JP4122930B2 - 幌用リアクォータ部ウエザストリップ - Google Patents

幌用リアクォータ部ウエザストリップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、幌用リアクォータ部ウエザストリップに係り、例えば、コンバーチブル車等に代表される車両本体の上部開口を開閉可能とする幌の後部両側に取付けられるウエザストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンバーチブル車等のように、天井部において幌が開閉可能に設けられた自動車にあっては、幌の両側縁部に沿ってウエザストリップが取付けられる。幌が折り畳み可能となっている場合、ウエザストリップも前後方向に複数に分断されて組付けられることとなる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構成の下、幌の後部に対応してリアクォータ部ウエザストリップが設けられる。また、車両本体側には、該リアクォータ部ウエザストリップの後端縁を支持するためのモケットウエザストリップと称されるウエザストリップが取付けられる。
【0004】
【特許文献1】
特許第3321634号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リアクォータ部ウエザストリップとしては、ドアガラスの後部端縁をシールする必要上、その素材としてスポンジゴム等の発泡材料が採用されるのが一般的である。このように、前記ウエザストリップを発泡材料により成形しようとした場合、所定以上の厚みをもったいわば厚肉成形を行うことができないという事情がある。これは、あまりにも厚肉に成形すると、気泡が外表面に浮き出て外観品質の低下を招いてしまうからである。
【0006】
これに対し、前記後端部のうち、前記モケットウエザストリップに対向する部位を肉抜き形状とした場合、シール圧が十分に確保できず、水漏れ等の不具合を起こしてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、外観品質の低下を招くことなくシール性の低下を防止することのできる幌用リアクォータ部ウエザストリップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.車両本体の上部開口を開閉可能とする幌の後部両側に取付けられ、ドアガラス後部端縁をシール可能なシール部を備えるとともに、後端部が車両本体側の相手部材に当接可能に構成した幌用リアクォータ部ウエザストリップであって、
前記後端部のうち、前記相手部材に対向する部位を肉抜き形状とするとともに、該肉抜き部分に補強用のリブを一体形成し
前記リブは、
ドアガラス面に対し、斜めに交わる1又は複数の第1壁部と、
前記第1壁部に略直交する第2壁部とを有していることを特徴とする幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
【0010】
手段1によれば、幌用リアクォータ部ウエザストリップは、車両本体の上部開口を開閉可能とする幌の後部両側に取付けられる。そして、そのシール部によって、ドアガラス後部端縁がシールされる。また、その後端部が車両本体側の相手部材に当接される。さて、手段1では、ウエザストリップの前記後端部のうち、相手部材に対向する部位が肉抜き形状とされる。このため、外観品質の低下等の不具合の防止を図ることができ、使用材料の削減を図ることができる。また、肉抜き部分に補強用のリブが一体形成されている。従って、リブによって、撓み荷重に対する所定の反力が付与されることとなる。結果として、「へたり」等が生じにくく、肉抜きによるシール性の低下を抑制することができる。
【0012】
また、手段によれば、リブは、ドアガラス面に対し、斜めに交わる1又は複数の第1壁部を有している。このため、所定の反力が付与されつつも、ある程度の撓みも許容されることとなる。従って、反力が高すぎることによって、ドア閉時における操作荷重が増大してしまうといった不具合を抑制することができる。
【0014】
さらに、手段によれば、第1壁部に略直交する第2壁部を有している。このため、リブの補強機能が高められ、撓み荷重に対する所定の反力を確保しやすくなる。
【0015】
手段.前記第1壁部のうち、所定の第1壁部に交わる複数の第2壁部の各交点をずらしたことを特徴とする手段に記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
【0016】
手段によれば、所定の第1壁部に対し複数の第2壁部が交わるよう構成されている。ここで、後端部に曲げ応力や変形応力が加わった場合、第1壁部及び第2壁部の交点に前記応力が集中しやすい傾向にある。この点、手段では、所定の第1壁部に交わる複数の第2壁部の各交点がずらされているため、応力集中が緩和される。そのため、応力集中による破損、或いは、反力の著しい増大等の不具合を抑制することができる。
【0017】
手段.前記リブは、略格子状をなしていることを特徴とする手段1又は2に記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
【0018】
手段によれば、リブが略格子状をなしていることから、リブの補強機能が確保されやすい。
【0019】
手段4.前記後端部のうち、前記肉抜き部分の周囲にはシール用のビードが形成され、該ビードが相手部材たる別のウエザストリップに当接されるように構成されていることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
【0020】
手段によれば、後端部のうち、肉抜き部分の周囲に形成されたビードが、相手部材たる別のウエザストリップに当接されることで、両ウエザストリップ間のシールが確保される。このような構成下、上記したように、「へたり」等が生じにくいことから、当該両ウエザストリップ間のシール性の低下をも抑制することができる。
【0021】
手段.発泡又は微発泡材料により構成されていることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
【0022】
手段のように、幌用リアクォータ部ウエザストリップが、発泡又は微発泡材料により構成されている場合、所定以上の厚みをもったいわば厚肉成形を行うことができないという事情がある。この点、上記各手段のように、後端部のうち、相手部材に対向する部位を肉抜き形状としていることから、表面に気泡が浮き出てしまうことによる外観品質の低下をより確実に防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態における自動車(コンバーチブル車)1には、その天井に対応する部位において幌2が開閉可能に設けられている。より詳しくは、幌2は、少なくともその両側縁部において、前後方向に複数に分断されたフレーム(図示略)を有しているとともに、各フレームに対応して前側から順に、前ルーフ部ウエザストリップアッセンブリ3、後ルーフ部ウエザストリップアッセンブリ4、リアクォータ部ウエザストリップ5、及び、両リアクォータ部ウエザストリップ5の両後端に当接されるリア部ウエザストリップ6が装着されている。幌2は、図示しないリンク機構及び駆動機構によって、各フレームの分断部分に沿って折り畳み可能に構成されている。自動車1の後部においては、前記幌2を収容するための図示しない収容スペースが設けられており、該収容スペース内に、折り畳まれた幌2が収容可能となっている。なお、かかる自動車1にあって、フロントピラー11及びフロントガラスルーフ部12に沿ってフロントウエザストリップ13が取付けられている。
【0025】
一方、車両本体には、モケットウエザストリップ21が取付けられている。図2に示すように、モケットウエザストリップ21は、略水平方向に延びる天壁部22と、前記天壁部22の側辺部から略垂下して延びる第1側壁部23と、天壁部22の前辺部から略垂下して延びる第2側壁部24とを備えている。前記天壁部22の大部分は平坦面となっており、当該平坦面に、同図2点鎖線αで示すように、前記リアクォータ部ウエザストリップ5の下端の後端部が当接しうる。つまり、該平坦面が前記リアクォータ部ウエザストリップ5の後端部を支持する支持部22aとなっている。
【0026】
さて、図3に示すように、前記リアクォータ部ウエザストリップ5は、ドアガラスGのクォータ部端縁をシールするためのものであって、EPDMスポンジゴムによって構成されている。当該リアクォータ部ウエザストリップ5は、ドアガラスGのクォータ部端縁をシールする都合上、中空状のシール部31を有している。また、リアクォータ部ウエザストリップ5は、前後両端部が型成形部32,33よりなり、それ以外の部分が押出成形部34よりなる。
【0027】
本実施の形態では、後端の型成形部33に特徴があるため、以下には、当該後端部について詳細に説明する。図4は、後端の型成形部33を裏面側から見た状態を示す部分斜視図である。同図及び図5に示すように、後端の型成形部33のうち、前記モケットウエザストリップ21に対向する部位は、周辺部分が壁部として残存し、中央部分が凹状にくりぬかれた肉抜き形状とされている。また、かかる肉抜き部分に補強用のリブ40が一体形成されている。リブ40は、略格子状をなしている。より詳しくは、リブ40は、ドアガラスG面に対し、斜めに交わる複数の第1壁部41,42を有している。各第1壁部41,42の両端は周壁部に接続されている。また、リブ40は、前記第1壁部41,42に略直交する第2壁部43,44を有している。一方の第2壁部43の一端は第1壁部41に接続され、他端はもう1つの第1壁部42に接続されている。また、他方の第2壁部44の一端は前記第1壁部42に接続され、他端は周壁部に接続されている。
【0028】
さらに、所定の第1壁部42に複数の(2つの)第2壁部43,44が交わっているが、当該2つの第2壁部43,44の各交点P1,P2がずらされている。
【0029】
併せて、本実施の形態では、後端部のうち、前記肉抜き部分の周囲の周壁部にはシール用のビード45が形成され、該ビード45が前記モケットウエザストリップ21の天壁部22の支持面22aに当接され、これにより両ウエザストリップ21,5間のシールが図られるようになっている。
【0030】
次に、上記のように構成されてなるリアクォータ部ウエザストリップ5の作用効果について説明する。
【0031】
本実施の形態では、リアクォータ部ウエザストリップ5の型成形部33後端部のうち、モケットウエザストリップ21の支持面22aに対向する部位が肉抜き形状とされる。ここで、リアクォータ部ウエザストリップ5はEPDMスポンジゴムによって構成されているものの、上記のように肉抜き形状とされていることから、前記後端部が厚肉となりすぎることがない。このため、外観品質の低下等の不具合の防止を図ることができるとともに、使用材料の削減、ひいてはコストの低減を図ることができる。
【0032】
また、本実施の形態では前記肉抜き部分にリブ40が一体形成されている。従って、当該リブ40によって、撓み荷重に対する所定の反力が付与されることとなる。結果として、「へたり」等が生じにくく、肉抜きによるシール性の低下を抑制することができる。
【0033】
特に、本実施の形態では、幌2が折り畳まれる際に、図3に示すように、リアクォータ部ウエザストリップ5の型成形部33に対し、同図矢印Aで示す方向に応力が加えられ、次いで、矢印Bに示す方向に応力が加えられる。このような応力が加わったとしても、後端部においては、リブ40で補強されているため、当該部分の極端な挫屈、変形を抑制できる。結果として、型成形部33の損傷やシール性の低下等を引き起こしにくくすることができる。
【0034】
また、図5に示すようにドア(ドアガラスG)が閉じられた場合、ドアガラスGからの閉応力が前記型成形部33に加えられることとなる。この場合、リブ40の存在によって所定の反力が付与されるのはもちろんではあるが、本実施の形態におけるリブ40は、ドアガラスG面に対し、斜めに交わる複数の第1壁部41,42を有している。このため、ドアガラスG面からの応力をある程度吸収することができ、ある程度の撓みも許容されることとなる。従って、反力が高すぎることによって、ドア閉時における操作荷重が増大してしまうといった不具合を抑制することができる。
【0035】
さらに、本実施の形態のリブ40は、第1壁部41,42に略直交する第2壁部43,44を有している。このため、リブ40の補強機能が高められ、撓み荷重に対する所定の反力を確保しやすくなる。ここで、後端部に曲げ応力や変形応力が加わった場合、第1壁部42と第2壁部43,44の交点P1,P2に前記応力が集中しやすい傾向にある。この点、本実施の形態では、単に第1壁部及び第2壁部を交差させるのではなく、前記各交点P1,P2をずらすこととしている。このため、応力集中が緩和され、応力集中による破損、或いは、反力の著しい増大等の不具合を抑制することができる。
【0036】
併せて、後端部のうち、肉抜き部分の周囲に形成されたビード45が、モケットウエザストリップ21の支持面22aに当接されることで、両ウエザストリップ21,5間のシールが確保される。このような構成下、上記したように、「へたり」等が生じにくいことから、当該両ウエザストリップ21,5間のシール性の低下をも抑制することができる。
【0037】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0038】
(a)上記実施の形態では、第1壁部41,42及び第2壁部43,44がそれぞれ2つずつからなるリブ40を具体例として挙げているが、各壁部の数については特に限定されるものではない。従って、第1壁部を1つのみによって構成してもよいし、3つ以上によって構成してもよい。第2壁部についても同様である。
【0039】
(b)リブ40の構成(形状)としては、必ずしも上記実施の形態のものに限定されるものではない。すなわち、断面直線状ものに拘泥されず、湾曲面を有するリブを採用することとしてもよい。
【0040】
(c)上記実施の形態では、リアクォータ部ウエザストリップ5等を構成する素材として、EPDMスポンジゴムを例示しているが、他の素材を採用してもよい。従って、例えば、IR(イソブレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の発泡又は微発泡ゴム材料を用いてもよいし、また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等のゴム状弾性を有する他の発泡又は微発泡弾性材料により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態において自動車を模式的に示す斜視図である。
【図2】モケットウエザストリップを示す斜視図である。
【図3】リアクォータ部ウエザストリップを示す側面図である。
【図4】後端の型成形部を裏面側から見た状態を示す部分斜視図である。
【図5】リブ等を説明するための後端部の平断面図である。
【符号の説明】
1…自動車、2…幌、5…(幌用)リアクォータ部ウエザストリップ、21…相手部材としてのモケットウエザストリップ、22…天壁部、22a…支持面、31…シール部、33…型成型部、40…リブ、41,42…第1壁部、43,44…第2壁部、45…ビード、G…ドアガラス。

Claims (4)

  1. 車両本体の上部開口を開閉可能とする幌の後部両側に取付けられ、ドアガラス後部端縁をシール可能なシール部を備えるとともに、後端部が車両本体側の相手部材に当接可能に構成した幌用リアクォータ部ウエザストリップであって、
    前記後端部のうち、前記相手部材に対向する部位を肉抜き形状とするとともに、該肉抜き部分に補強用のリブを一体形成し
    前記リブは、
    ドアガラス面に対し、斜めに交わる1又は複数の第1壁部と、
    前記第1壁部に略直交する第2壁部とを有していることを特徴とする幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
  2. 前記第1壁部のうち、所定の第1壁部に交わる複数の第2壁部の各交点をずらしたことを特徴とする請求項に記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
  3. 前記リブは、略格子状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
  4. 前記後端部のうち、前記肉抜き部分の周囲にはシール用のビードが形成され、該ビードが相手部材たる別のウエザストリップに当接されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の幌用リアクォータ部ウエザストリップ。
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