JP4119220B2 - 雨傘装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開いた天蓋の露先から滴下する雨水により傘をさしている者の肩又は背中が濡れないようにした雨傘装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に雨傘(日傘も同じ)は、中棒(シャンク)と該中棒を中心に開いたり閉じたりできる天蓋とから構成されている。該天蓋は、力骨(リブ)と受骨(スプレーダー)により支えられ、該受骨を枢支したリング部材を中棒の上方に移動して上タブに係止させると開いた状態に保たれる。そして、天蓋を開き、中棒の下端(手元)を把持して人体を覆うと雨水を避けるように使用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、雨傘は、通常、上述の如く、中棒の下端(手元)を把持する手は片手になるため、人体を覆う天蓋の中心は、どうしても把持している手の方に片寄ってしまい、他方の肩が天蓋よりはみ出してしまうため露先を伝って落下する雨滴に濡れ易くなる。また、雨風の強い日(傘をさしながら自転車に乗った場合も同じ現象になる。)には中棒を風に向かって前方に傾けて把持するため天蓋から外れた背中が雨水に濡れ易くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、傘のさし方によって生ずる、天蓋の中心の片寄りや前傾のために、天蓋から外れた肩や背中が雨水によって濡れらされることがないようにした雨傘装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、傘本体の天蓋の内面裾側に、エプロン片を取り外し自在に垂下した雨傘装置において、前記天蓋又はその力骨に、該力骨と同方向にパイプを固着し、前記エプロン片の一縁部に、前記パイプの間隔と同間隔に、パイプ嵌入棒を固着してなることを特徴とし、天蓋が中棒を握った手の方に片寄ったり、雨風の強い日に風に向かって天蓋が前傾姿勢となっても肩や背中をエプロン片で覆うことができ、しかも既製の傘に本発明が簡易に実現できるように構成した。
【0008】
さらに、請求項2に記載の発明は、前記傘本体が、該傘本体と一緒にエプロン片を携帯するための提げ手付き収容袋を備えていることを特徴とし、雨が止んで天蓋より外したエプロン片を小さく折り畳んで傘本体とともに携帯できるように構成した。
【0009】
【発明の実施の態様】
次に、本発明の実施の態様を添付した図に基づいて説明する。図1は本願装置の斜視図、図2は天蓋を一時的につぼめた状態を示す斜視図、図3は係止手段の代表例を示す部分断面図、図4はエプロン片の折り畳み過程とその収容袋を示す斜視図、図5はエプロン片で肩を覆った状態を示す説明図、図6はエプロン片で背を覆った状態を示す説明図である。
【0010】
本願装置1は、傘本体2の天蓋3の内面裾側に、係脱手段4を介してエプロン片5を垂下してなる。この傘本体2の天蓋3は、手元部(握り部)2aを有する中棒2bの上部に逆碗状に展開できる。該天蓋3は力骨2cと受骨2dに支持されている。そして、力骨2cの受骨2dを集中的に枢支したリング部材2eを中棒2bの上方へ向けてスライドさせ、上タブ2fに係止させると、天蓋3を図1の如く開いた状態に保つことができる。また、前記上タブ2fの係止を外し、前記リング部材2eを下方へスライドさせ、その係止穴を下タブ2gに係止させると、天蓋3を図2の如く閉じた(つぼめた)状態に保持できる。
【0011】
前記エプロン片5には、前記天蓋3の幕布と同素材のもの、即ち、薄手にして高い防水性能を有するものを使用する。これはエプロン片5と天蓋3の幕布とを素材的に馴染み易くし、天蓋3を建物の中に入るなどに際して図2の如く一時的につぼめたときに、エプロン片5を取り外さなくても破線で示すように一緒につぼめられるようになる点で好ましい。また、両者を同素材としたことは、エプロン片5の色彩や模様を含めて天蓋3との一体感(バランス性、共通性)を醸成させる意味においても好ましい。
【0012】
前記係脱手段4の構成としては、図3の如く、パイプ4aと嵌入棒4a′とがある。この場合、パイプ4aを天蓋3又はその力骨2cに、瞬間接着剤のような固着手段K1 で確実に固着する一方、嵌入棒4a′をエプロン片5の一縁部に、パイプ4aの固着間隔と同間隔にて縫い付け等の固着手段K2 により固着するとよい。
【0015】
前記エプロン片5は、傘本体2の天蓋3より係脱手段4を脱却して取り外し、図4(a)の如く、2つ折りにし、さらに第1仮想線P1 を中心に2つに折り、次いで第2仮想線P2 を中心に2つ折りする如く順次小さく折り畳んでから、傘本体2に備えた収容袋6に、同図(b)の如く収容し、該収容袋6の提げ手6′とともに傘本体2と一緒に携帯することができる。また、天蓋3の幕布の内面適所にポケット(図示せず)を形成し、これを収容袋として利用することも考えられる。該収容袋6には前記天蓋3の幕布と同素材の、薄手にして高い防水性能を有するものを使用することが好ましい。なお、収容袋6として図示のものは開口部がホック付きの蓋で開閉できるようになっているが、例えばジッパーその他の開閉手段を利用することも可能である。
【0016】
なお、図中、7は石突き、8はエプロン片5及び収容袋6に縫い付けたブランド表示布である。ブランド表示布8は、それ自体の有する宣伝機能等の他、エプロン片5の表と裏とを明確にする意味もある。
【0017】
次に、図5、図6に基づいて本願装置1の作用を説明する。図5は、通常の雨降り時における本願装置1の作用を示している。まず、所定のように天蓋3を開き、中棒2bの手元部(握り部)2aを把持し、人体Bを覆って歩くとき、天蓋3はその中心Sが、把持している手B1 の方に片寄るが、天蓋3の内面裾側にはエプロン片5が垂下されているため、該エプロン片5で天蓋3よりはみ出している肩B2 を覆うようにすれば、該肩B2 を天蓋の露先を伝って落下した雨滴Aから確実に避けることができる。
【0018】
図6は、雨風の強い日(傘をさしながら自転車に乗っているときも同じ現象になる。)における本願装置1の作用を示している。まず、所定のように天蓋3を開き、中棒2bを風に向かって前方に傾けて天蓋3を前傾姿勢にする。これにより人体の背中B3 は天蓋3よりはみ出すこととなるが、該はみ出した背中B3は、天蓋3の内面裾側より垂下し、風になびいて背中側に流れているエプロン片5により覆われることから、雨水A′はこれを確実に避けることができる。
【0019】
なお、上記実施の態様では示していないが、傘本体2の天蓋3の幕布と、エプロン片5とを自動車の運転手が目視し易い「黄色」に着色するか、夜間ライトが当たると反射する反射テープを貼着しておくと、学童用傘或いは交通安全傘として提供できる。また、エプロン片5には、テレビ漫画その他の人気キャラクターや動物や植物その他の形状を模して印刷等により形成してもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、傘本体の天蓋の内面裾側に、エプロン片を取り外し自在に垂下した雨傘装置において、前記天蓋又はその力骨に、該力骨と同方向にパイプを固着し、前記エプロン片の一縁部に、前記パイプの間隔と同間隔に、パイプ嵌入棒を固着してなることを特徴としているから、天蓋が中棒を握った手の方に片寄ったり、雨風の強い日に天蓋を風に向かって前傾姿勢をとったりしても、天蓋よりはみ出した肩や背中をエプロン片で確実に覆うことができ、雨の日に楽しく傘が使用できるという優れた効果を奏するものである。
【0023】
さらに、請求項2に記載の発明は、前記傘本体が、該傘本体と一緒にエプロン片を携帯
するための提げ手付き収容袋を備えていることを特徴としているから、雨が止んで天蓋よ
り外したエプロン片を小さく折り畳んで傘本体とともに携帯できるという優れた効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願装置の斜視図である。
【図2】 天蓋を一時的につぼめた状態を示す斜視図である。
【図3】 係止手段の代表例を示す断面図である。
【図4】 (a)はエプロン片の折り畳み過程を示す斜視図、(b)は小さく折り畳んだエプロン
片の収容袋を示す斜視図である。
【図5】 エプロン片で肩を覆った状態を示す説明図である。
【図6】 エプロン片で背を覆った状態を示す説明である。
【符号の説明】
1 本願装置
2 傘本体
2a 手元部(握り部)
2b 中棒
2c 力骨
2d 受骨
2e リング部材
2f 上タブ
2g 下タブ
3 天蓋
4 係脱手段
4a パイプ
4a′ 嵌入棒
5 エプロン片
K1 固着手段
P1 第1仮想線
P2 第2仮想線
6 収容袋
6′ 提げ手
7 石突き
8 ブランド表示布
B 人体
B1 手
B2 肩
B3 背中
S 中心
A 雨滴
A′ 雨水
Claims (2)
- 傘本体の天蓋の内面裾側に、エプロン片を取り外し自在に垂下した雨傘装置において、前記天蓋又はその力骨に、該力骨と同方向にパイプを固着し、前記エプロン片の一縁部に、前記パイプの間隔と同間隔に、パイプ嵌入棒を固着してなることを特徴とする雨傘装置。
- 前記傘本体が、該傘本体と一緒にエプロン片を携帯するための提げ手付き収容袋を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雨傘装置。
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- 2002-10-18 JP JP2002305091A patent/JP4119220B2/ja not_active Expired - Fee Related
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