたポンプ水車(但し、前記ガイドベーン応答波形の開動作から閉動作への移行を上に凸、閉動作から開動作への移行を下に凸と呼び、回転速度波形の上昇から下降への移行を上に凸、下降から上昇への移行を下に凸と呼ぶものとする)。 - ランナーと、前記ランナーの回転トルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、前記水量調整手段を制御し前記ランナーの回転速度を制御するガバナを備え、前記ランナーの回転方向を切り換えることによって揚水及び発電の両モードで運転可能にしたポンプ水車において、
前記ガバナは、発電モード起動時、前記ランナーの回転速度を系統周波数に同期させる同期制御段階で、運転点N1が(∂Q1/∂N1)>0または(∂T1/∂N1)>0となるS字特性の逆勾配領域に入る場合(但し、Q1は単位落差当たりの流量、N1は単位落差当たりの回転数、T1は単位落差当たりのトルク)、前記回転速度の制御系における微分演算要素の影響度が他の演算要素の影響度に比べて支配的になる制御モードを有するポンプ水車。 - 請求項8において、
前記制御モードは、前記ガバナの設定値をIEC International Standard 61362 (Guide to Specification of Hydraulic Turbine Control Systems) First Editionによる比例ゲインKp<0.5とした上で、微分ゲインKd=(Kp*Tv)>5とすることにより実行するポンプ水車。 - ランナーと、前記ランナーの回転トルクを発電電動機に伝える主軸と、前記ランナーを通過する水量を調整する水量調整手段と、前記水量調整手段を制御し前記ランナーの回転速度を制御するガバナを備え、前記ランナーの回転方向を切り換えることによって揚水及び発電の両モードで運転可能にしたポンプ水車において、
前記ガバナは、S字特性の影響で(∂Q1/∂N1)の勾配が直立に近いか(∂Q/∂N1)>0となる逆勾配領域における発電モード起動時(但し、Q1は単位落差当たりの流量、N1は単位落差当たりの回転数)、前記ランナーの回転速度を系統周波数に同期させる同期制御段階で、回転速度変動波形に対応する回転速度安定化のための前記水量調整手段制御は殆どガバナの微分演算部に担わせ、その他の演算部にはそれより格段に長い周期のゆっくりした制御を担わせるか無視できる程度の分担に留めるようにした制御モードを有するポンプ水車。
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