JP4121124B2 - 法枠用型枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜面安定化に用いる法枠用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
法面を安定化するために法枠工が用いられている。これは、地山斜面に法枠用型枠を平行あるいは格子状に設置し、この型枠内にコンクリート(又はモルタル)を現場で打設するものである。この法枠用型枠は一対の金網からなる側枠とこれを連結するスペーサを所定間隔で取付けたものであり、法枠の強度を考慮してスペーサには鉄筋が結束して配筋される。このスペーサへの鉄筋の結束作業は面倒であり、作業性が悪いものであった。
【0003】
このような配筋作業の面倒さを考慮した型枠用のスペーサが開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。これらのスペーサは、鉄筋をスペーサに設けたフック状の保持部に嵌め込んで保持する構成とし、配筋のための結束作業を簡略化したものである。しかしながら特許文献1,2に記載のスペーサは、鉄筋の嵌め込み入口と鉄筋保持部の距離が短く、鉄筋が嵌め込まれるときの鉄筋保持部の線材を押し開く位置と、それにより線材が変形する位置が近いため、鉄筋を嵌め込むには大きな力が必要である。一般に、スペーサの取付け間隔は0.2m〜0.35mであり、鉄筋の長さは5.5m〜6.0mである。鉄筋は1本単位でスペーサに対して取付けられるので、1本の鉄筋を配筋するのに15箇所から20箇所以上を作業者が一つ一つのスペーサに対して鉄筋を嵌め込まなければならず、作業に時間がかかり、作業効率が悪いものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−291524号公報
【特許文献2】
特開平7−29131号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、スペーサに鉄筋を配筋する際に小さな力で行うことができ、作業者の労力を軽減し、確実に鉄筋を保持することができる法枠用型枠の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、横長の一対の金網からなる側枠と、該側枠同士を連結する複数のスペーサとからなり、前記スペーサは前記側枠に対し少なくとも上下2箇所で回動可能に連結され、前記一対の側枠間の中央部に長手方向に沿って鉄筋を配設する法枠用型枠において、前記スペーサは、前記一対の側枠同士を回動可能に連結する直線線材を備えるとともに、前記鉄筋を両側から挟んで弾性的に圧接するための対向配置した一対の当接線材を備えたことを特徴とする法枠用型枠を提供する。
【0007】
この構成によれば、一対の側枠間の中央に鉄筋を配設し、この鉄筋の両側を、対向する一対の当接線材で弾性的に挟むことにより、鉄筋が比較的小さな弾性力で確実にその両側から挟持される。これにより、鉄筋の装着作業が容易になる。このとき、スペーサは側枠に沿って多数設けられるため、1つ1つのスペーサの弾性力が弱くても、全体としての弾性力は大きくなり、鉄筋が傾斜した状態でも滑ることなく確実に保持される。したがって、スペーサに鉄筋を仮保持した状態で結束作業を行うことができ、弱い弾性力によりスペーサへの装着が容易にできることと相俟って現場での作業性が向上する。
【0008】
この一対の当接線材は、それ自体が弾性力を有する弾性線材とそれ自体は弾性を持たない固定線材の組であってもよいし、あるいは両方とも弾性線材で構成した組であってもよい。
【0009】
本発明ではさらに、横長の一対の金網からなる側枠と、該側枠同士を連結する複数のスペーサとからなり、前記スペーサは少なくとも一方の前記側枠に対し上下2箇所で回動可能に連結され、前記一対の側枠間の中央部に長手方向に沿って鉄筋を配設する法枠用型枠において、前記スペーサは、前記一対の側枠同士を回動可能に連結する直線線材を備えるとともに、前記鉄筋の片側にのみ当接する当接線材を有し、該当接線材が鉄筋の両側に交互に弾性的に圧接するように複数の前記スペーサを側枠に沿って取付けたことを特徴とする法枠用型枠を提供する。
【0010】
この構成によれば、一対の側枠間の中央に鉄筋を配設し、この鉄筋の両側を片側ずつ交互にスペーサの当接線材で弾性的に圧接することにより、鉄筋が個々のスペーサからの比較的小さな弾性力により圧接保持される。これにより、鉄筋の装着作業が容易になる。このとき、スペーサは側枠に沿って多数設けられるため、1つ1つのスペーサの弾性力が弱くても、全体としての弾性力は大きくなり、鉄筋が傾斜した状態でも滑ることなく確実に保持される。したがって、スペーサに鉄筋を仮保持した状態で結束作業を行うことができ、弱い弾性力によりスペーサへの装着が容易にできることと相俟って現場での作業性が向上する。各スペーサの当接線材は、全てがそれ自体で弾性を有する弾性線材であって、これらを交互に片側から鉄筋に圧接させてもよいし、弾性線材のスペーサとそれ自体は弾性を持たない固定線材のスペーサとを交互に配設してもよい。あるいは、すべて固定線材として側枠の弾性力により鉄筋に当接させてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る法枠用型枠を示す斜視図であり、図2はその正面図、図3はその上面図である。なお、図3の網状側枠は簡略化して図示してある。
本発明に係る法枠用型枠1は、両側の金網からなる側枠2とスペーサ3とにより構成される。側枠2は縦線と横線が交差する金網である。
【0012】
スペーサ3は、直線線材4と、上側に湾曲して中央部において対向する一対の当接線材5a、5bとで形成される。両線材5a,5bはそれぞれ頂部から鉛直に垂れ下がった互いに平行な鉛直部6a,6bを有する。当接線材5aの鉛直部6aは直線線材4よりも下方で側枠2の下端よりも上方の位置までの長さに形成され、直線線材4に固定されずフリーである。したがって、このフリーな鉛直部6aは、それ自体が変位して弾性力を発生する。この鉛直部6aが弾性線材を構成する。他方の当接線材5bの鉛直部6bは直線線材4との交点部で溶接固定される。したがって、この固定された鉛直部6bは変位せず、それ自体では弾性力を発生しない。この鉛直部6bが固定線材を構成する。当接線材5aの弾性線材(鉛直部)6aが後述のように、鉄筋7の片側を弾性的に圧接し、対向する当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bが圧接された鉄筋7を反対側で受ける。これにより、鉄筋7がスペーサ3の中央部で一対の弾性線材(鉛直部)6aと固定線材(鉛直部)6bとの間に弾性的に挟まれて保持される。
【0013】
直線線材4と湾曲した両線材5a,5bはともに左右の側枠2に回動可能に連結される。各連結部は、図1に示すように線材端部を折り返してフック状又はリング状に形成し、金網の縦線または横線に巻き付けて回動可能に係止したものである。これにより、型枠1は左右の側枠2を重ね合せて折畳むことができ、輸送や取扱いが容易になる。なお、横線に係止する場合には、横方向に回動可能とするために大きなリング状として緩く巻きつける必要がある。当接線材5a、5bは直線線材4に対して前後位置が逆側に取付けられる。
【0014】
鉄筋7は弾性線材(鉛直部)6a,固定線材(鉛直部)6b間に沿ってスライドさせて直線線材4上に載置される。このとき、弾性線材(鉛直部)6a,固定線材(鉛直部)6bの間隔を鉄筋7の径よりも狭くしておくことにより、鉄筋7は弾性線材(鉛直部)6aを押し広げながらスライドする。このように所定の長さを有する弾性線材(鉛直部)6a,固定線材(鉛直部)6b間に鉄筋7を沿わせて差込むことにより、小さな力で弾性線材(鉛直部)6aを弾性変形させることができる。したがって、側枠2に20〜35cm間隔で取付けられる複数のスペーサ3に対して効率よく鉄筋7を配筋することができる。さらに、鉄筋7に圧接されて弾性変形する弾性線材(鉛直部)6aの弾性変形の基点位置は、直線線材4と固定された交差部8aと鉛直部6a上端の折れ曲った部分の2箇所であるが、鉄筋7のスライドに沿って弾性変形の基点位置が変わるがその距離が比較的長いため、小さな力で弾性線材(鉛直部)6aを弾性変形させることができる。
【0015】
直線線材4上に載置された鉄筋7は、弾性線材(鉛直部)6aの弾性により対向する固定線材(鉛直部)6bに対し圧接されて、両線材間に挟まれて弾性的に圧接保持される。したがって鉄筋7の型枠1への結束作業を省略することができるので、作業性が向上する。なお、必要に応じて鉄筋7は型枠1の直線線材4及び両線材(鉛直部)6a,6bに結束してもよい。
【0016】
各スペーサにおける鉄筋7に対する弾性力は小さく、鉄筋を容易に挿入できるが、多数のスペーサが所定間隔で配設されるため、全体として大きな弾性圧接保持力が得られる。したがって、型枠1を縦枠として用いた場合、鉄筋7が傾斜に沿って滑り落ちることはない。このため、鉄筋7を弾性力のみで仮保持した状態で結束作業を行うことができ、作業性が向上する。
【0017】
当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bの下端は斜面に当接あるいは差込まれてスペーサ3を支持する。これにより、鉄筋7が直線線材4上に載置された際に直線線材4がその重みで撓んで変形することを防止できるとともに、これに伴い側枠2が型枠1の内側に倒れることを防止できる。
【0018】
図4は、本発明の別の実施形態の正面図である。
この実施形態は、当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bを長く延ばすことなく相手側のフリーな弾性線材(鉛直部)6aと同じ長さとしたものである。その他の構成及び作用効果は前述の実施形態(図1〜図3)と同じである。
【0019】
図5は、本発明のさらに別の実施形態の正面図である。
この実施形態は、図4の当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bを固定することなくフリーにして相手側の弾性線材(鉛直部)6aと同様に弾性線材としたものである。したがって、鉄筋7は、両側から2本の弾性線材(鉛直部)6a,6bにより弾性力で挟まれ圧接保持される。
【0020】
図6は、本発明のさらに別の実施形態の正面図である。
この実施形態は、左右の側枠2の高さをスペーサ3の高さ以上としたものである。これにより、矩形断面の法枠が形成される。その他の構成及び作用効果は前記実施形態と同様である。
【0021】
図7は本発明のさらに別の実施形態に係る法枠用型枠の斜視図であり、図8はその上面図である。
この実施形態では、図示したように、2種類のスペーサ3a,3bを鉄筋7に沿って交互に設けたものである。スペーサ3aは、直線線材4との交点をフリーとした弾性線材(鉛直部)6aのみからなる当接線材5aを備え、スペーサ3bは、直線線材4との交点を固定した固定線材(鉛直部)6bのみからなる当接線材5bを備えている。
【0022】
各スペーサ3a,3bは、鉄筋7に対し当接線材5a及び5bが交互に接するように、側枠2に沿って交互に取り付けられる。このような構成にしても、両線材5a,5bの鉛直部6a,6bにより鉄筋7が両側から挟まれ、弾性線材(鉛直部)6aの弾性力により固定線材(鉛直部)6b側に圧接されて保持される。これにより、スペーサの構成が簡単になる。また、両線材5a,5bのそれぞれが鉄筋に対して一つおきに配設されるので、鉄筋を容易に装着でき、作業性が向上する。その他の構成、作用及び効果は図1の例と同様である。
【0023】
図9は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
この実施形態は、前記図7の実施形態の変形例であり、スペーサ3bの固定線材(鉛直部)6bを短くしたものである。その他の構成及び作用効果は前記図7の実施形態と同様である。
【0024】
図10は、本発明の別の実施形態の斜視図である。
この実施形態は、図7の実施形態の変形例であり、スペーサ3bの固定線材(鉛直部)6bを短くするとともに、この固定線材(鉛直部)6bを直線線材4に固定せずフリーにして弾性線材(鉛直部)6bとしたものである。鉄筋7は、両側から交互に弾性線材6a,6bで挟まれ夫々の弾性力により保持される。その他の構成及び作用効果は図7の実施形態と同様である。
【0025】
図11は、本発明のさらに別の実施形態の斜視図である。
この実施形態は、図7の実施形態の変形例であり、スペーサ3bの鉛直部6bを固定線材としたまま短くするとともに、他方のスペーサ3aの鉛直部6aを直線線材4に溶接固定して固定線材とし、固定線材(鉛直部)6aと固定線材(鉛直部)6bとの間隔を鉄筋7の径よりも狭くしたものである。鉄筋7は、金網で形成した側枠2の弾性力を用いて固定線材(鉛直部)6aと固定線材(鉛直部)6bで交互に弾性力を受けながら挟まれて保持される。その他の構成及び作用効果は前記図7の実施形態と同様である。
【0026】
図12は本発明に係る別の法枠用型枠を示す正面図である。
この実施形態は、図示したように、左右両側の側枠2間に上下2本の直線線材4を回動可能に連結し、当接線材5a,5bの側枠2側端部をこれら2本の直線線材4に溶接固定し、鉛直部を弾性線材(鉛直部)6a、固定線材(鉛直部)6bとしたものである。その他の構成及び作用効果は前述の実施形態と同様である。
【0027】
図13は本発明に係るさらに別の法枠用型枠を示す斜視図であり、図14及び図15はそのスペーサごとの正面図、図16は図13の型枠の正面図である。
本実施例に係るスペーサは、2種類のスペーサ3c,3dからなり、いずれも当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bに凹部9a,9bが設けられている。スペーサ3cは上側の凹部9aに対応したフリー側の当接線材5aの弾性線材(鉛直部)6aを有し、スペーサ3dは下側の凹部9bに対応したフリー側の当接線材5aの弾性線材(鉛直部)6aを有する。
鉄筋7はこの固定線材6bの凹部9a,9bに保持されて配筋されるため、高さ方向の鉄筋7の位置決めが容易となる。当接線材5aの弾性線材(鉛直部)6aは、これに対向する固定線材(鉛直部)6bの凹部9a,9bの夫々に対向して鉄筋に圧接するように凹部9a,9bの位置が突き出るように幾分傾斜している。図14は、上側の凹部9aの鉄筋7を弾性的に保持するスペーサ3cを示し、図15は、下側の凹部9bの鉄筋7を弾性的に保持するスペーサ3dを示している。これらのスペーサ3c,3dを交互に取付けることにより、2本の鉄筋7を弾性により同時に保持することができる。
【0028】
固定側の当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bに設ける凹部の数は一つでもよいし複数個でもよい。フリー側の当接線材5aの弾性線材(鉛直部)6aは、両方の凹部9a,9bの鉄筋7に対し同時に圧接することができるように、例えば、後述の図19と同様に、ほぼ鉛直な形状としてもよい。その他の構造及び作用効果は図1の例と同様である。
【0029】
図17及び図18は本発明に係るさらに別の法枠用型枠を構成する2種類の交互に配置されるスペーサ3e,3fの正面図である。
【0030】
本実施例は図4と同様に2種類のスペーサ3e,3fを交互に取り付ける法枠用型枠の一例である。これにより、図17の固定線材(鉛直部)6bと図18の弾性線材(鉛直部)6aが、鉄筋7に対し両側から交互に接し、弾性線材(鉛直部)6aが弾性的に圧接する。図示したように、各スペーサ3e,3fは、ともに2本の直線線材4を有し、これらの直線線材4の左右両端部が左右両側の側枠2に回動可能に連結される。
図17に示すスペーサ3eは、固定線材(鉛直部)6bが溶接固定された当接線材5bのみを有し、その鉛直部6bに鉄筋7を保持する凹部9が形成される。図18に示すスペーサ3fは弾性線材(鉛直部)6aがフリーな当接線材5aのみを有し、スペーサ3eの凹部9の鉄筋7に圧接するようにほぼ鉛直に形成される。このような2種類のスペーサ3e,3fを、図7と同様に、交互に側枠2に取り付けて法枠用型枠1を形成する。施工現場で、この型枠をセットした後、両スペーサ3e,3fの当接線材5a,5bの鉛直部6a,6b間に鉄筋7をスライドさせて落し込み凹部9内に弾性的に保持する。
【0031】
この場合、両当接線材5a,5bの鉛直部6a,6b両方を直線線材4との交差部において溶接固定し、固定線材(鉛直部)6a、固定線材(鉛直部)6bとしてもよいし、両方をフリーにして弾性線材(鉛直部)6a、弾性線材(鉛直部)6bとしてもよい。両方とも固定した場合、鉄筋7を鉛直部6a,6b間に保持する際、側枠2自体の弾性力を利用して鉄筋7を保持することとなる。また、両方ともフリーとした場合、両方の当接線材5a,5bの弾性線材(鉛直部)の弾性を利用して鉄筋7を圧接して保持する。その他の構成及び作用効果は図7の例と同様である。
【0032】
図19は本発明に係るさらに別の法枠用型枠を示す正面図である。
本実施例に係るスペーサ3は当接線材5bの固定線材(鉛直部)6bに凹部9a,9bを設けたものであり、下側の凹部9bは直線線材4の下側に位置するように形成される。この型枠1を用いて法枠を形成するときは、まず下側の凹部9bに配筋する鉄筋7を斜面に載置し、その上から型枠1を配置する。この後、鉛直部6a、6bの上から鉄筋7をスライドさせて凹部9aに配筋し、さらに斜面上に載置した鉄筋7を鉛直部6a,6bの下からスライドさせて凹部9bに配筋して両鉛直部6a,6b間に、鉛直部6aの弾性的力を利用して鉄筋7を圧接して保持する。
この例ではさらに、図示したように、型枠1の強度を高めるために、上側の鉄筋7を支持する補助線材10が直線線材4の上側に固定される。
【0033】
上述した本発明に係る各実施形態の法枠用型枠を比較的緩い斜面に用い、金網からなる側枠の高さを法面緑化のための法枠格子間に充填する植生基材と同じ高さにすることにより、植生基材を充填する際の高さの目印となり、過不足のない植生基材の充填が可能になる。また、コンクリート(又はモルタル)打設時には金網からなる側枠があるので、型枠外へのコンクリートの飛散、流出を防ぐことができる。また、スペーサが直線線材を有するので、コンクリート吹付け時に型枠内にその打設圧力が作用して両側枠を押し広げようとしても、その形状から直線線材が引き伸ばされることはないので、常に一定の幅を有する法枠を形成することができる。
【0034】
また、側枠よりも高く突出する湾曲した両当接線材を覆うようにしてコンクリートを打設した場合は、形成される法枠は断面略半円形状のかまぼこ状となり、格子内の植生基材上の過剰な雨水は、法枠に堰止められることなく法枠を超えて下側(麓側)に流れるので、格子内の植物の根腐れ等を防ぐことができる。さらに、法枠は格子内植生基材の日光を遮ることはないので、格子内を全体的に均一で安定した植物の成長を図ることができる。
なお、金網としては、クリンプ金網に限定されず、溶接金網、パンチングメタルやエキスパンドメタル等も使用できる。
さらに、固定線材と弾性線材の配置の組合わせを変えるなど、この発明の技術的思想内での種々の変更実施はもちろん可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、一対の側枠間の中央に鉄筋を配設し、この鉄筋の両側を、対向する一対の当接線材で弾性的に挟むことにより、鉄筋が比較的小さな弾性力で確実にその両側から挟持される。これにより、鉄筋の装着作業が容易になる。このとき、スペーサは側枠に沿って多数設けられるため、1つ1つのスペーサの弾性力が弱くても、全体としての弾性力は大きくなり、鉄筋が傾斜した状態でも滑ることなく確実に弾性的に圧接保持される。したがって、スペーサに鉄筋を仮保持した状態で結束作業を行うことができ、弱い弾性力によりスペーサへの装着が容易にできることと相俟って現場での作業性が向上する。
【0036】
この場合、両当接線材の鉛直部間に鉄筋を挟み込んで、落とし込むようにスライドさせて直線線材上に鉄筋を載置して圧接保持することができるため、鉛直部の弾性線材が容易に変形し、小さな力で配筋作業を行うことができる。
【0037】
また、鉛直部に凹部を形成することにより、鉄筋を保持する位置を任意に設定することができ、凹部に鉄筋を入れることにより、配筋の位置決め作業が容易となる。凹部内の鉄筋は他方の鉛直部により押さえられるので、確実に鉄筋を保持することができる。また、凹部を鉛直部に複数箇所設ける構成として、鉄筋を上下に複数本保持することもできる。
【0038】
また、固定線材の下端部を地山表面に当接あるいは差込まれる程度の長さとすることにより、鉛直部の下端部を地山表面に当接させて(あるいは差込んで)支持することにより、安定した型枠の形状を維持することができるとともに、鉄筋を直線線材上に配筋する場合、直線線材の撓みの防止を図ることができるので、左右両側枠の内側への倒れを防ぐことができる。
【0039】
さらに本発明によれば、一対の側枠間の中央に鉄筋を配設し、この鉄筋の両側を片側ずつ交互にスペーサの当接線材で弾性的に圧接することにより、鉄筋が個々のスペーサからの比較的小さな弾性力により圧接保持される。これにより、鉄筋の装着作業が容易になる。このとき、スペーサは側枠に沿って多数設けられるため、1つ1つのスペーサの弾性力が弱くても、全体としての弾性力は大きくなり、鉄筋が傾斜した状態でも滑ることなく確実に弾性的に圧接保持される。したがって、スペーサに鉄筋を仮保持した状態で結束作業を行うことができ、弱い弾性力によりスペーサへの装着が容易にできることと相俟って現場での作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る法枠用型枠の斜視図。
【図2】 本発明に係る法枠用型枠の正面図。
【図3】 本発明に係る法枠用型枠の上面図。
【図4】 本発明の別の実施形態の正面図。
【図5】 本発明の別の実施形態の正面図。
【図6】 本発明の別の実施形態の正面図。
【図7】 本発明の別の実施形態の斜視図。
【図8】 図7の実施形態の上面図。
【図9】 本発明の別の実施形態の斜視図。
【図10】 本発明の別の実施形態の斜視図。
【図11】 本発明の別の実施形態の斜視図。
【図12】 本発明の別の実施形態の正面図。
【図13】 本発明の別の実施形態の斜視図。
【図14】 図13の実施形態のスペーサの機能説明図。
【図15】 図13の実施形態の別のスペーサの機能説明図。
【図16】 図13の実施形態の正面図。
【図17】 本発明の別の実施形態のスペーサを示す正面図。
【図18】 図17の実施形態の別のスペーサを示す正面図。
【図19】 本発明の別の実施形態の正面図。
【符号の説明】
1:法枠用型枠、2:側枠、3:スペーサ、3a〜3f:スペーサ、
4:直線線材、5a:当接線材、5b:当接線材、6a,6b:鉛直部、
7:鉄筋、8:法枠、8a:交差部、9a,9b:凹部、10:補助線材。

Claims (2)

  1. 横長の一対の金網からなる側枠と、
    該側枠同士を連結する複数のスペーサとからなり、
    前記スペーサは前記側枠に対し少なくとも上下2箇所で回動可能に連結され、前記一対の側枠間の中央部に長手方向に沿って鉄筋を配設する法枠用型枠において、
    前記スペーサは、前記一対の側枠同士を回動可能に連結する直線線材を備えるとともに、前記鉄筋を両側から挟んで弾性的に圧接するための対向配置した一対の当接線材を備えたことを特徴とする法枠用型枠。
  2. 横長の一対の金網からなる側枠と、
    該側枠同士を連結する複数のスペーサとからなり、
    前記スペーサは少なくとも一方の前記側枠に対し上下2箇所で回動可能に連結され、
    前記一対の側枠間の中央部に長手方向に沿って鉄筋を配設する法枠用型枠において、
    前記スペーサは、前記一対の側枠同士を回動可能に連結する直線線材を備えるとともに、前記鉄筋の片側にのみ当接する当接線材を有し、該当接線材が鉄筋の両側に交互に弾性的に圧接するように複数の前記スペーサを側枠に沿って取付けたことを特徴とする法枠用型枠。
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