JP6883421B2 - スラストギャップ調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジングに回転自在に支持された回転軸に固装されてハウジングの内壁面にスラスト軸受を介して回転可能に支持される回転体を備える圧縮機などの回転体収容機器において、回転体の軸方向への移動可能量を適正に調整するためのスラストギャップ調整方法に関する。
例えば、ピストン型圧縮機は、特許文献1に示されるように、ハウジングに回転自在に支持される回転軸と、この回転軸に固装されると共にスラスト軸受を介してハウジングの内壁面に回転可能に支持される回転体(スラストフランジ)と、この回転体にリンク部材を介して連結された斜板と、斜板の周縁に係留され、該斜板の回転に伴いハウジングに形成されたシリンダボア内を往復動するピストンとを備えている。
このような回転軸に固装された回転体(スラストフランジ)をスラスト軸受を介してハウジングの内壁面に回転可能に支持する回転体収容機器(ピストン型圧縮機)においては、回転体の軸方向への移動可能量(スラストギャップ)を機器毎に適正量に調節する必要がある。この適正なスラストギャップによって、回転軸や回転体の良好な回転が維持され、また、回転体が過度に移動することが防止される。そこで、従来においては、回転軸の末端に当接可能な移動規制部材をハウジングに設け、この移動規制部材の固定位置を調節することで回転体の軸方向への移動可能量(スラストギャップ)を所定量に設定するようにしている。
例えば、前記文献1においては、移動規制部材を、回転軸の移動可能量を零とする基準位置までハウジングに圧入し、その後、圧入された移動規制部材の位置を、移動可能量が所定量となるように戻すことで、回転軸の移動可能量を所定量とする方法が提案されている。
特開2004−183609号公報
しかしながら、上述した従来のスラストギャップ調整方法においては、移動規制部材を移動可能量が零(スラストギャップが零)となるまで一旦押圧し、その後、移動規制部材を所定の移動可能量(所定のスラストギャップ)が得られるまで戻すものであるため、移動規制部材の圧入力が弱まる不都合が懸念される。
このため、スラストギャップを適正な値に設定できたとしても、移動規制部材のハウジングに対する固定状態が不十分となり、所定の移動可能量を確保することができなくなる不都合が懸念される。
また、移動規制部材を移動可能量が零(スラストギャップが零)となるまで一旦押圧するので、押圧時にスラスト軸受を過剰に押圧する恐れがあり、スラスト軸受を破損させる恐れもある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、回転体の移動可能量を調節する移動規制部材を、ハウジングに一旦押し入れた後に戻すことなく適正な位置に設置することができ、また、スラスト軸受を破損させる恐れがない回転体収容機器のスラストギャップ調整方法を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る回転体収容機器のスラストギャップ調整方法は、ハウジングに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に固装されると共にスラスト軸受を介して前記ハウジングの内壁面に回転可能に支持される回転体と、前記回転体に対して前記内壁面とは反対側に位置する前記回転軸の端部に軸方向で当接可能に前記ハウジングに固定される移動規制部材と、を有し、前記移動規制部材の位置を調節することで前記回転体の軸方向への移動可能量を所定量に規制する調整方法であって、前記回転体を前記ハウジングの内壁面に前記スラスト軸受を介して軸方向に変位しないように固定するステップと、前記回転体を軸方向に変位しないように固定した状態での前記回転軸の軸方向位置を基準位置に設定するステップと、前記回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように前記回転軸を前記基準位置から軸方向に所定の移動量変位させてその状態を保持するステップと、前記移動規制部材を前記回転軸の端部に軸方向で当接させて前記ハウジングに固定するステップと、を有することを特徴としている。
したがって、回転軸を回転体がハウジングの内壁面にスラスト軸受を介して軸方向に変位しないように固定される基準位置に移動させた後に、回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように回転軸を基準位置から所定の移動量変位させ、しかる後に、ハウジングに移動規制部材を回転軸の端部に軸方向で当接させてハウジングに固定するようにしたので、移動規制部材を、回転軸の端部に当接させる操作のみで、回転体の所定の移動可能量が確保できるハウジングの適正位置に固定することが可能となる。
ここで、移動規制部材をハウジングに固定するステップは、移動規制部材を回転軸の端部に軸方向で当接させる方向に前記ハウジングに押し込み、前記移動規制部材の押し込み荷重が急激に変化する位置で前記移動規制部材の押し込みを停止させて該移動規制部材を前記ハウジングに固定するようにしてもよい。
このような構成においては、回転軸を基準位置から所定の移動量変位させた後に、ハウジングに移動規制部材を押し込み、移動規制部材の押し込み荷重が急激に変化する位置で移動規制部材を停止させてハウジングに固定することができるので、回転体の所定の移動可能量を確保しつつ、移動規制部材を押し込む操作のみでハウジングの適正位置に固定することが可能となる。
このため、押し込んだ移動規制部材を戻すことが不要となるので、移動規制部材のハウジングに対する固定状態が不十分になる不具合を回避することが可能となる。また、移動規制部材を回転軸の端部に当接させる工程は(移動規制部材をハウジングに押し込む工程)は、回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように回転軸を基準位置から所定の移動量変位させた後であるので、当接時(押し込み時)にスラスト軸受に荷重がかかることはなく、スラスト軸受を破損させる恐れもなくなる。
ここで、回転軸を基準位置から移動させる所定の移動量は、前記回転体の指定された移動可能量に前記移動規制部材を取り付ける際に発生する前記ハウジングの歪み分を考慮した量であることが望ましい。
また、ハウジングに押し込まれる移動規制部材は、ハウジングに圧入によって取り付けられるものであっても、ハウジングにねじ込みによって取り付けられるものであってもよい。
上記スラストギャップ調整方法は、回転軸に固装された回転体をハウジングにスラスト軸受を介して回転可能に支持する回転体収容機器であれば、採用可能であり、例えば、ハウジングに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に固装されると共にスラスト軸受を介して前記ハウジングの内壁面に回転可能に支持される回転体と、この回転体にリンク部材を介して連結された斜板と、前記斜板の周縁に係留され、該斜板の回転に伴い前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復動するピストンと、前記ハウジングに固定される前記移動規制部材と、を備える圧縮機などに採用するとよい。
以上述べたように、本発明によれば、回転体をハウジングの内壁面にスラスト軸受を介して軸方向に変位しないように固定させ、その時の回転軸の位置を基準位置とし、その基準位置から回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように回転軸を軸方向に移動させ、しかる後に、移動規制部材を回転軸の端部に当接させてハウジングに固定するようにしたので、移動規制部材を回転軸の端部に当接させる操作のみで回転体の移動可能量を適切に設定することが可能となる。
したがって、回転体の所定の移動可能量を迅速かつ正確に設定することが可能となり、また、移動規制部材を戻す操作が不要となることから、移動規制部材の固定状態が不十分になる不都合を回避することが可能となる。
また、移動規制部材を回転体の端部に当接させる操作は、回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように回転軸を基準位置から所定の移動量変位させた後であるので、移動規制部材を回転軸の端部に当接させる際にスラスト軸受に荷重がかかることはなく、スラスト軸受を破損させる恐れもなくなる。
図1は、本発明に係る回転体収容機器としての圧縮機の構成例を示す断面図である。 図2は、圧縮機の回転体のスラストギャップを調節する手順を示す図であり、回転軸を第1の治具により後端から押してスラストギャップが零になるように回転軸を軸方向に変位させるステップを説明する図である。 図3は、圧縮機の回転体のスラストギャップを調節する手順の続きを示す図であり、スラストギャップが零の状態での回転軸の位置を基準位置として設定するステップを説明する図である。 図4は、圧縮機の回転体のスラストギャップを調節する手順の続きを示す図であり、回転体の軸方向への所定の移動可能量が得られるように回転軸を基準位置から第2の治具によって軸方向に変位させるステップを説明する図である。 図5は、圧縮機の回転体のスラストギャップを調節する手順の続きを示す図であり、回転軸を回転体の所定の移動可能量が得られるように移動させた状態で固定し、移動規制部材を回転軸の後端に当接するようにハウジングに固定するステップを説明する図である。 図6(a)は、移動規制部材をハウジング(シリンダブロック)に圧入して回転体の後端面に当接させる態様を説明する図、図6(b)は、移動規制部材をハウジング(シリンダブロック)に螺合して回転体の後端面に当接させる態様を説明する図である。 図7は、押し込み荷重の変化を説明する線図であり、(a)は、移動規制部材をハウジングに押し込み始めてからの変位量又は時間と第1の治具に作用する押し込み荷重との関係を示す線図、(b)は、移動規制部材をハウジングに押し込み始めてからの変位量又は時間と第2の治具に作用する押し込み荷重との関係を示す線図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、回転体収容機器の一例として、可変容量型の圧縮機1が示されている。この圧縮機1は、シリンダブロック2と、このシリンダブロック2のリア側にバルブプレート3を介して組み付けられたリアハウジング4と、シリンダブロック2のフロント側に組付けられ、シリンダブロック2と共にクランク室5を画成するフロントハウジング6とを有して構成されている。これらフロントハウジング6、シリンダブロック2、バルブプレート3、及び、リアハウジング4は、図示しない締結ボルトにより軸方向に締結されて圧縮機1のハウジング10を構成している。
フロントハウジング6とシリンダブロック2とによって画成されるクランク室5には、一端がフロントハウジング6のボス部から突出する回転軸7が収容されている。フロントハウジング6のボス部6aには、回転自在に図示しない駆動プーリが外嵌され、この駆動プーリに与えられる回転動力が、図示しないクラッチ板を介してボス部6aから突出した回転軸7に伝達されるようになっている。
また、この回転軸7の一端側は、フロントハウジング6との間に設けられたシール部材11を介してフロントハウジング6との間が気密よく封じられると共にラジアル軸受12にて回転自在に支持されている。回転軸7の他端側は、シリンダブロック2の略中央に形成された収容孔13に収容されるラジアル軸受14にて回転自在に支持されている。
シリンダブロック2には、前記収容孔13と、この収容孔13を中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア15とが形成されており、それぞれのシリンダボア15には、片頭ピストン20が往復摺動可能に挿入されている。
前記回転軸7には、クランク室5内において、該回転軸7と一体に回転する回転体としてのスラストフランジ16(回転体に相当)が固装されている。このスラストフランジ16は、回転軸7に対して略垂直に形成されたフロントハウジング6の内壁面6bにスラスト軸受17を介して回転自在に支持されている。そして、このスラストフランジ16には、リンク部材18を介して斜板21が連結されている。
斜板21は、回転軸7上に設けられたヒンジボール22を介して傾動可能に保持されているもので、スラストフランジ16の回転に同期して一体に回転するようになっている。これらスラストフランジ16と斜板21とによって回転軸7の回転に同期して回転する動力伝達機構が構成されている。そして、斜板21の周縁部分には、前後に設けられた一対のシュー23を介して片頭ピストン20の係留部20aが係留されている。
したがって、回転軸7が回転すると、これに伴って斜板21が回転し、この斜板21の回転運動がシュー23を介して片頭ピストン20の往復直線運動に変換され、シリンダボア15内においてピストン20とバルブプレート3とにより画成された圧縮室25の容積が変更されるようになっている。
バルブプレート3には、それぞれのシリンダボア15に対応して吸入孔26と吐出孔27とが形成され、また、リアハウジング4には、圧縮室25に供給する作動流体を収容する吸入室31と、圧縮室25から吐出した作動流体を収容する吐出室32とが画設されている。吸入室31は、蒸発器の出口側に通じる図示しない吸入口に連通すると共にバルブプレート3の吸入孔26を介して圧縮室25に連通可能となっている。また、吐出室32は、凝縮器の入口側に通じる図示しない吐出口に連通すると共にバルブプレート3の吐出孔27を介して圧縮室25に連通可能となっている。ここで、吸入孔26は、バルブプレート3のフロント側端面に設けられた吸入弁33によって開閉され、吐出孔27は、バルブプレート3のリア側端面に設けられた吐出弁34によって開閉されるようになっている。
この圧縮機1の吐出容量は、ピストン20のストロークによって決定され、このストロークは、ピストン20の前面にかかる圧力、即ち圧縮室25の圧力(シリンダボア内の圧力)と、ピストン20の背面にかかる圧力、即ちクランク室5内の圧力(クランク室圧)との差圧によって決定される。具体的には、クランク室5内の圧力を高くすれば、圧縮室25とクランク室5との差圧が小さくなるので、斜板21の傾斜角度(揺動角度)が小さくなり、このため、ピストン20のストロークが小さくなって吐出容量が小さくなり、逆に、クランク室5の圧力を低くすれば、圧縮室25とクランク室5との差圧が大きくなるので、斜板21の傾斜角度(揺動角度)が大きくなり、このため、ピストン20のストロークが大きくなって吐出容量が大きくなる。
そして、この例では、シリンダブロック2の収容孔13の回転軸7の後方に位置する部位に、回転軸7の移動可能量を所定量に当接規制してスラストフランジ16の軸方向への移動可能量を調整する移動規制部材30が固定されている。この例において、移動規制部材30は、収容孔13に圧入することにより固定されている。
移動規制部材30のハウジング10(シリンダブロック2の収容孔13)への最適な固定位置は、圧縮機1の各部品の寸法誤差等に起因して圧縮機毎で微妙に異なるので、スラストフランジ16の所望の移動可能量(スラストギャップ)を得るために、圧縮機毎に移動規制部材30の固定位置を調整する必要がある。
そこで、本発明においては、以下に示すように移動規制部材30のハウジング10に対する固定位置を決定するようにしている。
先ず、シリンダブロック2に、回転軸7、スラストフランジ16、リンク部材18、ヒンジボール22、斜板21、シュー23、及びピストン20によって構成される可動アセンブリ28を取り付け、この可動アセンブリ28が取り付けられたシリンダブロック2にフロントハウジング6を組み付け固定し、スラストフランジ16をフロントハウジング6の内壁面6bにスラスト軸受17を介して支持可能な状態とする。
その上で、図2に示されるように、第1の治具41をシリンダブロック2の収容孔13を介して回転軸7の末端(後端)に当接させ、この第1の治具41を所定の荷重で押して、スラストフランジ16の軸方向への移動可能量が零になるように回転軸7を前方に向かって(スラストフランジ16を内壁面6bに向かって)軸方向に変位させる(ステップ1)。
この際、第1の治具41を押す荷重は、可動アセンブリ28のスラストフランジ16がフロントハウジング6の内壁面6bにスラスト軸受17を介してしっかりと固定され、且つ、スラスト軸受17が破損しない程度の荷重とする。
次に、図3に示されるように、スラストフランジ16が軸方向に変位できなくなるまで(スラストフランジ16をフロントハウジング6の内壁面6bにスラスト軸受17を介して軸方向に押し付け、スラストフランジ16の軸方向への移動可能量が零となるまで)回転軸7を移動させた状態で、回転軸7のフロントハウジング6から突出した先端に第2の治具42を前方から軸方向に当接させ、その時の回転軸7の先端位置を測定し、この位置を基準位置に設定する(ステップ2)。
この回転軸7の先端位置の測定は、上述のように回転軸7の先端面に第2の治具42を当接させて行うようにしても、回転軸7の中心に設けられているセンタ穴7aを利用してもよい。
なお、ステップ2の第2の治具42による押し付け荷重は、ステップ1の押し付け荷重に対して、十分に小さく、スラストフランジ16の軸方向への移動が無いようにする必要がある。
その後に、図4に示されるように、ステップ1で押していた第1の治具41を一旦外し、ステップ2で回転軸7の先端に当接させた第2の治具42を押して、上述した基準位置から回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように回転軸7を後方に向かって軸方向に所定の移動量変位させる(ステップ3)。この際、第1の治具41を外さずに、第1の治具41を第2の治具と同方向に動かしてもよい。
回転軸を後方に向かって変位させる所定の移動量は、スラストフランジ16に要求される所定のスラストギャップに所定の調整分を加えた量である。この調整分は、次のステップ4において移動規制部材30を取り付ける作業で発生するハウジング10の歪分に相当する量であり、ハウジング10の歪の影響が無視てきる程度であれば加える必要はない。
以上の操作が完了した後に、図5に示されるように、回転軸7を所定の移動量だけ移動させた位置で第2の治具42を固定し、ステップ1で使用した第1の治具41に移動規制部材30を取り付け、図6(a)にも示されるように、この移動規制部材30をハウジング(シリンダブロック2)の収容孔13に挿入し、第1の治具41に荷重をかけて移動規制部材30を回転軸7の後端面に対して軸方向で当接させる方向に押し込む(圧入する)。
この際、移動規制部材30を収容孔13にゆっくり押し込み、それと同時に第1の治具41の押し込み荷重を計測する。
そして、図7(a)に示されるように、第1の治具41の押し込み荷重が急激に増加したことを検知した時点αで、移動規制部材30が第1の治具41と回転軸7とで挟み込まれた状態、即ち、移動規制部材30が回転軸7の後端に当接した状態であると判断し、第1の治具41による移動規制部材30の押し込みを停止する。
これにより、移動規制部材30は、収容孔13に圧入されているので、第1の治具41による押し込みを停止した時点でハウジング(シリンダブロック2)に固定される。
したがって、以上のスラストギャップ調整方法によれば、移動規制部材30を押し込む順方向の操作のみで移動規制部材30を最適位置に固定することが可能となるので、移動規制部材30を押し込んだ後に所望の移動可能量(スラストギャップ)が得られるように固定位置を調整する必要がなくなり、移動規制部材30の圧入状態を弱めることはなくなる。
また、移動規制部材30をハウジングの収容孔13に押し込む工程は、スラストフランジ16が軸方向で所定の移動可能量が得られるように回転軸7を基準位置から所定の移動量変位させた後であるので(ステップ3の後であるので)、移動規制部材30を回転体に当接させる際に(移動規制部材30の押し込み時に)スラスト軸受17に荷重がかかることはなく、スラスト軸受17を破損させる恐れもなくなる。
なお、上述した調整方法においては、移動規制部材30を圧入する例について説明したが、移動規制部材30を押し込む態様としてはこれに限定されるものではなく、図6(b)に示されるように、移動規制部材30をハウジングに螺合させて(収容孔13に螺合させて)回転軸7に当接させるものであってもよい。この際、移動規制部材は、回転軸7の後端に直接当接させるものでも、シム40を介して回転軸7の後端に当接させるようにしてもよい。
このような構成においては、移動規制部材30を取り付ける第1の治具41は、移動規制部材30と共に回転しながら進退する構成とし、第1の治具41の押し込み荷重(回転トルク)が急激に増加したことを検知した時点で、移動規制部材30を第1の治具41と回転軸7とで挟み込んだ状態、即ち、移動規制部材30が回転軸7の後端に当接した状態であると判断し、第1の治具41による移動規制部材30の押し込みを停止すればよい。
また、上述の例では、ステップ4の第1の治具41の押し込み荷重の変化が急激に大きくなった時に、移動規制部材30が回転軸7に当接して第1の治具41と回転軸7との間に挟み込まれたと判断して押し込み操作を停止させるようにしたが、図7(b)に示されるように、回転軸7の先端から当接させる第2の治具42の荷重の変化をモニタリングし、この荷重の変化が急激に大きくなった場合に同様の状態であると判断して押し込み操作を停止させるようにしてもよい。
さらに、以上の構成においては、押し込み荷重の変化を捉えて移動規制部材30のハウジングへの固定位置を決定するようにしたが、移動規制部材30が回転軸7の端部に当接したことを把握できる手法であれば、上記手法に限定されるものではなく、他の手法を採用してもよい。
さらにまた、上述のスラストギャップ調整方法は、回転体収容機器として可変容量型圧縮機を例にして説明したが、回転軸に取り付けられる回転体をスラスト軸受を介してハウジングに支持する他の回転体収容機器、例えば、固定容量型圧縮機などにおいても同様の調整方法を採用可能である。
1 圧縮機
6 フロントハウジング
6b 内壁面
7 回転軸
10 ハウジング
16 スラストフランジ
17 スラスト軸受
18 リンク部材
21 斜板
30 移動規制部材
41 第1の治具
42 第2の治具

Claims (6)

  1. ハウジングに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に固装されると共にスラスト軸受を介して前記ハウジングの内壁面に回転可能に支持される回転体と、前記回転体に対して前記内壁面とは反対側に位置する前記回転軸の端部に軸方向で当接可能に前記ハウジングに固定される移動規制部材と、を有し、前記移動規制部材の位置を調節することで前記回転体の軸方向への移動可能量を所定量に規制する回転体収容機器のスラストギャップ調整方法であって、
    前記回転体を前記ハウジングの内壁面に前記スラスト軸受を介して軸方向に変位しないように固定するステップと、
    前記回転体を軸方向に変位しないように固定した状態での前記回転軸の軸方向位置を基準位置に設定するステップと、
    前記回転体が軸方向で所定の移動可能量が得られるように前記回転軸を前記基準位置から軸方向に所定の移動量変位させてその状態を保持するステップと、
    前記移動規制部材を前記回転軸の端部に軸方向で当接させて前記ハウジングに固定するステップと、
    を有することを特徴とする回転体収容機器のスラストギャップ調整方法。
  2. 前記移動規制部材を前記ハウジングに固定するステップは、前記移動規制部材を前記回転軸の端部に軸方向で当接させる方向に前記ハウジングに押し込み、前記移動規制部材の押し込み荷重が急激に変化する位置で前記移動規制部材の押し込みを停止させて該移動規制部材を前記ハウジングに固定するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の回転体収容機器のスラストギャップ調整方法。
  3. 前記回転軸を前記基準位置から移動させる所定の移動量は、前記回転体の指定された移動可能量に前記移動規制部材を取り付ける際に発生する前記ハウジングの歪み分を考慮した量であることを特徴とする請求項1又は2記載の回転体収容機器のスラストギャップ調整方法。
  4. 前記移動規制部材は、前記ハウジングに圧入によって取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回転体収容機器のスラストギャップ調整方法。
  5. 前記移動規制部材は、前記ハウジングにねじ込みによって取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回転体収容機器のスラストギャップ調整方法。
  6. 前記回転体収容機器は、前記ハウジングに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に固装されると共にスラスト軸受を介して前記ハウジングの内壁面に回転可能に支持される回転体と、この回転体にリンク部材を介して連結された斜板と、前記斜板の周縁に係留され、該斜板の回転に伴い前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復動するピストンと、前記ハウジングに固定される前記移動規制部材と、を備える圧縮機であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の回転体収容機器のスラストギャップ調整方法。
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