JP4121408B2 - 扉用施錠装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、扉用施錠装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、施錠専用の錠と解錠専用の錠とを備えた扉用施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゲームセンター等において、例えば、営業者または管理者(以下、特に断らない限り「管理者等」という。)がロッカー内に賞品等を収納しておき、一方、プレイヤーが、所定のルールに従って、ロッカーを施錠している特定のキーを獲得し、その獲得したキーに対応するロッカーの扉を開いて中に収納されている賞品等を入手することができるようにしたゲームが行われ始めている。しかしながら、この種のゲームのために適した扉用施錠装置が見当たらないのが現状である。
【0003】
例えば、コインロッカーに用いる扉用施錠装置は、コインを投入しないと、錠に差し込まれているキーを操作して施錠することができず、コインを投入することでキーの施錠操作が可能となり、掛け金を掛け、キーを抜き取ることができるようになっていることから、本出願人は、これを、前記ゲームで用いるロッカーの扉用施錠装置に使用すること試みた。この場合、ロッカーが空で錠にそれに対応するキーが差し込まれ抜き取りができない状態にセットされた初期状態において、管理者等は賞品等を収納し、コインを投入し、錠のキーを操作して掛け金を施錠位置まで移動または回動させてロッカーの扉を施錠し、キーを抜き取り、ゲームに供する。プレーヤーは、ゲームによって、特定のロッカーに用いられている錠のキーを獲得したら、そのキーを操作して、錠を解錠すると、掛け金が解錠位置まで戻り、扉を開けることができる。そして、中に収納されている賞品等を獲得すると、キーは錠に付いたままとなり、初期状態、すなわち、管理者等が、空となったロッカーに、賞品等を収納することができる状態となる。
【0004】
ところで、プレイヤーが、完全に錠を解錠せず、掛け金による扉の施錠が外れるだけのところまでキーを操作して、扉を開き、次いで、キーを操作前の状態に戻すと、扉は開いてはいるものの掛け金は施錠位置の状態にあることから、中に収納された賞品等を獲得するとともに、いたずらまたは不正目的でキーを錠から抜き取り、持ち去ることができることになる。このようにして、キーが抜き取られると、管理者等は、ロッカーの扉用施錠装置、または、錠を交換することが必要になり、無用な経費や、手間がかかることになり、好ましいものとはいえない。
【0005】
また、受取人が不在の場合に対処するための宅配用のロッカーに用いるダブルロック式の扉用施錠装置が、例えば、特許文献1に記載されているように、従来知られており、本出願人はこれを前記ゲームで用いるロッカーの扉用施錠装置に使用することを検討した。
特許文献1に記載の扉用施錠装置は、概略、掛け金を備えた扉用シリンダー錠とカム板を備えた作動用シリンダー錠との間にストップ機構を介在させた構造のものである。これを、前記ゲームで用いるロッカーの扉用施錠装置として使用する場合は、以下のようにして操作することができる。
【0006】
すなわち、管理者等が空のロッカー内に、賞品等を収納し、扉を閉じた後、作動用シリンダー錠専用のキーを用いて扉用シリンダー錠のストッパー機構を解除し、扉用シリンダー錠の鍵穴に予め挿入されているキーによって扉用シリンダー錠の施錠操作を行い掛け金を掛ける。そして、作動用シリンダー錠をキー操作により、ストッパー機構を動作状態に復帰させ、扉用シリンダー錠と作動用シリンダー錠のキーをそれぞれ抜き取り、扉用シリンダー錠のキーをゲームに供する。プレーヤーは、ゲームによって、特定のロッカーに用いられている扉用シリンダー錠のキーを獲得したら、そのキーを操作して、扉用シリンダー錠を解錠すると、掛け金が解錠位置まで戻り、扉を開けることができる。そして、中に収納されている賞品等を獲得すると、キーは扉用シリンダー錠に付いたままとなり、初期状態、すなわち、管理者等が、空となったロッカーに、賞品等を収納することができることになる。
【0007】
このような扉用施錠装置も、プレイヤーが、完全に扉用シリンダー錠を解錠せず、掛け金による扉の施錠が外れるだけのところまでキーを操作して、扉を開き、次いで、キーを操作前の状態に戻すと、扉は開いているものの掛け金は施錠位置の状態にあることから、中に収納された賞品等を獲得できるとともに、いたずらまたは不正目的でキーを扉用シリンダー錠から抜き取り、持ち去ることができることになり、前述したコインロッカーに用いる扉用施錠装置と同様の問題点を有する。
【0008】
また、この扉用施錠装置では、ロッカー内に賞品等を収納し、扉用シリンダー錠のキーをゲームに供するのに、管理者等は、作動用シリンダー錠専用のキーを用いて扉用シリンダー錠のストッパー機構を解除する操作、次いで、扉用シリンダー錠の鍵穴に予め挿入されているキーによって扉用シリンダー錠の施錠操作を行い掛け金を掛ける操作、作動用シリンダー錠をキーでストッパー機構を動作状態に復帰させる操作、次いで、扉用シリンダー錠と作動用シリンダー錠のキーをそれぞれ抜き取る操作といった多数の操作を必要とし、煩雑でもある。そして、この扉用施錠装置では、扉用シリンダー錠と作動用シリンダー錠との間にストップ機構を介在させた構造であることから、構造が複雑で、故障しやすく、また、大きなスペースを占め、大型であり、部品点数が多く、組立も手間がかかり、製造単価が高価でもあり、好ましいものとはいえない。
【0009】
【特許文献1】
実開平3−113074号公報(第1頁、第1〜第6図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、施錠専用の錠のキー操作だけで、掛け金による施錠ができ、解錠専用の錠のキー操作だけで、掛け金の解錠ができるといった操作が簡単であり、また、解錠専用の錠のキーがいたずらや不正目的で持ち去られる恐れがなく、しかも、部品点数が少なく、構造が簡単で故障等が生じにくく、堅牢であり、コンパクトであって、組立も容易で、製造コストの低い扉用施錠装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、(i)基枠の正面板部に、施錠用の第1シリンダー錠と、解錠用の第2シリンダー錠が、それぞれの錠軸の軸線を平行にして取着された扉用施錠装置であって、前記第1シリンダー錠は、錠軸が施錠キーにより所定角度回動可能とされた錠であり、前記錠軸には、錠軸の回動と一体に回動する当接用アームが取り付けられるとともに、該当接用アームとの当接突起部を備えた掛け金が回動可能に支持されており、前記第2シリンダー錠は、錠軸が解錠キーにより所定角度回動可能とされた錠であり、前記錠軸には、錠軸の回動と一体に回動するカムが取り付けられており、前記掛け金には、案内端縁と係合端縁からなるカム当接端縁が形成され、前記カムには、前記カム当接端縁に当接する当接部が設けられ、前記掛け金と前記カムに弾性部材が掛止され、前記掛け金は、解錠位置でストッパーにより停止可能とされ、前記掛け金が前記ストッパーと当接した解錠位置において、前記弾性部材の付勢力により前記掛け金の案内端縁と前記カムの当接部が当接して、前記第2シリンダー錠から前記解錠キーが抜き取り不能とされ、前記施錠キーによる前記第1シリンダー錠の施錠操作によって、前記第1シリンダー錠の錠軸の回動に伴い、前記当接用アームが前記掛け金の当接突起部に当接し、前記弾性部材の付勢力に抗しつつ、前記掛け金の案内端縁に前記カムの当接部が当接した状態で前記掛け金が前記第1シリンダー錠の錠軸の軸心を中心に回動し施錠位置に至り、前記弾性部材の付勢力により、前記カムが第2シリンダー錠の錠軸の軸線を中心に反転回動して切り替わり、前記掛け金の係合端縁と前記カムの当接部とが当接して、前記第2シリンダー錠から前記解錠キーが抜き取り可能とされ、前記解錠キーによる前記第2シリンダー錠の解錠操作によって、前記弾性部材の付勢力に抗しつつ、前記第2シリンダー錠の錠軸とともに前記カムが解錠方向に回動され、前記カムの当接部と前記掛け金の係合端縁との当接が解除され、前記弾性部材の付勢力により、前記掛け金が前記第1シリンダー錠の錠軸の軸心を中心に回動してストッパーと当接した解錠位置まで戻るようにされていることを特徴とする。
【0012】
これによれば、施錠キーにより第1シリンダー錠の施錠操作を行うだけで、掛け金を解錠位置から施錠位置にまで回動させて施錠ができ、解錠キーにより第2シリンダー錠の解錠操作を行うだけで、掛け金を施錠位置から解錠位置にまで戻し解錠することができることになる。
より具体的に説明すると、前記掛け金がストッパーに当接した解錠位置にあり、第2シリンダー錠から解錠キーが抜き取り不能とされた状態(カムは、掛け金の解錠位置に対応した位置にある。)において、施錠キーによる第1シリンダー錠の施錠操作を行うことで、第1シリンダー錠の錠軸の回動に伴い、当接用アームが掛け金の当接突起部に当接し、弾性部材の付勢力に抗しつつ、掛け金が錠軸の軸心を中心に施錠位置まで回動することになる。掛け金の第1シリンダー錠の錠軸の軸心を中心とする解錠位置から施錠位置に至るまでの回動は、弾性部材の付勢力により掛け金のカム当接端縁のうちの案内端縁とカムの当接部が当接した状態で行われる。そして、掛け金が施錠位置に至ると、弾性部材の付勢力により、瞬間的に、カムは第2シリンダー錠の錠軸の軸線を中心に反転回動し、所定角度位置で停止する。この位置で、掛け金の係合端縁とカムの当接部とが当接することで、掛け金が施錠位置から解錠方向へ回動できなくなり、掛け金が施錠位置にロックされるとともに、第2シリンダー錠から解錠キーが抜き取り可能な状態となる。
【0013】
掛け金の施錠状態において、解錠キーによる第2シリンダー錠の解錠操作を行うことで、弾性部材の付勢力に抗しつつ、第2シリンダー錠の錠軸とともにカムが解錠方向に回動され、カムの当接部と掛け金の係合端縁との当接が解除されると、弾性部材の付勢力により、掛け金は、瞬時に第1シリンダー錠の錠軸の軸心を中心に回動してストッパーと当接した解錠位置に戻ることになる。
なお、カムの当接部と掛け金の係合端縁との当接が解除された後、掛け金が解錠位置に戻るのが瞬時に行われることから、その際の、掛け金の案内端縁とカムの当接部は当接していてもよいし、当接していなくてもよい。掛け金がストッパーと当接した解錠位置に戻ると、カムの当接部が掛け金の案内端縁に当接し、第2シリンダー錠は解錠キーによる操作ができなくなるとともに、第2シリンダー錠から解錠キーが抜き取り不能とされた状態となる。
【0014】
従って、例えば、ゲームセンター等に設置されたロッカーの扉用施錠装置として使用した場合、管理者等が空のロッカー内に賞品等を収納し、扉を閉じた後、施錠キーによる第1シリンダー錠の施錠操作を行うだけで、前記したことから明らかなように掛け金が錠軸の軸心を中心に施錠位置まで回動し、扉を施錠することができる。そして、施錠キーと解錠キーとを抜き取り、解錠キーをゲームに供する。プレーヤーは、ゲームによって、特定のロッカーに用いられている解錠キーを獲得し、そのキーを用いて第2シリンダー錠の解錠操作を行うと、前記したことから明らかなように掛け金がストッパーと当接した解錠位置に至り、第2シリンダー錠から解錠キーが抜き取り不能とされた初期状態に戻ることになる。
【0015】
このように、この扉用施錠装置によれば、掛け金による扉の施錠は、施錠キーによる第1シリンダー錠の施錠操作だけで確実に行われ、複数のキー操作等を必要とせず、簡便である。また、解錠キーによる第2シリンダー錠の解錠操作によって、瞬時に掛け金が解錠位置に戻ってしまい、掛け金を途中の状態に一時的にでも維持することができないことから、掛け金による扉の施錠が外れるだけのところまで解錠キーを操作して、扉を開き、次いで、解錠キーを操作前の状態に戻して掛け金を施錠位置の状態にするようなことはできず、単に、ロッカー中に収納された賞品等を獲得できるだけであって、いたずらまたは不正目的で解錠キーを第2シリンダー錠から抜き取り、持ち去ることはできない。
そして、この扉用施錠装置は、部品点数が少なく、構造が簡単で故障等が生じにくく、堅牢であり、コンパクトであって、組立も容易で、製造コストの低いものである。
【0016】
(ii)前記掛け金のカム当接端縁は、案内端縁が円弧状、係合端縁が直線状となっていることが、施錠、解錠操作が円滑であること等の点から好ましい。
【0017】
(iii)前記当接用アームとの当接突起部は、前記掛け金に立設された第1軸部材からなり、前記カム当接用端縁との当接部は、前記カムに立設された第2軸部材と、該第2軸部材に遊嵌された筒状体からなり、前記弾性部材が前記第1軸部材の延出部と前記第2軸部材の延出部とに掛止されてなることが好ましい。これによれば、掛け金とカムとの当接が円滑に行われることになる。
【0018】
(iv)そして、前記(iii)のより具体的構造としては、前記第1軸部材が雄ネジを有し、該雄ネジが前記掛け金に形成された雌ネジに螺合されるとともに、前記掛け金から所定長さ延出しており、前記第2軸部材が雄ネジを有し、該雄ネジが前記カムに形成された雌ネジに螺合されるとともに、前記カムから所定長さ延出しており、前記第2軸部材の雄ネジの延出部の一部に前記筒状体が遊嵌され、前記第1軸部材の雄ネジの延出部と、前記第2軸部材の雄ネジの延出部のうち前記筒状体が遊嵌された部分を除く延出部に前記弾性部材が掛止されてなることが好ましい。ここに使用される雄ネジ等は、市販品が使用でき、安価であり、また、組立、交換等に際しての取り扱いが容易である。
【0019】
(v)前記弾性部材としては、ゴム弾性体、バネが採用できるが、特にコイルスプリングが好ましい。コイルスプリングは、市販品が使用でき、安価であり、スペース占用率が小さいことから他の部材の邪魔になりにくく、また、組立、交換等に際しての取り扱いが容易である。
【0020】
(vi)前記掛け金は、板状のものが採用できる。
【0021】
(Vii)前記ストッパーを、前記基枠の正面板部から後方に起立した側壁とすることができる。これによれば、基枠を頑丈にできるとともに、別途ストッパーとしての別部材を必要としない。
【0022】
(Viii)前記掛け金が、前記基枠の正面板部から後方に起立した側壁に形成されたスリットから側方に出没可能とすることが好ましい。これによれば、基枠を頑丈にできるとともに、掛け金を施錠位置にして扉を施錠したとき、無理に扉を開けようとしても、スリットによって掛け金が支えられることになり、無理な力が第1シリンダー錠の錠軸等にかかることを防止できる。
【0023】
(ix)前記基枠の裏面側が、裏蓋によって、密閉されていることが好ましい。これによれば、不正操作具等による解錠を防止することができる。
【0024】
(x)前記掛け金に扉施錠用の切欠係合爪部が形成されててもよい。
【0025】
(xi)少なくとも、掛け金を裏返して第1シリンダー錠に装着可能とされ、掛け金による施錠方向が選択可能となっているものであってもよい。これによれば、右開きの扉、左開きの扉に対応させる扉用施錠装置とするために、少なくとの掛け金を共用できることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づきこの発明の態様を更に詳細に説明する。もちろんこの発明は以下の態様によって限定されるものではない。
図1は、この発明の扉錠施錠装置の一態様の背面からの一部分解斜視図、図2は、裏蓋を除いた分解斜視図である。
これらの図においては、扉用施錠装置1の掛け金2が解錠位置にある状態として示されている。
【0027】
扉用施錠装置1の基枠3は、金属板を平面視コ字状に折り曲げて形成されたものであって、正面板部4と、該正面板部4の左右に設けられた後方に向かう側壁5、6からなる。正面板部4の上方位置に施錠用の第1シリンダー錠7が、下方位置に解錠用の第2シリンダー錠8が、それぞれの錠軸9、10の軸線を平行にして取着されている。第1シリンダー錠7の正面板部4への取着は、正面板部4の上方位置に穿設された錠挿通用の孔4aに、正面板部4の表面側から第1シリンダー錠7を錠軸9を先にして挿通し、正面板部4の背面側に出た外筒の外周に形成されたネジ山に取付ナット11を螺合させることで行われている。同様にして、第2シリンダー錠8の正面板部4への取着は、正面板部4の下方位置に穿設された錠挿通用の孔4bに、正面板部4の表面側から第2シリンダー錠8を錠軸10を先にして挿通し、正面板部4の背面側に出た外筒の外周に形成されたネジ山に取付ナット12を螺合させることで行われている。
【0028】
第1シリンダー錠7の錠軸9には、所定の角度位置に2つの爪を有する回動規制板13が嵌め込まれており、錠軸9と一体に回動する。第1シリンダー錠7の外筒には、前記回動規制板13の爪が当接し、錠軸9の回動を所定角度に規制する係止片7aが突設している。従って、錠軸9は、回動規制板13の一方の爪が外筒の係止片7aの一辺に当接した位置と他方の爪が係止片7aの他片に当接する角度との間で規制され、正方向(図1、図2における「時計方向」)、または、逆方向(図1、図2における「反時計方向」)に所定角度(図においては略60度)回動する。
【0029】
また、錠軸9には、当接用アーム14の基端部が嵌め込まれ、錠軸9と一体に回動するようになっており、板状の掛け金2が、その基端部に穿設された軸受嵌合用の孔2aに嵌め合わされた軸受16を介して、回動可能に支持されている。そして、締め付けナット17を錠軸9に形成されたネジ山に螺合させ、後方より軸受16、当接用アーム14、回動規制板13の順で錠軸9に固定されている。第2シリンダー錠8の錠軸10には、所定の角度位置に2つの爪を有する回動規制板18が嵌め込まれており、錠軸10と一体に回動する。第2シリンダー錠8の外筒には、前記回動規制板18の爪が当接し、錠軸10の回動を所定角度に規制する係止片8aが突設している。従って、錠軸10は、回動規制板18の一方の爪が外筒の係止片8aの一辺に当接した位置と他方の爪が係止片8aの他片に当接する角度との間で規制され、正方向(図1、図2における「時計方向」)、または、逆方向(図1、図2における「反時計方向」)に所定角度(図においては略60度)回動する。第2シリンダー錠8は、前記掛け金2の解錠位置においては、解錠キー19が抜き取り不能となっている。そのためには、第2シリンダー錠8の外筒の係止片8aの突設位置、回動規制板18の爪の開き度、回動規制板18の錠軸10への嵌め込み角度等を適宜設定すればよい。
【0030】
また、錠軸10には、カム20の基端部が嵌め込まれ、錠軸10と一体に回動するようになっており、座金21を介し、締め付けナット22を錠軸10に形成されたネジ山に螺合させ、後方よりカム20、回動規制板18の順で錠軸10に固定されている。
掛け金2の軸受嵌合用の孔2aの近傍には雌ネジ2bが形成されており、該雌ネジ2bに、軸部24aを備えた雄ネジ24が掛け金2の前面側からドライバー等の工具によって螺合されている。前記雄ネジ24の先端部の所定長さが掛け金2の背面側から延出しており、延出した雄ネジ24は、コイルスプリング25の掛止部として用いられる。掛け金2の下端縁は、円弧状の案内端縁2c、下端縁に続く左側縁は、直線状の係合端縁2dとなっており、案内端縁2cと係合端縁2dとでカム当接端縁を構成している。
【0031】
カム20の先端部には雌ネジ20aが形成されており、該雌ネジ20aに雄ネジ26がカム20の前面側からドライバー等の工具によって螺合され、雄ネジ26の先端部が所定長さカム20の背面側から延出している。該雄ネジ26の延出部の一部には筒状体27が遊嵌され、該筒状体27が、雄ネジ26に対し回転自在となっている。雄ネジ26の延出部のうち筒状体27が遊嵌された部分を除く雄ネジは、コイルスプリング25の掛止部として用いられる。
コイルスプリング25の一端が、前記掛け金2の背面側から延出した雄ネジ24に掛止され、他端が前記カム20の背面側から延出した雄ネジ26に掛止され、コイルスプリング25の付勢力によって、前記掛け金2の案内端縁2cとカム20に取り付けられた筒状体27とが当接しており、掛け金2の係合端縁2dは、前記基枠3の左側壁5の内面に当接した解錠位置にあり、掛け金2の右側縁は、右側壁6に形成されたスリット6aからわずか側方に露出している状態となっている。基枠3の左側壁5は、掛け金2を解錠位置で停止させるストッパーとして機能する。
【0032】
図1に示されるように、基枠3には、裏蓋29を被せて、左右の側壁5、6とともに密閉することで、内部が保護できるようになっている。このような裏蓋29によって密閉構造とすることで、例えば、先端にフックが形成されたピアノ線のような不正操作具による不正操作を防止することができる。裏蓋は、金属板を折り曲げて形成されたもので、基枠3の右側壁6のスリット6aと係止する係止部30aを備えた右側板部30、背面板部31、基枠3の左側壁5との重ね合わせ用の左側板部32、上面板部33、および、下面板部34とからなる。そして、左側板部32には、透孔32aが穿設されており、該透孔32aと基枠3の左側壁5に形成されたネジ孔5aと合致させ、裏蓋29が基枠3に止めネジで固定される。基枠3の右側壁6のスリット6aの幅は、裏蓋29の係止部30aがスリット6aに係止した状態において、掛け金2が通過できるだけの幅となるように設定されており、掛け金2を施錠位置にして回動式の扉を施錠したとき、無理に扉を開けようとしても、掛け金2が支えられることになり、無理な力が第1シリンダー錠7の錠軸9等にかかることを防止できる。
基枠3の正面板部4の上下端縁近傍には、扉用施錠装置を扉等に取り付けるための透孔4c、4cが穿設されている。
【0033】
この扉用施錠装置1によれば、施錠キー35によって第1シリンダー錠7の施錠操作を行うだけで、掛け金2を解錠位置から施錠位置にまで回動させて施錠ができ、解錠キー19によって第2シリンダー錠8の解錠操作を行うだけで、掛け金2を施錠位置から解錠位置にまで戻し解錠することができる。
【0034】
以下、更に詳細に説明する。
先ず、掛け金2が解錠位置にある状態からの施錠操作について説明する。図3は、施錠操作についての説明図である。図3(a)は、図1、図2に示されていると同様、掛け金2が解錠位置にある状態を示しており、掛け金2の係合端縁2dは、基枠3の左側壁5の内面に当接した解錠位置にあり、掛け金2の右側縁は、右側壁6に形成されたスリット6aからわずか側方に露出した状態となっている。カム20は、コイルスプリング25の付勢力により、該カム20に取り付けられた筒状体27が掛け金2の案内端縁2cに当接した図の位置にある。第2シリンダー錠8には解錠キー19が差し込まれており(図1、図2参照)、この状態において、第2シリンダー錠8に差し込まれた解錠キー19を操作しようとしても、操作ができない。すなわち、図3(a)において、解錠キー19によって、カム20を反時計方向に回動させ、解錠キー19を第2シリンダー錠8から抜き取り可能な角度位置にしようとしても、掛け金2の係合端縁2dがストッパーとして機能する基枠3の左側壁5の内面に当接した解錠位置にあり、掛け金2は時計方向へ回動せず、従って、カム20を反時計方向に回動させる操作ができず、第2シリンダー錠8に差し込まれた解錠キー19は、抜き取り不能となっている。
【0035】
図3(a)に示す解錠状態において、施錠キー35を第1シリンダー錠7に差し込み、施錠キー35を図3(a)において反時計方向に回動させると、第1シリンダー錠7の錠軸9とともに当接用アーム14も同方向に回動し、当接用アーム14の側縁が、掛け金2に取り付けられた雄ネジ24の軸部24aに当接するに至る。
そして、当接用アーム14の側縁が軸部24aを押圧することになり、更なる当接用アーム14の回動に伴って、コイルスプリング25の付勢力に抗しつつ、掛け金2が、第1シリンダー錠7の錠軸9の軸心を中心に反時計方向(図3(b)の矢印A方向参照)に回動し、右側壁6から掛け金2が側方に張り出すことになる。
掛け金2が施錠位置にまで回動すると、コイルスプリング25の付勢力により、瞬間的に、カム20が、第2シリンダー錠8の錠軸10の軸線を中心に反時計方向(図3(c)の矢印B方向参照)に回動してカム20の位置が切り替わり、図3(c)で示すカム角度位置(より具体的には、図2に示す第2シリンダー錠8の錠軸10に設けられた回動規制板18の左方側の爪が外筒の係止片8aに当接して停止された角度位置)において停止するとともに、この位置で掛け金2の係合端縁2dに、カム20に取り付けられた筒状体27が当接することで施錠状態となる。これによって、掛け金2は施錠位置にロックされる。この状態においては、後述するように、解錠キー19による解錠操作(図4(b)の矢印C方向にカム20を回動する操作)によらなければ、掛け金2の施錠位置から解錠方向への回動はできない。カム20の位置が図3(a)から切り替わった図3(c)で示すカム角度位置となることで、解錠キー19が第2シリンダー錠8から抜き取り可能となる(図6の第2シリンダー錠8の錠面8aに示されたキー差込口の角度参照)
【0036】
施錠キー35による施錠操作において、掛け金2の第1シリンダー錠7の錠軸9の軸心を中心とする解錠位置から施錠位置に至るまでの回動は、コイルスプリング25の付勢力により掛け金2の案内端縁2cとカム20の筒状体27が当接した状態で行われる。
掛け金2の施錠位置においては、掛け金2とカム20とは、上記のような位置関係となっていることから、掛け金2の錠軸9の軸心を中心とした回動はできないものの、第1シリンダー錠7の錠軸9は、回動規制板13の爪の開き度に応じ回動可能となっており、前述したように掛け金2は錠軸9に軸受16を介して回動可能であることから、掛け金2が施錠位置にロックされた状態で、施錠キー35は、施錠方向と逆方向に回動させて施錠操作開始時の位置にまで戻すことができ、第1シリンダー錠7から抜き取ることができる。施錠キー35を施錠操作開始時の位置まで戻すと、錠軸9とともに回動規制板13、当接用アーム14も施錠操作開始時の位置まで戻る。
【0037】
次に、掛け金2が施錠位置にある状態からの解錠操作について説明する。図4は、解錠操作についての説明図である。図4(a)は、掛け金2が施錠位置にあり、施錠キー35は、第1シリンダー錠7から抜き取られており、一方、第2シリンダー錠8には、解錠キー19が差し込まれた状態(解錠キーは図示していない。)を示している。
【0038】
この状態において、解錠キー19を、コイルスプリング25の付勢力に抗しつつ、解錠方向に回動させると、第2シリンダー錠8の錠軸10とともにカム20が時計方向(図4(b)の矢印C方向参照)に回動する。この時、カム20の筒状体27と掛け金2の係合端縁2dとの当接が解除されるまでは、コイルスプリング25の付勢力により、掛け金2の係合端縁2dとカム20の筒状体27が当接した状態で、掛け金2が、カム20の筒状体27に押されつつ、一旦、第1シリンダー錠7の錠軸9を中心として反時計方向(図4(b)の矢印D方向参照)に回動する。そして、カム20の筒状体と掛け金2の係合端縁2dとの当接が解除されると、コイルスプリング25の付勢力により、掛け金2は、瞬時にして第1シリンダー錠7の錠軸を中心に時計方向に回動して、基枠3の左側壁の内面に当接した解錠位置にまで戻る(図4(c)参照)。これによって、解錠キー19は、第2シリンダー錠8から抜き取り不能状態となり、図3(a)で示す初期状態に戻ったことになる。
【0039】
次に、この扉用施錠装置1が、ゲームセンター等に設置されたロッカーの扉に装着された場合を例にして、更に、説明する。
図5、図6は、ロッカーの一部を示し、図5は、この扉用施錠装置1がロッカー用扉に装着された平面図、図6は、正面図である。
【0040】
図5、図6におけるロッカーの扉40は、回動式の左開きの扉(いわゆる、左掛け扉)として示されており、扉用施錠装置1は、透孔4c、4cを利用して扉40の左端にネジ止めされ(図示せず)、ネジを覆うようにして、扉40の前面には、表板41が取り付けられている。第1シリンダー錠7の錠面7bと、第2シリンダー錠8の錠面8bは表板41から露出している。表板41は扉の左端から稍張り出しており、縦枠42の前面に当接した状態となっている。
図5、図6においては、ロッカー内に賞品等(図示せず)が収納されて、扉用施錠装置1の掛け金2が縦枠42に設けられた係止部42aに係止した施錠状態にある。扉用施錠装置1が施錠状態にあることから、施錠キー35、解錠キー19は抜き取られている。
【0041】
図5、図6に示す施錠状態にするには、以下のようにして行えばよい。すなわち、管理者等は、解錠キーが付いた空のロッカーの扉を開き、ロッカー内に賞品等を収納し、解錠キー19が付いた状態において、扉を閉じた後、施錠キー35を用いて第1シリンダー錠7の施錠操作を行う。施錠キー35による施錠操作を行うことで、前記したことから明らかなように掛け金2が錠軸9の軸心を中心に施錠位置まで回動し、ロッカーを施錠状態とすることができる。その後、施錠キー35と解錠キー19とを抜き取る。
そして、図5、図6に示す施錠状態において、管理者等は施錠キー35を手元に保管し、解錠キー19をゲームに供する。プレーヤーは、ゲームによって、特定のロッカーに用いられている解錠キー19を獲得したら、その解錠キー19によって第2シリンダー錠8の解錠操作を行うと、前記したことから明らかなように掛け金2が解錠位置となり、ロッカーの扉を開けて賞品等を得ることができる。扉用施錠装置1は、第2シリンダー錠8から解錠キー19が抜き取り不能とされた初期状態(図3(a)参照)に戻ることになる。
【0042】
このように、この扉用施錠装置によれば、掛け金による扉の施錠は、施錠キーによる第1シリンダー錠の施錠操作だけで確実に行われ、複数のキー操作等を必要とせず、簡便である。また、解錠キーによる第2シリンダー錠の解錠操作によって、瞬時に掛け金が解錠位置に戻ってしまい、掛け金を途中の状態に一時的にでも維持することができないことから、掛け金による扉の施錠が外れるだけのところまで解錠キーを操作して、扉を開き、次いで、解錠キーを操作前の状態に戻して掛け金を施錠位置にするようなことはできず、単に、ロッカー中に収納された賞品等を獲得できだけであって、いたずらまたは不正目的で解錠キーを第2シリンダー錠から抜き取り、持ち去ることはできない。
そして、この扉用施錠装置は、その構成部品である雄ネジ、当接用アーム、カム等は、市販品を利用することができ、部品点数も少なく、構造が簡単で故障等が生じにくく、堅牢であり、コンパクトであって、組立も容易で、製造コストの低いものである。
【0043】
図5、図6においては、扉用施錠装置1をロッカーの左掛け扉40に装着したものとして示したが、扉用施錠装置をロッカーの縦枠に装着するようにしてもよい。扉用施錠装置1をロッカーの縦枠に装着する場合は、扉は右開きとなる。また、扉用施錠装置1を上下逆にすれば、右掛け扉に装着することができる。扉用施錠装置を上開き扉、下開き扉に装着してもよいことはいうまでもない。
【0044】
また、例えば、図1、図2に示す扉用施錠装置1において、基枠3として、左側壁5にも掛け金用のスリットが形成され、右側壁6にも止めネジ用の雌ネジが形成されたものを用いると、構成部品を共用等(例えば、掛け金2を裏返し、施錠用軸部を備えた雄ネジを締め直す等)することで、掛け金による施錠方向を左掛け用、右掛け用に選択可能な構造とすることができる。図7の扉用施錠装置51は、左掛けから右掛け用に変更されたものであって、掛け金2が、左側壁52のスリット(図示せず)から張り出して施錠位置になっている状態を示している。このように構成部材を共用できるような構造とすれば、第1シリンダー錠が上方で第2シリンダー錠が下方の位置のままで、右開きの扉、左開きの扉に対応させることができる。なお、この場合には、例えば、裏蓋にストッパーとしての機能を持たせるようにすればよい。
【0045】
また、図8に示す施錠装置61のように、掛け金62に扉施錠用の切欠係合爪部62aを形成した扉用施錠装置としてもよい。これによれば、回動式の扉だけでなく、スライド式の扉を施錠するようにすることもできる。
【0046】
この発明の扉用施錠装置としては、前記した実施形態に限られるものではなく種々の変更が可能である。例えば、図1における扉用施錠装置では、掛け金の係合端縁を直線状としたが、これに限られず、掛け金がカムによって当接係合できればよく、外側に凸状の係合端縁、内側に凹状の係合端縁等であってもよい。また、掛け金の雌ネジに施錠用軸部を備えた雄ネジを螺合させているが、掛け金に透孔を設け、これにピン等を植設するようにした構造、または、プレス加工等によって、掛け金に突起を形成し、該突起と当接用アームが当接するようにした構造等が採用できる。また、掛け金を錠軸の軸心を中心に円滑に回動させるのに、軸受を使用しているが、軸受を必ず必要とするものではなく、回動用の孔を設けた掛け金を、直接錠軸に嵌め込むようにしてもよい。また、掛け金としても板状のものでなくても、例えば、その一部が補強のため肉厚ブロック状とされたもの等であってもよい。また、基枠の左側壁が掛け金の解錠位置でのストッパーの機能も果たしているが、これに限られず、例えば、基枠の正面板部に後方にストッパーを延設させるようにしてもよい。また、掛け金の係合端縁が、掛け金の解錠位置ではストッパーと当接する機能を果たし、掛け金の施錠位置ではカムと当接する機能を果たすといった2つの機能を持つようにしているが、これに限られず、別途、掛け金にその解錠位置でストッパーと当接する突出部を形成し、掛け金の係合端縁は、施錠位置でのみカムと当接するだけとしてもよい。また、基枠も平面視コ字状でなくてもよく、正面板部だけに相当する平板であってもよい。また、掛け金とカムにコイルスプリングを掛止して、付勢力を付与するようにしているが、これに限られず、例えば、コイルスプリングに代えゴム弾性体等であってもよい。
【0047】
以上においては、この発明の扉用施錠装置をゲームセンター等に設置されたロッカーの扉用施錠装置として使用された場合について説明したが、この発明の扉用施錠装置は、ゲームセンター等に設置されたロッカーだけでなく、例えば、受取人が不在の場合に対処するための、宅配用のロッカーの扉用施錠装置としても適したものである。
【0048】
この発明の扉用施錠装置を、受取人が不在の場合に対処するための宅配用のロッカーに使用した場合は、施錠キーを宅配業者またはロッカーの管理者用とし、解錠キーを受取人用とすればよい。
その使用方法の一例を示すと、以下の通りである。すなわち、受取人が不在の場合、宅配業者は、宅配する品物をロッカー内に収納し、所持しているかまたは管理者から受け取った施錠キーを用いて第1シリンダー錠の施錠操作を行うだけで、扉が施錠できる。施錠キーと解錠キーを抜き取り、解錠キーは受取人の施錠された玄関の郵便受等に投入し、施錠キーは宅配業者が保管するか、管理者に返却する。受取人は、自己のロッカーの解錠キーが抜き取られていること確認し、郵便受等から解錠キーを取り出し、解錠キーを用いて自己のロッカーの第2シリンダー錠の解錠操作を行うだけで、扉を解錠でき品物を受け取ることができる。解錠キーは第2シリンダー錠から抜き取ることができず、そのまま残ることになる。
【0049】
【発明の効果】
この発明の扉用施錠装置は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、掛け金による扉の施錠は、施錠キーによる第1シリンダー錠の施錠操作だけで確実に行われ、複数のキー操作等を必要とせず、簡便である。また、解錠キーによる第2シリンダー錠の解錠操作によって、瞬時に掛け金が解錠位置に戻ってしまい、掛け金を途中の状態に一時的にでも維持することができないことから、掛け金による扉の施錠が外れるだけのところまで解錠キーを操作して扉を開き、次いで、解錠キーを操作前の状態に戻して掛け金を施錠位置にするようなことはできず、単に、ロッカー中に収納された賞品等を獲得できるだけであって、いたずらまたは不正目的で解錠キーを第2シリンダー錠から抜き取り、持ち去ることはできない。
そして、この扉用施錠装置は、部品点数が少なく、構造が簡単で故障等が生じにくく、堅牢であり、コンパクトであって、組立も容易で、製造コストの低いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の扉用施錠装置の一形態を示す一部分解斜視図である。
【図2】図1に示す扉用施錠装置の裏蓋を除いた分解斜視図である。
【図3】図1に示す扉用施錠装置の施錠操作の説明図である。
【図4】図1に示す扉用施錠装置の解錠操作の説明図である。
【図5】図1に示す扉用施錠装置をロッカーに装着した状態を示す平面図である。
【図6】図5に示すロッカーの正面図である。
【図7】図1に示す扉用施錠装置の変形例を示す説明図である。
【図8】図1に示す扉用施錠装置のさらに他の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 施錠装置
2 掛け金
7 第1シリンダー錠
8 第2シリンダー錠
14 当接用アーム
19 解錠キー
20 カム
25 コイルスプリング
35 施錠キー

Claims (11)

  1. 基枠の正面板部に、施錠用の第1シリンダー錠と、解錠用の第2シリンダー錠が、それぞれの錠軸の軸線を平行にして取着された扉用施錠装置であって、
    前記第1シリンダー錠は、錠軸が施錠キーにより所定角度回動可能とされた錠であり、前記錠軸には、錠軸の回動と一体に回動する当接用アームが取り付けられるとともに、該当接用アームとの当接突起部を備えた掛け金が回動可能に支持されており、
    前記第2シリンダー錠は、錠軸が解錠キーにより所定角度回動可能とされた錠であり、前記錠軸には、錠軸の回動と一体に回動するカムが取り付けられており、
    前記掛け金には、案内端縁と係合端縁からなるカム当接端縁が形成され、前記カムには、前記カム当接端縁に当接する当接部が設けられ、前記掛け金と前記カムに弾性部材が掛止され、前記掛け金は、解錠位置でストッパーにより停止可能とされ
    前記掛け金が前記ストッパーと当接した解錠位置において、前記弾性部材の付勢力により前記掛け金の案内端縁と前記カムの当接部が当接して、前記第2シリンダー錠から前記解錠キーが抜き取り不能とされ、前記施錠キーによる前記第1シリンダー錠の施錠操作によって、前記第1シリンダー錠の錠軸の回動に伴い、前記当接用アームが前記掛け金の当接突起部に当接し、前記弾性部材の付勢力に抗しつつ、前記掛け金の案内端縁に前記カムの当接部が当接した状態で前記掛け金が前記第1シリンダー錠の錠軸の軸心を中心に回動し施錠位置に至り、前記弾性部材の付勢力により、前記カムが第2シリンダー錠の錠軸の軸線を中心に反転回動して切り替わり、前記掛け金の係合端縁と前記カムの当接部とが当接して、前記第2シリンダー錠から前記解錠キーが抜き取り可能とされ、前記解錠キーによる前記第2シリンダー錠の解錠操作によって、前記弾性部材の付勢力に抗しつつ、前記第2シリンダー錠の錠軸とともに前記カムが解錠方向に回動され、前記カムの当接部と前記掛け金の係合端縁との当接が解除され、前記弾性部材の付勢力により、前記掛け金が前記第1シリンダー錠の錠軸の軸心を中心に回動してストッパーと当接した解錠位置まで戻るようにされていることを特徴とする扉用施錠装置。
  2. 前記掛け金のカム当接端縁は、案内端縁が円弧状、係合端縁が直線状となっていることを特徴とする請求項1記載の扉用施錠装置。
  3. 前記掛け金の当接突起部は、該掛け金に立設された第1軸部材からなり、
    前記カムの当接部は、該カムに立設された第2軸部材と、該第2軸部材に遊嵌された筒状体からなり、
    前記弾性部材が前記第1軸部材の延出部と前記第2軸部材の延出部とに掛止されてなることを特徴とする請求項1または2記載の扉用施錠装置。
  4. 前記第1軸部材が雄ネジを有し、該雄ネジが前記掛け金に形成された雌ネジに螺合されるとともに、前記掛け金から所定長さ延出しており、
    前記第2軸部材が雄ネジを有し、該雄ネジが前記カムに形成された雌ネジに螺合されるとともに、前記カムから所定長さ延出しており、
    前記第2軸部材の雄ネジの延出部の一部に前記筒状体が遊嵌され、
    前記第1軸部材の雄ネジの延出部と、前記第2軸部材の雄ネジの延出部のうち前記筒状体が遊嵌された部分を除く延出部に前記弾性部材が掛止されてなることを特徴とする請求項3記載の扉用施錠装置。
  5. 前記弾性部材が、コイルスプリングであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の扉用施錠装置。
  6. 前記掛け金は、板状であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の扉用施錠装置。
  7. 前記ストッパーが、前記基枠の正面板部から後方に起立した側壁であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の扉用施錠装置。
  8. 前記掛け金が、前記基枠の正面板部から後方に起立した側壁に形成されたスリットから側方に出没可能とされていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の扉用施錠装置。
  9. 前記基枠の裏面側が、裏蓋によって、密閉されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の扉用施錠装置。
  10. 前記掛け金に扉施錠用の切欠係合爪部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の扉用施錠装置。
  11. 少なくとも、掛け金を裏返して第1シリンダー錠に装着可能とされ、掛け金による施錠方向が選択可能となっていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の扉用施錠装置。
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