JP4118844B2 - Nmr磁場安定化装置および方法 - Google Patents

Nmr磁場安定化装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4118844B2
JP4118844B2 JP2004217424A JP2004217424A JP4118844B2 JP 4118844 B2 JP4118844 B2 JP 4118844B2 JP 2004217424 A JP2004217424 A JP 2004217424A JP 2004217424 A JP2004217424 A JP 2004217424A JP 4118844 B2 JP4118844 B2 JP 4118844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lock
signal
magnetic field
correction signal
nmr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004217424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006038570A (ja
Inventor
ミンソク パク
秀太 羽原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004217424A priority Critical patent/JP4118844B2/ja
Priority to US11/187,856 priority patent/US7167002B2/en
Priority to EP05016220A priority patent/EP1621894B1/en
Priority to DE602005006054T priority patent/DE602005006054T2/de
Publication of JP2006038570A publication Critical patent/JP2006038570A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4118844B2 publication Critical patent/JP4118844B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/389Field stabilisation, e.g. by field measurements and control means or indirectly by current stabilisation

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Description

本発明は核磁気共鳴分光器(以下NMR分光器と略称する)における磁場安定化装置および方法に関する。
NMR分光器は、有機物や固体から生体高分子に至る幅広い試料の測定に使われる。この装置は、非特許文献1(Gerhard Wider、典echnical aspect of NMR spectroscopy with biological macromolecules and studies of hydration in solution煤AProgress in Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy 、32巻、225項、1998年)に記載されているように、静磁場の中に置かれた試料が持つ共鳴周波数を測定する装置であり、1ppb/hr以下の時間変動率を持つ安定した静磁場が要求される。安定した静磁場を作るために、NMR分光器の殆どが超伝導電磁石を装備しているが、超伝導電磁石においても時間変動率1ppb/hr以下の安定性を達成することは実質的に不可能である。そのために、フィードバック制御により静磁場を安定化するロック装置は、NMR分光器の性能を発揮する上で重要である。特に長時間測定が行われるタンパク研究の進展と共に、ロック装置は益々重要となっている。
非特許文献2(Benedict W. Bangerter、認ield/frequency lock monitor for signal averaging with high resolution NMR spectrometers煤AReview of Scientific Instruments、46巻、617項、1975年)は、ロック装置に使われる従来技術を開示している。ロック送信器からNMR装置用磁石(以下磁石と称する)中に置かれた試料にラジオ周波数を持つ交流磁場を照射し、試料中の磁化ベクトルを励起させる。励起された磁化ベクトルの運動を検出用アンテナから受信し、受信回路を用いて検波する。検波の際に使われる参照信号の位相を調整することにより、分散信号(以下SD)と呼ばれる成分を得る。
次に分散信号SDに予め決めた比例常数Gを乗算し、ロック電源に渡す。ロック電源は、G×SD(以下補正信号SC)に比例する電流を試料の周辺に設けられたコイル(以下ロックコイル)に流し、上記試料の周辺に補正信号SCに比例する補正磁場を作る。補正磁場を加えた後で得られる分散SDが0に近づくように、比例常数Gを決めることにより静磁場の安定化を達成する。
以上で述べたように、非特許文献2は分散信号SDに比例してロックコイルに流れる電流量を制御することにより静磁場の安定化を達成することが特徴であり、ロック補正器が、例えば、アナログ回路だけを用いても、簡単に実現できる。尚、このロック検波器では分散信号SDに対して位相が90度異なる吸収信号SAを求めることもできるが、補正信号SCの算出には使われない。図5に理想的な分散信号SDと吸収信号SAの一例を示した。分散信号SDと吸収信号SAに関する更に詳しい説明は後述する。
ロック装置に使われる特許文献1(特許2504666号公報)は、ロック補正器から出力される補正信号SCを算出するために、分散信号SDと共に吸収信号SAも用いる点で、非特許文献2と異なる。特許文献1における補正信号SCはSD /SAと(1/SA)(dSD /dt)に重みを付けた組み合わせである。
特許文献1によれば、擾乱の周波数が低い場合において SD/SAは静磁場の擾乱による周波数オフセットDF=ω-ωと完全に比例し、その比例常数は1/T2である。ここでT2は検出信号VDの減衰率に関わる時間であり、横緩和時間と呼ばれる。特許文献1によれば、T2も制御ループの中で求めることができるため、ロック制御部でDF=(1/T2)(SD/SA)を算出し補正信号SCとして用いることもできる。
特許文献1によれば、周波数オフセットDFは、また、(1/T)×(SD /SA)+(1/SA)×(dSD /dt)とも等しい。この等式は正確であり、どんな条件にも関連しない利点と、雑音成分を含む不利な点を持つ。従って、擾乱振幅が比較的に大きい場合に適合している。
特許文献1は、周波数オフセットDFと補正信号SCとが比例関係であり単調性が良いため、上記非特許文献2に比べて少ない制御ループ数で磁場を安定値に戻すことができる点で優れている。
特許第2504666号明細書 Gerhard Wider、典echnical aspect of NMR spectroscopy with biological macromolecules and studies of hydration in solution煤AProgress in Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy 、32巻、225項、1998年 Benedict W. Bangerter、認ield/frequency lock monitor for signal averaging with high resolution NMR spectrometers煤AReview of Scientific Instruments、46巻、617項、1975年
非特許文献2は補正信号の単調性において課題を残している。図5の分散信号SDを示すグラフで明らかなように、分散信号SDは最大値と最小値を境界に3つの領域に別れ、隣接する領域の間では変化率dSC/dDFの符号が反転する。そのため、一つの分散信号SDに複数の周波数オフセットDFが対応する。非特許文献2の補正信号SCはG×SDであるため、明らかに単調性が欠けている。その結果、良好な定数Gを求めることが困難であり、静磁場を安定値に戻すために多数の制御ループを必要とし、制御速度が低下する。
特許文献1は、非特許文献2の単調性問題を解決し制御速度を上げている。しかし、吸収信号SAによる割り算を導入したため、周波数オフセットDFが増加し吸収信号SAが小さくなると補正信号SCが不安定になる恐れがある。吸収信号SAの大きさが雑音の大きさと同じ位になると、雑音の影響で補正信号SCの符号が反転し得るためである。また、受信位相の誤差aにより補正信号SCに現れる変動も非特許文献2に比べ大きい。従って、非特許文献2を用いて制御できる周波数オフセットDFの範囲は非特許文献2に比べ狭くなる。特許文献1は単調性の点で優れているが雑音および受信位相誤差に対する不安定性の増加と制御可能範囲の狭小化と言う課題がある。
本発明の目的は、制御範囲を狭小化することなく単調性を向上させたロック装置を実現することにより、高性能のNMR装置を提供することである。
本発明の課題を解決する一つの手段は、ロック送信器とロック受信器とロック検波器とロック補正器とロック電源とロックコイルとで構成されるNMR装置のロック装置において、ロック検波器で複素検波を行いその実数成分である吸収信号SAと虚数成分である分散信号SDをロック補正器へ出力し、ロック補正器でSD/(SD+SA)に予め決めた定数Gを乗算した値SCを求め、ロック電源は前記ロックコイルに流れる電流がSCに比例する補正磁場を作るよう調整を行うようにする手段を備えることである。
制御範囲を狭小化することなく単調性を向上させたロック装置を実現することにより、高性能のNMR装置を提供することができる。
(実施形態1)
図1は、本発明のロック装置の実施形態を示すブロックダイアグラムである。ロック送信器10は、スイッチ12へ周波数fを持つ交流電流を送信する。周波数fは、例えば、92MHzである。スイッチ12は、能動若しくは受動の電気回路であり、ロック送信器10からプローブ14に繋がる回路と、プローブ14からロック受信器16に繋がる回路の2回路を接続・遮断する機能を持っている。
ロック送信器10が動作しているときは、ロック送信器10からプローブ14へ繋がる回路に電流が流れる。プローブ14は、NMR装置用磁石18(以下磁石と略称する)中に挿入され、図示しないが内部には測定対象である試料が置かれている。スイッチ12からプローブ14に入った交流信号は、プローブ14中に設けられた照射アンテナ(図示しない)を通じて周波数fを持つ交流磁場を発生し、プローブ14の中に置かれた試料に照射される。
この周波数fは、予め決めた基準原子核が目標静磁場強度で持つ共鳴周波数である。基準原子核としては重水素がよく用いられるが、フッ素など重水素以外の原子核を用いることもある。試料中の基準原子核のスピンは、交流磁場により励起され運動する。微視的なスピンの運動は、巨視的な磁化ベクトルの運動として現れ、プローブ14に設けられた検出アンテナに周波数fを持つ電圧(以下検出信号VDと略称する)を誘導する。
検出アンテナは、照射アンテナを兼用することも可能である。検出信号VDは、検出アンテナからスイッチ12を通してロック受信器に送られる。ロック受信器16は、検出信号VDに対し周波数変換と振幅変換のいずれか一方、若しくは両方を行い、変換された信号(以下受信信号VRと呼ぶ)をロック検波器20へ送る。
ロック検波器20は、受信信号VRに予め決めた周波数と位相および振幅を持つ参照信号(以下VFと呼ぶ)と乗算する複素検波を行い、分散信号SDと吸収信号(SA)呼ばれる2つの信号を作成し、ロック補正器22に渡す。
ロック補正器22では、SD/(SD+SA)に予め決めた常数Gを乗算した値を補正信号SCとしてロック電源24に渡す。ロック電源24は、補正信号SCに比例する電流を試料の周辺に設けられたロックコイル26に流し、試料の周辺に補正信号SCに比例する補正磁場を加える。したがって、ロックコイル26に流れる電流の大きさは、分散信号SDと吸収信号SAの関数として調整されるのである。ロック送信器10,スイッチ12,ロック受信器16,ロック検波器20,ロック補正器22は、いずれもロック制御器27によってその動作が制御される。
図2は、ロック補正器22の具体的な構成を示すブロックダイアグラムである。ロック補正器22は、ロック検波器20から入力される分散信号SDと吸収信号SAを用いて補正信号SCを求める演算部28と、演算部28で求めた補正信号SCをロック電源24に出力する補正部30とで構成される。
図3は、演算部28の動作を示すフローチャートである。図3に示した動作は、演算部28がロック制御器27から制御開始の指令を受けることにより開始される。制御が開始されると、先ず演算部28内部のレジスタを初期化し、制御ループを開始する。次にロック制御器27から入力される値でループゲインGと制御範囲判別閾値Jを更新する。ループゲインGと制御範囲判別閾値Jのデフォルト値はレジスタ初期化時に設定され、もしロック制御器27からの入力がない場合は初期値がそのまま残る。
次に分散信号SDと吸収信号SAをロック検波器20から入力される値に更新し、更新された分散信号SDと吸収信号SA値を用いて加重平均処理を行う。加重平均処理の次数および加重係数はユーザーがロック制御器27を通じて設定する。次数を1にすることで加重平均処理を無効にすることも可能であり、ロック信号のS/Nが高い場合は加重平均処理を無効にしロック装置の応答性を高めることができる。
加重平均された分散信号SD’と同じく加重平均された吸収信号SA’が得られたら、順次にA=SD’+SA’とSC=G×SD’/Aを求める。A、は制御範囲判別閾値Jと比較される。Aが制御範囲判別閾値Jより小さい場合は、変動が制御範囲を越えたと判断し、制御ループの終了処理に移行する。Aが制御範囲判別閾値Jより大きいか等しい場合は、補正信号SCを補正器30を通じてロック電源24に出力する。なお、AとJの比較は、Aを求めた直後に行ってもよい。
次にロック制御器27から制御終了の指示が来ているか確認する。制御中に出された制御終了指示は、例えばキューメモリを使い制御中にも失われることなく保存され、補正信号SCの出力後に処理される。制御終了指示が来ていなかったら、再び制御ループの最初に戻って、制御ループを繰り返す。もし制御終了指示が来ていたら、ループ終了処理に移行するし、終了処理が終わる次第に制御を終了する。
図4は本発明を実施するために使われるタイミングチャートの一例である。上から順にロック送信器10からの交流信号送信(TX)、ロック受信器16の受信動作(RX)、スイッチ12による送信・受信切り替え(TR―SW)、ロック検波器20に属するアナログーディジタル変換器の動作(ADC)、ロック電源24の動作(LCC)タイミングを表している。
図4の横軸は時間、縦軸は各々のタイミングを指示するために使われるトリガー信号の電圧であり、両軸とも任意のスケールで表している。図4ではLCCがTX―RX周期毎に行われるが、数周期に一回行われるように設定することも簡単にできる。
次に、本発明における補正信号SCの演算方法に関して説明する。磁場中に置かれた試料の原子核スピンは配向し巨視的な磁化ベクトルMを作る。磁化ベクトルM=(Mx、My、Mz)は、z−軸方向に加えられた静磁場(0、0、B0)とx−軸方向に加えられた高周波磁場(2B1cos(ft)、0、0)により、以下の式で記述される運動を示すことが公知である。
Figure 0004118844
式(1)の中で、γはジャイロマグネチックレシオ(gyromagnetic ratio)と呼ばれる基準原子核の固有物性値である。また、T2は前記横緩和時間であり、T1はT2と同様に前記検出信号VDの減衰率に関わる縦緩和時間と呼ばれる時間である。磁場強度BとBはgyromagnetic ratio γと常に一緒に現れるため、以下では上記式(1)の最後の行で示したように回転速度ω0とωで表す。
磁化ベクトルMの運動により検出コイルに誘導される検出信号VDは、検出コイルがx−軸上に置かれた場合、VD=−C×dM/dtであることが電磁気学の法則から公知である。Cは検出コイルの特性や検出コイルと試料の位置関係などにより決まる比例定数である。もし式(1)を解くことができれば、そのM解を時間微分することで検出信号VDを得ることができる。
本発明は静磁場強度Bを安定化するために使われるロック装置を対象としているため、望ましくは上記式(1)を、ωが時間と共に無作為に変動する条件の上で、解くことである。しかしながら、ωが時間と共に無作為に変動する条件に対し上記式(1)を解くことは不可能であるため、本発明では磁化ベクトルMが定常状態であるとする近似を用いる。解を得るためにはωの回転速度を持つ回転座標系を用い上記式(1)を書き換える。固定座標系における磁化ベクトルMのxおよびy成分であるMxとMyは、上記回転座標系における前記Mのxおよびy成分であるuとvと下記式(2)のような関係を持つ。
Figure 0004118844
回転座標系を用いて式(1)を書き換えると式(3)を得る。
Figure 0004118844
磁化ベクトルMが定常状態であると近似すると、式(3)の左辺にある微分項はすべて0である。式(4)はdu/dt=dv/dt=dMz/dt=0の条件で式(3)を解いて得た結果である。
Figure 0004118844
上記式(2)と電磁気誘導の法則を用いると、x−軸方向に置かれた検出アンテナに誘導される理想的な検出信号VDは以下の如くなる。
Figure 0004118844
式(5)の中で、Cは検出コイルの特性や検出コイルと試料の位置関係などにより決まる比例定数であり、A =u+v、Tan(φ)=―u/vである。実際の検出信号VDは、VDに雑音ηと検出アンテナからロック検波器に至る回路での位相偏差ψが加わる。
ロック検波器20で検波を行う際には、位相偏差ψを打ち消すように、参照信号VFの位相を調整する。しかし、位相偏差ψを完全に打ち消すことは、原理的には可能であるが、現実では不可能であり小さい位相誤差αを残す。従って、ロック検波器20から出力される分散信号SDと吸収信号SAは式(7)で示すように位相誤差αと雑音ηを伴う。
Figure 0004118844
式(6)の中で、C'は式5のCに更に受信回路のゲインによる信号振幅変化を乗算した値である。望ましい補正信号SCの表現を得るために、式(6)に式(4)のuとvを代入し行列を用いて以下の式(7)に書き換える。
Figure 0004118844
式(7)をω <<1の条件で考える。その場合、上記式(7)においてf(ω)=1となり、分散信号SDおよび吸収信号SAがωに対し持つ依存性はu0(ω)とv(ω)のみとなる。例えば、位相誤差および雑音がない場合なら、(ω―ω)=ωC'Mω×SD/(SD+SA)となり、前記ループゲインGを1/(ωC'Mω)と等しくし本発明の方法に従い補正信号SCを求めることにより直ちに静磁場強度の補正を達成できる。図5は理想的な分散信号SDと吸収信号SAを示すグラフである。図6は本発明による補正信号SCの一例を示す。縦軸のSC0はループゲインGを1とした場合の補正信号SCの値である。
図7と図8には、非特許文献2および特許文献1を用いて求めた補正信号SC0の値を示した。図6と図7および図8を比較すると、本発明により求めた補正信号SC0が広いω―ω範囲において優れた単調性を有することは明らかである。すなわち、本発明によれば、補正信号SCは、広い範囲に亘って直線的に変化している。
位相誤差αが0でない場合、本発明の方法に従い求めた補正信号SCは以下の如くなる。
Figure 0004118844
式(8)の最後の行では、位相誤差αは十分小さいとしコサイン(Cosine)とサイン(Sine)を位相誤差αに対しテイラー(Taylor)展開した1次項までを用いて表現した。式(8)で示すように、本発明の補正信号SCの算出方法は受信位相誤差αが0でない場合においても、安定した制御が可能である。
(実施形態2)
本発明におけるロック装置のもう一つの実施形態を図9に示したフローチャートを用いて説明する。図1と図2のような構成を有するロック装置において、演算部28は、ロック制御器27から制御開始の指令を受けて、制御を開始し、演算部28内部のレジスタを初期化してから、制御ループを開始する。
次にロック制御器27から入力される値でループゲインのテーブルGAとテーブルJを更新する。ロック制御器27からの入力がない場合は、レジスタ初期化時に設定されたテーブルGAとテーブルJのデフォルト値が以後の補正信号SCの演算に用いられる。次に分散信号SDと吸収信号SAをロック検波器20から入力される値に更新し、更新された分散信号SDと吸収信号SAの値を用いて加重平均処理を行う。
加重平均処理の次数および加重係数は、ユーザーがロック制御器27を通じて設定する。次数を1にすることで加重平均処理を無効にすることも可能であり、ロック信号のS/Nが高い場合は加重平均処理を無効にしロック装置の応答性を高めることができる。加重平均された分散信号SD’と同じく加重平均された吸収信号SA’が得られたら、順次にA=SD’+SA’とSC0=SD’/Aを求める。SC0を求めた後で、SC0の値に応じてループゲインのテーブルGAから適正なループゲイン値Gを選ぶ。
ループゲインGと補正信号SC0の対応関係は、例えば、G=X−X/(SC0+Y)である。X、Yはユーザー指定の定数である。ループゲインGは上記のような対応関係から適切な値をGAから選んでも良いし、GAを使わず直接演算してループゲインGを求めても良い。ループゲインGを求めた後に補正信号SC=G×SC0を求める。次にAを制御範囲判別閾値Jと比較する。AがJより小さい場合は変動が制御範囲を越えたと判断し、制御ループの終了処理に移行する。AがJより大きいか等しい場合は補正信号SCを補正器30を通じてロック電源24に出力する。なお、AとJとの比較は、Aを求めてから補正信号SCを出力するまでの間のどこで行ってもよい。
次に、ロック制御器27から制御終了の指示が来ているか確認する。制御中に出された制御終了指示は、例えばキューメモリを使い制御中にも失われることなく保存され、補正信号SCの出力後に処理される。制御終了指示が来ていたら、再び制御ループの最初に戻って、制御ループを繰り返す。もし制御終了指示が来ていたら、ループ終了処理に移行するし、終了処理が終わる次第に制御を終了する。本実施形態で開示した補正信号SCの演算方法を用いると、ω <<1の条件に係ることなく高い精度で補正信号SCを求めることができる。
ロック装置全体の構成を示すブロックダイアグラムである。 ロック補正器の構成を示すブロックダイアグラムである。 ロック補正器の動作を示すフローチャートである。 ロック装置の動作を示すタイミングチャートである。 本発明を説明するための理想的な分散信号SDと吸収信号SAを示すグラフである。 G=1とし本発明を用いて求めた補正信号のグラフである。 G=1とし(非特許文献2)を用いて求めた補正信号のグラフである。 G=1とし特許文献1を用いて求めた補正信号のグラフである。 本発明のもう一つの実施形態を示す、ロック補正器の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…ロック送信器、12…スイッチ、14…プローブ、16…ロック受信器、18…NMR装置用磁石、20…ロック検波器、22…ロック補正器、24…ロック電源、26…ロックコイル、27…ロック制御器、28…演算部、30…補正部、SC…補正信号、J…制御範囲判別閾値、SD…分散信号、SA…吸収信号。

Claims (8)

  1. 高周波を発生し、プローブに置かれた試料へ照射するロック送信器と、試料からの検出信号を受信するロック受信器と、複素検波を行いその実数成分である吸収信号SAと虚数成分である分散信号SDを出力するロック検波器と、ロック補正器と、ロック電源と、ロックコイルを備え、前記ロック補正器は、分散信号SAと吸収信号SDを入力とし、SD/(SD+SA)に予め決めた定数Gを乗算した補正信号SCを出力し、前記補正信号SCに応じて前記ロック電源を制御し、前記ロックコイルの電流を補正することを特徴とするNMR磁場安定化装置。
  2. 請求項1のNMR磁場安定化装置において、前記ロック電源は、前記補正信号SCに比例する電流が前記ロックコイルに流れるよう調整するNMR磁場安定化装置。
  3. 請求項1のNMR磁場安定化装置において、前記ロック補正器で分散信号SCを求める際に、SD/(SD+SA)の値に応じて異なる定数Gを用いるNMR磁場安定化装置。
  4. 請求項1のNMR磁場安定化装置において、前記ロック電源は、前記補正信号SCに比例する電流が前記ロックコイルに流れるよう調整し、前記ロック補正器で分散信号SCを求める際に、SD/(SD+SA)の値に応じて異なる定数Gを用いるNMR磁場安定化装置。
  5. 請求項1のNMR磁場安定化装置において、前記ロック補正器は、NMR磁場の変動に対して単調に直線的に変化する補正信号SCを出力するNMR磁場安定化装置。
  6. 高周波を発生し、プローブに置かれた試料に照射するロック送信器と、試料からの検出信号を受信するロック受信器と、受信信号に予め定めた周波数と位相および振幅を持つ参照信号と乗算して分散信号と吸収信号を作成するロック検波器と、前記ロック検波器からの信号の実数成分である吸収信号SAと虚数成分である分散信号SDからSD/(SD+SA)に予め決めた定数Gを乗算した補正信号SCを求めるロック補正器と、前記ロック補正器の補正信号SCに比例する電流を試料周辺に設けられたロックコイルに流すロック電源を備え、静磁場強度の擾乱を補正することを特徴とするNMR磁場安定化装置。
  7. ロック送信器から照射した交流磁場による試料の核スピンの運動が検出アンテナに誘導する電圧信号を複素検波し、その実数成分である吸収信号SAと虚数成分である分散信号SDからSD/(SD+SA)に予め決めた定数Gを乗算した補正信号SCを求め、前記補正信号SCに比例する電流を試料の周辺に設けられたロックコイルに流し、試料の周辺に前記補正信号SCに比例する磁場を加え、静磁場強度の擾乱を補正することを特徴とするNMR磁場安定化方法。
  8. 請求項7のNMR磁場安定化方法において、SD/(SD+SA)の値に応じて異なる定数Gを用いるNMR磁場安定化方法。
JP2004217424A 2004-07-26 2004-07-26 Nmr磁場安定化装置および方法 Expired - Fee Related JP4118844B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004217424A JP4118844B2 (ja) 2004-07-26 2004-07-26 Nmr磁場安定化装置および方法
US11/187,856 US7167002B2 (en) 2004-07-26 2005-07-25 Stabilizer for stabilizing NMR magnetic field and method of the same
EP05016220A EP1621894B1 (en) 2004-07-26 2005-07-26 Stabilizer for stabilizing NMR magnetic field and method of the same
DE602005006054T DE602005006054T2 (de) 2004-07-26 2005-07-26 Stabilisator für ein NMR-Magnetfeld und Verfahren zu seiner Benutzung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004217424A JP4118844B2 (ja) 2004-07-26 2004-07-26 Nmr磁場安定化装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006038570A JP2006038570A (ja) 2006-02-09
JP4118844B2 true JP4118844B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=35385633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004217424A Expired - Fee Related JP4118844B2 (ja) 2004-07-26 2004-07-26 Nmr磁場安定化装置および方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7167002B2 (ja)
EP (1) EP1621894B1 (ja)
JP (1) JP4118844B2 (ja)
DE (1) DE602005006054T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2756776C1 (ru) * 2020-04-14 2021-10-05 Федеральное государственное унитарное предприятие «Всероссийский научно-исследовательский институт метрологии им. Д.И.Менделеева» Способ создания стабильного магнитного поля и система для его реализации

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3839543B1 (en) 2019-12-20 2022-03-02 Bruker France S.A.S. Method for measuring nmr-data of a target sample in an nmr spectrometer and nmr spectrometer

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3388322A (en) * 1966-02-21 1968-06-11 Varian Associates Gyromagnetic resonance spectrometer having selectable internal and external resonantcontrol groups
DE1773720A1 (de) 1968-06-27 1971-11-25 Perkin Elmer Ltd Feldstabilisierungssystem fuer Kernresonanzspektrometer
DE2015137A1 (de) 1970-03-28 1971-10-07 Siemens Ag Verfahren zur Gewinnung von Trichloräthylen aus 1,2-Diehloräthan
JPS51131389A (en) * 1975-05-12 1976-11-15 Hitachi Ltd Device for uniform polarized magnetic field
JPS63111450A (ja) 1986-10-29 1988-05-16 Hitachi Ltd フ−リエ変換形核磁気共鳴装置のロツクオン装置
US4761614A (en) * 1987-04-27 1988-08-02 Phospho-Energetics, Inc. Device and method for automatic shimming of NMR instrument
JPH03176683A (ja) 1989-12-06 1991-07-31 Jeol Ltd 核磁気共鳴装置
EP0522191B1 (de) * 1991-07-11 1996-06-26 Spectrospin Ag Verfahren und Vorrichtung zum Kompensieren von Feldstörungen in Magnetfeldern
US5442290A (en) * 1992-08-04 1995-08-15 The Regents Of The University Of California MRI gradient drive current control using all digital controller
DE4227162C2 (de) * 1992-08-17 1994-07-14 Siemens Ag Iterative Shim-Verfahren für einen Grundfeldmagneten eines Kernspintomographiegerätes
DE4229148A1 (de) * 1992-09-01 1994-03-03 Sel Alcatel Ag Digitaler Phasenkomparator und Phasenregelkreis
US6037775A (en) * 1996-08-13 2000-03-14 Fonar Corporation Method and apparatus for magnetic field stabilization in a MRI system
JP3781166B2 (ja) * 1999-03-26 2006-05-31 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置および静磁場均一度維持方法
DE10032345C2 (de) 2000-07-04 2002-05-29 Bruker Medical Gmbh Verfahren zum Korrigieren von Störeinflüssen auf die MR-Signale einer im Messvolumen einer MR-Apparatur angeordneten Substanz sowie MR-Apparatur zur Durchführung des Verfahrens und Rechnereinheit
US7359540B2 (en) * 2003-06-27 2008-04-15 Ge Medical Systems Global Technology Company, Llc Systems and methods for correcting inhomogeneity in images
US7215123B2 (en) * 2004-05-05 2007-05-08 New York University Method, system storage medium and software arrangement for homogenizing a magnetic field in a magnetic resonance imaging system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2756776C1 (ru) * 2020-04-14 2021-10-05 Федеральное государственное унитарное предприятие «Всероссийский научно-исследовательский институт метрологии им. Д.И.Менделеева» Способ создания стабильного магнитного поля и система для его реализации

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006038570A (ja) 2006-02-09
DE602005006054D1 (de) 2008-05-29
DE602005006054T2 (de) 2009-05-14
US20060017441A1 (en) 2006-01-26
US7167002B2 (en) 2007-01-23
EP1621894B1 (en) 2008-04-16
EP1621894A2 (en) 2006-02-01
EP1621894A3 (en) 2006-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mlynárik Introduction to nuclear magnetic resonance
Stepišnik Analysis of NMR self-diffusion measurements by a density matrix calculation
JP6797189B2 (ja) 時間領域mri
JPH03191947A (ja) Mriにおける章動角度の迅速較正装置
JP2009106493A (ja) 磁気共鳴検査装置及び高周波パルス波形算出方法
JP2504666B2 (ja) 磁場中の磁界の乱れを補償する方法とその装置
Dathe et al. Exact algebraization of the signal equation of spoiled gradient echo MRI
Henoumont et al. How to perform accurate and reliable measurements of longitudinal and transverse relaxation times of MRI contrast media in aqueous solutions
Finsterbusch B0 inhomogeneity and shimming
JP4118844B2 (ja) Nmr磁場安定化装置および方法
CN113009396B (zh) 在nmr谱仪中测量目标样品的nmr数据的方法及nmr谱仪
Weiger et al. Gradient shimming with spectrum optimisation
US5093621A (en) Mri apparatus having an optimally adjusted detection chain and an enlarged dynamic range
JP4811995B2 (ja) Nmr磁場安定化装置
Melton et al. Condition for adiabatic passage in the Earth’s-field NMR technique
EP3904898A1 (en) Balanced phase cycling non stationary free precession sequence; banding artifact free imaging for mr multi-parametric estimation
Lebsack et al. Iterative RF pulse refinement for magnetic resonance imaging
Shifrin et al. Experimental estimation of the accuracy of modern scalar quantum magnetometers in measurements of the Earth's magnetic field
JPWO2008072393A1 (ja) 核磁気共鳴撮影装置
JP3130189B2 (ja) 核磁気共鳴装置
Franck et al. Shimmed matching pulses: Simultaneous control of rf and static gradients for inhomogeneity correction
Arthanari et al. Fourier synthesis techniques for NMR spectroscopy in inhomogeneous fields
Jiang et al. The digital field-frequency lock system of high-resolution nmr spectrometer
Kowalewski et al. Silicon-29 and oxygen-17 relaxation in H 8 Si 8 O 12 in solution
Gogola et al. Gradient Offset Calibration Used for B 0 Homogeneity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060522

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees