JP4119253B2 - 電磁結合バス・システム - Google Patents

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Description

【0001】
(関連特許出願)
本特許出願は、1999年5月25日出願の、「High−Speed Digital Distribution System」という名称の米国特許出願第09/318,287号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の背景)
(技術分野)
本発明は、ディジタル・データを通信するためのメカニズムに関し、詳細には、電磁結合バス・システムにおいて通信ディジタル・データを通信するためのメカニズムに関する。
【0003】
(背景技術)
コンピュータなどのディジタル・エレクトロニクス・システムは、システムの構成要素デバイスのより速い動作速度をフルに利用するため、これらの構成要素デバイスの間を、より速い速度でデータを移動させなければならない。例えばコンピュータには、ギガヘルツ(GHz)以上の周波数で動作する1つまたは複数のプロセッサが含まれている。これらのプロセッサのデータ処理能力は、従来のシステムのデータ転送帯域幅を大きく凌いでいる。この相異は、データをインテリジェント・キャッシングし、それによりプロセッサ・チップ上で頻繁に使用されるデータを維持することによって幾分か軽減されるが、たとえ最良のキャッシング・アーキテクチャを使用したとしても、プロセッサを十分に利用することはできない。同様の問題は、これまで以上の高周波数で動作する通信網、ルータ、バックプレーン、I/Oバス、ポータブル・デバイス・インタフェース等のデバイス間でデータを転送しなければならないあらゆるディジタル・システムに生じている。
【0004】
通信チャネルのディジタル帯域幅(BW)は、
BW=F
で表される。Fは、シンボルがチャネル上で伝送される周波数であり、Nは、1クロック・サイクルの間に伝送される1シンボル当たりのビット数(「シンボル密度」)である。チャネルとは、通信の基本単位、例えばシングル・エンド信号方式におけるボード・トレース、あるいは差分信号方式における2つの相補形トレースのことである。典型的なバス・ベース・システムの場合、Fは200MHz程度であり、Nは1で、バス幅(チャネル数)は32であり、これらで1秒当たり1ギガバイト未満のバス・データ転送速度を提供している。
【0005】
BWを改善するための従来の戦略は、パラメータFまたはNの一方または両方を大きくすることに集中しているが、これらのパラメータを大きくすることには限界があり、例えば、信号の波長がバス・ディメンションにほぼ同じになる周波数では、バス・トレースは伝送線路のように挙動する。この高周波数レジームでは、慎重にバスの電気特性を管理しなければならない。このことは、特に、並列スタブを介して各バス・トレースに電気接続された3つ以上のデバイスを備えた標準マルチドロップ・バス・システムの場合について言える。この電気接続により、トレース・インピーダンスに不連続性が生じ、高周波信号が散乱する原因になっている。散乱した信号と散乱しない信号の間の干渉により、信号の信頼性が著しく損なわれている。干渉によって生じる雑音は、システム構成要素のインピーダンスを慎重に整合させることによって小さくすることができるが、インピーダンスを整合させるためには、精密な構成要素を使用しなければならず、そのために、このようなシステムのコストが増加している。また、インピーダンスの不連続性ばかりでなく、バス・トレースへの接続によってキャパシタンスが追加され、そのためにシステムの性能が損なわれている。キャパシタンスによって信号の伝搬速度が低下し、また、トレースのインピーダンスが小さくなるため、より大きいドライバ回路が必要であり、ひいては電力消費が増加する。
【0006】
RAMBUSTM(RDRAM)技術に基づいたコンピュータ・システムは高速信号方式のためのもう1つの手法である。これらのシステムでは、デバイスは、高価で、厳密に整合したコネクタを介してバスに直列に接続された複数のドーター・カード上に取り付けられている。インピーダンスが整合した直列接続により、並列スタブのインピーダンスの不連続性が除去されているが、信号経路は、ドーター・カードの各々を横断しなければならず、そのために信号経路が長くなっている。さらに、様々なドーター・カード構成要素を互いにインピーダンス整合させ、ドーター・カード構成要素とコネクタをインピーダンス整合させなければならず、また、バスの何らかの部分と接触しているこれらのすべての構成要素の寄生キャパシタンスが、信号の伝搬速度、インピーダンス、ドライバ・サイズおよび電力消費にさらに悪影響を及ぼしている。これらの影響が相俟って、1つのバス上に置くことができる構成要素の総数(すなわちバス容量)を厳しく制限している。
【0007】
従来のバス・システムの周波数限界に対処するためのさらに他の戦略は、バス・トレースとデバイスの間の直接的な電気接続を、間接的な結合、例えば電磁結合に置き換えることである。例えば米国特許第5,638,402号に、電磁結合器を使用したシステムが開示されている。トレース・インピーダンスに対する電磁結合器の効果は、電磁結合器が結合している構成要素間を電磁結合器が転送する信号エネルギーの小部分、すなわち電磁結合器の結合係数に大きく依存している。結合係数の大きい結合器および/または長さの長い結合器は、結合器がサンプルする信号エネルギーの大部分を関連するデバイスに転送するが、大きなエネルギーを転送すると、標準の直接電気接続と同じ程度に、トレース・インピーダンスの連続性が損なわれている。また、電磁結合器は、信号エネルギーを急激に減衰させるため、信号源から遠く離れたデバイスがマルチドロップ・バス上で利用することができる信号エネルギーは極めてわずかでしかない。一方、結合係数が小さ過ぎる場合、あるいは長さが短すぎる場合、デバイスの信号対雑音比が小さくなる。また、結合係数は、結合している構成要素の相対位置に極めて敏感であり、そのために、相対位置が変化すると、バス・トレース上の雑音が大きくなり、あるいは距離の減少または増加に基づく非スケーラブル雑音に比例した転送信号の低下をもたらしている。
【0008】
また、BWの事実上の制限は、特に高周波数におけるBWパラメータ間の相互作用によってももたらされている。例えば、高周波信号方式に関連する自己誘導雑音の増加は、信号を決定する際の信頼性に限界をもたらしている。この信頼性の限界が、ひいては、より高いシンボル密度を使用する機会を制限している。
【0009】
ディジタル・システムの中には、変調技法を使用して複数のビットを各転送シンボル中に符号化し、それによりNを大きくしているシステムもある。これらの変調技法の使用は、特に高い周波数信号ではほとんど二地点間通信システムに制限されている。データ密度がより高いため、符号化されたシンボルを高い信頼性で元へ戻すことができるのは、比較的雑音の小さい環境においてのみである。伝送線路は、高周波通信、特にマルチドロップ環境における変調の使用を制限している。例えばRDRAMをベースとしたシステムには、Nを2に増やすために4つの電圧レベル(QRSLと呼ばれている)が使用されている。雑音環境によって、より積極的な変調(振幅変調または他のスキーム)が、前もって阻まれている。
【0010】
本発明は、ディジタル電子システムにおけるデータ通信に関わるこれらおよびその他の問題に対処するものである。
【0011】
本発明については、添付の図面を参照することによって理解されよう。添付の図面では、同様のエレメントは、同様の番号で参照されている。添付の図面は、本発明の特定の実施形態を示したものであり、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
【0012】
(発明の詳細な説明)
以下の考察は、本発明を完全に理解するため、多数の特定の詳細を示したものであるが、これらの特定の詳細を必要とすることなく本発明を実現できることは、本開示を利用する当分野の技術者には理解されよう。また、本発明の特徴に注意を向けるべく、良く知られている様々な方法、手順、構成要素および回路の詳細については、ここでは省略されている。
【0013】
本発明は、データ転送に使用される周波数および符号化メカニズムに対してより幅広く制御することで、高帯域幅通信をサポートしている。本発明によるシステムには、バスなど、データ・チャネルを介して結合されたデバイス間を信号転送するための、実質的に一様な電気特性を有するデータ・チャネルが含まれている。この一様な電気特性は、伝送線路効果に帰属する雑音を著しく増加させることなく使用される、より高い周波数の信号方式を可能にする電磁結合スキームによってサポートされている。このスキームには平衡電磁結合器(balanced electromagnetic coupler)が使用され、通信チャネルのインピーダンスに重大な影響を及ぼすことなく、通信チャネルとデバイスの間の信頼性の高い信号転送を提供している。平衡電磁結合器を使用することによって得られる、より雑音の少ない環境により、データを表現するための符号化スキームを、より柔軟に選択することができる。
【0014】
本発明の一実施形態の場合、平衡電磁結合器は、誘電媒体によって分離された、特定の範囲の結合係数を有する第1および第2の結合器構成要素を備えている。結合器構成要素の少なくとも一方は、結合構成要素の相対位置の変化に対する結合係数の感度を鈍くする幾何形状を有している。結合器の長さは、システムの帯域幅を制限することなく、十分な信号エネルギーが転送されるように選択されている。
【0015】
本発明の他の実施形態では、デバイスは、特定の変調スキームを使用して、電磁結合器を介してデータをマルチドロップ・バスへおよびマルチドロップ・バスからデータを転送している。電磁結合器によって、デバイスがバス上の信号エネルギーの比較的微小部分をサンプルし、それによりバスの電気特性に対するデバイスの影響を緩和している。使用する変調スキームは、シンボル密度と被電磁結合デバイスがもたらすインピーダンス環境のインタ・シンボル干渉感受性およびイントラ・シンボル干渉感受性が平衡するように選択される。
【0016】
図1は、マルチドロップ・バス・システム100の電気特性を示すブロック図である。システム100は、様々なデバイス120(1)〜120(n)(一般名としては「デバイス120」)間をデータ転送するためのバス110を備えている。デバイス120(1)は、バス110に電気結合され、デバイス120(2)〜120(n)は、それぞれ関連する電磁結合器160(1)〜160(n−1)を介してバス110に結合されている。以下の考察では、電気結合は、ゼロ周波数(直流)までの信号を伝送することができる、バス110とデバイス120(1)の間の比較的抵抗の小さい電気経路を指している。また、図1には、デバイス120が個別のドーター・カード上に設けられている場合は、デバイス120のパッケージあるいはコネクタと関連した寄生130が示されている。
【0017】
マルチドロップ・バス・システムの場合、複数の電磁結合器160により、バス110に沿って、インピーダンス整合をますます困難にするインピーダンスの不連続性がもたらされる。インピーダンスの不連続性によって反射した信号により、他の信号が妨害される(インタ・シンボル干渉およびイントラ・シンボル干渉)。システム100に使用される信号周波数およびシンボル密度は、結合器160および寄生130(存在する場合)が生成する雑音環境によって制限されている。
【0018】
米国特許第5,638,402号、第3,516,065号および第3,619,504号に、システム100と同様の電磁結合バスが開示されている。’402号特許に、平行プレート幾何形状(「平行結合部分」)および約0.3の「逆方向漏話係数」(K)を有する電磁結合器160が開示されている。Kは、一次信号によって結合器160の両端間に誘導される逆方向伝搬信号の相対的な大きさを表している。Kの値が0.3であるということは、バス110上で強力な信号が散乱しており、結合器当たりの信号エネルギー損失が大きいことを意味している。また、この値は、デバイス120のレシーバに大きなダイナミック・レンジ要求を課している。たとえKの値が0.2程度であっても、それはバス上における大きな信号減衰および雑音問題の存在を表している。
【0019】
平行プレート結合器160は、その強度に加えて、結合係数が、結合器構成要素(162および164)の水平方向(x、y)アライメントおよび垂直方向(z)アライメントの変化に極めて敏感である。これを解決する方法の1つは、回路基板中の電磁結合器160の両側を、結合係数が確実に目標範囲内に入るだけの十分な精度で埋め込むことである。電磁結合器160の両側を正確に埋め込むことはシステム100のコストを増加させる。さらに、寄生130で示すように、ドーター・カードを収容するためのコネクタを必要としている。
【0020】
また、平行プレート結合器160は、相補形信号が複数対のバス・トレース上でドライブされる差分信号方式スキームに組み込まれると、雑音問題の影響を受け易くなる。このようなシステムでは、相補形信号は、一対の結合器160によってデバイス120の差分レシーバに転送される。平行プレート結合器160の、その構成要素の位置の変化に対する感度が、結合器対が非整合結合係数を有する可能性を大きくしており、その結果として、差分信号方式の利点を損なう差分雑音をもたらしている。また、結合器を十分な間隔を隔てて配置(結合器を支えるために必要な回路基板面積が広くなる)しない限り、相補形信号が交差結合し、その結果、信号対雑音比が損なわれることになる。
【0021】
図2Aは、本発明によるシステム200の一実施形態を示すブロック図である。システム200はコンピュータ・システムであるが、本発明の利点が、高帯域幅データ転送を必要とするあらゆるシステムの中で実現することができることについては、本開示の利点を得たディジタル通信分野の技術者には認識されよう。
【0022】
システム200の場合、デバイス220(1)〜220(m)(一般名としては「デバイス220」)は、バス210を介して通信している。そのために、デバイス220(1)〜220(m)の各々は、バス210へ信号を転送し、バス210から信号を受信するためのインタフェース230(1)〜230(m)を備えている。インタフェース230(2)〜230(m)は、それぞれ関連する電磁結合器240(1)〜240(m−1)(一般名としては「電磁結合器240」)を介してバス210と通信している。電磁結合器240は平衡しており、バス210の電気特性に対するデバイス220の影響を制限し、デバイス220とバス210の間の信頼性の高い信号伝送を提供している。例えば、電磁結合器240の結合係数は、バス210とデバイス220の間で十分な信号エネルギーを転送するように選択されており、それにより信号対雑音マージンを維持し、バス210上の信号反射およびバス210上における信号エネルギーの急激な減衰(信号エネルギー・ブリードオフ)を制限している。平衡電磁結合器240の結合係数の範囲は、通常、0.1から0.4、例えばK=0.05から0.2である。平衡電磁結合器240の幾何形状は、バス側結合構成要素244およびデバイス側結合構成要素242(図2B)の相対位置の変化に対して、選択されたこれらの結合係数が維持されるように選択されている。
【0023】
電磁結合器によって転送されるエネルギー、および電磁結合器を使用しているシステムによってサポートされる最大有効信号周波数は、いずれも結合器の長さに依存している。また、結合器の長さが長いほど空間が必要であり、ひいては、より大きなシステム・コストが必要である。
【0024】
結合器240によって転送される信号エネルギーは誘導信号波形の二乗をその持続期間で積分した値に比例している。誘導信号波形は、K、バス・トレース上の信号波形の振幅、および結合器の長さによって決定される。所与の値のKに対して、結合器の長さが長いほど、結合器が転送する信号エネルギーがより多くサンプルされる。また、シンボルが十分に高い周波数でバス210上にドライブされる場合、そのシンボルの周期は、誘導波形の持続期間より短くなる。このような情況の下に、結合器240は、複数のシンボルからのエネルギーを混合すなわちシンボル干渉し、この干渉が信号対雑音比を低下させている。これらの理由により、結合器240の長さは、バス210に沿ったインタ・シンボル干渉すなわち過度のエネルギー・ブリードオフを生成することなく、適切な信号エネルギーをデバイスに提供するだけの十分な長さでなければならない。
【0025】
図2Bは、システム200の電気特性を略図で示したものである。信号は、デバイス、例えばデバイス220(2)とバス210の間を、電磁結合器240(1)を介して電磁的に伝送されている。以下の考察では、電磁結合は、当該信号に結合した電界および磁界を介した信号エネルギーの転送を指している。電磁結合には、その信号の電界に結合した容量成分およびその信号の磁界に結合した誘導成分の両方が含まれている。例えばKは、次式で示すように、誘導結合係数(K)および容量結合係数(K)に比例している。
=0.25(K+K
上式で、Kは、結合器構成要素の自己インダクタンスの幾何形状平均に対する結合器構成要素間の単位長さ当たりの相互インダクタンスの比率であり、Kは、結合器構成要素の単位長さ当たりの自己キャパシタンスの幾何形状平均に対する結合器構成要素間の単位長さ当たりの相互キャパシタンスの比率である。
【0026】
結合器240の両端間を転送されるエネルギーに対する容量性および誘導性寄与の効果は信号周波数によって変化する。一般的に、誘導成分の相対的な寄与は周波数が高くなるにつれてより顕著になる。例えば、大きな誘導成分が存在することを利用して、より高い周波数の信号に対する指向性を与えることができる。また、電磁結合器240は、集中デバイスではなく、分散デバイスのように挙動する。結合器240の容量性および誘導性の両面のこの分散された性質は、信号の波長と結合器240の物理寸法が等しくなるより高い周波数で、より顕著になる。
【0027】
電気接続あるいは不平衡電磁結合器を利用しているシステムにおけるインピーダンスの不連続性と比較すると、システム200におけるインピーダンスの不連続性は、結合係数が適切に選択された電磁結合器240を使用することによって著しく改善されている。また、デバイス側構成要素242とバス側構成要素244の位置の変化に対して比較的鈍感な幾何形状を備えた電磁結合器240を提供することにより、費用のかかる精密製造を必要とすることなく、平衡結合係数を維持することができる。バス210のより一様なインピーダンスは、データを伝送するためのよりきれいな環境を提供している。本発明によるこのデータを符号化するために使用される変調スキームには、バス210のより雑音の少ない環境、および結合器240が転送する波形に対する結合器240自体の効果の両方が反映されている。
【0028】
本発明の一実施形態では、電磁結合器240は、バス210上の信号の大きさの約5〜10%を対応するデバイス220に転送している。これは、特定の結合器幾何形状および長さ(K=0.13、L=1cm)の場合における1%未満の信号エネルギーに相当している。バス210上における信号エネルギーの減衰が比較的小さいため、バス210のインピーダンスに対する複数のデバイス220による影響が制限されている。信号の減衰が制限されることによる副作用の1つは、電磁結合器240のデバイス側242の信号波形(「転送された波形」)が、バス210上に伝送されたエネルギーの微小部分に過ぎないことである。結合係数が対称であるため、デバイス側242からバス210への逆方向に対しても、同様の減衰が生じることになる。この信号減衰の有意性は、システム200における雑音のタイプによって様々である。
【0029】
スケーラブル雑音とは、信号のエネルギーでスケール化される雑音のことである。被転送波形と結合したスケーラブル雑音は、被転送波形自身と同じ量だけ減衰する。スケーラブル雑音源には、電磁結合器240では除去されない信号反射が含まれている。非スケーラブル雑音には、外部結合雑音、熱雑音等が含まれている。非スケーラブル雑音が対処されない場合、電磁結合器240による信号減衰は、システム200の性能に影響する。システム200における非スケーラブル雑音に対処するための戦略には、ローバスト・シンボル変調スキームの選択および差分信号の使用が含まれている。システム200の一実施形態では、インタフェース230が、伝送されたデータを回復するための復調に先立って、転送された波形を増幅している。
【0030】
電磁結合器240によるもう1つの副作用は、被転送波形が、バス210上の信号に比例して変化することである。一般的に、電磁結合器240を通して転送される信号には差異が生じる。例えば、電磁結合器240のバス側244上の正の信号パルス260は、電磁結合器240のデバイス側242上では、正に立ち上がるパルス/負に立ち下がるパルス270になる。システム200に使用される1つまたは複数の変調スキームは、通信チャネルの信頼性を損なうことなく、電磁結合器240に関連する振幅減衰および信号弁別に適応するように選択されている。例えば、信号減衰は、非スケーリング雑音源が存在すると、使用可能な振幅変調電圧レベルの数を制限する。遷移信号方式の代わりに、あるいは遷移信号方式とは別にレベル信号方式が望ましい場合、弁別のためには、積分回路を使用して直流電圧を回復しなければならない。また、システム200に立上り時間変調(以下で説明する)を使用する場合、信号波形の二次導関数を測定しなければならない。
【0031】
本発明の一実施形態では、マルチドロップ・バス・システム200はコンピュータ・システムであり、デバイス220は、プロセッサ、記憶装置モジュール、システム・ロジック等、様々なシステム構成要素に対応している。本発明の一実施形態は、400MHzの信号周波数でデータを転送することができる最大17台のデバイス220をサポートする、長さ50cmのバス210を備えている。1シンボル当たり4ビットのシンボル密度を提供する変調スキームを使用することにより、システム200のこの実施形態は、チャネル当たり毎秒1.6ギガビットのディジタル帯域幅を提供している。比較的雑音の少ないバス210環境によって実現される、より高い信号周波数およびより高いシンボル密度を使用することにより、さらに広いディジタル帯域幅が提供される。例えば、適切な材料を使用することにより、マルチドロップ・バス・システムに1GHz程度の信号周波数を使用することができる。
【0032】
図11は、最新技術の材料および電子パッケージに対する電磁結合バス・システム210の帯域幅を示す一群の曲線を示したものである。曲線の違いは、結合器の数の違い、および結合係数の目標範囲の違いを表している。曲線の形状は、1101のラベルが振られた通過帯域を有する帯域通過フィルタの形状である。下側の周波数拘束は、結合器240の周波数応答によって設定され、上側の拘束は、印刷回路基板の材料損失、パッケージ寄生インダクタンスおよびパッケージ寄生キャパシタンスによって決定される。長さ1cmの結合器の場合、長さによって誘導される帯域幅の制限は、約5GHzで生じ、結合器の長さが長くなるにつれて、より低い周波数、例えば長さ4cmの結合器の場合、1.25GHzで生じることに留意されたい。したがって材料および寄生が、スケール・シンボル周波数Fをより高くする能力を制限している。例えば、広く使用されているPC基板誘電材料FR4は、3GHz以上の周波数を大きく減衰させている。ディジタル帯域幅をこれらの制約の下で広くするためには、本発明において説明する変調技法を使用することによってNを大きくしなければならない。材料特性の改善に伴い、例えばFR4をテフロン(登録商標)に置き換えることにより、バス・システム210の通過帯域1101の拡大に伴って、より広いディジタル帯域幅を提供するため、本発明を、F、Nあるいはその2つの何らかの組合せにスケール化することができる。
【0033】
デバイス220とバス210の間を電磁結合する利点の1つは、直接結合システムあるいは結合器構成要素を正確に位置決めしなければならない電磁結合システムの場合に比べて、デバイス220をより容易にシステム200に追加し、あるいはシステム200から取り外すことができることである。例えば電磁結合器240を使用することにより、例えば32ビット・バスの32個のトレースへの電気接続または切り離しが不要になる。電気接続が不要になること、静電放電から保護される利点、信号の完全性等により、本発明の電磁結合態様は、ホット・スワッピングなどのアプリケーションに対して重要な利点を有している。
【0034】
本発明の一実施形態では、電磁結合器240は、デバイス側構成要素242およびバス側構成要素244の相対位置に対する電磁結合器240の結合係数の感度を鈍くする幾何形状を有している。このような幾何形状により、平衡結合器240は、デバイス側構成要素242およびバス側構成要素244の水平方向分離または垂直方向分離の変化にもかかわらず、その結合係数を特定の範囲内に維持することができる。
【0035】
図3Aは、デバイス220とバス210の間の、比較的安定した結合を提供する幾何形状を有する平衡電磁結合器240の一実施形態300を示したものである。結合器300は、図2Bに示す座標系に対して、z方向に沿って反対方向から見た図である(その一部が図3Aに再現されている)。この配向の場合、バス側構成要素320は、電磁結合器300のデバイス側構成要素330の上側に出現している。バス側構成要素320とデバイス側構成要素330の幾何形状は、結合器300を介して転送されるエネルギーの量を、バス側構成要素320とデバイス側構成要素330の相対アライメントに対して比較的鈍感にしている。
【0036】
結合器300の場合、バス側構成要素320は、その端点によって決まる長手方向(y軸)に対して波打っており、ジグザグ・パターンを形成している。バス側構成要素320の開示した実施形態には、x方向に正と負に変化する、長手方向からの4つの行程が含まれている。開示した長手方向からの行程の数、大きさおよび角度は、構成要素の幾何形状を一般的に説明したものに過ぎない。これらの値は、個々の実施形態の制約に対応させるため様々である。デバイス側構成要素330は、バス側構成要素320のジグザグ・パターンに対して相補形をなす同様のジグザグ・パターンを有している。
【0037】
反覆して交差することで、結合器300の平行プレート領域340(1)〜340(4)(一般名としては「平行プレート領域340」)とフリンジ領域350(1)〜350(3)(一般名としては「フリンジ領域350」)を形成している。結合器300の結合係数に対する平行プレート領域340およびフリンジ領域350の寄与は、それぞれ異なっており、いずれも構成要素320および330の相対アライメントの変化に対する影響を緩和している。例えば、プレート領域340の大きさは、構成要素320および330が、x−y平面内における基準位置から若干変化してもほとんど変化しない。構成要素320および330が、x−y平面における基準位置から変化すると、フリンジ領域350の大きさが変化し、それにより、隣接する領域が変化して互いにほぼオフセットする。Sが0.125cm、δ=35°およびWが5ミル(約127μm)である結合器300の一実施形態の場合、構成要素320および330が、公称上整列位置からxおよび/またはy方向に±8ミル(約200μm)変化しても、Kの変化は、わずかに±2%である。
【0038】
また、構成要素320と330の間の垂直方向の分離の変化に対する影響も結合器300の中で緩和される。平行プレート領域340中における結合は、分離(z)に反比例して変化し、フリンジ領域350中における変化は、分離に伴ってより穏やかに変化する。正味の効果は、結合器300の場合、z方向の変化に対する感度の低下である。結合器の幾何形状をこのように選択することにより、結合器分離(z)が±30%変化しても、容量結合係数の変化は、±15%未満である。これは、同一範囲の導体分離に対して、+40%/−30%変化する平行プレート・ベース結合器幾何形状に優に匹敵している。
【0039】
結合器300の開示実施形態の場合、構成要素320および330は、両構成要素に沿って伝送される信号に比較的一様なインピーダンス環境を提供するため、角の部分が丸くなっている。同様の理由で、構成要素320および330は、比較的一様な交差部分を有している。要約すると、結合器300は、いずれの環境にも重大なインピーダンス変化をもたらすことなく、デバイス220とバス210の間のローバストな信号伝送を提供している。
【0040】
図3Bは、平衡電磁結合器240の他の実施形態304を示したものである。本開示実施形態の場合、一方の構成要素324が、蛇行すなわち構成要素320に関連して上で説明した幾何形状と同様のジグザグ幾何形状を保持し、第2の構成要素334は、実質的に直線の幾何形状を有している。構成要素334は、結合器304のバス側あるいはデバイス側のいずれの側に形成しても良い。構成要素324は、その反対側に形成されることになる。結合器304も、平行プレート領域344およびフリンジ領域354の両方を備えているが、フリンジ領域354は、結合器300のフリンジ領域350より小さくなっている。したがって結合器304は、構成要素324および334の相対位置の変化に対して、結合器300より敏感である。
【0041】
図3Cは、平衡電磁結合器240のさらに他の実施形態308を示したものである。この実施形態の場合、平行プレート領域348とフリンジ領域358の両方を設けるため、一方の構成要素328が第2の構成要素338より細くなっている。
【0042】
図3Dは、結合器300が組み込まれたマルチドロップ・バス・システム360の一部を示したものである。バス・トレース380は、その長さに沿って間隔を隔てて配置された複数のバス側構成要素320を備えている。対応するデバイス370は、関連するデバイス側構成要素330を介して、バス・トレース380に結合されている。構成要素320および330は、それらの幾何形状を示すように、回転して示されている。結合器300の実施形態は、構成要素320と330の間に、位置決めすなわち結合係数の調整を容易にするための特定の誘電材を備えている。
【0043】
図3Eは、デバイス370をバス・トレース380に結合するためのメカニズムの1つを示したものである。本開示実施形態の場合、結合器300のバス側構成要素320を含むバス・トレース380は、回路基板384に形成されている。バス・トレース380の一端は、デバイス220(1)に接続されている。デバイス370は、たわみ回路386上に取り付けられ、デバイス側構成要素330に接続されているが、図3Eには、その一部のみが示されている。デバイス側構成要素330は、たわみ回路386の表面に沿って連続しており、たわみ回路386が回路基板384に押し付けられる(矢印で示すように)と、バス側構成要素320と向き合うことになる。図3Eには一部しか示されていないが、たわみ回路386を所定の位置に保持するためのソケット388が設けられている。
【0044】
たわみ回路386のたわみ特性により、たわみ回路386を回路基板384に押し付ける際に、たわみ回路386を曲げることができる。一実施形態では、デバイス側構成要素330は、たわみ回路386を回路基板384に押し付けることによって形成される、たわみ回路386の比較的平らな部分に配置されている。完全に挿入されると、z軸に沿って反対方向から結合器300を見下ろした場合、デバイス側構成要素330およびバス側構成要素320は、図3Aに示すように整列している。バス側構成要素320とデバイス側構成要素330の間には、分離を維持するためのスペーサが設けられている。あるいは、短絡を生じることなく押し付けることができるよう、構成要素320および330のいずれか一方またはその両方に、誘電材料の被覆が施されている。デバイス側構成要素330をデバイス370に結合しているトレースは、たわみ回路386と共に曲がり、それによりデバイス側構成要素330とデバイス370の間のコネクタの必要性を排除している。
【0045】
たわみ回路386は、例えば、1つまたは複数のたわみ層および/またはエポキシ誘電材料、ポリイミド(例えば、Delaware州WilmingtonにあるE.I.du Pont de NemoursのKapton(登録商標))あるいはポリエチレンテレフタラート(PET)などの弾性材料でできている。一実施形態では、デバイス側構成要素330は、たわみ/弾性材の層の間に挟まれており、結合器300の形成に使用される弾性分離および誘電分離を提供している。開示したメカニズムは、デバイス370をバス・トレース380に結合するために使用される多くの方法のうちの1つに過ぎない。例えば、たわみ材料と剛性材料の様々な組合せ、ドーター・カード、およびこれらのメカニズムの変形形態を使用することができる。
【0046】
本発明に従って実施されるマルチドロップ・バス・システムによって提供される、より雑音の少ない環境により、従来のマルチドロップ・バス・システムより高い周波数で、信頼性の高い信号を伝送することができるが、より高い信号周波数によってのみ提供される帯域幅の利得には限界がある。例えば、伝送チャネル内の信号を散乱させる不規則性の規模は、信号の周波数が高くなるほど小さくなる。また、完全に除去あるいはマスクすることができない寄生キャパシタンスおよび寄生インダクタンスにより、伝送速度が低下し、信号の振幅が減衰し、高い周波数での回路共振が生じている。さらには、表皮効果および誘電損などの材料特性により、高周波伝搬が制限されている。また、電磁結合器240による信号減衰も、帯域幅に影響を及ぼしている。例えば、減衰をオフセットするための伝送信号の増幅は、信号を伝送することができる周波数を制限している。
【0047】
上で指摘したように、チャネルのディジタル帯域幅は、Fがシンボルの周波数であり、Nが1シンボル当たりの伝送ビット数(「シンボル密度」)である、BW=Fで与えられる。本発明の一実施形態では、特定のシンボル周期(1/F)に対して、Nを大きくするための様々な変調スキームが使用されている。所与のFに対して、Nが大きいほど総合BWが広くなり、高周波信号方式のみに依存する場合の限界が回避される。特定の変調スキームと高周波信号方式を組合せることにより、BWが著しく広くなる。
【0048】
以下の考察では、説明用として様々な時間領域変調スキームが使用されているが、本発明の利点は、開示する変調スキームに限定されない。形状変調(パルス中のエッジ数を変更する)などの他の時間領域変調スキーム、周波数変調、位相変調およびスペクトル拡散などの狭帯域および広帯域周波数領域変調スキーム、あるいは時間領域変調スキームと周波数領域変調スキームの両方の組合せ(高周波シヌソイドと重畳したパルス)も、本発明との使用に適している。
【0049】
図4は、FとNの間の相互作用を示す信号410、および複数のデータ・ビットを1つのシンボル中に符号化するために使用される様々な変調スキームを略図で示したものである。信号410には、1シンボル周期(F −1)の間に伝送される変調シンボル420が含まれている。説明用として、5ビットのデータ(N=5)をシンボル420中に符号化する位相変調スキーム、パルス幅変調スキーム、立上り時間変調スキームおよび振幅変調スキームが示されている。本発明は、これらの変調スキームおよび他の変調スキームを、個々のシステムの帯域幅を広げるべく、単独で、あるいは複数の変調スキームを組合せて実施することができる。ビット間隔(以下を参照)、雑音源、考慮中の変調スキームの各々に適用することができる回路制限、および所与の周波数に対する有効シンボル周期を考慮することにより、1つまたは複数の変調スキームが選択される。
【0050】
以下の考察では、「パルス」は、立上りエッジおよび立下りエッジの両方を有する信号波形を指している。パルス・ベース信号の場合、情報は、例えばエッジ位置、エッジ形状(スロープ)、およびエッジ対の間の信号の大きさの中に符号化される。本発明は、パルス・ベース信号に限らず、エッジ・ベース信号および様々なタイプの振幅、位相または周波数変調周期波形など、他の信号波形に対して実施することもできる。以下の考察は、本発明の様々な態様を説明するために、パルス・ベース信号の変調スキームに集中しているが、本発明を実践するためには、これらのスキームは必ずしも必要ではない。パルス・ベース信号に対する以下の考察と同様の考察を他の信号波形に適用し、それにより適切な変調スキームを選択することができる。
【0051】
信号410の場合、第1のビットの値(0または1)は、シンボル周期内におけるシンボル420の立上りエッジの発生位置(pまたはp)によって表される(位相変調すなわちPM)。第2および第3のビットの値は、そのパルスが有する可能な4つの幅(w、w、w、w)によって表される(パルス幅変調すなわちPWM)。第4のビットの値は、立下りエッジのスロープが大きい(rt)か、あるいは小さい(rt)かによって表され(立上り時間変調すなわちRTM)、第5のビットの値は、パルスの振幅が正(a)であるか、あるいは負(a)であるかによって表される(振幅変調すなわちAM)。太線は、シンボル420の実際の状態を表し、ダッシュ線は、上で説明した符号化スキームに対する他の有効状態を表している。ストローブが、立上りエッジおよび立下りエッジの位置を比較する基準時間を与えるためにシンボル周期内に示されている。上で説明した各変調スキームによって符号化されるビットの数は、単に説明用の数に過ぎない。また、シンボル420の立上りエッジおよび/または立下りエッジにRTMを適用することができ、また、AMを使用して、ビットをシンボル420の大きさおよび/またはサインの中に符号化することも可能である。
【0052】
PM、PWMおよびRTMは、時間領域変調スキームの一例である。各時間領域変調スキームにより、1つまたは複数のビットが、例えば立上りエッジまたは立上りエッジとそれに引き続く立下りエッジなど、1つまたは複数の事象がシンボル周期の中で生じる1つまたは複数の時刻の中に符号化される。つまり、様々なビットの状態が、シンボル周期内における様々な事象時刻または事象時刻と事象時刻の差によって表される。各時間領域変調スキームと結合したビット間隔は、そのスキームの様々なビット状態を高い信頼性で弁別するために必要な時間の最少量を表している。個々のシステムで選択される変調スキームおよび選択した変調スキームによって表されるビットの数は、部分的には、選択される可能性のある変調スキームのビット間隔、およびそのビット間隔すなわちシンボル周期に適応するために有効な時間によって決定される。
【0053】
図4のtは、位相変調スキームにおけるpとpを弁別するために必要な最少時間を表している。持続期間tの1ビット間隔がシンボル周期内に割り当てられ、それによりパルス・エッジを高い信頼性でpまたはpに割り当てることができる。tの値は、雑音および位相の測定を妨害する回路制限によって様々である。例えば、ストローブがクロック・パルスによって提供される場合、クロック・ジッタによってストローブの位置(時間)が不確実になり、そのためにpとpを高い信頼性で弁別するために必要な最小間隔が長くなる。様々な回路制限および解決法については、以下でさらに詳細に考察する。
【0054】
同様に、持続期間tの1ビット間隔がシンボル周期内に割り当てられ、それにより2つの状態(rt、rt)を高い信頼性で弁別することができる。tの大きさは、雑音および立上り時間の測定に関連する回路制限によって決定される。例えば、立上り時間は結合器240を通過させることによって弁別される。したがってtは、二次導関数の測定を可能にするだけの十分な長さでなければならない。
【0055】
持続期間がtの3つのビット間隔がシンボル周期内に割り当てられ、それにより4つの状態(w、w、w、w)を高い信頼性で弁別することができる。tの大きさは、雑音およびパルス幅の測定に関連する回路制限によって決定される。パルス幅がクロック・ストローブに関連して決定される場合、クロック・ジッタに関する考慮が適用される。パルス幅が、例えばパルスの立上りエッジに関連して決定される場合は、立上りエッジ測定と立下りエッジ測定の間の電源電圧の変動などの考慮が適用される。
【0056】
一般的に、nビットの値をビット間隔tの時間領域変調スキーム(i)中に符号化するために必要な時間は、(2−1)・tである。雑音または回路上の理由により、非一様なビット間隔が好ましい場合、変調スキームに割り当てられる総時間は、そのビット間隔のすべての合計である。複数の時間領域変調スキームを使用する場合、シンボル周期は、Σ(2n(i)−1)・tの他に、あらゆる追加タイミング・マージンに適応するだけの十分な長さでなければならない。この場合の合計は、使用されているすべての時間領域変調スキームに対する合計である。上の例では、シンボル周期は、t+t+3tの他に、他のあらゆるマージンすなわちタイミングに適応しなければならない。これらの中には、チャネル帯域幅によって表される最小パルス幅、残留雑音等が含まれている。
【0057】
複数の符号化スキームを使用することにより、シンボル時間に対する制約が軽減される。例えば、5ビットをパルス幅変調のみを使用して符号化するには、少なくとも31・tが必要である。tが十分に大きい場合、単一の符号化スキームを使用することにより、必要なシンボル周期は、複数の符号化スキームを使用する場合に必要な周期より長くなる(シンボル周波数が低くなる)。
【0058】
また、最小レゾルーション時間は振幅変調に関連している。時間領域変調スキームとは異なり、振幅変調は、エッジ位置に対して実質的に直角をなすパルス特性中にデータを符号化している。したがって、シンボル周期が適応する総ビット間隔に直接追加する必要はない。例えば、振幅変調は、電圧レベルの符号または大きさを使用してデータを符号化している。
【0059】
しかしながら、異なる変調スキームは完全には直交していない。上の例では、2つの振幅状態(正および負)が1つのビットを符号化しており、この間隔に関連する最小時間は、例えば、振幅がAの電圧に対する検出器回路の応答時間によって決定される。パルス幅は、少なくともAの符号を決定するだけの十分な長さでなければならない。同様に、立上り時間状態rtおよび幅状態wによって特徴付けられたシンボルは、位相状態pによって特徴付けられた次のシンボルを妨害する。したがって、本発明と共に使用する変調スキームの選択に際しては、雑音および回路制限(ビット間隔の中で部分的に合計される)、変調スキームの相対インピーダンス、および他の様々な要因が考慮される。
【0060】
図5Aは、デバイス220(2)〜220(m)のための多重ビット・シンボルを処理するのに適したインタフェース230の一実施形態500のブロック図である。例えばインタフェース500を使用して、例えばデバイス220(2)からのアウトバウンド・ビットをバス210で伝送するため、対応するシンボルに符号化し、デバイス220(2)が使用できるよう、バス210で受信したシンボルをインバウンド・ビットに復号化することができる。
【0061】
インタフェース230の開示実施形態は、トランシーバ510および較正回路520を備えている。また、図5Aには、転送された波形をトランシーバ510に提供するための、電磁結合器240のデバイス側構成要素242が示されている。例えば、転送された波形は、電磁結合器240の両端間にパルス420を送信することによって生成された弁別波形である。デバイス側構成要素242は、インタフェース230が通信する各チャネル、例えばバス・トレース上に設けられている。第2のデバイス側構成要素242’は、差分信号方式が使用された場合のためのものである。
【0062】
トランシーバ510は、レシーバ530およびトランスミッタ540を備えている。レシーバ530は、電磁結合器240のデバイス側構成要素242上に転送された波形中に符号化されているビットを回復し、回復したビットをインタフェース230と関連するデバイスに提供している。レシーバ530の実施形態は、電磁結合器240の両端間の伝送時における信号エネルギーの減衰をオフセットするための増幅器を備えている。トランスミッタ540は、関連するデバイスによって提供されたデータ・ビットをシンボル中に符号化し、そのシンボルを電磁結合器240のデバイス側242にドライブしている。
【0063】
較正回路520は、トランシーバ510の性能に影響を及ぼす様々なパラメータを管理している。インタフェース230の一実施形態では、較正回路520を使用して、プロセス、温度、電圧等の変動に応じて、トランシーバ510内の成端抵抗、増幅器利得あるいは信号遅延を調整している。
【0064】
図5Bは、通信チャネルに直接接続されたデバイスのための符号化シンボルの処理に適したインタフェース230の一実施形態504のブロック図である。例えば、システム200(図2)では、デバイス220(1)は、メモリ・バス(210)に直接接続されたコンピュータ・システムのシステム・ロジックあるいはチップセットを表し、また、デバイス220(2)〜220(m)は、コンピュータ・システムの記憶装置モジュールを表している。したがって、インタフェース504が通信する各チャネルすなわちトレース上に、直流接続506が設けられている。第2の直流接続506’(各チャネルの)は、差分信号方式が使用された場合のためのものである。インタフェース504は、様々なデバイス220(2)〜220(m)および局部クロックから送信される信号のタイミング差を引き起こすためのクロック同期回路560を備えている。
【0065】
図6は、位相変調、パルス幅変調および振幅変調を使用してデータ・ビットが符号化され、ストローブがクロック信号によって与えられる波形の処理に適したトランシーバ510の一実施形態600を示すブロック・レベルの線図である。トランシーバ600は、データ・パッド602および604で示すように、差分信号方式をサポートしている。また、トランシーバ600は、例えば較正回路520から、制御信号608を介して較正制御信号を受け取っている。
【0066】
トランシーバ510の開示実施形態の場合、トランスミッタ540は、位相変調器640、パルス幅変調器630、振幅変調器620および出力バッファ610を備えている。出力バッファ610は、差分信号方式をサポートするために、反転出力および非反転出力を、それぞれパッド602および604に提供する。位相変調器640には、トランシーバ510とシステム・クロックを同期させるためのクロック信号が与えられる。変調器620、630および640の開示構成は、説明用に過ぎない。対応する変調スキームを様々な順序で適用し、あるいは複数のスキームを並列に適用することができる。
【0067】
レシーバ530の開示実施形態は、増幅器650、振幅復調器660、位相復調器670およびパルス幅復調器680を備えている。復調器660、670および680の順序は、説明用に過ぎず、本発明を実施するためには不要である。例えば1つの信号に対して、様々な復調器を並列に動作させることができ、あるいは図に示す順序とは異なる順序で動作させることができる。
【0068】
デバイス690(a)および690(b)(一般名としては「デバイス690」)は、オンチップ成端インピーダンスとして作用しており、本発明の一実施形態では、インタフェース230が受信している間、アクティブである。例えば、プロセス、温度および電圧が変動した場合のデバイス690の有効性は、較正回路520によって補助されている。トランシーバ600の場合、デバイス690は、N型デバイスとして示されているが、所望する機能は、直列または並列の複数のN型および/またはP型デバイスによっても提供される。較正回路520によって提供される制御は、ディジタル形態あるいはアナログ形態であり、出力イネーブルによって調整される。
【0069】
図7Aは、トランスミッタ540の一実施形態およびその構成要素変調器620、630および640の回路図である。また、図には、バス210を介して送信されるストローブ信号の発生に適したストローブ・トランスミッタ790が示されている。システム200の一実施形態では、2つの個別ストローブが提供される。ストロ−ブの1つは、デバイス220(1)からデバイス220(2)ないし220(m)への通信用であり、もう1つのストローブは、デバイス220(2)ないし220(m)からデバイス220(1)への逆方向通信用である。
【0070】
トランスミッタ540の開示実施形態は、クロック信号(CLK_PULSE)を変調し、シンボル周期毎に4つのアウトバウンド・ビットを符号化している。1ビットがシンボルの位相で符号化され(位相ビット)、2ビットがシンボルの幅で符号化され(幅ビット)、また、1ビットがシンボルの振幅で符号化される(振幅ビット)。トランスミッタ540を使用して、シンボル周期毎に差分シンボル・パルスが生成され、また、ストローブ・トランスミッタ790を使用して、シンボル周期毎に差分クロック・パルスが生成される。
【0071】
位相変調器640は、MUX710および遅延モジュール(DM)712を備えている。MUX710は、DM712を介して、CLK_PULSEの遅延バージョンを受け取り、CLK_PULSEの非遅延バージョンを入力部704から受け取っている。MUX710の制御入力により、位相ビットの値に応じて、CLK_PULSEの遅延第1エッジまたは非遅延第1エッジが送信される。一般的には、p−位相ビットを符号化する位相変調器640は、CLK_PULSEの2個のバージョンのうちの1つを選択して、異なる遅延を課している。開示実施形態の場合、位相変調器640の出力は、シンボル420の立上りエッジを表し、幅変調器630による立下りエッジの発生のためのタイミング基準として機能している。遅延整合ブロック(DMB)714は、シンボル420の幅に有害な影響を及ぼす幅変調器630の回路遅延(MUX720の遅延など)をオフセットするためのものである。DMB714の出力は、追加処理用振幅変調器620に提供される開始信号(START)である。
【0072】
幅変調器630は、第1のエッジに対して、幅ビットによって表される量だけ遅延された第2のエッジを発生するためのDM722、724、726、728およびMUX720を備えている。この第2の遅延エッジは、追加処理用振幅変調器620に入力される停止信号(_STOP)を形成している。トランスミッタ540の開示実施形態の場合、MUX720の制御入力部に印加される2つのビットが、MUX720の出力部にもたらされる第2のエッジに対する4つの異なる遅延のうちの1つを選択している。MUX720の入力部a、b、cおよびdは、それぞれDM722、724、726および728を通過した入力信号、すなわち第1のエッジをサンプルしている。例えば幅ビットが入力cを表している場合、MUX720によって出力される第2のエッジは、第1のエッジに対して、DM722+DM724+DM726だけ遅延される。
【0073】
振幅変調器620は、STARTおよび_STOPを使用して、所与のシンボル周期の間にトランスミッタ540に提供される、それぞれ位相ビット、幅ビットおよび振幅ビットによって表される第1のエッジ、幅および極性を有するシンボル・パルスを発生している。振幅変調器620は、振幅ビットの状態に応じて、STARTをそれぞれエッジ−パルス発生器(EPG)730(a)および730(b)に経路指定するスイッチ740(a)および740(b)を備えている。スイッチ740は、例えばANDゲートである。_STOPは、EPG730(a)および730(b)(一般名としては、EPG730)の第2の入力部に提供されている。EPG730は、STARTを受け取ると、_STOPを受け取ることによって終了するシンボル・パルスを起動する。起動させるEPG730に応じて、正に立ち上がるパルスまたは負に立ち下がるパルスが、差分出力バッファ610を介して、トランスミッタ540の出力部に提供される。
【0074】
ストローブ・トランスミッタ790は、DM750および整合ロジック・ブロック780を備えている。DM750は、CLK_PULSEを遅延し、シンボル420のpおよびpを選択するデータ位相を決定するのに適したストローブ信号を提供している。ストローブ・トランスミッタ790の一実施形態では、DM750は、ストローブをpおよびpによって表される位相ビット状態の中間に位置付けしている(図4)。ストローブは、例えばレシーバ530によって使用され、データの立上りエッジの着信がストローブの前のものであるか、あるいはストローブの後のものであるかどうかを決定することによって位相が復調される。したがって、ストローブ・トランスミッタ790のDM750は、データ・トランスミッタ540の位相変調器640に対応している。整合ロジック・ブロック780は、トランスミッタ540の残りの回路を複製し、DM750が相対位置を固定した後における、データと一致するストローブのタイミングを維持している。
【0075】
一般的には、DM750および整合ロジック・ブロック780は、データ信号に対するトランスミッタ540のオペレーションを、物理レイアウトのレベルでストローブに対して複製している。したがって、この遅延整合は、プロセス、温度および電圧等の変動に対して、よりローバストである。また、トランスミッタ540の出力部から、ボード・トレース、電磁結合器240、結合器240のもう一方の側のボード・トレースを通って、受信デバイスのレシーバ530の入力部に到る通信チャネルの残りの部分は、選択された相対タイミングを維持するために、データとストローブの間の遅延の中で整合される。しかしながら、この遅延整合は、説明を目的として示した一実施形態であり、本発明を実践するためには不要である。例えば、回路およびチャネルの残留部分が、ストローブ遅延に対する整合データを維持していない場合、レシーバは、ストローブの相対タイミングを較正することができ、さらには、適切に符号化されたデータからタイミングを回復することにより、ストローブの欠落を補償することもできる。
【0076】
図7Bは、本発明との使用に適したプログラム可能遅延モジュール(DM)770の一実施形態の略図である。例えば、1つまたは複数のDM770を、トランスミッタ540の開示実施形態の任意のDM712、722、724、726、728および750に使用することにより、STARTおよび_STOPにプログラム可能な遅延をもたらすことができる。DM770は、それぞれ第1のトランジスタ・セット774(a)、774(b)および第2のトランジスタ・セット776(a)、776(b)を介して、基準電圧VおよびVに結合されたインバータ772(a)および772(b)を備えている。実施形態の中には、基準電圧VおよびVがディジタル電源電圧のものもある。トランジスタ・セット774(a)、774(b)および776(a)、776(b)にそれぞれ印加されるプログラム信号p〜pおよびn〜nは、インバータ772(a)および772(b)から見たコンダクタンスが変化し、したがってその速度が変化している。以下でさらに詳細に考察するように、インバータ772(a)および772(b)のプログラム信号p〜pおよびn〜nは、較正回路520を使用して選択されている。
【0077】
図7Cは、本発明との使用に適したEPG730の一実施形態の略図である。EPG730の開示実施形態は、トランジスタ732、734、736およびインバータ738を備えている。N型トランジスタ734のゲートは、STARTによってドライブされている。STARTの正に立ち上がるエッジは、シンボル・パルスの開始を表している。P型およびN型トランジスタ732および736のゲートは、図7AのEPG730(a)および730(b)のためのSTARTの遅延反転コピーである_STOPによって、それぞれドライブされている。_STOPの負に立ち下がるエッジは、シンボル・パルスの終了を表している。_STOPがハイのとき、トランジスタ732がオフであり、トランジスタ736がオンである。トランジスタ734は、STARTの正に立ち上がるエッジでオンになり、ノードNをローに引張り、EPG730の出力部に、シンボル・パルスの立上りエッジを生成する。引き続く_STOPの負に立ち下がるエッジで、トランジスタ736がオフ、トランジスタ732がオンになり、ノードNをハイに引張り、シンボル・パルスを終了させる。
【0078】
所与のシンボル・パルスに対して、STARTは、対応する_STOPがアサートされる前、あるいはアサートされた後にデアサートされる(エッジが負に立ち下がる)。例えば、トランスミッタ540の開示実施形態は、CLK_PULSEで計時されており、狭いCLK_PULSEを使用することにより、より高いシンボル密度が得られる。したがって、STARTおよび_STOPの幅は、CLK_PULSEの幅の関数であり、STARTと_STOPの分離は、幅ビットの関数である。STARTの終了および_STOPの開始の異なる可能相対着信は、幅ビットによるシンボル420の変調に悪影響を及ぼしている。詳細には、_STOPの負の立下りエッジによってシンボル・パルスが終了すると、トランジスタ734がオンまたはオフになる。したがってノードNには、トランジスタ734を介してノードPの寄生キャパシタンスに晒される状態と、晒されない状態が存在し、この可変性が、EPG730を介したシンボル立下りエッジの遅延に、非意図的な方法で影響を及ぼしている。
【0079】
図7Dは、トランスミッタ540の代替実施形態の略図であり、EPG730(c)が追加されている。EPG730(c)は、上で説明した可変性を防止する無矛盾タイミングを保証するため、STARTを再成形している。すなわち、_STOPの開始後に、必ずSTARTが終了するよう、修正STARTが拡大されている。この修正STARTの拡大は、CLK_PULSEの幅に代わって、元のSTARTによって開始が指示され、_STOPの開始によって終了が指示される、新しいSTARTを生成することによって達成される。また、図7Dに示す代替実施形態では、遅延整合ブロック714およびEPG730(c)を介した遅延の合計は、幅変調器630内の非意図的遅延と整合しなければならないことに留意されたい。
【0080】
図8A〜8Eは、システム200の一実施形態のCLK_PULSE、START、STOP、SYMBOLおよびTR_SYMBOLをそれぞれ示したものである。TR_SYMBOLは、電磁結合器240の両端間を伝送した後のSYMBOLの形態を表している。図8Dの波形と8Eの波形の間でスケールを変更することによって、SYMBOLに対するTR_SYMBOLの振幅がより小さいことが、大まかに示されている。TR_SYMBOLは、デバイス220がさらに処理するためのデータ・ビットを抽出するため、インタフェース230によって復号化される信号を表している。各SYMBOLによって符号化された4つのアウトバウンド・ビットが、対応するSYMBOLの下に、(p、w、w、a)の順に示されている。
【0081】
図9Aは、本発明との使用に適したレシーバ530の一実施形態を示す略図である。レシーバ530の開示実施形態は、差分データ信号を処理している。また、図9Aには、差分ストローブ信号の処理に適したストローブ・レシーバ902が示されている。ストローブ・レシーバ902は、上で考察したレシーバと類似のレシーバ530のための遅延整合を提供している。レシーバ530およびストローブ・レシーバ902は、例えば、上で考察したトランスミッタ540およびストローブ・トランスミッタ790の実施形態と共に、システム200に使用することができる。
【0082】
レシーバ530の開示実施形態は、電磁結合器240に関連するエネルギー減衰を補償する、差分−シングル・エンド増幅器920(a)および920(b)を備えている。増幅器920(a)および920(b)は、転送信号上の正または負のいずれかのパルスに応答して、ディジタル・パルス(図8Eに示す、TR_SYMBOL)およびその相補形パルス、例えば入力部602および604の信号を生成している。増幅器920は、増幅以外に、適切なタイミング信号でその出力をラッチし、後続のディジタル回路に十分なパルス幅を提供している。
【0083】
同様に、整合ストローブ・レシーバ902も、付随する差分ストローブ信号を増幅している。開示実施形態の場合、受け取ったストローブを使用して、データ・シンボル420中の位相情報を復号化している。ストローブ・レシーバ902は、差分−シングル・エンド増幅器920(c)および920(d)、および整合回路904を備えている。整合回路904は、トランスミッタ540およびストローブ・トランスミッタ790の整合と同様、データ信号およびストローブ信号の遅延と整合させるべく、レシーバ530内の残りの回路のほとんどを複製している。ストローブ・レシーバ902の一実施形態は、位相復調器670に対応する回路および若干の修正が施された幅復調器680を備えている。例えば、ストローブ・バッファ990は、例えばバス210内のチャネル数までの複数のレシーバ530に分配するために、受け取ったストローブをバッファしている。ストローブ・バッファ990の大きさは、ストローブ・バッファ990がドライブするレシーバの数に応じて様々である。データ・バッファ980は、ストローブ・バッファ990に対応している。面積を節約するために、データ・バッファ980は、ストローブ・バッファ990の正確な複製である必要はない。遅延は、データ・バッファ980およびその負荷の両方を、ストローブ・レシーバ902の等価物に対して、比例的に縮小することによっても整合させることができる。
【0084】
Uni−ORゲート(UOR)940(a)は、増幅器920(a)および920(b)の出力を結合し、TR_SYMBOLの第1のエッジを回復している。uni−ORという名称は、ゲート940を介した伝搬遅延が、2つの入力に対して同一であることを表している。図9Cは、UOR940の一実施形態を示したものである。同様に、uni−ANDゲート(UAND)930は、TR_SYMBOLの第2のエッジを回復している。図9Bは、UAND930の一実施形態を示したものである。
【0085】
位相復調器670の開示実施形態は、アービタ950(b)(一般名としては「アービタ950」)およびデータ・バッファ980を備えている。アービタ950(b)は、UOR940(a)によって転送されたシンボルから回復した第1のエッジと、UOR940(b)によって回復されたストローブからの対応するエッジとをそれぞれ比較し、シンボルから回復した第1のエッジがストローブの第1のエッジに先行しているか、あるいは後続しているかに応じて位相ビットをセットしている。図9Dはアービタ950の一実施形態を示したものである。入力958の前に入力956がハイになると、出力952がハイになる。入力956の前に入力958がハイになると、出力954がハイになる。
【0086】
図9Eは、増幅器920の一実施形態を示す回路図である。増幅器920の開示実施形態は、リセット等化デバイス922、利得制御デバイス924および予備充電ラッチ928を備えている。リセット・デバイス922は、次のシンボル周期に備えて、パルスが検出された後の増幅器920のリセット速度を速くしている。利得制御デバイス924は、プロセス、電圧、温度等の変動に対して、増幅器920の利得を補償している。制御信号926は、較正回路520によって提供されている。より一般的には、デバイス924は、直列または並列に接続された複数のデバイスであり、信号926は、較正回路520によって生成される複数のビットである。予備充電ラッチ928は、後続する回路の便宜のために、受け取ったパルスを再成形している。得られる出力パルス幅は、タイミング信号_RSTによって決定される。増幅器920の一実施形態の場合、_RSTは、レシーバ530内で使用される他のタイミング信号と共に、DM916(図9A)によって生成されている。パワーオン・シーケンスあるいは雑音により、予備充電ラッチ928および信号_RSTを矛盾状態にすることができる。回路を追加することにより、このような事象を検出し、補正することができる。
【0087】
振幅復調器660の開示実施形態は、増幅器920(a)および920(b)から増幅転送信号を受け取るアービタ950(a)を備えている。アービタ950(a)は、増幅器920(a)あるいは920(b)のどちらが先にパルスを出力するかに応じて、振幅ビットをセットしている。
【0088】
幅復調器680の開示実施形態は、遅延モジュール(DM)910、912、914、アービタ950(c)、950(d)、950(e)および復号化ロジック960を備えている。回復された第1のシンボル・エッジは、DM910、912および914を介して送信され、異なるシンボル幅に関連する遅延を複製する一連の遅延エッジ信号が生成される。本発明の一実施形態では、DM910、912および914は、プログラム可能遅延モジュールとして実装されている(図7B)。アービタ950(c)、950(d)および950(e)は、生成されたエッジ信号に対する第2のエッジの(一時的な)位置を決定している。復号化ロジック960は、この位置を一対の幅ビットにマップしている。
【0089】
ラッチ970(a)、970(b)、970(c)および970(d)は、第1および第2の幅ビット、位相ビットおよび振幅ビットを、それぞれその入力部で受け取り、クロック信号によってクロックされると、抽出した(インバウンド)ビットを、その出力部に転送している。レシーバ530の開示実施形態の場合、ラッチは、幅復調器680の遅延チェーンからの信号を、DM916の付加遅延を介してサンプルすることによってクロックされている。このラッチングにより、復調ビットが付随するストローブのタイミングに同期化される。また、デバイス220には、データを局部クロック、例えば図5Bに示すクロック同期回路560にさらに同期させる必要がある。この同期化は、数ある様々な方法のうちの任意の方法を使用して達成することができることは、本開示の利点を利用する当分野の技術者には理解されよう。
【0090】
インタフェース230の実施形態の様々な構成要素には、プロセス、電圧、温度変動等を補償するため調整することができる多数の回路素子が含まれている。例えば、プロセス、電圧、温度変動等を補償するためには、プログラム可能遅延モジュール(DM770)によって提供される遅延、増幅器(増幅器920)によって提供される利得、あるいは成端抵抗(デバイス・セット690(a)および690(b))を調整しなければならない。
【0091】
図10は、較正回路520の一実施形態を示したものである。較正の目的は、フィードバックを使用して、プロセス、温度、電圧等の変動を測定し、補償することである。図10に示す較正回路520の実施形態は、遅延ロック・ループ(DLL)である。直列に接続されたDM1000(1)〜1000(m)によって、クロック信号(CLK_PULSE)が遅延される。DMの数は、1CLK_PULSE周期に整合するため、遅延の合計を設定することができるように選択される。アービタ950を使用して、DM1000を介した遅延の合計が、1クロック周期未満になったこと、1クロック周期に等しくなったこと、あるいは1クロック周期を超えたことを検出している。DLL制御1010は、遅延の合計と1クロック周期が整合するまで、遅延制御設定値を介して循環している。確立された制御設定値は、DM1000の遅延に対する、プロセス、温度、電圧等の影響を反映している。較正回路520は、状態(温度、電圧等)が変化した時点で連続的または周期的に動作させることができ、あるいは任意の他の様々な戦略に従って動作させることができる。
【0092】
DM712、DM910等、インタフェース230に使用されているすべてのDMに、同じ較正制御設定値を分配することができる。インタフェース230内のDMの所望の遅延は、すべてのDM1000に含まれている遅延モジュール770の総数に対する比率と、クロック周期に対する所望の遅延の比率が同じであるDMの各々に対するプログラム可能遅延モジュール770の数を選択することによって達成される。例えば、DM1000の合計に総数20の遅延モジュール770が存在している場合、インタフェース230内で使用されている任意の特定のDMに対して、2つの遅延モジュール770を使用することにより、クロック周期の1/10の遅延を選択することができる。また、当該DMを構成している選択された遅延モジュール770の出力部に、小さい余分の負荷を挿入することにより、任意の特定のDMに対する幾分かの付加遅延を選択することもできる。
【0093】
また、較正構成回路520によって得られた較正情報は、状態が変化した場合に、他の回路パラメータを制御するために使用される。これらのパラメータには、デバイス690の成端抵抗および増幅器920の利得が含まれている。他の回路パラメータの制御は、遅延制御設定値の中に含まれている情報を、同様のプロセス、温度、電圧による影響、および他の回路パラメータに対する同様の条件による影響を使用して修正することによって達成される。
【0094】
以上、マルチドロップ・バス・システムにおける高帯域幅通信を提供するためのメカニズムを開示した。開示したシステムには、マルチドロップ・バスへデータを転送し、マルチドロップ・バスからデータを転送するための電磁結合器が使用されている。電磁結合器によるバスの電気特性の摂動は比較的小さく、それにより、高周波伝送線路効果に関連する雑音が小さくなっている。雑音の少ない環境により、マルチドロップ・バス・システム内で、より高い信号周波数で様々な変調スキームを実施することができる。
【0095】
開示した実施形態により、本発明の様々な特徴が説明されているが、本開示の利点を利用するバス・ベース・システム設計分野の技術者には、開示した実施形態に対する、特許請求の範囲の各請求項の精神および範囲を逸脱することのない様々な変形形態および改変が可能であることが認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電磁結合器を使用した従来のマルチドロップ・バス・システムのブロック図である。
【図2A】 本発明による電磁結合マルチドロップ・バス・システムのブロック図である。
【図2B】 図2Aに示す電磁結合バス・システムの一実施形態の電気特性を示すブロック図である。
【図3A】 図2Aおよび2Bに示す電磁結合器の実施形態、およびマルチドロップ・バス・システムにおけるそれらの使用法を示す図である。
【図3B】 図2Aおよび2Bに示す電磁結合器の実施形態、およびマルチドロップ・バス・システムにおけるそれらの使用法を示す図である。
【図3C】 図2Aおよび2Bに示す電磁結合器の実施形態、およびマルチドロップ・バス・システムにおけるそれらの使用法を示す図である。
【図3D】 図2Aおよび2Bに示す電磁結合器の実施形態、およびマルチドロップ・バス・システムにおけるそれらの使用法を示す図である。
【図3E】 図2Aおよび2Bに示す電磁結合器の実施形態、およびマルチドロップ・バス・システムにおけるそれらの使用法を示す図である。
【図4】 本発明との使用に適した様々な変調技法を介した多重データ・ビットを表すシンボルの略図である。
【図5】 本発明との使用に適したインタフェースの実施形態を示すブロック図である。
【図6】 振幅変調、パルス幅変調および位相変調を介してビットを符号化および復号化するためのトランシーバ・モジュールの一実施形態を示すブロック図である。
【図7A】 図6に示すトランスミッタの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図7B】 図6に示すトランスミッタの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図7C】 図6に示すトランスミッタの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図7D】 図6に示すトランスミッタの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図8】 バス・システム200の一実施形態の様々なデータ伝送ステージにおける信号を示す図である。
【図9A】 本発明との使用に適したレシーバの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図9B】 本発明との使用に適したレシーバの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図9C】 本発明との使用に適したレシーバの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図9D】 本発明との使用に適したレシーバの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図9E】 本発明との使用に適したレシーバの一実施形態の様々な構成要素の回路図である。
【図10】 本発明との使用に適した較正回路を示すブロック図である。
【図11】 バス・システム200の通信チャネルの一実施形態の周波数応答をプロットしたグラフである。

Claims (15)

  1. 第1導電トレースを含むバスを備え、
    第1のシンボルを生成し、第1のシンボルを前記第1導電トレース上にドライブする第1のデバイスを備え、
    平衡電磁結合器を介して第1のシンボルをサンプルする複数の受信デバイスを備え、各平衡電磁結合器には第2導電トレースが含まれ、その第2導電トレースは、前記第1導電トレース上へ投影をされるとその投影と前記第1導電トレースとが複数回交差して反復交差をなすよう構成され、前記第1導電トレースおよび前記第2導電トレースの少なくとも一方には、ジグザグ幾何形状を有する部分であって、トレース長手方向から斜めの複数の行程が有り且つ一つおきの行程が相互に平行に構成されている部分が含まれ、前記反復交差によって三辺または四辺のフリンジ領域が形成されている、
    ことを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、各平衡電磁結合器が、0.1〜0.4の範囲の結合係数を有する、ことを特徴とするシステム。
  3. 請求項1または2に記載のシステムにおいて、各平衡電磁結合器が、
    前記第1導電トレースに付随した第1の構成要素、
    前記第2導電トレースに付随した第2の構成要素、および
    前記第1のトレースと前記第2のトレースの間の誘電媒体
    を備える、ことを特徴とするシステム。
  4. 請求項1,2,または3に記載のシステムにおいて、前記第1および第2の導電トレースが、相補形ジグザグ幾何形状を有する、ことを特徴とするシステム。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のシステムにおいて、各平衡電磁結合器が、システムの帯域幅を制限することなく、サンプルした信号エネルギー(ε)の目標小部分を転送するように選択された長さを有する、ことを特徴とするシステム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のシステムにおいて、前記第1のデバイスが、複数のビットおよびクロック信号から第1のシンボルを生成するトランスミッタを含む、ことを特徴とするシステム。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のシステムにおいて、前記バスが第1の回路基板上にあり、前記複数の受信デバイスのうちの少なくとも1つが第2の回路基板上にある、ことを特徴とするシステム。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のシステムにおいて、前記第1のデバイスが、第1のセットのビットをシンボル中に符号化するトランスミッタ、および、受信したシンボルを第2のセットのビットに復号化するレシーバを含む、ことを特徴とするシステム。
  9. 第1の幾何形状によって特徴付けられた複数の第1の結合構成要素を有する第1導電トレースを備え、
    信号を前記第1導電トレース上にドライブする第1のデバイスを備え、
    対応する第1の結合構成要素に隣接して位置させられた複数の受信デバイスを備え、各受信デバイスが、電磁結合器を形成するため、第2の幾何形状によって特徴付けられ且つ対応する第1の結合構成要素に対して位置させられた第2の結合構成要素を有し、その第2の結合構成要素は、対応する第1の結合構成要素上へ投影をされるとその投影と対応する第1の結合構成要素とが複数回交差して反復交差をなすよう構成され、前記第1の幾何形状および前記第2の幾何形状のうちの少なくとも一方には、ジグザグ幾何形状を有する部分であって、トレース長手方向から斜めの複数の行程が有り且つ一つおきの行程が相互に平行に構成されている部分が含まれ、前記反復交差によって三辺または四辺のフリンジ領域が形成されている
    ことを特徴とするシステム。
  10. 請求項9に記載のシステムにおいて、前記電磁結合器は、0.1〜0.4の範囲の結合係数を有する、ことを特徴とするシステム。
  11. 請求項9または10に記載のシステムにおいて、前記第1のデバイスが、直接電気接続を介して、信号を前記第1導電トレース上にドライブする、ことを特徴とするシステム。
  12. 請求項9,10,または11に記載のシステムにおいて、前記第1のデバイスが、第1の集積回路のインタフェースであり、信号には、前記第1の集積回路によって提供される複数のビットを符号化するシンボルが含まれる、ことを特徴とするシステム。
  13. 請求項9,10,11,または12に記載のシステムにおいて、前記第1および第2の結合構成要素によって形成される電磁結合器を介して、信号が前記第1導電トレース上にドライブされる、ことを特徴とするシステム。
  14. 回路基板上にあって、第1の結合構成要素を備えたバス・トレースを備え、
    前記回路基板に、前記第1の結合構成要素に関する第1の位置にて指定された精度で、取外し可能に接続されたデバイスを備え、
    前記デバイスに付随して、電磁結合器を形成する第2の結合構成要素であって、前記第1の結合構成要素上に投影をされるとその第2の結合構成要素の投影と前記第1の結合構成要素とが前記第1の位置で少なくとも一度交差して反復交差をなすように構成され、前記第1の結合構成要素および前記第2の結合構成要素の少なくとも一方には、ジグザグ幾何形状を有する部分であって、トレース長手方向から斜めの複数の行程が有り且つ一つおきの行程が相互に平行に構成されている部分が含まれ、前記反復交差によって三辺または四辺のフリンジ領域が形成されている、第2の結合構成要素を備える、
    ことを特徴とするシステム。
  15. 請求項14に記載のシステムにおいて、前記デバイスおよび第2の結合構成要素が、前記回路基板に押し付けられる、たわみ性回路基板上に取り付けられる、ことを特徴とするシステム。
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