JPH0559026U - ラックピニオン形揺動アクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラックとピニオンの噛合部を容易に潤滑でき
るラックピニオン形揺動アクチュエータを提供する。 【構成】 ラック９に噛合するピニオン１５とそのシャ
フト１６に設けた給油路１９を、一端がシャフトの給油
ポート２０に連通する軸方向の給油路１９ａと、該給油
路に１９ａ連通し先端がピニオン１５の各歯１５ａの谷
部に開口する放射方向の給油路１９ｂ，・・とで構成す
る。 【効果】 給油路１９から供給される潤滑油によって、
ラックとピニオンの噛合部を強制的に潤滑できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ラックとピニオンの噛合部に潤滑油を供給できるラックピニオン形 揺動アクチュエータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

シリンダを有するボディと、ラックを有し上記シリンダ内を摺動可能なピスト ンと、上記ラックに噛合するピニオン及びそのシャフトとを備え、シリンダへの 圧力流体の給排によりピストンを往復動させてシャフトを回転揺動させるラック ピニオン形揺動アクチュエータは、特に例示するまでもなく既に知られている。 上記公知のラックピニオン形揺動アクチュエータは、ラックとピニオンの噛合 部を潤滑することが困難なために、従来は、組付けに際してこれらの噛合部に予 めグリースを塗布している。 しかしながら、グリースによる潤滑は、高温等の劣悪な作業環境下においては 消耗が激しくて短期間に潤滑機能を喪失するために、アクチュエータを分解して グリースを塗布し直さねばならないので、潤滑が面倒である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、ラックとピニオンとの噛合部を容易に潤滑 できるラックピニオン形揺動アクチュエータを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、シリンダを有するボディと、ラックを有 し上記シリンダ内を摺動可能なピストンと、上記ラックに噛合するピニオン及び そのシャフトとを備え、シリンダへの圧力流体の給排によりピストンを往復動さ せてシャフトを回転揺動させるラックピニオン形揺動アクチュエータにおいて、 上記ラックピニオン形揺動アクチュエータが、一端がシャフトの給油ポートに開 口し、他端が、少くともラックの摺動両端近くにおいて該ラックに噛合するピニ オンの歯の谷部に開口する潤滑油の給油路を備えていることを特徴としている。 また、同様の課題を解決するため、給油路の他端が、ピニオンの歯の山部に開 口していることを特徴としている。

【０００５】

【作用】

シリンダに圧力流体を給排するとともに給油路に潤滑油を供給すると、ピスト ンが往復動してピニオンとそのシャフトが回転揺動するとともに、ラックとピニ オンの噛合部が潤滑油によって潤滑される。 この場合、給油路の他端を、ピニオンの歯の谷部または山部の全部に開口する と噛合部全体を潤滑することができるが、噛合部における抵抗が最も大きいのは ラックの摺動両端近くであること、ラックとピニオンは歯数に関係なく常に同じ 歯同士が噛合することとを考慮すると、給油路の他端を、摺動両端近くににおい て該ラックに噛合するピニオンの歯の谷部または山部のみに開口させてもよく、 このようにするとピニオンにおける給油路の形成が容易である。

【０００６】

【実施例】

図は本考案の実施例を示し、このラックピニオン形揺動アクチュエータ１のボ ディ２は、長手方向のシリンダ３を備え、シリンダ３の両端は、圧力流体の給排 ポート４，４を有するカバー５，５によって閉鎖されている。 ピストン７は、シリンダ３内を密に摺動するピストン部材８，８と、該ピスト ン部材に連結ボルト１２，１２により連結された枠形のラック９と、該ラック９ の外側にスプリングピン１０，・・で取付けられたスライド部材１１，１１とを 備え、シリンダ３はピストン７によって圧力室１３，１３に区画されている。 上記ラック９は内側に一方に歯９ａ，・・を有し、これらの歯９ａ，・・に噛 合する歯１５ａ，・・を有するピニオン１５及びそのシャフト１６は、ボールベ アリング１７，１７によってボディ２に回転可能に支持されている。

【０００７】 上記ピニオン１５とシャフト１６は、潤滑油の給油路１９を備えている。この 給油路１９は、一端がシャフト１６の先端に開設した給油ポート２０に連通する 軸方向の給油路１９ａと、該給油路１９ａに連通しピニオン１５の放射方向に形 成した給油路１９ｂ，・・よりなり、給油路１９ｂ，・・の先端は歯１５ａ，・ ・全部の谷部１５ｂ，・・に開口している（図３参照）。 しかしながら、ラック９とピニオン１５の噛合時の抵抗は、ラック９の摺動両 端近くにおいて最も大きいこと、ラック９とピニオン１５は歯数に関係なく常に 同じ歯９ａと１５ａとが噛合することとを考慮すると、給油路１９ｂ，・・は、 ラック９の摺動両端近くにおいてその歯９ａ，・・に噛合する歯１５ａ，・・の 谷部のみに開口させてもよい。このようにすると、ピニオン１５における給油路 １９ｂ，・・の形成が容易である。 また、図示を省略しているが、給油路１９ｂ，・・は、歯１５ａ，・・の山部 １５ｃ，・・に開口させてもよい。

【０００８】 上記実施例は、給排ポート４，４から圧力室１３，１３に圧力流体を供給する とともに、シャフト１６の給油ポート２０から潤滑油を供給すると、ピストン７ が往復動してシャフト１６が回転揺動するとともに、ラック９とピニオン１５の 噛合部が潤滑油によって強制的に潤滑される。したがって、グリース等の塗布と 異なり、劣悪な作業環境であっても、長期間にわたってこれらの噛合部を潤滑す ることができるので、噛合部の潤滑が容易である。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は、シャフト及びピニオンに設けた給油路から供給する潤滑油によって ラックとピニオンとの噛合部を強制的に潤滑するために、作業環境が劣悪であっ ても、これらの噛合部を長期間容易にかつ確実に潤滑できるので、噛合部の摩耗 を容易に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の要部縦断正面図である。

【図２】同じく要部横断平面図である。

【図３】ピニオンの平面図である。

【符号の説明】

１ ラックピニオン形揺動アクチュエータ ２ ボディ ３ シリンダ ７ ピストン ９ ラック ９ａ，１５ａ 歯 １５ ピニオン １５ｂ 谷部 １５ｃ 山部 １６ シャフト １９，１９ａ，１９ｂ 給油路

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダを有するボディと、ラックを有
   し上記シリンダ内を摺動可能なピストンと、上記ラック
   に噛合するピニオン及びそのシャフトとを備え、シリン
   ダへの圧力流体の給排によりピストンを往復動させてシ
   ャフトを回転揺動させるラックピニオン形揺動アクチュ
   エータにおいて、 上記ラックピニオン形揺動アクチュエータが、一端がシ
   ャフトの給油ポートに開口し、他端が、少くともラック
   の摺動両端近くにおいて該ラックに噛合するピニオンの
   歯の谷部に開口する潤滑油の給油路を備えている、 ことを特徴とするラックピニオン形揺動アクチュエー
   タ。
2. 【請求項２】 給油路の他端が、ピニオンの歯の山部に
   開口している、 ことを特徴とする請求項１に記載したラックピニオン形
   揺動アクチュエータ。