JP4121989B2 - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、昇華転写用熱転写シートと重ね合わせて使用される熱転写受像シート及びその製造方法に関し、詳しくは、その受像シートはビデオプリンター等、各種のカラープリンターの分野で幅広く利用でき、高濃度で、高画質の熱転写画像が得られる熱転写受像シートとその製造方法に関するものである。
従来、種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で昇華性染料を記録材とし、これを紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、昇華性染料で染着可能な熱転写受像シート、例えば紙やプラスチックフィルムの表面に染料受容層を設けた熱転写受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法は昇華性染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節ができ、原稿のフルカラー画像が表現できる。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能である。
このような昇華型熱転写プリンターにより、高画質のプリント画像を高速で受像シート上に形成するためには、基材上に染料染着性樹脂を主成分とする受像層が設けられるが、受像シートの基材として、コート紙やアート紙等の紙を用いると、熱伝導度が比較的高いため、画像形成用染料を受容する感度が低いという欠点がある。
そこで、特許文献1に示すように、受像シートの基材としてポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂と炭酸カルシウム等の填料とを主成分とし、ボイド構造(空隙)を有する二軸延伸フィルムを用いることが知られている。このようなフィルムを基材とした受像シートは、厚さが均一で、柔軟性があり、セルロース繊維からなる紙等に比べ熱伝導度が小さいため、濃度が高く、画質の良好な画像が得られるという長所がある。
また、受像シートにボイド構造を有する層を形成する方法として、例えば特許文献2にあるように、プラスチック樹脂にマイクロカプセル等の発泡剤をブレンドし、それを基材上に塗工、加熱して、ミクロボイドを有する層を形成することができる。
しかし、上記のボイド構造を形成する方法では、前者ではベースポリマーの他に、炭酸カルシウム等の材料が必要となり、また延伸時の加工条件を精密に制御する必要性が生じるという問題、後者の場合では発泡剤が、ブタン、ペンタン等の低沸点液体をポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂でマイクロカプセル化したものが用いられるが、この使用するブタン、ペンタン等の可燃性ガスは、発泡層を形成後、暫くは、その形成した製品中に残る性質が強く、可燃性の問題や生物等に対する悪影響を生じるという安全性の問題等を抱えている。さらに、マイクロカプセルは、厳密な制御により加工されて製造されるので、入手コストが高いという問題がある。
特開平5−16539号公報 特開平5−147364号公報
したがって、上記の問題を解決すべく、熱転写受像シートのボイド構造である多孔膜をもつ基材として、多孔膜を形成する条件で精密な制御する条件を必要とせず、可燃性の問題や生物等に対する悪影響を生じる安全性の問題等を解消し、製造上のトータルコストを低減できる高濃度で、高画質の熱転写画像を有する熱転写受像シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基材上に少なくとも染料受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該基材が高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出、排出して得られる多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートであることを特徴とする。また、請求項に記載の発明は、前記の基材の染料受容層側にある表面に、発泡構造を有さないスキン層が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、基材上に少なくとも染料受容層を設けた熱転写受像シートの製造方法において、該基材として、高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを製造し、その後に基材上に染料受容層を設けることを特徴とする。請求項に記載の発明は、前記の基材の染料受容層側にある表面に、発泡構造を有さないスキン層を前記の発泡構造を有したフィルム又はシートの製造時と同時に形成することを特徴とする。請求項に記載の発明は、前記の低分子量材料を排出する際に、超臨界状態の二酸化炭素ガスと前記低分子量材料を分離して、低分子量材料を回収することを特徴とする。
本発明の熱転写受像シートは、基材上に少なくとも染料受容層を設けた構成で、該基材として、高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを製造し、その後に基材上に染料受容層を設けて製造されるために、可燃性の問題や生物等に対する悪影響を生じる安全性の問題等を解消し、製造上のトータルコストを低減でき、かつ高濃度で、高画質の熱転写画像を有するものが得られる。
また、本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材として、高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを製造し、その後に基材上に染料受容層を設けるものであり、前記の低分子量材料を排出する際に、超臨界状態の二酸化炭素ガスと前記低分子量材料を分離して、低分子量材料を回収することが好ましい。これにより、基材の原料の再利用を図ることができ、製造コストをより低減させることができる。
図1は、本発明の熱転写受像シートである一つの最良の実施形態を示す概略断面図である。基材2上に、染料受容層3を積層した熱転写受像シート1である。また、図2は、本発明の熱転写受像シートである他の最良の実施形態を示す概略断面図であり、基材2上に、中間層4、染料受容層3を順に積層した熱転写受像シート1である。図1、2で示した熱転写受像シート1の基材2は、高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物に、超臨界状態のガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートである。また、図3は本発明の熱転写受像シートである他の最良の実施形態を示す概略断面図であり、基材2上に、染料受容層3を積層した熱転写受像シート1であり、該基材2は、高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物に、超臨界状態のガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したコア層21と、発泡構造を有さないスキン層22から構成され、該スキン層22に隣接して染料受容層3が位置している。また、本発明の熱転写受像シートは、図1〜3に示す形態に限定されず、基材の他方の面に、裏面層を設けたり、また基材としてコア層を中央にして、コア層を両側からスキン層で挟みこんだ構成にしたり、必要に応じて層を追加することが可能である。
(基材)
本発明の熱転写受像シートの基材2は、高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出、排出して得られる多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートであることが特徴である。この基材は、受容層等を保持する機能をもち、また発泡構造を有するので断熱性が高く、熱転写時の熱が染料層と染料受容層に有効に伝達し、受容層から基材を抜けて裏面側に放熱しにくくする働きがあり、さらに基材自体はクッション性が高く、熱転写時のサーマルヘッドとプラテンロールとの間で熱転写シートと熱転写受像シートとの加圧の際に、染料受容層に染料層が均一に接触し、結果としてムラの無い鮮明な熱転写画像を受容層に形成できる。本発明におけるフィルム又シートの用語は、特にフィルムとシートを厳密に区別する為のものではなく、いずれをも含むことを明確にするために使用するものであり、本発明の特徴である超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、前記低分子量材料を該ガスにより抽出、排出して得られる多孔質の発泡構造を有する限り、フィルム、シートは最大限広く解釈しうるもので、フィルムは通常その厚さが10〜200μm程度のものの場合であり、シートは通常その厚さが0.2〜1mm程度のものの場合である。
基材に使用する高分子量の熱可塑性樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体等ポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等のポリエステル樹脂;ナイロン(登録商標)6、ナイロン(登録商標)66等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の1種類あるいは2種類以上を用いることができる。
また、基材に用いる低分子量の材料としては、テルペン系樹脂、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト等が挙げられる。テルペン系樹脂(i)はα−ピネンを主成分とし、β−ピネン、カンフェン、ジペンテンなどの環状テルペンより成っているテレビン油を原料とした樹脂である。テルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン等のテルペン類の重合物およびその変性物、さらにはそれらの水素化物があげられる。テルペン類の重合物は、通常、テルペン類をカチオン重合することにより製造される。また、変性物としては、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等があげられる。当該変性物は、通常、フェノール類や芳香族性ビニルモノマーの存在する反応系内で、テルペン類を重合する方法等により製造される。なお、上記フェノール類としては、フェノール、ビスフェノールA、またはクレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のアルキルフェノール類があげられ、芳香族性ビニルモノマーとしてはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン等があげられる。これらのテルペン系樹脂の質量平均分子量は通常500〜2000程度とのものを使用するのが好ましい。
上記の低分子量材料としてのポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスの合成ワックスであるが、これらのワックスは、質量平均分子量(Mw)は3万以下、好ましくは1万以下のものが好ましい。更に好ましくは、Mwが400〜3,000、数平均分子量(Mn)が200〜2,000、更にMw/Mnが3.0以下であることが好ましい。上記の低分子量材料のトリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト(TTIC)はヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、その他のTTHP、TTAD等のヒンダードフェノール系酸化防止剤や、BTPSのヒンダードアミン系光安定剤等も使用できる。本発明で使用できる低分子量材料は、上記の説明した高分子量の熱可塑性樹脂と相溶性を有し、その高分子量の熱可塑性樹脂中に均一に溶解ないし、分散できるものであり、分子量が数百〜数千レベルのものであれば、上記に説明した以外のものでも使用することができる。
上記の高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物により、基材を製造する際に、その高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合割合は、高分子量の熱可塑性樹脂100質量部に対して、低分子量の材料を10〜100質量部程度、好ましくは40〜80質量部を混合する。低分子量の材料の混合割合が上記範囲より少ないと、微細な空隙のミクロボイドである多孔の形成が十分に行なわれなく、また低分子量の材料の混合割合が上記範囲より多いと、超臨界状態のガスを溶解、拡散させ、該ガスにより低分子量材料を抽出、排出させた後の残存する皮膜が薄くなったり、微細な空隙の多孔が崩れてしまい、ミクロボイドを形成できなくなる。
高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料とを混合した組成物に、超臨界状態のガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを製造する場合、使用する高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量材料との混合割合の条件、また高分子量の熱可塑性樹脂中に、低分子量材料を微分散させる混合の条件、超臨界状態のガスを溶解、拡散させる際の温度、圧力、時間等の条件、また低分子量材料を排出させる際の減圧条件等を調整することにより、基材の微細な空隙である多孔の大きさや密度を変化させることができる。
上記に挙げた高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料とを混合した組成物に対して、超臨界状態のガスを供給して、その混合物中に該ガスを溶解、拡散させることで、より詳しく説明すると、その混合物中の低分子量材料が超臨界状態のガスにより溶解し、その低分子量材料の溶解したガスが、その混合物の外に排出されることにより、該低分子量材料の位置した部分が空隙となり、多孔質の発泡構造を有した基材の構造となる。その際に、使用するガスは、例えば二酸化炭素、窒素、空気や、ヘリウム、アルゴン、キセノン等の不活性ガスが使用できる。特に、二酸化炭素は、高分子量の熱可塑性樹脂に対して反応性がなく、かつ低分子量材料への溶解、分散する時間が早く、効率的に処理できるために、好ましく用いられる。二酸化炭素に限らず、本発明では、超臨界状態のガスを使用することにより、高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物で、該低分子量材料が除去されて空隙となった構造を形成できる。このような微細な空隙である多孔の大きさは、平均粒径で0.5〜10μm程度にすることにより、熱転写受像シートの基材として、適度な断熱性、クッション性を付与させることができる。
上記に挙げた高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物を使用して、溶融押出法により基材をフィルム状に成形する。その溶融押出法では、Tダイ法とリングダイによるインフレーション法のいずれの方法でも採用できるが、薄膜のフィルム又はシートを長尺の連続した形態で形成するために、本発明ではTダイ法による溶融押出法が、好ましく使用される。また、溶融押出され、製造された後、1軸又は2軸延伸して、フィルム状に加工することも出来る。その成形されたフィルム又はシートに、超臨界状態のガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを得る。また、本発明における熱転写受像シートの基材は、その基材の染料受容層側にある表面に、発泡構造を有さないスキン層を設けることが好ましい。スキン層を設けることにより、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートの受容層側の表面を平滑化することができ、熱転写画像の鮮明性をより高めることができる。
本発明の基材は、上記のような、超臨界状態のガスを溶解、拡散させて得られる多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートであるが、そのフィルム又はシートと、例えば上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等のパルプ紙をラミネートして得られる積層体であっても良い。以上のような基材は、積層体であるかどうかに限らず、その総合厚みとして、任意でよく、通常10〜1000μm程度である。
(染料受容層)
上記の基材上に設ける染料受容層3は、加熱された際に熱転写シートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。本願発明における染料受容層は、下記の樹脂を有機溶剤に溶解させた有機溶剤可溶の樹脂にて形成することが好ましい。
受容層を形成するための樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のアセタール樹脂、飽和・不飽和の各種ポリエステル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、アクリルースチレン共重合体、アクリロニトリルースチレン共重合体等のスチレン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド樹脂、等が挙げられる。これらの樹脂は、相溶する範囲内で任意にブレンドし用いることもできる。
また上記のような受容層樹脂は、画像形成の熱転写時に染料を保持する染料層のバインダー樹脂と融着を起こす場合もあるので、良好な離型性を得る為に、リン酸エステル、界面活性剤、フッ素系化合物、フッ素系樹脂、シリコーン化合物、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等の各種離型剤を受容層中に内添することが好ましく、特に変成シリコーンオイルを添加し、硬化させたものが好ましい。
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は染料受容層形成用樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと熱転写受像シートの染料受容層との融着若しくは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を染料受容層に添加することによって、転写後の染料受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。また、これらの離型剤は染料受容層形成用樹脂中に添加せず、染料受容層上に別途塗工してもよい。
染料受容層は、基材上に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形成される。上記染料受容層の形成に際しては、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができる。以上のように形成される染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的には乾燥状態で1〜50g/m2の厚さである。また各構成材料を熱溶融混練したものを用いた押し出しコーティングで受容層を設けることも出来る。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートは、上記の基材と染料受容層との間に中間層4を設けてもよい。この中間層とは、基材と受容層の間にある全ての層を指し、多層構成でもかまわない。中間層の機能としては、耐溶剤性能、バリア性能、接着性能、白色付与能、隠蔽性能等が挙げられるが、これらに限定されることなく、従来公知の中間層全てが使用できる。耐溶剤性能、バリア性能を持たせる為には、水溶性樹脂を用いるのが好ましい。
水溶性樹脂としては、セルロース系樹脂(特にカルボキシメチルセルロース)、でんぷん等多糖類系樹脂、蛋白質(特にカゼイン)、ゼラチン、寒天、またポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニルベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂、またメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等ポリアミド系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。ここで言う水溶性樹脂とは、水を主体とする溶媒に完全溶解(粒径0.01μm以下)、またはコロイダルディスパージョン(0.01〜0.1μm)、またはエマルジョン(0.1から1μm)、またはスラリー(1μm以上)の状態になる樹脂のことである。
接着性能としては、基材の種類や、その表面処理により異なるが、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂が一般的である。また、活性水素を有する熱可塑性樹脂とイソシアネート化合物のような硬化剤を併用すると良好な接着性が得られる。また、白色付与としては、蛍光増白剤を用いることが出来る。蛍光増白剤は、従来公知のいずれの化合物でも使用でき、スチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、スチリル−オキサゾール系、ピレン−オキサゾール系、クマリン系、アミノクマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系、ジスチリル−ビフェニル系蛍光増白剤からなる群等が挙げられる。白色度は、これら蛍光増白剤の種類と添加量で調整することができる。蛍光増白剤の添加方法としては、あらゆる方法を用いることができる。即ち、バインダー樹脂の溶媒(水、有機溶剤など)に溶解させて添加する方法、ボールミル、コロイドミルによって粉砕分散して添加する方法、高沸点溶媒に溶解して親水性コロイド溶液と混合し、水中油滴型分散物として添加する方法、高分子ラテックス中に含浸させて添加する方法等がある。
更に、基材のギラ付き感や、むらを隠蔽するために、中間層に酸化チタンを添加すると、より基材の選択の自由度が広がるので良い。また、酸化チタンには、ルチル型酸化チタンと、アナターゼ型酸化チタンの2種類があるが、白色度及び蛍光増白剤の効果を考慮すると、ルチル型よりも紫外部の吸収がより短波長側である、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。中間層バインダー樹脂が水系で、酸化チタンが分散しにくい場合には、表面に親水性処理を施した酸化チタンを用いるか、もしくは界面活性剤、エチレングリコール等既知の分散剤により、分散することが出来る。酸化チタンの添加量は、樹脂固形分100質量部に対し、酸化チタン固形分100〜400質量部が好ましい。帯電防止機能としては、導電性無機フィラーや、ポリアニリンスルホン酸のような有機性導電剤等、従来公知の材料を中間層バインダー樹脂に合わせて適宜選択して使用することができる。
(裏面層)
熱転写受像シートの裏面には、シートの機械搬送性向上、カール防止、帯電防止等の為に、裏面層を設けることもできる。搬送性向上の為には、バインダー樹脂に有機または無機フィラーを適量添加するか、ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂のような滑性の高い樹脂を用いることが好ましい。また、帯電防止機能を得る為に、アクリル系樹脂のような導電性樹脂・フィラー、更に、脂肪酸エステル、硫酸エステル、燐酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ類、エチレンオキサイト付加物等の、各種帯電防止剤を添加したり、裏面の上、または裏面層と基材の間に帯電防止層として設けてもよい。
帯電防止剤の使用量は、帯電防止剤を添加する層、及び帯電防止剤の種類によって異なるが、いずれの場合にも熱転写受像シートの表面電気抵抗値が、1013Ω/cm2以下が好ましい。表面電気抵抗値が、1013Ω/cm2より大きくなると、静電密着により、熱転写受像シート同士が貼り付き、給紙トラブルの原因となる。量的には、0.01〜3.0g/m2の使用量が好ましい。帯電防止剤の使用量が0.01g/m2未満では、帯電防止効果が不十分であり、一方3.0g/m2より多いと、使用量が多すぎて、不経済であり、また、べたつき等の問題が発生する場合がある。
(熱転写受像シートの製造方法)
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材上に少なくとも染料受容層を設けた熱転写受像シートの製造方法において、該基材として、高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物に、超臨界状態のガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを製造し、その後に基材上に染料受容層を設けるものである。
図4に示すように、高分子量の熱可塑性樹脂と低分子量の材料との混合物、さらに超臨界状態のガスを押出し機に供給し、その高分子量と低分子量の材料との混合物中に超臨界ガスが拡散された状態で、Tダイから、ポリマーを溶融押出して、成膜し、次に必要に応じて延伸処理を施す。そして、その製膜されたフィルム又はシートを専用の高圧室に通して、その高圧室には超臨界状態のガスが供給され、かつ加熱、加圧された条件下であり、その製膜されたフィルム又はシートが超臨界ガスによる処理が施され、そのフィルム又はシートの原料である混合物中の低分子量材料が超臨界状態のガスにより溶解する。そして、その低分子量材料の溶解したガスが、高圧室から排出され、すなわち低分子量材料の溶解したガスは、フィルム又はシートの原料である混合物から離れて、外に排出される。その低分子量材料を排出する際に、超臨界状態のガスと低分子量材料を分離して、低分子量材料を回収することが製造コストの低減等に寄与し、好ましく行なわれる。
図4では、Tダイから溶融押出する原料中に、超臨界ガスを導入したが、これは必ずしも行なう必要はなく、成膜後の高圧室における超臨界ガスの高分子量と低分子量の材料との混合物に、超臨界状態のガスを溶解、拡散させる処理が効率的に進むように補助する機能を有するものである。但し、溶融押出する原料中に超臨界ガスを溶解させると、可塑化効果、つまり溶融粘度、ガラス転移温度、表面張力等が低下するので、押出し成形の際、溶融温度を低めにすることができ、成形加工性が向上するので好ましく行なわれる。さらに、図4では、高圧室による超臨界ガスによる処理後に、成膜された基材の一方の面に受容層を塗工し、次に別に用意した紙を巻取りで供給して、接着剤等を使用して、その多孔質の発泡構造を有する基材(受容層形成面と反対側と)と紙とを貼り合わせる、つまりラミネーション処理を施した。次に、その貼り合わせた基材の紙側(受容層形成面と反対側)に熱可塑性樹脂等を溶融押出しにより塗工(EC)し、その後に連続的に巻き上げて巻取りとする。
図4で示した超臨界状態のガスが供給され、そのガスが充満した高圧室ではガイドロールにより、連続した基材が搬送されて、超臨界ガスによる低分子量材料の抽出処理がなされている。これに限らず、Tダイから溶融押出され、成膜された基材を枚葉単位にシートカットして、超臨界ガスが充填された高圧室に、そのカットされたフィルム又はシートを入れて、超臨界ガスによる低分子量材料の抽出処理を行なうこともできる。これは、いわゆるバッチ式による処理である。
図4では、図示しなかったが、押出し処理の際に、別に供給する溶融樹脂によりスキン層を共押出し処理したり、また上記に説明した多孔質の発泡構造を有した基材(コア層)の表裏の両側に、共押出しによるスキン層を形成することができる。尚、このスキン層は、発泡構造を有さない層であり、多孔質の発泡構造を有した基材表面が、平滑性に劣る点を解消し、表面を平滑化することができる。また、熱転写受像シートの製造方法において、高圧室における超臨界条件の圧力から、大気圧の常圧に戻して放置すれば、低分子量材料に超臨界ガスが溶解、拡散し、該ガスが低分子量材料を抽出した後に、低分子量材料とともにガスは自然に外部へ脱出するようにしてもよい。また、高圧室の超臨界条件の圧力から、大気圧よりも低圧にして、低分子量材料が抽出されたガスを基材から強制的に短時間で外部へ排出することもできる。
基材の超臨界ガスによる低分子量材料の抽出処理前と処理後の、基材内部の構成の状態を概略図で示すと、図5のようになる。すなわち、低分子量材料の抽出処理前は、図5(a)に示すように、高分子量の熱可塑性樹脂(B)と、低分子量の材料(A)とが海島構造をとり、高分子量の熱可塑性樹脂(B)が海部を構成し、その海部に対して、島部を構成する低分子量の材料(A)が分散している。その状態の基材に対して、超臨界ガスによる低分子量材料の抽出処理、排出処理を行うことにより、図5(b)に示すように、海島構造を有している島部の低分子量材料が、超臨界ガスにより外部へ排出され、基材から除去されて、微細な空隙となる気孔(C)に変化して、高分子量の熱可塑性樹脂(B)中に、分散されて形成される。
超臨界ガスに溶解しやすい低分子量材料は、前記のように微細な空隙の発泡構造を有した構成となり、一方超臨界ガスに溶解しにくい高分子量の熱可塑性樹脂は、前記発泡構造の周りでその発泡を保持させる機能をもち、適度な多孔質の構成をもつことができる。つまり、発泡構造の占める割合が高すぎると、表面平滑性、機械的強度等の性能が劣化し、また発泡構造の占める割合が少なすぎると、断熱性、クッション性等の性能が不足するので、全体の膜に対して、適正な範囲で発泡構造をもたせる。また、前記の基材の染料受容層側にある表面に、発泡構造を有さないスキン層を発泡構造を有する層の形成と同時に形成することが好ましく、多孔質の発泡構造を有した延伸又は未延伸のフィルム又はシートの受容層側の表面をより平滑化することができ、熱転写画像の鮮明性をより高めることができる。
本発明の熱転写受像シートにおける基材は、基材に関する詳細な説明で説明したように、Tダイ法とリングダイによるインフレーション法のいずれの溶融押出法でも採用できるが、Tダイ法による溶融押出法が、好ましく使用される。その押出されたフィルムは1軸、あるいは2軸方向に延伸処理されても良い。その延伸は、フィルムの強度を高めるために、縦横の2軸について行なうことが好ましい。その延伸方法としては、通常のロール延伸法、テンター延伸法、ロール圧延法などが利用される。その延伸後、冷却ロール又は水冷、空冷等で冷却固化して巻き取られる。
超臨界状態のガスとして、二酸化炭素ガスの場合で説明すると、臨界温度31℃、臨界圧力7.38MPaの二酸化炭素の臨界温度及び臨界圧力の条件よりも高い、すなわち31℃以上、7.38MPa以上の条件になった二酸化炭素ガスを押出し機に供給したり、またその二酸化炭素ガスを高圧室に供給したりすることができる。
本発明における「超臨界状態のガス」として説明したが、超臨界状態の物質として、物質を超臨界状態にさせるように、臨界温度を越える温度及び臨界圧力を越える圧力に保たれる物質として定義できるものである。そのような状態において、超臨界状態の物質は、効果として物質を気体及び液体の両方として機能させる性質を有する。したがって、超臨界状態において、そのような流体は、液体の溶媒性質を有しているが、その表面張力は液体の表面張力よりも実質的に小さく、流体は、気体の性質におけるように、溶質物質中に非常に容易に分散する。また、また本発明では、「超臨界状態のガス」として規定したものは、上記の超臨界状態の意味を含むことはもちろんであるが、「亜臨界状態」、すなわち圧力が対象ガスの臨界圧以上であり、かつ温度が臨界温度未満である液体状態のガス、或いは圧力がガスの臨界圧未満であり、かつ温度が臨界温度以上である液体状態のガス、又は温度及び圧力が共に臨界点未満ではあるが、これに近い状態の対象ガスも包含したものとする。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
下記組成からなる断熱層樹脂を厚み50μmのフィルム状に、Tダイから熱溶融押出した後、バッチ式の高圧室にて、40℃、15MPa、10minの条件で、超臨界CO2ガスによる抽出処理し、大気圧まで急減圧して、微細な空隙である多孔が形成された断熱フィルムの基材を得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 50部
テルペン樹脂(クリアロンP−125、ヤスハラケミカル(株)製) 50部
この基材の一方に、下記組成からなる中間層、染料受容層をグラビアコートで、それぞれ乾燥時2.0g/m2、4.0g/m2となるように塗工および乾燥し、次いで基材の非塗工面に、坪量158g/m2のコート紙をドライラミネート法にて貼り合せることにより、実施例1の熱転写受像シートを得た。
(中間層塗工液の組成)
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績(株)製) 10部
酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ製) 20部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 120部
(染料受容層塗工液の組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)、#1000A) 100部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)、X22−3050C) 5部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)、X22−3000E) 5部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400部
実施例1の断熱層樹脂を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 70部
テルペン樹脂(クリアロンP−125、ヤスハラケミカル(株)製) 30部
実施例1の断熱層樹脂を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 70部
テルペンフェノール樹脂(YSポリスターT−150、ヤスハラケミカル(株)製)
30部
実施例1の断熱層樹脂を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 70部
トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト(TTIC 東レ(株)製) 30部
下記組成からなるスキン層用樹脂と、コア層用樹脂を、スキン層/コア層/スキン層=5μm/50μm/5μmの3層からなるフィルム状に、熱溶融共押出した後、その押出された基材をバッチ式の高圧室に入れて、40℃、15MPa、10minの条件で、超臨界CO2ガスによる抽出処理し、大気圧まで急減圧して、微細な空隙である多孔がコア層に形成された断熱フィルムの基材を得た。
(スキン層用樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 100部
(コア層用樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 50部
テルペン樹脂(クリアロンP−125、ヤスハラケミカル(株)製) 50部
この断熱フィルムの基材に、実施例1と同様に、中間層、染料受容層を順に形成し、次いで該基材の非塗工面に、コート紙をドライラミネート法にて貼り合せることにより、実施例5の熱転写受像シートを得た。
(比較例1)
実施例1の断熱層樹脂を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 100部
(比較例2)
実施例1の断熱層樹脂を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 70部
ポリエチレン樹脂(ミラソン16SP、三井化学(株)製) 30部
(比較例3)
実施例1の断熱層樹脂を下記組成にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
(断熱層樹脂)
ポリプロピレン樹脂(F329RA、三井化学(株)製) 70部
炭酸カルシウム(累積50%粒径1.5μm、丸尾カルシウム(株)製) 30部
(評価)
次に、下記のようにして、実施例及び比較例の熱転写受像シートの評価を行なった。
<評価方法>
(熱転写記録)熱転写フィルムとして、ソニー(株)製昇華転写プリンターUP−D70A用転写フィルムUPC−740を使用し、上記の実施例及び比較例の熱転写受像シートを用い、染料層と染料受容層面とを対向させて重ね合わせ、Y,M,C,保護層の順番で熱転写フィルムの裏面から下記条件でサーマルヘッドを用い熱転写記録を行った。
(プリント印字A)
下記の条件にて、熱転写記録によりグラデーション画像を形成した。
・サーマルヘッド:KYT−86−12MFW11(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:4412(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.136(w/dot)
・1ライン周期:6(msec.)
・印字開始温度:30(℃)
・プリントサイズ:100mm×150mm
・階調プリント:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を40%固定とし、階調によって、ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個と0から255個まで17個毎に順次増加させることにより、1ステップから16ステップまでの16階調を制御した。
・保護層を転写:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を50%固定、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタプリントを行ない、プリント面全面に保護層を転写した。
(多孔化度合い)
実施例、比較例の熱転写受像シートの基材の断熱層の部分を断面SEM写真により観察し、多孔化度合いを評価した。
評価:○隠蔽度が高く、空隙が確認される。×空隙が少ない、あるいは存在しない。
(プリント濃度)
上記のプリント物を光学反射濃度計(マクベス社製、マクベスRD−918)を用いて、ビジュアルフィルターで、最大反射濃度を測定した。
評価:○・・・・最大反射濃度2.0以上。
×・・・・最大反射濃度2.0未満。
上記の評価結果は下記の表1の通りである。
Figure 0004121989
この得られた評価結果は、実施例では全ての基材において、空隙が断面SEM写真により確認でき、微細な空隙が分散していた。それに対し、比較例1〜3の熱転写受像シートの基材は、空隙が認められなかった。またプリント物のプリント濃度について、実施例1〜5の熱転写受像シートは全て、最大反射濃度が2.0以上の高濃度であった。上記の表には示していないが、実施例5の熱転写受像シートで得られた印画物は、受容層の下に位置する基材表面にスキン層を有しているので、受容層表面が平滑化しており、熱転写画像の鮮明性が他の実施例よりも高いものであった。それに対し、比較例1〜3の熱転写受像シートは、全てプリント濃度において最大反射濃度が1.8程度であり、比較的低濃度であった。
本発明の熱転写受像シートである一つの最良の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートである他の最良の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートである他の最良の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートの製造方法である一例を示す説明図である。 基材の超臨界ガスによる低分子量材料の抽出処理前と処理後の、基材内部の構成の状態を概略説明する図である。
符号の説明
1 熱転写受像シート
2 基材
3 染料受容層
4 中間層
21 コア層
22 スキン層

Claims (5)

  1. 基材上に少なくとも染料受容層を設けた熱転写受像シートにおいて、該基材が高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出、排出して得られる多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートであることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記の基材の染料受容層側にある表面に、発泡構造を有さないスキン層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 基材上に少なくとも染料受容層を設けた熱転写受像シートの製造方法において、該基材として、高分子量の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂低分子量の材料としてテルペン系樹脂、トリス−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの中から選ばれる材料との混合物に、超臨界状態の二酸化炭素ガスを溶解、拡散させ、該低分子量材料を該ガスにより抽出して、低分子量材料を排出し、多孔質の発泡構造を有したフィルム又はシートを製造し、その後に基材上に染料受容層を設けることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  4. 前記の基材の染料受容層側にある表面に、発泡構造を有さないスキン層を前記の発泡構造を有したフィルム又はシートの製造時と同時に形成することを特徴とする請求項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  5. 前記の低分子量材料を排出する際に、超臨界状態の二酸化炭素ガスと前記低分子量材料を分離して、低分子量材料を回収することを特徴とする請求項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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