JP4123725B2 - トーン信号検出装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトーン信号検出装置に関するものである。
【0002】
また本発明は、トーン信号検出方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来のトーン信号検出装置は、一般にフーリエ変換やフィルタバンクを使用し、入力信号のスペクトルを解析することで実現されていた。
【0004】
また、線形予測分析を使用して入力信号の周波数スペクトルのピーク周波数およびピーク周波数における予測ゲインを監視することによっても、目的とするトーン信号を検出することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのような従来の方法では、検出目標とするトーン信号が複数ある場合、すべてのトーン信号を含む広い周波数帯域につき、その全帯域幅にわたって均質な精度で分析していたため、演算量が多く、効率的ではなかった。
【0006】
また、時間的に過去の検出結果の履歴情報を有効に活用していないことも、効率が低い原因となっているものと考えられる。
【0007】
このため、トーン信号の検出精度を高めようとすると、必要な演算量はさらに増加し、演算回路(計算機)の処理能力を増加せざるを得なかった。一般に、処理能力の増加は、演算回路の大規模化やコストアップをもたらす。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明では、周波数構造または時間構造が異なる複数のトーン信号を識別して検出するトーン信号検出装置において、(1)入力信号に対し、検出対象となっている複数種類のトーン信号が取り得る帯域をカバーする広帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に検出処理を実行して、前記入力信号に関するトーン信号が、前記広帯域を複数に分割した狭帯域が異なっている複数のトーン信号グループのいずれのグループに属するかを識別する粗周波数分析手段と、(2)前記グループに応じて設定される狭帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に、前記入力信号の電力変化に関する時間的な属性を示す時間属性情報を検出して、前記入力信号に関するトーン信号を識別する、前記各グループ毎に設けられた詳細周波数分析手段と、(3)前記粗周波数分析手段の識別結果に応じて、前記各詳細周波数分析手段を動作状態または非動作状態に制御する詳細周波数分析制御手段と、(4)複数の前記詳細周波数分析手段の識別結果を、所定の選別処理に基づいて選別し、前記各詳細周波数分析手段の識別結果が、複数種類のトーン信号を指示している場合に、トーン信号の確定を行う選別処理手段とを備え、(2)前記各詳細周波数分析手段は、(2−1)自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号のパワを表す信号パワ係数を算出する信号パワ係数算出部と、(2−2)自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号の時間変動を表す検出安定度を算出する検出安定度算出部と、(2−3)自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号がトーン信号であったとみなせる継続時間が検出時間に示す割合を表すトーン継続割合を算出するトーン継続割合算出部と、(2−4)前記信号パワ係数、前記検出安定度及び前記トーン継続割合に基づき、検出の有効性を表す検出有効度を得て出力する検出有効度算出部と、(2−5)自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号が当該グループの検出対象のトーン信号であるか否かを判定し、該当する場合にトーン有信号を出力するトーン有無判定部とを有し、(4)前記選別処理手段は、(4−1)前記各詳細周波数分析手段からの検出有効度の最大のものを抽出する相対比較器と、(4−2)複数の前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、前記相対比較器に抽出動作をさせると共に、抽出されない検出有効度を出力した前記詳細周波数分析手段の動作を停止させ、1つの前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、その詳細周波数分析手段からの検出有効度を、前記相対比較器を素通りさせる制御手段と、(4−3)前記相対比較器から出力された検出有効度に基づき、前記入力信号に関するトーン信号の有無を確定する絶対比較器とを有することを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明では、周波数構造または時間構造が異なる複数のトーン信号を識別して検出するトーン信号検出方法において、(1)粗周波数分析手段は、入力信号に対し、検出対象となっている複数種類のトーン信号が取り得る帯域をカバーする広帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に検出処理を実行して、前記入力信号に関するトーン信号が、前記広帯域を複数に分割した狭帯域が異なっている複数のトーン信号グループのいずれのグループに属するかを識別し、(2)前記各グループ毎に設けられた詳細周波数分析手段はそれぞれ、前記グループに応じて設定される狭帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に、前記入力信号の電力変化に関する時間的な属性を示す時間属性情報を検出して、前記入力信号に関するトーン信号を識別し、(3)詳細周波数分析制御手段は、前記粗周波数分析手段の識別結果に応じて、前記各詳細周波数分析手段を動作状態または非動作状態に制御し、(4)選別処理手段は、複数の前記詳細周波数分析手段の識別結果を、所定の選別処理に基づいて選別し、前記各詳細周波数分析手段の識別結果が、複数種類のトーン信号を指示している場合に、トーン信号の確定を行うと共に、(2)前記各詳細周波数分析手段において、(2−1)信号パワ係数算出部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号のパワを表す信号パワ係数を算出し、(2−2)検出安定度算出部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号の時間変動を表す検出安定度を算出し、(2−3)トーン継続割合算出部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号がトーン信号であったとみなせる継続時間が検出時間に示す割合を表すトーン継続割合を算出し、(2−4)検出有効度算出部は、前記信号パワ係数、前記検出安定度及び前記トーン継続割合に基づき、検出の有効性を表す検出有効度を得て出力し、(2−5)トーン有無判定部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号が当該グループの検出対象のトーン信号であるか否かを判定し、該当する場合にトーン有信号を出力し、(4)前記選別処理手段において、(4−1)相対比較器は、前記各詳細周波数分析手段からの検出有効度の最大のものを抽出し、(4−2)制御手段は、複数の前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、前記相対比較器に抽出動作をさせると共に、抽出されない検出有効度を出力した前記詳細周波数分析手段の動作を停止させ、1つの前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、その詳細周波数分析手段からの検出有効度を、前記相対比較器を素通りさせ、(4−3)絶対比較器は、前記相対比較器から出力された検出有効度に基づき、前記入力信号に関するトーン信号の有無を確定することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかるトーン信号検出装置及び方法の実施形態について説明する。
【0011】
本実施形態は、演算回路の処理能力を周波数帯域および時間軸に加重配分することにより、演算量の抑制とトーン検出能力の向上を両立させることを特徴とする。
【0012】
(A−1)実施形態の構成
図1に、本実施形態にかかる個検出器型のトーン検出装置10のブロック図を示す。図中に示す各個検出器は、それぞれ当該トーン信号について、詳細周波数分析を行う。当該トーン検出装置10は、アナログ電話回線などのトーン信号が使用される環境に配置され得るものである。ここでは、一例として、当該トーン検出装置10を、受信したトーンの種別をユーザに対して表示する機能を備えた多機能電話機に搭載したものとして説明する。
【0013】
図1において、当該トーン検出装置10は、粗周波数分析器101と、個検出器群制御器102と、個検出器群103と、最終判定器104とを備えている。
【0014】
このうち粗周波数分析器101は、前記アナログ電話回線などから供給されるトーン信号Sinを受け取り、当該トーン信号Sinの全周波数帯域を低い精度で周波数分析し、監視する機能を装備した部分である。精度が低いということは、周波数軸方向(または時間軸方向)の精度が低いことを意味する。
【0015】
このような機能を実現するための当該粗周波数分析器101の内部構成例は、図2に示すものである。
【0016】
(A−1−1)粗周波数分析器の内部構成例
図2において、当該粗周波数分析器101は、3つの分割フィルタF1〜F3と、各分割フィルタF1〜F3からの通過信号SA〜SCを処理するための粗周波数分割処理部15A〜15Cを備えている。
【0017】
ここでは、図5に示すように、前記トーン信号Sinの全周波数帯域幅WB0を0〜4000Hzとし、そのうち0〜500Hzを帯域WB1、500〜1000を帯域WB2、1000〜3000Hzを帯域WB3とする。
【0018】
各帯域WB1〜WB3のうち1または複数帯域には、図6に示す対応関係にしたがって、検出対象となる各トーン信号T1〜T3が存在し得る。
【0019】
すなわち、帯域WB1には呼制御トーン信号T1が存在し、帯域WB2にはDTMF信号(すなわち、PB(プッシュ・ボタン)信号)T2の低群周波数成分が存在し、帯域WB3にはDTMF信号T2の高群周波数成分またはFAX(ファクシミリ)信号T3が存在する。なお、通常の動作状態では、各トーン信号T1〜T3が同時に存在する(同時に受信される)ことはなく、いずれか1つだけが存在する(受信される)。
【0020】
前記3つの分割フィルタF1〜F3のうち分割フィルタF1は、前記全周波数帯域幅WB0から帯域WB1の信号だけを取り出し、通過信号SAとして出力するフィルタであり、分割フィルタF2は、前記全周波数帯域幅WB0から帯域WB2の信号だけを取り出し、通過信号SBとして出力するフィルタであり、分割フィルタF3は、前記全周波数帯域幅WB0から帯域WB3の信号だけを取り出し、通過信号SCとして出力するフィルタである。
【0021】
換言するなら、分割フィルタF1は呼制御トーンT1を検出するための分割フィルタであり、分割フィルタF2はDTMF信号T2を検出するための分割フィルタであり、分割フィルタF3はFAXトーン信号T3を検出するための分割フィルタである。
【0022】
前記分割フィルタF1から受け取る通過信号SAを処理するための粗周波数分割処理部15Aは、パワ算出部11Aと、比較器12Aと、閾値設定部13Aと、スイッチ14Aとを備えている。
【0023】
このうちパワ算出部11Aは、通過信号SAにつき信号パワを算出して、パワ値PAを出力する部分である。
【0024】
閾値設定部13Aからパワ閾値HAを受け取り、当該パワ算出部11Aから当該パワ値PAを受け取る比較器12Aは、HAとPAの大きさを比較して比較結果CAを出力する部分である。比較結果CAは、パワ値PAがパワ閾値HA以上の大きさを持つときに能動状態となり、パワ値PAがパワ閾値HA未満のときに非能動状態となる信号である。
【0025】
なお、異なる粗周波数分割処理部15A〜15Cにおいて各閾値設定部(例えば13A)が設定するパワ閾値HA〜HCは、相違するのが普通である。
【0026】
前記分割フィルタF1から前記通過信号SAを受け取るスイッチ14Aは、制御入力端子で受け取る当該比較結果CAが能動状態のときには導通して当該通過信号SAを個検出器103Aに供給し、当該比較結果CAが非能動状態のときには導通せず当該通過信号SAの個検出器103Aへの供給を行わない。
【0027】
ここで、当該スイッチ14Aは狭帯域フィルタとし、当該導通時にはフィルタとして機能するようにしてもよい。
【0028】
前記比較器12Aから出力される比較結果CAは該当帯域(ここではWB1)のトーンの有無を示す概略トーン有無信号として、前記個検出器群制御器102に伝達される。当該概略トーン有無信号CAは、前記能動状態で該当帯域にトーンが検出されたことを示し、非能動状態で該当帯域にトーンが検出されなかったことを示す。個検出器群制御器102では、能動状態の概略トーン有無信号を受け取った場合、各概略トーン有無信号CA〜CCの組み合わせに応じ、トーン信号が存在する可能性のある個検出器をそれぞれ起動し、トーン信号が存在する可能性の無い個検出器を停止する。ここで、雑音等の影響により、トーンが存在する可能性がある帯域を1つに確定できない場合、複数の個検出器が同時に起動されることもあり得る。
【0029】
なお、前記閾値設定部13Aが比較器12Aに供給するパワ閾値HAは一定不変としてもよいが、本実施形態では、個検出器103Aから供給される閾値制御信号CLAに応じて変更されるものとする。
【0030】
前記分割フィルタF2から出力される通過信号SBを処理するための粗周波数分割処理部15Bおよび、前記分割フィルタF3から出力される通過信号SCを処理するための粗周波数分割処理部15Cの各構成部分および各信号の機能は、当該粗周波数分割処理部15Aと同様である。
【0031】
すなわち、粗周波数分割処理部15B内において、パワ算出部11Bは前記パワ算出部11Aに対応し、比較器12Bは前記比較器12Aに対応し、閾値設定部13Bは前記閾値設定部13Aに対応し、スイッチ14Bは前記スイッチ14Aに対応し、信号SBは信号SAに対応し、信号PBは信号PAに対応し、信号CBは信号CAに対応し、信号HBは信号HAに対応し、信号CLBは信号CLAに対応する。
【0032】
また、粗周波数分割処理部15C内において、パワ算出部11Cは前記パワ算出部11Aに対応し、比較器12Cは前記比較器12Aに対応し、閾値設定部13Cは前記閾値設定部13Aに対応し、スイッチ14Cは前記スイッチ14Aに対応し、信号SCは信号SAに対応し、信号PCは信号PAに対応し、信号CCは信号CAに対応し、信号HCは信号HAに対応し、信号CLCは信号CLAに対応する。
【0033】
次に、前記個検出器103Aの内部構成例を、図3に示す。個検出器103A以外の個検出器103B、103Cの内部構成も図3と同様であるが、図3には主として個検出器103Aを示したものとして説明する。これらの個検出器103A〜103Cは、前記個検出器群制御器102からの制御に応じて起動または停止する回路で、周波数ピークまたは周波数ピーク群をもとに検出目標である各トーン信号T1〜T3を検出する機能を備えている。
【0034】
(A−1−2)個検出器の内部構成
図3において、個検出器103Aは、信号パワ係数算出部21と、検出安定度算出部22と、トーン継続割合算出部23と、検出有効度算出部24と、トーン有無判定部25Aとを備えている。
【0035】
このうち信号パワ係数算出部21は、次の式(1)にしたがって、式(1)のDp(t)で記述できる信号パワ係数KSを出力する部分である。
【0036】
【数1】
式(1)において、p(t)は離散時刻tにおける目標トーン(ここでは、個検出器が個検出器103Aであるので、当該目標トーンは、前記呼制御トーン信号T1)の信号パワを示し、Dp(t)は、信号パワを予め設定した閾値THDpと比較することで2値化した値であり、0または1の値を取る。
【0037】
また、検出安定度算出部22は、次の式(2)にしたがって、式(2)のDs(t)で記述できる検出安定度SDを出力する部分である。当該検出安定度SDは、入力される通過信号SAに含まれる目標トーンT1の時間変動の度合いを示す。
【0038】
【数2】
ただし当該式(2)において、Ds(t)<0の場合は、Ds(t)=0とする。
【0039】
当該検出安定度Ds(t)は、0から1の値を取り、1に近いほど、検出安定度が高いことを示す。
【0040】
すなわち、検出安定度Ds(t)が1に近い値を取るほど、隣接する離散時刻tとt−1間で、信号パワの時間変動が小さいことを示す。
【0041】
さらに、前記トーン継続割合算出部23は、次の式(3)にしたがって、式(3)のDT(t)で記述できるトーン継続割合DRを出力する部分である。当該トーン継続割合DRは、目標トーンT1の継続時間が検出判定時間に占める割合を示す。
【0042】
【数3】
ただし当該式(3)において、τは目標トーンT1の検出を判定するのに要する検出判定時間を、tstartは当該個検出器103Aの起動時刻を示す。DT(t)は、0から1の値を取り、1に近いほど、トーン継続割合が高いことを示す。
【0043】
信号パワ係数算出部21から前記信号KSを受け取り、検出安定度算出部22から信号SDを受け取り、トーン継続割合算出部23から信号DRを受け取る検出有効度算出部24は、これらKS、SD、DR(すなわち、Dp(t)、Ds(t)、DT(t))を用いて、次の式(4)にしたがって、式(4)のDE(t)で記述できる検出有効度VA1を出力する部分である。
【0044】
【数4】
式(4)中において、Dp(t)は前記信号パワ係数を、Ds(t)は前記検出安定度を、DT(t)は前記トーン継続割合を示す。この場合、DE(t)は、0から1の値を取り、1に近いほど、検出有効度が高いことを示す。
【0045】
前記トーン有無判定部25Aは、所定の判定処理にしたがって、目標トーンである前記呼制御トーン信号T1の有無を判定し、判定結果ES1を出力する部分である。
【0046】
なお、図3では、粗周波数分割処理部15A内のスイッチ14Aを介して分割フィルタF1の通過信号SAを個検出器103A内の各部で使用するようにしたが、必ずしもそのような構成を取らなくてもよい。
【0047】
例えば、必要に応じて、アナログ電話回線などから供給される前記トーン信号Sinをそのまま個検出器13Aに供給し、当該トーン信号Sinを、当該個検出器103Aの構成部分21〜23および25Aで処理するようにしてもよい。
【0048】
また、トーン有無判定部25Aで実行する前記判定処理の内容としては、目標トーンの周波数領域(または時間領域)の性質にあわせて最適なアルゴリズム、または最適な処理手段を用いるようにするとよい。
【0049】
なお、トーン有無判定部で行う判定処理の内容は該当する目標トーンの性質に応じて異なるため、個検出器103A内のトーン有無判定部を25Aとし、個検出器103B内のトーン有無判定部を25B、個検出器103C内のトーン有無判定部を25Cとして、3者を区別する。
【0050】
トーン有無判定部25Aの場合、目標トーンである呼制御トーン信号T1が1周波数で周波数ピークが1つしか無い点に着目し、単純に当該1周波数を通過するバンドパスフィルタを使用して当該バンドパスフィルタの通過信号につき、信号パワを算出する処理が、当該判定処理として好ましい。
【0051】
また、目標トーンが前記DTMF信号である個検出器103B内のトーン有無判定部25Bでは、DTMF信号にあわせた判定処理を行う。
【0052】
DTMF信号は通常、PB信号発生用ROM(リード・オンリ・メモリ)に書き込まれたPB信号の低群と高群の周波数パターンを組み合わせることによって生成され、低群も高群もそれぞれ4周波数あるので、周波数パターンの組合せは、合計16(=4×4)通りあり、周波数ピークも複数存在する。このため、個検出器103B内のトーン有無判定部25Bで行う判定処理では、線形予測フィルタを用いて周波数分析を行うのが効率的である。
【0053】
さらにトーン有無判定部25Cについては、目標トーンであるFAXトーン信号T3が呼制御トーン信号T1と同様に1周波数で周波数ピークが1つしか無いことから、個検出器103C内のトーン有無判定部25Cでも、単純に当該1周波数を通過するバンドパスフィルタを使用して当該バンドパスフィルタの通過信号につき信号パワを算出する処理を、当該判定処理として用いることが好ましいと考えられる。
【0054】
ただし必要ならば、トーン有無判定部25A〜25Cで行う判定処理において、高速フーリエ変換(FFT)などを利用して周波数スペクトルの形状から目標トーンの有無を判定するようにしてもよい。その場合でも、高速フーリエ変換の対象となる周波数帯域は前記帯域WB0に比べて十分に狭いので、演算量は従来よりも低減される。
【0055】
以上のように当該個検出器103Aから出力される検出有効度はVA1であり判定結果はES1であるが、当該VA1、ES1と区別するため、他の個検出器103B、103Cから出力される検出有効度および判定結果には異なる符号を付与する。すなわち、個検出器103Bから出力される検出有効度をVA2、判定結果をES2とし、個検出器103Cから出力される検出有効度をVA3、判定結果をES3とする。
【0056】
これら各検出有効度VA1〜VA3および判定結果ES1〜ES3を受け取る前記最終判定器104の内部構成例は、図4に示す通りである。当該最終判定器104は、各個検出器103A〜103Cからの情報を集約し、互いに矛盾する情報を相互に排除して、最も確度が高いトーン信号検出結果(トーン指定信号)ACを出力する機能を備えている。
【0057】
(A−1−3)最終判定器の内部構成
図4において、当該最終判定器104は、相対比較器31と、絶対比較器32と、制御部33とを備えている。
【0058】
このうち制御部33は、個検出器103Aから検出有効度VA1および判定結果ES1を受け取り、個検出器103Bから検出有効度VA2および判定結果ES2を受け取り、個検出器103Cから検出有効度VA3および判定結果ES3を受け取って、3つの個検出器103A〜103Cのうち、2以上の個検出器が該当する「目標トーン有り」を示す判定結果ES1〜ES3を送ってきた場合に、比較制御信号JLを出力して相対比較器31を有効化する部分である。
【0059】
相対比較器31は、前記個検出器103Aから前記検出有効度VA1を受け取り、前記個検出器103Bから前記検出有効度VA2を受け取り、前記個検出器103Cから前記検出有効度VA3を受け取って、当該比較制御信号JLによって有効化されたときにこれらを比較し、最も高い値を示す検出有効度を信号RCとして絶対比較器32に出力する部分である。
【0060】
複数の個検出器から目標トーンの検出が通知された場合、前記制御部33は、当該信号RCをもとに、検出有効度が最大でなかった(すなわち、相対比較器31で選択されなかった)検出有効度を出力した個検出器の動作を停止することを指示する個検出器停止命令STOPを、個検出器群制御器102に通知する。
【0061】
このような処理を行うのは、上述したように、通常は信号Sin中に複数のトーン信号T1〜T3が同時に存在することはなく、いずれか1つだけが存在するから、検出有効度が最大のもの以外は後述する誤判定である可能性が高いからである。
【0062】
なお、起動してから一定時間THDt経過した後の検出有効度DE(THDt)が、予め設定した閾値THDS、未満の場合も、制御部33は、当該個検出器に対する停止命令STOPを個検出器群制御器102に通知する。ここで、THDtは個検出器毎に予め設定する値である。
【0063】
前記相対比較器31から信号RCを受け取る絶対比較器32は常に有効な比較器で、予め設定された最終閾値THDfにしたがい、信号RCが当該最終閾値THDf以上のときには当該信号RCが指定する目標トーン信号が存在することを認定して当該目標トーンを指定するトーン指定信号ACを出力し、最終閾値THDf未満のときには当該信号RCが指定するトーン信号が実際には存在しない旨の認定を行い、当該トーン指定信号ACの出力を行わない部分である。
【0064】
ここで、当該最終閾値THDfは可変としてもよいが、本実施形態では一定不変とする。
【0065】
個検出器(例えば103A)が判定結果(例えばES1)を用いて、目標トーン(例えば呼制御トーン)が存在すると判定(この場合、これは誤判定)したのにもかかわらず、絶対比較器32がトーン指定信号ACを出力しないケースの例としては、例えば、該当する周波数帯域(例えばWB1)における雑音レベルが高い(雑音パワが大きい)場合などが考えられる。
【0066】
前記制御部33はまた、このような誤判定が発生した場合、該当する粗周波数分割処理部(例えば15A)の閾値設定部(例えば13A)に対し、閾値制御信号(例えばCLA)を用いてパワ閾値(例えばHA)を大きくする制御を行う機能を装備してもよい。これにより、同種の誤判定が、当該個検出器(例えば103A)で連続的に発生することを防止できる。
【0067】
反対に、このような誤判定が発生しない状態が継続しているとき、当該制御部33は、閾値制御信号(例えばCLA)を用いて前記パワ閾値(例えばHA)を小さくする方向に制御するとよい。
【0068】
なお、前記絶対比較器32が目標トーンを指定するトーン指定信号ACを出力した場合、当該トーン検出装置10を搭載している多機能電話機は、ACが指定する目標トーンの種類をユーザに知らせるための表示を行う。
【0069】
この表示は、一例として、LED(発光ダイオード)などの点灯によって、受信し検出したトーンが前記呼制御トーン信号T1、DTMF信号T2、FAX信号T3のいずれであるかをユーザに知らせるものであってよい。
【0070】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。
【0071】
(A−2)実施形態の動作
いま、粗周波数分析器101に前記トーン信号Sinが入力されたとする。
【0072】
このときトーン信号Sinに含まれている目標トーン信号が前記呼制御トーン信号T1であると、図2に示す通過信号SAには当該呼制御トーン信号T1が含まれるが、その他の通過信号SB、SCには、有効なトーン信号が含まれていないため、各通過信号SB、SCには、雑音などが混入し得るだけである。ここで、雑音とは、目標トーン信号T1〜T3のいずれでもないトーン信号のことを指す。
【0073】
多くの場合、当該雑音の電力である雑音パワは、各トーン信号T1〜T3が示す信号パワよりも十分に小さい。
【0074】
したがって図2では、パワ算出部11Aの出力であるパワ値PAだけが比較器12Aの比較結果CAを能動状態にし、その他のパワ算出部11B、11Cの出力であるパワ値PB、PCは、比較器12B、12Cの比較結果CB、CCを非能動状態にする。
【0075】
このためスイッチ14A〜14Cのなかではスイッチ14Aだけが導通して通過信号SAを該当する個検出器103Aに供給し、他のスイッチ14B、14Cから該当する個検出器103B、103Cに対しては、通過信号SB、SCの供給は行われない。
【0076】
一方、比較器12A〜12Cが出力する比較結果CA〜CCを受け取った個検出器群制御器102では、能動状態を示す比較結果CAに対応する個検出器103Aだけを動作状態とし、他の個検出器103B、103Cは非動作状態とする。
【0077】
粗周波数分析器101から前記通過信号SAを受け取り、個検出器群制御器102によって動作状態とされた個検出器103Aでは、前記信号パワ係数算出部21、前記検出安定度算出部22、前記トーン継続割合算出部23が、それぞれ前記式(1)〜(3)に応じた演算を行い、演算結果KS、SD、DRを出力する。
【0078】
そして、これらの演算結果KS、SD、DRを受け取った検出有効度算出部24は、演算結果KS、SD、DRを、前記式(4)に代入して、検出有効度VA1を求める。
【0079】
同時にトーン有無判定部25では、前記通過信号SAに対して前記判定処理を実行することにより当該通過信号SA内に目標トーン信号である呼制御トーン信号T1が存在するか否かを判定して、判定結果ES1を出力する。
【0080】
図4に示す最終判定器104内において前記検出有効度VA1は相対比較器31と制御部33に供給され、当該判定結果ES1は制御部33に供給される。
【0081】
この場合、相対比較器31に供給される検出有効度は当該VA1だけであり、前記個検出器群制御器102によって非動作状態とされている個検出器103B、103Cからは検出有効度は供給されないので、比較制御信号JLは相対比較器31を有効化せず、相対比較器31はただ、供給を受けた検出有効度VA1を信号RCとして通過するだけである。
【0082】
そして当該検出有効度VA1を信号RCとして受け取った絶対比較器32は、当該信号RCを最終閾値THDfと比較して、その比較結果に対応する動作を行う。
【0083】
すなわち、信号RCが当該最終閾値THDf以上のときには当該信号RCが指定する目標トーン信号である呼制御トーン信号T1が存在することを認定してその旨のトーン指定信号ACを出力し、最終閾値THDf未満のときには当該信号RCが指定するトーン信号が実際には存在しない旨の認定を行い、当該トーン指定信号ACの出力を行わない。
【0084】
当該呼制御トーン信号T1を指定するトーン指定信号ACが絶対比較器32から出力されると、当該多機能電話機では、該当する前記LEDを点灯して、呼制御トーン信号T1の受信をユーザに知られる。
【0085】
このケースにおいて、例えば、帯域WB2やWB3の雑音パワが大きいと、誤判定によって前記スイッチ14Bや14Cが導通され、個検出器103B、103Cが動作状態とされることも有り得るが、その場合でも、雑音は、個検出器103B、103C内で行われる構成部分21〜23の処理、またはトーン有無判定部25B、25Cの処理によって、目標トーンT2、T3と区別され、検出有効度VA2、VA3が小さくなるか、判定結果ES2、ES3が目標トーンT2、T3が無いことを示すので、最終判定器104は当該誤判定の影響を受けることなく正確な最終判定を行い、信頼性の高いトーン指定信号ACを出力することができる。
【0086】
以上の動作において、個検出器103A〜103Cのなかでは、それぞれに目標とするトーンの近傍帯域のみを重点的に監視すれば良いので、全帯域(WB0)を均質に監視する場合に比べて、低演算量で高精度のトーン検出を行うことができる。
【0087】
また、不要な個検出器(上記のケースでは103B、103C)を停止することができるため、演算量を低減し、ハードウエア(演算回路)の規模を縮小することも可能となる。
【0088】
さらに最終判定器104によって、各個検出器103A〜103Cの情報VA1〜VA3、ES1〜ES3を、広域的に判定することができるために、相互に矛盾する検出結果がユーザに通知されることを抑制することができる。このことはまた、誤検出(すなわち、最終的に誤ったトーン識別信号ACが出力されること)の防止に有効であるため、各個検出器103A〜103Cにおける演算の精度をそれほど高めなくても、信頼性の高いトーン識別信号ACを得ることができることを意味する。
【0089】
さらにまた、各個検出器103A〜103Cで行う前記判定処理としては、目標となるトーンの性質にあわせて、最適なアルゴリズム、または最適な処理手段を用いることができるので、単一のアルゴリズム、または単一の処理手段を用いて、すべてのトーン信号T1〜T3の検出を行う場合よりも、はるかに効率的である。
【0090】
(A−3)実施形態の効果
本実施形態によれば、時間的に過去の検出結果を反映する検出安定度やトーン継続割合を用いて算出される検出有効度を利用するとともに、前記各個検出器(103A〜103C)を活用することによって、演算量が少ない割に高精度のトーン検出を行うことができ、信頼性の高いトーン指定信号(AC)を出力することが可能になる。
【0091】
これにより、処理能力のかぎられた小規模な演算回路を用いて、コストアップを抑制しながら、トーン検出装置(10)の性能を向上することが可能である。
【0092】
(B)他の実施形態
なお、上記実施形態では、呼制御トーン信号T1と、DTMF信号T2と、FAX信号T3を識別する場合を例に説明したが、本発明の適用範囲はこれらのトーン信号にかぎらない。
【0093】
例えば、MF信号(Multi-Frequency Code)などの検出にも、本発明を用いることができる。
【0094】
また検出対象となるトーン信号(T1〜T3)の数も、上記実施形態では3つであったが、この数は3より少なくてもよく、多くてもよい。
【0095】
なお、上記実施形態では主として各トーン信号の周波数領域の構造に着目して各トーン信号の検出を行ったが、各トーン信号は、時間領域の構造にも特徴を持つので、当該時間領域の構造にも着目して、各トーン信号の検出を行うようにしてもよい。
【0096】
さらに、上記実施形態は主としてハードウエアを用いて実現したが、本発明はソフトウエア的に実現することも可能である。
【0097】
その場合、例えば前記個検出器103A〜103Cは、共通のハードウエア(演算回路)上で機能することとなり得、個検出器群制御器102によって動作状態とされた個検出器だけが、当該演算回路上に生成される。
【0098】
また、上記実施形態では、最終判定器104を備えていたが、入力信号Sinが雑音の少ない高品質なものである場合などには、各個検出器103A〜103Cが相互に矛盾する情報(VA1〜VA3、ES1〜ES3)を出力することはないので、当該最終判定器104を省略することも可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、演算量が少ない割に高精度のトーン信号検出を行うことができる。
【0100】
これにより、処理能力のかぎられた小規模なハードウエアを用いて、コストアップを抑制しながら、トーン信号検出装置及び方法の性能向上を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る個検出器型のトーン検出装置につき主要部の構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態で使用する粗周波数分析器の主要部の構成例を示す概略図である。
【図3】実施形態で使用する個検出器の主要部の構成例を示す概略図である。
【図4】実施形態で使用する最終判定器の主要部の構成例を示す概略図である。
【図5】実施形態の動作説明図である。
【図6】実施形態の動作説明図である。
【符号の説明】
10…トーン検出装置、11A〜11C…パワ算出部、12A〜12C…比較器、13A〜13C…閾値設定部、14A〜14C…スイッチ、21…信号パワ係数算出部、22…検出安定度算出部、23…トーン継続割合算出部、24…検出有効度算出部、25…トーン有無判定部、31…相対比較器、32…絶対比較器、33…制御部、102…個検出器群制御器、103…個検出器群、103A〜103C…個検出器、104…最終判定器、Sin…入力信号、SA〜SC…通過信号、WB0〜WB3…帯域。
Claims (4)
- 周波数構造または時間構造が異なる複数のトーン信号を識別して検出するトーン信号検出装置において、
入力信号に対し、検出対象となっている複数種類のトーン信号が取り得る帯域をカバーする広帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に検出処理を実行して、前記入力信号に関するトーン信号が、前記広帯域を複数に分割した狭帯域が異なっている複数のトーン信号グループのいずれのグループに属するかを識別する粗周波数分析手段と、
前記グループに応じて設定される狭帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に、前記入力信号の電力変化に関する時間的な属性を示す時間属性情報を検出して、前記入力信号に関するトーン信号を識別する、前記各グループ毎に設けられた詳細周波数分析手段と、
前記粗周波数分析手段の識別結果に応じて、前記各詳細周波数分析手段を動作状態または非動作状態に制御する詳細周波数分析制御手段と、
複数の前記詳細周波数分析手段の識別結果を、所定の選別処理に基づいて選別し、前記各詳細周波数分析手段の識別結果が、複数種類のトーン信号を指示している場合に、トーン信号の確定を行う選別処理手段とを備え、
前記各詳細周波数分析手段は、
自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号のパワを表す信号パワ係数を算出する信号パワ係数算出部と、
自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号の時間変動を表す検出安定度を算出する検出安定度算出部と、
自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号がトーン信号であったとみなせる継続時間が検出時間に示す割合を表すトーン継続割合を算出するトーン継続割合算出部と、
前記信号パワ係数、前記検出安定度及び前記トーン継続割合に基づき、検出の有効性を表す検出有効度を得て出力する検出有効度算出部と、
自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号が当該グループの検出対象のトーン信号であるか否かを判定し、該当する場合にトーン有信号を出力するトーン有無判定部とを有し、
前記選別処理手段は、
前記各詳細周波数分析手段からの検出有効度の最大のものを抽出する相対比較器と、
複数の前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、前記相対比較器に抽出動作をさせると共に、抽出されない検出有効度を出力した前記詳細周波数分析手段の動作を停止させ、1つの前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、その詳細周波数分析手段からの検出有効度を、前記相対比較器を素通りさせる制御手段と、
前記相対比較器から出力された検出有効度に基づき、前記入力信号に関するトーン信号の有無を確定する絶対比較器とを有する
ことを特徴とするトーン信号検出装置。 - 請求項1のトーン信号検出装置において、
前記粗周波数分析手段は、
前記広帯域を複数の帯域に分割した前記狭帯域毎に前記入力信号を分割する帯域分割フィルタ部と、
分割された各狭帯域の入力信号の電力を求める電力検出部と、
各狭帯域の電力を所定の閾値と比較する比較部とを備え、
当該比較結果に応じて、トーン信号の概略的な識別を行うことを特徴とするトーン信号検出装置。 - 請求項2のトーン信号検出装置において、
前記入力信号の前記時間属性情報に応じて、前記閾値を制御する閾値制御手段を設けたことを特徴とするトーン信号検出装置。 - 周波数構造または時間構造が異なる複数のトーン信号を識別して検出するトーン信号検出方法において、
粗周波数分析手段は、入力信号に対し、検出対象となっている複数種類のトーン信号が取り得る帯域をカバーする広帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に検出処理を実行して、前記入力信号に関するトーン信号が、前記広帯域を複数に分割した狭帯域が異なっている複数のトーン信号グループのいずれのグループに属するかを識別し、
前記各グループ毎に設けられた詳細周波数分析手段はそれぞれ、前記グループに応じて設定される狭帯域内で、周波数軸方向または時間軸方向に、前記入力信号の電力変化に関する時間的な属性を示す時間属性情報を検出して、前記入力信号に関するトーン信号を識別し、
詳細周波数分析制御手段は、前記粗周波数分析手段の識別結果に応じて、前記各詳細周波数分析手段を動作状態または非動作状態に制御し、
選別処理手段は、複数の前記詳細周波数分析手段の識別結果を、所定の選別処理に基づいて選別し、前記各詳細周波数分析手段の識別結果が、複数種類のトーン信号を指示している場合に、トーン信号の確定を行うと共に、
前記各詳細周波数分析手段において、
信号パワ係数算出部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号のパワを表す信号パワ係数を算出し、
検出安定度算出部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号の時間変動を表す検出安定度を算出し、
トーン継続割合算出部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号がトーン信号であったとみなせる継続時間が検出時間に示す割合を表すトーン継続割合を算出し、
検出有効度算出部は、前記信号パワ係数、前記検出安定度及び前記トーン継続割合に基づき、検出の有効性を表す検出有効度を得て出力し、
トーン有無判定部は、自己が属するグループに係る狭帯域で、前記入力信号が当該グループの検出対象のトーン信号であるか否かを判定し、該当する場合にトーン有信号を出力し、
前記選別処理手段において、
相対比較器は、前記各詳細周波数分析手段からの検出有効度の最大のものを抽出し、
制御手段は、複数の前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、前記相対比較器に抽出動作をさせると共に、抽出されない検出有効度を出力した前記詳細周波数分析手段の動作を停止させ、1つの前記詳細周波数分析手段からトーン有信号が出力されている場合には、その詳細周波数分析手段からの検出有効度を、前記相対比較器を素通りさせ、
絶対比較器は、前記相対比較器から出力された検出有効度に基づき、前記入力信号に関するトーン信号の有無を確定する
ことを特徴とするトーン信号検出方法。
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