JP4120727B2 - クイックコネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エア工具、パネル配管もしくは空圧機器等の空圧回路、油圧回路または水圧回路等に用いられ、その接続または接続解除に際して迅速に操作可能なクイックコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図10に示すクイックコネクタが知られており、以下のように構成されている。このクイックコネクタは、図上左側のソケット51に対して図上右側のプラグ52を挿抜自在に差し込んで流体の回路ないし配管を接続するものである。
【0003】
すなわち先ず、所要数の硬球53を当該クイックコネクタの径方向に移動可能に保持するソケット51が設けられており、このソケット51の内側にプラグ52が図上右側から軸方向に挿抜可能に差し込まれており、このプラグ52の外面に、差し込み時に硬球53が係合する溝状の係合部52aが設けられている。ソケット51の外側に、そのスライド位置に応じて硬球53の径方向移動を制限または許容するスライダ54が軸方向にスライド可能に装着されており、このスライダ54の内側に、ソケット51に設けられた溝状の係合部51aに係合し、拡径時にこの係合部51aから外れるスプリングリング55が拡径可能に保持されている。スプリングリング55はC字状のスナップリングであって円周上の一箇所が切断されており、この切断部に設けられた一対の端部55a,55bがそれぞれ外側に向けて屈曲されており、このうちの一方の端部55aがスライダ54に設けられた丸穴54aに挿入されるとともに他方の端部55bが同じくスライダ54に設けられた長穴54bに挿入されている。またこのスプリングリング55はその緊迫力によってソケット51の係合部51aに嵌合しており、このときソケット51の係合部51aおよびスライダ54に設けられた溝状のスプリングリング保持部54cの双方に対して軸方向に係合している。したがってこのときスライダ54はソケット51に対して軸方向にスライドすることができず、スライダ54の硬球押さえ部54dが硬球53をその外側から押さえており、これにより硬球53がプラグ52の係合部52aに係合してプラグ52をソケット51から抜け止めしている。
【0004】
このように、図10は、プラグ52がソケット51に差し込まれて抜け止めされた状態を示しており、この状態からプラグ52を引き抜くには先ず、スプリングリング55の他方の端部55bを指または治具によって長穴54b内でスプリングリング55の一方の端部55aから離れる方向(A方向)に移動させる。このようにスプリングリング55の他方の端部55bを移動させると、スプリングリング55がその弾性に抗して一時的に拡径されてソケット51の係合部51aから外れ、その全部がスライダ54のスプリングリング保持部54cに収容される。したがってスライダ54をソケット51に対してプラグ差し込み方向(B方向)にスライドさせることができるようになり、これを実際にストップリング56に当接するまでスライドさせると、スライダ54の硬球押さえ部54dに代わって硬球逃がし部54eが硬球53の外側に位置する。硬球逃がし部54eはその内径寸法が硬球押さえ部54dより大きく設定されており、よって硬球53がプラグ52の係合部52aから外れるのを許容する。したがってこの状態でプラグ52をソケット51から引き抜く方向(プラグ引き抜き方向)(C方向)に引っ張ると、硬球53が当該コネクタの外側に移動してプラグ52の係合部52aから外れ、抜け止めが解除され、プラグ52をソケット51から引き抜くことができる。
【0005】
また、この引き抜いた状態からプラグ52をソケット51に所定量差し込んでスライダ54をソケット51に対してプラグ引き抜き方向(C方向)にスライドさせると、スライダ54の硬球押さえ部54dが硬球53をプラグ52の係合部52aに係合させるとともにスプリングリング55がその弾性によってソケット51の係合部51aに係合し、これにより図10の状態に復帰して再び抜け止めのロックがかかる。
【0006】
したがって、上記構成のクイックコネクタによれば、スプリングリング55の他方の端部55bを移動させるとともにスライダ54をスライドさせるだけの簡単な操作でプラグ52をソケット51から引き抜くことができ、またプラグ52をソケット51に挿入して抜け止めすることができる。
【0007】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような不都合がある。
【0008】
すなわち、上記構成のクイックコネクタにおいては、スライダ54のスライド停止位置を特定するストッパ51bが、ソケット51の外面に設けられた溝状のストップリング保持部51cと、このストップリング保持部51cに嵌着されたストップリング56とによって構成されている。したがってソケット51をその加工コストを低減させるために切削加工を一切行なわずに板材からプレス加工だけで成形しようとすると、板材からチューブ状に深絞りしたソケット51を連続プレス機から外し、ロールビード加工やビーディング加工のできる別機械で別工程により溝状のストップリング保持部51cを加工する必要がある。したがってその成形に多くの手間と時間がかかり、ソケット51をプレス加工して生産性を向上させようと云う当初の目標ないし予定を実現することができないことがある。
【0009】
また、上記従来技術においては、上記したようにソケット51の外面に溝状のストップリング保持部51cが設けられることに伴って、その内側すなわちソケット51の内面に内向きの突部51dが形成される。またソケット51の内側にはこの突部51dと並んでOリング等のシール部材57が装着される。したがってソケット51にプラグ52を差し込むときに突部51dとプラグ52の間にシール部材57が噛み込まれて、ちぎれ等の破損を引き起こす虞がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、クイックコネクタの構成部品であるソケットの構造ないし形状を容易に加工することができるように工夫を凝らし、もってその生産性を向上させることを目的とする。またソケットの内側にシール部材が装着される場合にその破損を防止することが可能なクイックコネクタを提供することを目的とする。またソケットにスライダを組み付けた状態で硬球を装填することができ、しかも装填後に硬球がコネクタから脱落することがなく、もって硬球の脱落防止を確保した上で組立性を向上させることが可能なクイックコネクタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるクイックコネクタは、筒状のソケットと、前記ソケットの内側に挿抜可能に差し込まれる筒状のプラグと、前記ソケットに設けた穴状の硬球保持部に保持され、前記プラグの外面に設けた溝状の係合部に係合したときに前記プラグを前記ソケットから抜け止めする硬球と、前記ソケットの外側に軸方向スライド可能に配置され、前記スライドに応じて前記硬球の径方向移動を制限または許容するスライダと、前記スライダに設けたスプリングリング保持部に拡径可能に保持され、前記ソケットの外面に設けた溝状の係合部に係合したときに前記スライダのスライドを制限し、拡径して前記係合部から外れたときに前記スライダのスライドを許容するスプリングリングと、前記ソケットの外側に設けられるとともに前記スライダのスライド停止位置を特定するストッパとを有するクイックコネクタであって、前記ストッパは、前記ソケットの外側に突出するとともに前記ソケットの周壁を折り返した構造のストップリング保持部と、前記ストップリング保持部のスライダ側に嵌着されるとともに前記ストップリング保持部により保持されたストップリングとよりなり、前記スライダが前記ストップリングに当接して停止したときに前記硬球は前記スライダに当接して当該コネクタから脱落せず、前記ストップリングを外した状態で前記スライダが前記ストップリング保持部に当接して停止したときに前記硬球は前記ソケットと前記スライダの間を通過可能とされ、前記ソケットに設けられたストップリング保持部は、前記ストップリングを保持する機能と、前記スライダのプラグ差し込み方向へのスライドを停止させる機能とを有することにした。
【0013】
上記構成を備えた本発明の請求項1によるクイックコネクタのように、スライダのスライド停止位置を特定するストッパが、ソケットの外側に突出するとともにソケットの周壁を折り返した構造のストップリング保持部と、このストップリング保持部のスライダ側に嵌着されるストップリングとによって構成されると、ソケットを切削加工を行なわずに板材からプレス加工だけで成形する場合にソケットを板材から深絞りする連続過程で座屈加工することによってストップリング保持部を形成することが可能となる。したがって上記従来技術のように深絞りしてから別機械で溝状のストップリング保持部を加工していた別工程を省略することが可能となる。またソケットの外面に溝を設けないため、これに応じてソケットの内周面に内向きの突部が形成されない。
【0014】
またこれに加えて、スライダがストップリングに当接して停止したときに硬球がスライダに当たってコネクタから脱落せず、ストップリング無しでスライダがストップリング保持部に当接して停止したときに硬球がソケットとスライダの間を通過可能とされているために、ソケットの外周にスライダを組み付けた状態でソケットに硬球を装填することができ、しかも装填後に硬球がコネクタから脱落するのを防止することが可能となる。これは、ストップリングの有無に応じてスライダの後方へのスライド可能量に違いが生じることによる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0016】
図1は、当該実施形態に係るクイックコネクタの断面を示している。図2は図1のD−D線断面図である。
【0017】
このクイックコネクタは、図1において左側のソケット1に対して右側のプラグ2を挿抜自在に差し込んで流体の回路ないし配管を接続するものであり、以下のように構成されている。尚、図1における矢印Bはプラグ差し込み方向、矢印Cはプラグ引き抜き方向をそれぞれ示している。
【0018】
すなわち先ず、所要数(当該実施形態では六個を想定している)の硬球(鋼球)3を当該コネクタの径方向に移動可能に保持する筒状のソケット1が設けられており、このソケット1の内側(内周側)に筒状のプラグ2が図上右側から軸方向に挿抜可能に差し込まれており、このプラグ2の外面(外周面)に、差し込み時に硬球3が係合する溝状の係合部2eが設けられている。
【0019】
図3に示すように、ソケット1はそのプラグ引き抜き方向の先端部(図上右端部、以下単に「先端部」とも称する、以下同じ)1aからプラグ差し込み方向の先端部(図上左端部、以下単に「後端部」とも称する、以下同じ)1bにかけて、大径部(大径筒状部とも称する)1cと、この大径部1cより径寸法が小さい中央部(中央筒状部とも称する)1dと、この中央部1dより径寸法が更に小さい小径部(小径筒状部とも称する)1eとを一体に備えており、このうちの先端側の大径部1cに、それぞれ硬球3を一個ずつ収容保持する穴状の硬球保持部(硬球保持穴または硬球穴とも称する)1fが所要数(当該実施形態では六箇所を想定している)等配状に設けられており、この硬球保持部1fの後端側の外面に環状を呈する溝状の係合部(スプリングリング溝とも称する)1gが設けられており、この溝状の係合部1gの内側であって大径部1cの内面(内周面)に、この係合部1gを設けたことによる環状の突部1hが設けられている。また大径部1cと中央部1dの間(境)に、ソケット1の外側に突出するとともにソケット1の周壁を折り返した構造の突起状ないし鍔状のストップリング保持部(折り曲げ部分とも称する)1iが設けられており、このストップリング保持部1iと、後記するストップリング10とによってスライダ6の後方停止位置を特定するストッパ1kが構成されている。この突起状ないし鍔状のストップリング保持部1iは、ソケット1を板材から深絞りする連続成形の過程で座屈加工することにより容易に成形することが可能である。したがってこのソケット1には上記従来技術のような溝状のストップリング保持部は設けられておらず、その内側の突部も設けられていない。また中央部1dと小径部1eの間にはテーパ状の段差部1jが設けられている。
【0020】
図4に拡大して示すように、穴状の硬球保持部1fは、ソケット1の内側にプラグ2が差し込まれていないときに硬球3がこの硬球保持部1fからソケット1の内側に脱落しないように、その内壁に所定の角度θを備えたテーパが付けられており、その開口径寸法がソケット1の外面側で硬球3の径寸法より大きく、ソケット1の内面側で硬球3の径寸法より小さく設定されている。このほか硬球3が硬球保持部1fからソケット1の内側に脱落しないようにするには、硬球保持部1fの内壁に段を付ける方法や、硬球3の径より僅かに小さい径の穴を開ける方法等がある。
【0021】
図5に示すように、プラグ2はその先端部(図上右端部)2aから後端部(図上左端部)2bにかけて、大径部(大径筒状部とも称する)2cと、この大径部2cより径寸法が小さい小径部(小径筒状部とも称する)2dとを一体に備えており、このうちの先端側の大径部2cに、硬球3が係合する環状を呈する溝状の係合部2eが設けられている。また大径部2cと小径部2dの間にテーパ状の段差部2fが設けられており、図1に示したようにプラグ2をソケット1の内側に差し込んだときに、この段差部2fがソケット1の内面に設けられた突部1hに当接することにより差し込みが停止される。したがってこの段差部2fが突部1hに当接したときに丁度、硬球保持部1fおよび硬球3の内側に係合部2eが位置する。またこのときプラグ2の後端部2bはこれを先頭にしてソケット1の中央部1dの内側まで差し込まれる。
【0022】
図1に示すように、ソケット1の内側であって突部1hの後端側に環状のスペーサ4が装着されており、このスペーサ4の更に後端側にOリング等の環状のシール部材5が装着されている。スペーサ4は樹脂等の材料によって断面矩形状に成形されており、ソケット1の内側にプラグ2が差し込まれたときにプラグ2の小径部2dとソケット1の大径部1cの間に位置して両者を同心に保つ。またこのスペーサ4には、シール部材5がプラグ2とソケット1の間に強く挟まれたり密封流体圧に強く押される等して過度に変形しないようにシール部材5を保護する機能もある。このスペーサ4はこれをソケット1の突部1hの内側を通過してその後端側に装着できるよう、図6に示すように円周上の一箇所が斜めにカットされており、ここにカット部4aが設けられている。シール部材5はゴム等の材料によって成形されており、プラグ2とソケット1の間から外部に密封流体(移送流体とも称する)が洩れないようにこれをシールする。図1においてシール部材5の左側から密封流体圧が作用すると、シール部材5がその右側のスペーサ4に押し付けられ、これによりスペーサ4が右方向に移動しようとするが、スペーサ4がソケット1の突部1hとプラグ2の段差部2fとに同時に当接することによりその移動が停止される。したがってスペーサ4は極めて安定良くソケット1とプラグ2の間に装着される。
【0023】
図1に示すように、ソケット1の外側に、そのスライド位置に応じて硬球3の径方向移動を制限または許容する筒状のスライダ6が軸方向にスライド可能に装着されており、このスライダ6の内側に、ソケット1に設けられた溝状の係合部1gに係合し、拡径時にこの係合部1gから外れるスプリングリング9が拡径可能に保持されている。
【0024】
図2に示すように、スプリングリング9はC字形を成すスナップリングであって円周上の一箇所が切断されており、この切断部に設けられた一対の端部9a,9bがそれぞれ外側に向けて屈曲されており、このうちの一方の端部9aがスライダ6に設けられた丸穴(スプリングリング係合部とも称する)6eに挿入されるとともに他方の端部9bが同じくスライダ6に設けられた長穴(スプリングリング操作部とも称する)6fに挿入されている。またこのスプリングリング9はその緊迫力によってソケット1の係合部1gに嵌合しており、このときソケット1の係合部1gおよびスライダ6に設けられた溝状のスプリングリング保持部6aの双方に対して軸方向に係合している。したがってこのときスライダ6はソケット1に対して軸方向にスライドすることができず、スライダ6の硬球押さえ部6cが硬球3をその外側から押さえており、これにより硬球3がプラグ2の係合部2eに係合してプラグ2をソケット1から抜け止めしている。
【0025】
図7に示すように、スライダ6は、溝状のスプリングリング保持部(スプリングリング保持溝とも称する)6aと、ソケット1の大径部1cに対して摺動自在にスライドするスライド部6bと、硬球3をプラグ2の係合部2eに係合させる硬球押さえ部6cと、硬球3がプラグ2の係合部2eから外れるのを許容する硬球逃がし部(硬球逃げ部とも称する)6dとを一体に備えており、また以下のように構成された第一および第二プレス部品7,8の組み合わせによって形成されている。第一および第二プレス部品7,8は何れも板材から深絞りでプレス加工された環状部品である。
【0026】
すなわち先ず、このスライダ6の外面を形成する第一プレス部品7はその先端部(図上右端部)から後端部(図上左端部)にかけて、大径部(大径筒状部とも称する)7aと、この大径部7aより径寸法が小さい中央部(中央筒状部とも称する)7bと、この中央部7bより径寸法が更に小さい小径部(小径筒状部とも称する)7cとを一体に備えており、大径部7aの先端部7dが外側に折り曲げられて外向きのフランジ状を成している。大径部7aと中央部7bの間および中央部7bと小径部7cの間にはそれぞれテーパ状の段差部7e,7fが設けられている。小径部7cの後端部7gは内側に折り曲げられて内向きのフランジ状を成しており、またこの小径部7cに丸穴6eおよび長穴6fが設けられている。
【0027】
一方、スライダ6の内面を形成する第二プレス部品8は、その先端部(図上右端部)から後端部(図上左端部)にかけて、大径部(大径筒状部とも称する)8aと、この大径部8aより径寸法が小さい中央部(中央筒状部とも称する)8bと、この中央部8bより径寸法が更に小さい小径部(小径筒状部とも称する)8cとを一体に備えており、大径部8aの先端部8dが第一プレス部品7の先端部7dを図示するように巻き込んで、ここに突起状ないし鍔状のスライド操作部6gを形成している。大径部8aと中央部8bの間および中央部8bと小径部8cの間にはそれぞれテーパ状の段差部8e,8fが設けられている。小径部8cの後端部8gは筒状のままであり、この後端部8gが第一プレス部品7の小径部7cおよび内側に曲げられた後端部7gとともに、内側を開口した溝状のスプリングリング収容部6aの三方壁を形成している。この第二プレス部品8は硬球押さえ部6cにおいてこの第二プレス部品8の中央部8bが第一プレス部品7の中央部7bの内側に圧入されることによって第一プレス部品7に固定されており、上記スライド操作部6gにおけるカーリングと相俟って第一プレス部品7と実質的に一体化されている。第二プレス部品8の小径部8cはその内面にスライド部6bが形成されるため、ソケット1の大径部1cと摺動するようにその内径寸法を設定されている。中央部8bはその内面に硬球押さえ部6cが形成されるため、この内面が硬球3の外側に位置したときに硬球3をプラグ2の係合部2eに係合させるようにその内径寸法を設定されている。また大径部8aはその内面に硬球逃がし部6dが形成されるため、この内面が硬球3の外側に位置したときに硬球3がプラグ2の係合部2eから外れるのを許容するようにその内径寸法を設定されている。但し、硬球3が当該コネクタから脱落しては困ることから、硬球3がプラグ2の係合部2eからは外れるが、硬球保持部1fからは脱落しないように内径寸法を設定されている。
【0028】
溝状のスプリングリング保持部6aは、所定の深さdと軸方向幅wとを備えるように形成されているが、その深さdは第一プレス部品7の小径部7cの内径寸法を適宜変更することにより容易に調整することが可能である。したがって場合によっては、図示したようにこの小径部7cと第二プレス部品8の小径部8cとの間に間隙6hが形成されることもある(形成されない場合もある)。また軸方向幅wは第二プレス部品8の小径部8cの軸方向長さを適宜変更したり、第一プレス部品7の小径部7cの軸方向長さを変更して後端部7gの軸方向位置を適宜変更したりすることにより容易に調整することが可能である。尚、このスライダ6は、図10に示したような一枚物であっても良い。
【0029】
図1に示すように、ソケット1の大径部1cの外周であってストップリング保持部1iのスライダ6側(先端側)にストップリング10が嵌着されており、上記したようにこのストップリング保持部1iとストップリング10とによってスライダ6の後方停止位置を特定するストッパ1kが構成されている。ストップリング10はC字形のスナップリングであって、その緊迫力によってソケット1の外周に嵌着されている。このストップリング10はストップリング保持部1iにバックアップされて、スライドして来るスライダ6を、硬球3がスライダ6の硬球逃がし部6dに当たって当該コネクタから脱落しない位置で停止させる。これに対して図8に示すように、このストップリング10無しでスライダ6がストップリング保持部1iに直接当接して停止すると、硬球3がソケット1とスライダ6の間を通過可能とされている。したがって当該コネクタを組み立てるときにはストップリング10無しでスライダ6をストップリング保持部1iに当接するまでスライドさせ、この状態でソケット1の硬球保持部1fに硬球3を装填し、装填後にストップリング10をソケット1に嵌着する。したがってこれによりソケット1の外周にスライダ6を組み付けた状態でソケット1に硬球3を装填することができ、しかも装填後にソケット1にストップリング10を嵌着してスライダ6のスライド量を制限することにより硬球3が当該コネクタから脱落するのを防止することができる。
【0030】
図1は、プラグ2がソケット1に差し込まれて抜け止めされた状態を示しており、この状態からプラグ2を引き抜くには先ず、スプリングリング9の他方の端部9bを指または治具によって長穴6f内でスプリングリング9の一方の端部9aから離れる方向(A方向)に移動させる。このようにスプリングリング9の他方の端部9bを長穴6f内で一方の端部9aから離れる方向に移動させると、スプリングリング9がその弾性に抗して一時的に拡径されてソケット1の係合部1gから外れ、その全部がスライダ6のスプリングリング保持部6aに収容される。したがってスライダ6をソケット1に対して当該コネクタの後端方向(B方向)にスライドさせることができるようになり、図9に示すようにこれを実際にストップリング10に当接するまでスライドさせると、スライダ6の硬球押さえ部6cに代わって硬球逃がし部6dが硬球3の外側に位置する。したがってこの状態でプラグ2をソケット1から引き抜く方向(C方向)に引っ張ると、硬球3が当該コネクタの外側に移動してプラグ2の係合部2eから外れ、抜け止めが解除され、プラグ2をソケット1から引き抜くことができる。
【0031】
また、この引き抜いた状態からプラグ2をその段部2fがソケット1の突部1hに当接するまでソケット1に差し込んでスライダ6をソケット1に対して先端方向(C方向)にスライドさせると、スライダ6の硬球押さえ部6cが硬球3をプラグ2の係合部2eに係合させるとともにスプリングリング9がその弾性によってソケット1の係合部1gに係合し、これにより図1の状態に復帰して再び抜け止めのロックがかかる。
【0032】
したがって、上記構成のクイックコネクタによれば、スプリングリング9の他方の端部9bを移動させるとともにスライダ6をスライドさせるだけの簡単な操作でプラグ2をソケット1から引き抜くことができ、またプラグ2をソケット1に挿入して抜け止めすることができる。
【0033】
また、上記クイックコネクタは、上記構成により以下の作用効果を奏する。
【0034】
すなわち先ず第一に、スライダ6の後方停止位置を特定するストッパ1kが、ソケット1の外側に突出するとともにソケット1の周壁を折り返した構造のストップリング保持部1iと、このストップリング保持部1iのスライダ6側に嵌着されるスナップリング等よりなるストップリング10とによって構成されているために、ソケット1を切削加工を行なわずに板材からプレス加工だけで成形する場合にソケット1を板材から深絞りする連続過程で座屈加工することによってストップリング保持部1iを形成することが可能である。したがって上記従来技術のように板材を深絞りしてから別機械で溝(溝状のストップリング保持部)を加工していた別工程を省略することができ、この分、ソケット1の製作を容易化するとともに製作コストを低減させることができる。ストップリング保持部1iについてのソケット1の外側に突出するとともにソケット1の周壁を折り返した構造は、これを換言するとソケット1をその一部で外側に座屈させた形状である。
【0035】
また、上記従来技術のようにソケット1の外面に溝(溝状のストップリング保持部)を設けるものでないために、ソケット1の内面に内向きの突部が形成されない。したがってソケット1にプラグ2を差し込むときにこの突部とプラグ2の間にOリング等よりなるシール部材5が噛み込まれて破損するのを未然に防止することができる。
【0036】
また、上記従来技術においては、ソケット1を一度広げたすぐ横を逆に押し凹ませる形状となるために、心金が片側の湾曲しか当てられず、径を広げた側に歪みができやすく加工性が良くなかったが、上記形状にすることにより均一な仕上がり状態を得ることができ、ソケット1の生産性を向上させることができる。
【0037】
また、ソケット1にストップリング10が嵌着されている状態でスライダ6がこのストップリング10に当接して停止したときに、硬球3がスライダ6の硬球逃がし部6dに当たってコネクタから脱落しないとともに、ソケット1にストップリング10が嵌着されていない状態でスライダ6がストップリング保持部1iに当接して停止したときに、硬球3がソケット1とスライダ6の間を通過可能とされているために、ストップリング10の有無によるスライダ6のスライド可能量の相違に基づいて、ソケット1にスライダ6を組み付けた状態でソケット1の硬球保持部1fに硬球3を装填することが可能であり、しかも装填後に硬球3がソケット1とスライダ6の間を通過してコネクタから脱落するのを防止することが可能である。したがって硬球3の脱落防止を確保した上でコネクタの組立性を向上させることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0039】
すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の請求項1によるクイックコネクタにおいては、スライダのスライド停止位置を特定するストッパが、ソケットの外側に突出するとともにソケットの周壁を折り返した構造のストップリング保持部と、このストップリング保持部のスライダ側に嵌着されるストップリングとによって構成されているために、ソケットを切削加工を行なわずに板材からプレス加工だけで成形する場合にソケットを板材から深絞りする連続過程で座屈加工することによってストップリング保持部を形成することが可能である。したがって板材を深絞りしてから別機械で溝を加工していた別工程を省略することができ、この分、ソケットの製作を容易化するとともに製作コストを低減させることができる。
【0040】
また、ソケットの外面に溝を設けるものでないために、ソケットの内面に内向きの突部が形成されない。したがってソケットにプラグを差し込むときにこの突部とプラグの間にシール部材が噛み込まれて破損するのを未然に防止することができる。
【0041】
またこれに加えて、スライダがストップリングに当接して停止したときに硬球がスライダに当たってコネクタから脱落せず、ストップリング無しでスライダがストップリング保持部に当接して停止したときに硬球がソケットとスライダの間を通過可能とされているために、ストップリングの有無によるスライダのスライド可能量の相違に基づいて、ソケットにスライダを組み付けた状態でソケットの硬球保持部に硬球を装填することが可能であり、しかも装填後に硬球がソケットとスライダの間を通過してコネクタから脱落するのを防止することが可能である。したがって硬球の脱落防止を確保した上でコネクタの組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクイックコネクタの断面図
【図2】図1におけるD−D線断面図
【図3】ソケットの断面図
【図4】硬球保持部および硬球の拡大図
【図5】プラグの断面図
【図6】スペーサの側面図
【図7】スライダの断面図
【図8】コネクタの組立工程を示す断面図
【図9】コネクタの操作手順を示す断面図
【図10】従来例に係るコネクタの断面図
【符号の説明】
1 ソケット
1i ストップリング保持部
1k ストッパ
2 プラグ
3 硬球
4 スペーサ
5 シール部材
6 スライダ
7 第一プレス部品
8 第二プレス部品
9 スプリングリング
10 ストップリング

Claims (1)

  1. 筒状のソケット(1)と、前記ソケット(1)の内側に挿抜可能に差し込まれる筒状のプラグ(2)と、前記ソケット(1)に設けた穴状の硬球保持部(1f)に保持され、前記プラグ(2)の外面に設けた溝状の係合部(2e)に係合したときに前記プラグ(2)を前記ソケット(1)から抜け止めする硬球(3)と、前記ソケット(1)の外側に軸方向スライド可能に配置され、前記スライドに応じて前記硬球(3)の径方向移動を制限または許容するスライダ(6)と、前記スライダ(6)に設けたスプリングリング保持部(6a)に拡径可能に保持され、前記ソケット(1)の外面に設けた溝状の係合部(1g)に係合したときに前記スライダ(6)のスライドを制限し、拡径して前記係合部(1g)から外れたときに前記スライダ(6)のスライドを許容するスプリングリング(9)と、前記ソケット(1)の外側に設けられるとともに前記スライダ(2)のスライド停止位置を特定するストッパ(1k)とを有するクイックコネクタであって、
    前記ストッパ(1k)は、前記ソケット(1)の外側に突出するとともに前記ソケット(1)の周壁を折り返した構造のストップリング保持部(1i)と、前記ストップリング保持部(1i)のスライダ(6)側に嵌着されるとともに前記ストップリング保持部(1i)により保持されたストップリング(10)とよりなり、
    前記スライダ(6)が前記ストップリング(10)に当接して停止したときに前記硬球(3)は前記スライダ(6)に当接して当該コネクタから脱落せず、前記ストップリング(10)を外した状態で前記スライダ(6)が前記ストップリング保持部(1i)に当接して停止したときに前記硬球(3)は前記ソケット(1)と前記スライダ(6)の間を通過可能とされ、
    前記ソケット(1)に設けられたストップリング保持部(1i)は、前記ストップリング(10)を保持する機能と、前記スライダ(6)のプラグ差し込み方向へのスライドを停止させる機能とを有することを特徴とするクイックコネクタ。
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