JP4120154B2 - ピストン式圧縮機及びその組立方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用空調装置に用いられるピストン式圧縮機及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧縮機としては、例えば図7に示すようなクラッチ付きの可変容量型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)が存在する。この圧縮機は、外部駆動源である車両のエンジンEgとの間の動力伝達機構に動力伝達を遮断可能な電磁クラッチ101を備えるとともに、低冷房負荷時には電磁クラッチ101が頻繁にオン・オフされないように、吐出容量を小さくできるような容量変更構成を備えている。この容量変更構成は、ピストン102を連結する斜板103が、駆動軸104に固定された回転支持体105に対し、ヒンジ機構106を介して傾斜角度を変更可能に連結されている。
【0003】
そして、斜板103を収容するクランク室107の圧力を積極的に調節することで、この圧力とピストン102を収容するシリンダボア108の圧力とのピストン102を介した差を変更し、斜板103の傾斜角度を変更する。斜板103の傾斜角度が変更されれば、ピストン102のストローク量も変わって吐出容量が変更されることになる。
【0004】
例えば、クランク室107の圧力が上昇してシリンダボア108の圧力との差が大きくなると、斜板103の傾斜角度が減少して圧縮機の吐出容量は小さくなる。図面において二点鎖線で示す斜板103は、駆動軸104に設けられた最小傾斜角度規定部109に当接規制された最小傾斜角度状態にある。逆にクランク室107の圧力が低下してシリンダボア108の圧力との差が小さくなると、斜板103の傾斜角度が増大して圧縮機の吐出容量は大きくなる。
【0005】
このような構成の圧縮機においては、通常、冷媒ガスの圧縮時にピストン102に作用する圧縮荷重によって、このピストン102、斜板103、ヒンジ機構106、回転支持体105及び駆動軸104の一体物が、図面左方でハウジング110の内壁面にスラストベアリング111を介して押さえ付けられた状態となっている。
【0006】
ところが、前記圧縮機においては、電磁クラッチ101がオフされた時には、次回の電磁クラッチ101のオンがオフから間もなく行われたとしても、圧縮機の起動が負荷トルクの最も少ない最小吐出容量状態からとなるように、クランク室107の圧力を上昇させるような構成となっている。また、車両の急加速時においては、エンジンEgの負荷を軽減するために、冷房負荷に関係なく吐出容量を最小とする、所謂加速カットが行われることもある。
【0007】
このように、電磁クラッチ101のオフや加速カットによってクランク室107の圧力を急激に上昇させて吐出容量を最小とする場合、クランク室107の圧力の過大な上昇や、傾斜角度を急激に減少させる斜板103の勢いにより、傾斜角度を最小とした斜板103が最小傾斜角度規定部109に過大な力で押し付けられたり、ヒンジ機構106を介して回転支持体105をリヤ側に強く引っ張ることがある。このため、駆動軸104が軸線L後方(図面右方)側に向かう強い移動力を受けてスライド移動してしまうことがあり、その場合には次のような問題を生じていた。
【0008】
○電磁クラッチ101のオフ状態で駆動軸104が軸線L後方側にスライド移動すると、この駆動軸104と固定関係にある電磁クラッチ101のアーマチャ101aがロータ101b側に移動することになる。従って、アーマチャ101aとロータ101bとの間のクリアランスが消滅してしまい、アーマチャ101aが回転状態にあるロータ101bに摺接して異音や振動を生じたり、さらには不必要に動力伝達を許容してしまう問題。
【0009】
○加速カットの時、駆動軸104が軸線L後方側にスライド移動すると、この駆動軸104に回転支持体105、ヒンジ機構106及び斜板103を介して連結されているピストン102が、シリンダボア108内をスライド移動して、その死点が弁・ポート形成体112側にずれることになる。従って、ピストン102が上死点に位置する際に弁・ポート形成体112に対して衝撃的に衝突し、この衝突に起因して振動や騒音が発生したり、ピストン102或いは弁・ポート形成体112が破損する等の問題。
【0010】
上記のような問題を解決するために従来は、ハウジング110と駆動軸104との間に駆動軸付勢バネ113を介在させ、この駆動軸付勢バネ113によって駆動軸104を軸線L前方(図面左方)側に付勢している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した駆動軸104の軸線L後方側へのスライド移動を確実に防止するためには、駆動軸付勢バネ113にバネ力の大きなものを用いる必要がある。従って、駆動軸付勢バネ113からの大きな荷重を受承することとなるスラストベアリング111の耐久性の低下や、このスラストベアリング111における圧縮機の動力損失の増大といった問題が発生する。圧縮機における動力損失の増大は、車両(エンジンEg)の燃料消費量に少なからず悪影響を与える。
【0012】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであってその目的は、駆動軸付勢バネを削除することが可能なピストン式圧縮機及びその組立方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ハウジングには駆動軸の軸線方向へのスライド移動を当接規制する第1移動規制部及び第2移動規制部が設けられ、第1移動規制部はピストンが弁・ポート形成体から離間する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制するとともに、第2移動規制部は駆動軸に設けられた当接部を受けて、ピストンが弁・ポート形成体に近接する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制する構成であって、前記駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態において、駆動軸の当接部と第2移動規制部との間にクリアランスが形成され、該クリアランスが、上死点位置にあるピストンと弁・ポート形成体との間に形成されるクリアランスより狭くなるように構成されていることを特徴とするピストン式圧縮機である。
【0014】
この構成においては、駆動軸が第1移動規制部により移動規制された状態からスライド移動を開始し、その移動が当接部と第2移動規制部との当接により規制された状態となったとしても、この間の移動量(当接部と第2移動規制部との間の最大クリアランス)よりも余裕のあった、上死点位置にあるピストンと弁・ポート形成体との間のクリアランスが消滅してしまうことがない。従って、圧縮機の運転中においてピストンが上死点に位置する際に、弁・ポート形成体に衝突することを回避することができ、振動や騒音の発生及び両者の損傷等を防止することができる。
【0015】
請求項2の発明は、ハウジングには駆動軸の軸線方向へのスライド移動を当接規制する第1移動規制部及び第2移動規制部が設けられ、第1移動規制部はアーマチャがロータから離間する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制するとともに、第2移動規制部は駆動軸に設けられた当接部を受けて、アーマチャがロータに近接する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制する構成であって、前記駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態において、駆動軸の当接部と第2移動規制部との間にクリアランスが形成され、該クリアランスが、オフ状態にある電磁クラッチのロータとアーマチャとの間に形成されるクリアランスより狭くなるように構成されていることを特徴とするピストン式圧縮機である。
【0016】
この構成においては、駆動軸が第1移動規制部により移動規制された状態からスライド移動を開始し、その移動が当接部と第2移動規制部との当接により規制された状態となったとしても、この間の移動量(当接部と第2移動規制部との間の最大クリアランス)よりも余裕のあった、オフ状態にある電磁クラッチのロータとアーマチャとの間のクリアランスが消滅してしまうことがない。従って、電磁クラッチのオフ状態において、ロータとアーマチャとの摺動に基づく異音や振動の発生及び発熱を防止できるし、動力伝達が不必要に行われることも防止できる。
【0017】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記ハウジングには駆動軸の端部を収容する収容孔が形成され、この収容孔内において、ハウジングには第2移動規制部が設けられるとともに駆動軸には当接部が設けられていることを特徴としている。
【0018】
この構成においては、駆動軸の端部を収容するスペース(収容孔の内空間)を利用して、駆動軸の移動規制構造を構築することで、この移動規制構造を備えることでの圧縮機の大型化を防止することができる。
【0019】
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれかの発明において、前記第2移動規制部はハウジングと別部材の移動規制部材により提供されていることを特徴としている。
【0020】
この構成においては、各クリアランス間の関係設定は、移動規制部材のハウジングに対する組み付け位置を変更すればよく、現物合わせも容易である。
請求項5の発明は請求項4の発明において、前記移動規制部材は収容孔内に圧入固定されていることを特徴としている。
【0021】
この構成においては、ハウジングに対する移動規制部材の固定にボルト等の金具や接着剤を必要とせず、その組付けは例えば圧入治具を介して押さえ付けるのみの簡単な作業となる。また、移動規制部材の収容孔内での位置を圧入調節するのみの簡単な作業で、第2移動規制部の位置決めを行なうことができる。
【0022】
請求項6の発明は請求項5の発明において、前記移動規制部材はハウジングの材料と熱膨張係数が同等な材料により構成されていることを特徴としている。
この構成においては、ハウジングと移動規制部材との間に熱膨張量の差は殆ど生じることがなく、移動規制部材の締め代が変化することは殆どない。従って、締め代の増大により移動規制部材やハウジングにクラックが生じたりすることや、締め代の減少により移動規制部材が収容孔内で位置ずれを起こして、当接部と第2移動規制部との間の最大クリアランスが変化してしまうこと等を防止できる。
【0023】
請求項7の発明は請求項1〜6のいずれかの発明において、前記当接部は駆動軸と別部材の当接部材により提供されており、前記第2移動規制部は前記弁・ポート形成体以外の部分によって提供されていることを特徴としている。
【0024】
この構成においては、駆動軸とは別部材の当接部材と、弁・ポート形成体以外の部分によって提供された第2移動規制部との当接によって駆動軸のスライド移動が規制される。各クリアランス間の関係設定は、当接部材の駆動軸に対する組み付け位置を変更すればよく、現物合わせも容易である。
【0025】
請求項8の発明は請求項7の発明において、前記当接部材は駆動軸に圧入固定されていることを特徴としている。
この構成においては、駆動軸に対する当接部材の固定にボルト等の金具や接着剤を必要とせず、その組付けは例えば圧入治具を介して押さえ付けるのみの簡単な作業となる。また、当接部材の駆動軸に対する圧入具合を調節する簡単な作業で、当接部の位置決めを行なうことができる。
【0026】
請求項9の発明は請求項8の発明において、前記当接部材は駆動軸の材料と熱膨張係数が同等な材料により構成されていることを特徴としている。
この構成においては、駆動軸と当接部材との間に熱膨張量の差は殆ど生じることがなく、当接部材或いは駆動軸の締め代が変化することは殆どない。その結果、締め代の増大により当接部材や駆動軸にクラックが生じたりすることや、締め代の減少により当接部材が駆動軸に対して位置ずれを起こして、当接部と第2移動規制部との間の最大クリアランスが変化してしまうこと等を防止できる。
【0027】
請求項10の発明は請求項5に記載のピストン式圧縮機において、移動規制部材を貫通孔である収容孔内に駆動軸の挿入側とは反対側から圧入治具を用いて圧入するための組立方法であって、前記圧入治具には、押圧部とこの押圧部から突出したクリアランス管理部とが設けられ、クリアランス管理部は、移動規制部材の軸線方向の厚みに、駆動軸の当接部と第2移動規制部との間に形成されるクリアランスの最大量を加えた分だけ押圧部から突出されるとともに、移動規制部材にはクリアランス管理部の挿通を許容する挿通孔が形成されており、前記圧入治具の押圧部を介して移動規制部材を押圧するとともに、クリアランス管理部を介して駆動軸の当接部を押圧することで、駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態をもたらす位置にまで、移動規制部材を収容孔内で押し進めるようにしたことを特徴とするピストン式圧縮機の組立方法である。
【0028】
この構成においては、移動規制部材を収容孔内に圧入するのにあたり、この圧入に用いられる圧入治具は、移動規制部材を収容孔内で押し進めるための押圧部のみならず、当接部(駆動軸)を押圧するためのクリアランス管理部を備えている。従って、移動規制部材を収容孔に圧入する過程において、同時に駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態を作り出すことができる。その結果、例えば圧入治具とは別の手段によって、駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態を作り出す面倒がないし、さらにはクリアランス管理部の押圧部からの好適な突出高さによって、当接部と第2移動規制部との間の最大クリアランスの設定をも同時に行なうことができる。
【0029】
請求項11の発明は請求項8に記載のピストン式圧縮機において、収容孔内に配置された駆動軸に圧入治具を用いて当接部材を圧入するための組立方法であって、前記圧入治具には、クリアランス管理部とこのクリアランス管理から突出した押圧部とが設けられ、押圧部は当接部材の当接部と弁・ポート形成体が提供する第2移動規制部との間に形成されるクリアランスの最大量分だけクリアランス管理部から突出されており、前記圧入治具のクリアランス管理部がシリンダブロックに対して収容孔の開口周囲に当接される位置にまで、押圧部を介して当接部材を駆動軸に対して押し進めるようにしたピストン式圧縮機の組立方法。
【0030】
この構成においては、当接部材を駆動軸に圧入するのにあたり、この圧入に用いられる圧入治具は、当接部材を駆動軸に対して押し進めるための押圧部のみならず、押圧部の収容孔に対する進入量を規定するためのクリアランス管理部を備えている。従って、当接部材を駆動軸に圧入する過程において、同時に駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態を作り出すことができ、さらには押圧部のクリアランス管理部からの好適な突出高さによって、駆動軸の当接部と弁・ポート形成体の第2移動規制部との間の最大クリアランスの設定をも同時に行なうことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を車両用空調装置に用いられるピストン式の可変容量型斜板式圧縮機及びその組立方法に具体化した第1及び第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一部材には同じ番号を付して説明を省略する。
【0032】
(第1実施形態)
図1に示すように、フロントハウジング11はシリンダブロック12の前端に接合されている。シリンダブロック12はアルミニウム系の金属材料により構成されている。リヤハウジング13は、シリンダブロック12の後端に弁・ポート形成体14を介して接合されている。フロントハウジング11、シリンダブロック12及びリヤハウジング13は、通しボルト等によって締結固定され、圧縮機のハウジングを構成している。なお、図1の左方を圧縮機の前方とし、右方を後方とする。
【0033】
弁・ポート形成体14は、ポート形成板14aの前方側に吸入弁形成板14bが、後方側に吐出弁形成板14cが、吐出弁形成板14cの後方側にリテーナ形成板14dがそれぞれ重合されてなる。弁・ポート形成体14は、吸入弁形成板14bの前面を以ってシリンダブロック12の後端面12bに接合されている。
【0034】
クランク室15は、フロントハウジング11とシリンダブロック12との間で区画形成されている。駆動軸16はクランク室15を挿通するようにして配置され、フロントハウジング11とシリンダブロック12との間で回転可能に架設支持されている。駆動軸16は鉄系の金属材料により構成されている。駆動軸16の前端側は、フロントハウジング11にラジアルベアリング17を介して支持されている。収容孔12aはシリンダブロック12の中心部に貫設されている。駆動軸16の後端側は収容孔12a内に挿入され、ラジアルベアリング18を介して支持されている。
【0035】
駆動軸16の前端部は、フロントハウジング11の前壁を貫通して外部へ突出されている。動力伝達機構としての電磁クラッチ23は、外部駆動源としての車両のエンジンEgと駆動軸16との間に介在されている。この電磁クラッチ23のロータ24は、フロントハウジング11の外壁面にアンギュラベアリング25を介して回転可能に支持されている。エンジンEgからのベルト26は、ロータ24の外周に巻き掛けられている。弾性部材を兼ねるハブ27は駆動軸16の前端部に固定されるとともに、その外周側でアーマチャ28を弾性支持している。アーマチャ28は、フロントハウジング11と反対側でロータ24に対向配置されている。電磁コイル29は、フロントハウジング11の外壁面に支持されるとともに、ロータ24内に配置されている。
【0036】
そして、エンジンEgの起動状態にて、電磁コイル29が通電により励磁されると、アーマチャ28とロータ24との間には電磁吸引力が作用される。従って、アーマチャ28がハブ27の弾性力に抗して軸線L後方側へ移動してロータ24と圧接し、電磁クラッチ23がオン状態となる。このオン状態では、エンジンEgの駆動力が、ベルト26及び電磁クラッチ23を介して駆動軸16に伝達される(図1)。この状態から電磁コイル29が消磁されると、アーマチャ28がハブ27の弾性力によりロータ24から軸線L前方側へ離間されて、電磁クラッチ23がオフ状態となる。このオフ状態では、エンジンEgから駆動軸16への駆動力の伝達は遮断される(図2)。
【0037】
回転支持体30は、クランク室15において駆動軸16に固定されている。スラストベアリング20は、回転支持体30とフロントハウジング11の内壁面11aとの間に介在されている。カムプレートとしての斜板31は、駆動軸16に傾動可能でかつ駆動軸16の軸線L方向にスライド移動可能に支持されている。ヒンジ機構32は回転支持体30と斜板31との間に介在されている。斜板31は、回転支持体30に対するヒンジ機構32を介したヒンジ連結により、駆動軸16と一体回転可能でかつ軸線Lに対する傾斜角度(軸線Lと直交する平面との間でなす角度)を変更可能である。
【0038】
最小傾斜角度規定部34は、駆動軸16において斜板31とシリンダブロック12との間に配設されている。最小傾斜角度規定部34は、リング状の部材が駆動軸16の外周面に外嵌固定されてなる。図1において二点鎖線で示すように、斜板31の最小傾斜角度は、最小傾斜角度規定部34との当接により規定される。図1において実線で示すように、斜板31の最大傾斜角度は、回転支持体30との当接により規定される。
【0039】
複数(図面においては一つのみ示す)のシリンダボア33は、シリンダブロック12において収容孔12aの周りに軸線L方向へ貫通形成されている。片頭型のピストン35は、各シリンダボア33に往復動可能に収容されている。図面に示すピストン35は上死点に位置した状態にある。シリンダボア33内には、ピストン35の先端面と弁・ポート形成体14(吸入弁形成板14b)の前面とで前後が閉塞されることで、冷媒ガスの圧縮のための空間が区画されている。ピストン35は、シュー36を介して斜板31の外周部に係留されている。そして、駆動軸16の回転運動は、回転支持体30及びヒンジ機構32を介して斜板31に伝達され、この斜板31の回転運動から前後揺動のみがシュー36を介して取り出されてピストン35に伝達され、ピストン35がシリンダボア33において往復運動される。
【0040】
吸入圧力領域としての吸入室37は、リヤハウジング13の中央部に区画形成されている。吐出圧力領域としての吐出室38は、リヤハウジング13において吸入室37の外周側に区画形成されている。吸入室37及び吐出室38は、それぞれ弁・ポート形成体14を介して各シリンダボア33に隣接されている。吸入ポート39及び吐出ポート40は、弁・ポート形成体14のポート形成板14aにおいて、各シリンダボア33に対応して形成されている。吸入弁41は、吸入弁形成板14bにおいて吸入ポート39に対応して形成されている。吐出弁42は、吐出弁形成板14cにおいて吐出ポート40に対応して形成されている。リテーナ43は、リテーナ形成板14dにおいて吐出弁42に対応して形成されている。リテーナ43は吐出弁42の最大開度を規定するためのものである。
【0041】
そして、吸入室37の冷媒ガスは、ピストン35の上死点位置から下死点側への移動により、吸入ポート39及び吸入弁41を介してシリンダボア33(圧縮室)へ吸入される。シリンダボア33に吸入された冷媒ガスは、ピストン35の下死点位置から上死点側への移動により所定の圧力にまで圧縮された後、吐出ポート40及び吐出弁42を介して吐出室38へ吐出される。
【0042】
ピストン35に作用する冷媒ガスの圧縮荷重は、シュー36、斜板31、ヒンジ機構32、回転支持体30及びスラストベアリング20を介して、フロントハウジング11の内壁面11aによって受けられる。つまり、この圧縮荷重の作用による、駆動軸16、斜板31、回転支持体30及びピストン35等の一体物の軸線L前方側へのスライド移動は、回転支持体30及びスラストベアリング20を介して、フロントハウジング11の内壁面11aによって当接規制される。従って本実施形態においては、フロントハウジング11の内壁面が第1移動規制部11aをなしている。
【0043】
給気通路44は吐出室38とクランク室15を連通する。抽気通路45はクランク室15と吸入室37を連通する。容量制御弁46は給気通路44上に配設されている。容量制御弁46としては、給気通路44を開閉する弁体46aと、この弁体46aを外部からの電気制御によって動作させる電気駆動部46bと、開度を大きくする方向に弁体46aを付勢する開放バネ46cとを備えた電磁式のものが採用されている。この容量制御弁46の特性としては、電気駆動部46bへの電力供給量が多くなると、弁体46aは開放バネ46cに抗して給気通路44の開度を小さくするように動作される。逆に電気駆動部46bへの電力供給量が少なくなると、弁体46aは開放バネ46cによって給気通路44の開度を大きくするように動作され、さらには電気駆動部46bへの電力供給が停止されると、弁体46aは開放バネ46cによって給気通路44を全開する。
【0044】
このように、容量制御弁46によって給気通路44の開度を調節することで、クランク室15への高圧な吐出冷媒ガスの導入量が調節され、抽気通路45を介した冷媒ガスの吸入室37への逃がし量との関係から、クランク室15の圧力が変更される。従って、クランク室15の圧力とシリンダボア33の圧力とのピストン35を介した差が変更され、斜板31の傾斜角度が変更される。その結果、ピストン35のストローク量が変更されて、吐出容量が調節される。
【0045】
例えば、クランク室15の圧力が上昇してシリンダボア33の圧力とのピストン35を介した差が大きくなると、斜板31の傾斜角度が減少して圧縮機の吐出容量は減少される。逆にクランク室15の圧力が低下してシリンダボア33の圧力との差が小さくなると、斜板31の傾斜角度が増大して圧縮機の吐出容量は増大される。
【0046】
さて、上記構成の圧縮機においては、電磁クラッチ23がオフされると容量制御弁46への電力供給もほぼ同時に停止され、容量制御弁46は給気通路44を全開することとなる。従って、圧縮機は電磁クラッチ23のオフ後、速やかに斜板31の傾斜角度を最小とし、次回の電磁クラッチ23のオンがオフから間もなく行われたとしても、圧縮機の起動は負荷トルクの最も少ない最小吐出容量状態からとなる。よって、圧縮機の起動時に生じるショックは緩和される。
【0047】
また、車両が急加速状態へ移行しようとすると(例えばアクセルペダルが大きく踏み込まれると)、冷房負荷に関係なく容量制御弁46への電力供給が停止されて、圧縮機は最小吐出容量状態となる(加速カット)。従って、エンジンEgの圧縮機駆動負荷が軽減されて、車両の鋭い加速状態を得ることができる。
【0048】
なお、加速カットは、電磁クラッチ23をオフ状態とすることでも達成できる。しかし、加速カットを電磁クラッチ23の制御によって行なう場合には、この電磁クラッチ23のオン・オフショックを伴って、車両のドライバビリティが悪化する問題を生じる。従って、上述したように、加速カットを圧縮機の最小吐出容量状態にて達成することは、車両のドライバビリティの悪化の問題を解消できる利点がある。
【0049】
次に、本実施形態の特徴的な構成について説明する。
図1及び図2に示すように、移動規制部材51は軸線Lを中心とした円柱状をなし、シリンダブロック12の収容孔12a内に圧入固定されている。移動規制部材51は中央部に挿通孔51cを備えている。この移動規制部材51において、収容孔12a内で駆動軸16の後端面16aと対向する前端面が第2移動規制部51aをなし、この駆動軸16の後端面が当接部16aをなしている。移動規制部材51は、シリンダブロック12を構成する材料(アルミニウム系の金属材料)と熱膨張係数が同等でかつ、駆動軸16を構成する材料(鉄系の金属材料)とは異種の材料により構成されている。例えば、アルミニウム系やこのアルミニウム系と熱膨張係数が近い真鍮系の金属材料である。図2において拡大円中に示すように、移動規制部材51の第2移動規制部51aには、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなるコートや、スズ等からなるメッキの耐摩耗性被膜51bが形成されている。
【0050】
そして、図2に示すように、移動規制部材51の収容孔12a内での配置位置は、次のような関係が成立するように調節されている。駆動軸16のスライド移動が、回転支持体30と第1移動規制部11aとの当接により規制された状態において、駆動軸16の当接部16aと移動規制部材51の第2移動規制部51aとの間に形成されるクリアランスX1が、上死点位置にあるピストン35の先端面とそれに対向する弁・ポート形成体14(吸入弁形成板14b)の前面との間に形成されるクリアランスX2、及びオフ状態にある電磁クラッチ23のロータ24とアーマチャ28との間に形成されるクリアランスX3より狭くなる。なお、例えば、クリアランスX1は0.1mm程度、クリアランスX2は0.3mm程度、クリアランスX3は0.5mm程度であって、図面においては各クリアランスX1〜X3を誇張して描いてある。
【0051】
次に、上記構成の圧縮機の組立方法、特に移動規制部材51を圧入治具61を用いてシリンダブロック12の収容孔12aに対して圧入する手順について説明する。
【0052】
図3は、電磁クラッチ23、リヤハウジング13及び弁・ポート形成体14の組付け前の圧縮機の要部を拡大して示す。つまり図3は、電磁クラッチ23、リヤハウジング13及び弁・ポート形成体14が組み付けられていないこと以外は、図2と同様な状態となっている。この状態で収容孔12aは、駆動軸16の挿入側とは反対(後方)側で外方に開放されている。この開放側から移動規制部材51が収容孔12a内に圧入される。
【0053】
図3(a)に示すように、圧入治具61は収容孔12aよりも小径な円柱状をなし、その前端面には押圧部61aとこの押圧部61aの中央から突出した小円柱状のクリアランス管理部61bとが設けられている。クリアランス管理部61bは、移動規制部材51の軸線L方向の厚みYに、当接部16aと第2移動規制部51aとの間に設定する最大量のクリアランスX1、言い換えれば駆動軸16のスライド移動許容量を加えた分だけ押圧部61aから突出されている。
【0054】
そして、図3(b)に示すように、圧入治具61の押圧部61aを介して移動規制部材51の後端面を押圧するとともに、移動規制部材51の挿通孔51cに挿通されたクリアランス管理部61bを介して当接部16a(駆動軸16)を前方側へ押圧することで、駆動軸16のスライド移動が回転支持体30と第1移動規制部11aとの当接により規制された状態をもたらす位置にまで、移動規制部材51を収容孔12a内で押し進める。従って、駆動軸16のスライド移動が第1移動規制部11aにより当接規制された状態となれば、この状態でのクリアランス管理部61bの移動規制部材51(第2移動規制部51a)からの突出高さが、当接部16aと第2移動規制部51aとの間に所定のクリアランスX1を確保することになる。
【0055】
次に本実施形態の特徴的な作用について説明する。
例えば、上述したような電磁クラッチ23のオフや加速カットが、圧縮機の最大吐出容量状態から行われると、容量制御弁46は全閉状態にある給気通路44を急激に全開することになる。従って、吐出室38の高圧な吐出冷媒ガスが急激にクランク室15へ供給され、抽気通路45が冷媒ガスの急激な流入分を逃がしきらないことから、クランク室15の圧力が急激に上昇する。クランク室15の圧力が急激に上昇すると、このクランク室15の圧力が過大に上昇したり、斜板31が傾斜角度を減少させる勢いが過大となったりする。その結果、傾斜角度を最小とした斜板31(図1において二点鎖線で示す)が最小傾斜角度規定部34に過大な力で押し付けられたり、ヒンジ機構32を介して回転支持体30をリヤ側に強く引っ張ることになる。このため、駆動軸16が軸線L後方側に向かう強い移動力を受けてスライド移動してしまう。
【0056】
しかし、駆動軸16が、回転支持体30及びスラストベアリング20を介して第1移動規制部11aにより移動規制された状態から軸線L後方側へのスライド移動を開始し、その移動が当接部16aと移動規制部材51の第2移動規制部51aとの当接により規制された状態となったとしても、この間の移動量つまりクリアランスX1よりも余裕のあった、上死点位置にあるピストン35と弁・ポート形成体14との間のクリアランス(最大量X2)、及びオフ状態にある電磁クラッチ23のロータ24とアーマチャ28との間のクリアランス(最大量X3)が消滅してしまうことがない。従って、圧縮機の運転中において、ピストン35が上死点に位置する際に弁・ポート形成体14に衝突することを回避することができ、それに起因した振動や騒音の発生及び両者14,35の損傷等を防止することができる。また、電磁クラッチ23のオフ状態においても、ロータ24とアーマチャ28との摺動に基づく異音や振動の発生及び発熱を防止できるし、動力伝達が不必要に行われることも防止できる。
【0057】
上記構成の本実施形態においては、次のような効果を奏する。
(1)駆動軸付勢バネ113(図7参照)を備えていなくとも、駆動軸16の軸線L後方側へのスライド移動に伴う種々の問題を解決することができる。従って、駆動軸付勢バネ113を備えた場合に生じる、この荷重を受承することになるスラストベアリング20の耐久性の低下や、このスラストベアリング20における圧縮機の動力損失の増大といった問題を解消することができる。圧縮機の動力損失の低減は、車両(エンジンEg)の燃料消費量に好影響を与える。また、駆動軸付勢バネ113を削除できることは、それに付随する構成、例えば駆動軸16との間での動力伝達を遮断するベアリング等を削除でき、構成の簡素化を図り得る。
【0058】
(2)駆動軸16の後端部を収容するスペース(収容孔12aの内空間)を利用して駆動軸16の移動規制構造を構築することで、この移動規制構造を備えることでの圧縮機の大型化を防止することができる。
【0059】
(3)当接部16aとして駆動軸16の後端面を利用しており、駆動軸16の移動規制構造の簡素化がなされている。
(4)例えばシリンダブロック12に第2移動規制部51aを一体成形する場合には、このシリンダブロック12(第2移動規制部51a)の仕上げ研削等を現物合わせで行なって、クリアランスX1とクリアランスX2,X3の関係(X1<X2,X3)を設定することになり、その作業が面倒となる。しかし、本実施形態において第2移動規制部51aは、シリンダブロック12と別部材である移動規制部材51により提供されている。従って、クリアランスX1とクリアランスX2,X3の関係設定は、移動規制部材51のシリンダブロック12(収容孔12a)に対する位置を変更すればよく、現物合わせも容易である。
【0060】
(5)移動規制部材51はシリンダブロック12の収容孔12a内に圧入固定されている。従って、シリンダブロック12に対する移動規制部材51の固定にボルト等の金具や接着剤を必要とせず、その組付けは圧入治具61を介して押さえ付けるのみの簡単な作業となる。また、第2移動規制部51aの位置決めも、移動規制部材51の収容孔12a内での位置を圧入調節する簡単な作業となる。
【0061】
ここで、例えば移動規制部材51を、収容孔12a内にねじ込んで固定することも本発明の趣旨を逸脱するものではない。この構成の場合、第2移動規制部51aの位置決めは、収容孔12aに対する移動規制部材51のねじ込み量の調節によって行われることになる。しかしこの構成では、移動規制部材51が回転する駆動軸16(当接部16a)との圧接により回転力を受けてネジ回され、第2移動規制部51aの収容孔12a内での位置がずれてクリアランスX1が変化してしまう可能性がある。このような問題も、移動規制部材51を収容孔12aに圧入固定する構成を採用することで解消できる。
【0062】
(6)移動規制部材51は、それが圧入されるシリンダブロック12の材料(アルミニウム系の金属材料)と熱膨張係数が同等な材料(アルミニウム系又は真鍮系の金属材料)により構成されている。従って、シリンダブロック12と移動規制部材51との間に熱膨張量の差は殆ど生じることがなく、移動規制部材51の締め代が殆ど変化することはない。その結果、締め代の増大により移動規制部材51やシリンダブロック12にクラックが生じたりすることや、締め代の減少により移動規制部材51(第2移動規制部51a)が収容孔12a内で位置ずれを起こしてクリアランスX1が変化してしまうこと等を防止できる。
【0063】
(7)移動規制部材51は、その第2移動規制部51aに摺動することがある駆動軸16(当接部16a)の材料(鉄系の金属材料)と異なる材料(アルミニウム系又は真鍮系の金属材料)により構成されている。従って、駆動軸16と同種の金属材料により構成した場合と比較して、両者16a,51aの摺接に基づく焼き付きが生じ難くなっている。
【0064】
(8)移動規制部材51において第2移動規制部51aには、耐摩耗性被膜51bが形成されている。従って、駆動軸16(当接部16a)との摺動による第2移動規制部51aの摩耗劣化、ひいてはクリアランスX1の増大を防止することができ、長期に渡ってピストン35と弁・ポート形成体14との衝突防止効果や、電磁クラッチ23のオフ状態でのロータ24とアーマチャ28との摺動防止効果を奏することができる。
【0065】
(9)電磁式の容量制御弁46は、例えば圧縮機の内部情報である吸入圧力に感応しこの吸入圧力を所定値に維持するように内部自律動作される感圧弁と比較して、最大吐出容量から最小吐出容量への急激な容量変更、つまり、クランク室15が急激に上昇されるような制御が行われることがある(電磁クラッチ23のオフ時の対応や加速カット)。このような容量制御弁46を備えた圧縮機において本発明を具体化することは、その効果を奏するのに特に有効となる。
【0066】
(10)容量制御弁46は、給気通路44を開閉することで、高圧な吐出冷媒ガスのクランク室15への流入量を調節して圧縮機の吐出容量を調節する。従って、例えば、抽気通路45のみを開閉して、クランク室15から吸入室37への冷媒ガス(吐出冷媒ガスより低圧)の流出量を調節することで圧縮機の吐出容量を調節する構成と比較して、クランク室15を速やかに昇圧させることができる。従って、加速カットや電磁クラッチ23がオフされた場合、速やかに吐出容量を最小とすることができる。別の見方をすれば、容量制御弁46が抽気通路45のみを開閉して吐出容量を調節する場合と比較して、クランク室15の圧力が急上昇される問題が生じ易く、このような容量制御構成を備えた圧縮機において本発明を具体化することは、その効果を奏するのに特に有効となる。
【0067】
(11)移動規制部材51を収容孔12aに圧入するのにあたり、この圧入に用いられる圧入治具61は、移動規制部材51を収容孔12a内で押し進めるための押圧部61aのみならず、駆動軸16(当接部16a)を押圧するためのクリアランス管理部61bを備えている。従って、移動規制部材51を収容孔12aに圧入する過程において、同時に駆動軸16のスライド移動が第1移動規制部11aにより当接規制された状態を作り出すことができる。その結果、例えば圧入治具61とは別の手段によって、駆動軸16のスライド移動が第1移動規制部11aにより当接規制された状態を作り出す面倒がないし、さらにはクリアランス管理部61bの押圧部61aからの好適な突出高さによってクリアランスX1の設定をも同時に行なうことができる。
【0068】
(第2実施形態)
図4に示すように本実施形態においては、当接部53aが駆動軸16と別部材の当接部材53によって提供されるとともに、第2移動規制部14eが弁・ポート形成体14によって提供されている点が上記第1実施形態とは異なる。
【0069】
すなわち、円筒状をなす当接部材53は、駆動軸16の後端部に形成された小径部16bに外嵌圧入されている。この当接部材53の後端面が当接部53aをなし、この当接部53aに収容孔12a内で対向する弁・ポート形成体14(吸入弁形成板14b)の前面が第2移動規制部14eをなしている。当接部材53は駆動軸16の材料(鉄系の金属材料)と熱膨張係数が同等な材料(例えば鉄系の金属材料)により構成されている。図4の拡大円中に示すように、当接部材53の当接部53aには、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなるコートや、スズ等からなるメッキの耐摩耗性被膜53bが形成されている。
【0070】
さて、図5(a)及び図5(b)においては、駆動軸16に当接部材53を圧入する際に用いられる圧入治具63を示している。この圧入治具63は、収容孔12aよりも大径な円柱状をなし、その前端面にはクリアランス管理部63aと、このクリアランス管理部63aの内周側で突出した収容孔12aよりも小径な押圧部63bとが設けられている。押圧部63bは、駆動軸16の当接部53aと弁・ポート形成体14の第2移動規制部14eとの間に設定する最大量のクリアランスX1分だけクリアランス管理部63aから突出されている。
【0071】
そして、図5(b)に示すように、圧入治具63のクリアランス管理部63aが、シリンダブロック12の後端面12bに対して収容孔12aの開口周囲に当接されるまで、押圧部63bを介して当接部53aを押圧することで、当接部材53を駆動軸16に対して押し進める。従って、駆動軸16のスライド移動が第1移動規制部11aにより当接規制された状態がもたらされるとともに、押圧部63bのクリアランス管理部63aからの突出高さが、当接部53aと、シリンダブロック12の後端面12bを含む仮想平面(第2移動規制部14eが配置される面)との間に所定のクリアランスX1を設定することになる。
【0072】
本実施形態においても上記第1実施形態の(1)、(2)、(9)、(10)と同様な効果を奏する他、次のような効果も奏する。
(1)第2移動規制部14eとして、弁・ポート形成体14(吸入弁形成板14b)を利用しており、駆動軸16の移動規制構造の簡素化がなされている。
【0073】
(2)例えば駆動軸16に直接当接部53aを成形する場合には、この駆動軸16(当接部53a)の仕上げ研削等を現物合わせで行なって、クリアランスX1とクリアランスX2,X3の関係(X1<X2,X3)を設定することになり、その作業が面倒となる。しかし、本実施形態において当接部53aは、駆動軸16と別部材である当接部材53により提供されている。従って、クリアランスX1とクリアランスX2,X3の関係設定は、当接部材53の駆動軸16に対する組付け位置を変更すればよく、現物合わせも容易である。
【0074】
(3)当接部材53は駆動軸16の小径部16bに圧入固定されている。従って、駆動軸16に対する当接部材53の固定にボルト等の金具や接着剤を必要とせず、その組付けは圧入治具63を介して押さえ付けるのみの簡単な作業となる。また、当接部53aの位置決めも、当接部材53の駆動軸16に対する圧入具合を調節するのみの簡単な作業となる。
【0075】
ここで、例えば当接部材53を、駆動軸16にねじ込んで固定することも本発明の趣旨を逸脱するものではない。この構成の場合、当接部53aの位置決めは、当接部材53の駆動軸16に対するねじ込み量を調節することで行われる。しかしこの構成では、駆動軸16とともに回転する当接部材53が、固定側である第2移動規制部14eとの圧接により回転力を受けてネジ回され、当接部53aの駆動軸16に対する位置がずれてクリアランスX1が変化してしまう可能性がある。このような問題も、当接部材53を駆動軸16に圧入固定する構成を採用することで解消できる。
【0076】
(4)当接部材53は、それが圧入される駆動軸16の材料(鉄系の金属材料)と熱膨張係数が同等な材料(鉄系の金属材料)により構成されている。従って、駆動軸16と当接部材53との間に熱膨張量の差は殆ど生じることがなく、駆動軸16の締め代が殆ど変化することはない。その結果、締め代の増大により当接部材53や駆動軸16にクラックが生じたりすることや、締め代の減少により当接部材53(当接部53a)が駆動軸16に対して位置ずれを起こしてクリアランスX1が変化してしまうこと等を防止できる。
【0077】
(5)当接部材53において当接部53aには、耐摩耗性被膜53bが形成されている。従って、第2移動規制部14e(弁・ポート形成体14)との摺動による当接部53aの摩耗劣化、ひいてはクリアランスX1の増大を防止することができ、長期に渡ってピストン35と弁・ポート形成体14との衝突防止効果や、ロータ24とアーマチャ28との摺動防止効果を奏することができる。
【0078】
(6)当接部材53を駆動軸16に圧入組付けするのにあたり、この圧入に用いられる圧入治具63は、収容孔12a内において当接部材53を駆動軸16に対して押し進めるための押圧部63bのみならず、押圧部63bの収容孔12aに対する進入量を規定するためのクリアランス管理部63aを備えている。従って、当接部材53を駆動軸16に圧入する過程において、同時に駆動軸16のスライド移動が第1移動規制部11aにより当接規制された状態を作り出すことができ、さらには押圧部63bのクリアランス管理部63aからの好適な突出高さによってクリアランスX1の設定をも同時に行なうことができる。
【0079】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下の態様でも実施できる。
○図6に示すように上記第2実施形態を変更し、当接部材53を駆動軸16の後端面に形成された収容凹部16cに圧入固定すること。
【0080】
○最小傾斜角度規定部34を当接部とし、それにクランク室15で対向するシリンダブロック12の内壁面が第2移動規制部として機能するように構成すること。つまり、駆動軸16の軸線L後方側への移動規制構造は、上記各実施形態のように駆動軸16の端部付近で構築することに限定されるものではない。
【0081】
○移動規制部材51(第2実施形態では当接部材53)を設けず、駆動軸16の弁・ポート形成体14側の端部を直接的に弁・ポート形成体14に当接させることで該駆動軸16の軸線方向へのスライド移動を規制するように構成すること。
【0082】
○上記第1実施形態において、駆動軸16の当接部16aにも耐摩耗性被膜を形成すること。上記第2実施形態において、弁・ポート形成体14の第2移動規制部14eにも耐摩耗性被膜を形成すること。
【0083】
○耐摩耗性付与処理としては、上記各実施形態のような耐摩耗性被膜51b,53bを形成すること以外にも、軟窒化処理や、銅溶射等の金属溶射が挙げられる。
【0084】
○エンジンEgとの間の動力伝達機構にクラッチレスタイプのものを採用すること。この場合、エンジンEgの稼動時には、常に駆動軸16が回転駆動されることになる。
【0085】
○ワッブルタイプの可変容量型圧縮機において具体化すること。
○斜板31が駆動軸16に直接固定された固定容量型圧縮機において具体化すること。この固定容量型圧縮機においても、例えば電磁クラッチ23のオフ状態において、車両の傾きや振動等を受けて駆動軸16がスライド移動することはある。つまり、駆動軸16がスライド移動する要因は、クランク室15の圧力変動ばかりではない。その対策としても本発明は有効である。
【0086】
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記第2移動規制部51a,14e及び当接部16a,53aの少なくとも一方には耐摩耗性付与処理(51b,53b)が施されている請求項1〜10のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
【0087】
(2)前記第2移動規制部51aと当接部16aは異なる材料により構成されている請求項1〜9、前記(1)のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
(3)前記カムプレート31は駆動軸16に傾斜角度を変更可能に連結され、クランク室15の圧力を調節することでカムプレート31の傾斜角度を変更して吐出容量を調節可能な構成である請求項1〜9、前記(1)又は(2)のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
【0088】
(4)前記クランク室15の圧力調節は、電磁式の容量制御弁46によって行われる前記(3)に記載のピストン式圧縮機。
【0089】
【発明の効果】
上記構成の本発明によれば、駆動軸付勢バネを備えなていなくとも、駆動軸の軸線方向へのスライド移動に伴う種々の問題を解決することができる。従って、駆動軸付勢バネを備えた場合に生じる、このバネ荷重を受けることとなるスラストベアリングの耐久性の低下や、このスラストベアリングにおける圧縮機の動力損失の増大といった種々の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変容量型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 要部拡大断面図。
【図3】 圧縮機の組立手順を説明する図。
【図4】 第2実施形態を示す要部拡大断面図。
【図5】 圧縮機の組立手順を説明する図。
【図6】 別例を示す要部拡大断面図。
【図7】 従来の可変容量型斜板式圧縮機の断面図。
【符号の説明】
11…ハウジングを構成するフロントハウジング、11a…第1移動規制部、12…ハウジングを構成するシリンダブロック、13…同じくリヤハウジング、14…弁・ポート形成体、15…クランク室、16…駆動軸、16a…当接部、23…電磁クラッチ、24…ロータ、27…弾性部材としてのハブ、28…アーマチャ、29…電磁コイル、31…カムプレートとしての斜板、33…シリンダボア、35…ピストン、39…吸入ポート、40…吐出ポート、41…吸入弁、42…吐出弁、51a…第2移動規制部、X1〜X3…クリアランス。

Claims (11)

  1. ハウジングにはクランク室が形成されるとともにクランク室を挿通するようにして駆動軸が回転可能に支持され、ハウジングの一部を構成するシリンダブロックにはシリンダボアが形成され、クランク室に配置されるように駆動軸に最小傾斜角度規定部が設けられ、該最小傾斜角度規定部によって最小傾斜角度が規定されるカムプレートが駆動軸に一体回転可能に連結され、シリンダボアにはカムプレートに連結された片頭型のピストンが往復動可能に収容され、ハウジングにはシリンダボアに対応した吸入ポート、吸入弁、吐出ポート及び吐出弁を有する弁・ポート形成体が、シリンダボアを閉塞するようにして装着されてなるピストン式圧縮機において、
    前記ハウジングには駆動軸の軸線方向へのスライド移動を当接規制する第1移動規制部及び第2移動規制部が設けられ、第1移動規制部はピストンが弁・ポート形成体から離間する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制するとともに、第2移動規制部は駆動軸に設けられた当接部を受けて、ピストンが弁・ポート形成体に近接する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制する構成であって、
    前記駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態において、駆動軸の当接部と第2移動規制部との間にクリアランスが形成され、該クリアランスが、上死点位置にあるピストンと弁・ポート形成体との間に形成されるクリアランスより狭くなるように構成されたピストン式圧縮機。
  2. ハウジングにはクランク室が形成されるとともにクランク室を挿通するようにして駆動軸が回転可能に支持され、ハウジングの一部を構成するシリンダブロックにはシリンダボアが形成され、クランク室に配置されるように駆動軸に最小傾斜角度規定部が設けられ、該最小傾斜角度規定部によって最小傾斜角度が規定されるカムプレートが駆動軸に一体回転可能に連結され、シリンダボアにはカムプレートに連結された片頭型のピストンが往復動可能に収容され、ハウジングにはシリンダボアに対応した吸入ポート、吸入弁、吐出ポート及び吐出弁を有する弁・ポート形成体が、シリンダボアを閉塞するようにして装着され、ハウジングの外方には外部駆動源と駆動軸とを作動連結する電磁クラッチが配設されてなり、この電磁クラッチはハウジングに回転可能に支持されたロータと、駆動軸に弾性部材を介して一体回転可能に連結されハウジングとは反対側でロータに対向配置されたアーマチャと、アーマチャを弾性部材の弾性力に抗してロータ側に電磁吸引することで両者を動力伝達可能に連結する電磁コイルとを備えているピストン式圧縮機において、
    前記ハウジングには駆動軸の軸線方向へのスライド移動を当接規制する第1移動規制部及び第2移動規制部が設けられ、第1移動規制部はアーマチャがロータから離間する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制するとともに、第2移動規制部は駆動軸に設けられた当接部を受けて、アーマチャがロータに近接する方向への駆動軸のスライド移動を当接規制する構成であって、
    前記駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態において、駆動軸の当接部と第2移動規制部との間にクリアランスが形成され、該クリアランスが、オフ状態にある電磁クラッチのロータとアーマチャとの間に形成されるクリアランスより狭くなるように構成されたピストン式圧縮機。
  3. 前記ハウジングには駆動軸の端部を収容する収容孔が形成され、この収容孔内において、ハウジングには第2移動規制部が設けられるとともに駆動軸には当接部が設けられている請求項1又は2記載のピストン式圧縮機。
  4. 前記第2移動規制部はハウジングと別部材の移動規制部材により提供されている請求項1〜3のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
  5. 前記移動規制部材は収容孔内に圧入固定されている請求項4に記載のピストン式圧縮機。
  6. 前記移動規制部材はハウジングの材料と熱膨張係数が同等な材料により構成されている請求項5に記載のピストン式圧縮機。
  7. 前記当接部は駆動軸と別部材の当接部材により提供されており、前記第2移動規制部は前記弁・ポート形成体以外の部分によって提供されている請求項1〜6のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
  8. 前記当接部材は駆動軸に圧入固定されている請求項7に記載のピストン式圧縮機。
  9. 前記当接部材は駆動軸の材料と熱膨張係数が同等な材料により構成されている請求項8に記載のピストン式圧縮機。
  10. 請求項5に記載のピストン式圧縮機において、移動規制部材を貫通孔である収容孔内に駆動軸の挿入側とは反対側から圧入治具を用いて圧入するための組立方法であって、
    前記圧入治具には、押圧部とこの押圧部から突出したクリアランス管理部とが設けられ、クリアランス管理部は、移動規制部材の軸線方向の厚みに、駆動軸の当接部と第2移動規制部との間に形成されるクリアランスの最大量を加えた分だけ押圧部から突出されるとともに、移動規制部材にはクリアランス管理部の挿通を許容する挿通孔が形成されており、
    前記圧入治具の押圧部を介して移動規制部材を押圧するとともに、クリアランス管理部を介して駆動軸の当接部を押圧することで、駆動軸のスライド移動が第1移動規制部により当接規制された状態をもたらす位置にまで、移動規制部材を収容孔内で押し進めるようにしたピストン式圧縮機の組立方法。
  11. 請求項8に記載のピストン式圧縮機において、収容孔内に配置された駆動軸に圧入治具を用いて当接部材を圧入するための組立方法であって、
    前記圧入治具には、クリアランス管理部とこのクリアランス管理から突出した押圧部とが設けられ、押圧部は当接部材の当接部と弁・ポート形成体が提供する第2移動規制部との間に形成されるクリアランスの最大量分だけクリアランス管理部から突出されており、
    前記圧入治具のクリアランス管理部がシリンダブロックに対して収容孔の開口周囲に当接される位置にまで、押圧部を介して当接部材を駆動軸に対して押し進めるようにしたピストン式圧縮機の組立方法。
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