JP4121747B2 - 回転可能な部材の回転角度を検出するための装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転可能な部材の回転角度を検出するための装置に関し、その装置においては、磁気的な影響を受ける可能性のあるセンサ装置の特性を評価するときに、回転可能な部材によって生成または誘導される第1の磁界を検出することができ、かつ、その第1の磁界は、回転角度を測定するのに使用することができ、センサ装置は、実質的に平坦であり、かつ、実質的に1つの平面内に配置された複数の磁界感知センサ部材を備え、それらのセンサ部材は、回転角度の関数に与えられる信号をそれぞれが供給する少なくとも2つのブリッジ回路に接続され、それによって、センサ装置は、第1の角度範囲を通して、第1の磁界の方向を正確に特定することのできる信号を供給するようになされ、センサ装置に補助磁界を供給するための手段であって、その手段によって、第2の角度範囲を通して、角度を正確に特定するために、第1の磁界の方向を特定することのできる信号を修正することができ、センサ装置に補助磁界を加えるための手段は、実質的に平坦なコイルを備え、そのコイルの平坦な伸長部分は、センサ部材の平面配置に沿って延びるように配置される。
【0002】
【従来の技術】
回転可能な部材の回転角度を検出するための装置については、ドイツ特許公開公報第DE−198−39−446−A1号から知ることができ、その装置においては、磁気的な影響を受ける可能性のあるセンサ装置の特性を評価するときに、回転可能な部材によって生成または誘導される第1の磁界は、評価回路において検出することができ、かつ、回転角度を測定するのに使用することができる。ドイツ特許公開公報第DE−198−39−446−A1号によれば、センサ装置は、磁気抵抗効果を利用しながら、第1の角度範囲を通して、とりわけ、180°の角度範囲を通して、第1の磁界の方向を正確に特定することのできる信号を供給する。さらに、センサ装置に補助磁界を加えるための手段が、提供され、それによって、第2の角度範囲を通して、とりわけ、360°の角度範囲を通して、角度を正確に特定するために、第1の磁界の方向を特定することのできる信号を修正することができる。
【0003】
図3および本明細書の図3に関連する説明からわかるように、センサ装置に補助磁界を加えるための手段は、非導電性中間層によって絶縁された薄層平面コイルを備え、また、そのコイルは、センサ装置を構成する2つのホイートストンブリッジ内のAMR抵抗を介して配置される。平面コイルは、空間的に分離された2つの部分からなり、その2つの部分のそれぞれは、2つのホイートストンブリッジ内の空間的に並置された位置関係を有する所定のAMR抵抗を介して延びる。
【0004】
この構成は、きわめて大きな表面積を有する。したがって、ドイツ特許公開公報第DE−198−39−446−A1号に記載される構成のほかに、きわめて大きな部品基板を必要とする。平面コイルの広い面積を有する構造のために、干渉磁界に対して高い感度を示すことになる。そのような装置を一体部材として統合し、小型化するためには、平面コイルの広い面積を有する構造もまた不都合なことである。
【0005】
角度をずらした位置関係で配置された少なくとも2つの非接触型測定センサユニットを備えた角度センサを欧州特許第EP−0−671−605−A2号から知ることができ、それのセンサ電圧は、測定されるべき回転可能な部材の角度の類似してはいるが角度がずれているサイン関数(センサ特性)を有する。この角度センサは、チップ上に配置され、ブリッジ部材を備えた2つのセンサユニットを備え、それらのブリッジ部材は、一方のセンサ部材のブリッジ部材の次には、必ず、他方のセンサユニットのブリッジ部材が、共通の中心を軸にして空間的に45°だけずれた状態で現れるように交互に配置される。ブリッジ部材に結合された評価回路は、最大で180°までの角度範囲を通して、角度測定値に相当する角度センサ電圧を正確に生成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小型で、簡単な、コストのかからない装置によって、大きな角度範囲を通して、好ましくは、最大360°までの角度範囲を通して正確な測定ができるように、冒頭において説明したような種類の装置を製造することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は、冒頭において説明したような回転可能な部材の回転角度を検出するための装置において、それぞれのブリッジ回路のセンサ部材が、星形構造となるように配置され、個々のブリッジ回路のセンサ部材が、中心を共有する星形構造となるように交互に配置され、実質的に平坦なコイルが、そのコイルの平坦な伸長部分に沿った実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなることによって達成される。
【0008】
小型の角度センサユニットをきわめて単純に構成された平面コイルと組み合わせることから、1つの単純なセンサ装置だけを備えたきわめて単純で小型のユニットが得られ、それは、低コストで簡単に製造することができ、小型化に適したものであり、干渉に対して低感度を有するものである。
【0009】
この点については、ドイツ特許公開公報第DE−198−39−446−A1号が、欧州特許第EP−0−671−605−A2号に記載される星形に交互に配置された構造に基づいたAMR抵抗の別の構成において、この明細書に記述されるような種類の平面コイルによって補助磁界を生成することもできることを開示していることに注意されたい。しかしながら、ドイツ特許公開公報第DE−198−39−446−A1号に示される平面コイルの構造は、欧州特許第EP−0−671−605−A2号に記載される星形に交互に配置された構造に基づいたAMR抵抗の構成と組み合わせても有益な結果をもたらさない。本発明に記載されるような平面コイルを構成することを示唆してもいないし、また、この明細書において、さらに詳細には説明しない。
【0010】
本発明による装置のきわめて好都合な実施形態は、実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる実質的に平坦なコイルと、実質的に星形に中心を共有して交互に配置されたセンサ部材によって構成されたセンサ装置とは、それらの中心が、少なくとも実質的に一致することを特徴とする。これによって、最低限の表面積を備えたきわめて簡潔な構造が得られる。
【0011】
本発明による装置においては、センサ部材が配置される平面において均質な磁界を生成しなくてもよい。対照的に、磁界の方向を規定するだけでよい。本発明のもう1つの好都合な実施形態によれば、これは、実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる実質的に平坦なコイルと、実質的に星形に中心を共有して交互に配置されたセンサ部材によって構成されたセンサ装置とが、所定の距離だけお互いに中心をずらして配置されることによって、簡単に達成することができる。その結果、磁界をセンサ部材の平面において好ましい方向に合わせることができる。もちろん、この中心がずれた配置の場合、中心を共有する配置よりもわずかに大きな表面積が必要となる。
【0012】
センサ装置と少なくとも実質的に中心を共有する平面コイル配置の場合、本発明のさらなる実施形態によれば、ブリッジ回路の片方だけによって生成される信号が、回転可能な部材の回転角度を検出するために、磁気的な影響を受ける可能性のあるセンサ装置の特性を評価するのに使用されるとき、好都合であり有益でもある。片方のブリッジだけから信号を得ることによって、できるだけ一方向の補助磁界だけが、センサ装置から供給される信号を評価するのに使用されることを実現することができる。
【0013】
本発明による装置においては、実質的に平坦なコイルは、好ましくは、センサ装置上に一体部材として統合される。この製造方法によれば、きわめて簡潔な構造をきわめて低コストで精密に製造することが可能となる。それによって、実質的に平坦なコイルの製造とセンサ装置の製造とを合同製造プロセスに統合することができる。
【0014】
本発明に基づくような種類の装置は、簡単で低コストで小型で堅牢なセンサが大きな角度範囲で必要とされるあらゆる分野で使用される。好ましい利用分野は、自動車技術であるが、例えば、電気および電子技術の分野において、摺動電位差計を非接触型回転角度センサに取り替えるのに使用してもよい。
【0015】
本発明のこれらのそしてその他の特徴が、以下で記述される実施形態を参照して、説明され、そして、明白なものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示されるセンサ装置は、実質的に1つの平面内に配置された4つの実質的に平坦な磁界感知センサ部材1、2、3、4からなる第1のブリッジ回路と、実質的に1つの平面内に配置された4つの実質的に平坦な磁界感知センサ部材5、6、7、8からなる第2のブリッジ回路とを備える。それぞれのブリッジ回路のセンサ部材1、2、3、4、および、センサ部材5、6、7、8は、星形構造となるように配置される。さらに、個々のブリッジ回路のセンサ部材1、2、3、4とセンサ部材5、6、7、8とは、中心を共有する星形構造となるように交互に配置される。その結果、一方のブリッジ回路のセンサ部材1、2、3、4の次には、必ず、他方のブリッジ回路のセンサ部材5、6、7、8が、図1において十字記号として示される共通の中心を軸にして空間的に45°だけ回転した状態で現れる。それぞれのブリッジ回路は、回転角度の関数に与えられる信号を取り出すために、第1のブリッジ回路1、2、3、4については接触面11〜16を介して、第2のブリッジ回路5、6、7、8については接触面17〜20を介して、お互いに絶縁される。
【0017】
図2は、本発明の第1の実施形態を示す。この図面においては、実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる実質的に平坦なコイル30が、図1のセンサ装置上に配置され、それの中心は、センサ装置の中心と少なくとも実質的に一致する。平面コイル30は、好ましくは、わかりやすくするために図2には示されない絶縁層上において、センサ装置上に一体部材として統合される。それの巻線端部において、平面コイル30は、接触面31および32を有し、それらの接触面31および32を介して、平面コイル30は、補助磁界を生成するための電流を受け取ることができる。この補助磁界の磁力線の方向が、図2の矢印40によって示される。磁力線は、実質的に共通の中心点すなわちセンサ装置および平面コイルの中心から外側へ実質的に放射状に延びる。
【0018】
図1に示される構成におけるセンサ装置の接触面が、平面コイルによって覆われ、それによって、外部からセンサ装置に接触できないようになりさえすれば、接触面11〜20の空間的な配置は、センサ装置の外部寸法を著しく変更することなく適宜に変更してもよい。好都合な実施形態においては、簡略な構成として、それぞれのブリッジ回路の片方のブリッジだけの信号を評価するように、センサ装置の接触面11〜20のすべてが接続されなければならないわけではないことを考慮に入れてもよい。
【0019】
補助磁界を生成する電流の大きさおよび補助磁界の強さを調整するために、平面コイルの巻数を調整してもよく、例えば、図示された構造と比較して、巻数が多くてもよい。
【0020】
図3に示される第2の実施形態においては、実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる実質的に平坦なコイル50が、センサ装置の中心から所定の距離だけ中心をずらしてセンサ装置上に配置され、そのセンサ装置は、それは図1に示されるが、ここでは、時計回りに90°だけ回転させた位置関係で示される。平面コイル50は、それの巻線端部に接触面51および52を有し、それらの接触面51および52を介して、平面コイルは、補助磁界を生成するための電流を受け取ることができる。この補助磁界の磁力線の方向は、図3の矢印60によって示される。この場合にもまた、平面コイルの中心から外側へ実質的に放射状に延びる。しかしながら、この実施形態におけるこの中心は、センサ装置の中心から空間的に所定の間隔を置いて配置されるので、補助磁界の磁力線は、もはや、センサ装置から放射状に延びるのではなく、少なくとも大部分が、斜めに延びる。したがって、補助磁界は、所望の角度測定に使用されるとき、センサ装置にとって好ましい方向を有する。
【0021】
その他の点については、図2に示される実施形態の構成に関連した説明が、図3に示される構成にも同じように適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】欧州特許第EP−0−671−605−A2号に記載された実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す図であり、実質的に平坦なコイルが、実質的に星形に中心を共有して交互に配置されたセンサ部材によって構成されたセンサ装置と実質的に中心を共有している。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す図であり、平面コイルが、センサ装置から中心をずらして配置されている。
【符号の説明】
11〜20 接触面
30 コイル
31、32 接触面
40 磁力線の方向
Claims (5)
- 回転可能な部材の回転角度を検出するための装置であり、該装置において、磁気的な影響を受ける可能性のあるセンサ装置の特性を評価するときに、回転可能な部材によって生成または誘導される第1の磁界を検出することができ、かつ、その第1の磁界は、回転角度を測定するのに使用することができ、センサ装置は、実質的に平坦であり、かつ、実質的に1つの平面内に配置された複数の磁界感知センサ部材を備え、それらのセンサ部材は、回転角度の関数に与えられる信号をそれぞれが供給する少なくとも2つのブリッジ回路に接続され、それによって、センサ装置は、第1の角度範囲を通して、第1の磁界の方向を正確に特定することのできる信号を供給するようになされ、センサ装置に補助磁界を供給するための手段であり、その手段によって、第2の角度範囲を通して、角度を正確に特定するために、第1の磁界の方向を特定することのできる信号を修正することができ、センサ装置に補助磁界を加えるための手段は、実質的に平坦なコイルを備え、そのコイルの平坦な伸長部分は、センサ部材の平面配置に沿って延びるように配置される、該装置であって、
それぞれのブリッジ回路のセンサ部材が、中心を共有し放射状に等角度で等間隔に交互に配置された構造となるように配置され、
実質的に平坦なコイルが、そのコイルの平坦な伸長部分に沿った実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる、
ことを特徴とする装置。 - 実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる実質的に平坦なコイルと、実質的に星形に中心を共有して交互に配置されたセンサ部材によって構成されたセンサ装置とは、それらの中心が、少なくとも実質的に一致することを特徴とする請求項1に記載の装置。
- ブリッジ回路の片方のブリッジによってしか生成されない信号が、回転可能な部材の回転角度を検出するために、磁気的な影響を受ける可能性のあるセンサ装置の特性を評価するのに使用されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
- 実質的に螺旋形であり同心の平坦な巻線からなる実質的に平坦なコイルと、実質的に星形に中心を共有して交互に配置されたセンサ部材によって構成されたセンサ装置とが、所定の距離だけお互いに中心をずらして配置されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 実質的に平坦なコイルが、センサ装置上に一体部材として統合されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
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