JP3908030B2 - トーン検出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トーン検出器に係り、特に、コストがかからず、誤検出の少ないトーン信号検出を行うトーン検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置などの通信装置では、DTMF信号や数種類のトーン信号を検出する必要がある。この中には、1種類のトーン信号(以下、シングルトーンと称する)を検出する場合や同時に2種類のトーン信号(以下、デュアルトーンと称する)を検出する場合がある。
【0003】
従来、これらのトーン信号を検出するためには、DTMF信号用の検出器、シングルトーン用の検出器、デュアルトーン用の検出器といったように、個別に用途を特化した検出器を備えて、検出を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の検出器では、個別に用途を特化して検出を行うため、ハードウェアで構成する場合、コストがかかったり、部品点数の増大を招くことになっていた。また、ソフトウェアで構成する場合では、各検出器に対し、別々の処理が必要になり、処理速度の増大を招くため、他の通信に必要な処理に演算能力を回せず、CPU等、演算装置の能力不足を引き起こしていた。
【0005】
そこで、本発明は、検出対象ごとに別々の処理を行うのではなく、DTMFの各トーン、シングル・デュアルの各トーンを同列で処理を行いながら、すべての信号を等しく扱い、各トーンの周波数ごとでパワースペクトルを求め、そのパワーの大きさの比で、正確なシングルトーン検出、デユアルトーン検出、DTMF検出を行うものである。これによって、コストのかからない、また、誤検出の少ないトーン検出が可能となる。
【0006】
ここで、パワースペクトルの求め方は、ハードウェアによっても良いし、ソフトウェアによっても良い。例えば、ソフトウェアによるDFT(離散フーリエ変換)演算を用いて求める。また、DFTに依らずに、FFT、最大エントロピー法、ウェーブレット変換等、別の方法を用いても良い。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、検出対象のシングルトーンの特徴量を抽出してトーン信号を検出するトーン信号検出器と、DTMF信号の特定の特徴量を抽出してDTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、前記DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、前記トーン信号検出器が検出した前記シングルトーンの特徴量が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、前記シングルトーンの検出判定を行うトーン判定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
この構成により、DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、トーン信号検出器が検出したシングルトーンの特徴量が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、シングルトーンの検出判定を行うので、DTMF信号の影響を受けてシングルトーンとして検出されてしまう誤検出を防止することができ、トーン信号検出器の各々は同等の機能で、正しいシングルトーン検出を行うことができる。
【0021】
請求項記載の発明は、上記課題を解決するため、検出対象のデュアルトーンの特徴量を抽出してトーン信号をそれぞれ検出する複数のトーン信号検出器と、DTMF信号の特定の特徴量を抽出してDTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、前記DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、前記トーン信号検出器が検出した前記デュアルトーン中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、前記デュアルトーンの検出判定を行うトーン判定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
この構成により、DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、トーン信号検出器が検出したデュアルトーン中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、デュアルトーンの検出判定を行うので、DTMF信号の影響を受けてデュアルトーンとして検出されてしまう誤検出を防止することができ、トーン信号検出器の各々は同等の機能で、正しいデュアルトーン検出を行うことができる。
【0029】
請求項記載の発明は、上記課題を解決するため、検出対象のDTMF信号の特徴量を抽出してDTMF信号をそれぞれ検出する複数のDTMF信号検出器と、シングル・デュアルトーン信号の特定の特徴量を抽出してシングル・デュアルトーン信号を検出するシングル・デュアルトーン検出器と、前記シングル・デュアルトーン検出器が検出した最大の特徴量よりも、前記DTMF信号検出器が検出した前記DTMF信号中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、前記DTMF信号の検出判定を行うトーン判定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0030】
この構成により、シングル・デュアルトーン信号検出器が検出した最大の特徴量よりも、DTMF信号検出器が検出したDTMF信号中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、DTMF信号の検出判定を行うので、シングル・デュアルトーンの影響を受けてDTMF信号として検出されてしまう誤検出を防止することができ、トーン信号検出器の各々は同等の機能で、正しいDTMF信号検出を行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0032】
本発明に係るトーン検出器の構成図を図1に示す。図1に示すトーン検出器10は、本発明のトーン検出を実施するための装置構成の一例である。
【0033】
ここでは、シングルトーン検出部が5系統(デュアルトーン検出もシングルトーン検出部を2系統使う)、DTMF検出部が1系統ある構成となっている(DTMF検出もシングルトーン検出部と同じ構成の検出部を8系統使う。図では、便宜上、まとめて1系統とする)。ここで、シングルトーン検出部は、5系統である必要はなく、同時に検出しなければいけない周波数分備えていればよく、5系統よりも少なくても良いし、多くても良い。ただ、シングルトーン検出のためには、最低1系統は必要とし、デュアルトーン検出のためには、最低2系統は必要とする。
【0034】
トーン検出器10は、図1に示すように、制御部11、A/D変換部12、メモリ部13、検出処理部A14、検出処理部B15、検出処理部C16、検出処理部D17、検出処理部E18、DTMF検出処理部F19、全体トーン検出処理部20および検出判定部21を備えている。
【0035】
制御部11は、トーン検出器10全体の制御を司るものであり、A/D変換部12は、トーン信号をデジタルデータに変換するものである。メモリ部13は、デジタル変換された信号データを保存したり、検出処理結果を保存したりするものである。検出処理部A14〜検出処理部E18は、シングルトーンのパワー算出処理を行うものであり、DTMF検出処理部F19は、DTMF信号の8つの周波数についてのパワー算出処理を行うものである。全体トーン検出処理部20は、入力信号全体のパワー算出処理を行うものであり、検出判定部21は、トーン検出を判定するものである。
【0036】
図1に示すトーン検出器10の動作説明に先立ち、本発明に係るトーン検出処理の動作原理を説明する。
【0037】
まず、検出したい各種DTMF信号やシングルトーン信号、デュアルトーン信号の周波数でのパワースペクトルを求める。
【0038】
ここで、求められた各種パワーのうち、受信信号全体のパワーをPALL、検出したいシングルトーンの周波数でのパワーをPS、検出したいデュアルトーンの2つの周波数でのパワーをPD1,PD2(パワーの大きさにおいてPD1>PD2)、検出したいDTMF信号の低群・高群周波数でのパワーを、パワーの大きい方をAパワーの小さい方をP B する。
【0039】
また、DTMF信号の各周波数のうち、最大のパワーを持ったもののパワーをPDTMF1、第2位のパワーを持ったもののパワーをPDTMF2、第3位のパワーを持ったもののパワーをPDTMF3、シングル・デュアルトーンのパワーの大きい順で第1位のものをP1、第2位のものをP2、第3位のものをP3とする。
【0040】
検出条件を、シングルトーン信号、デュアルトーン信号、DTMF信号それぞれで以下のように、4つ設ける。
【0041】
また、検出対象の信号が、シングルトーン信号、デュアルトーン信号、DTMF信号のいずれか、または、このうちの決まった2つの信号であることが分かっている場合には、必要な検出条件のみを処理すれば良い。例えば、対象信号がDTMF信号の場合、以下の条件1―3、条件2―3、条件3―3、条件4−3のみを処理すれば良い。
【0042】
まず、シングルトーン信号の検出処理の場合は、
条件1―1.
シングルトーンが最大トーンである場合に、検出したいシングルトーンの周波数でのパワーが、シングル・デュアルトーン検出器の中で1位を占める。
つまり、 PS=P1 を満たす。
概念図を、図2に示す。
【0043】
条件2―1.
受信信号のパワーの一定割合以上を、シングルトーンのパワーが占める。
つまり、 RA1×PS>PALL を満たす。
A1は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図3に示す。
【0044】
条件3―1.
最大トーンが突出している(最大トーンが2位トーンよりも十分大きい)。
つまり、 PS>RB1×P2 を満たす。
B1は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図4に示す。
【0045】
条件4―1.
DTMF検出器の出力の最大値(シングルトーンの影響がある場合は第2位のDTMF出力値)よりも、シングルトーンとして検出された信号が十分大きい。
つまり、 PS>RC1×PDTMF1 もしくは
S>RC1×PDTMF2 を満たす。
C1は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図5に示す。
【0046】
次に、デュアルトーン信号の検出処理の場合は、
条件1―2.
最大トーンと2位トーンがデュアルトーンの組である場合に、検出したいデュアルトーンの2つの周波数でのパワーが、シングル・デュアルトーン検出器の中で1、2位を占める。
つまり、 PD1=P1,PD2=P2 を満たす。
概念図を、図6に示す。
【0047】
条件2―2.
受信信号のパワーの一定割合以上を、デュアルトーンの1つの低群トーンと1つの高群トーンのパワーが占める。
つまり、 RA2×(PD1+PD2)>PALL を満たす。
A2は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図7に示す。
【0048】
条件3―2.
シングル・デュアルトーン検出器の中で3位とに大きな差がある。
つまり、 PD1>RB2×P3 かつ
D2>RC2×P3 を満たす。
B2、RC2は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図8に示す。
【0049】
条件4―2.
DTMF検出器の出力の最大値(デュアルトーンの影響がある場合は第2位のDTMF出力値)よりも、デュアルトーン中の第2位のトーンが十分大きい。
つまり、 PD2>RD2×PDTMF1 もしくは
D2>RD2×PDTMF2 を満たす。
D2は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図9に示す。
【0050】
次に、DTMF信号の検出処理の場合は、
条件1―3.
最大トーンと第2位トーンがDTMF信号の高群・低群の組である場合に、検出したいDTMF信号の低群・高群周波数でのパワーが、DTMF検出器の中で1、2位を占める。
つまり、 PA=PDTMF1,PB=PDTMF2 を満たす。
概念図を、図10に示す。
【0051】
条件2―3.
受信信号のパワーの一定割合以上を、DTMF信号の1つの低群トーンと1つの高群トーンのパワーが占める。
つまり、 RA3×(PA+PB)>PALL を満たす。
A3は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図11に示す。
【0052】
条件3―3.
8つの周波数を持ったDTMF信号の内、1つの低群トーンと1つの高群トーンが他のDTMF用トーン検出器の出力値よりも突出している。
つまり、 PA>RB3×PDTMF3 かつ
B>RC3×PDTMF3 を満たす。
B3、RC3は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図12に示す。
【0053】
条件4―3.
シングル・デュアルトーン検出器の最大出力値(DTMF信号の影響がある場合は第2位の出力値)よりもDTMFとして検出された信号が十分大きい。
つまり、 PB>RD3×P1 もしくは
B>RD3×P2 を満たす。
D3は予め決めておいた比率(定数)。
概念図を、図13に示す。
【0054】
条件1―1では、シングルトーンが、シングル・デュアルトーン検出器の中で1位を占めるかどうか調べる。これによって、目的のシングルトーンが受信信号中で最も大きいかわかる。1位を占めていなければ、検出したいシングルトーンは受信信号中で大きくなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、1位を占めていれば、検出したいシングルトーンは受信信号中で最も大きいとして、「検出」という結果を出す。
【0055】
条件1―2では、最大トーンと2位トーンがデュアルトーンの組である場合に、シングル・デュアルトーン検出器の中で1、2位を占めるかどうか調べる。これによって、デュアルトーンが受信信号中で最も大きいかわかる。1、2位を占めていなければ、検出したいデュアルトーンは受信信号中で大きくなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、1、2位を占めていれば、検出したいデュアルトーンは受信信号中で最も大きいとして、「検出」という結果を出す。
【0056】
条件1―3では、最大トーンと第2位トーンがDTMFの高群・低群の組である場合に、DTMF検出器の中で1、2位を占めるかどうか調べる。これによって、DTMF信号が受信信号中で最も大きいかがわかる。1、2位を占めていなければ、検出したいDTMF信号は受信信号中で大きくなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、1、2位を占めていれば、検出したいDTMF信号は受信信号中で最も大きいとして、「検出」という結果を出す。
【0057】
条件2―1では、受信信号パワーの一定割合以上を、シングルトーンのパワーが占めるかどうか調べる。これによって、受信信号中にシングルトーンの周波数成分のパワーがあるかわかる。一定の割合を占めていなければ、検出したいシングルトーンは受信信号中に存在しなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、一定の割合占めていれば、検出したいシングルトーンは受信信号中に存在したとして、「検出」という結果を出す。
【0058】
条件2―2では、受信信号のパワーの一定割合以上を、デュアルトーンの1つの低群トーンと1つの高群トーンのパワーが占めるかどうか調べる。これによって、受信信号中にデュアルトーンの2周波数成分のパワーがあるかわかる。一定の割合を占めていなければ、検出したいデュアルトーンは受信信号中に存在しなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、一定の割合占めていれば、検出したいデュアルトーンは受信信号中に存在したとして、「検出」という結果を出す。
【0059】
条件2―3では、受信信号の全体パワーの一定割合以上を、DTMF信号の1つの低群トーンと1つの高群トーンのパワーが占めるかどうか調べる。これによって、受信信号中にDTMF信号の2周波数成分のパワーがあるかわかる。一定の割合を占めていなければ、検出したいDTMF信号は受信信号中に存在しなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、一定の割合占めていれば、検出したいDTMF信号は受信信号中に存在したとして、「検出」という結果を出す。
【0060】
ここで、RA1、RA2、RA3は予め決めておいた比率(定数)であるが、これによって、検出の性能が決まる。検出は、値を小さくすれば厳しくなり、大きくすると緩くなる。概して、2〜4程度が良い。
【0061】
条件3―1では、最大トーンが2位トーンよりも十分大きいかどうか調べる。これによって、シングルトーンの周波数成分が突出しているかわかる。たとえば、無信号区間を検出しているときは、雑音として、いろいろな周波数成分を含んだ信号が入力される。この場合、1位と2位のトーン検出器には、たいした差がない。このように、一定の差がなければ、検出したいシングルトーンは受信信号中に存在しなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、逆に、シングルトーンが入力されると、1位の検出器のパワーは大きくなり、2位との差は大きくなる。つまり、一定の差があれば、検出したいシングルトーンは受信信号中に存在したとして、「検出」という結果を出す。
【0062】
条件3―2では、シングル・デュアルトーン検出器の中で3位とに差があるかどうか調べる。これによって、3位との差が十分大きく、デュアルトーンの周波数成分が突出しているかわかる。たとえば、上記と同様に、無信号区間を検出しているときは、雑音として、いろいろな周波数成分を含んだ信号が入力される。この場合、1位と2位と3位のトーン検出器には、たいした差がない。このように、一定の差がなければ、検出したいデュアルトーンは受信信号中に存在しなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、逆に、デュアルトーンが入力されると、1位、2位の検出器のパワーは大きくなり、3位との差は大きくなる。つまり、一定の差があれば、検出したいデュアルトーンは受信信号中に存在したとして、「検出」という結果を出す。
【0063】
条件3―3では、8つの周波数を持ったDTMF信号の内、1つの低群トーンと1つの高群トーンが他のDTMF用トーン検出器の出力値よりも突出しているかどうか調べる。これによって、3位との差が十分大きく、DTMF信号の周波数成分が突出しているかわかる。たとえば、上記と同様に、無信号区間を検出しているときは、雑音として、いろいろな周波数成分を含んだ信号が入力される。この場合、1位と2位と3位のDTMF用トーン検出器には、たいした差がない。このように、一定の差がなければ、検出したいDTMF信号は受信信号中に存在しなかったとして、「未検出」という結果を出す。また、逆に、DTMF信号が入力されると、1位、2位の検出器のパワーは大きくなり、3位は小さいため、1位、2位との差は大きくなる。つまり、一定の差があれば、検出したいDTMF信号は受信信号中に存在したとして、「検出」という結果を出す。
【0064】
ここで、RB1、RB2 C2、RB3 C3は予め決めておいた比率(定数)であるが、これによって、検出の性能が決まる。検出は、値を大きくすれば厳しくなり、小さくすると緩くなる。概して、RB1、RB2、RB3は8〜16程度、RC2、RC3は4〜10程度が良い。
【0065】
条件4―1では、シングルトーン検出対象時に、DTMF検出を同時に行っている場合において、DTMFとの比較で、DTMF検出器の出力の最大値よりも、シングルトーンが十分大きいかどうか調べる。これによって、DTMFの周波数成分のパワーが、周波数が近いためにシングルトーンの周波数成分のパワーとして入ってきたかどうかがわかる。
【0066】
シングルトーンの方のパワーが十分大きくなければ、DTMFの周波数成分のパワーが、周波数が近いためにシングルトーンの周波数成分のパワーとして入ってきたとして、「未検出」という結果を出す。また、十分大きければ、DTMFの周波数成分のパワーではなくシングルトーンの周波数成分のパワーだったとして、「検出」という結果を出す。
【0067】
しかし、シングルトーンとDTMFの周波数が近いと、どうしても、DTMFの周波数成分のパワーが、シングルトーンの周波数成分のパワーとして入ってきてしまうことがある。そのような場合には、シングルトーンとの比較に第2位のDTMF出力値を用いる。
【0068】
もし、入力信号がDTMF信号ならば、DTMF出力値の最大値の方だけでなく第2位のDTMF出力値もかなりのパワーをもっているため、これと比較すると、シングルトーンの方のパワーは十分大きくない。従って、「未検出」という結果を出せる。反対に、入力信号がDTMF信号でないならば、第2位のDTMF出力値のパワーは小さいのでこれと比較すると、シングルトーンの方のパワーは十分大きい。従って、「検出」という結果を出せる。
【0069】
条件4―2では、デュアルトーン検出対象時に、DTMF検出を同時に行っている場合において、DTMFとの比較で、DTMF検出器の出力の最大値よりも、デュアルトーン中の第2位のトーンが十分大きいかどうか調べる。これによって、DTMFの周波数成分のパワーが、周波数が近いためにデュアルトーンの周波数成分のパワーとして入ってきたかどうかがわかる。
【0070】
デュアルトーンの方のパワーが十分大きくなければ、DTMFの周波数成分のパワーが、周波数が近いためにデュアルトーンの周波数成分のパワーとして入ってきたとして、「未検出」という結果を出す。また、十分大きければ、DTMFの周波数成分のパワーではなくデュアルトーンの周波数成分のパワーだったとして、「検出」という結果を出す。
【0071】
ここで、上記同様、デュアルトーンとDTMFの周波数が近い場合には、デュアルトーン中の第2位のトーンとの比較に第2位のDTMF出力値を用いる。
【0072】
もし、入力信号がDTMF信号ならば、DTMF出力値の最大値の方だけでなく第2位のDTMF出力値もかなりのパワーをもっているため、これと比較すると、デュアルトーンの方のパワーは十分大きくない。従って、「未検出」という結果を出せる。反対に、入力信号がDTMF信号でないならば、第2位のDTMF出力値のパワーは小さいのでこれと比較すると、デュアルトーンの方のパワーは十分大きい。従って、「検出」という結果を出せる。
【0073】
条件4−3では、DTMF信号検出対象時に、トーン検出(シングル・デュアルを問わない)を同時に行っている場合において、トーン検出との比較で、シングル・デュアルトーン検出器の最大出力値よりもDTMF信号として検出された第2位の信号が十分大きいかどうか調べる。これによって、シングルトーンもしくはデュアルトーンの周波数成分のパワーが、周波数が近いためにDTMF信号の周波数成分のパワーとして入ってきたかどうかがわかる。
【0074】
DTMF信号の方のパワーが十分大きくなければ、シングルトーンもしくはデュアルトーンの周波数成分のパワーが、周波数が近いためにDTMF信号の周波数成分のパワーとして入ってきたとして、「未検出」という結果を出す。また、十分大きければ、シングルトーンもしくはデュアルトーンの周波数成分のパワーではなくDTMF信号の周波数成分のパワーだったとして、「検出」という結果を出す。
【0075】
しかし、シングルトーンもしくはデュアルトーンとDTMF信号の周波数が近いと、どうしても、シングルトーンもしくはデュアルトーンの周波数成分のパワーが、DTMF信号の周波数成分のパワーとして入ってきてしまうことがある。そのような場合には、DTMF出力値の第2位のトーンとの比較にシングルトーンもしくはデュアルトーンの第2位の出力値を用いる。
【0076】
もし、入力信号がDTMF信号ではなく、シングルトーンもしくはデュアルトーンならば、シングルトーンもしくはデュアルトーンはかなりのパワーをもっているため、これと比較すると、DTMF出力値の第2位のパワーは十分大きくない。従って、「未検出」という結果を出せる。反対に、入力信号がシングルトーンもしくはデュアルトーンでなく、DTMF信号ならば、シングルトーンもしくはデュアルトーンのパワーは小さいのでこれと比較すると、第2位でもDTMF出力値のパワーは十分大きい。従って、「検出」という結果を出せる。
【0077】
ここで、RC1、RD2、RD3は予め決めておいた比率(定数)であるが、これによって、検出の性能が決まる。検出は、値を大きくすれば厳しくなり、小さくすると緩くなる。概して、RC1は8〜16程度、RD2、RD3は4〜10程度が良い。
【0078】
また、条件1と条件2と条件3は、条件としては、別々に独立して良い。ただ、条件1と条件2、条件1と条件3、条件2と条件3、条件1と条件2と条件3のように、それぞれの条件を組み合わせた方が、より正確で、誤検出の少ない検出ができる。この場合、条件1と条件2と条件3を組み合わせたときが、一番正確な検出を行うことができる。
【0079】
ここで、トーン信号検出判定処理を示すフローチャートを図14、図15、図16に示す。
【0080】
以下、上記条件に従って、トーン信号検出処理を行うトーン検出器10の動作を説明する。
【0081】
まず、検出処理部A14に検出すべきシングルトーンの周波数についてパワー算出ができるように設定しておく。また、検出処理部B15と検出処理部C16にデュアルトーンのそれぞれの周波数についてパワー算出ができるように設定しておく。さらに、DTMF検出処理部F19の8系統の検出器について、DTMFのそれぞれの周波数についてパワー算出ができるように設定しておく。
【0082】
また、DTMF検出処理部F19において、8系統の検出部のうち、目的の周波数の信号検出のために使う検出処理部を、それぞれ、検出処理部FA191と検出処理部FB192と表す。
【0083】
ここで、シングルトーンとデュアルトーンのそれぞれの周波数についてのパワー算出に、検出処理部A14、検出処理部B15、検出処理部C16を使用したが、検出処理部A14〜検出処理部E18のうち、どれを使用しても良い。残りの検出処理部D17〜検出処理部E18は、同時に検出を行わなければならない信号があれば、その周波数についてパワー算出ができるように設定しておく。もし、同時に検出を行わなければならない信号がなければ、その処理部の全部もしくはいくつかは、検出処理を行わないようにしておくと、無駄な処理を行わなくて良い。
【0084】
ここでは、同時に検出する信号があるとして、検出処理部D17〜検出処理部E18も、適宜、周波数設定をしておくことにする。但し、当然のことながら、検出処理部A14、検出処理部B15、検出処理部C16、DTMF検出処理部F19で設定した周波数以外のものとする。
【0085】
また、シングルトーン、デュアルトーン、DTMF信号のうち検出を行わなくても良い信号があれば、その信号を検出する検出処理部も、検出処理を行わないようにしておくと、無駄な処理を行わなくて良い。
【0086】
制御部11からトーン検出処理の開始が命じられると、A/D変換部12で、受信したトーン信号をサンプリングし、デジタル信号データにして、メモリ部13に送る。メモリ部13は、その送られたデータを順次格納する。
【0087】
決められた時間が経ち、ある一定のデータがメモリ部13に溜まったなら、制御部11は、検出処理部A14〜検出処理部E18にデジタル信号データを渡し、各自にあらかじめ設定されている周波数でのパワーを求めるよう、検出処理を行わせる。また、同じデータをDTMF信号の8つの周波数でのパワーを求めるよう、DTMF検出処理部F19に渡し、検出処理を行わせる。さらに、A/D変換部12に入力された信号全体のパワーを求めるよう、全体トーン検出処理部20にも処理を行わせる。
【0088】
ここでは、それぞれの検出処理部では、DFT(離散フーリエ変換)演算で、パワーを求めるが、最大エントロピー法やFFT演算など、DFT演算に限らずに、別の方法でも良い。検出処理部A14〜検出処理部E18、DTMF検出処理部F19、 全体トーン検出処理部20、それぞれで、検出処理が完了したら、その旨を制御部11に通知する。
【0089】
7つの検出処理部(検出処理部A14〜検出処理部E18、DTMF検出処理部F19、 全体トーン検出処理部20)で検出処理が終わったら、制御部11は、各検出処理部に、その求められた各パワー値を検出判定部21に送るよう命じる。検出判定部21が、各検出処理部から求められた各パワー値を受け取ると、判定処理をスタートする。
【0090】
判定処理では、まず、シングルトーン信号の検出処理として、前述の条件1―1についてチェックを行う。
【0091】
すなわち、検出処理部A14〜検出処理部E18から送られたパワー値の中で、検出処理部A14のパワー値が1位の大きさを占めるか調べる。もし、ここで、1位を占めていれば、条件1―1はパスしたとする。反対に、1位を占めていなければ、条件1―1はパスしなかったとする。この条件1―1がパスしなかったら、入力信号中に、シングルトーンの周波数成分が存在しなかったと判断でき、シングルトーンの検出ができなかったと判定する。
【0092】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0093】
もし、この条件1―1がパスしたら、次の条件2―1のチェックに進む。シングルトーンの検出ができず、他の信号の検出処理を行うのであれば、条件1−2のチェックに進む。
【0094】
条件2―1では、受信パワーの一定割合以上を、シングルトーンのパワーが占めるかどうか調べる。つまり、検出処理部A14のパワー値と、全体トーン検出処理部20から送られた全体パワー値と比較して、シングルトーンのパワー値が、決められた一定の割合以上、存在するか調べる。ここで、一定の割合以上あれば、条件2―1はパスしたとする。反対に、一定の割合以上なければ、条件2―1はパスしなかったとする。この条件2―1がパスしなかったら、入力信号中に、シングルトーンの周波数成分が存在しなかったと判断でき、シングルトーンの検出ができなかったと判定する。
【0095】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0096】
もし、この条件2―1がパスしたら、次の条件3―1のチェックに進む。シングルトーンの検出ができず、他の信号の検出処理を行うのであれば、条件1−2のチェックに進む。
【0097】
条件3―1では、最大トーンが2位トーンよりも十分大きいかどうか調べる。つまり、検出処理部B15から検出処理部E18の中で最もパワー値の大きいものを出し、そのパワー値と、検出処理部A14のパワー値を比較して、シングルトーンのパワー値が、決められた一定の割合以上、検出処理部B15〜検出処理部E18の中の最も大きいパワー値よりも、大きいかどうか調べる。ここで、一定の割合以上大きければ、条件3―1はパスしたとする。反対に、一定の割合以上大きくなければ、条件3―1はパスしなかったとする。この条件3―1がパスしなかったら、入力信号中に、シングルトーンの周波数成分が存在しなかったと判断でき、シングルトーンの検出ができなかったと判定する。
【0098】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0099】
もし、この条件3―1がパスし、シングルトーンもしくはデュアルトーンと、DTMF信号と、を同時に検出を行っているのなら、次の条件4―1のチェックに進む。シングルトーンの検出ができず、他の信号の検出処理を行うのであれば、条件1−2のチェックに進む。
【0100】
条件4―1では、シングルトーンとDTMF検出とを同時に行っている場合において、DTMFとの比較で、DTMF検出器の出力の最大値よりも、シングルトーンが十分大きいかどうか調べる。つまり、DTMF検出処理部F19中で最もパワー値の大きい周波数を持つものを出し、そのパワー値と、検出処理部A14のパワー値が、決められた一定の割合以上、DTMF検出処理部F19中で最も大きいパワー値よりも、大きいかどうか調べる。ここで、一定の割合以上大きければ、条件4―1はパスしたとする。反対に、一定の割合以上大きくなければ、条件4―1はパスしなかったとする。
【0101】
ここで、シングルトーンの周波数がDTMFの周波数と近く、シングルトーンの影響がある場合は、比較の際、DTMF検出処理部F19中で最もパワー値の大きい周波数を持つものではなく、2番目に大きいパワーを持つものを用いる。
【0102】
次に、デュアルトーン信号の検出処理として、条件1―2についてチェックを行う。
【0103】
すなわち、検出処理部A14〜検出処理部E18から送られたパワー値の中で、検出処理部B15と処理部C16のパワー値が1位、2位の大きさを占めるか調べる。もし、ここで、1位、2位を占めておれば、条件1―2はパスしたとする。反対に、1位、2位を占めていなければ、条件1―2はパスしなかったとする。この条件1―2がパスしなかったら、入力信号中に、デュアルトーンの周波数成分が存在しなかったと判断でき、デュアルトーンの検出ができなかったと判定する。
【0104】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0105】
もし、この条件1―2がパスしたら、次の条件2―2のチェックに進む。デュアルトーンの検出ができず、他の信号の検出処理を行うのであれば、条件1−3のチェックに進む。
【0106】
条件2―2では、受信信号のパワーの一定割合以上をデュアルトーンの1つの低群トーンと1つの高群トーンのパワーが占めるかどうか調べる。つまり、検出処理部B15と処理部C16のパワー値を足しあわせ、そのパワー値、すなわちデュアルトーンのパワー値と、全体トーン検出処理部20から送られた全体パワー値と比較して、デュアルトーンのパワー値が、決められた一定の割合以上、存在するか調べる。ここで、一定の割合以上あれば、条件2―2はパスしたとする。反対に、一定の割合以上なければ、条件2―2はパスしなかったとする。この条件2―2がパスしなかったら、入力信号中に、デュアルトーンの周波数成分が存在しなかったと判断でき、デュアルトーンの検出ができなかったと判定する。
【0107】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0108】
もし、この条件2―2がパスしたら、次の条件3―2のチェックに進む。デュアルトーンの検出ができず、他の信号の検出処理を行うのであれば、条件1−3のチェックに進む。
【0109】
条件3―2では、シングル・デュアルトーン検出器の中で3位とに差があるかどうか調べる。つまり、検出処理部A、検出処理部D17〜検出処理部E18の中で最もパワー値の大きいものを出し、そのパワー値と、検出処理部B15と検出処理部C16のパワー値、つまり、デュアルトーンの各周波数のパワー値を比較して、デュアルトーンの各周波数のパワー値が、決められた一定の割合以上、検出処理部A14、検出処理部D17〜検出処理部E18の中の最も大きいパワー値よりも、大きいかどうか調べる。ここで、一定の割合以上大きければ、条件3―2はパスしたとする。反対に、一定の割合以上大きくなければ、条件3―2はパスしなかったとする。この条件3―2がパスしなかったら、入力信号中に、デュアルトーンの周波数成分が存在しなかったと判断でき、デュアルトーンの検出ができなかったと判定する。
【0110】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0111】
もし、この条件3―2がパスし、デュアルトーンと、DTMF信号と、を同時に検出を行っているのなら、次の条件4―2のチェックに進む。デュアルトーンの検出ができず、他の信号の検出処理を行うのであれば、条件1−3のチェックに進む。
【0112】
条件4―2では、デュアルトーンとDTMF検出とを同時に行っている場合において、DTMFとの比較で、DTMF検出器の出力の最大値よりも、デュアルトーン中の第2位のトーンが十分大きいかどうか調べる。つまり、8系統あるDTMF検出処理部F19中で最もパワー値の大きい周波数を持つものを出し、そのパワー値と、検出処理部B15と検出処理部C16のパワー値、すなわちデュアルトーンのパワー値のうち小さい方のパワー値とを比較して、デュアルトーンの小さい方のパワー値が、決められた一定の割合以上、DTMF検出処理部F19中で最も大きいパワー値よりも、大きいかどうか調べる。ここで、一定の割合以上大きければ、条件4―2はパスしたとする。反対に、一定の割合以上大きくなければ、条件4―2はパスしなかったとする。
【0113】
ここで、デュアルトーンの2つの周波数がDTMFの周波数と近く、デュアルトーンの影響がある場合は、比較の際、DTMF検出処理部F19中で最もパワー値の大きい周波数を持つものではなく、2番目に大きいパワーを持つものを用いる。
【0114】
次に、DTMF信号の検出処理として、条件1―3についてチェックを行う。
【0115】
すなわち、最大トーンと第2位トーンがDTMFの高群・低群の組である場合に、DTMF検出器の中で1、2位を占めるかどうかチェックする。つまり、DTMF検出処理部F19から送られた8つのパワー値の中で、検出処理部FA191と検出処理部FB192のパワー値が1位、2位の大きさを占めるか調べる。もし、ここで、1位、2位を占めておれば、条件1―3はパスしたとする。反対に、1位、2位を占めていなければ、条件1―3はパスしなかったとする。この条件1―3がパスしなかったら、入力信号中に、検出すべきDTMF信号の周波数成分が存在しなかったと判断でき、DTMF信号の検出ができなかったと判定する。
【0116】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0117】
もし、この条件1―3がパスしたら、次の条件2―3のチェックに進む。
【0118】
条件2―3では、受信信号の全体パワーの一定割合以上をDTMFの1つの低群トーンと1つの高群トーンのパワーが占めるかどうか調べる。つまり、検出処理部FA191と処理部FB192のパワー値を足しあわせ、そのパワー値、すなわちDTMF信号のパワー値と、全体トーン検出処理部20から送られた全体パワー値と比較して、DTMF信号のパワー値が、決められた一定の割合以上、存在するか調べる。ここで、一定の割合以上あれば、条件2―3はパスしたとする。反対に、一定の割合以上なければ、条件2―3はパスしなかったとする。この条件2―3がパスしなかったら、入力信号中に、検出すべきDTMF信号の周波数成分が存在しなかったと判断でき、DTMF信号の検出ができなかったと判定する。
【0119】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0120】
もし、この条件2―3がパスしたら、次の条件3―3のチェックに進む。
【0121】
条件3―3では、8つの周波数を持ったDTMF信号の内、1つの低群トーンと1つの高群トーンが他のDTMF用トーン検出器の出力値よりも突出しているかどうか調べる。つまり、DTMF検出処理部の8系統の中で、検出処理部FA191と検出処理部FB192を除いて最もパワー値の大きいもの、つまり、第3位のものを出し、そのパワー値と、検出処理部FA191と処理部FB192のパワー値、つまり、検出すべきDTMF信号の各周波数のパワー値を比較して、DTMF信号の各周波数のパワー値が、決められた一定の割合以上、第3位のパワー値よりも、大きいかどうか調べる。ここで、一定の割合以上大きければ、条件3―3はパスしたとする。反対に、一定の割合以上大きくなければ、条件3―3はパスしなかったとする。この条件3がパスしなかったら、入力信号中に、検出すべきDTMF信号の周波数成分が存在しなかったと判断でき、DTMF信号の検出ができなかったと判定する。
【0122】
そして、検出判定部21は、その判定結果を制御部11に通知し、検出の一連の処理を終える。
【0123】
もし、この条件3―3がパスし、DTMF信号とシングルトーンもしくはデュアルトーンとを同時に検出を行っているのなら、次の条件4―3のチェックに進む。
【0124】
条件4―3では、DTMF信号とシングルトーンもしくはデュアルトーンとを同時に検出を行っている場合において、トーン検出との比較で、シングル・デュアルトーン検出器の最大出力値よりもDTMFとして検出された第2位の信号が十分大きいかどうか調べる。つまり、検出処理部A14〜検出処理部E18中で最もパワー値の大きい周波数を持つものを出し、そのパワー値と、検出処理部FA191と検出処理部FB192のパワー値、つまり、検出すべきDTMF信号の各周波数におけるパワー値のうち小さい方のパワー値とを比較して、DTMF信号の小さい方のパワー値が、決められた一定の割合以上、検出処理部A14〜検出処理部E18中で最も大きいパワー値よりも、大きいかどうか調べる。ここで、一定の割合以上大きければ、条件4―3はパスしたとする。反対に、一定の割合以上大きくなければ、条件4―3はパスしなかったとする。
【0125】
ここで、DTMF信号の2つの周波数がシングルトーンもしくはデュアルトーンの周波数と近く、DTMF信号の影響がある場合は、比較の際、検出処理部A14〜検出処理部E18中で最もパワー値の大きいものではなく、2番目に大きいパワーを持つものを用いる。
【0126】
以上の処理では、条件1(条件1−1〜条件1−3)〜条件3(条件3−1〜条件3−3)について、順番に、条件チェックを行ってきたが、それらは、条件として、それぞれ、別々に独立して良いので、どの順番から行なっても良い。また、条件のチェックは1つでも良い。ただ、チェックは、条件1と条件2、条件1と条件3、条件2と条件3、条件1と条件2と条件3のように、それぞれの条件を組み合わせた方が、より正確で、誤検出の少ない検出ができる。この場合、条件1と条件2と条件3のチェックを組み合わせたときが、一番正確に検出を行うことができる。
【0127】
さらに、図17に示すように、ある一定のサンプル間隔tごとのデータを、ある一定の時間間隔Tごとに、この検出処理を繰り返せば、時間Tごとに検出結果を出せる。従って、刻々と入力される信号に対して、時系列的に、検出結果を出せ、シングルトーン、デュアルトーン、DTMF信号の検出を行うことができる。
【0128】
さらに、既に述べているが、シングルトーンもしくはデュアルトーンとDTMF信号の検出を同時に行っている場合に、DTMF検出器の中で第2位の特徴量を示すものと、シングルトーンもしくはデュアルトーンの特徴量と、を比較して、シングルトーンもしくはデュアルトーンの特徴量が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、シングルトーンもしくはデュアルトーンの検出判定を行うことにより、シングルトーンもしくはデュアルトーンがDTMF検出器に影響を与えてしまった場合にも、正しい信号検出を行うことができる。
【0129】
また、DTMF信号検出時には、トーン検出器の中で第2位の特徴量を示すものと、DTMF信号の特徴量と、を比較して、DTMF信号の特徴量が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、DTMF信号の検出判定を行うことにより、DTMF信号がトーン検出器に影響を与えてしまった場合にも、正しい信号検出を行うことができる。
【0130】
また、上記第2位の特徴量を使用する条件を含め、既に述べた条件を様々に組み合わせることにより、仕様にあったトーン検出器を提供することができる。
【0131】
さらに、特徴量の検出として、周波数、振幅、位相などに関するものがあり、周波数成分のパワーレベル算出等がある。また、周波数成分のパワーレベル算出方法は、DFT演算、FFT演算、最大エントロピー法、ウェーブレット変換、ウィグナー分布等を用いて求めることができる。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、トーン信号をそれぞれ検出する複数のトーン信号検出器と、DTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、前記それぞれのトーン信号検出器が検出した特徴量と前記DTMF信号検出器が検出した特徴量とからシングルトーンの検出判定を行うトーン判定手段と、を備え、DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、トーン信号検出器が検出したシングルトーンの特徴量が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、シングルトーンの検出判定を行うので、DTMF信号の影響を受けてシングルトーンとして検出されてしまう誤検出を防止することができ、トーン信号検出器の各々は同等の機能で、正しいシングルトーン検出を行うことができる。
【0139】
また、本発明によれば、トーン信号をそれぞれ検出する複数のトーン信号検出器と、DTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、前記それぞれのトーン信号検出器が検出した特徴量と前記DTMF信号検出器が検出した特徴量とからデュアルトーンの検出判定を行うトーン判定手段と、を備え、DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、トーン信号検出器が検出したデュアルトーン中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、デュアルトーンの検出判定を行うので、DTMF信号の影響を受けてデュアルトーンとして検出されてしまう誤検出を防止することができ、トーン信号検出器の各々は同等の機能で、正しいデュアルトーン検出を行うことができる。
【0143】
また、本発明によれば、DTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、シングル・デュアルトーン信号を検出するシングル・デュアルトーン信号検出器と、前記DTMF信号検出器が検出した特徴量と前記シングル・デュアルトーン信号検出器が検出した特徴量とからDTMF信号の検出判定を行うトーン判定手段と、を備え、シングル・デュアルトーン信号検出器が検出した最大の特徴量よりも、DTMF信号検出器が検出したDTMF信号中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、DTMF信号の検出判定を行うので、シングル・デュアルトーンの影響を受けてDTMF信号として検出されてしまう誤検出を防止することができ、トーン信号検出器の各々は同等の機能で、正しいDTMF信号検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトーン検出器の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図3】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図4】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図5】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図6】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図7】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図8】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図9】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図10】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図11】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図12】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図13】信号検出判定条件を示す一実施形態の概念図である。
【図14】一実施形態の信号検出判定処理を示すフローチャートである。
【図15】一実施形態の信号検出判定処理を示すフローチャートである。
【図16】一実施形態の信号検出判定処理を示すフローチャートである。
【図17】一実施形態の信号検出、判定を行うタイミングを示す図である。
【符号の説明】
10 トーン検出器
11 制御部
12 A/D変換部
13 メモリ部
14 トーン検出処理部A
15 トーン検出処理部B
16 トーン検出処理部C
17 トーン検出処理部D
18 トーン検出処理部E
19 DTMF検出処理部F
20 全体トーン検出処理部
21 検出判定部

Claims (3)

  1. 検出対象のシングルトーンの特徴量を抽出してトーン信号を検出するトーン信号検出器と、
    DTMF信号の特定の特徴量を抽出してDTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、
    前記DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、前記トーン信号検出器が検出した前記シングルトーンの特徴量が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、前記シングルトーンの検出判定を行うトーン判定手段と、
    を備えたことを特徴とするトーン検出器。
  2. 検出対象のデュアルトーンの特徴量を抽出してトーン信号をそれぞれ検出する複数のトーン信号検出器と、
    DTMF信号の特定の特徴量を抽出してDTMF信号を検出するDTMF信号検出器と、
    前記DTMF検出器が検出した最大の特徴量よりも、前記トーン信号検出器が検出した前記デュアルトーン中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、前記デュアルトーンの検出判定を行うトーン判定手段と、
    を備えたことを特徴とするトーン検出器。
  3. 検出対象のDTMF信号の特徴量を抽出してDTMF信号をそれぞれ検出する複数のDTMF信号検出器と、
    シングル・デュアルトーン信号の特定の特徴量を抽出してシングル・デュアルトーン信号を検出するシングル・デュアルトーン検出器と、
    前記シングル・デュアルトーン検出器が検出した最大の特徴量よりも、前記DTMF信号検出器が検出した前記DTMF信号中の特徴量第2位が、あらかじめ設定された割合以上あるとき、前記DTMF信号の検出判定を行うトーン判定手段と、
    を備えたことを特徴とするトーン検出器。
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