JP7505354B2 - 熱転写受像シート用支持体、熱転写受像シート、基材、印画物、熱転写受像シート用支持体の製造方法、熱転写受像シートの製造方法、基材の製造方法、及び印画物の製造方法 - Google Patents

熱転写受像シート用支持体、熱転写受像シート、基材、印画物、熱転写受像シート用支持体の製造方法、熱転写受像シートの製造方法、基材の製造方法、及び印画物の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、受容層を支持することで熱転写受像シートを構成する熱転写受像シート用支持体及びそれを備える熱転写受像シートに関する。また、本開示は、熱転写受像シート用支持体を構成する基材、熱転写受像シートに印画を行った印画物に関する。また、本開示は、熱転写受像シート用支持体の製造方法、熱転写受像シートの製造方法、基材の製造方法、及び印画物の製造方法に関する。
熱転写を利用した画像形成方法には、昇華型熱転写方式と溶融型熱転写方式とがある。このうちの昇華型熱転写方式では、基材上に昇華性染料を含有する色材層が設けられた熱転写シートと、支持体上に受容層が設けられた熱転写受像シートと、を互いに重ね合わせ、熱転写受像シートの受容層に熱転写シートの色材層が含有する昇華性染料を移行させることで、熱転写画像を、すなわち印画物を形成する。
熱転写受像シートの支持体は一般に、基材、接着層及びフィルムをこの順に備え、フィルム上に受容層を支持している。支持体は、例えば一対のローラの間に基材及びフィルムを含む積層体を通しつつ、基材とフィルムの間に接着層を形成する樹脂を流し込むことにより、基材とフィルムとを接着層を介して貼り合わせることで製造し得る(例えば特許文献1)。
熱転写受像シートから形成される印画物には、染料が移行された受容層、つまり画像上に保護層が転写される場合がある。このような表面に保護層を有した印画物において、表面が高光沢性を有するものでなく、表面に微細な凹凸を有するマット状の印画物を得たいという要求がある。それに対して、大きく分けて以下の3通りの方法がある((1)~(3))。
(1)表面に凹凸を有した保護層を作成する方法がある。例えば、基材上に離型層、保護層を積層した保護層熱転写シートにおいて、離型層にフィラー(粒子)を含有させ、離型層の表面を粗面化することで、転写後の保護層表面に凹凸を付与できる(例えば特許文献2)。
(2)作成した印画物の表面に、加熱下あるいは非加熱下で、凹凸を有したローラや板等を押し付けることで、印画物表面に凹凸を付与する方法がある(例えば特許文献3)。
(3)保護層熱転写シートを使用して、画像上に保護層を熱転写する際の熱エネルギーに強弱をつけて、保護層の表面光沢を変化させる方法がある。例えば、基材上に、熱転写性の保護層、接着層を順次積層した保護層転写シートにおいて、熱転写時の加熱量を制御することで、保護層の表面光沢量を変化させることができる(例えば特許文献4)。
特開2015-193252号公報 特開2004-122756号公報 特開2006-182012号公報 特開2004-106260号公報
特許文献2~4の方法によれば、印画物の表面に、マットがかかって、落ち着いた雰囲気のある意匠性を付与できる。すなわち、通常印画で形成されるグロス画像に対して、マット感を設ける加飾機能を発現させ得る。
このような従来技術とは逆に、グロス画像に対してさらに輝いた意匠性を加飾したいといという要望が高まってきている。すなわち、従来行われてきたマット感加飾に対して、キラキラ感加飾を可能とすることが望まれている
本開示は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的は、印画物表面に特徴的な光沢感(キラキラ感加飾)を有する印画物を提供することである。
本開示に係る熱転写受像シート用支持体は、基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体であって、前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有する、熱転写受像シート用支持体である。
前記基材、前記樹脂層及び前記フィルムの積層方向で見た際、前記複数の空隙を含む領域は前記熱転写受像シート用支持体において部分的に存在し、且つ所定のパターンで区画されてもよい。
前記基材、前記樹脂層及び前記フィルムの積層方向における前記空隙の高さは、0.1μm以上15μm以下でもよい。
前記空隙は、1μm以上1000μm以下の幅を有してもよい。
前記空隙は、1mmの範囲において1個以上存在してもよい。
前記空隙は、1mmの範囲において100個以下存在してもよい。
前記基材、前記樹脂層及び前記フィルムの積層方向で見た際、前記複数の空隙を含む領域は前記熱転写受像シート用支持体の全域にわたって存在してもよい。
前記フィルムの前記樹脂層側とは反対側の面の表面粗さSRaは、0.01μm以上0.1μm以下でもよい。
前記基材の前記樹脂層側の面における、前記複数の空隙を含む領域に対応する部分の表面粗さSRaは、1μm以上3μm以下でもよい。
また、本開示にかかる熱転写受像シートは、前記の熱転写受像シート用支持体と、前記熱転写受像シート用支持体の前記フィルム上に設けられる受容層と、を備える、熱転写受像シートである。
前記受容層の前記熱転写受像シート用支持体側とは反対側の面の表面粗さSRaは、2.2μm以下でもよい。
また、本開示にかかる基材は、第1の表面粗さを有する第1部分と、前記第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分とを備える、基材である。
前記第1の表面粗さは、表面粗さSRaで特定したとき、0μm以上2μm以下でもよい。
前記第2の表面粗さは、表面粗さSRaで特定したとき、1μm以上3μm以下でもよい。
前記第2部分は、印刷で付着されたインクからなる複数の隆起部を含んでもよい。
前記第2部分は、金型によって形成された複数の凹み部を含んでもよい。
また、本開示にかかる印画物は、基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体と、前記熱転写受像シート用支持体の前記フィルム上に設けられる受容層と、前記受容層に受容された色材層と、を備え、前記受容層は、表面粗さが互いに異なる第1印画部分と第2印画部分とを有する、印画物である。
前記第2印画部分の表面粗さは、前記第1印画部分の表面粗さよりも大きく、前記基材のうちの前記第2印画部分に対応する部分の表面粗さは、前記基材のうちの前記第1印画部分に対応する部分の表面粗さよりも大きくてもよい。
また、本開示にかかる他の印画物は、基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体と、前記熱転写受像シート用支持体の前記フィルム上に設けられる受容層と、前記受容層に受容された色材層と、を備え、前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有する、印画物である。
また、本開示にかかる熱転写受像シート用支持体の製造方法は、
基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体の製造方法であって、
前記基材に、第1の表面粗さを有する第1部分と、前記第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分とを形成する基材加工工程と、
前記樹脂層を形成する樹脂を溶融押出により前記基材上又は前記フィルム上に供給する供給工程と、
前記基材と前記フィルムとを前記樹脂を挟んで重ね合わせて、外周面を互いに向き合わせた第1ローラと第2ローラとの間に通すことにより、前記樹脂で形成される前記樹脂層で前記基材と前記フィルムとを接着し前記基材と前記フィルムとを貼り合わせる貼合工程と、を備える、熱転写受像シート用支持体の製造方法である。
前記基材加工工程では、前記基材の一部にインクを印刷で付着させて複数の隆起部を形成するか又は前記基材の一部に金型によって複数の凹み部を形成することで、前記第2部分を形成してもよい。
また、本開示にかかる熱転写受像シートの製造方法は、
基材と、樹脂層と、互いに一体化されたフィルム及び受容層を有する受容材とをこの順に積層する熱転写受像シートの製造方法であって、
前記基材に、第1の表面粗さを有する第1部分と、前記第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分とを形成する基材加工工程と、
前記樹脂層を形成する樹脂を溶融押出により前記基材上又は前記受容材における前記フィルム上に供給する供給工程と、
前記基材の加工処理面と前記受容材のフィルム面とを前記樹脂を挟んで重ね合わせて、外周面を互いに向き合わせた第1ローラと第2ローラとの間に通すことにより、前記樹脂で形成される前記樹脂層で前記基材と前記受容材における前記フィルムとを接着し前記基材の加工処理面と前記受容材のフィルム面とを貼り合わせる貼合工程と、を備える、熱転写受像シートの製造方法である。
前記基材加工工程では、前記基材の一部にインクを印刷で付着させて複数の隆起部を形成するか又は前記基材の一部に金型によって複数の凹み部を形成することで、前記第2部分を形成してもよい。
また、本開示にかかる基材の製造方法は、
基材に、第1の表面粗さを有する第1部分と、前記第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分とを形成する基材加工工程を備え、
前記基材加工工程では、前記基材の一部にインクを印刷で付着させて複数の隆起部を形成するか又は前記基材の一部に金型によって複数の凹み部を形成することで、前記第2部分を形成する、基材の製造方法である。
また、本開示にかかる印画物の製造方法は、
基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体と、前記熱転写受像シート用支持体の前記フィルム上に設けられる受容層と、を有し、前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有する熱転写受像シートを準備するとともに、色材層を有する熱転写シートを準備する準備工程と、
前記熱転写受像シートと前記熱転写シートとを重ね合わせて熱及び圧力を付与することで前記色材層を前記受容層に移行させる印画工程と、を備え、
前記印画工程において、前記複数の空隙の少なくとも一部を前記樹脂層で充填し、前記樹脂層の前記空隙への充填に追従させて前記受容層の表面をへこませることで、前記受容層の表面の表面粗さを、前記印画工程の前よりも大きくする、印画物の製造方法である。
本開示によれば、印画物表面に特徴的な光沢感(キラキラ感加飾)を有する印画物を提供することが可能となる。
本開示の一実施の形態にかかる熱転写受像シートを層構成の構成体を積層した方向を含む平面で切断した層構成を示す断面図である。 図1に示す熱転写受像シートの一部を構成する熱転写受像シート用支持体を層構成の構成体を積層した方向を含む平面で切断した層構成を示す断面図である。 図2に示す熱転写受像シート用支持体の基材と樹脂層との境界を模式的に示す拡大図である。 図2に示す熱転写受像シート用支持体の平面図である。 図1に示す熱転写受像シートと当該熱転写受像シートに昇華性染料を転写するための熱転写シートとを示す図である。 図5Aに示す熱転写受像シートと熱転写シートとを用いた熱転写の様子を示す図である。 図5Bに示す熱転写後の熱転写受像シートを示す図である。 図5A~図5Cによる熱転写で形成された熱転写画像の一例を示す図である。 図5Bに示す熱転写とは異なる条件で熱転写を行った後の熱転写受像シートを示す図である。 図6Aによる熱転写で形成された熱転写画像の一例を示す図である。 図1に示す熱転写受像シートを製造するための製造システムを示す図である。 図2に示す熱転写受像シート用支持体の変形例を示す図である。 図8に示す熱転写受像シート用支持体を構成する基材の製造方法を説明する図である。 図2に示す熱転写受像シート用支持体の変形例を示す図である。
以下、本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のし易さの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を実物のそれらから変更し誇張している場合がある。また、以下の説明では図面の方向を基準として上下方向等を用いて実施の形態を説明する場合がある。ただし、本開示は、実施の形態で説明される方向に限定されるものではない。
<<熱転写受像シート>>
まず、本開示の一実施の形態にかかる熱転写受像シート1について説明する。図1は熱転写受像シート1の層構成を示す断面図である。図1に示す熱転写受像シート1は、熱転写受像シート用支持体10と、受容層22と、を備える。受容層22は、熱転写受像シート1の最表面に位置する層である。本実施の形態では、熱転写受像シート用支持体10上にプライマー層21を介して受容層22が設けられている。
<熱転写受像シート用支持体>
図2は、熱転写受像シート1の一部を構成する熱転写受像シート用支持体10の層構成を示す断面図である。熱転写受像シート用支持体10は、基材11と、樹脂層12と、フィルム20とをこの順に積層し、樹脂層12で基材11とフィルム20とを接着している。本実施の形態では、フィルム20上にプライマー層21を介して受容層22が設けられることになる。また、基材11の樹脂層12側の面とは反対側の面には裏面層13が設けられている。なお、熱転写受像シート用支持体10は少なくとも基材11と、樹脂層12と、フィルム20とを備えるものであって受容層22を支持することができるものであればよく、その層構成は特に限られるものではない。
(基材)
基材11としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等が用いられ得る。また、セルロース以外の樹脂材料からなるフィルムやカードなども基材として使用できる。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリエステル、アラミド樹脂及びビニロン樹脂などが挙げられる。また、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維からなるフィルムやシートなども使用できる。基材11の厚みについて特に限定はなく、例えば10μm以上300μm以下である。特に好ましくは、100μm以上200μm以下である。
本実施の形態では基材11として、表面粗さが比較的大きい部分を少なくとも一部に有する部材が用いられる。図3は熱転写受像シート用支持体10の基材11と樹脂層12との境界を模式的に示す拡大図であり、図4は熱転写受像シート用支持体10の平面図である。
図3を参照し、基材11は、第1の表面粗さを有する第1部分11Aと、第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分11Bとを備えており、このうちの第2部分11Bが、表面粗さが比較的大きい部分に対応する。図4においては、説明の便宜上、第2部分11Bが位置する領域を二点鎖線で囲んで示している。図4に示すように本実施の形態における第2部分11Bは、基材11、樹脂層12及びフィルム20の積層方向で見た際、つまり平面視で、ドーナッツ状になっている。つまり、第2部分11Bは、熱転写受像シート用支持体10において部分的に存在する。なお、平面視での第2部分11Bの形状や範囲は特に限られるものではなく、例えば第2部分11Bは基材11の表面全体に位置していてもよい。
第2部分11Bの第2の表面粗さSRaは、1μm以上3μm以下でもよい。
なお、本開示において、表面粗さSRaは、JIS B 0601:1982に準拠し、東京精密(株)製のサーフコム 1400Gを用いて、下記の条件にて3次元の断面測定を行い、得られた断面曲線データに対して、「傾斜補正:曲線補正」して算出された、中心面平均粗さを意味する。なお、以下に示す基材のMD方向とは、MachineDirectionの略であり、熱転写受像シート用支持体作製の際のロール紙の流れ方向を意味し、TD方向とは、Transverse Directionの略であり、MD方向に直角な方向を意味する。
<測定条件>
・測定範囲:TD方向40mm×MD方向20mm
・測定方向:TD方向(後述の第2方向D2)に針をスイープしながら測定。
・測定ピッチ(X):19.541μm
・測定ピッチ(Y):290.000μm
・測定点数(X):2018点
・測定ライン数(Y):70ライン
・λsフィルタ:なし
・傾斜補正:なし
・測定速度:1.500mm/s
・移動戻り速度:3.000mm/s
・Y軸戻り位置:測定開始位置
・ピックアップ種類:標準ピックアップ
・極性反転:正転
また、基材11の第2部分11Bの平滑度は、10秒以上5000秒以下であることが好ましい。さらに好ましくは、20秒以上500秒以下である。
なお、本開示において、平滑度はJIS P 8155:2010に準拠して測定される。
本実施の形態では、比較的平滑な基材11の一部の表面にエンボスロール等の金型によって複数の凹み部11Cを形成することで第2部分11Bが形成されている。逆に、比較的粗面な基材11の一部をエンボスロール等の金型によって凸部を平坦化することによって第1部を形成することもよい。
なお、第2部分11Bは、印刷によって比較的平滑な基材11に付着させたインクにより複数の隆起部を形成することでも形成され得る。逆に、比較的粗面な基材11の一部にインクを乗せて凹部を穴埋めすることによって第1部を形成されてもよい。また、第2部分11Bが基材11の表面全体に位置する場合には、第2部分11Bは、表面の粗い基材の表面によって形成されてもよい。
基材11が樹脂層12及びフィルム20と一体化された際、図3に示すように、本実施の形態では基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙30が形成される。この空隙30は、図示の例では、上述した基材11の表面の凹み部11Cの内側空間を樹脂層12で充填しないように樹脂層12と基材11とを積層することで形成されている。また図示しないが、境界付近に形成される空隙は例えば基材11の内部に形成されている空隙が潰れないように樹脂層12と基材11とを積層することで形成され得る。
このように基材11の表面の凹み部11Cの内側空間を樹脂層12で充填しないように樹脂層12と基材11とを積層した場合には、樹脂層12の基材11側とは反対側の面が平滑となる。また詳細は後述するが、多彩な表現で印画物を形成することも可能となる。基材11の表面のうちの凹み部11Cが存在しない部分から凹み部11Cの底までの凹み部11Cの深さは、0.1μm以上5μm以下でもよい。0.1μm以上1μm以下の時多彩な表現として特徴的な光沢感を有する印画物を形成できる。1μm以上5μm以下の時、印圧や印画エネルギーのような印画条件に応じた光沢感をより調整しやすくできる。また、凹み部11Cの深さは、5μmよりも大きくてもよく、この場合も特徴的な光沢感のみならず、目視で凹凸を有する印画物を形成できる。さらに、凹み部11Cの深さが5μmよりも大きい場合には、凹み部11Cの存在を手で触って認識できる。
(フィルム)
フィルム20は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムや、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、内部にミクロボイドを有するフィルム等でもよい。
中でもミクロボイドを有する所謂ボイドフィルムは、鮮明な画像を形成する上で有利である。ボイドフィルムとしては、以下に示す二つの方法により、ボイド(微細空孔)を生じさせることができる。一つは、ポリマー中に無機微粒子を混練し、そのコンパウンドを延伸するときに無機微粒子を核としてミクロボイドを生じさせる方法である。もう一つは、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマー(一種類でも複数でも良い)をブレンドしたコンパウンドを作成する。このコンパウンドは微視的にみるとポリマー同士が微細な海島構造を形成している。このコンパウンドを延伸すると海島界面の剥離または、島を形成するポリマーの大きな変形によってミクロボイドが発生する。フィルム20として用いるボイドフィルムの厚さは、通常10μm以上100μm以下であり、好ましくは20μm以上50μm以下である。
フィルム20の樹脂層12側とは反対側の面(受容層22側の面)の表面粗さSRaは、0.01μm以上0.8μm以下が好ましく、0.01μm以上0.5μm以下がより好ましい。これにより、生産性の向上、製造コストの低減及び受容層の平滑性の維持が可能となる。熱転写受像シート1は、基材11、樹脂層12、フィルム20、プライマー層21及び受容層22をこの順に積層してラミネートされることで形成されるが、フィルム20の表面粗さSRaが上記範囲である場合、受容層22の表面も平滑に仕上がる。
(樹脂層)
基材11とフィルム20とを貼り合わせて接着するための樹脂層12は、溶融押出した樹脂によって形成されており、すなわち、溶融押出した樹脂が冷却に伴って固化することで樹脂層12は形成される。樹脂層12の形成に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。具体的には、熱可塑性樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-ポリプロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合体、無水マレイン酸をポリオレフィンにグラフト変性した樹脂等を使用することができる。樹脂層12の形成に用いる樹脂は、上記材料のうちの一種でもよいし、二種以上を組み合わせたものでもよい。
これらの中でも、ポリオレフィンが好ましい。特にLDPEであって、JIS K 6760:1995によって測定された密度が、0.93g/cm以下であることが好ましく、0.90g/cm以上0.93g/cm以下であることがより好ましく、0.915g/cm以上0.925g/cm以下であることが特に好ましい。樹脂層12の形成に用いる樹脂として上記密度範囲のLDPEを用いた場合には、接着性を有するため、単独で使用できる。また、弾性率が低いため、印画品質が良く、カールバランスを取りやすくなる。
樹脂層12の形成に用いる樹脂の融点は、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。
また、LDPEを用いた場合、融点は105℃以上110℃以下が好ましい。
なお、本開示における融点はJIS K 7121:2012によって測定される値である。
樹脂層12の厚みは特に限られるものではないが、乾燥状態で10μm以上20μm以下が好ましい。これにより、印画品質と受像紙のカールバランスとを両立できる。
(裏面層)
裏面層13は、熱転写受像シート1の用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。中でも、熱転写受像シート1の搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層13とすることが好ましい。裏面層13は、ポリオレフィン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、スチレン樹脂及びポリウレタン等の樹脂材料を主成分として形成できる。
裏面層13は溶融押出した樹脂によって形成されてもよく、すなわち、溶融押出した樹脂が冷却に伴って固化することで裏面層13が形成されてもよい。
裏面層13の形成に用いる樹脂は、融点が100℃以上のポリオレフィンが好ましく、融点120℃以上のポリオレフィンがより好ましい。特にポリオレフィンはHDPEであって、密度が0.93g/cm以上であることが好ましく、0.93g/cm以上0.96g/cm以下であることがより好ましく、0.94g/cm以上0.95g/cm以下であることが特に好ましい。裏面層13の形成に用いる樹脂として上記密度範囲のHDPEを用いた場合には、搬送性向上機能や、カール防止機能を確保できる。
裏面層13の厚みは特に限られるものではないが、乾燥状態で15μm以上40μm以下が好ましく、20μm以上30μm以下がより好ましい。これにより表面側のLDPE/ボイドフィルムの積層部と同程度の張力バランスをとることができ、熱転写受像シート用支持体あるいは熱転写受像シートのカールを低減できる。
<受容層>
受容層22は、熱転写シートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。受容層22の表面の表面粗さSRaは、好ましくは2.2μm以下である。受容層22を形成するための樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリスルフォン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
受容層22には、熱転写シートとの離型性を向上させるために離型剤を含んでもよい。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂が挙げられる。シリコーンオイルとしては、反応性シリコーンオイル、固化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイルなどが挙げられる。中でも、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を好ましく用いる事ができるが、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。また、これらの離型剤を2種以上組み合わせて用いる事も好ましい。これらの変性シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹脂100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下が好ましい。
また受容層22には、白色度を向上させて画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、および微粉末シリカ等の顔料や充填剤が添加されてもよい。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、およびリン酸エステル化合物等の可塑剤を添加してもよい。また受容層22にはさらに、架橋剤、硬化剤、触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等が含まれてもよい。
受容層22は、熱可塑性樹脂および他の必要な添加剤、例えば離型剤等を、有機溶媒や水に溶解もしくは分散させた塗工液を、塗布および乾燥して形成することができる。塗布手段としては、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビア版を用いたリバースロールコーティング法等が挙げられる。このように形成される受容層22の厚みは、乾燥状態で0.5μm以上50μm以下が好ましく、2μm以上10μm以下がより好ましい。
<プライマー層>
プライマー層21はフィルム20と受容層22との接着性を向上させるために設けられている。プライマー層21を構成樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリスルフォン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、およびポリプロピレン等が挙げられる。
プライマー層21には、白色性や隠蔽性を付与するために酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、および炭酸カルシウム等の白色材料を添加してもよい。さらに、白色性を高めるためにスチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、およびベンゾオキサゾール系化合物等を蛍光増白剤として添加したり、画像の耐光性を高めるためにヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびベンゾフェノン系化合物等を紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤として添加したり、あるいは帯電防止性を付与するためにカチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン、および各種導電性フィラー等を添加することができる。プライマー層21の厚みは、0.1μm以上10μm以下が好ましい。
なお、受容層22とプライマー層21は、基材11と、樹脂層12と、フィルム20とを積層してなる熱転写受像シート用支持体10を作製した後、熱転写受像シート用支持体10のフィルム20上にプライマー層21、受容層22の順で設けられてもよい。あるいは、フィルム20上にプライマー層21を塗布後、さらに受容層22を塗布してなる受容材を作製した後、この受容材と基材11とを樹脂層12によって接着してもよい。
<熱転写受像シート用支持体における基材と樹脂層の境界>
上述したように本実施の形態では基材11と樹脂層12との境界に複数の空隙30が形成される。以下、図3及び図4を参照しつつ、熱転写受像シート用支持体10における基材11と樹脂層12の境界の構成について説明する。
図3に示される空隙30は、樹脂層12から基材11に向かう方向へ凹むように形成されている。図示の空隙30は、樹脂層12から基材11に向かう方向へ凹むが、基材11から樹脂層12に向かう方向へ凹む空隙30が形成されてもよい。基材11、樹脂層12及びフィルム20の積層方向(熱転写受像シート用支持体10の厚み方向)における空隙30の高さHは例えば0.1μm以上15μm以下でもよい。高さHは、凹み部11Cの深さに対応する。また図3は、上記積層方向に直交する面と平行な図中第1の方向D1に延びる積層方向を含む面(第1方向切断面)で基材11、樹脂層12及びフィルム20を切断した際の第1の断面を示している。図3の符号Wで示される第1の方向D1における空隙30の幅は、1μm以上1000μm以下でもよい。すなわち、空隙30は上記積層方向に直交する面と平行な第1の方向D1に基材11、樹脂層12及びフィルム20を切断した際の第1の断面において、例えば0.1μm以上15μm以下の高さHを有するとともに、1μm以上1000以下の幅Wを有していてもよい。
なお、上記境界とは、上述した互いに向き合う樹脂層12と基材11との境目となる部分を意味し、境界付近とは、境界のうちの樹脂層12と基材11とが接している部分から基材11側へ基材11の厚みの10%までの範囲、及び、境界のうちの樹脂層12と基材11とが接している部分から樹脂層12側へ樹脂層12の厚みの10%までの範囲を意味する。
第1の方向D1は所謂MD(Machine Direction)であり、熱転写受像シート1がロール状に巻き回されている場合にはその長手方向、言い換えると巻き回し方向である。また、基材11が紙基材であり繊維方向が存在する場合には通常、繊維方向がMDと一致するため、通常、第1の方向D1は繊維方向と平行又は略平行になる。なお、紙基材の繊維方向は例えば表面の顕微鏡観察で確認できる。一方で、基材11が紙基材であり繊維方向が存在する場合であっても、0.1μm以上15μm以下の高さHを有するとともに1μm以上1000μm以下の幅Wを有する空隙30が繊維方向とは異なる方向における断面の境界において存在する場合もあり得る。
上述の空隙30は第1の方向D1における1mmにおいて1個以上存在することが好ましい。ただし、第1の方向D1における1mmにおける空隙30の数は100個以下であることが好ましい。これにより、樹脂層12と基材11の接着性低下を抑制しつつ、十分な意匠性の向上が望める。
また熱転写受像シート1は、第1方向D1と直交する第2方向D2に延びる積層方向を含む面(第2方向切断面)で基材11、樹脂層12及びフィルム20を切断した際の第2の断面上での基材11と樹脂層12との境界においても、複数の空隙(以下、第2断面空隙と呼ぶ。)を有する。この第2断面空隙は、図示しないが積層方向における高さが例えば0.1μm以上15μm以下で且つ幅が1μm以上1000μm以下でもよい。第2断面空隙も上記空隙30と同様に例えば樹脂層12から基材11に向かう方向へ凹むように形成されてもよい。そして第2断面空隙は、前記第2の方向D2における1mmの範囲において複数存在してもよく、1個でもよい。ただし、第1の方向D1における1mmにおける空隙30の数は100個以下であることが好ましい。これにより、樹脂層12と基材11の接着性低下を抑制しつつ、十分な意匠性の向上が望める。
また、本実施の形態では空隙30の元となる基材11の第2部分11Bがドーナッツ状であることで、図4に示すように、空隙30を含む領域30Aは熱転写受像シート用支持体10において部分的に存在し、且つ所定のパターンで、本例ではドーナッツ状となるように区画されている。なお、領域30Aの形状はドーナッツ状に限られるものではなく、星型、ハート型等でもよく、領域30Aの大きさや位置も限られるものでなく、数も限られるものではない。領域30Aは、基材11の第1部分の表面粗さとは異なる第2部分の表面粗さであるために印画に応じて、その他の領域とは異なる地合を表現し得るものであり、装飾性を考慮して任意に設定されてよい。
なお基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかにおける空隙30の有無は、例えば熱転写受像シート1又は熱転写受像シート用支持体10を、積層方向を含む面にて切断し、断面を露出させ、当該断面の1000倍のSEM画像を取得して観察することで確認できる。具体的には、熱転写受像シート1又は熱転写受像シート用支持体10を第1の方向D1及び積層方向を含む面にて切断し、断面を露出させ、当該断面の1000倍のSEM画像を取得して観察することで確認できる。また、基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかにおける第2断面空隙の有無は、例えば熱転写受像シート1又は熱転写受像シート用支持体10を第2の方向D2及び積層方向を含む面にて切断し、断面を露出させ、当該断面の1000倍のSEM画像を取得して観察することで確認できる。また、空隙の確認は、非破壊方式でも可能である。この場合、X線CT撮像で三次元的に内部構造を観察して、空隙の存在及び寸法を確認するのがよい。熱転写受像シート1又は熱転写受像シート用支持体10の側面を観察しても、側面から露出した空隙30を確認できる場合もある。
なお、図3における凹み部11Cに設けられた空隙30は、言い換えると凹み部11Cによって形成される空隙30は、基材11全面に存在してもいいし、部分的に存在していてもよい。
基材11の全面に均一な分布で空隙30の元となる凹凸が存在する基材は、基材を製造する工程で、その凹凸度合いを調整することで製造することができる。
例えば、基材11として紙を使用するとき、抄紙工程やその後の脱水、乾燥、カレンダー処理工程における製造方法、工程条件、処理条件を調整することで、全面に凹凸が存在する基材を作製することができる。また、基材11として、合成樹脂フィルム、合成樹脂シートを使用するとき、基材を製造する各工程、すなわち、押出し、冷却、延伸、アニーリング等の各工程における製造方法、工程条件、処理条件を適宜調整することで、全面に凹凸を持った基材を作製することができる。
後述するが、このような全面に均一に凹凸部が分布した基材であっても、印画条件を画面内で適宜調整することで、部分的に意匠性を高めた印画物を作製することができる。
逆に、基材11の一部に、均一な分布で空隙30の元となる凹凸が存在する基材も、基材を製造する工程で、その凹凸度合いを調整することで製造することができる。しかしながら、基材11の汎用性、生産性を考慮したとき、さらには、凹凸形状の多様性を考慮すると、基材11の全面が、均一に平坦である基材や、全面に均一凹凸が存在する基材である方が、好ましい。
このような全面が均一に平坦である基材や、全面に均一凹凸が存在する基材の表面形状に変更を加え、高意匠性を実現する手段としては、エンボス処理、カレンダー処理、グラビア印刷、活版印刷、孔版印刷、オフセット印刷などの印刷法、インクジェット法を始めとした3D加工処理による方法を単独で、もしくは、複数種の方法を組み合わせて用いることができる。
以下、凹凸の形成について具体的に説明する。
<エンボス機による凹凸の形成>
作製するエンボス凹凸に比べて凹凸の小さな原紙、例えばRaで0μm以上5μm以下とした比較的平滑な原紙が使われる。適切なエンボス版にて、原紙の硬さに応じて、熱圧をかけることで、比較的平坦な原紙に凹凸をつけることができ、所望のエンボス形状を設けることができる。
エンボス版としては、任意の抽象柄、縦線柄、横線柄、縦筋柄、横筋柄、木目柄、水玉柄、ダイヤ柄、絹目柄のような、従来から壁紙などで使われるエンボス柄に加え、唐草模様、七宝文様、雷文のような和柄、アラベスク模様、スプラッシュ柄のような洋柄に代表される服地柄をベースに起こしたエンボス柄、さらには、各種アニメ、映画、コンピューターゲーム、ご当地キャラクターなどのキャラクターなどから起こしたキャラクターデザイン、会社の社名、ロゴ、国旗や自治体の独自のデザインから起こしたエンボス柄を使うことも、可能である。
エンボス版は、上記絵柄で特徴づけられるものの、その意匠性を十分に表現するためには、版深、版ピッチをエンボス条件に合わせて調整することで可能である。例えば、版深としては基材厚みに対して、10%以上1000%以下が好ましく、30%以上300%以下がさらに好ましい。別の尺度で見ると、版深としては1μm以上10000μm以下が好ましく、10μm以上1000μm以下がさらに好ましい。版ピッチとしては、単位絵柄に対して、0.01%以上100%以下が好ましく、0.1以上10%以下がさらに好ましい。
これらのエンボス版は、エンボス加工条件、例えば、エンボス機の加工圧力、ライン速度、加工温度、対向ロールの材質、形状により適宜調整される。例えば、数mmピッチの単位絵柄からなる絹目柄の場合、版深50μm以上500μm以下、絵柄ピッチ100μm以上1000μm以下の絹目柄をエンボス版の全面、もしくは、一部に設けたエンボス版とするとよい。
このような絹目柄からなるエンボス版を用い、エンボス圧力0.5~50トン/M、ライン速度5~200M/分、加工温度常温~300℃、対向ロールとして、硬質ゴムロール、コットンロール、ペーパーロール等の表面硬度の高いロールを使用することで、基材表面に、均一に、0.1μm以上1000μm以下からなる絹目模様を設けることが好ましい。
逆に、作製するエンボス凹凸に比べて凹凸の大きい原紙、例えばRaで2μm以上15μm以下とした比較的粗い原紙を使うこともできる。この際も、上述した各種エンボス柄を使用できる。適切なエンボス版にて、原紙の硬さに応じて、熱圧をかけることで、比較的粗い原紙の凹凸を均すことができ、所望のエンボス形状を設けることができる。
また、原紙を基材として使用した場合を例に挙げて説明してきたが、上述の通り、様々な合成樹脂基材も使用できる。また、そのような合成樹脂フィルム、シートからなる基材を用いた場合であっても、上述した原紙と同様に、合成樹脂フィルム、シートの表面粗さに応じて、表面処理することで、第1の表面粗さ部と第2の表面粗さ部を形成することができる。また、その処理加工の条件は、材料の熱圧特性に応じて調整することで、バリエーション豊かな様々な基材を用いることが可能である。
なかでも比較的汎用性の高いPETを基材として使用した場合は、過大な熱圧をかけることで、粗さの異なる2つの領域を効率的に形成でき、好ましい。
<印刷による凹凸の形成>
作製するエンボス凹凸に比べて凹凸の小さい原紙、例えばRaで0μm以上5μm以下とした比較的平滑な原紙が使われる。グラビア、凸版、孔版、オフセットの各種印刷方式に応じた印刷版を用いて印刷することで、比較的平坦な原紙に凹凸をつけることができ、所望の凹凸形状を設けることができる。
印刷版としては、任意の抽象柄、縦線柄、横線柄、縦筋柄、横筋柄、木目柄、水玉柄、ダイヤ柄、絹目柄のような、従来から壁紙などで使われる印刷柄に加え、唐草模様、七宝文様、雷文のような和柄、アラベスク模様、スプラッシュ柄のような洋柄に代表される服地柄をベースに起こした印刷柄、さらには、各種アニメ、映画、コンピューターゲーム、ご当地キャラクターなどのキャラクターなどから起こしたキャラクターデザイン、会社の社名、ロゴ、国旗や自治体の独自のデザインから起こした印刷柄を使うことも可能である。
印刷版は、上記絵柄で特徴づけられるものの、その意匠性を十分に表現するためには、それぞれの印刷方式におけるコート量(印刷厚み)、凹凸ピッチを制御する版深、版ピッチ、セル容積を合わせて調整することで可能である。
版深としては基材厚みに対して、10%以上1000%以下が好ましく、30%以上300%以下がさらに好ましい。別の尺度で見ると、版深としては1μm以上10000μm以下が好ましく、10μm以上1000μm以下がさらに好ましい。
版ピッチとしては、単位絵柄に対して、0.01%以上100%以下が好ましく、0.1%以上10%以下がさらに好ましい。
例えば、97線100μm斜線(版深0.5μm、ピッチ240μm)で4μm以上5μm以下のコート量を狙ったとき、凹凸は1μm程度となる。
また、基材として、様々な合成樹脂基材も使用できる。
<熱転写受像シートを用いた熱転写による画像形成>
次に基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに空隙30を設けた本実施の形態にかかる熱転写受像シート1を用いた熱転写画像(印画物)の形成について、説明する。
図5Aは、本実施の形態にかかる熱転写受像シート1と、当該熱転写受像シート1に昇華性染料を転写するための熱転写シート200とを示す。熱転写シート200は公知のものであってもよく、シート状の支持基材201と、支持基材201の一方の面に面順次に設けられた色材層202と、オーバーコート層(保護層)とを備えている。色材層202は昇華性染料を含有する層であり、例えば互いに色の異なる複数の染料含有部分を含む。複数種の色材層はY、M、Cの複数色からなるパネルであることが好ましい。それぞれ独立した複数の熱転写シートであってもよい。オーバーコート層も同様に、独立した熱転写シートであってもよい。
熱転写により熱転写画像を形成する際には、図5Bに示すように、熱転写受像シート1の受容層22と熱転写シート200の色材層202とが接触するように重ね合わされて、色材層202が受容層22に押し当てられるようにサーマルヘッド220によって印圧を付与しつつ、昇華性染料を移行させる位置においてサーマルヘッド220に電圧を印加して色材層202を加熱することで、色材層中の染料が熱転写受像シートの受容層に熱拡散移動し画像を形成する。オーバーコート層(保護層)は、同様な加熱によりオーバーコート層全体が、もしくは、その層の一部が、熱転写シートから熱転写受像シートの受像層表面へ熱転写する。
図5Bに示す熱転写において、熱転写受像シート1に比較的低温の熱がかかる低温印画がなされるとき、図5Cの第1印画部分2Aに示す下層の空隙30は、その形状を保ったままである。一方、熱転写受像シートに比較的高温の熱がかかる高温熱転写がなされるとき、図5Cのように、受容層22に染料202iが保持されるとともに、図5Cの第2印画部分2Bに示す下層の空隙30は熱溶融樹脂の侵入により消失され、それに伴い、空隙上部の樹脂層、ボイド層、受容層が凹むことで、印画物画像表面に凹部が形成される。より、具体的には以上のような熱転写によって形成される熱転写画像においては、図5Cの第1印画部分2Aに示すように、受容層22に染料202iが保持される。ここで、図5Bに示す熱転写では、熱転写受像シート1に比較的高温の熱がかかる高温印画がなされる。これにより、この例では樹脂層12の流動性が増加して樹脂層12が空隙30に充填され、このような樹脂層12の空隙30への充填に追従して受容層22の表面が凹む。そして、受容層22の表面の表面粗さが、図5Bによる印画工程の前よりも大きくなる。このように受容層22の表面の表面粗さが増加する部分は、空隙30を含む領域30A上に浮き出る。その結果、例えば図5Dに示すように、範囲ACで示す表面の一部の地合が、他の部分と異なるように表現された装飾性を有する印画物2が得られる。範囲ACで示す表面の一部はその他の箇所とは異なる表面凹凸形状を有することで、他の箇所とは異なる見栄えとなる。光を広い角度範囲に反射させる凹凸形状を形成することで、キラキラした状態、言い換えると特徴的な光沢感(キラキラ感加飾)を形成する。また、任意の抽象柄、縦線柄、横線柄、縦筋柄、横筋柄、木目柄、水玉柄、ダイヤ柄、絹目柄のような、従来から壁紙などで使われる建材柄に加え、唐草模様、七宝文様、雷文のような和柄、アラベスク模様、スプラッシュ柄のような洋柄に代表される服地柄、さらには、各種アニメ、映画、コンピューターゲーム、ご当地キャラクターなどのキャラクターデザイン、会社の社名、ロゴ、国旗や自治体の独自のデザイン柄を使うこと印画物の装飾性を向上させ得る。
なお、図5Bに示す熱転写において、色材層202として着色を目的とした色材層では、色材層202が受容層22に押し当てられ、色材層202に比較的低温の熱がかかるか、もしくは、比較的高温の熱がかかることで、色材層202から受容層22及び樹脂層12に伝わる熱が変化し、元の受像紙に形成されている空隙30が、画像形成後もそのままの空隙として残っていたり、もしくは、樹脂の侵入により消去することで、受像紙表面の凹凸が形成される。一方で、図5Bに示す熱転写シート200では、色材層202として、あるいはそれに代えて、色材の退色や、傷付きを保護する保護層が設けられたり、この保護層上にさらに可飾するためのホログラム画像や、ロット情報を表示するための可飾パネルが設けられたりすることがある。このような場合には、サーマルヘッドによる熱が保護層又は可飾パネルから受容層22及び樹脂層12に伝わるように材料ならびに印画条件を設計することで、従来にはない意匠性を設けることができる。また、受容層22の表面におけるキラキラ感加飾は、比較的大きい印圧を付与することでも形成され得る。このため、例えば保護層印画時の熱エネルギーを固定し、対応するプラテンロールの形状に凹凸を持たせることなどで、印圧を調整してキラキラ感可飾が形成することもできる。また、印圧と熱との組み合わせでキラキラ感加飾が形成されてもよい。
以上のようにして形成された図5Cに示す印画物2は、基材11と樹脂層12とフィルム20とをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体10と、熱転写受像シート用支持体10のフィルム20上に設けられる受容層22と、受容層22に受容された昇華性の染料202iと、を備える。そして、受容層22は、表面粗さが互いに異なる第1印画部分2Aと第2印画部分2Bとを有する。第2印画部分2Bの表面粗さは第1印画部分2Aの表面粗さよりも大きくなっている。また、基材11のうちの第2印画部分2Bに対応する部分、つまり第2部分11Bの表面粗さは基材11のうちの第1印画部分2Aに対応する部分、つまり第1部分11Aの表面粗さよりも大きくなっている。
以上に説明した印画物2を製造する方法は、熱転写受像シート1を準備するとともに、色材層202を有する熱転写シート200を準備する準備工程と、熱転写受像シート1と熱転写シート200とを重ね合わせて熱及び圧力を付与することで、色材層202に含まれる昇華性の染料202iを受容層22に移行させる印画工程と、を備える。そして、前記印画工程においては、複数の空隙30の少なくとも一部を樹脂層12で充填し、樹脂層12の空隙30への充填に追従させて受容層22の表面をへこませることで、受容層22の表面の表面粗さを印画工程の前よりも大きくするという処理がなされている。
一方で、本実施の形態にかかる熱転写受像シート1は、図5Bに示した高温印画よりも低温で行われる低温印画を施された場合には、図6Aに示すように、樹脂層12が空隙30に充填されることを抑制できる。この場合には、図6Bに示すような、表面全体の地合が均一な印画物3が得られる。
印画物3は、基材11と樹脂層12とフィルム20とをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体10と、熱転写受像シート用支持体10のフィルム20上に設けられる受容層22と、受容層22に受容された昇華性の染料202iと、を備え、基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙30を有している。
以上に説明したように本実施の形態にかかる熱転写受像シート1は、基材11と、樹脂層12と、フィルム20とをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体10を備える。そして、熱転写受像シート用支持体10は基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙30を有する。このような熱転写受像シート1では、印画の際に空隙を樹脂層12で充填するか否かを調整することで、印画物表面に特徴的な光沢感(キラキラ感加飾)を有する印画物を提供することが可能となる。
これまで色材層としては、熱拡散型の熱転写方式、所謂、染料転写方式を用いて説明してきたが、画像形成する方法はこれに限るものではない。技術的に近い熱転写方式である溶融転写方式は、もちろんのこと、インクジェット方式のような熱を使用しない方式であっても、本発明の熱転写受像シートを使用することで、例えば、色材画像形成時のエネルギーを調整したり、色材画像形成後の保護層(オーバープリント層)形成の熱エネルギーを調整することで、特殊な光沢感(キラキラ感可飾)を全面に、もしくは部分的に有した印画物を提供できる。
<<熱転写受像シートの製造システム>>
次に熱転写受像シート1を製造可能な製造システム50の一例を図7を用いて説明する。図7に示す製造システム50は、基材加工装置100と、樹脂貼合装置60と、シート貼合装置70と、を備える。基材加工装置100は、基材11に表面粗さの大きい部分、もしくは小さい部分を形成する装置であり、樹脂貼合装置60は必要に応じて基材表面を加工処理した基材11と裏面層13とを一体化するための装置であり、シート貼合装置70は、基材加工装置100の処理後に、基材11の裏面層13側に裏面樹脂を貼り合わせた後、その面とは反対側の面にフィルム20を一体化するか、又は、フィルム20、プライマー層21及び受容層22が積層されてなる受容材24を一体化するための装置である。
上述したように、本実施の形態では、基材11と樹脂層12との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙30が形成される。この空隙30は、例えば基材11の表面の凹み部11Cの内側空間を樹脂層12で充填しないように樹脂層12と基材11とを積層することで形成される。製造システム50は、製造過程において、樹脂層12が凹み部11Cに充填されないようにするための構成を備える。以下、製造システム50の各部について詳述する。
上述の通り、製造システムは、基材加工装置100、樹脂貼合装置60、シート貼合装置70を備える。基材11が全面均一な凹凸形状を有するとき、基材30自体が有する凹部に樹脂を押し込まないようにシートを貼合せることで、空隙30を形成することが可能である。一方、基材11が全面平坦で凹凸形状を持たないとき、基材11の表面に基材加工装置100により、凹凸形状を作製することで、その後、シート貼り合わせ装置70において、空隙30を形成することができる。この凹凸形状を形成する基材加工装置100は、シート貼合装置に基材が通過する以前に配置される必要がある。従って、基材の搬送方向に沿って考えたとき、基材加工装置100、樹脂貼合装置60、シート貼合装置70、の順と、樹脂貼合装置60、基材加工装置100、シート貼合装置、の順と、が可能である。
しかしながら、基材加工装置100は、具体的には、エンボス加工、印刷加工、インクジェット等による3D加工装置であり、樹脂貼り合せ装置60、シート貼り合せ装置70とは生産環境への要求仕様が異なることが多いため、その配置としては、樹脂貼合装置60の前とするのが汎用性を広くできるためによい。ここで、生産環境とは、陰圧、陽圧などの設置環境の空気圧や、防爆設備などの安全性確保に必要な設備環境、粉塵などのクリーン環境などを全体的に含めた生産環境をいう。また、基材加工装置として、エンボス加工、カレンダー加工等の加工エネルギー(熱圧)は、樹脂貼り合せ加工のためにかかるエネルギーや、シート貼り合せ加工でかかる圧力に比べ大きいため、裏面樹脂を設ける前に、すなわち、最初に行うことがよい。貼り合せ後に加圧加工を行った際に悪影響を避けることができる。なお、それぞれの装置が独立していても可能である。
<基材加工装置>
本実施の形態における基材加工装置100は、エンボスローラ101と、エンボスローラ101と対向して配置される受けローラ102とを有する。エンボスローラ101の外周面には凸パターンが形成されており、基材11は、エンボスローラ101と受けローラ102との間を通過することで、図3に示した、第1の表面粗さを有する第1部分11Aと、第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分11Bとを形成される。逆に、第1の表面粗さが十分に粗いとき、エンボスローラ101の表面性を制御することで、第2の表面粗さを第1の表面粗さより小さくすることも可能である。
基材加工装置100を通過した基材11及び樹脂層12は、シート貼合装置70に送られる。ここで、本実施の形態では、樹脂貼合装置60と基材加工装置100との間に反転装置90が設けられている。反転装置90は、基材11と樹脂層12との向きを表裏反転させる。
<樹脂貼合装置>
まず樹脂貼合装置60は、回転軸が互いに平行になるように配置される第1プレスローラ61及び第1チルローラ62と、裏面層13を形成する樹脂を溶融押出する第1ダイ63と、を有している。
第1プレスローラ61はゴムローラであり、第1チルローラ62は金属製ローラであり、第1プレスローラ61の外周面は第1チルローラ62の外周面よりも弾性変形し易くなっている。第1プレスローラ61及び第1チルローラ62の種別は特に限られるものではなく、第1プレスローラ61が金属製であり、第1チルローラ62がゴム製ローラであったり、例えば第1プレスローラ61及び第1チルローラ62の両方がゴムローラで構成されてもよい、さらに、両方が金属ローラでもよい。また図示の例では、第1チルローラ62がその回転によって基材11を搬送するようになっている。この配置とすることで、熱溶融樹脂の冷却を効率よく行うことが可能となり、生産性を高めることが可能となる。チルロールとプレスロールは、その構造上どちらか一方の軸を固定し、もう一方の軸を可動とすることでチルロールとプレスロールの距離を調整できるようにするのがよい。これによりロール間隔を調整することができるため、原反を給紙から排紙まで紙通しする、所謂、「原反通し」をすることが容易に可能となる。さらに、生産中の「原紙と樹脂」の押し付け力を調整することも可能となる。原紙搬送に必要な機械精度を確保する上では、通常金属製であるチルロールを固定することでチルロールとプレスロールの距離を調整できるようにすることが、原紙搬送安定性を再現できるために良い。
第1ダイ63は溶融樹脂押出機における溶融樹脂の吐出口部分であり、ダイヘッドとも呼ばれる部分である。第1ダイ63は、第1プレスローラ61及び第1チルローラ62の上方に配置され、基材11が第1プレスローラ61の外周面と第1チルローラ62の外周面との間に送り込まれる前に、基材11の第1プレスローラ61側の面とは反対側の面に樹脂(以下、裏面層形成樹脂13R)を供給するようになっている。第1ダイ63は水平方向の位置を調整可能となっており、図示の例では第1ダイ63が第1プレスローラ61側に位置し、第1プレスローラ61の外周面と第1チルローラ62の外周面との間に送り込まれる前における第1プレスローラ61上の基材11に裏面層形成樹脂13Rを供給する。なお、第1ダイ63は第1チルローラ62側に配置されることで、第1チルローラ62上や第1チルローラ62上の基材11に裏面層形成樹脂13Rを供給することもできる。
第1ダイ63は裏面層形成樹脂13Rをカーテン状に一定の量で溶融押出し、これにより一定の速度で搬送中の基材11上に一定の厚みの裏面層形成樹脂13Rからなる裏面層13が形成される。そして裏面層13が設けられた基材11が第1プレスローラ61の外周面と第1チルローラ62の外周面との間に送り込まれて挟み込まれることで、基材11に裏面層13が一体化した状態が安定するように貼合される。裏面層13は裏面層形成樹脂13Rが固化されることで形成されるが、第1チルローラ62が金属製であり裏面層形成樹脂13Rの冷却を促進させるため、裏面層13の固化が促進される。なお、第1チルローラ62の材質は特に限られるものではないが、樹脂の冷却の観点から金属製であることが好ましい。
<シート貼合装置>
次いでシート貼合装置70について説明する。シート貼合装置70は、樹脂貼合装置60により貼合処理が行われ且つ基材加工装置100による加工処理が行われた後に、シート貼合処理を行う。シート貼合装置70は、回転軸が互いに平行になるように配置される第2プレスローラ71及び第2チルローラ72と、樹脂層12を形成する樹脂を溶融押出する第2ダイ73と、第2プレスローラ71を第2チルローラ72に向けて付勢する付勢機構74と、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスを調整するクリアランス調整機構75と、を有している。
図示の例では第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間を後述する裏面層13が設けられた基材11及び受容材24の積層体が通過することに伴い、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面とが互いに離れ、「隙間」が形成されている。シート貼合装置70においては、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間にクリアランスを設ける状態にするか又はクリアランスが無い状態にするかを、設定可能になっている。つまり、図示の例では、後述のローラフォロア77と移動部材81が接しており、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に原反がないときクリアランスが設けられているが、ローラフォロア77と移動部材81が接している状態で例えばプレスロールのゴムが多少つぶれる程度にクリアランスが無い状態に設定されてもよい。つまり、これらは互いに接触していてもよい。本実施の形態で行う貼合では、クリアランスを設ける状態にしても、クリアランスが無い状態にしても、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間を後述する裏面層13が設けられた基材11及び受容材24の積層体が通過する際には、図7に示すように第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面とが互いに離れた状態になり、「隙間」が形成される。ただし、クリアランスを設ける場合のその大きさは、裏面層13が設けられた基材11及び受容材24の積層体の厚み、すなわち、裏面層13+基材11+樹脂層12+受容材24の合計厚みよりも小さくなるように初期設定される。詳細は後述するが、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間にクリアランスを設けるか否か及びクリアランスを設ける場合のクリアランスの大きさの調整は、上記付勢機構74及びクリアランス調整機構75を用いることで行うことができる。
なお、シート貼合装置70において「クリアランス」とは、基材11、樹脂層12、フィルム20が通過していない状態で、第2プレスローラ71の中心と第2チルローラ72の中心とを結ぶ方向において、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に存在する間隔のことである。クリアランスが無いという場合には、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面とが接していることを意味する。一方、シート貼合装置70において「隙間」とは、基材11、樹脂層12、フィルム20が通過することに伴い、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に生じる隙間のことである。
第2プレスローラ71はゴムローラであり、第2チルローラ72は金属製ローラであり、第2プレスローラ71の外周面は第2プレスローラ71の外周面よりも弾性変形し易くなっている。第2プレスローラ71及び第2チルローラ72の種別は特に限られるものではなく、例えば第2プレスローラ71及び第2チルローラ72の両方がゴムローラで構成されてもよい。ただし、第2プレスローラ71及び第2チルローラ72のうちの少なくとも一方を弾性変形可能なものとするのがよい。
図示の例では、第2プレスローラ71がその回転によって裏面層13が設けられた基材11を搬送して第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に案内し、第2チルローラ72がその回転によって、フィルム20が外周側に位置する状態で受容材24を搬送して第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に案内するようになっている。ただし、第2プレスローラ71が受容材24を第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間まで案内し、第2チルローラ72が、裏面層13が設けられた基材11を第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間まで案内するようになっていてもよい。
また第2ダイ73は溶融樹脂押出機における溶融樹脂の吐出口部分であり、ダイヘッドとも呼ばれる部分である。第2ダイ73は、第2プレスローラ71及び第2チルローラ72の上方に配置され、受容材24が第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に送り込まれる前に、受容材24の第2チルローラ72側の面とは反対側の面、すなわちフィルム20上に樹脂(以下、樹脂層形成樹脂12R)を供給するようになっている。第2ダイ73は水平方向の位置を調整可能となっており、図示の例では第2ダイ73が第2チルローラ72側に位置し、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に送り込まれる前における第2チルローラ72上の受容材24に樹脂層形成樹脂12Rを供給するが、第2ダイ73は第2プレスローラ71側に配置されることで、基材11に樹脂層形成樹脂12Rを供給することもできる。図7に示す通り、第2ダイ73は、第2プレスローラ71及び第2チルローラ72の上方に配置され、受容材24が第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に送り込まれる前に、受容材24の第2チルローラ72側の面とは反対側の面、すなわちフィルム20上に樹脂(以下、樹脂層形成樹脂12R)を供給する。これにより、基材11内部へ樹脂が浸透することを抑制できる。
第2ダイ73は樹脂層形成樹脂12Rをカーテン状に一定の量で溶融押出し、これにより一定の速度で搬送中の受容材24上に一定の厚みの樹脂層形成樹脂12Rからなる樹脂層12が形成される。そして樹脂層形成樹脂12Rが設けられた受容材24と基材11との積層体が、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に送り込まれて挟み込まれることで、基材11と受容材24とが樹脂層12によって一体化される。この際、樹脂層12は樹脂層形成樹脂12Rが固化されることで形成され、固化に伴い基材11と受容材24とを接着する。
第2プレスローラ71がゴムローラで構成される場合、その外周面のゴム硬度は、30以上90以下、特に50以上80以下であることが好ましい。上述したように、本実施の形態にかかる熱転写受像シート1は空隙30を有し、空隙30は、基材11の表面の凹状部の内側空間を樹脂層12で充填しないように樹脂層12と基材11とを積層することで形成される。ゴム硬度が30以上のとき、ゴムが回転することで起きるグリップの有無によるゴム変形量の変動が均一化する。これにより溶融樹脂が基材11の凹状部へ侵入する量も一定となり、表面から見た際にも均一な面を形成できる。この溶融樹脂が基材11の凹状部の内側空間へ充填される深さは、溶融樹脂が基材11の最表面に接した熱溶融した柔軟な状態から、基材11の凹状部内部空間へ浸透するとともに固化した樹脂硬度の硬度バランスがとれた深さまで侵入していくこととなる。ゴム硬度90よりも小さい時、このバランスは最適化され、原紙表面に理想的な空隙を形成できる。
なお、本開示におけるゴム硬度は、JIS K 6253:1997に準拠するデュロメータ(タイプA)によって測定されたゴム硬度のことを意味する。
また第2プレスローラ71は、表面粗さRaが、0.6μm以上5μm以下が好ましく、0.9μm以上3μm以下がより好ましく、0.9μm以上1μm以下が特に好ましい。第2プレスローラ71の表面が粗いと、樹脂層12の平滑性が損なわれる虞があるため、第2プレスローラ71の表面は極力平滑がよい。
なお、本開示において、第2プレスローラ71の表面粗さRaは、JIS B 0601:2001に準拠し、キーエンス(株)製のレーザー顕微鏡VK-150を用いて測定された、「算術平均粗さ」を意味する。具体的には、第2プレスローラから10mm×10mmの測定サンプルを切り出し、2mm×2mmの測定対象を観察して算出する。
また第2チルローラ72は、表面粗さRmaxが、2μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.7μm以下である。また、第2チルローラ72は、表面粗さRaが3μm以下、好ましく1μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。第2チルローラ72の表面が粗いと、受容層22又はフィルム20の基材11側とは反対側の面の平滑性が損なわれる虞があるため、第2チルローラ72の表面は極力平滑がよい。
第2チルローラ72の表面粗さRmaxは、JIS B 0601:1982に準拠し、(株)小坂研究所製のサーフコーダ SE-40を用いて、下記の測定条件にて2次元の断面測定を行い、得られた断面曲線データに対して、「カットオフ」処理して算出された、「最大高さ」を意味する。また、第2チルローラ72の表面粗さRaは同様に算出された、「中心線平均粗さ」を意味する。
<測定条件>
測定条件:
Length:2.5mm
Rrive Speed:0.5m/s
Cutoff:R+W(なおRは「粗さ」、Wは「うねり」を意味する)
以下、シート貼合装置70におけるクリアランス調整に関する構成について説明する。シート貼合装置70においては、第2プレスローラ71がアーム76に揺動可能に支持されており、アーム76の揺動に応じて第2プレスローラ71が第2チルローラ72に対して接触又は離間するようになっている。アーム76は、その一端側で第2プレスローラ71を支持し、その他端側で付勢機構74と連結している。またアーム76の揺動支点Pは第2プレスローラ71の支持部と付勢機構74との連結部との間に設けられている。もちろん、揺動支点Pの位置はアーム76の端であっても可能である。
シート貼合装置70による貼り合わせを行う際には、付勢機構74がアーム76を揺動させるための力をアーム76の他端側から付与し、これにより、第2プレスローラ71が第2チルローラ72に向けて移動する。本実施の形態では、付勢機構74がエアシリンダーであり、付勢機構74がアーム76を揺動させるための力をアーム76の他端側から付与した際、クリアランスを設けない場合には、第2プレスローラ71は第2チルローラ72に押し付けられた状態で静止する。一方で、クリアランスを設ける場合には、アーム76がローラフォロア77を介してクリアランス調整機構75に押し付けられた状態で第2プレスローラ71が静止する。この際、エアシリンダーの内部には圧縮空気が充填された状態となり、エアシリンダーは空気ばねのように機能する。すなわち、付勢機構74が付与する付勢力は、第2プレスローラ71が第2チルローラ72に向けて付勢された状態であっても、第2プレスローラ71が第2チルローラ72から離れる方向へ移動可能(押し戻し可能)になる程度に調整されている。付勢機構74は、第2プレスローラ71を第2チルローラ72に押し付ける力(圧力)又はアーム76をクリアランス調整機構75に押し付ける力(圧力)を調整可能であり、例えば0.14Mpa以上0.60Mpa以下で調整できる。後述の実施例では、当該圧力を「シリンダー圧のエアー圧」と呼称する。
上述のように付勢機構74がアーム76を揺動させるための力をアーム76の他端側から付与した際、クリアランス調整機構75は、アーム76に設けられたローラフォロア77(接触部)と接触して第2プレスローラ71の移動を制限することで、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間のクリアランスの大きさを調整することが可能となる。あるいは、クリアランスが無い場合には第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との接触の程度を調整することが可能となる。このようなクリアランス調整機構75は、第2プレスローラ71を第2チルローラ72に向けて付勢する付勢力の少なくとも一部を負担することが可能となっている。詳しくは、クリアランス調整機構75は、移動部材81を有し、この移動部材81が、第2プレスローラ71を第2チルローラ72に向けて付勢する付勢機構74による付勢力を負担しない初期位置から、当該付勢力の負担割合を増加させる方向(図7における上方向)に移動するに従い、第2チルローラ72に向けて付勢された第2プレスローラ71を、第2チルローラ72からより大きく引き離す。これにより、クリアランスや2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との接触の程度を調整できる。
<熱転写受像シートの製造方法>
以下、製造システム50を用いた熱転写受像シート1の製造方法の一例を、図7等を参照しつつ説明する。ここで説明する製造方法は、クリアランス調整機構75を用いて第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランス又は接触状態を調整する調整工程と、樹脂貼合装置60を用いて裏面層形成樹脂13Rを供給する第1供給工程と、樹脂貼合装置60を用いて基材11と裏面層13とを貼り合わせる第1貼合工程と、基材11に、図3に示した、第1の表面粗さを有する第1部分11Aと、第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分11Bとを形成する基材加工工程と、シート貼合装置70を用いて樹脂層形成樹脂12Rを供給する第2供給工程と、シート貼合装置70を用いて基材11の加工処理面と受容材24のフィルム面とを貼り合わせる第2貼合工程と、を備える。
<基材加工工程>
基材加工工程は、例えば第1貼合工程の前に行われてもよい。この場合、基材加工工程では、裏面層13と一体化された基材11がエンボスローラ101と受けローラ102との間を通過することで、図3に示した、第1の表面粗さを有する第1部分11Aと、第1の表面粗さよりも大きい第2の表面粗さを有する第2部分11Bとを形成する。なお、裏面層13を基材11に設けた後の段階で、第1部分11Aと第2部分11Bとが形成されてもよい。
<調整工程>
調整工程では、クリアランス調整機構75の移動部材81の位置調整により、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランス又は接触状態(第2プレスローラ71の弾性変形量)が調整される。この調整工程では、付勢機構74も駆動される。この調整工程は、基材11と樹脂層12と受容材24とにかかる圧力が過剰に大きくなることを回避して基材11と樹脂層12との界面に空隙30を形成するために行われる。このような初期調整工程の後には、樹脂貼合装置60の各ローラやシート貼合装置70の各ローラが駆動され、各基材が供給される。
<第1供給工程>
第1供給工程は、樹脂貼合装置60の第1プレスローラ61及び第1チルローラ62、シート貼合装置70の第2プレスローラ71及び第2チルローラ72が駆動された後に行われる。樹脂貼合装置60の第1プレスローラ61及び第1チルローラ62が回転すると、基材11が第1チルローラ62によって搬送される。第1供給工程では、基材11が第1プレスローラ61の外周面と第1チルローラ62の外周面との間に送り込まれる前に、基材11の第1プレスローラ61側の面とは反対側の面に裏面層形成樹脂13Rが供給される。上述したが、裏面層形成樹脂13Rは第1ダイ63からカーテン状に一定の量で溶融押出される。これにより一定の速度で搬送中の基材11上に一定の厚みの裏面層形成樹脂13Rからなる裏面層13が形成される。
<第1貼合工程>
第1貼合工程では、上述のようにして裏面層13が設けられた基材11が第1プレスローラ61の外周面と第1チルローラ62の外周面との間に送り込まれて挟み込まれることで、基材11に裏面層13が一体化される。
<第2供給工程>
第2供給工程では、裏面層13が一体化され且つ第1部分11A及び第2部分11Bを形成された基材11が、第2プレスローラ71の回転によって第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に案内され、これと同時に、第2チルローラ72がその回転によって受容材24を搬送して第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に案内する。第2供給工程では、受容材24が第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に送り込まれる前に、受容材24の第2チルローラ72側の面とは反対側の面、すなわちフィルム20上に樹脂層形成樹脂12Rが供給される。上述したが、樹脂層形成樹脂12Rは第2ダイ73からカーテン状に一定の量で溶融押出される。これにより一定の速度で搬送中の受容材24上に一定の厚みの樹脂層形成樹脂12Rからなる樹脂層12が形成される。
<第2貼合工程>
第2貼合工程では、上述のようにして樹脂層12が設けられた受容材24と基材11との積層体が、第2プレスローラ71の外周面と第2チルローラ72の外周面との間に送り込まれて挟み込まれることで、基材11の加工処理面と受容材24のフィルム面とが樹脂層12によって一体化される。ここで、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間を通る基材11と樹脂層12と受容材24とにかかる圧力は、調整工程による調整により過剰に大きくなることが回避される。
以上のような製造方法により、基材11と樹脂層12との界面に空隙30を有する熱転写受像シート用支持体10又は熱転写受像シート1を製造することができる。なお、以上に説明した製造方法では、基材11と受容材24と樹脂層12により一体化したが、基材11とフィルム20とを樹脂層12により一体化した後に、フィルム20上に受容層22を積層してもよい。この場合、シート貼合装置70の第2チルローラ72でフィルム20のみを搬送するようにする。
なお、以上に説明した製造方法で製造される熱転写受像シート1では、基材11に凹み部11Cを含む第2部分11Bが形成されるが、上述したように、第2部分11Bは印刷により付着させたインクによる隆起部で形成されてもよい。
次いで、変形例について図8~図10を参照しつつ説明する。図8に示した一変形例の熱転写受像シート1は、印刷で付着されたインクからなる複数の隆起部11Dを含む第2部分11Bを有する基材11を備える。このような基材11は、図9に示すようなグラビアロール111を備える基材加工装置で製造され得る。
一方で、図10に示した一変形例の熱転写受像シート1では、複数の空隙30を含む領域30Aが、言い換えると第2部分11Bが熱転写受像シート用支持体10の全域にわたって存在している。図10のドット付した領域が、複数の空隙30を含む領域30Aに対応する。この場合の空隙30は、基材11の表面粗さを利用して形成され得るため、このような熱転写受像シート1の製造の際に、上述したような基材加工装置100は用いられなくてもよい。
次に、本開示の実施例とその比較例について説明する。
以下に説明する実施例1~15は、上述の実施の形態で説明した熱転写受像シート1と同じ構成であり、基材11と、樹脂層12と、裏面層13と、フィルム20と、プライマー層21と、受容層22とを備える。そして、各実施例は上述した製造システム50によって製造されており、基材11の表面の凹状部の内側空間が樹脂層12で充填されないようクリアランス調整機構75によって第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランス又は接触状態が調整された上で製造されている。
一方で、比較例1~7は熱転写受像シートであり、基材11と、樹脂層12と、裏面層13と、フィルム20と、プライマー層21と、受容層22と同様の構成を備えるが、実施例1~15とは異なる製造条件で製造されている。詳しくは、比較例1~7は、上述した製造システム50によって製造されているが、この際、クリアランス調整機構75を用いていない。そのため、比較例1~7では、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間において樹脂層12と基材11とが大きい圧力を受けており、本願発明が意図するような空隙30が形成されていないことを想定したものである。
以下、各実施例及び各比較例で用いた部材の材質や製造条件を説明する。以下の表1、2、3には、各実施例及び各比較例の製造条件が示されている。
Figure 0007505354000001
Figure 0007505354000002
Figure 0007505354000003
Figure 0007505354000004
<実施例1>
基材11として上質紙を用いた。上質紙の平滑度は60秒であり、表面粗さSRaは3.5μmであり、厚みは178μmであり、密度は0.87g/cmである。
裏面層13は、ポリオレフィン(融点127℃、密度0.948g/cm)によって、厚み24μmとなるように形成された。裏面層13の厚み24μmは、裏面層13を形成する裏面層形成樹脂13Rが溶融押出により基材11上に塗布された際の厚みである。また、上記ポリオレフィンはHDPEとLDPEとを8:2の割合で混合させたものである。
樹脂層12は、LDPE(融点107℃、密度0.916g/cm)によって、厚み20μmとなるように形成された。樹脂層12の厚み20μmは、樹脂層12を形成する樹脂層形成樹脂12Rが溶融押出によりフィルム20上に塗布された際の厚みである。
フィルム20は、厚み38μmのボイドフィルムである。ボイドフィルムの材質はポリプロピレンである。
フィルム上に、下記組成のプライマー層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.7μmのプライマー層を形成した。
<プライマー層用塗工液>
・ポリエステル 4.2質量部
(ポリエスター(登録商標)WR-905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 8.4質量部
(TCA-888 堺化学工業(株))
・イソプロピルアルコール(IPA) 10質量部
・水 30質量部
上記のようにして形成したプライマー層上に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ3μmの受容層を形成し、本開示の熱転写受像シートを得た。
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 60質量部
(ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン樹脂 1.2質量部
(X-22-3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン樹脂 0.6質量部
(X-24-510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン 2.5質量部
・トルエン 2.5質量部
空隙30を形成するための因子(表中「空隙形成因子」)としては、基材11の表面粗さが利用された。
第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の上記各部材(11、12、13、20、21、22)でなる積層体の厚み(各材料厚みの単純合計:hs1)は263.79μmである。すなわち、上記した基材11の厚み178μmと、裏面層13の厚み24μmと、樹脂層12の厚み20μmと、フィルム20の厚み38μmと、プライマー層21の厚み0.7μmと、受容層22の厚み3μmとを単純に加算すると、263.7μmとなる。一方、上記した積層体の厚みを実測すると259μmとなる。これは、表1を参照し、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚み(ks2)実測値197μmが、上記基材(11)178μmと裏面EC樹脂(13)24μmを単純に加算した厚み(ks1)の202.0μmよりも小さいためである。この原因は、裏面層13が、樹脂貼合装置60の第1プレスローラ61及び第1チルローラ62の間で挟み込まれる際に、基材裏側の表面にある凹凸部に裏面層樹脂の一部が浸入するからである。このような厚みの減少は、以下の他の実施例や比較例でも、上質紙を使用したとき同様に生じている。一方、基材11として、コート紙やPETフィルムのような表面の凹凸が小さく平滑度に富む基材を使用した際には、各材料厚みの単純合計と実測値(裏のみ:ks1とks2、表裏合わせてhs1とhs2)は一致する。さらに、次に説明するクリアランスを設け非常に弱い力で貼り合せる際には、厚みの減少は極端に小さくなり、上質紙を用いた場合でもほとんど発生しない。
上記積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさは、50μmである。
このようなクリアランスは、クリアランス調整機構75が付勢機構74による付勢力を全て負担することで形成される。
ここで、基材11と樹脂層12と受容材24とが通される前の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスをd1とし、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に通される前の裏面層13が積層された基材11と樹脂層12と受容材24との総厚(各材料厚みの単純層厚(裏面の沈み込み考えた材料合計))をhs2としたとき、d1-hs2は、-209μmとなる(表中、「差分」参照)。
第2プレスローラ71はゴムローラであり、ゴム硬度が、Hs70である。また、第2プレスローラ71の外周面の表面粗さRaは、0.99である。
第2チルローラ72の表面粗さRaは、0.08であり、表面粗さRyは、0.69である。
第2ダイ73は、樹脂層形成樹脂12Rを、第2プレスローラ71の中心と第2チルローラ72の中心とを結ぶ方向における第2チルローラ72の第2プレスローラ71側の端点から、当該結ぶ方向において第2チルローラ72の中心側に9mmの位置で落下させる。
付勢機構74はエアシリンダーであり、そのエアシリンダーのエアー圧は0.14Mpaである。プレスローラは2本のアームのレバー比によりプレス圧力0.88MPaで押されることとなる。別途、感圧紙(富士フィルム超極低圧用LLLW)を受像紙に見立て積層体厚み(259μm)と「ローラ間クリアランス(50μm)」の差分(-209μm)に合わせて測定したラミニップ圧力は0.20MPa以下であった。
ラミニップ圧の測定は、実施例2~15及び比較例1~7においても行った。各実施例及び比較例について測定したラミニップ圧の値は、表3に示されている(表中は、単にニップ圧と表記)。
<実施例2>
基材11として上質紙を用いた。上質紙は、平滑度が50秒であり、SRaが3.5μmであり、厚みが147μmであり、密度が0.87g/cmである。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は227.7μmである。d1-hs2は、-178μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。また、空隙形成因子としては、基材11の表面粗さが利用された。
<実施例3>
樹脂層12は、HDPE(融点122℃、密度0.937g/cm)によって、厚み20μmとなるように形成された。樹脂層12の厚み20μmは、樹脂層12を形成する樹脂層形成樹脂12Rが溶融押出によりフィルム20上に塗布された際の厚みである。
その他の条件は、実施例1と同じである。また、空隙形成因子としては、基材11の表面粗さが利用された。
<実施例4>
樹脂層12は、PP(融点160℃、密度0.900g/cm)によって、厚み20μmとなるように形成された。樹脂層12の厚み20μmは、樹脂層12を形成する樹脂層形成樹脂12Rが溶融押出によりフィルム20上に塗布された際の厚みである。
その他の条件は、実施例1と同じである。また、空隙形成因子としては、基材11の表面粗さが利用された。
<実施例5>
樹脂層12は、PP:HDPE:LDPEが5:3:2の混合樹脂(融点145℃、密度0.920g/cm)によって、厚み20μmとなるように形成された。樹脂層12の厚み20μmは、樹脂層12を形成する樹脂層形成樹脂12Rが溶融押出によりフィルム20上に塗布された際の厚みである。
その他の条件は、実施例1と同じである。また、空隙形成因子としては、基材11の表面粗さが利用された。
<実施例6>
基材11として、上質紙を用いた。上質紙は、平滑度が150秒であり、表面粗さSRaが1.5μmであり、厚みが155μmであり、密度が1.02g/cmである。 この上質紙を全体的に絹目柄が形成されたエンボスローラ(深さ0.15mm、ピッチ0.64mm)の金属ローラとニップロール(硬度D90)の間に通し、エンボス圧5トン/Mにて、基材表面に絹目柄エンボスパターンを形成した。エンボス形成後の原紙厚みは152μmであった。密度は1.04g/cmで、平滑度は30秒である。
このようにして表面に絹目柄エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を「形成した。裏面層の形成においては、実施例1と同様に裏面層樹脂の上質紙への浸み込みが発生し、総厚みhs2は171μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は232.7μmであった。d1-hs2は、-178μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。エンボスローラによる凹みは、凹凸に利用された。
<実施例7>
基材11として、上質紙を用いた。上質紙は、平滑度が150秒であり、表面粗さSRaが1.5μmであり、厚みが155μmであり、密度が1.02g/cmである。
この上質紙を全体的に絹目柄が形成されたエンボスローラ(深さ0.12mm、ピッチ0.32mm)の金属ローラとニップロール(硬度D90)の間に通し、エンボス圧5トン/Mにて、基材表面に絹目柄エンボスパターンを形成した。エンボス形成後の原紙厚みは152μmであった。密度は1.04g/cmで、平滑度は30秒である。
このようにして表面に絹目柄エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を「形成した。裏面層の形成においては、実施例1と同様に裏面層樹脂の上質紙への浸み込みが発生し、総厚みhs2は171μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は232.7μmであった。d1-hs2は、-183μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。エンボスローラによる凹みは、凹凸に利用された。
<実施例8>
基材としてコート紙を用いた。コート紙は、平滑度が3000秒であり、表面粗さSRaが1.2μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.20g/cmである。
このコート紙を全体的に絹目柄が形成されたエンボスローラ(深さ0.15mm、ピッチ0.64mm)の金属ローラとニップロール(硬度D90)の間に通し、絹目柄エンボスパターンを形成した。エンボス形成後の原紙厚みは148μmであった。密度は1.22g/cmで、平滑度は60秒であった。
このようにして表面に絹目柄エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を「形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みrs2は172μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は233.7μmであった。d1-hs2は、-184μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。エンボスローラによる凹みは、凹凸に利用された。
<実施例9>
基材としてコート紙を用いた。コート紙は、平滑度が3000秒であり、表面粗さSRaが1.2μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.20g/cmである。
このコート紙を部分的に絹目柄が形成されたエンボスローラ(深さ0.15mm、ピッチ0.64mm)の金属ローラ(絹目柄ありとなしが原紙流れ方向、すなわちエンボス版円周方向に150mmピッチで存在するエンボスローラ:「エンボスあり10mm/エンボスなし140mm)の繰り返しパターンからなるロール)とニップロール(硬度D90)の間に通し、部分的に絹目柄エンボスパターンを形成した。エンボス形成後の原紙厚みは148μmであった。密度は1.22g/cmで、平滑度は80秒であった。
このようにして表面に絹目柄エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を「形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みrs2は172μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は233.7μmであった。d1-hs2は、-184μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。エンボスローラによる凹みは、凹凸に利用された。
<実施例10>
基材としてコート紙を用いた。コート紙は、平滑度が3000秒であり、表面粗さSRaが1.2μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.20g/cmである。
このコート紙を「社名ロゴ」が形成されたエンボスローラ(ロゴは、DNP。サイズは、各文字10mmx10mm外形。エンボスパターンは絹目柄、深さ0.15mm、ピッチ0.64mm)の金属ローラ(全面にロゴが形成)とニップロール(硬度D90)の間に通し、部分的に「絹目調の社名ロゴ」を形成した。エンボス形成後の原紙厚みは148μmであった。密度は1.22g/cmで、平滑度は70秒であった。
このようにして表面に「絹目柄の社名ロゴ」エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を「形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みrs2は172μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は233.7μmであった。d1-hs2は、-184μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。エンボスローラによる凹みは、凹凸に利用された。
<実施例11>
基材としてコート紙を用いた。コート紙は、平滑度が3000秒であり、表面粗さSRaが1.2μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.20g/cmである。
このコート紙の表面に「社名ロゴ」を形成した(ロゴは、DNP。サイズは、各文字10mmx10mm外形、ロゴ深さは20μm。)ロゴ印刷後の原紙厚みは150μmであった。密度は1.20g/cmで、平滑度は40秒であった。
このようにして表面に「絹目柄の社名ロゴ」印刷パターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、印刷パターンと反対側に裏面層を形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みrs2は179μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は237.7μmであった。d1-hs2は、-188μmとなる。
また、空隙形成因子としては、印刷によるインクからなる隆起部を含む凹凸が利用された。そして、凹凸は、DNPというパターンを形成している。
その他の条件は、実施例1と同じである。
<実施例12>
基材11として、PETフィルムを用いた。PETは、平滑度が50000秒であり、表面粗さSRaが0.65μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.38g/cmである。
このPETフィルムの表面に「社名ロゴ」を形成した(ロゴは、DNP。サイズは、各文字10mmx10mm外形、ロゴ深さは20μm。)ロゴ印刷後の原紙厚みは150μmであった。密度は1.38g/cmで、平滑度は80秒であった。
このようにして表面に「絹目柄の社名ロゴ」印刷パターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、印刷パターンと反対側に裏面層を形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みrs2は179μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は191μmであった。d1-hs2は、-241μmとなる。
また、空隙形成因子としては、印刷によるインクからなる隆起部を含む凹凸が利用された。そして、凹凸は、DNPというパターンを形成している。
その他の条件は、実施例1と同じである。
<実施例13>
基材11として、PETフィルムを用いた。PETは、平滑度が50000秒であり、表面粗さSRaが0.65μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.38g/cmである。
このPETフィルムを「社名ロゴ」が形成されたエンボスローラ(ロゴは、DNP。サイズは、各文字10mmx10mm外形。エンボスパターンは絹目柄、深さ0.15mm、ピッチ0.64mm)の金属ローラ(全面にロゴが形成)とニップロール(硬度D90)の間に通し、部分的に「絹目調の社名ロゴ」を形成した。エンボス形成後の原紙厚みは153μmであった。密度は1.35g/cmで、平滑度は50秒であった。
このようにして表面に「絹目柄の社名ロゴ」エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼り合せ装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みks2は177μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は238.7μmであった。d1-hs2は、-189μmとなる。
その他の条件は、実施例1と同じである。エンボスローラによる凹みは、凹凸に利用された。
<実施例14>
実施例6において、サンドラミネーション工程におけるエアーシリンダーエアー圧を0.42MPaに変更した。
プレスローラは2本のアームのレバー比によりプレス圧力2.64MPaで押されることとなる。別途、感圧紙(富士フィルム超極低圧用LLLW)を受像紙に見立て積層体厚み(238μm)と「ローラ間クリアランス(50μm)」の差分(-188μm)に合わせて測定したラミニップ圧力は0.20MPa以下であった。
その他の条件は、実施例6と同じである。
<実施例15>
基材としてコート紙を用いた。コート紙は、平滑度が3000秒であり、表面粗さSRaが1.2μmであり、厚みが150μmであり、密度が1.20g/cmである。
このコート紙の表面に、版円周方向に150mmピッチで黒マーク(黒印刷10mm/未印刷140mm)を印刷した。この黒マークをセンシングしながら、部分的に絹目柄が形成されたエンボスローラ(深さ0.15mm、ピッチ0.64mm)の金属ローラ(絹目柄ありとなしが原紙流れ方向、すなわちエンボス版円周方向に150mmピッチで存在するエンボスローラ:「エンボスあり10mm/エンボスなし140mm)の繰り返しパターンからなるロール)とニップロール(硬度D90)の間に通し、部分的に絹目柄エンボスパターンを形成した。エンボス形成後の原紙厚みは148μmであった。密度は1.22g/cmで、平滑度は60秒であった。
このようにして表面に絹目柄エンボスパターンを形成した基材を樹脂貼合装置60に送り、エンボスパターンと反対側に裏面層を「形成した。裏面層の形成においては、実施例1と異なり裏面層樹脂のコート紙への浸み込みが発生せず、総厚みks2は172μmとなった。
また、第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間に入り込む前の積層体の厚みhs2は233.7μmであった。d1-hs2は、-184μmとなる。
また、サンドラミネーション工程におけるエアーシリンダーエアー圧を0.42MPaとした。
プレスローラは2本のアームのレバー比によりプレス圧力2.64MPaで押されることとなる。別途、感圧紙(富士フィルム超極低圧用LLLW)を受像紙に見立て積層体厚み(234μm)と「ローラ間クリアランス(50μm)」の差分(-184μm)に合わせて測定したラミニップ圧力は0.20MPa以下であった。
その他の条件は、実施例6と同じである。
<比較例1>
比較例1では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例1と同じである。
比較例1の製造時には、クリアランス調整機構75が付勢機構74による付勢力を全く負担していない。すなわち、第2プレスローラ71と第2チルローラ72とので積層体が大きい圧力を受ける。その圧力は、別途、感圧紙(富士フィルム超極低圧用LLLW)を受像紙に見立て積層体厚み(254μm)に合わせて測定した。ラミニップ圧力は0.59MPaであった。
<比較例2>
比較例2では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例2と同じである。
比較例2の製造時にも、クリアランス調整機構75が付勢機構74による付勢力を全く負担していない。すなわち、第2プレスローラ71と第2チルローラ72とので積層体が大きい圧力を受ける。ラミニップ圧力は0.59MPaであった。
<比較例3>
比較例3では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例6と同じである。
比較例3の製造時にも、クリアランス調整機構75が付勢機構74による付勢力を全く負担していない。すなわち、第2プレスローラ71と第2チルローラ72とので積層体が大きい圧力を受ける。ラミニップ圧力は0.59MPaであった。
<比較例4>
比較例4では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例8と同じである。
比較例3の製造時にも、クリアランス調整機構75が付勢機構74による付勢力を全く負担していない。すなわち、第2プレスローラ71と第2チルローラ72とので積層体が大きい圧力を受ける。ラミニップ圧力は0.59MPaであった。
<比較例5>
比較例1では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例10と同じである。ラミニップ圧力は0.59MPaであった。
<比較例6>
比較例6では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例12と同じである。ラミニップ圧力は0.59MPaであった。
<比較例7>
比較例7では、積層体が入り込む前(サンドラミネート前)の第2プレスローラ71と第2チルローラ72との間のクリアランスの大きさが、0μmである。そして、第2プレスローラ71の外周面が2000μm程度つぶれるように第2プレスローラ71と第2チルローラ72とが押し合っている。
その他の条件は、実施例14と同じである。ラミニップ圧力は0.74MPaであった。
<評価>
上記実施例及び比較例に対する評価は、(1)低温OP印画(以下、単に低温印画と呼ぶときもある。)を熱転写受像シート全体に対して行ったときの印画物の表面の状態、(2)低温印画よりも高い温度の熱が熱転写受像シートに加わる高温OP印画(以下、単に高温印画と呼ぶときもある。)を熱転写受像シート全体に対して行ったときの印画物の表面の状態、(3)高温印画を熱転写受像シートに対して部分的に行い、その他の部分に対しては低温印画を行う部分高温印画を行ったときの印画物の表面の状態、を調べることで行った。
さらに、以下の評価も行った。
((4)セキュリティーテスト(1))
部分高温OP印画パターンとして、下記パターンのOP画像を印画エリアとは、別に印画した。
幅方向に10mmきざみで「低温/高温/…/低温/高温/低温」のOP印画パターン。
巾方向150mm×長手方向300mmの印画パターン
((5)セキュリティーテスト(2))
「画像エリアとセキュリティーエリアからなる印画エリア」をOPエネルギ-を調整して印画する。
*印画エリア: 幅150mm × 長手150mm
*画像エリア(低温OP): 巾150mm × 長手130mm
*セキュリティーエリア(高温OP): 巾150mm × 長手20mm
*セキュリティーエリア、画像エリアの位置は、先に設けた黒ベタ検知マークをプリンター内で検知することで、特定した。
以下の表4及び表5に実施例の評価結果が示され、表6に比較例の評価結果が示されている。
Figure 0007505354000005
Figure 0007505354000006
Figure 0007505354000007
上記(1)による低温印画が行われた実施例1~15では、印画物の表面がグロスになっていた。つまり、表面が平滑であり、キラキラするような性状が確認されなかった。
一方、上記(2)による高温印画が行われた実施例1~15では、印画物の表面がキラキラするような性状が確認された。
また、上記(3)による部分高温印画では、部分的にキラキラするような性状が確認された。
このような結果から、実施例1~15では、低温印画のときは空隙30が樹脂層12で充填されず、高温印画のときは空隙30が樹脂層12で充填されていると推認された。そして、印画条件に応じて印画物の表面状態を変化させるという機能が発現していることを確認できた。
また、セキュリティーテスト(1)(表中の(4))、セキュリティーテスト(2)(表中の(5))で示す通り、印画エリアの一部に、すなわち、幅方向、もしくは流れ方向の一部に「低温OP印画/高温OP印画」部を設けることで、特異的なパターンを発現することができるため、受像紙、ならびにシステムとしてのセキュリティー性を確認できる。さらに、セキュリティーテスト(2)で示す通り、同調システムとすることで、「画像エリア」に悪影響を及ぼすことなく、セキュリティー性を確認できることが分かる。
これに対して、比較例1~7においては、印画条件(1)~(3)のいずれにおいても、印画物の表面はグロスになっていた。つまり、本願発明が意図するような空隙30が形成されていないことが推認され、印画条件に応じて印画物の表面状態を変化させるという機能が確認できなかった。なお、表4及び5には、受像紙の印画前の評価結果も示されている。
以上、本開示の実施の形態及び実施例を説明したが、本開示は上述の実施の形態又は実施例に限られるものではなく、上述の実施の形態においては各種の変更を行うことができる。例えば上述の実施の形態は、昇華型熱転写方式を前提としたが、本開示は、溶融型熱転写方式でも適用できる。
1…熱転写受像シート
2,3…印画物
10…熱転写受像シート用支持体
11…基材
11A…第1部分
11B…第2部分
11C…凹み部
11D…隆起部
12…樹脂層
12R…樹脂層形成樹脂
13…裏面層
13R…裏面層形成樹脂
20…フィルム
21…プライマー層
22…受容層
24…受容材
30…空隙
30A…領域
50…製造システム
60…樹脂貼合装置
61…第1プレスローラ
62…第1チルローラ
63…第1ダイ
70…シート貼合装置
71…第2プレスローラ
72…第2チルローラ
73…第2ダイ
74…付勢機構
75…クリアランス調整機構
100…基材加工装置
101…エンボスローラ
102…受けローラ
111…グラビアロール
200…熱転写シート
201…支持基材
202…色材層
202i…昇華性の染料

Claims (13)

  1. 基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体であって、
    前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有し、
    前記基材、前記樹脂層及び前記フィルムの積層方向で見た際、前記複数の空隙を含む領域は前記熱転写受像シート用支持体において部分的に存在し、且つ所定のパターンで区画されている、熱転写受像シート用支持体。
  2. 前記基材、前記樹脂層及び前記フィルムの積層方向における前記空隙の高さは、0.1μm以上15μm以下である、請求項1に記載の熱転写受像シート用支持体。
  3. 前記空隙は、1μm以上1000μm以下の幅を有する、請求項1又は2に記載の熱転写受像シート用支持体。
  4. 前記空隙は、1mmの範囲において1個以上存在する、請求項1乃至のいずれかに記載の熱転写受像シート用支持体。
  5. 前記空隙は、1mmの範囲において100個以下存在する、請求項に記載の熱転写受像シート用支持体。
  6. 前記フィルムの前記樹脂層側とは反対側の面の表面粗さSRaは、0.01μm以上0.1μm以下である、請求項1乃至のいずれかに記載の熱転写受像シート用支持体。
  7. 基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体であって、
    前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有し、
    前記フィルムの前記樹脂層側とは反対側の面の表面粗さSRaは、0.01μm以上0.1μm以下である、熱転写受像シート用支持体。
  8. 前記基材の前記樹脂層側の面における、前記複数の空隙を含む領域に対応する部分の表面粗さSRaは、1μm以上3μm以下である、請求項1乃至のいずれかに記載の熱転写受像シート用支持体。
  9. 基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体であって、
    前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有し、
    前記基材の前記樹脂層側の面における、前記複数の空隙を含む領域に対応する部分の表面粗さSRaは、1μm以上3μm以下である、熱転写受像シート用支持体。
  10. 前記基材、前記樹脂層及び前記フィルムの積層方向で見た際、前記複数の空隙を含む領域は前記熱転写受像シート用支持体の全域にわたって存在する、請求項7又は9に記載の熱転写受像シート用支持体。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の熱転写受像シート用支持体と、
    前記熱転写受像シート用支持体の前記フィルム上に設けられる受容層と、を備える、熱転写受像シート。
  12. 前記受容層の前記熱転写受像シート用支持体側とは反対側の面の表面粗さSRaは、2.2μm以下である、請求項11に記載の熱転写受像シート。
  13. 基材と、樹脂層と、フィルムとをこの順に積層する熱転写受像シート用支持体と、前記熱転写受像シート用支持体の前記フィルム上に設けられる受容層と、を有し、前記基材と前記樹脂層との境界及び境界付近のうちの少なくともいずれかに複数の空隙を有する熱転写受像シートを準備するとともに、色材層を有する熱転写シートを準備する準備工程と、
    前記熱転写受像シートと前記熱転写シートとを重ね合わせて熱及び圧力を付与することで前記色材層を前記受容層に移行させる印画工程と、を備え、
    前記印画工程において、前記複数の空隙の少なくとも一部を前記樹脂層で充填し、前記樹脂層の前記空隙への充填に追従させて前記受容層の表面をへこませることで、前記受容層の表面の表面粗さを、前記印画工程の前よりも大きくする、印画物の製造方法。
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