JP4120736B2 - セラミック回路基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面に表層導体層又は表層抵抗体層を形成し、その上に絶縁層を介して接続用の導体層を形成したセラミック回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のセラミック回路基板は、図2に示すように、セラミック基板11の表面に、表層導体層12(又は表層抵抗体層)を形成し、その上に絶縁層13を介して半田付け用又はワイヤボンディング用の導体ランド14を形成したものがある。この場合、絶縁層13は、ガラスセラミック(低温焼成セラミック)のペーストを印刷して800〜1000℃で焼成したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガラスセラミックで形成された絶縁層13の絶縁性を高めるには、絶縁層13をガラス成分の多い緻密度の高いガラスセラミックで形成する必要がある。しかし、絶縁層13に含まれるガラス成分が多くなると、焼成時に、絶縁層13から導体ランド14中に拡散するガラス成分が増加して、導体ランド14の表面がガラスリッチ(ガラス成分が過剰な状態)になり、半田濡れ性やワイヤボンディング性が低下して、接続信頼性が低下する欠点がある。
【0004】
従って、半田濡れ性やワイヤボンディング性を確保するには、絶縁層13をガラス含有量の少ないガラスセラミックで形成する必要があるが、ガラス含有量が少なくなると、ガラスセラミック(絶縁層13)の緻密度が粗くなって、絶縁層13の絶縁性が低下する欠点がある。このため、絶縁層13をガラス含有量の少ないガラスセラミックで形成する場合には、絶縁層13の厚みを厚くすることで絶縁性を確保する必要があるが、絶縁層13の厚みを厚くすると、その分、基板表層部の凹凸が大きくなり、チップの搭載性が低下する欠点がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、絶縁層の厚みを厚くしなくても必要な絶縁性を確保できると共に、その上面に形成した接続用の導体層の半田濡れ性・ワイヤボンディング性も確保することができるセラミック回路基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のセラミック回路基板は、基板表面に形成した表層導体層(又は表層抵抗体層)と接続用の導体層との間に介在させる絶縁層を同種のガラスを含む少なくとも2層の絶縁層で構成し、そのうちの上部の絶縁層を緻密度の粗いガラスセラミックで形成し、下部の絶縁層を前記上部の絶縁層よりも緻密度の高いガラスセラミックで形成したものである。この構造では、接続用の導体層の下面に接する上部の絶縁層は、緻密度の粗いガラスセラミックで形成されているため、上部の絶縁層から接続用の導体層に拡散するガラス成分が少なくなり、接続用の導体層の表面がガラスリッチにならず、接続用の導体層の半田濡れ性やワイヤボンディング性が良好に保たれる。一方、下部の絶縁層は、緻密度の高いガラスセラミックで形成されているため、絶縁性が十分に確保される。
【0007】
この場合、各絶縁層(ガラスセラミック)の緻密度の調整方法は、例えば、ガラスセラミックのペーストに配合するアルミナ粒子の粒径を変更したり、或は、添加物の種類や配合量を変えることによって緻密度を調整しても良いが、請求項2のように、各絶縁層を形成するガラスセラミックのガラス含有量を変更することで各絶縁層の緻密度を調整しても良い。つまり、上部の絶縁層をガラス含有量の比較的少ないガラスセラミックで形成して緻密度を粗くすれば、上部の絶縁層から接続用の導体層へのガラス成分の拡散が効果的に抑えられる。また、下部の絶縁層をガラス含有量の比較的多いガラスセラミックで形成すれば、下部の絶縁層の緻密度が効果的に高められて絶縁性が十分に高められる。
【0008】
また、請求項3のように、基板と各絶縁層を、共に、焼成温度が800〜1000℃のガラスセラミックで形成し、同時焼成すると良い。このようにすれば、1回の焼成工程で、基板と各絶縁層、表層導体層又は表層抵抗体層、接続用の導体層が同時に焼成され、生産性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。セラミック基板21はガラスセラミック(低温焼成セラミック)の単層基板又は多層基板である。ガラスセラミックは、CaO−Al2 O3 −SiO2 −B2 O3 系ガラス粉末50〜65重量%(好ましくは60重量%)とAl2 O3 粉末50〜35重量%(好ましくは40重量%)との混合物が用いられている。これ以外にも、例えば、MgO−Al2 O3 −SiO2 −B2 O3 系のガラス粉末とAl2 O3 粉末との混合物を用いたり、SiO2 −B2 O3 系のガラス粉末とAl2 O3 粉末との混合物を用いたり、結晶化ガラス系を用いても良く、要は、800〜1000℃で焼成できるガラスセラミックを用いれば良い。
【0010】
このセラミック基板21の表面には、表層導体層22と表層抵抗体層23が形成されている。表層導体層22は、例えばAg/Pd、Ag/Pt、Ag、Au、Cu等の低融点金属の導体ペーストを印刷、焼成したものである。また、表層抵抗体層23は、RuO2 等の抵抗体ペーストを印刷、焼成したものである。
【0011】
表層導体層22と表層抵抗体層23の上には、下部絶縁層24が形成され、その上面に上部絶縁層25が形成されている。この場合、下部絶縁層24は、ガラス含有量の比較的多い緻密度の高いガラスセラミックのペーストを印刷、焼成したものであり、上部絶縁層25は、ガラス含有量の比較的少ない緻密度の粗いガラスセラミックのペーストを印刷、焼成したものである。
【0012】
尚、各絶縁層24,25は、CaO−Al2 O3 −SiO2 −B2 O3 系ガラス粉末とAl2 O3 粉末との混合物からなるガラスセラミックで形成されている。これ以外にも、各絶縁層24,25は、例えばMgO−Al2 O3 −SiO2 −B2 O3 系のガラス粉末とAl2 O3 粉末との混合物を用いたり、SiO2 −B2 O3 系のガラス粉末とAl2 O3 粉末との混合物を用いたり、結晶化ガラス系を用いても良く、要は、800〜1000℃で焼成できるガラスセラミックを用いれば良い。
【0013】
上部絶縁層25の上面には、接続用の導体層26が形成されている。この導体層26は、例えばAg/Pd、Ag/Pt、Ag、Au、Cu等の低融点金属の導体ペーストを印刷、焼成したものである。
【0014】
以上のような構成のセラミック回路基板を製造する場合には、セラミック基板21を焼成する前の生基板の表面に表層導体層22と表層抵抗体層23を低融点金属の導体ペーストと抵抗体ペーストでスクリーン印刷した後、これら表層導体層22と表層抵抗体層23の上に、ガラス含有量の比較的多い緻密度の高いガラスセラミックのペーストで下部絶縁層24をスクリーン印刷する。この後、この下部絶縁層24の上面に、ガラス含有量の比較的少ない緻密度の粗いガラスセラミックのペーストで上部絶縁層25をスクリーン印刷した後、上部絶縁層25の上面に接続用の導体層26を低融点金属の導体ペーストでスクリーン印刷する。その後、セラミック基板21、表層導体層22、表層抵抗体層23、絶縁層24,25及び接続用の導体層26を800〜1000℃で同時焼成する。
【0015】
以上説明した本実施形態では、表層導体層22(表層抵抗体層23)と接続用の導体層26との間に介在させる絶縁層を2層構造とし、そのうちの上部絶縁層25を、ガラス含有量の比較的少ない緻密度の粗いガラスセラミックで形成したので、上部絶縁層25から接続用の導体層26に拡散するガラス成分を少なくすることができて、接続用の導体層26の表面がガラスリッチになることを防止でき、接続用の導体層26の半田濡れ性やワイヤボンディング性を良好に保つことができる。一方、下部絶縁層24をガラス含有量の比較的多い緻密度の高いガラスセラミックで形成しているため、絶縁性を向上できる。
【0016】
ところで、図2に示す従来のセラミック回路基板は、半田濡れ性やワイヤボンディング性を確保するために、絶縁層13全体をガラス含有量の少ない緻密度の粗いガラスセラミックで形成していたため、絶縁層13の絶縁性が低下していた。このため、必要な絶縁性を確保するのに、絶縁層13の厚みを35〜50μmにする必要があり、基板表層部の凹凸が大きくなり、チップの搭載性が低下する欠点があった。
【0017】
これに対し、本実施形態では、絶縁層を緻密度(ガラス含有量)の異なる2層構造とし、上部絶縁層25で半田濡れ性やワイヤボンディング性を確保し、下部絶縁層24で絶縁性を確保できるため、絶縁層24,25全体の厚みを25μm以下としても、必要な絶縁性を確保でき、基板表層部の凹凸を従来よりも小さくできて、チップの搭載性を向上できる。
【0018】
尚、本実施形態では、セラミック基板21、表層導体層22、表層抵抗体層23、絶縁層24,25及び接続用の導体層26を同時焼成するようにしたが、セラミック基板21を焼成した後に、表層導体層22、表層抵抗体層23、絶縁層24,25及び接続用の導体層26を印刷して後焼成するようにしても良い。後焼成の場合、セラミック基板21はガラスセラミック基板でも良いが、アルミナ等の焼成温度が高いセラミック基板でも良い。
【0019】
また、本実施形態では、下部絶縁層24の下方に表層導体層22と表層抵抗体層23の両方を形成したが、いずれか一方のみを形成しても良い。また、下部絶縁層24と上部絶縁層25との間に、両者の中間的な緻密度(ガラス含有量)のガラスセラミックで中間絶縁層を形成しても良い。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1では、表層導体層(又は表層抵抗体層)と接続用の導体層との間に介在させる絶縁層を同種のガラスを含む少なくとも2層の絶縁層で構成し、そのうちの上部の絶縁層を緻密度の粗いガラスセラミックで形成し、下部の絶縁層を緻密度の高いガラスセラミックで形成したので、絶縁層の厚みを厚くしなくても必要な絶縁性を確保できると共に、その上に形成した接続用の導体層の半田濡れ性・ワイヤボンディング性も確保することができる。
【0021】
更に、請求項2では、各絶縁層を形成するガラスセラミックのガラス含有量を変更することで各絶縁層の緻密度を調整するようにしたので、各絶縁層の緻密度の調整が容易である。
【0022】
また、請求項3では、基板と各絶縁層を同時焼成するようにしたので、焼成工程が1回で済み、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるセラミック回路基板の表層部の構造を模式的に示す縦断面図
【図2】従来のセラミック回路基板の表層部の構造を模式的に示す縦断面図
【符号の説明】
21…セラミック基板、22…表層導体層、23…表層抵抗体層、24…下部絶縁層、25…上部絶縁層、26…接続用の導体層。
Claims (3)
- 基板表面に表層導体層又は表層抵抗体層を形成し、その上に絶縁層を介して接続用の導体層を形成したセラミック回路基板において、
前記絶縁層を同種のガラスを含む少なくとも2層の絶縁層で構成し、そのうちの上部の絶縁層を緻密度の粗いガラスセラミックで形成し、下部の絶縁層を前記上部の絶縁層よりも緻密度の高いガラスセラミックで形成したことを特徴とするセラミック回路基板。 - 前記各絶縁層を形成するガラスセラミックのガラス含有量を変更することで、各絶縁層の緻密度が調整されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック回路基板。
- セラミック基板と前記各絶縁層は、共に、焼成温度が800〜1000℃のガラスセラミックで形成され、同時焼成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミック回路基板。
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