JP4668813B2 - 部分放電計測装置 - Google Patents

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本発明は、モータ等の被計測機器の部分放電を計測する部分放電計測装置に係り、特に、計測された部分放電の発生個所が、機器の相間であるか対地間であるかの判別を可能とするものである。
特許文献1には、電源からインバータを介して電力の授受を行う回転電機と、この回転電機とインバータを結ぶ主回路に接続された過電圧抑制フィルタとを備え、回転電機口出しからフィルタに流れる部分放電電流をCカップリングの抵抗に発生する電圧で検出し、検出した部分放電電流の極性から、部分放電発生相を判別することを特徴とするインバータ駆動回転電機システムが開示されている。
特開2003−143862号公報(段落0007〜0015、図1)
このような部分放電計測用回路装置では、部分放電発生相を判別できるものの、部分放電発生箇所(相間あるいは対地間)を判別するまでには至らず、従って、機器の絶縁対策等への反映が十分になし得ないという問題点があった。
他に、部分放電の発生に伴う電磁波等を複数個所に設置したアンテナで直接受信してその発生個所を追求するという方法が知られているが、計測のための設備が複雑高価となり、計測の作業も繁雑で小型の機器等では精度面でも期待できるものではない。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、被計測機器の部分放電発生箇所(相間あるいは対地間)を簡単安価に判別することのできる部分放電計測装置を得ることを目的としている。
第1の発明に係る部分放電計測装置は、被計測機器の部分放電を計測する部分放電計測装置であって、
パルス幅変調制御により直流電圧を交流電圧に変換して被計測機器に供給するインバータ、直流電圧を調整する電圧調整手段、被計測機器から発生する部分放電の発生頻度を計測する部分放電計測手段、および電圧調整手段により直流電圧を部分放電が発生しない低いレベルから上昇させたときの部分放電計測手段により計測される部分放電の発生頻度の変化状態から当該部分放電が被計測機器の相間で発生しているものか対地間で発生しているものかの判別を行う部分放電判別手段を備え
上記部分放電判別手段は、上記直流電圧を連続的に上昇させる過程で計測される部分放電の発生頻度が、上記インバータが出力する交流電圧の基本波周波数の2倍となる状態が所定の電圧上昇範囲で継続したときは、当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生していると判定し、上記基本周波数の2倍となる点を連続的に通過するときは、当該部分放電が上記被計測機器の対地間で発生していると判定するものである。
また、第2の発明に係る部分放電計測装置は、パルス幅変調制御により直流電圧を交流電圧に変換するインバータの上記交流電圧が供給される被計測機器の部分放電を計測する部分放電計測装置であって、
上記直流電圧を調整する電圧調整手段、上記被計測機器から発生する部分放電の発生頻度を計測する部分放電計測手段、および上記電圧調整手段により上記直流電圧を部分放電が発生しない低いレベルから上昇させたときの上記部分放電計測手段により計測される部分放電の発生頻度の変化状態から当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生しているものか対地間で発生しているものかの判別を行う部分放電判別手段を備え、
上記部分放電判別手段は、上記直流電圧を連続的に上昇させる過程で計測される部分放電の発生頻度が、上記インバータが出力する交流電圧の基本波周波数の2倍となる状態が所定の電圧上昇範囲で継続したときは、当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生していると判定し、上記基本周波数の2倍となる点を連続的に通過するときは、当該部分放電が上記被計測機器の対地間で発生していると判定するものである。
以上のように、この発明に係る部分放電計測装置においては、パルス幅変調制御で動作するインバータの交流電圧出力波形に基づく、相間と対地間での部分放電発生現象の差異に着目し、計測される部分放電の発生頻度の変化状態から当該部分放電が被計測機器の相間で発生しているものか対地間で発生しているものかの判別を行う部分放電判別手段を備えたので、被計測機器の部分放電発生箇所(相間あるいは対地間)を簡単安価に判別することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による部分放電計測装置の構成を示したものである。この実施の形態1は、元々、インバータ駆動システムのモータ、即ち、インバータ装置3の交流電圧出力によって駆動されるモータ5を、部分放電計測の対象である被計測機器とする場合で、図の符号13で囲んだ部分が、部分放電の計測のために付加する部分放電計測装置である。
図において、インバータ装置3は、三相AC電源1の電圧を直流電圧に変換するコンバータ3Aと、このコンバータ3Aの出力側に接続された平滑コンデンサ3Cと、この平滑コンデンサ3Cの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ3Bとを備えている。そして、インバータ装置3の出力電圧が給電ケーブル4を経てモータ5に供給される。
部分放電計測装置13は、モータ5の入力端子部に接続可能なコンデンサ9と検出抵抗10とからなり部分放電信号を得るCカップリング11と、このCカップリング11の出力部の信号に含まれる低周波ノイズを除去するハイパスフィルタ12と、このハイパスフィルタ12の出力に含まれる放電パルス信号の発生頻度を計測する計測カウンタ6と、インバータ装置3の電源入力部の三相AC電源1に接続され、AC電圧の値を調整可能な三相電圧調整器2と、インバータ装置3のDC母線電圧、インバータ装置3の入力AC電圧の相間電圧または対地間電圧、インバータ装置3の出力電圧の相間電圧または対地間電圧のいずれかの電圧を計測し、計測した電圧と計測カウンタ6で計測した放電パルスの発生頻度との関係を処理し、部分放電発生箇所を判別する計測処理部7と、この計測処理部7により判定した部分放電発生箇所を出力する部分放電発生箇所判別結果出力部8とを備えている。
ここで、Cカップリング11とハイパスフィルタ12と計測カウンタ6とで、本願請求項にいう部分放電計測手段を構成する。また、三相電圧調整器2および計測処理部7が、同じくそれぞれ電圧調整手段および部分放電判別手段を構成する。
なお、図1では、Cカップリング11、ハイパスフィルタ12を各三組備え、インバータシステムの三相に接続されるような構成になっているが、Cカップリング11、ハイパスフィルタ12は必ずしも三組備える必要はなく、Cカップリング11、ハイパスフィルタ12をそれぞれ一組以上備えていればよい。Cカップリング11、ハイパスフィルタ12を一組備えた場合、任意の一相の部分放電信号を測定することになる。
この発明は、周知のパルス幅変調(Pulse Width Modulation.以下、PWMと呼ぶ)制御、即ち、インバータが出力する基本周波数よりも高い周波数のキャリア波を使用し、スイッチング素子により電源となる直流電圧の時間幅と極性が制御されてモータに印加された場合の電圧の挙動とそれに対するモータの絶縁特性に着目して部分放電発生個所を判別するもので、以下、先ず、このインバータの動作とモータへの印加電圧の形態について説明する。
図2は、インバータ装置3の内部構成を示す回路図である。図2において、三相AC電源1の電圧をコンバータ3Aの三相ブリッジ回路にて整流したDC電圧のhigh側およびlow側の対地間電圧を、各々V、V、コンバータ3Aの出力端の平滑コンデンサ3CのDC電圧をVdc、インバータ3BのU、V、W各相のhigh側およびlow側のスイッチング素子を、各々、SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6とする。
先ず、インバータ3Bの出力端における、U相─V相間の相間電圧をVpとすると、SW1、SW4がON、SW2,SW3がOFFであれば、Vp=V−V=+Vdc、SW2、SW3がON、SW1、SW4がOFFであれば、Vp=V−V=−Vdc、SW1、SW3がON、SW2、SW4がOFFであれば、Vp=V−V=0、SW2、SW4がON、SW1、SW3がOFFであれば、Vp=V−V=0となる。即ち、Vpは、+Vdc、0、−Vdcのいずれかの値となり、原理的には、図3のような極性を持つPWM波形を出力する。そして、この極性反転は、インバータ3Bの出力電圧の基本波周波数で発生するので、その極性反転が発生する頻度は当該基本周波数の2倍となる。なお、図4は、現実の諸元で計測されたときの相間電圧Vpの波形を示す。
次に、インバータ3Bの出力端における、U相対地間電圧をVgとすると、SW1がON、SW2がOFFであれば、Vg=V、SW1がOFF、SW2がONであれば、Vg=Vとなる。即ち、Vgは、VあるいはVのいずれかの値となる。図5は、横軸を経過時間、縦軸をV,Vの電圧とするコンバータの三相ブリッジ回路を回路解析した結果である。V,Vは共に脈動し、常にV−V=Vdcであることが確認できる。
図6は、現実の諸元で計測されたときの対地間電圧Vgの波形を示す。即ち、対地間電圧Vgは、キャリア波の周波数で交番する電圧となる。図6からも分かるように、後段でも触れるが、対地間電圧Vgは、モータ5を含む回路の静電容量等の関係で、その両極性の波高値V、Vが共に脈動している。
ところで、このインバータ3Bから出力されるPWM波形が、給電ケーブル4を介してモータ5に印加するとサージを含む波形となる。インバータ3Bから出力される電圧は、急峻な立ち上がり、立ち下がりを持つパルス電圧であり、パルス電圧の立ち上がり時間はスイッチング素子の高速動作化によって数100nsecに達している。このような急峻な電圧がケーブル4を介してモータ5に印加されると、ケーブル─モータ間およびケーブル─インバータ間のインピーダンス不整合により電圧の反射が起こり、インバータ3Bから出力される電圧に反射波が重畳し、インバータ3Bの出力電圧の変化量の最高2倍の波高値を持つサージ電圧がモータ5の入力端子部に発生することが知られている。
この反射による最高2倍のサージは、あるケーブル長以上になると発生する。この2倍サージの波高値を持つサージがモータ5の入力端子部に発生するのは、一般にはモータ─インバータ間のケーブルを電気信号が往復する時間がインバータの出力信号の立ち上がり時間を越えた時であり、例えば、100nsの立ち上がり時間を持つインバータでは、電気信号の伝播速度150m/μsとすると、7.5m以上のケーブルを接続するとこの2倍のサージ電圧が発生する。
相間電圧はインバータ3Bの出力端子部では、図4のような、+Vdcあるいは−Vdcをキャリア周波数でチョッピングした波形になるが、前述したケーブル長以上のケーブル4を接続してモータ5をインバータ駆動した時には、モータ5の入力端子部には、図7のような矩形波の立ち上がり時、立ち下がり時にサージが発生した波形を呈する。モータ5の入力端子部の相間電圧の波高値をVp’、矩形波のpeak-peak値をVp’、一周期における相間電圧のpeak-peak値をVp’とした時、Vp’≒2Vdc、Vp’≒3Vdc、Vp’≒4Vdcとなる。
他方、モータ5の入力端子部の対地間電圧については、インバータ3Bの出力端子部では、図6のように、peak-peak値がVg=Vdcであったのが、モータ5の入力端子部では図8のように立ち上がり、立ち下がり時にサージが発生し、対地間電圧のpeak-peak値をVg’とすると、Vg’=3Vdc程度になる。
上述したケーブル伝搬によるサージ電圧発生の現象の理解を補助するため、インバータ3Bの出力端子部の電圧を、先に図3で模式的に示した波形で表した場合に対応する、モータ5の入力端子部でのサージを伴う電圧の波形を図9に示す。
なお、以上では、既述した通り、ケーブル長の条件で最高の2倍のサージ電圧が発生する場合について説明したが、ケーブル長等の条件が異なり、k(1≦k≦2)倍のサージが発生する場合は、図9における各発生電圧は、順に、k・Vdc、(2k−1)・Vdc、2k・Vdcとなる。
上述したように、インバータ駆動時にモータ5に印加される電圧は、相間と対地間で波形の様相が異なる。このことを利用して部分放電発生箇所の判定を行う方法について以下に述べる。
インバータ3BのDC母線電圧と部分放電発生頻度との関係を相間、対地間各々について図10を用いて説明する。図10は、横軸をインバータ3BのDC母線電圧(部分放電が発生し始めるインバータ3BのDC母線電圧を1.0とする)、縦軸を部分放電の発生頻度とし、相間で部分放電が発生した時(図中、実線の特性)、対地間で部分放電が発生した時(図中、破線の特性)の各々に対するインバータ3BのDC母線電圧と部分放電発生頻度との関係を示したものである。
はじめに、部分放電発生箇所が相間絶縁部であった時の部分放電発生頻度特性について述べる。モータ5の入力端子部での相間の電圧波形は図4で示したように極性を持つ、即ち、基本周波数で極性が反転することを特徴とする。そして、図9でも説明したように、キャリア周波数によりチョッピングされた矩形波の立ち上がり、立ち下がりのタイミングで発生するサージ電圧(図9の例では3・Vdc)より、基本波周波数で極性が反転するタイミングで発生するサージ電圧(図9の例では4・Vdc)の方が高くなる。従って、三相電圧調整器2によりインバータ3BのDC母線電圧を部分放電が発生しないレベルから徐々に上昇させていった場合、図7の一周期における相間電圧のpeak-peak値をVp’、相間の部分放電開始電圧のpeak-peak値をVpiとした時、Vp’>Vpiを満たした時点で、先ず、図11に示すように極性が反転するタイミングで部分放電が発生する。
このときの部分放電発生は極性反転毎に発生し、極性反転はインバータ出力の基本波に応じて生じるので、部分放電発生頻度はインバータ出力電圧の基本波周波数の2倍(図10のn1)になる。相間の部分放電開始電圧は、図10のaに相当する。さらに、インバータ3BのDC母線電圧を上げ、図7においてキャリア周波数によりチョッピングされた矩形波の立ち上がり時のサージ電圧波高値と立ち下がり時のサージ電圧波高値の差をVp’とした時、Vp’>Vpiとなった時点でキャリア周波数で発生する矩形波毎に部分放電が発生する。その発生頻度は、キャリア周波数の2倍(図10のn2)になる。これが、図10のbに相当する。
インバータ3Bから出力される電圧およびモータ5の入力端子部に印加される電圧は、インバータ3BのDC母線電圧と比例関係にあることから、部分放電開始時のインバータ3BのDC母線電圧をVdc(a)、各矩形波毎に部分放電が発生する時のインバータ3BのDC母線電圧をVdc(b)とすると、Vdc(b)/Vdc(a)=4/3≒1.33の関係となる。なお、既述したように、ケーブル長等の条件が異なり、2倍ではなくk倍のサージが発生する場合は、Vdc(b)/Vdc(a)=2k/(2k−1)となる。
なお、極性反転時に部分放電が発生し始める時のインバータ3BのDC母線電圧からキャリア周波数によりチョッピングされた矩形波毎に部分放電が発生し始める手前までのインバータ3BのDC母線電圧までの間の電圧、すなわち、図10のaからbに上昇するまでの間では、部分放電発生頻度は、同図に示すように、原理上、n1(インバータ出力電圧の基本波周波数×2)で一定となる。
次に、部分放電発生箇所が対地間絶縁部であった時の部分放電発生頻度特性について述べる。対地間の電圧波形は前記のように極性がなく、脈動のあるPWM波形を呈する。三相電圧調整器2によりインバータ3BのDC母線電圧を部分放電が発生しないレベルから徐々に上昇させていった場合、図8においてキャリア周波数によりチョッピングされた矩形波の立ち上がり時のサージ電圧波高値と立ち下がり時のサージ電圧波高値の差をVg’、 対地間の部分放電開始電圧のpeak-peak値をVgiとした時、Vg’がVgiに近づいた時に、図12のように部分放電が発生し始める。ここで、近づいたと表現したのは対地間に印加される電圧波形の脈動が影響し、運転中におけるpeak値がVgiよりも高くなるため、Vg’がVgiよりもやや低い電圧で部分放電が発生し始めることを意味する。
即ち、図10の対地間の特性は、電圧波形の脈動がなければ特性は垂直に立ち上がるが、実際には電圧波形が脈動するため、後述する頻度n2で発生するより低い電圧から部分放電が発生する。図10のcの部分が相当する。そして、インバータ3BのDC母線電圧を少し上昇させ、Vg’がVgiに達するとキャリア周波数で発生する矩形波毎に部分放電が発生する。これが図10のdに相当する。相間の部分放電頻度特性に比べ、部分放電開始電圧から矩形波毎に部分放電が発生するまでに上昇させるインバータ3BのDC母線電圧が小さい。このように、部分放電発生箇所が相間と対地間の場合で、インバータ3のDC母線電圧に対する部分放電発生頻度特性が異なる。
なお、図10では例として、インバータ3BのDC母線電圧と部分放電発生頻度の関係を示したが、インバータ3Bの母線電圧とインバータ入力AC電圧の相間電圧または対地間電圧、インバータ出力電圧の相間電圧または対地間電圧は比例するので、インバータ入力AC電圧の相間電圧または対地間電圧、インバータ出力電圧の相間電圧または対地間電圧のいずれかの電圧と部分放電発生頻度を計測しても、図10と同様の関係が得られ、部分放電の発生箇所を判別できる。従って、以下では、簡単に、インバータ3BのDC母線電圧のみを示すが、上述の電圧を計測してもよい。
上記の方法に基づき、インバータ3BのDC母線電圧に対する部分放電パルスの発生頻度を計測し、部分放電発生頻度とインバータ3BのDC母線電圧との関係が、部分放電発生開始後、部分放電発生頻度がインバータ出力電圧の基本波周波数の2倍で一定の領域がある場合、換言すれば、三相電圧調整器2によりインバータ3BのDC母線電圧を部分放電が発生しないレベルから徐々に上昇させていった場合、部分放電発生頻度がインバータ出力電圧の基本波周波数の2倍となる状態が所定の電圧上昇範囲で継続する場合は、相間が、当該部分放電発生箇所であり、部分放電の発生頻度が電圧の上昇に伴い単調に増加する場合、換言すれば、部分放電発生頻度が基本波周波数の2倍となる点を連続的に通過する場合は、対地間が、当該部分放電発生箇所と判定する。
なお、部分放電が発生する相の判別は、図1のようにCカップリング11、ハイパスフィルタ12を各三組備え、インバータシステムの三相に接続されるような構成にし、部分放電信号強度を測定することにより判別できる。
実施の形態2.
図13は、この発明の実施の形態2における部分放電計測装置の構成を示す。図13において部分放電計測装置14自体にインバータ装置3を備えている。図1の使用例と異なる点としては、1)モータ5に接続されるインバータ装置3を用いる必要がない(インバータが手元にない場合等)、2)モータ端子の結線を変更するだけでよい、等が挙げられる。なお、計測の要領は、先の実施の形態1の場合と全く同様に部分放電発生個所を簡便に計測判定することができる。
実施の形態3.
図14は、この発明の実施の形態3における部分放電計測装置の構成を示す。ここでは、部分放電計測手段の変形例について説明する。即ち、先の形態例におけるCカップリング11とハイパスフィルタ12に替わって、この部分放電計測装置17は、インバータ駆動システムのモータ5の近傍に設置ができ、部分放電発生時の放電電磁波を検出可能な高周波アンテナ15と、モータ回転状態においてモータ回転軸を接地する接地手段であるブラシ16と、高周波アンテナ15からの放電パルス信号の発生頻度計測用の計測カウンタ6とを備えている。その他の部分は、先の形態例と同様であるので説明を省略する。
ブラシ16は、モータ5をインバータ駆動した際、ベアリング内部の油膜放電にて発生する電磁波を除去し、モータコイルで発生する部分放電の電磁波のみをアンテナで受信計測するためのものである。
この部分放電計測装置17により、実施の形態1で示したと同様の部分放電計測方法を用いて部分放電発生箇所(相間あるいは対地間)を判別することができる。
以上のように、この発明の実施の形態3の部分放電計測装置は、主回路との電気的な接続が要らない高周波アンテナ15を使用し、しかも、ブラシ16を使用してノイズを抑制しているので、簡便に部分放電を計測することができる。
実施の形態4.
図15は、この発明の実施の形態4における部分放電計測装置の構成を示す。ここでは、部分放電計測手段の変形例について説明する。即ち、先の形態1におけるCカップリング11とハイパスフィルタ12に替わって、高周波カレントトランス18とハイパスフィルタ12とを備えている。部分放電計測装置19は、インバータ駆動システムの給電ケーブル4のモータ5の入力端子部に接続され、部分放電信号を得る高周波カレントトランス18と、その高周波カレントトランス18の出力部の信号に含まれる低周波ノイズを除去するハイパスフィルタ12とを備えている。その他の部分は、先の形態例と同様であるので説明を省略する。
この部分放電計測装置19により、実施の形態1で示したと同様の部分放電計測方法を用いて部分放電発生箇所(相間あるいは対地間)を判別することができる。
なお、図15では、高周波カレントトランス18、ハイパスフィルタ12を各三組備え、インバータシステムの三相に接続されるような構成になっているが、高周波カレントトランス18、ハイパスフィルタ12は必ずしも三組備える必要はなく、高周波カレントトランス18、ハイパスフィルタ12をそれぞれ一組以上備えていればよい。高周波カレントトランス18、ハイパスフィルタ12を一組備えた場合、任意の一相の部分放電信号を測定することになる。
以上のように、この発明の実施の形態4の部分放電計測装置は、高周波カレントトランス18を使用して簡単な構成で部分放電信号を得ることができる。
なお、以上の各実施の形態では、いずれも、被計測機器がモータの場合について説明したが、変圧器等静止機器であってもよい。また、三相機に限らず、単相機、六相機、九相機等であってもよい。例えば、単相機の場合、三相機で相間と称しているものは、単相機では、例えば、U、V端子間とすればよい。
また、この発明の各変形例において、インバータを、交流電源の電圧を直流電圧に変換するコンバータから上記直流電圧が供給されるものとし、
電圧調整手段は、交流電源とコンバータとの間に挿入された交流電圧調整器で構成したので、直流電圧の調整が、電圧変換が容易な交流電圧調整器で行うことができる。
また、被計測機器が三相機であって、インバータが三相交流電圧を被計測機器に供給する場合、部分放電計測手段を相毎に設けたので、部分放電が発生する相を判別することができる。
また、被計測機器が回転電機であって、部分放電計測手段が回転電機の近傍に設置した高周波アンテナを使用して部分放電を計測するものの場合、回転電機の回転軸を接地する接地手段を備えたので、ノイズを抑制して部分放電を簡便に計測することができる。
この発明の実施の形態1における部分放電計測装置の構成を示す図である。 図1のインバータ装置3の内部構成を示す回路図である。 インバータ3Bの出力電圧波形を模式的に示す波形図である。 現実の諸元で計測された相間電圧を示す波形図である。 三相ブリッジ回路の電圧V、Vを示す波形図である。 現実の諸元で計測された対地間電圧を示す波形図である。 モータ5の入力端子部に印加される相間電圧を示す波形図である。 モータ5の入力端子部に印加される対地間電圧を示す波形図である。 モータ5の入力端子部でのサージを伴う相間電圧を模式的に示す波形図である。 部分放電が相間で発生した場合、対地間で発生した場合のそれぞれについて、インバータ3BのDC母線電圧と部分放電発生頻度との関係を示す図である。 モータ5の入力端子部の相間において、極性反転時に発生する部分放電信号を示す波形図である。 モータ5の入力端子部の対地間において発生する部分放電信号を示す波形図である。 この発明の実施の形態2における部分放電計測装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3における部分放電計測装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態4における部分放電計測装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 三相AC電源、2 三相電圧調整器、3 インバータ装置、3A コンバータ、
3B インバータ、3C 平滑コンデンサ、4 ケーブル、5 モータ、
6 計測カウンタ、7 計測処理部、8 部分放電発生箇所判別結果出力部、
9 コンデンサ、10 検出抵抗、11 Cカップリング、12 ハイパスフィルタ、
13,14,17,19 部分放電計測装置、15 高周波アンテナ、16 ブラシ、
18 高周波カレントトランス。

Claims (5)

  1. 被計測機器の部分放電を計測する部分放電計測装置であって、
    パルス幅変調制御により直流電圧を交流電圧に変換して上記被計測機器に供給するインバータ、上記直流電圧を調整する電圧調整手段、上記被計測機器から発生する部分放電の発生頻度を計測する部分放電計測手段、および上記電圧調整手段により上記直流電圧を部分放電が発生しない低いレベルから上昇させたときの上記部分放電計測手段により計測される部分放電の発生頻度の変化状態から当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生しているものか対地間で発生しているものかの判別を行う部分放電判別手段を備え
    上記部分放電判別手段は、上記直流電圧を連続的に上昇させる過程で計測される部分放電の発生頻度が、上記インバータが出力する交流電圧の基本波周波数の2倍となる状態が所定の電圧上昇範囲で継続したときは、当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生していると判定し、上記基本周波数の2倍となる点を連続的に通過するときは、当該部分放電が上記被計測機器の対地間で発生していると判定することを特徴とする部分放電計測装置。
  2. パルス幅変調制御により直流電圧を交流電圧に変換するインバータの上記交流電圧が供給される被計測機器の部分放電を計測する部分放電計測装置であって、
    上記直流電圧を調整する電圧調整手段、上記被計測機器から発生する部分放電の発生頻度を計測する部分放電計測手段、および上記電圧調整手段により上記直流電圧を部分放電が発生しない低いレベルから上昇させたときの上記部分放電計測手段により計測される部分放電の発生頻度の変化状態から当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生しているものか対地間で発生しているものかの判別を行う部分放電判別手段を備え、
    上記部分放電判別手段は、上記直流電圧を連続的に上昇させる過程で計測される部分放電の発生頻度が、上記インバータが出力する交流電圧の基本波周波数の2倍となる状態が所定の電圧上昇範囲で継続したときは、当該部分放電が上記被計測機器の相間で発生していると判定し、上記基本周波数の2倍となる点を連続的に通過するときは、当該部分放電が上記被計測機器の対地間で発生していると判定することを特徴とする部分放電計測装置。
  3. 上記インバータを、交流電源の電圧を直流電圧に変換するコンバータから上記直流電圧が供給されるものとし、
    上記電圧調整手段は、上記交流電源とコンバータとの間に挿入された交流電圧調整器で構成したことを特徴とする請求項1または2記載の部分放電計測装置。
  4. 上記被計測機器が三相機であって、上記インバータが三相交流電圧を上記被計測機器に供給する場合、
    上記部分放電計測手段を上記相毎に設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の部分放電計測装置。
  5. 上記被計測機器が回転電機であって、上記部分放電計測手段が上記回転電機の近傍に設置した高周波アンテナを使用して部分放電を計測するものの場合、
    上記回転電機の回転軸を接地する接地手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の部分放電計測装置。
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