JP4120030B2 - クランク角センサおよびエンジンの失火診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はクランク角センサやこのクランク角センサからの信号を用いるエンジンの失火診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リングギアに対向して磁気ピックアップを設けておき、燃焼行程に対応するリングギアの所定の歯数分を磁気ピックアップによりカウントした時間を計測し、この計測値TINTに基づいて失火したかどうかの診断を行うものがある(特開平4−113244号公報、特開平4−101071号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来装置では、1番気筒REF信号の入力よりリングギアPOS信号(磁気ピックアップにより得られるパルスのこと)をカウントし、そのカウント値が所定数CRING1と一致したタイミングでリングギアPOS基準信号を出力(このリングギアPOS基準信号の出力されるタイミングが計測開始点)してTINTの計測を開始する(図4参照)。
【0004】
この場合、リングギアPOS基準信号の出力タイミングでの上記カウント値を位相差計測値RGPHS(図4では5)として求め、この値に基づいて1番気筒REF信号とリングギアPOS信号の位相差に異常があるかどうかを判定するのでは、異常判定の精度が不十分となっている。
【0005】
たとえば、エンジンが正常な場合でも、1番気筒REF信号とリングギアPOS信号とは完全に同期しているわけでなく(たとえばREF信号を出す磁気ピックアップがカム軸に対向して取り付けられているとき)、リングギアPOS信号に対する1番気筒REF信号の入力タイミングがばらつくため、1番気筒REF信号の後に入るはずのリングギアPOS信号が先に入ることがあり、これによって位相計測値RGPHSは正常な状態でも1カウント(つまり1歯分)ばらつく。これに対して、1番気筒REF信号とリングギアPOS信号とが完全に同期したとしても、リングギアPOS信号の代わりにノイズをカウントしてしまったり、リングギアPOS信号を読み飛ばしたりすることでも1カウントずれる。したがって、整数値である上記の位相計測値RGPHSに基づくのでは、ノイズをカウントしてしまったり、信号を読み飛ばしたりして1カウントずれた場合と正常な状態の場合とを見分けることができないのである。
【0006】
これをさらに詳述する。図4の例ではRGPHS=5となっているが、実際のRGPHSの波形をみると、図5に示したように、歯ずれがない場合でも5にずっととどまるわけでなく、たびたび6にもなっている。一方、途中で1歯ずれた場合は、わかりやすくするため7にいる機会を多くして描いているが、実際には1歯ずれた状態で6の位置に張り付くこともあり(一点鎖線参照)、この場合に歯ずれがない場合と途中で1歯ずれた場合の区別を付けるのは困難である。
【0007】
なお、リングギアPOS信号を1つ読み飛ばすと(1つの歯欠けがある場合も同じ)、正常な状態の場合よりTINT計測開始点がリングギア1歯分だけ遅くなる。この状態をRGPHSが1増えた状態で表している。この逆に、ノイズを1つ誤カウントしたときには、正常な状態の場合よりTINT計測開始点がリングギア1歯分だけ早くなり、RGPHSが1減ることになる。
【0008】
そこで本発明は、REF信号の入力よりその後の所定位置のリングギアPOS信号の入力までの位相差を時間単位で計測し、この位相差時間計測値とリングギア1歯分に要する時間との比較値に基づいてREF信号とリングギアPOS信号との位相差に異常があるかどうかを判定することにより、クランク角センサやこのクランク角センサからの信号を用いるエンジン失火診断装置における異常判定の精度を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、クランク軸の基準位置信号を出す第1クランク角検出手段と、この第1クランク角検出手段より細かい分解能で信号を出す第2クランク角検出手段と、第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間を計測する手段と、第1クランク角検出手段の基準位置信号の入力タイミングより第2クランク角検出手段の所定位置の信号までの位相差を時間単位で計測する手段と、第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間がリングギア1歯分に要する時間であり、位相差時間計測値をこのリングギア1歯分に要する時間で除算した値を位相差角度値として算出する手段と、この位相差角度値に基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差を算出し、この位相差と正常な場合の当該位相差とのずれの大きさを算出する手段と、所定の機関サイクルにわたってずれの大きさを算出、記憶し、記憶したずれの大きさに基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差に異常があるかどうかを判定する手段と、異常がある場合には前記ずれの大きさに応じて、一の気筒の燃焼行程終了から次の気筒の燃料行程開始までに前記第2クランク角検出手段が発信する信号数を増減させることによりずれを解消する、又は各気筒の燃焼行程に対応する期間中に前記第2クランク角検出手段が発信する信号の計測をやり直す信号数増減・再計測手段と、を設けた。第2の発明は、第1の発明において、前記信号数増減・再計測手段が、前記ずれの大きさが所定の閾値より小さい場合には、一の気筒の燃焼行程終了から次の気筒の燃料行程開始までに前記第2クランク角検出手段が発信する信号数を増減させ、前記ずれの大きさが前記所定の閾値より大きい場合には、各気筒の燃焼行程に対応する期間中に前記第2クランク角検出手段が発信する信号の計測をやり直す。
【0010】
第3の発明では、第1または2の発明において第2クランク角検出手段をリングギアに対向して設ける。
【0011】
第4の発明では、第3の発明において前記異常判定手段が、位相差角度値RGPHXの平均値RGPHAを算出する手段と、前記位相差角度値RGPHXとこの位相差角度平均値RGPHAとの比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなる。
【0012】
第5の発明では、第3の発明において前記異常判定手段が、位相差角度値RGPHXに基づいて位相差正規化値SGPHXを算出する手段と、この位相差正規化値SGPHXと基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなる。
【0013】
第6の発明では、第3の発明において前記異常判定手段が、位相差角度値RGPHXに基づいて位相差正規化値SGPHXを算出する手段と、この位相差正規化値SGPHXから位相差正規化平均値AVPHXjを算出する手段と、この位相差正規化平均値AVPHXjと基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなる。
【0014】
第6の発明では、第3から第5までのいずれか一つの発明おいて第2クランク角検出手段が磁気ピックアップである場合に、位相差角度値RGPHXを算出する際にエンジン回転速度を考慮した補正項RGPHNを入れる。
【0015】
第8の発明は、クランク軸の基準位置信号(たとえばREF信号)を出す第1クランク角検出手段と、この第1クランク角検出手段より細かい分解能で信号(たとえばリングギアPOS信号)を出す第2クランク角検出手段と、第1クランク角検出手段の基準位置信号の入力タイミングから第2クランク角検出手段の信号の数をカウントし、そのカウント値RGPHSが第1の所定数CRING1と一致したとき第2クランク角検出手段の基準位置信号(たとえばリングギアPOS基準信号)を出す手段と、第2クランク角検出手段の基準位置信号が出るタイミングを計測開始点として、第2クランク角検出手段の信号を第2の所定数CRING2カウントすることによって燃焼行程に対応するクランク角度に要する時間を気筒別に計測する手段と、この時間計測値TINTに基づいて失火したかどうかを判定する手段とを備えるエンジンの失火診断装置において、前記時間計測値TINTより第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間(たとえばTINT/CRING2)を算出する手段と、第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間がリングギア1歯分に要する時間であり、位相差時間計測値をこのリングギア1歯分に要する時間で除算した値を位相差角度値として算出する手段と、この位相差角度値に基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差を算出し、この位相差と正常な場合の当該位相差とのずれの大きさを算出する手段と、所定の機関サイクルにわたってずれの大きさを算出、記憶し、記憶したずれの大きさに基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差に異常があるかどうかを判定する手段と、異常がある場合には前記ずれの大きさに応じて、一の気筒の燃焼行程終了から次の気筒の燃料行程開始までに前記第2クランク角検出手段が発信する信号数を増減させることによりずれを解消する、又は各気筒の燃焼行程に対応する期間中に前記第2クランク角検出手段が発信する信号の計測をやり直す手段と、を設けた。
【0016】
第8の発明では、第7の発明において第2クランク角検出手段の所定位置の信号が第2クランク角検出手段の基準位置信号である。
【0017】
第9の発明では、第7または第8の発明において前記比較値を算出する際に第1の所定数CRNG1と一致したときの前記カウント値RGPHSを加味する。
【0018】
第10の発明では、第7から第9までのいずれか一つの発明において第2クランク角検出手段をリングギアに対向して設ける。
【0019】
第12の発明では、第11の発明において前記異常判定手段が、位相差角度値RGPHXの平均値RGPHAを算出する手段と、前記位相差角度値RGPHXとこの位相差角度平均値RGPHAとの比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなる。
【0020】
第13の発明では、第11の発明において前記異常判定手段が、位相差角度値に基づいて位相差正規化値を算出する手段と、この位相差正規化値と基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなる。
【0021】
第14の発明では、第11の発明において前記異常判定手段が、位相差角度値に基づいて位相差正規化値を算出する手段と、
この位相差正規化値から位相差正規化平均値を算出する手段と、
この位相差正規化平均値と基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなる。
【0022】
第14の発明では、第11から第13までのいずれか一つの発明おいて第2クランク角検出手段が磁気ピックアップである場合に、位相差角度値RGPHXを算出する際にエンジン回転速度を考慮した補正項RGPHNを入れる。
【0023】
第15の発明では、第7から第14までのいずれか一つの発明において異常があることが判定されたとき前記失火判定を禁止する。
【0024】
第16の発明では、第7から第15までのいずれか一つの発明において燃焼行程に対応する前記時間計測値TINTの気筒毎のバラツキを補正するための学習値を演算し、この学習値をエンジン停止後も記憶しておき、この学習値で燃焼行程に対応する前記時間計測値TINTを補正する場合に、異常があることが判定されたとき学習値の演算を禁止する。
【0025】
【発明の効果】
第1の発明では、第1クランク角検出手段の基準位置信号の入力タイミングより第2クランク角検出手段の所定位置の信号までの位相差を時間単位で計測し、この位相差時間計測値と第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間との比較値を算出するようにしたので、第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差を高精度に計測することが可能となり、これによって第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差に異常があるかどうかの判定精度が従来より向上する。
【0026】
第4、第5、第6、第12、第13、第14の各発明では、正常な状態の第1クランク角センサの基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との入力タイミングのずれを1カウント以下の精度で計測でき、ノイズの誤カウント、カウント抜けの場合には1カウントずれるので、ノイズの誤カウント、カウント抜けの場合と正常な状態の場合とを明確に判別でき、ノイズや歯欠けの検出が可能となる。
【0027】
磁気ピックアップセンサにはエンジン回転速度により異なる信号遅れがあるのであるが、第6と第14の各発明により、この回転速度補正項を入れることで、特に高回転域での遅れの影響を除くことができる。
【0028】
第8の発明では、燃焼行程に対応する時間計測値より第2クランク角検出手段の1信号に要する時間を算出するとともに、第1クランク角検出手段の基準位置信号の入力タイミングより第2クランク角検出手段の所定位置の信号までの位相差を時間単位で計測し、この位相差時間計測値と第2クランク角検出手段の1信号に要する時間との比較値を算出するようにしたので、第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差を高精度に計測することが可能となり、これによって第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差に異常があるかどうかの判定精度が従来より向上する。
【0029】
第16の発明では失火判定の精度が従来より向上する。
【0030】
第17の発明では学習値の演算精度が向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1において、1はエンジン本体、2はクランクシャフト、4はクランクシャフト端のフライホイール3の外周に形成されるリングギアである。リングギア4の歯に対向して、鉄心とコイルからなる磁気ピックアップ5(第2クランク角検出手段)が設置され、クランクシャフト2が回転すると、この歯が磁気ピックアップ5の鉄心に発生する磁界を断続するため、磁気ピックアップ5のコイルに磁力変化が生じて、交流電流が誘導される。この交流信号はコントロールユニット7内で波形成型されて矩形波のON、OFFパルス(リングギアPOS信号)に変換され、クランク角信号として使用される。
【0032】
また、クランクシャフト2によって駆動されるカムシャフト(図示しない)ににも磁気ピックアップ6(第1クランク角検出手段)が設けられ、このセンサ6からのREF信号(基準位置信号)もコントロールユニット7に送られる。
【0033】
コントロールユニット7では、磁気ピックアップ6の1番気筒REF信号の入力から所定数CRING1のリングギアPOS信号をカウントした時点を起点として、図2に示したように、クランクシャフト2の所定角度当たりに要する時間をクランクシャフトの1回転当たり3回計測し、そのTINTを用いて失火判定を行う。ただし、図2はV型6気筒エンジンのもので、点火順序を1−2−3−4−5−6としたとき、aの区間は1番気筒および4番気筒の、bの区間は2番気筒および5番気筒の、cの区間は3番気筒および6番気筒の各燃焼行程に対応する。
【0034】
TINT計測についてさらに図3により詳述すると、次の手順で実行する。
【0035】
(a)イグニッションキーのOFFからONへの切換後に、1番気筒REF信号の立上がりからリングギアPOS信号を第1の所定数CRING1、カウントした時点を起点にTINTの計測を開始する。
【0036】
(b)リングギアPOS信号がこの起点から第2の所定数CRING2、カウントされるまでの時間をTINTとする。
【0037】
(c)つぎの気筒のTINT計測開始まで第3の所定数CRING3のカウントだけ待機する。
【0038】
(d)(b)と同様にTINTの計測を行う。
【0039】
(e)つぎの気筒のTINT計測開始まで第4の所定数CRING4のカウントだけ待機する。
【0040】
(f)(b)と同様にTINTの計測を行う。
【0041】
(g)つぎの気筒のTINT計測開始まで第5の所定数CRING5のカウントだけ待機する。
【0042】
(h)以後、(b)〜(g)の操作を繰り返してTINTの更新を行う。
【0043】
なお、TINTを用いた失火判定については公知(たとえば特開平4−113244号公報参照)であり、その内容は特願平8−172362号に詳しいが、失火判定の内容までは本実施形態と直接に関係しないので、その説明を省略する。
【0044】
さて、始動時には、1番気筒REF信号の入力タイミングよりリングギアPOS基準信号の出力タイミング(TINT計測開始点)までのリングギアPOS信号数を位相差計測値RGPHSとして計測したとき、その位相差計測値RGPHSはリングギアPOS信号の分解能に制限されたデジタル値、つまり5とか6といった整数値となる。
【0045】
この場合、エンジンが正常でも、1番気筒REF信号とリングギアPOS信号とは完全に同期しているわけでなく、リングギアPOS信号に対する1番気筒REF信号の入力タイミングがばらつくため、1番気筒REF信号の後に入るはずのリングギアPOS信号が先に入ることがあり、これによって位相計測値RGPHSは正常な状態でも1カウントばらつく。これに対して、1番気筒REF信号とリングギアPOS信号とが完全に同期したとしても、リングギアPOS信号の代わりにノイズをカウントしてしまったり、リングギアPOS信号を読み飛ばしたりすることでも1カウントずれる。
【0046】
したがって、TINT計測区間がずれたかどうかを判断するのに、整数値である位相計測値RGPHSに基づくのでは、ノイズをカウントしてしまったり、信号を読み飛ばしたりして1カウントずれた場合と正常な状態の場合とを見分けることができない。
【0047】
これに対処するため本発明の第1実施形態では、1番気筒REF信号とその後に入力する所定位置のリングギアPOS信号との位相差を時間単位で計測し、この位相差時間計測値RGPHFをリングギア1歯分に要する時間で除した値を位相差計測値RGPHSに加算して位相差角度値RGPHXを求め、この位相差角度値RGPHXに基づいて異常があるかどうか(クランク角センサとしてはREF信号とリングギアPOS信号の間の位相差に異常があるかどうか、エンジンの失火診断装置としてはTINT計測区間に歯ずれがあるかどうか)を判定する。
【0048】
これを図4を用いて詳述すると、1番気筒REF信号の立ち上がりより、リングギアPOS信号が立ち下がるたびにRGPHSカウンタが1ずつ増してゆき、このカウンタ値が第1の所定数CRING1(ここでは5)に一致したタイミングがリングギアPOS基準位置信号の出力タイミング(TINT計測開始点)となる。
【0049】
これに対して、1番気筒REF信号の立ち上がりより、その直後のリングギアPOS信号の最初の立ち下がりまでの時間を計測するため、タイマを新たに用意する。このタイマにより計測される値を位相差時間計測値RGPHFとし、この位相差時間計測値RGPHFを加味して、
RGPHX=RGPHF/(TINT/CRING2)+RGPHS−1… (1)
の式により位相差角度値RGPHXを定義する。
【0050】
ここで、(1)式右辺第1項の分母であるTINT/CRING2はリングギア1歯分に要する時間であるから、右辺第1項は、図4の場合、0.8程度の少数点付きの値になる。したがって、このときの位相差角度値RGPHXは0.8+5−1=4.8となる。
【0051】
比較のため、RGPHSに対応して位相差角度値RGPHXを図5に示すと、RGPHXは、歯ずれのない場合は、5.0を中心として動き、途中で1歯ずれると、今度は6.0を中心として動く値となり、位相差計測値RGPHSに比べて、歯ずれがない場合と途中で1歯ずれた場合の差がより明瞭になっているのがわかる(位相差角度値RGPHXのほうが分解能が高い)。
【0052】
こうして得た位相差角度値RGPHXを用いての歯ずれの判定は次のようにして行う。
【0053】
(1)準備
▲1▼位相差角度値RGPHXを16点火(2サイクル分)記憶し、新しいものからRGPHX1、RGPHX2、RGPHX3、 …… 、RGPHX16とする。
【0054】
▲2▼リングギア学習時に位相差角度値RGPHXの平均値を学習時位相差平均値RGPHAとして求める。求めた値はバックアップRAMに記憶しておく。
【0055】
▲3▼同じくリングギア学習時に位相差角度値RGPHXのばらつき標準偏差を学習時位相差標準偏差RGPHDとして求める。この値もバックアップRAMに記憶しておく。
【0056】
ここで、RGPHAとRGPHDの演算タイミングをリングギア学習時としたのはタイミング合わせのためである。
【0057】
上記リングギア学習は公知である。これは、リングギアの精度が悪いと、クランクシャフトが一定速度で回転していながら、図2のa、b,cの各区間でTINTが同じでなく、このTINTを用いて演算される失火パラメータに演算誤差を生じ、これによって失火判定に誤診断が生じることがあるので、リングギア精度の気筒別学習値を導入し、この気筒別学習値により対応する気筒のTINTを補正するものである(詳しくは特開平4−101071号公報参照)。
【0058】
▲4▼このようにして求めた学習時位相差平均値RGPHAと学習時位相差標準偏差RGPHDを用いて
SGPHX=(RGPHX−RGPHA)/RGPHD … (2)
の式により、位相差正規化値SGPHXを定義すると、この位相差正規化値SGPHXは何σ(σは標準偏差)ずれているかを表す数値である。
【0059】
(2)歯ずれ判定
図6は頻度分布のイメージ図である。同図上段において、中央の山は歯ずれのない場合の、その右隣の山は+1歯の歯ずれがある場合の頻度分布である。なお、+2歯以上の歯ずれがある場合は、まとめて+側の歯ずれとして示している。同様にして、中央の山の左隣の山が−1歯の歯ずれがある場合の頻度分布で、−2歯以上の歯ずれがある場合をまとめて−側の歯ずれとして示している。こうした頻度分布より、中央の山の頂部を通る縦線の位置を学習時位相差平均値RGPHAとして+1.5歯(あるいは−1.5歯)ずれたとき、位相差角度値RGPHXが図示の位置に、また、同じ頻度分布をみるのに、中央の山の頂部を通る縦線の位置を原点として+4σ(あるいは−4σ)ずれたとき、位相差正規化値SGPHXが図示の位置にくるので、この特性を利用して次の1)〜5)ようにまとめることができる。
【0060】
1)−4 ≦ SGPHX ≦ 4のとき
判定→歯ずれなし。
【0061】
対策→何もしない。
【0062】
2)SGPHX > 4かつRGPHX < RGPHA+1.5のとき
判定→+1歯ずれ。
【0063】
対策→CRING3、4、5のいずれかで調整する。
【0064】
3)SGPHX > 4かつRGPHX ≧ RGPHA+1.5のとき
判定→+側歯ずれ。
【0065】
対策→TINT計測のリセット。
【0066】
4)SGPHX < −4かつRGPHX > RGPHA−1.5のとき
判定→−1歯ずれ。
【0067】
対策→CRING3、4、5のいずれかで調整する。
【0068】
5)SGPHX < −4かつRGPHX ≦ RGPHA−1.5のとき
判定→−側歯ずれ。
【0069】
対策→TINT計測のリセット。
【0070】
なお、参考のため、図6下段にはj(後述する)=4のときの頻度分布を示す。
【0071】
特に1歯ずれの判定については、次の統計処理により行うこともできる。
【0072】
(1)準備
▲1▼位相差正規化値SGPHXを16点火(2サイクル分)記憶し、新しいものからSGPHX1、SGPHX2、SGPHX3、 …… 、SGPHX16とする。
【0073】
▲2▼位相差正規化値SGPHXの過去j(ただしjは1、2、4、8、16の5通り)点火分の平均値を、位相差正規化平均値AVPHXjとして求める。
【0074】
【数1】
【0075】
(2)1歯ずれ判定
| AVPHX1 |> 4
| AVPHX2 |> 2.828427
| AVPHX4 |> 2
| AVPHX8 |> 1.414214
| AVPHX16 |> 1
のいずかが成立したとき、1歯ずれ判定(AVPHXjが正ならば+1歯ずれ、負ならば−1歯ずれ)する。
【0076】
以上図4、図5、図6を用いて述べた制御を具体化したものが、図7、図8のフローチャートである。
【0077】
まず、図7はリングギアPOS基準信号を作成するためのもので、リングギアPOS信号の入力毎に実行する。
【0078】
ステップ1ではリングギアPOS信号を計測するためのカウンタであるRGPHSカウンタをインクリメントする。
【0079】
ステップ2ではリングギアPOS基準位置を設定済みかどうかをフラグよりみる。始動当初はリングギアPOS基準位置設定済フラグ=0(リングギアPOS基準位置は未設定)なので、ステップ3に進み、1番気筒REF信号の入力があるかどうかみる。1番気筒REF信号の入力があったときは、ステップ4、5、6に進み、第1の所定数CRING1だけずらす処理(オフセット処理)を行い、いったんRGPHSカウンタをクリアし、リングギアPOS基準位置設定済みフラグを “ 1 ” にセットする。
【0080】
このフラグの “ 1 ” へのセットにより次回からは、ステップ1、2よりステップ7に進み、RGPHSカウンタ値と第1の所定数CRING1を比較する。リングギアPOS基準位置設定済フラグが “ 1 ” にセットされた直後のリングギアPOS信号の入力時は、ステップ1の操作によりRGPHSカウンタ値が1となる。図4の場合であれば、CRING1=5であるから、このときはRGPHS < CRING1であり、ステップ8、9、10を飛ばして、今回の処理を終了する。
【0081】
次からのリングギアPOS信号の入力毎に、RGPHSカウンタ値が増えてゆき、やがて5(=CRING1)になると、ステップ7よりステップ8、9に進み、リングギアPOS基準信号を出力し、RGPHSカウンタをクリアする。
【0082】
以上の処理で、従来と同様にリングギアPOS基準信号が始動後に1回だけ出力される。
【0083】
次に、図8は歯ずれ判定のためのもので、定時間毎(たとえば0.1 μ sec毎)に実行する。
【0084】
ステップ11では、タイマをインクリメントする。このタイマはたとえばフリーランタイマである。
【0085】
ステップ12では1番気筒REF信号の入力があったかどうかみて、1番気筒REF信号の入力があったときだけステップ13に進み、1番気筒REF信号の入力タイミング(1番気筒REF信号の立ち上がりタイミング)での上記タイマ値をTM1に記憶する。
【0086】
ステップ14ではリングギアPOS基準信号の入力があったかどうかみて、リングギアPOS基準信号の入力があったときだけステップ15に進み、リングギアPOS基準信号の入力タイミングでの上記タイマ値をTM2に記憶する。
【0087】
ステップ16では上記TM1とTM2をともに記憶済みかどうかみて、両方を記憶済みのときは、ステップ17に進み、TM2とTM1の差を位相差時間計測値RGPHFとして求める。
【0088】
なお、ここでの位相差時間計測値は図4と異なり、1番気筒REF信号の立ち上がりよりTINT計測開始点までの時間である。
【0089】
ステップ18では上記(1)式により位相差角度値RGPHXを算出する。
【0090】
なお、図4で説明した場合と結果を合わせたいのであれば、
の式により算出すればよい。
【0091】
なお、(1)、(11)式のRGPHSとしては、図7のステップ9でクリアする前のRGPHSカウンタ値を別のメモリに移しておき、その値を用いる。
【0092】
ステップ19では位相差角度値RGPHXと学習時位相差平均値RGPHAの差の絶対値と1.5を比較し、 | RGPHX−RGPHA |≧ 1.5のときは、ステップ20、21に進み、+側歯ずれや−側歯ずれがある(たとえば多くのノイズを誤って計測してしまったり、リングギアに多数の歯欠けがあるとき)と判断し、TINT計測をやり直す。
【0093】
一方、 | RGPHX−RGPHA |< 1.5であるときは、ステップ19よりステップ22、23に進み、位相差角度値RGPHXと学習時位相差平均値RGPHAの差および学習時位相差標準偏差RGPHDを用いて上記(2)式により位相差正規化値SGPHXを算出し、この値SGPHXの絶対値と4を比較する。
【0094】
| SGPHX |> 4であるときは、ステップ20、21の操作を行い、 | SGPHX |≦ 4であるときは、ステップ24、25に進んで、上記(3)式により位相差正規化平均値AVPHXjを計算する。図8には代表としてj=2の場合で示しており、したがってこのときは、AVPHX2の絶対値と基準値である2.828427を比較する。
【0095】
| AVPHX2 |> 2.828427であるときは、ステップ25よりステップ26に進み、AVPHX2の正負をみて、AVPHX2が正のときはステップ27、28で+1歯ずれがあると判断し、第3の所定数CRING3、第4の所定数CRING4、第5の所定数CRING5のいずれかを1つ増やす操作を行うことで、+1歯ずれを解消する。同様にして、AVPHX2が負のときはステップ29、30に進み、−1歯ずれがあると判断し、CRING3、CRING4、CRING5のいずれかを1つ減らす操作を行うことで、−1歯ずれを解消する。なお、+1歯ずれの解消後には増やした所定数を、また−1歯ズレの解消後には減らした所定数をそれぞれ元に戻さなければならない。
【0096】
このように本実施形態では、1番気筒REF信号の入力より、リングギアPOS基準信号の入力まで(図4の場合はその後のリングギアPOS信号の最初の立ち下がりまで)の時間を位相差時間計測値RGPHFとしてタイマにより計測し、その位相差時間計測値RGPHFをリングギア1歯分に要する時間(=TINT/CING2)で除算した値を位相差計測値RGPHSに加えることにより位相差角度値RGPHXを求めることで、1番気筒REF信号とリングギアPOS基準位置信号の位相差を高精度に計測することが可能となり、
▲1▼この位相差角度値RGPHXと学習時位相差平均値RGPHAとの比較や
▲2▼位相差角度値RGPHXから得られる位相差正規化値SGPHXと基準値(± 4)との比較や
▲3▼位相差正規化値SGPHXから得られる位相差正規化平均値AVPHXjと基準値との比較
に基づいて歯ずれ判定を行うようにしたので、歯ずれ判定の精度が従来より向上する。言い換えると、正常な状態の1番気筒REF信号とリングギアPOS基準信号の入力タイミングのずれを1カウント以下の精度で計測でき、ノイズの誤カウント、カウント抜けの場合には1カウントずれるので、ノイズの誤カウント、カウント抜けの場合と正常な状態の場合とを明確に判別でき、ノイズや歯欠けの検出が可能となるのである。
【0097】
実施形態では、上記(1)式のように、位相差時間計測値RGPHFを位相差計測値RGPHSに加算する形で説明したが、これに限られるものでなく、
RGPHX=RGPHF/(TINT/CRING2) … (12)
の式により位相差角度値RGPHXを計算してもかまわない。
【0098】
実施形態では、位相差計測値RGPHSが第1の所定数CRING1と一致したタイミングでリングギアPOS基準信号を出力する場合で説明したが、これに限られるものでなく、CRING1が0のとき、つまり1番気筒REF信号が入力したタイミングでリングギアPOS基準信号を出力するようにしてもかまわない。このときのRGPHFタイマを図9に示す。なお、図9において、図示のTINTはCRING2=1としたときの値で、このときTINTがリングギア1歯分に要する時間を表す。
【0099】
実施形態では、1番気筒REF信号で代表して述べたが、各気筒のREF信号の入力毎に前述した歯ずれの判定を行うようにすることもできる。この場合は演算負荷が大きくなる代わりに、第1実施形態の場合より歯ずれ判定が早くなる。
【0100】
(1)、(12)式により位相差角度値RGPHXを定義したが、位相差角度値RGPHXを算出する際にエンジン回転速度を考慮した補正項RGPHNを導入し、
の式、あるいは
RGPHX=RGPHF/(TINT/CRING2)+RGPHN … (14)
の式により位相差角度値RGPHXを定義することもできる。
【0101】
クランク角センサとしての磁気ピックアップ5、6にはエンジン回転速度により異なる信号遅れがあるので、この回転速度補正項RGPHNを導入することで、特に高回転域での遅れの影響を除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】a,b,cの各計測区間を説明するための図である。
【図3】5つの所定数CRING1、CRING2、CRING3、CRING4、CRING5を説明するための波形図である。
【図4】第1実施形態のREF信号とリングギアPOS信号の位相差の計測を説明するための波形図である。
【図5】位相差計測値RGPHSと位相差時間計測値RGPHFを並べて示す波形図である。
【図6】j=1とj=4の場合の各頻度分布図である。
【図7】リングギアPOS基準信号の作成を説明するためのフローチャートである。
【図8】歯ずれ判定を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2実施形態のREF信号とリングギアPOS信号の位相差の計測を説明するための波形図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 クランクシャフト
4 リングギア
5 磁気ピックアップ
6 磁気ピックアップ
7 コントロールユニット
Claims (17)
- クランク軸の基準位置信号を出す第1クランク角検出手段と、
この第1クランク角検出手段より細かい分解能で信号を出す第2クランク角検出手段と、
第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間を計測する手段と、
第1クランク角検出手段の基準位置信号の入力タイミングより第2クランク角検出手段の所定位置の信号までの位相差を時間単位で計測する手段と、
第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間がリングギア1歯分に要する時間であり、位相差時間計測値をこのリングギア1歯分に要する時間で除算した値を位相差角度値として算出する手段と、
この位相差角度値に基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差を算出し、この位相差と正常な場合の当該位相差とのずれの大きさを算出する手段と、
所定の機関サイクルにわたってずれの大きさを算出、記憶し、記憶したずれの大きさに基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差に異常があるかどうかを判定する手段と、
異常がある場合には前記ずれの大きさに応じて、一の気筒の燃焼行程終了から次の気筒の燃料行程開始までに前記第2クランク角検出手段が発信する信号数を増減させることによりずれを解消する、又は各気筒の燃焼行程に対応する期間中に前記第2クランク角検出手段が発信する信号の計測をやり直す信号数増減・再計測手段と、
を設けたことを特徴とするクランク角センサ。 - 前記信号数増減・再計測手段は、前記ずれの大きさが所定の閾値より小さい場合には、一の気筒の燃焼行程終了から次の気筒の燃料行程開始までに前記第2クランク角検出手段が発信する信号数を増減させ、前記ずれの大きさが前記所定の閾値より大きい場合には、各気筒の燃焼行程に対応する期間中に前記第2クランク角検出手段が発信する信号の計測をやり直すことを特徴とする請求項1に記載のクランク角センサ。
- 第2クランク角検出手段をリングギアに対向して設けることを特徴とする請求項1または2に記載のクランク角センサ。
- 前記異常判定手段は、
位相差角度値の平均値を算出する手段と、
前記位相差角度値とこの位相差角度平均値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、
からなることを特徴とする請求項3に記載のクランク角センサ。 - 前記異常判定手段は、
位相差角度値に基づいて位相差正規化値を算出する手段と、
この位相差正規化値と基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、
からなることを特徴とする請求項3に記載のクランク角センサ。 - 前記異常判定手段は、
位相差角度値に基づいて位相差正規化値を算出する手段と、
この位相差正規化値から位相差正規化平均値を算出する手段と、
この位相差正規化平均値と基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、
からなることを特徴とする請求項3に記載のクランク角センサ。 - 第2クランク角検出手段が磁気ピックアップである場合に、位相差角度値を算出する際にエンジン回転速度を考慮した補正項を入れることを特徴とする請求項4から6までのいず れか一つに記載のクランク角センサ。
- クランク軸の基準位置信号を出す第1クランク角検出手段と、
この第1クランク角検出手段より細かい分解能で信号を出す第2クランク角検出手段と、
第1クランク角検出手段の基準位置信号の入力タイミングから第2クランク角検出手段の信号の数をカウントし、そのカウント値が第1の所定数と一致したとき第2クランク角検出手段の基準位置信号を出す手段と、
第2クランク角検出手段の基準位置信号が出るタイミングを計測開始点として、第2クランク角検出手段の信号を第2の所定数カウントすることによって燃焼行程に対応するクランク角度に要する時間を気筒別に計測する手段と、
この時間計測値に基づいて失火したかどうかを判定する手段とを備えるエンジンの失火診断装置において、
前記時間計測値より第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間を算出する手段と、
第2クランク角検出手段の1信号分に要する時間がリングギア1歯分に要する時間であり、位相差時間計測値をこのリングギア1歯分に要する時間で除算した値を位相差角度値として算出する手段と、
この位相差角度値に基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差を算出し、この位相差と正常な場合の当該位相差とのずれの大きさを算出する手段と、
所定の機関サイクルにわたってずれの大きさを算出、記憶し、
記憶したずれの大きさに基づいて第1クランク角検出手段の基準位置信号と第2クランク角検出手段の信号との位相差に異常があるかどうかを判定する手段と、
異常がある場合には前記ずれの大きさに応じて、一の気筒の燃焼行程終了から次の気筒の燃料行程開始までに前記第2クランク角検出手段が発信する信号数を増減させることによりずれを解消する、又は各気筒の燃焼行程に対応する期間中に前記第2クランク角検出手段が発信する信号の計測をやり直す手段と、
を設けたことを特徴とするエンジンの失火診断装置。 - 第2クランク角検出手段の所定位置の信号は第2クランク角検出手段の基準位置信号であることを特徴とする請求項8に記載のエンジンの失火診断装置。
- 前記比較値を算出する際に第1の所定数と一致したときの前記カウント値を加味することを特徴とする請求項7または98に記載のエンジンの失火診断装置。
- 第2クランク角検出手段をリングギアに対向して設けることを特徴とする請求項8から10までのいずれか一つに記載のエンジンの失火診断装置。
- 前記異常判定手段は、
位相差角度値の平均値を算出する手段と、
前記位相差角度値とこの位相差角度平均値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、
とからなることを特徴とする請求項11に記載のエンジンの失火診断装置。 - 前記異常判定手段は、
位相差角度値に基づいて位相差正規化値を算出する手段と、
この位相差正規化値と基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、
からなることを特徴とする請求項11に記載のエンジンの失火診断装置。 - 前記異常判定手段は、
位相差角度値に基づいて位相差正規化値を算出する手段と、
この位相差正規化値から位相差正規化平均値を算出する手段と、
この位相差正規化平均値と基準値との比較により異常があるかどうかを判定する手段と、からなることを特徴とする請求項11に記載のエンジンの失火診断装置。 - 第2クランク角検出手段が磁気ピックアップである場合に、位相差角度値を算出する際にエンジン回転速度を考慮した補正項を入れることを特徴とする請求項12から14までのいずれか一つに記載のエンジンの失火診断装置。
- 異常があることが判定されたとき前記失火判定を禁止することを特徴とする請求項8から15までのいずれか一つに記載のエンジンの失火診断装置。
- 燃焼行程に対応する前記時間計測値の気筒毎のバラツキを補正するための学習値を演算し、この学習値をエンジン停止後も記憶しておき、この学習値で燃焼行程に対応する前記時間計測値を補正する場合に、異常があることが判定されたとき学習値の演算を禁止することを特徴とする請求項8から16までのいずれか一つに記載のエンジンの失火診断装置。
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