JP2023064849A - 放電検出ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の相で発生する放電事象を単一の放電検出ユニットで監視可能とすること。【解決手段】相ごとに異なる位相角を持つ配線システムの相ごとの計測開始点を設定可能な位相角設定部23と、ノイズ出力が見られたタイミングと、計測開始点若しくは計測開始点を基準に定められた判定用時間帯を基に、いずれの相で放電事象を検出したのかを判定可能な判定部26と、を備える放電検出ユニット1とする。【選択図】図1
Description
本発明は、放電検出ユニットに関するものである。
特許文献1に記載されているように、電流センサや電圧センサを用いて商用周波数に重畳している高周波の放電ノイズを抽出する構造が知られている。この例では、ハイパスフィルタで高周波帯域でのノイズ出力を取り出し、判定部により、ノイズレベルが閾値を一定時間以上超えた場合に放電と判定し、開閉部の動作を行う。
ところで、三相3線、三相4線など複数の位相角を持つ相間を有する配線システムにおいては、RS間、ST間、TR間で、位相角がずれて形成される。すなわち、放電事象の発生相によりノイズの発現場所が異なる。また、その際、各相への放電におけるノイズの回り込みが生じ得る。したがって、従来のように、単一の放電検出ユニットを用いて、単一の電源波形を基準として位相角の設定をした場合では、放電事象の発生した相によって検出できないおそれがある。そのため、各相に対応した位相角制御を行うための放電検出ユニットを用意し監視を行う必要があるが、部品点数が多くなってしまう。また、送られてきた判定結果から比較や判定をするための演算や判定をすることができる装置が別途必要になるという問題もあった。
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、複数の相で発生する放電事象を単一の放電検出ユニットで監視可能とすることである。
上記課題を解決するため、相ごとに異なる位相角を持つ配線システムの相ごとの計測開始点を設定可能な位相角設定部と、ノイズ出力が見られたタイミングと、計測開始点若しくは計測開始点を基準に定められた判定用時間帯を基に、いずれの相で放電事象を検出したのかを判定可能な判定部と、を備える放電検出ユニットとする。
また、位相角設定部は、検出された波形から1つの相について計測開始点を決定し、前記決定した計測開始点を基準にして所定時間ずらすように演算して他の相の計測開始点を定めることが可能な構成とすることが好ましい。
また、位相角設定部は、各相の検出された波形から計測開始点を決定することが可能な構成とすることが好ましい。
また、位相分割部は、各相において、フィルタ部で取り出した出力波形に関する商用周波数におけるピークの前後の領域を含むピーク時間領域と、商用周波数における出力が0値となる前後の0値時間領域と、を区別するように定め、判定部は、ピーク時間領域の出力と、ピーク時間領域の前後何れかの0値時間領域の出力との差分を求める演算を行い、その差分が所定の第1の閾値以上の出力がある相において放電事象が生じたと判定する構成とすることが好ましい。
また、位相分割部は、各相において、フィルタ部で取り出した出力波形に関する商用周波数におけるピークの前後の領域を含むピーク時間領域を定め、判定部は、ノイズ出力が見られたタイミングとピーク時間領域が1つの相だけで一致する場合、その相で放電事象を検出したと判定する構成とすることが好ましい。
また、判定部は、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値以上である相が複数ある場合に、判定ができない状況である旨を外部に通知する構成とするのが好ましい。
また、判定部は、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値以上である相が複数ある場合に、フィルタ部で取り出した出力波形の増幅割合を低下させる構成とするのが好ましい。
本発明では、複数の相で発生する放電事象を単一の放電検出ユニットで監視可能とすることが可能となる。
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の放電検出ユニット1は、相ごとに異なる位相角を持つ配線システムの相ごとの計測開始点を設定可能な位相角設定部23と、ノイズ出力が見られたタイミングと、計測開始点若しくは計測開始点を基準に定められた判定用時間帯を基に、いずれの相で放電事象を検出したのかを判定可能な判定部26と、を備えている。このため、複数の相で発生する放電事象を単一の放電検出ユニット1で監視可能となる。
ここで、三相3線式の配電方式に放電検出ユニット1を使用する例について説明をする。図1に示す例の放電検出システムは、高周波帯域でのノイズ出力を取り出すハイパスフィルタを備えるフィルタ部21と、フィルタ部21の出力を増幅する増幅部22と、各相の計測開始点となる位相角を設定する位相角設定部23と、位相角設定部23で設定された情報から電圧波形を複数の領域に分割する位相分割部24と、増幅部22や位相分割部24で出力された波形に対してピークホールドを行う平滑部25と、出力が所定の閾値を超えているか否かを判定する判定部26と、を備えている。このうちフィルタ部21以外に関しては、放電検出ユニット1に備えられている。なお、フィルタ部21は少なくとも一つの相からノイズ出力を取り出すことができるように設定されている。
複数相が存在する場合、複数相のうちの一つの相で放電事象が生じた場合でも、他の相にノイズが回り込みうる。たとえば、図2に示すように、ST相で放電事象が発生していた場合でも、図3に示すように、RS相を検出するフィルタ部21やTR相を検出するフィルタ部21を通過したノイズ出力が見られた。
ノイズが発生したことだけ見ても、各相のいずれで放電ノイズが重畳したのかは判別できないため、相ごとの計測開始点を設定する(図4参照)。例えば各相の検出された波形から計測開始点を決定すればよい。より具体的には、相ごとの電圧波形を抽出し、計測開始点を設定させればよい。計測開始点は、各電圧波形の45°を計測開始点とするのが好ましい。これは、後述するピーク時間領域の開始点である。
なお、全ての相の波形を検出しなくても、計測開始点の設定は可能である。例えば、検出された波形から1つの相について計測開始点を決定し、決定した計測開始点を基準にして所定時間ずらすように演算して他の相の計測開始点を定めるようにすればよい。
より具体的に言えば、次にようにすればよい。例えば、RS相の電圧波形のみ抽出し、RS相の計測開始点を設定する。その後、他の相に関して演算で計測開始点を定める。デルタ結線の場合、120°ずつ位相がずれているため、1周期16.7msとして、所定時間後(60Hzの場合、RS相の計測開始点から16.7ms×1/3後)をST相の計測開始点とし、さらに、所定時間後(60Hzの場合、RS相の計測開始点から16.7ms×2/3後)をTR相の計測開始点として設定すればよい(図5参照)。
計測開始点は位相角設定部23で設定することができる。この計測開始点若しくは計測開始点を基準に定められた判定用時間帯をノイズ出力が見られたタイミングと比較し、いずれの相で放電事象を検出したのかを判定部26で判定するのが好ましい。
なお、図2から図5に示した例は、三相3線のデルタ結線における出力に関するものであるが、この例に限る必要は無い。例えばY結線などでもよい。異なる位相のずれがある場合は、それに伴った計測開始点とすればよい。
位相分割部24は、各相において、フィルタ部21で取り出した出力波形に関する商用周波数におけるピークの前後の領域を含むピーク時間領域と、商用周波数における出力が0値となる前後の0値時間領域と、を区別するように定めるように構成するのが好ましい。
また、判定部26は、ピーク時間領域の出力と、ピーク時間領域の前後何れかの0値時間領域の出力との差分を求める演算を行い、その差分が所定の第1の閾値以上の出力がある相において放電事象が生じたと判定するように構成するのが好ましい。
実施形態の位相分割部24は各相の計測開始点から電圧波形(電流波形)のピーク点の前後のピーク時間領域(A領域)、電圧波形(電流波形)の0クロス点の前後の0値時間領域(B領域)を区別するように領域を分割する(図6参照)。そして、A領域の出力とB領域の出力の差分Cを導くように演算を行い、その結果を用いて放電事象の検出の有無を判定する。
図6に示す例では、「A領域の出力-B領域の出力=差分C」であり、この差分Cが第一の閾値以上である場合に、その結果を得た相で放電事象が検出されたと判定している。つまり、「差分C ≧ 第1の閾値」であるか否かを確認するが、図6に示す例では、RSフィルタ部21のノイズ検出値は差分が負の値であり、STフィルタ部21のノイズ検出値は差分が正の値であり、TRフィルタ部21のノイズ検出値は差分が0である。第1の閾値は正の値で定めており、この例では、STフィルタ部21のノイズ検出値の差分が第1の閾値以上であったため、ST相で放電事象の検出があったことになる。
なお、図6に示す例では各相計測開始点はピーク時間領域の開始点と一致するように設定しているが、各相計測開始点を商用周波数における0クロス点を基準として設定するものであっても良い。
図6に示す例では、A’領域の出力やB’領域の出力を放電事象の検出の判定に利用していないが、それらを判定に利用しても良い。図7に示す例では、左側に示したように放電事象に伴う放電ノイズが検出できている。所定時間帯において、各相が、どの領域に該当するのかをまとめたものが図7の右側に示されている。
このような整理をするためにも、先ず、各相での計測開始点の設定を行う。そして、計測開始点を基準に各相のフィルタ部21の出力のピーク時間領域(A領域、A’領域)、0値時間領域(B領域、B’領域)を決定する。
判定を行うために、各相のフィルタ部21の出力について、ピーク時間領域の出力と0値時間領域の出力の差分(C、C’)を演算する。なお、「A領域の出力-B領域の出力=差分C」であり、「A’領域の出力-B’領域の出力=差分C’」である。
図7に示す例において、RS相のフィルタ部21の出力をピーク時間領域の出力と0値時間領域の出力の差分(C、C’)を演算し、演算結果を第1の閾値と比較すると、差分Cは第1の閾値以下であることが判定できたため、放電事象はRS相で検出されていないと判定することができる。
同様にしてST相のフィルタ部21の出力の領域の差分を演算すると、「A領域の出力-B領域の出力=差分C」で導いた差分Cが第1の閾値に達していることが判定できたため、放電事象はST相で検出されたと判定することができる。
同様にしてTR相のフィルタ部21の出力の領域の差分を演算すると、演算結果が第1の閾値以下であることが判定できたため、放電事象はTR相で検出されていないと判定することができる。
以上のような結果を得たため、結局、この放電事象はST相で検出されたと特定することができる。このように、一つの放電検出ユニット1で複数の相の判定を行うことができるため、機器点数を抑制しつつ、各相の判定ができる。なお、実施形態においては、ピーク時間領域の出力や0値時間領域は、設定した領域の加算値や平均値を用いている。
上記した例では、1回でも第1の閾値を超える状態が確認されたら、放電事象の発生を検知したと判定するものであったが、突発的なノイズも考えられるため、継続的に条件を満たしていることが判定された時点で、放電事象の発生を検知したと判定するのが好ましい。
例えば、A領域とB領域の差分C(またはA'領域とB’領域の差分C')が閾値以上の場合は「1」として判定し、放電判定時間として設定する所定時間中に「1」と判定した回数を加算し、その加算値が所定値以上の場合には放電事象と判定するようにすればよい。
より具体的には、例えば、放電判定時間として500msと設定する。60Hzでは1周期が約16.7msであるが、その1周期に1回判定を行うものとし、500ms経過時点で、加算値が30となったら(30回連続して計測したら)、放電事象と判定することが例示できる。例えば、RS極で判定において、電圧波形(電流波形)の正の出力の積算値で判定する場合は、C001+C003+C005・・・・・+C032が所定値以上の数値となった場合に放電事象と判定するようにすればよい。図8に示す実施形態においては、積算値は所定値以上とならないため、放電事象と判定しない。
このように、放電判定時間の経過後に各相の加算値を比較するなどして、発生が疑われる事象が繰り返されていることを確認することで、放電事象の発生を検知した相をより正確に判定することができる。なお、実施形態の放電検出ユニット1は、放電判定時間を自由に設定可能としている。また、図8に示す例では、各相において差分Cまたは差分C'のいずれか一方を用いて判定を行うようにしている。
ところで、判定時に放電判定の閾値を複数回計測する、積算値で判定することを条件とするなど、放電事象の発生が疑われる事象の継続性を、放電事象を検出したと判定する要件としている場合、ノイズが一瞬減衰してしまうことがある(図9参照)。このため、このような事象が発生することを想定した制御とすることが好ましい。例えば、途中でノイズが一瞬減衰してしまう場合でも放電判定時間の計測をリセットしないように、瞬間の落ち込み(継続性判断時間内だけの減衰)であれば放電事象の発生が疑われる事象が継続しているものとして扱い、放電判定時間の計測をリセットせずにそのまま計測を行うようにするのが好ましい。
継続性判定時間は、放電事象の発生が疑われる事象が検出されなくても、その時間内であれば、放電事象の発生が疑われる事象が継続しているものとして扱う時間であり、あらかじめ所定の範囲として定めておくのが好ましい。
また、継続性判断時間の計測は、放電判定時間のカウントが始まっている場合のみ動作し、カウントしていない場合は、継続性判断時間の判定は行わないようにするのが好ましい。つまり、放電事象の発生が疑われる事象が検出されたことを前提条件として、継続性判断時間の計測が行われるようにするのが好ましい。
この場合でも、継続性判断時間の計測は、A領域とB領域の差分などが第1の閾値を超える出力が複数回連続(所定時間続けて)計測できたときに初めて開始するものとするのが好ましい。つまり、放電事象の発生が疑われる事象がある程度繰り返され、その後に、放電事象の発生が疑われる事象が検出されなかった場合に、その状態が継続性判断時間継続するか否かをチェックするように制御するのが好ましい。
設定された継続性判断時間を超えて、閾値の落ち込みがあった場合は、放電判定時間の計測をリセットさせるのが好ましい。
ところで、放電事象の発生と、ノイズを出力する機器を使用した場合、全体的にノイズを拾ってしまう場合がある。このとき、A領域とB領域の差分を導く演算を行うと、放電事象が発生しているにも関わらず、閾値を超えないという結果になってしまうことがある。このため、B領域(B’領域)の出力が第1の閾値とは異なる第2の閾値を超えているか否かを判定し、第2の閾値を超えている場合には、判定できない状態であることを外部に通知するように制御するのが好ましい(図10参照)。
また、三相3線などの場合、ノイズの回り込みが生じ得る。ノイズを出力する機器を使用したことに起因するノイズの回り込みに対応するため、0値時間領域(B領域(B’領域))のタイミングにおける出力が第2の閾値以上である相が複数ある場合に、判定ができない状況である旨を外部に通知するようにするのが好ましい。
B領域(B’領域)の出力が一定期間継続して第2閾値を超える出力があった場合などには、感度を低下させ、出力波形を低下させるのが好ましい。フィルタ部21を通過した高周波を増幅する増幅部22の増幅率を低下させるようにすることで、第1の閾値の判定を行うことが可能となり得る。この場合、継続する出力波形が第2の閾値以下となるように増幅率を低下させる。
また、回り込みが生じる場合は、複数の相で、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値以上であるか否かのチェックを行う方が良い。したがって、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値以上である相が複数ある場合に、フィルタ部21で取り出した出力波形の増幅割合を低下させるようにするのが好ましい。
ノイズを出力する特定の機器の使用が終了しても、感度を低下させたままにしておくと、検出範囲が狭くなったり、放電に伴うノイズが検出できなくなったりするおそれがある。このため、第2の閾値以下に低下させるように制御した後、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値より低く設定した第3の閾値よりも下回る場合には、設定した感度をもとに戻すように制御するのが好ましい。なお、第3の閾値を採用する場合、出力の増幅率を低下させた際には、第3の閾値よりも高くなるようにする。
上記してきた例では、A領域(A’領域)の出力とB領域(B’領域)の出力を判定に利用してきたが、A領域(A’領域)の出力だけを判定に利用するようにしても良い。つまり、0値時間領域は使用せず、ピーク時間領域のみを判定に利用することも可能である。この場合、位相分割部24で、各相において、フィルタ部21で取り出した出力波形に関する商用周波数におけるピークの前後の領域を含むピーク時間領域を定めればよい。
この場合、判定部26は、ノイズ出力が見られたタイミングとピーク時間領域が1つの相だけで一致する場合に、その相で放電事象を検出したと判定するものとするのが好ましい。また、ピーク時間領域の出力の周期が一致しているかを比較して、放電事象を検出した相を判定するのも好ましい。
この場合でも、各相での計測開始点の設定を行う。そして、計測開始点を基準に各相のフィルタ部21の出力のピーク時間領域(A領域、A’領域)を決定する。その後、フィルタ部21の出力と各相に設定されたピーク時間領域の出力が一致しているかピーク時間領域の出力の周期が一致しているかを調べるように制御する。
例えば、RS相のフィルタ部21の出力とRS相に設定されたピーク時間領域(A領域、A’領域)の出力が一致、または、ピーク時間領域の出力の周期が一致しているかを比較する。図11に示す例の場合、RS相に設定されたピーク時間領域における出力がないため、RS相では放電事象を検出していないと判定する。
同様にして、フィルタ部21の出力とST相に設定されたピーク時間領域(A領域、A’領域)の出力が一致、または、ピーク時間領域の出力の周期が一致しているかを調べると、フィルタ部21の出力とA領域の出力、または、出力の周期が一致していた。このため、ST相で放電事象を検出したと判定する。
同様にしてフィルタ部21の出力とTR相に設定されたピーク時間領域(A領域、A’領域)の出力が一致、または、ピーク時間領域の出力の周期が一致しているかを調べると、フィルタ部21の出力とA領域の出力、または、出力の周期が一致していなかった。このため、ST相で放電事象を検出していないと判定する。
このようにして得られた各相の判定結果よりST相で放電事象が検出されたと特定することができる。
なお、この場合、放電事象の場合は、一つの相でのみピーク時間領域にノイズが重畳するものであると捉え、複数の相で放電事象が生じたと判定した場合は、その相(または送間)で発生した放電事象ではなく、絶えずノイズが発生している電気機器からのノイズ影響であると判定するのが好ましい。この場合でも、放電事象の判定できない状況であることを外部に通知できるようにすることが好ましい。また、放電事象を測定できるように感度を低下させるように制御するのも好ましい。
ところで、上記してきた実施形態においては、各相の各々に対応するフィルタ部21を別々に設けているが、回り込みが生じ得る配線システムである場合、1つの相のみにフィルタ部21を設けても良い。この場合、1つのフィルタ部21から出力された出力波形を基に情報を判定部26に入力する(図12参照)。
図12に判定ロジックとして示されていることから理解されるように、1周期をピーク時間領域と0値時間領域を判別できるように数個に分割し、各相の時間ごとの状態と、フィルタ部21から出力された出力波形を比較することで、どの相で放電事象が検出されたかを特定することができる。なお、図12に示す例では1周期を16分割している。
この際、フィルタ部21の出力と各相に設定されたピーク時間領域(A領域、A’領域)の出力が一致、または、ピーク時間領域の出力の周期が一致しているかを調べることで、放電事象を検出した相の特定を行うようにするのが好ましい。
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、フィルタ部は放電検出ユニットに備わっていてもよいし、放電検出ユニットに別途接続するものであってもよい。
1 放電検出ユニット
21 フィルタ部
22 増幅部
23 位相角設定部
24 位相分割部
25 平滑部
26 判定部
21 フィルタ部
22 増幅部
23 位相角設定部
24 位相分割部
25 平滑部
26 判定部
Claims (7)
- 相ごとに異なる位相角を持つ配線システムの相ごとの計測開始点を設定可能な位相角設定部と、
ノイズ出力が見られたタイミングと、計測開始点若しくは計測開始点を基準に定められた判定用時間帯を基に、いずれの相で放電事象を検出したのかを判定可能な判定部と、
を備える放電検出ユニット。 - 位相角設定部は、検出された波形から1つの相について計測開始点を決定し、前記決定した計測開始点を基準にして所定時間ずらすように演算して他の相の計測開始点を定めることが可能な請求項1に記載の放電検出ユニット。
- 位相角設定部は、各相の検出された波形から計測開始点を決定することが可能な請求項1に記載の放電検出ユニット。
- 位相分割部は、各相において、フィルタ部で取り出した出力波形に関する商用周波数におけるピークの前後の領域を含むピーク時間領域と、商用周波数における出力が0値となる前後の0値時間領域と、を区別するように定め、
判定部は、ピーク時間領域の出力と、ピーク時間領域の前後何れかの0値時間領域の出力との差分を求める演算を行い、その差分が所定の第1の閾値以上の出力がある相において放電事象が生じたと判定する請求項1から3の何れかに記載の放電検出ユニット。 - 位相分割部は、各相において、フィルタ部で取り出した出力波形に関する商用周波数におけるピークの前後の領域を含むピーク時間領域を定め、
判定部は、ノイズ出力が見られたタイミングとピーク時間領域が1つの相だけで一致する場合、その相で放電事象を検出したと判定する請求項1から3の何れかに記載の放電検出ユニット。 - 判定部は、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値以上である相が複数ある場合に、判定ができない状況である旨を外部に通知する請求項4または請求項5に記載の放電検出ユニット。
- 判定部は、0値時間領域のタイミングにおける出力が第2の閾値以上である相が複数ある場合に、フィルタ部で取り出した出力波形の増幅割合を低下させる請求項4から6の何れかに記載の放電検出ユニット。
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EP4403936A1 (en) | 2024-07-24 |
WO2023074677A1 (ja) | 2023-05-04 |
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