JP4118961B2 - 新規なホスフィノピロリジン化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規なホスフィノピロリジン化合物及びその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、不斉合成触媒の配位子であるホスフィノピロリジン化合物の新規な製造法及びその製造法で得られる新規な中間体に関する。該製造法により、複雑な多段階の製造工程を簡略化でき、さらにその方法に使用する製造装置も簡単なものにすることができる。
背景技術
パントラクトンは、医薬品などの合成原料として広く利用されているが、特にD−パントラクトン(R−(−)−パントラクトン)は医学上または生理学上重要なビタミンとして有用なD−パントテン酸やパンテチンの製造における中間体として知られている。パントラクトンの構造の中には不斉中心が存在しているため、化学的に合成した場合には、生成物の光学分割をしなければならない。すなわち、D−パントラクトンは化学的に合成されたD,L−パントラクトンを光学分割することにより製造されている。こうした光学分割を利用した合成法は煩雑であるばかりでなくコストもかかるという問題がある。特に光学分割には特殊な試薬などを必要としたり、その操作に熟練を要するなどの問題がある。すなわち、光学分割を利用する方法は、キニーネ、ブルシン等の高価な分割剤を必要とするものであり、D−パントラクトンの回収も容易でない等の欠点を有している。こうした問題点を解決する手法として、不斉合成反応を利用した製造法により、光学活性なパントラクトンを合成しようとする試みが提案されている(米国特許第4,879,389号明細書)。
米国特許第4,879,389号明細書に記載の方法では、ホスフィノピロリジン化合物を用いる不斉還元により、光学活性なパントラクトンを工業的に極めて優れた不斉収率等により得ることができることが報告されているが、その重要な試薬であるホスフィノピロリジン化合物を得るには全部で14工程という長い工程が必要であり、それが全体的なコストを上昇させるという問題があった。またそのホスフィノピロリジン化合物を合成する従来の工程のうちには、4位のジフェニルホスフィノ基のベンゼン核を還元してジシクロヘキシルホスフィノ基に変換する工程が必須であったが、その変換反応では高温高圧反応(例えば150℃、150気圧)をしなければならず、そのための特別な設備を設けなければならないという問題がある。特に工業的に製造をする場合には、それに適した設備とすることは容易なことではなく、さらにコストもかかることとなるし、製造時における危険性も大きい。ホスフィノピロリジン化合物は、このようにパントラクトンにおけるのみでなく広く光学活性化合物を不斉合成するのに用いられて、優れた試薬であるが、そのホスフィノピロリジン化合物を簡単に且つ効率良く、そして安価に合成することができれば、その試薬を用いて更に各種の不斉合成に応用することができることから、こうした目的に合った製造方法の開発が強く求められていた。
発明の開示
本発明者等は、ホスフィノピロリジン化合物を簡単に且つ効率良く合成することを目指して鋭意研究の結果、ホウ素化合物の存在下に反応を行い、リン原子を保護しながら反応を進めると、ホウ素化合物で保護されたジシクロヘキシルホスフィノ基をピロリジン核の4位に効率良く導入することができ、非常に短い工程で、なおかつフェニル核を高温高圧で還元するなどという工程を用いることなく目的の不斉合成触媒の配位子として有用なホスフィノピロリジン化合物を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
〔1〕 一般式(I)の化合物
Figure 0004118961
〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に水酸基の保護基である〕
をホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物
Figure 0004118961
〔式中、R1及びR2は、それぞれ上記と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕
をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物
Figure 0004118961
〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕
を処理して錯化しているホウ素化合物を脱離せしめ、一般式(IV)の化合物
Figure 0004118961
〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕
を得ることを特徴とする製造方法;
〔2〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕またはその溶媒和物;
〔3〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、R2は、水酸基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理して一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする製造方法;
〔4〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、R2は、水酸基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕またはその溶媒和物;
〔5〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に水酸基の保護基である〕をホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1及びR2は、それぞれ上記と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕を得ることを特徴とする製造方法;及び
〔6〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕を処理して錯化しているホウ素化合物を脱離せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔7〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立にイオウ原子を介する基を示す〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−アルキル置換アミン基、ハロゲンなど)を有していてもよい芳香族炭化水素基(以下、該芳香族炭化水素基を単にR4a基という)で、Mは金属原子である〕及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔1〕記載の製造方法;
〔8〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a(式中、R1aは、置換基を有していてもよい炭化水素基)、−COOR1b(式中、R1bは、置換基を有していてもよい炭化水素基)、−CONR1c1d(式中、R1c及びR1dは、同一又は相異なり、それぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基)または−S(O)n1e(式中、R1eは、置換基を有していてもよい炭化水素基で、nは0、1または2を示す)を示し、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に−SO22a(式中、R2aは、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)を示す〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−アルキル置換アミン基、ハロゲンなど)を有していてもよいアリール基(以下、該アリール基を単にR4b基という)を示し、Mは、金属原子である〕及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔1〕記載の製造方法;及び
〔9〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基及び炭素数2〜6のアルキルカルボニル基からなる群から選ばれたもので、該基中のアルキル残基、アリール残基及びアラルキル残基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン、水酸基及びアミノ基からなる群から選ばれた置換基を有していてもよい(以下、該R1の基を単にR11基という)、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基からなる群から選ばれたもので、該基中のアルキル残基及びアリール残基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン、水酸基及びアミノ基からなる群から選ばれた置換基を有していてもよい(以下、該R2及びR3の基を単にR22基という)〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基(例えば、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−炭素数1〜5のアルキル置換アミン基、ハロゲンなど)を有していてもよいフェニル基(以下、該フェニル基を単にR4c基という)を示し、Mは、金属原子である〕及びボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)、該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)及び該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔1〕記載の製造方法;及び
〔10〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基及びp−メトキシベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれ(以下、該R1の基を単にR12基という)、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立にp−メチルフェニルスルホニル基(トシル基)及びメチルスルホニル基(メシル基)からなる群から選ばれる(以下、該R2及びR3の基を単にR23基という)〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基(例えば、o−、m−又はp−メトキシ基、3,5−ジメチル−4−メトキシ基、4−ジメチルアミノ基、4−クロロ基など)を有していてもよいフェニル基(以下、該フェニル基を単にR4d基という)で、Mは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属原子である〕並びに、ボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32及びボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィンリチウム、ジシクロヘキシルホスフィンナトリウムなどのジシクロヘキシルホスフィンアルカリ金属化合物及びボランで処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をHBF4・O(CH32で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔1〕記載の製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔11〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、そしてR4及びR5は、R4a基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔2〕記載の化合物;
〔12〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a、−COOR1b、−CONR1c1dまたは−S(O)n1e(式中、R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、上記と同様の置換基を意味し、nは0、1または2を示す)を示し、そしてR4及びR5は、R4b基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔2〕記載の化合物;
〔13〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、R11基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4c基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔2〕記載の化合物;及び
〔14〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、R12基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4d基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔2〕記載の化合物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔15〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、R2は、イオウ原子を介する基を示し、そしてR4及びR5は、R4a基と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理して一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔3〕記載の製造方法;
〔16〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a、−COOR1b、−CONR1c1dまたは−S(O)n1e(式中、R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、上記と同様の置換基を意味し、nは0、1または2を示す)を示し、R2は、−SO22a(式中、R2aは、上記と同様の置換基を意味する)を示し、そしてR4及びR5は、R4b基と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理して一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔3〕記載の製造方法;
〔17〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、R11基と同様の置換基を意味し、R2は、R22基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4c基と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)、該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理して一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔3〕記載の製造方法;及び
〔18〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、R12基と同様の置換基を意味し、R2は、R23基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4d基と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32及びボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)からなる群から選ばれたもので処理して一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔3〕記載の製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔19〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、R2は、イオウ原子を介する基を示し、そしてR4及びR5は、R4a基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔4〕記載の化合物;
〔20〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a、−COOR1b、−CONR1c1dまたは−S(O)n1e(式中、R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、上記と同様の置換基を意味し、nは0、1または2を示す)を示し、R2は、−SO22a(式中、R2aは、上記と同様の置換基を意味する)を示し、そしてR4及びR5は、R4b基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔4〕記載の化合物;
〔21〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、R11基と同様の置換基を意味し、R2は、R22基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4c基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔4〕記載の化合物;及び
〔22〕 一般式(II)の化合物〔式中、R1は、R12基と同様の置換基を意味し、R2は、R23基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4d基と同様の置換基を意味する〕またはその溶媒和物であることを特徴とする上記〔4〕記載の化合物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔23〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立にイオウ原子を介する基を示す〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4a基と同様の置換基を意味し、Mは金属原子である〕及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を示す〕を得ることを特徴とする上記〔5〕記載の製造方法;
〔24〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a、−COOR1b、−CONR1c1dまたは−S(O)n1e(式中、R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、上記と同様の置換基を意味し、nは0、1または2を示す)を示し、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に−SO22a(式中、R2aは、上記と同様の置換基を意味する)を示す〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4b基と同様の置換基を意味し、Mは、金属原子である〕及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を示す〕を得ることを特徴とする上記〔5〕記載の製造方法;
〔25〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、R11基と同様の置換基を意味し、そしてR2及びR3は、R22基と同様の置換基を意味する〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4c基と同様の置換基を意味し、Mは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属原子である〕並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)、該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を示す〕を得ることを特徴とする上記〔5〕記載の製造方法;及び
〔26〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、R12基と同様の置換基を意味し、そしてR2及びR3は、R23基と同様の置換基を意味する〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4d基と同様の置換基を意味し、Mは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属原子である〕並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32及びボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を示す〕を得ることを特徴とする上記〔5〕記載の製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔27〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、そして、R4及びR5は、R4a基と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔6〕記載の製造方法;
〔28〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a、−COOR1b、−CONR1c1dまたは−S(O)n1e(式中、R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、上記と同様の置換基を意味し、nは0、1または2を示す)を示し、そしてR4及びR5は、R4b基と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔6〕記載の製造方法;
〔29〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、R11基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4c基と同様の置換基を意味する〕をCH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔6〕記載の製造方法;及び
〔30〕 一般式(III)の化合物〔式中、R1は、R12基と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、R4d基と同様の置換基を意味する〕をHBF4・O(CH32で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得ることを特徴とする上記〔6〕記載の製造方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、
〔31〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に水酸基の保護基である〕をホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1及びR2は、それぞれ上記と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立には置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を処理して錯化しているホウ素化合物を脱離せしめ、得られた一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕においてR6が水素原子の場合、必要に応じて置換基R〔式中、Rは、イミノ基の保護基を示す〕を導入して、一般式(V)の化合物
Figure 0004118961
〔式中、R4、R5及びRは、上記と同様の置換基を表す〕を得ることを特徴とする製造方法;
〔32〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示し、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立にイオウ原子を介する基を示す〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4a基と同様の置換基を意味し、Mは金属原子である〕及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得、該化合物においてR6が水素原子の場合、必要に応じて置換基R〔式中、Rは、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基を示す〕を導入して、一般式(V)の化合物〔式中、R4、R5及びRは、上記と同様の置換基を表す〕を得ることを特徴とする上記〔31〕記載の製造方法;
〔33〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、−CO−R1a、−COOR1b、−CONR1c1dまたは−S(O)n1e(式中、R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、上記と同様の置換基を意味し、nは0、1または2を示す)を示し、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に−SO22a(式中、R2aは、上記と同様の置換基を意味する)を示す〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4b基と同様の置換基を意味し、Mは、金属原子である〕及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びボラン又はそのアルキル誘導体で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕を、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得、該化合物においてR6が水素原子の場合、必要に応じて置換基R〔式中、Rは、−CO−R3a(式中、R3aは、置換基を有していてもよい炭化水素基)、−COOR3b(式中、R3bは、置換基を有していてもよい炭化水素基)、−CONR3c3d(式中、R3c及びR3dは、同一又は相異なり、それぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基)または−S(O)n3e(式中、R3eは、置換基を有していてもよい炭化水素基で、nは0、1または2を示す)を示す〕を導入して、一般式(V)の化合物〔式中、R4、R5及びRは、上記と同様の置換基を表す〕を得ることを特徴とする上記〔31〕記載の製造方法;
〔34〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、R11基と同様の置換基を意味し、そしてR2及びR3は、R22基と同様の置換基を意味する〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4c基と同様の置換基を意味し、Mは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属原子である〕並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)、該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィンリチウム、ジシクロヘキシルホスフィンナトリウムなどのジシクロヘキシルホスフィンアルカリ金属化合物並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)及び該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をCH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸及びルイス酸からなる群から選ばれた処理剤で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得、該化合物においてR6が水素原子の場合、必要に応じて置換基R〔式中、Rは、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基及び炭素数2〜6のアルキルカルボニル基からなる群から選ばれたもので、該基中のアルキル残基、アリール残基及びアラルキル残基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン、水酸基及びアミノ基からなる群から選ばれた置換基を有していてもよい〕を導入して、一般式(V)の化合物〔式中、R4、R5及びRは、上記と同様の置換基を表す〕を得ることを特徴とする上記〔31〕記載の製造方法;及び
〔35〕 一般式(I)の化合物〔式中、R1は、R12基と同様の置換基を意味し、そしてR2及びR3は、R23基と同様の置換基を意味する〕を一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は、R4d基と同様の置換基を意味し、Mは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属原子である〕並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32及びボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)及び該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物〔式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をジシクロヘキシルホスフィンリチウム、ジシクロヘキシルホスフィンナトリウムなどのジシクロヘキシルホスフィンアルカリ金属化合物並びにボラン、BH3・THF、BH3・S(CH32及びボランのアミン類との錯体(アミン類としては、NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなどからなる群から選ばれたもの)、ボラン誘導体(例えば、ThxBH2、IpcBH2、Ipc2BH、9−BBN、Sia2BH、Cy2BH、カテコールボランなど)及び該ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体からなる群から選ばれたもので処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕をHBF4・O(CH32で処理してリン−ホウ素結合を開裂せしめ、一般式(IV)の化合物〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕を得、該化合物においてR6が水素原子の場合、必要に応じて置換基R〔式中、Rは、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基及びp−メトキシベンジルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる〕を導入して、一般式(V)の化合物〔式中、R4、R5及びRは、上記と同様の置換基を表す〕を得ることを特徴とする上記〔31〕記載の製造方法を提供する。
本発明において、ピロリジン環の2位及び4位には光学活性中心の炭素原子が存在し、それぞれの立体配置に従い、光学異性体(あるいはエナンチオマー)及びジアステレオマーが存在する。ピロリジン環の2位及び4位の炭素原子の配位の組合わせとしては、(2S,4R)体、(2S,4S)体、(2R,4S)体及び(2R,4R)体が挙げられる。例えば、(2S,4R)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(I)の化合物を原料として用いた場合、(2S,4R)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(II)の化合物が得られ、そして(2S,4S)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(III)の化合物及び一般式(IV)の化合物が得られる。同様に、一般式(I)の化合物において、(2R,4S)体を用いた場合、一般式(II)の化合物においては(2R,4S)体が、そして一般式(III)の化合物及び一般式(IV)の化合物においては(2R,4R)体が得られる。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、一般式(IV)の不斉合成触媒ホスフィノピロリジン化合物の新規な製造法及びその製造法で得られる新規な一般式(II)及び/又は一般式(III)の中間体化合物を提供する。
上記置換基R1及びRは、イミノ基の保護基である。このイミノ基の保護基としては、一般の有機合成の分野で使用されるイミノ基の保護基であり、反応を阻害しないものであれば制限なく使用することができる。該イミノ基の保護基としては、通常の反応条件では安定であるが、特殊な条件または試薬により容易に離脱されるような保護基、あるいは必要とするイミノ基のみを選択的に保護しうることが知られているものであり、例えばペプチド、核酸、糖類に関係した保護基も使用することが可能である。イミノ基の保護としては、t−ブチルメチルシリール誘導体による保護、例えばトリベンジルシリール誘導体などのトリアラルキルシリール誘導体による保護、アシル基による保護などが挙げられる。
1及びRは、カルボニル基を介する基またはイオウ原子を介する基であることができる。該イミノ基の保護基としては、例えばホルミル基、例えばアセチル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基などの置換されていてもよいアルキルカルボニル基、例えばベンゾイル基、p−ニトロベンゾイル基などの置換されていてもよいアリールカルボニル基、例えばエトキシカルボニル基、β,β,β−トリクロロエトキシカルボニル基、β,β,β−トリブロモエトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、トリチルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル基、p−ニトロフェノキシカルボニル基などの置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、例えばベンジロキシカルボニル基などの置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などの置換されていてもよいアリールスルホニル基、例えばメチルスルホニル基などの置換されていてもよいアルキルスルホニル基、例えばメチルカルバモイル基、t−ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などの置換されていてもよいカルバモイル基などが挙げられる。
上記R及びR1におけるカルボニル基を介する基としては、例えば、式:−CO−Ra(式中、Raは、置換基を有していてもよい炭化水素基)、式:−COORb(式中、Rbは、置換基を有していてもよい炭化水素基)、式:−CONRcd(式中、Rc及びRdは、同一又は相異なり、それぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基)で表される基等が挙げられる。Ra、Rb、Rc及びRdで示される炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基などの炭素数1〜15のアルキル基、例えばビニル基、アリル基、2−メチルアリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−オクテニル基などの炭素数2〜12のアルケニル基、例えばエチニル基、2−プロピニル基、3−ヘキシニル基などの炭素数2〜12のアルキニル基、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基、例えばフェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜12のアリール基、例えばベンジル基、フェニルエチル基、トリフェニルメチル基(トリチル基)などの炭素数7〜14のアラルキル基等が挙げられる。
また「置換基を有していてもよい炭化水素基」のその置換基としては、同一又は相異なるものであってよく、1個から複数個存在していてよく、上記したような炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、ニトロ基、水酸基、メルカプト基、オキソ基、チオキソ基、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシ基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数1〜4のアルキル−カルボニル基など)、スルホ基、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基、例えばフェノキシ基などの炭素数6〜12のアリールオキシ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などの炭素数1〜4のアルキルチオ基、例えばフェニルチオ基などの炭素数6〜12のアリールチオ基、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基などの炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、例えば、フェニルスルフィニル基などの炭素数6〜12のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基などの炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、例えば、フェニルスルホニル基などの炭素数6〜12のアリールスルホニル基、アミノ基、例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基などの炭素数2〜8のアシルアミノ基、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基などのモノ−またはジ−炭素数1〜5アルキル置換アミノ基、例えばシクロヘキシルアミノ基などの炭素数3〜7のシクロアルキルアミノ基、例えばアニリノ基などの炭素数6〜12のアリールアミノ基、例えばアセチル基などの炭素数2〜8のアシル基、例えばベンゾイル基などの炭素数6〜12のアリール−カルボニル基などが挙げられる。上記R及びR1におけるイオウ原子を介する基としては、例えば、式:−S(O)n−Re(式中、Reは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、nは0、1または2を表す)で表される基等が挙げられる。Reで示される炭化水素基としては、上記Ra、Rb、Rc及びRdで示された炭化水素基が挙げられる。
上記置換基R2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に水酸基の保護基である。この水酸基の保護基としては、一般の有機合成の分野で使用される水酸基の保護基であり、反応を阻害しないものであれば制限なく使用することができる。該水酸基の保護基としては、通常の反応条件では安定であるが、特殊な条件または試薬により容易に離脱されるような保護基、あるいは必要とする水酸基のみを選択的に保護しうることが知られているものであり、例えばペプチド、核酸、糖類に関係した保護基も使用することが可能である。
該水酸基の保護基としては、例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基などの置換されていてもよいアリールスルホニル基、例えばメチルスルホニル基などの置換されていてもよいアルキルスルホニル基などが特に好ましく、水酸基の脱離、さらにホスフィノ化が効率よく行われる。
2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立にイオウ原子を介する基であることができる。R2及びR3におけるイオウ原子を介する基としては、例えば、式:−SO2−R2a(式中、R2aは、置換基を有していてもよい炭化水素基)で表される基等が挙げられる。R2aで示される炭化水素基としては、上記Ra、Rb、Rc及びRdで示された炭化水素基が挙げられる。
上記R4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。該R4及びR5の「芳香族炭化水素基」としては、上記Ra、Rb、Rc及びRdで示される炭化水素基において示された、例えばフェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜12のアリール基、例えばベンジル基、フェニルエチル基、トリフェニルメチル基(トリチル基)などの炭素数7〜14のアラルキル基等が挙げられる。「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」における置換基としては、同じく上記「置換基を有していてもよい炭化水素基」のその置換基として挙げられたものを用いることができる。好ましいR4及びR5としては、非置換芳香族炭化水素基または置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−アルキル置換アミノ基、ハロゲンなど)を有していてもよい芳香族炭化水素基などが挙げられ、より好ましいものとしては、フェニル基または置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−アルキル置換アミノ基、ハロゲンなど)を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。特に好適には、R4及びR5としては、同一であって、例えば、o−、m−又はp−メトキシフェニル基、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−クロロフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基が挙げられる。
一般式(I)の化合物から一般式(II)の化合物を製造する工程で用いられるホスフィン金属化合物としては、当該有機合成の分野で置換基−OR3と置換反応させて、基−PR45を導入することができることが知られているものを使用することができ、例えば、一般式R45PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4及びR5は上記と同義で、Mは金属原子である〕などが挙げられる。特に好ましくは、一般式(R42PMのホスフィン金属化合物〔式中、R4は、上記と同義で、Mは金属原子である〕が挙げられる。該一般式R45PMのホスフィン金属化合物は、相当するホスフィンハロゲン化物を、金属(例えばナトリウム、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属など)と反応させて得ることもできるが、通常は当該分野で試薬として市販されているものを利用することができる。該ホスフィン金属化合物としては、例えばジフェニルホスフィンリチウム(Ph2P−Li)、ジフェニルホスフィンナトリウム(Ph2P−Na)などが挙げられる。
一般式(I)の化合物から一般式(II)の化合物を製造する工程及び一般式(II)の化合物から一般式(III)の化合物を製造する工程においてそれぞれ用いられるホウ素化合物は、同一又は相異なっていてよく、ボラン(BH3)、ボランのテトラヒドロフラン(THF)配位体(BH3・THF)、ボランのジメチルスルフィド(S(CH32)配位体(BH3・S(CH32)、ボランのアミン類(NH3、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、トリアルキルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジンなど)との錯体、ボラン誘導体(例えば、セキシルボラン(テキシルボラン;(CH32CHC(CH32BH2)(ThxBH2)、モノイソピノカンフェニルボラン(IpcBH2-)、ジイソピノカンフェニルボラン(Ipc2BH)、9−ボラビシクロ〔3.3.1〕ノナン(9−BBN)、ジシアミルボラン(〔(CH32CHCH(CH3)〕2BH)(Sia2BH)、ジシクロヘキシルボラン(Cy2BH)、カテコールボランなど)、ボラン誘導体のTHF、S(CH32、アミン類との錯体などを挙げることができる。例えば、BH3、BH3・THF、BH3・S(CH32、ボラン・モルホリン錯塩、ボラン・ピロリジン錯塩、ボラン・ピペリジン錯塩、ボラン・トリアルキルアミン錯塩などが好ましい。より好ましくは、BH3・THF、BH3・S(CH32などが挙げられる。該ホウ素化合物は、通常例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの非プロトン溶媒の溶液として反応に用いることができる。またアミン類との錯体の場合には、さらに通常の溶媒、アルコール、水などをその溶媒として用いることができる。好適には、BH3・THFのテトラヒドロフラン溶液、BH3・S(CH32のテトラヒドロフラン溶液を用いることができる。通常は当該分野で試薬として市販されているものを利用することができる。
一般式(I)の化合物は、例えば、米国特許第4,879,389号明細書に記載の方法あるいはそれと類似の方法などにより得ることができる。
一般式(I)の化合物から一般式(II)の化合物を製造する工程及び一般式(II)の化合物から一般式(III)の化合物を製造する工程においては、反応は溶媒中で行うのが好ましく、溶媒としては非プロトン溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチル・t−ブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して適宜使用できる。
一般式(II)の化合物を製造する工程においては、ホスフィン金属化合物とホウ素化合物は、段階的に作用させてもよいし、あるいは一度に作用させることもでき、選択的に一級水酸基をホスフィノ基に置換する。この工程においては、反応は極めて低温下に行うのが好ましいが、反応温度としては、約−70℃〜+10℃、好ましくは約−60℃〜−20℃、より好ましくは約−50℃〜−30℃、さらに好ましくは約−40℃である。
代表的な方法では、次の工程式で表されるようにして反応が行われる。
Figure 0004118961
上記において、ジトシレート化合物[I′]をテトラヒドロフラン中、約−40℃でジフェニルホスフィンリチウムを作用させると、その一級水酸基を選択的にジフェニルホスフィノ基に置換することができ、次いでボランを作用させることにより、化合物[II′]を得る。上記反応において、代表的な反応条件は
1)溶媒;テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン DMF
2)試薬;Ph2P−Li、Ph2P−Na、Ph2P−K、他
3)温度;−40℃、−70〜+10℃
4)時間;16hrs、2〜24hrs
である。上記においてジフェニルホスフィン化工程で生成する化合物[II′]のリン原子はボランのホウ素原子と錯結合し、保護されている。したがって空気中の酸素に接触し酸化されて、酸化化合物が副生することはない。ジフェニルホスフィンリチウム及びボランを段階的に作用させるか、あるいは一度に作用させることにより、選択的に一級水酸基をホスフィノ基に置換できる。上記反応式では、(2S,4R)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(I)の化合物を原料として用いた場合を示してあるが、その他の立体配置を有するものを使用することができることはいうまでもない。
一般式(II)の化合物から一般式(III)の化合物を製造する工程において用いられるジシクロヘキシルホスフィン金属化合物としては、例えばナトリウム、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属などのジシクロヘキシルホスフィンを好適に用いることができる。ジシクロヘキシルホスフィン金属化合物は、相当するホスフィンハロゲン化物を、金属(例えばナトリウム、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属など)と反応させて得ることもできるが、通常は当該分野で試薬として市販されているものを利用することができる。該ホスフィン金属化合物としては、例えばジシクロヘキシルホスフィンリチウム(Cy2P−Li)、ジシクロヘキシルホスフィンナトリウム(Cy2P−Na)などが挙げられる。
一般式(II)の化合物から一般式(III)の化合物を製造する工程においては、ジシクロヘキシルホスフィン金属化合物とホウ素化合物は、一般式(II)の化合物を製造する工程よりはより高い温度で反応させることが好ましく、二級水酸基をホスフィノ基に置換できる。この工程においては、反応は通常低温下から常温で行うことができ、例えば反応温度としては、約0℃〜40℃、好ましくは約5℃〜30℃、より好ましくは約10℃〜25℃、さらに好ましくは約20℃である。
代表的な方法では、次の工程式で表されるようにして反応が行われる。
Figure 0004118961
上記において、ジフェニルホスフィン・ボラン錯体化合物[II′]に、テトラヒドロフラン中、ジシクロヘキシルホスフィンリチウム及びボランを作用させることにより、二級水酸基をジシクロヘキシルホスフィノ基に置換した化合物
[III′]が得られる。上記反応において、代表的な反応条件は
1)溶媒;テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン DMF
2)試薬;Cy2P−Li、Cy2P−Na、Cy2P−K、他
3)温度;20℃、0〜40℃
4)時間;16hrs、2〜24hrs
である。上記においてジシクロヘキシルホスフィノ化工程で生成する化合物[III′]のリン原子はボランのホウ素原子と錯結合し、保護されている。したがって空気中の酸素に接触し酸化され、酸化化合物が副生することはない。上記反応式では、(2S,4R)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(II)の化合物を用いた場合を示してあり、(2S,4S)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(III)の化合物が得られることが示してあるが、その他の立体配置を有するものを使用することができ、それに対応した配置を持つ化合物が得られることはいうまでもない。
一般式(III)の化合物から一般式(IV)の化合物を製造する工程においては、リン原子の上に錯化しているホウ素化合物を脱離せしめることのできる方法を制限なく使用できる。こうした処理に用いることのできるものとしては、CH3SO3H、CF3SO3H、HBF4・O(CH32などの酸、ルイス酸などを挙げることができる。ルイス酸は、電子対と結合するものである。本発明においては、リン原子とホウ素原子の結合を開裂することが知られたものであれば、これを使用することができる。一般式(IV)の化合物のピロリジン環の窒素原子上のイミノ保護基は脱離せしめられて水素原子となる場合もあるし、またそのまま残る場合もある。
代表的な方法では、次の工程式で表されるようにして反応が行われる。
Figure 0004118961
上記において、化合物[III′]をジクロロメタン中、HBF4OMeを作用し、脱ボラン化を行い、化合物[IV′]を高収率で得る。なお代表的には上記反応式中、R6は、水素原子またはt−ブトキシカルボニル基を表す。上記反応において、代表的な反応条件は
1)溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン
2)試薬;HBF4OMe2、CH3SO3H、CF3SO3
3)温度;20℃、−5℃〜40℃
4)時間;12hrs、1〜24hrs
である。ジフェニルホスフィノ基のリン原子に錯結合しているボランは、例えばモルホリン、ジエチルアミン等の2級アミンで脱離するが、ジシクロヘキシルホスフィノ基のリン原子に錯結合しているボランは外れない。しかしながら、本発明にしたがい、上記の如き酸及びルイス酸では容易に外すことができる。上記反応式では、(2S,4S)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(III)の化合物から、(2S,4S)体であるピロリジン環の2位及び4位炭素原子をもつ一般式(IV)の化合物が得られる(ピロリジン環の2位及び4位炭素原子の立体配置は保持されている)ことが示してあるが、その他の立体配置を有するものを使用することができ、それに対応した配置を持つ化合物が得られることはいうまでもない。
こうして得られた一般式(IV)の化合物は、R6が水素原子などの場合、必要に応じてイミノ基を保護することができる。イミノ基を保護するためには、上記したイミノ保護基のエステル反応性化合物、例えば炭酸エステル、ハロゲン誘導体、酸無水物などを用いることができるが、当該分野で知られた方法、例えば、米国特許第4,879,389号明細書に記載の方法あるいはそれの改変方法を用いて行うことができる。こうして一般式(V)の化合物を得ることができる。
本発明に従った合成工程を、その代表的な試薬とともに次の式にフローシートとして示す。
Figure 0004118961
上記フローシートに記載の化合物の代表的な置換基は、例えば、
1:イミノ基の保護基(t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、t−ブチルカルボニル基、メチルカルバモイル基、t−ブチルカルバモイル基など);
2、R3:水酸基の保護基(トシル基、メシル基など)
ここで、R2とR3は同じであってもよいし、相異なっていてもよい;
4:置換基を有していてもよいフェニル基、置換基としては、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン、置換アミノ基などである(置換基の具体例としては、o、m又はp−メトキシ、3,5−ジメチル−4−メトキシ、4−ジメチルアミノ、4−クロロなど);
6:水素原子またはイミノ基の保護基(t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、t−ブチルカルボニル基、メチルカルバモイル基、t−ブチルカルバモイル基など);
R:イミノ基の保護基(t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、t−ブチルカルボニル基、メチルカルバモイル基;t−ブチルカルバモイル基など);
が挙げられる。
一般式(II)の化合物、一般式(III)の化合物、一般式(IV)の化合物の溶媒和物としては、例えば非プロトン溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、メチル・t−ブチルエーテルなどのエーテル類との溶媒和物などが挙げられる。本発明においては、一般式(II)の化合物、一般式(III)の化合物、一般式(IV)の化合物は単離することなく次の工程に用いることができ、例えば、米国特許第4,879,389号明細書に開示の方法あるいはそれに類似の方法で、ピロリジン環のN原子に基Rを導入することができる。
本発明の前述した種々の態様を利用することにより、不斉合成触媒の配位子として有用なホスフィノピロリジン化合物を得ることができ、更には新規で有用なホスフィノピロリジン化合物(一般式(II)の化合物及び一般式(III)の化合物)を得ることができる。特に本発明で得られるホスフィノピロリジン化合物は、それを配位子としたロジウム錯体触媒などの金属錯体触媒形成に用いられ、その金属錯体触媒は不斉還元反応に用いられて有用である。こうしたホスフィノピロリジン化合物は、例えば、ピロリジン環の2位及び4位炭素原子として(2S,4S)配置であるものなどの光学活性体が好適に使用できるので、本発明では出発原料として特定の立体配置の光学活性体などを用い、対応する目的化合物を光学活性体として得ることは好ましい。例えば、米国特許第4,879,389号明細書に開示の方法あるいはそれに類似の方法で、ケトパントラクトンからのD−パントラクトン合成などの不斉合成に使用できる。本発明ではさらに効率的な不斉合成システムなどの種々の技術手段を提供することができる。以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されず、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。なお、明細書及び図面において、用語は、当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
Cy: シクロヘキシル基
Ts: トシル基
Me: メチル基
BOC:t−ブトキシカルボニル基
Ph: フェニル基
t−Bu:t−ブチル基
実施例
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されること無く様々な態様が含まれることは理解されるべきである。
実施例1
(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−トシルオキシ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンボラン錯塩[II′]の製造
ジフェニルホスフィン0.35ml(2.0ミリモル)をテトラヒドロフラン3mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、−40℃でn−ブチルリチウムのヘキサン(1.57M)溶液1.27ml(2.0ミリモル)を滴下する。同温度で15分間撹拌した後、得られた赤色溶液を(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシプロリノールジトシレート[I′]1.05g(2.0ミリモル)をテトラヒドロフラン5mlに溶解した溶液にゆっくり滴下する。滴下後、同温度で16時間撹拌する。次いで溶媒を減圧留去しボランのテトラヒドロフラン(1.0M)溶液2.0ml(2.0ミリモル)をアルゴン雰囲気下、氷冷しながら滴下する。同温度で15分間撹拌した後、さらに室温で3時間撹拌する。溶媒を減圧留去し、氷冷下残留物に水を加え、トルエンで抽出する。トルエン層を飽和重曹水・飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、トルエン:酢酸エチル=10:1)で精製し化合物[II′]の白色結晶を得る。0.7g(67%),mp135〜138℃
1H−NMR(CDCl3)ppm;1.42(9H,s,t−Bu−),2.45(3H,s,P−CH3),3.19〜4.21(7H,m,−CH2NCH(CH2)CH2−),4.89(1H,brs,TsO−CH),7.15〜7.92(14H,m,Ar−H)
Figure 0004118961
実施例2
(2S,4S)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンジボラン錯塩[III′]の製造
ジシクロヘキシルホスフィン59mg(0.3ミリモル)をテトラヒドロフラン2mlに溶解し、氷冷下、アルゴン雰囲気にてボランのテトラヒドロフラン(1.0M)溶液0.3ml(0.3ミリモル)を滴下した。4時間撹拌後n−ブチルリチウムのヘキサン(1.63M)溶液0.25ml(0.4ミリモル)を氷冷下で滴下した。同温度で15分間撹拌した後、(2S,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−トシルオキシ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンボラン錯塩[II′]111mg(0.2ミリモル)をテトラヒドロフラン2mlに溶解した溶液をゆっくり滴下する。氷冷下で30分撹拌した後、さらに室温にて一晩撹拌する。溶媒を減圧留去し残留物に水を加え、トルエンで抽出する。トルエン層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥後、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、トルエン:酢酸エチル=10:1)で精製し化合物[III′]の結晶を得る。34mg(50%),mp101〜104℃
1H−NMR(CDCl3)ppm:1.02〜1.95(22H,m,−Cy−H),1.47(9H,s,t−Bu−),2.95〜4.31(8H,m,−CHCH2NCH(CH2)CH2−),7.12〜7.91(10H,m,Ph−H)
Figure 0004118961
実施例3
(2S,4S)−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン[IV′]の製造
(2S,4S)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンジボラン錯塩[III′]60mg(0.1ミリモル)をメチレンクロライド2mlに溶解し、HBF4OMe2 0.12ml(1.0ミリモル)を氷冷下加え、その後室温で12時間撹拌する。次いで2Nの苛性ソーダ水溶液を加えトルエンで抽出する。分液した後、濃縮乾固し化合物[IV′]を得る。42mg(90%)
Figure 0004118961
実施例4
(2S,4S)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(BCPM)の製造
(2S,4S)−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン[IV′]46mg(0.1ミリモル)をメチレンクロリド1mlに溶かす。これにトリエチルアミン11mg(0.11ミリモル)とメチレンクロライド2mlに溶かしたジターシャリーブチルジカーボネート24mg(0.11ミリモル)を加え、窒素雰囲気で室温で2〜3時間撹拌する。反応液を減圧濃縮し白色結晶BCPMを得る。50mg(86%),mp171〜174℃
Figure 0004118961
産業上の利用可能性
不斉合成触媒の配位子であるホスフィノピロリジン化合物を極めて簡単な工程で且つベンゼン核を還元してシクロヘキシル基に変換するなどという高温高圧反応(例えば150℃、150気圧)を避けることが可能であり、特別な製造設備を必要としないことから、工業的に簡単に且つ効率良く、そして安価に製造することができる。従来に比べて非常に短い工程で目的とする不斉合成触媒の配位子であるホスフィノピロリジン化合物を得ることを可能にする。ホスフィノピロリジン化合物を使用した、不斉合成の適用を拡大することを可能にする。従来得ることが困難であった光学活性化合物をホスフィノピロリジン化合物試薬を用いて各種の不斉合成により得ることを可能にする。

Claims (6)

  1. 一般式(I)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に水酸基の保護基である〕
    をホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1及びR2は、それぞれ上記と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕
    をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(III)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕
    を処理して錯化しているホウ素化合物を脱離せしめ、一般式(IV)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕
    を得ることを特徴とする製造方法。
  2. 一般式(III)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、アルキル基、アルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−アルキル置換アミノ基及びハロゲンからなる群から選択された置換基をそれぞれ独立に有していてもよい芳香族炭化水素基または非置換芳香族炭化水素基である〕またはその溶媒和物。
  3. 一般式(II)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、R2は、水酸基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕
    をジシクロヘキシルホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理して一般式(III)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1、R4及びR5は、それぞれ上記と同様の置換基を意味する〕
    を得ることを特徴とする製造方法。
  4. 一般式(II)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、R2は、水酸基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、アルキル基、アルコキシ基、モノ−,ジ−又はトリ−アルキル置換アミノ基及びハロゲンからなる群から選択された置換基をそれぞれ独立に有していてもよい芳香族炭化水素基または非置換芳香族炭化水素基である〕またはその溶媒和物。
  5. 一般式(I)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR2及びR3は、同一又は相異なり、それぞれ独立に水酸基の保護基である〕
    をホスフィン金属化合物及びホウ素化合物で処理し、次いで得られた一般式(II)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1及びR2は、それぞれ上記と同様の置換基を意味し、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕
    を得ることを特徴とする製造方法。
  6. 一般式(III)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R1はイミノ基の保護基であり、そしてR4及びR5は、同一又は相異なり、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である〕
    を処理して錯化しているホウ素化合物を脱離せしめ、一般式(IV)の化合物
    Figure 0004118961
    〔式中、R4及びR5は、上記と同様の置換基を意味し、R6は水素原子または上記R1と同様の置換基を意味する〕
    を得ることを特徴とする製造方法。
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