JP4121866B2 - オープンカーの樹脂製内装材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オープンカーの樹脂製内装材、特に、オープンカーの座席後方において車幅方向に延設される樹脂製内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、車室上方が開放された(若しくは開放し得る)車体構造を備えた所謂オープンカーの場合、車体にルーフが設けられていない関係上、車体の捩り剛性が不可避的に低くなりがちで、特に、走行中に路面から突き上げ荷重が入力された場合などには、車体にかなりの捩り変形が生じる。
【0003】
このため、従来では、車幅方向に延び車体側部に両端が連結される金属製の所謂ロールバーを例えば座席後方に設け、かかるロールバーにより車体の捩り剛性を確保することが、一般に良く行われている(例えば、特許文献1参照)。
尚、上記座席後方に位置する車体部材は、車室外観性を高めるために、通常、少なくともその一部が、いわゆる化粧パネルとしての樹脂製の内装材で覆われている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−125541号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような金属製のロールバーを用いた場合には、車体重量の増加を招き、また、車室構造も複雑化するなどの問題があった。更に、かかるロールバーは車室内の見栄えを損なうことを回避するために、多くの場合いわゆる化粧パネルで覆われるが、かかる場合には、車室構造のより一層の複雑化を招くことになる。
【0006】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、車体重量の増加や車室構造の複雑化を特に招くことなく、オープンカーの車体剛性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、上記目的達成のために研究開発を重ねる中で、座席後方に位置する車体部材の少なくとも一部を覆う樹脂製の内装材を利用して、車体剛性の向上を図ることを着想した。
そして、本願発明に係るオープンカーの樹脂製内装材は、オープンカーの座席後方において車幅方向に延設される樹脂製内装材であって、車体の左右側部に取り付けられる一対の取付部と、上記座席の後方に位置する車体部材に固定される固定用フランジ部と、上記車体部材への固定状態で該車体部材と組み合わされて車幅方向へ延びる閉断面空間部を形成する中空突状部と、を備え、上記取付部は上記中空突状部の左右側端部近傍に位置する一方、上記固定用フランジ部は、上記中空突状部の車体前後方向の少なくとも何れか一方に配置されており、上記中空突状部と上記取付部と固用フランジ定部とが一体的に形成されていることを特徴としたものである。
【0008】
この場合、上記中空突状部の車体前後方向における前側に、上記車体部材の前側を覆う縦壁部を設けても良い。
【0009】
更に、以上の場合において、上記中空突状部及び/又はその基端部を補強する補強部材を設けることが好ましい。
この場合、上記補強部材は、中空突状部の成形時に該中空突状部と一体成形されることがより好ましい。
【0010】
また更に、以上の場合において、上記補強部材を、中空突状部の中空内部に位置する第1補強体と、中空突状部の基端側に位置する第2補強体とで構成することが、より一層好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るオープンカーの車体構造を概略的に示す斜視図である。この図に示すように、上記オープンカーMでは、車体後上部に略平板状のパッケージトレイ6が配設され、このパッケージトレイ6の後側には、車幅方向に延びる閉断面部材8が位置している。上記パッケージトレイ6は、その左右両端部が車体側部の内側に接合され、後端部は上記閉断面部材8の前側に接合されている。
【0012】
パッケージトレイ6の前端側は、段部7を介して車体の後部縦壁3の上端側に繋がっている。この後部縦壁3は、車室の後端下部に位置して略上下方向に延び、その左右両端部が車体側部の内側に接合され、下端部は車室床面1に接合されている。この後部縦壁3の前側下部には、車幅方向の略中央において車室床面1に沿って前後方向に延設されたトンネル部2の後端部が結合されており、後部縦壁3の剛性が高められている。
尚、以上の車体部材(車室床面1,トンネル部2,後部縦壁3,パッケージトレイ6及び閉断面部材8)は何れも、例えば所定厚さの鋼板を素材として構成されている。
【0013】
上記オープンカーMの座席シート(不図示)は、車室の後端側、つまり上記後部縦壁3の前方に設置される。この座席の後方に位置する車体部材としての後部縦壁3及びパッケージトレイ6は、少なくともその一部が、車幅方向に延びる樹脂製の内装材で覆われる。
本実施の形態では、この樹脂製の内装材を利用して、単に車室内の外観性を高めるだけでなく、車体重量の増加や車室構造の複雑化を特に招くことなく車体剛性の向上を図るようにしている。
【0014】
以下、この樹脂製内装材およびその取付構造について説明する。
図2は、本実施の形態の第1実施例に係る樹脂製内装材の斜視図である。この図に示すように、上記内装材P1は、縦断面形状が上下逆向きの略U字状または略V字状に形成され上方に突出する中空突状部Psと、該中空突状部Psの開口の後側基端部において車幅方向に延びる略水平なフランジ部Fpと、上記中空突状部Psの開口の前側基端部から水平部Pcを介して車幅方向に延びる前壁部Wpとで構成されている。該前壁部Wpは、上記水平部Pcの前端部から下方に向かって延びている。
【0015】
上記内装材P1の形状を更に説明すれば、上記中空突状部Psとフランジ部Fpと水平部Pcとで、縦断面形状が略ハット(hat)状のパネル部分が形成され、また、上記前壁部Wpと水平部Pcとで、縦断面形状が上下逆向きの略L字状のパネル部分が形成されている。
【0016】
本実施例では、上記内装材P1は、より好ましくは射出成形法により一体成形されている。樹脂材料としては、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用いることができる。本実施例では、例えば、強化材として長繊維を配合した熱可塑性樹脂のポリプロピレン樹脂(PP樹脂)を用いた。長繊維を含有することで、より剛性の高い内装材P1を得ることができる。
【0017】
上記中空突状部Psの車幅方向における両端部の近傍には、該中空突状部Psを(つまり、内装材P1を)車体の左右側部に取り付けるために、複数のボルト挿通穴Hmが設けられている。また、フランジ部Fpには、該フランジ部Fpを車体部材としてのパッケージトレイ6に固定するために、複数のボルト挿通穴Hfが設けられている。更に、上記前壁部Wpの周縁部の近傍には、該前壁部Wpを車体部材としての後部縦壁3に固定するために、複数のボルト挿通穴Hwが設けられている。
【0018】
図3及び図4は、オープンカーMの車体側部における内装材P1の片側の取付部を拡大して示す前方および後方からの斜視図である。また、図5及び図6は、上記取付部への内装材P1の取付状態を拡大して示す前方および後方からの斜視図である。
図1からも良く分かるように、車体の左右側部の内側には、上記内装材P1の両端部を組み付けるために、一対の取付ベース9が形成され、この取付ベース9の内側に金属製の取付ブラケット10(図3〜図6参照)が固定されている。
【0019】
上記取付ブラケット10は、断面形状が略コ字形に形成され、内装材P1の中空突状部Psの端部が組み付けられた際には、その前後の各縦板10tが中空突状部Psの前後の各内面にそれぞれ当接して支持するように設定されている。上記前後の縦板10tには、内装材P1の中空突状部Psの端部を取付ブラケット10に組み付けた際に、中空突状部Psのボルト挿通穴Hmに対応するように位置設定されたネジ穴10hが設けられている。
【0020】
そして、内装材P1の中空突状部Psの左右端部を車体Mの左右側部の取付ブラケット10にそれぞれ組み付け、中空突状部Psの各ボルト挿通穴Hmを取付ブラケット10の対応するネジ穴10hに位置合わせし、所定のネジ部材(不図示)をねじ込むことにより、内装材P1の左右両端部が車体Mの左右側部の内側に固定される。
上記内装材P1の中空突状部Psの端部近傍および該端部近傍に設けられたボルト挿通穴Hmが、「(内装材P1の)車体Mの左右側部に取り付けられる一対の取付部」に相当している。
【0021】
また、座席後方の車体部材としてのパッケージトレイ6及び後部縦壁3には、内装材P1の左右両端部を車体Mの左右側部の取付ブラケット10に組み合わせた状態で、内装材P1のフランジ部Fp及び前壁部Wpにそれぞれ設けられたボルト挿通穴Hf及びHwに対応するようにそれぞれ位置設定されたネジ穴6h及び3hが設けられている。
【0022】
そして、内装材P1の左右両端部を車体Mの左右側部の取付ブラケット10に組み合わせた状態で、図7に示すように、内装材P1のフランジ部Fpの各ボルト挿通穴Hfをパッケージトレイ6の対応するネジ穴6hにそれぞれ位置合わせし、且つ、内装材P1の前壁部Wpの各ボルト挿通穴Hwを後部縦壁3の対応するネジ穴3hにそれぞれ位置合わせした上で、所定のネジ部材Bf及びBwを適用することにより、内装材P1が座席後方の車体部材としてのパッケージトレイ6及び後部縦壁3に固定される。
上記内装材P1のフランジ部Fp及びそのボルト挿通穴Hf、並びに前壁部Wpの周縁部近傍および該周縁部近傍に設けられたボルト挿通穴Hwが、「座席の後方に位置する車体部材に固定される固定部」に相当している。
【0023】
図7は、上記内装材P1を座席後方の車体部材(パッケージトレイ6及び後部縦壁3)に固定した固定状態を示す縦断面説明図である。この図に示すように、内装材P1を車体部材3,6に組み合わせて固定した結果、内装材P1と車体部材3,6とで、車幅方向へ延びる閉断面空間部S1が形成される。
【0024】
本実施例では、座席後方の車体部材3,6の前部上端の角部に、パッケージトレイ6の前部を所定量段下げして段部7が形成されており、該段部7の裏面側には例えば鋼板製のレインフォースメント4が接合されている。また、後部縦壁3は、その上部が内装材P1の前壁部Wpで覆われるが、それよりも下方部分は例えばマット材で構成された表皮材3fで覆われている。
上記段部7と内装材P1のフランジ部Fp及び水平部Pcとで中空部Sqが形成され、この中空部Sqと中空突状部Psの中空部Spとで、上記閉断面空間部S1が構成されている。
【0025】
以上のように構成された内装材P1を座席後方において車幅方向に延設したことにより、内装材P1の中空突状部Psの左右両端側を車体Mの左右側部にそれぞれ取り付け、フランジ部Fp及び前壁部Wpの周縁部近傍を座席後方の車体部材(車体Mの後部縦壁3,パッケージトレイ6)に固定することで、該車体部材3,6と内装材P1とで車幅方向へ延びる閉断面空間部S1を形成することができる。
【0026】
すなわち、座席後方の車体側部どうしを内装材P1で連結することにより、該内装材P1と座席後方の車体部材3,6とで車幅方向へ延びる閉断面空間部S1を形成し、車体Mの剛性(特に捩り剛性)を高めることができる。この場合、座席後方に位置する車体部材3,6の少なくとも一部を覆う樹脂製の内装材P1を利用して、車体重量の増加や車室構造の複雑化を特に招くことなく、車体剛性を向上させることができるのである。
【0027】
この場合において、内装材P1の中空突状部Psの車体前後方向の少なくとも何れか一方に(本実施例では後側に)、車体部材6への固定用のフランジ部Fpが一体的に設けられているので、該フランジ部Fpで容易かつ確実に内装材P1を車体部材6(パッケージトレイ)に固定することができる。
【0028】
また、内装材P1の中空突状部Psの車体前後方向における前側に車体部材3(車体Mの後部縦壁)の前側を覆う前壁部Wpが設けられているので、内装材P1を車体Mの後部縦壁3に固定することで、座席後方に位置する上記後部縦壁3の前側を内装材P1の前壁部Wpで覆い、見映えを向上させることができる。
【0029】
次に、本実施の形態の第2実施例に係る樹脂製内装材およびその取付構造について説明する。尚、以下の説明において、上述の第1実施例における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては同一の符号を付し、それ以上の説明は省略する。
図8は、本実施の形態の第2実施例に係る樹脂製内装材P2の斜視図である。また、図9は、上記内装材P2を座席後方の車体部材(パッケージトレイ6及び後部縦壁3)に固定した固定状態を示す縦断面説明図である。
【0030】
これらの図に示すように、この第2実施例では、座席後方の車体部材を構成するパッケージトレイ16と後部縦壁13とが一体の鋼板パネルで構成され、その前部上端の角部には、第1実施例におけるような段部(図7参照)は設けられていない。尚、当該角部の裏面側には例えば鋼板製のレインフォースメント14が接合されている。
【0031】
本実施例に係る内装材P2では、中空突状部Psの前後にフランジ部Fpが設けられ、全体として略ハット状の断面形状を有している。尚、この内装材P2の中空突状部Psの内部上端(天井部)には、例えば上下方向に延びる複数の補強リブKpが一体に形成されている。
そして、これらフランジ部Fpをパッケージトレイ16の上面に締結固定することにより、パッケージトレイ16に固定されている。
【0032】
この場合には、内装材P1と車体部材(パッケージトレイ16)とで、車幅方向へ延びる閉断面空間部Spが形成される。
この第2実施例においても、前壁部が無いことを除いては、基本的には前述の第1実施例における場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
以上のようなパネル状の樹脂製内装材P1,P2ついては、補強部材を設けて補強することによって、剛性をより高めることができる。
図10は第3実施例に係る内装材の補強構造を示す分解斜視図であり、図11は第4実施例に係る内装材の補強構造を示す分解斜視図である。第3実施例(図10)では第1実施例の内装材P1が補強体R1を用いて補強され、第4実施例(図11)では第2実施例の内装材P2が補強体R2を用いて補強されている。
【0034】
図10及び図11の何れの例においても、補強体R1及びR2は、より好ましくは合成樹脂製で、例えば、振動溶着,接着剤の適用またはネジ部材を用いた締結固定など、公知の手法により、内装材P1及びP2の内面側及び/又は下側に一体化される。上記補強体R1,R2の合成樹脂材料としては、例えば内装P1,P2と同一の樹脂材料を適用することができる。
【0035】
図10に示した補強体R1は、内装材P1への組付時に中空突状部Psの中空部Sp内に位置する断面台形状の第1補強部R1aと、内装材P1への組付時に上記中空突状部Psの基端側(つまり、中空部Spの開口が位置する側)に位置するフランジ状の第2補強部R1bとで構成されている。
この補強体R1を内装材P1に組み付けて一体化した際には、上記第1補強部R1aが、中空突状部Psの中空部Spの少なくとも一部に挿入された状態で中空突状部Psの内面に固定される。また、第2補強部R1bは、フランジ部Fp及び水平部Pcの下面に当接した状態で固定される。
【0036】
このような補強体R1を内装材P1に組み付けて一体化することにより、内装材P1の中空突状部Ps及びその基端側が補強される。これにより、座席後方の車体部材と共に閉断面空間部S1を形成する中空突状部Psの剛性を高め、車体Mの剛性をより向上させることができるのである。
【0037】
特に、上記補強体R1を、内装材P1の中空突状部Psの中空内部Spに位置する第1補強部R1aと中空突状部Psの基端側に位置する第2補強部R1bとで構成することにより、中空突状部Ps自体およびその基端側をそれぞれ確実に補強することができ、車体Mの剛性のより一層の向上を図ることができる。
【0038】
図11に示した補強体R2の場合には、その全体が断面台形状に形成され、内装材P2への組付時には、その全体が中空突状部Psの中空部Sp内に位置し、中空突状部Psの内面に固定される。この場合、中空突状部Psの基端側(開口が位置する側)は、断面台形状の補強体R2の下端側と一体化されて補強される。
この場合についても、内装材P2のフランジ部Fpの下面側に当接して固定される補強部が無いことを除いては、基本的には図10の補強体R1における場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0039】
以上のような補強体R1,R2を用いて内装材P1,P2の補強し、その剛性向上を図る場合、内装材の成形時に補強体を一体成形することにより、一層効果的な補強が可能で、また、生産効率も高めることもできる。
【0040】
次に、補強体を一体成形した第5実施例について説明する。
図12は本実施の形態の第5実施例に係る樹脂製内装材P3を前上方から見て示した斜視図、また、図13は上記内装材P3を後下方から見て示した斜視図である。更に、図14は上記内装材P3を前方から見て示した正面説明図、図15,図16,図17は、それぞれ図14のY15‐Y15線,Y16‐Y16線,Y17‐Y17線に沿った断面説明図、また、図18は図17のY18‐Y18線に沿った断面説明図である。
【0041】
図12から良く分かるように、この第5実施例に係る樹脂製内装材P3は、第1実施例において内装材P1の全体を構成したパネル体と同一形状のパネル体の内側および下側に、中空突状部Ps及び/又はその基端部を補強する補強体R3を一体的に設けて構成されている。この補強体R3は、内装材P3を例えば射出成形法にて成形する際に一体成形されたものである。
【0042】
補強体R3は、中空突状部Psの中空内部Spに位置する第1補強部R3aと中空突状部Psの基端側に位置する第2補強部R3bとで構成されており、中空突状部Ps自体およびその基端側がそれぞれ確実に補強されている。尚、中空突状部Psの天井部には、上下方向に延びる複数の補強リブKpが一体に形成されている(図15及び図17参照)。
第2補強部R3bは、図16から良く分かるように、その全体形状が底面視で略矩形状に形成されており、また、第1補強部R3aは、図18から良く分かるように、上記第2補強部R3bの左右両端部およびその近傍において上方に延び、中空突状部Psの中空内部Spに位置している。
【0043】
上記第1及び第2の補強部R3a,R3bは、それぞれ多数の補強リブを有しており、かかる補強部R3a,R3bで構成された補強体R3と内装材P3のパネル体Ps,Fp,Pc,Wpとを一体成形する際には、図18において矢印で示したように、各リブの伸長方向に沿って成形後に型抜きが行われる。
【0044】
以上のように、この第5実施例によれば、内装材P3の中空突状部Ps及び/又はその基端部を補強する補強体R3を設けたことにより、内装材P3の剛性向上、ひいては車体Mの剛性向上に関して、上述の第3実施例と同様の作用効果を奏することができる。
特に、上記補強体R3を内装材P3のパネル体Ps,Fp,Pc,Wpの成形時に一体成形することにより、中空突状部Ps及び/又はその基端部に対する補強効果をより高めることができる。更に、部品点数および組立工数の増加を抑えて、生産性の向上にも寄与することができる。
【0045】
また、補強体R3を、多数のリブを備えるように構成し、所謂ハニカム形状に類似した構造としたことにより、補強体R3を設けることによる重量増加を抑制した上で、内装材P3を効果的に補強することができる。
【0046】
このように、補強体を内装材のパネル体と一体成形する場合には、成形後の型抜きの可否等を含めて成形性の制約から、内装材のパネル体や補強体の形状の自由度が限られることになるが、前述の第3実施例や第4実施例の場合には、別体の補強体を内装材パネル体に組み付けて接合するので、種々の形態が可能である。
【0047】
図19〜図31は、第3及び第4実施例の変形例に係る樹脂製内装材を示している。このうち、図19〜図25は、第1実施例において内装材P1の全体を構成したパネル体と同一形状のパネル体を用いた場合(第3実施例の変形例)に関し、また、図26〜図31は、第2実施例において内装材P2の全体を構成したパネル体と同一形状のパネル体を用いた場合(第4実施例の変形例)に関する。
【0048】
図19及び図20は第3実施例の第1変形例に係る樹脂製内装材P5に補強体R5を組み付ける組付状態および組付後の断面構造を示している。また、図21〜図25は、第3実施例の第2〜第6変形例に係る樹脂製内装材P6〜P10の断面構造を示している。
第1,第2,第4及び第5変形例に係る補強体R5,R6,R8及びR9は、何れも上下方向に延びる縦リブと水平方向に延びる横リブとを組み合わせて構成されている。また、第1,第2及び第4変形例に係る内装材P5,P6及びP8では、補強体R5,R6及びR8を受け止めるために、下方へ突出する受けリブUrがパネル体の中空突状部Ps及びフランジ部Fpに一体形成されている。
【0049】
第3実施例の第1〜第4変形例に係る内装材P5〜P8では、各補強体R5〜R8は何れも中空突状部Psの中空内部Spに位置する第1補強部と中空突状部Psの基端側に位置する第2補強部とで構成されている。
一方、第5変形例に係る内装材P9の補強体R9はその全体が中空突状部Psの中空内部Spに位置しており、また、第6変形例に係る内装材P10の補強体R10はその全体が中空突状部Psの基端側に位置している。
【0050】
図26,図27及び図28は、第4実施例の第1変形例に係る樹脂製内装材P11に補強体R11を組み付ける組付状態,組み付けられる補強体R11の平面説明図および組付後の断面構造を示している。また、図29〜図31は、第4実施例の第2〜第4変形例に係る樹脂製内装材P12〜P14の断面構造を示している。
【0051】
この第4実施例の第1変形例に係る樹脂製内装材P11では、補強体R11は上下方向に延びる縦リブを主体として構成され、そのうち前側および後側に位置するものVr,…,Vrが内装材P11の前後のフランジ部Fpの下面にそれぞれ当て止められるようにして組み付けられる。
また、第2変形例に係る内装材P12では、補強体R12は上下方向に延びる縦リブと水平方向に延びる横リブとを組み合わせて構成され、一方、内装材P11のパネル体の前後のフランジ部Fpの下面側には、補強体R12の下部をガイドするために、下方へ突出するガイドリブGrが一体形成されている。
【0052】
第4実施例の第3変形例に係る内装材P13は第4実施例のパネル体と同一の基本形状を有しており、補強体R13には、その前後の下端部が上方に折り返すようにしてストッパ部Jtが形成されており、この前後のストッパ部Jtがフランジ部Fpの裏面にそれぞれ当て止められるようにして組み付けられる。
また、第4変形例に係る内装材P14では、補強体R14を受け止めるために、下方へ突出する受けリブUrがパネル体の中空突状体Ps及びフランジ部Fpに一体形成されている。
【0053】
第4実施例の第1〜第3変形例に係る内装材P11〜P13では、各補強体R11〜R13は何れも中空突状部Psの中空内部Spに位置する第1補強部と中空突状部Psの基端側に位置する第2補強部とで構成されている。
一方、第4変形例に係る内装材P14の補強体R4は、その全体が中空突状部Psの基端側に位置している。
【0054】
以上に例示したように、別体の補強体を内装材パネル体に組み付け接合して使用する場合には、種々の形態が可能であり、対象オープンカーへの実際の適用に際して、最適のものが選ばれる。
【0055】
また、補強体が内装パネルに対して一体または別体の何れの場合でも、中空突状部Psの基端側に補強部(第2補強部)を有するもの、例えば、第3実施例(図10),第3実施例の第1,2,3,4,6変形例(図19及び20,図21,22,23,25)及び第5実施例(図12〜18)、を用いる場合には、図7に示される段部7の段下げ深さを第2補強部の厚さと略一致させることにより、この段部7と内装パネルのフランジ部Fp及び水平部Pcとの間の空間部Sqを樹脂製の補強部(第2補強部)で補強することができる。尚、第4実施例の第1〜第4変形例(図26〜31)を用いる場合には、図9に示されるパッケージトレイ16に第2補強部に対応する凹部が形成されるが、この場合にも、該凹部の深さが第2補強部の厚さと略一致するように設定することが好ましい。
【0056】
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】
本願発明に係るオープンカーの樹脂製内装材によれば、一対の取付部の各々を車体の左右側部にそれぞれ取り付け、固定用フランジ部で座席後方の車体部材に固定することにより、該車体部材と内装材とで車幅方向へ延びる閉断面空間部を形成することができる。すなわち、座席後方の車体側部どうしを内装材で連結することにより、該内装材と座席後方の車体部材とで車幅方向へ延びる閉断面空間部を形成し、車体の剛性を高めることができる。この場合、座席後方に位置する車体部材の少なくとも一部を覆う樹脂製の内装材を利用して、車体重量の増加や車室構造の複雑化を特に招くことなく、車体剛性を向上させることができる。この場合において、上記中空突状部の車体前後方向の少なくとも何れか一方に、上記車体部材への固定用のフランジ部を一体的に設けることにより、該フランジ部で容易かつ確実に内装材の取付部の間を上記車体部材に固定することができる。
【0058】
また、この場合において、上記中空突状部の車体前後方向における前側に上記車体部材の前側を覆う前壁部を設けておくことにより、内装材を車体部材に固定することで、座席後方に位置する上記車体部材の前側を内装材の上記前壁部で覆い、見映えを向上させることができる。
【0059】
更に、以上の場合において、上記中空突状部及び/又はその基端部を補強する補強部材を設けることにより、上記車体部材と共に閉断面空間部を形成する中空突状部の剛性を高めることができ、車体剛性をより向上させることができる。
また、この場合において、上記補強部材を中空突状部の成形時に該中空突状部と一体成形することにより、中空突状部及び/又はその基端部に対する補強効果をより高めることができる。更に、部品点数および組立工数の増加を抑えて、生産性の向上にも寄与することができる。
【0060】
また更に、以上の場合において、上記補強部材を、中空突状部の中空内部に位置する第1補強体と中空突状部の基端側に位置する第2補強体とで構成することにより、中空突状部自体およびその基端部をそれぞれ確実に補強することができ、車体剛性のより一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るオープンカーの車体構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】 上記実施の形態の第1実施例に係る樹脂製内装材の斜視図である。
【図3】 上記オープンカーの車体側部における内装材の片側の取付部を拡大して示す前方からの斜視図である。
【図4】 上記車体側部の取付部を拡大して示す後方からの斜視図である。
【図5】 上記車体側部の取付部への内装材の取付状態を拡大して示す前方からの斜視図である。
【図6】 上記車体側部の取付部への内装材の取付状態を拡大して示す後方からの斜視図である。
【図7】 上記内装材の座席後方の車体部材への固定状態を示す縦断面説明図である。
【図8】 第2実施例に係る樹脂製内装材の斜視図である。
【図9】 上記第2実施例に係る内装材の座席後方の車体部材への固定状態を示す縦断面説明図である。
【図10】 第3実施例に係る内装材の補強構造を示す分解斜視図である。
【図11】 第4実施例に係る内装材の補強構造を示す分解斜視図である。
【図12】 第5実施例に係る内装材の前上方からの斜視図である。
【図13】 上記第5実施例に係る内装材の後下方からの斜視図である。
【図14】 上記第5実施例に係る内装材の正面説明図である。
【図15】 図14のY15‐Y15線に沿った断面説明図である。
【図16】 図14のY16‐Y16線に沿った断面説明図である。
【図17】 図14のY17‐Y17線に沿った断面説明図である。
【図18】 図14のY18‐Y18線に沿った断面説明図である。
【図19】 上記第3実施例の第1変形例に係る内装材の組付状態を示す説明図である。
【図20】 上記第1変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図21】 第3実施例の第2変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図22】 第3実施例の第3変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図23】 第3実施例の第4変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図24】 第3実施例の第5変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図25】 第3実施例の第6変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図26】 上記第4実施例の第1変形例に係る内装材の組付状態を示す説明図である。
【図27】 上記第1変形例に係る内装材の補強体の平面説明図で、図26におけるY27−Y27矢印方向の矢視図である。
【図28】 上記第1変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図29】 第4実施例の第2変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図30】 第4実施例の第3変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【図31】 第4実施例の第4変形例に係る内装材の構造を示す断面説明図である。
【符号の説明】
3,13…車体の後部縦壁
6,16…パッケージトレイ
Fp…(内装材の)フランジ部
Hf,Hm,Hw…ボルト挿通穴
M…オープンカーの車体
P1〜P3,P5〜P14…樹脂製内装材
Ps…(内装材の)中空突状部
R1〜R3,R5〜R14…補強体
R1a,R3a…第1補強部
R1b,R3b…第2補強部
S1…閉断面空間部
Sp…(内装材の)中空部
Wp…(内装材の)前壁部

Claims (5)

  1. オープンカーの座席後方において車幅方向に延設される樹脂製内装材であって、
    車体の左右側部に取り付けられる一対の取付部と、
    上記座席の後方に位置する車体部材に固定される固定用フランジ部と、
    上記車体部材への固定状態で該車体部材と組み合わされて車幅方向へ延びる閉断面空間部を形成する中空突状部と、を備え、
    上記取付部は上記中空突状部の左右側端部近傍に位置する一方、上記固定用フランジ部は、上記中空突状部の車体前後方向の少なくとも何れか一方に配置されており、
    上記中空突状部と上記取付部と固用フランジ定部とが一体的に形成されていることを特徴とするオープンカーの樹脂製内装材。
  2. 請求項1に記載のオープンカーの樹脂製内装材において、
    上記中空突状部の車体前後方向における前側に、上記車体部材の前側を覆う前壁部が設けられていることを特徴とするオープンカーの樹脂製内装材。
  3. 請求項1又は2に記載のオープンカーの樹脂製内装材において、
    上記中空突状部及び/又はその基端部を補強する補強部材が設けられていることを特徴とするオープンカーの樹脂製内装材。
  4. 請求項記載のオープンカーの樹脂製内装材において、
    上記補強部材は、上記中空突状部の成形時に該中空突状部と一体成形されていることを特徴とするオープンカーの樹脂製内装材。
  5. 請求項又はに記載のオープンカーの樹脂製内装材において、
    上記補強部材は、中空突状部の中空内部に位置する第1補強体と、上記中空突状部の基端側に位置する第2補強体とで構成されていることを特徴とするオープンカーの樹脂製内装材。
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