JP4118726B2 - 乾燥装置およびその乾燥方法 - Google Patents
乾燥装置およびその乾燥方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4118726B2 JP4118726B2 JP2003097845A JP2003097845A JP4118726B2 JP 4118726 B2 JP4118726 B2 JP 4118726B2 JP 2003097845 A JP2003097845 A JP 2003097845A JP 2003097845 A JP2003097845 A JP 2003097845A JP 4118726 B2 JP4118726 B2 JP 4118726B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dried
- drying
- rotating
- heat transfer
- transfer surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Drying Of Solid Materials (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
- Control Of Multiple Motors (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水分を含んだ被乾燥物を乾燥させる乾燥装置および乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水分を含んだ材料、例えば生ゴミや残飯などの食品残渣、汚泥、スラッジ、スラリー廃液などの被乾燥物を乾燥させた乾燥物は各種用途に再利用したり、廃棄したりしている。
これらの被乾燥物を乾燥させる装置及び方法は今までに多種の提案がなされている。
特に被乾燥物を容器へ入れ、その容器の外周へ伝熱手段としてジャケットと呼ばれる蒸気を送り込んで貯留させる二重カバーを設けることで、送り込んだ蒸気により加温させて容器の内面を高温となし、高温化された容器の内面を伝熱面とし、その伝熱面へ容器内の被乾燥物を接近させることで熱量を被乾燥物に伝え、被乾燥物の水分を取り除いて乾燥させる装置及び方法が提案されている。
例えば、容器の底面の中央に回転巻き上げ羽根を備え、回転巻き上げ羽根を回転することにより、被乾燥物を巻き上げつつ遠心力で容器側面の伝熱面へ押し付け、被乾燥物を乾燥させる乾燥装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、別の例では、容器内の被乾燥物を万遍なく混合攪拌する攪拌翼を備え、さらに容器の内周壁に沿って公転しながら自転する公自転攪拌翼を設けて容器の外周へ片寄った被乾燥物を上方と内部方向へ送って被乾燥物を乾燥させる乾燥装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
ところが、このように提案されていた従来の装置では、次のような問題があった。
特許文献1の例では、回転巻き上げ羽根の回転が被乾燥物を巻き上げつつ、遠心力により伝熱面側である外周方向へ送っているので、伝熱面周辺部での被乾燥物の入れ替わりは、回転巻き上げ羽根が巻き上げる次の被乾燥物に押されて行われる。そのため、次に移動してくる被乾燥物の巻き上げによる上方向への移動でしか伝熱面での被乾燥物の入れ替わりが行われない。
したがって、伝熱面付近で高温になされた被乾燥物とまだ熱を伝えていない被乾燥物との入れ替わりが確実に行われず、被乾燥物の乾燥が乾燥槽全体で均一に行うことができないので、乾燥槽全体の被乾燥物の乾燥にムラが発生してしまう問題があった。
【0004】
また、特許文献2の例では、攪拌羽根により乾燥槽全体での被乾燥物の攪拌は行われているが、公自転攪拌翼による乾燥槽側面付近での被乾燥物の移動は下から上への攪拌と乾燥槽の内部方向へ送る作用が行われ、被乾燥物を乾燥槽の側面である伝熱面方向へ移動させる作用は行われていない。そのため、特許文献1の例と同様に伝熱面付近での被乾燥物の入れ替わりが確実に行われず、乾燥槽全体の被乾燥物の乾燥にムラが発生し、乾燥槽全体の被乾燥物の乾燥に長時間必要となり、効率良く短時間で乾燥することができなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平10‐96589号公報
【特許文献2】
特開2000‐320967号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、被乾燥物の乾燥ムラをなくし、乾燥槽内の被乾燥物全体を均一に乾燥することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、被乾燥物を内部に貯える竪型に形成された円筒形状の乾燥槽と、該乾燥槽の内面に設ける被乾燥物に熱を伝える伝熱面と、前記乾燥槽の周囲に連設し伝熱面に熱を与える伝熱手段と、前記乾燥槽の中心から半径方向へ離れた位置に回転軸を有し回転羽根を回転させる回転手段と、前記乾燥槽の中心を回転軸として回転手段を回動する公転手段とを備える乾燥装置において、
前記回転手段と公転手段は夫々独立した別の駆動源である電動機によって駆動され、前記回転手段と公転手段が、伝熱面と回転羽根との間で被乾燥物を圧密して被乾燥物を伝熱面へ強制的に押圧接触させて伝熱面の熱を被乾燥物へ伝導させる際には回転方向を夫々逆方向で回転し、前記回転手段と公転手段が、伝熱面へ圧密させた被乾燥物を回転羽根で掻き出して乾燥槽内の空気中へ飛散させ被乾燥物の表面を空気に触れさせて水分の蒸発を促して被乾燥物の乾燥させる際には回転方向を夫々同一方向で回転する
こと。
または、乾燥槽内に投入される被乾燥物が乾燥槽全容量の40%以下の容量であって、
回転手段と公転手段の回転方向が夫々逆方向で回転しながら、
伝熱面と回転羽根との間で被乾燥物を圧密して被乾燥物を伝熱面へ強制的に押圧接触させて伝熱面の熱を被乾燥物へ伝導させる第一乾燥工程と、
回転手段と公転手段の回転方向が夫々同一方向で回転しながら、
伝熱面へ圧密させた被乾燥物を回転羽根で掻き出して乾燥槽内の空気中へ飛散させ被乾燥物の表面を空気に触れさせて水分の蒸発を促して被乾燥物の乾燥を実施する第二乾燥工程を行なうこと。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施例について図を用いて説明する。図1は本発明の装置の側断面図を示し、図2は図1のZ−Z断面図を示す。
図1において、竪型に形成された円筒形状の乾燥槽1には上方の開口部分を閉じるフタ2が取り付けられ、このフタ2の側面部には乾燥槽1の中へ被乾燥物3を送り込む投入シュート4が備えられている。
乾燥槽1には、乾燥槽1内部で回転する回転羽根24を回転させる回転手段5と、その回転手段5を乾燥槽1内で乾燥槽1の中心を回転軸として公転移動(以後、回動という)させる公転手段6が設けられている。
回転手段5は、乾燥槽1の中心から半径方向へ離れた位置へ側面と平行に回転軸を有し、回転羽根24は回転軸である主軸7から直角方向へ向けて層状に間隔を有して備えられている。回転羽根5を回転させる主軸7は駆動源である電動機A8を備え、電動機A8の回転は電動機A8に連接して設けられる出力軸9、プーリ10、ベルト11を介して主軸7に伝達される。
【0009】
また、公転手段6は、前記回転手段5を敷設し、この回転手段5を乾燥槽1の中心を回転軸として乾燥槽1内を回動させるアーム12と、駆動源である電動機B14と、電動機B14の回転をアーム12へ伝える伝達手段13を備えている。
前記電動機A8と電動機B14は、夫々に回転方向切り替え器15と周波数変換器16を備えており、別に設けられた演算器18の制御によって電動機A8と電動機B14の回転方向と回転数は自由に変更できる構成になされている。
前記乾燥槽1には、乾燥槽1の内面に備えられて後述する伝熱手段23からの熱を受けて高温となして乾燥槽1内の被乾燥物3へ熱を伝える伝熱面22と、伝熱面22の外周に連接され蒸気などの熱源を貯えることで伝熱面22の熱の発生源となって伝熱面22へ熱量を与える伝熱手段23が備えられている。本実施例では、伝熱手段23を乾燥槽1の側面の外周に配設し伝熱面22は乾燥槽1の側面の内面となしているが、伝熱手段23と伝熱面23の設置位置は前記実施例の位置に限らず、乾燥槽1の底面に設けても良い。
【0010】
次に、本実施例の装置における電動機の動作を制御する制御部を説明する。
図3に電動機の回転を制御するためのフロー図を示し、図3(a)には電動機の回転数を制御するためのフロー図を示し、図3(b)には電動機の回転方向を制御するためのフロー図を示す。
電動機A8と電動機B14には各々に過電流検出器19が備えられており、電動機A8と電動機B14の電流を検知し、あらかじめ設定した電流値以上の電流が電動機A8または電動機B14に流れると信号を演算器18へ入力する。
演算器18には、夫々に記憶手段を有する回転方向設定手段20と回転数設定手段21が備えられ、あらかじめ記憶手段へ設定された乾燥工程の手順に応じて各乾燥工程で適した電動機A8と電動機B14の夫々の回転数と回転方向を演算器18へ入力する。
【0011】
本発明の乾燥方法の作用について図を用いて説明する。
図4は、回転手段5の回転羽根24の回転方向における被乾燥物3に対する作用図を示し、図5は、回転羽根24の回転方向における被乾燥物3の分布状態を示す平面図である。図中の矢印は、回転羽根24の被乾燥物3への作用方向を示している。
図4(a)において、回転羽根24の先端が乾燥槽1の側面にある伝熱面22へ近づく区間の回転方向域Aでは図中の矢印で示すように、回転羽根24の回転により伝熱面側の外方へ被乾燥物3が掻き飛ばされて伝熱面22の近くに運ばれる。伝熱面22の近くに運ばれた被乾燥物3は、さらに伝熱面側へ回転する回転羽根24に押圧されて伝熱面22へ強制的に押し当てられ、伝熱面22と回転羽根24との隙間Xに圧密される。
そのため、被乾燥物3は伝熱面22へ強制的に押圧されながら接触することで、伝熱手段23によって高温になされた伝熱面22の熱量が被乾燥物3へ伝導され被乾燥物3自身の温度を上昇させる。
図5(a)において、前記回転羽根24の回転方向域Aにおける回転羽根24により移動する被乾燥物3の分布状態を示している。図に示すように、回転羽根24で伝熱面22の方向(乾燥槽1の外周方向)へ掻き飛ばされた被乾燥物3は伝熱面22の付近へ集まり回転羽根24で押し付けられて、回転羽根24と伝熱面22との隙間Xに高密度で圧密されて、伝熱面22の熱量が確実に被乾燥物3へ伝導される。
【0012】
図4(b)において、回転羽根24の先端が乾燥槽1の側面にある伝熱面22から遠ざかる区間の回転方向域Bでは図中の矢印で示すように、回転羽根24の回転により伝熱面側へ集められ圧密された被乾燥物3が掻き出されて乾燥槽1の内方の全域へ向けて空中に飛散される。
回転羽根24が内側へ向けて回転することにより、伝熱面22の近くで圧密されて固められた被乾燥物3を乾燥槽1の内方へ分散させながら空中へ掻き出す。乾燥槽1の内方の空中へ掻き飛ばすことで被乾燥物3の表面へ空気の対流をおこし、被乾燥物3の全表面を空気にさらして被乾燥物3の表面にある水分の蒸発を促進させ、被乾燥物3の乾燥を促す。
図5(b)において、前記回転羽根24の回転方向域Bにおける回転羽根24により移動する被乾燥物3の分布状態を示している。図に示すように、回転羽根24で伝熱面22の付近に圧密され固められた被乾燥物3は回転羽根24により掻き出され、細かく分散されながら乾燥槽1の内方の空中へ広範囲に飛散され、被乾燥物の表面を空気に触れさせて水分の蒸発を促す。
回転羽根24の回転により複数回繰り返し前記作用を起こすことで、圧密され固められた被乾燥物3を細かく砕きながら空中へ分散させるので、被乾燥物の水分の蒸発がより効率的に行われる。
以上の作用により被乾燥物3を乾燥させる回転手段5が公転手段6により乾燥槽1内を回動することで、前述の回転羽根24による乾燥作用が乾燥槽1の全域で行われ、乾燥槽1に投入される被乾燥物3が全体へ均等に乾燥され、ムラの無い乾燥を行う。
【0013】
以下に前記装置を用いた本発明の第一実施例の乾燥工程について説明する。
図1において、被乾燥物3を投入シュート4へ送り、乾燥槽1の中へ投入する。このとき、乾燥槽1の中へ投入される被乾燥物3の投入量は、前記乾燥工程における回転羽根24による被乾燥物3の跳ね飛ばしや掻き出しを行わせるために乾燥槽1の中へ充満させない量を投入する。例えば乾燥槽1の全容量の40%以下とする。これにより、回転羽根24での被乾燥物3の跳ね飛ばしによる伝導作用や掻き出しによる分散作用を有効に働かせる。また、乾燥槽1の中に被乾燥物3を充満させないことで、乾燥槽1の内部に十分な空間を設け、回転羽根24の掻き出しによる分散作用によって、被乾燥物3の表面を空気に触れさせる蒸発を行わせる。
乾燥槽1の中へ充満することなく投入された被乾燥物3は、乾燥槽1へ設けられた回転手段5と公転手段6により所定の乾燥工程を経て乾燥される。
回転手段5と公転手段6の回転方向と回転数はあらかじめ記憶手段へ設定された乾燥工程の手順に応じて演算器18が夫々の電動機の回転方向と回転数を制御することにより乾燥される。
【0014】
まず、乾燥初期の段階である第一乾燥工程においては、回転手段5の回転羽根24と公転手段6が夫々逆方向の向きで回転される。例えば図6(a)に示すように、回転手段5の回転羽根24が時計回りのときには公転手段は反時計回りとなる。図6中の黒矢印は回転羽根24の回転方向を示し、白矢印は公転手段6の回転向きを示す。
この回転方向では、公転手段6の回動により回転方向にある被乾燥物3を次々と回転羽根24の回転方向域Aへと取り込み続ける。
回転羽根24が伝熱面22に接近する回転方向域Aでは、前述のように取り込んだ回転方向域内の被乾燥物3を伝熱面22側へはね飛ばして、被乾燥物3を伝熱面22の付近へ送り、回転羽根24によって被乾燥物3を伝熱面22へ押し付け、伝熱面22の熱量を被乾燥物3へ伝導する伝熱作用を効する。その後、回転羽根5が遠ざかる回転域Bでは、伝熱面22に押圧されて伝熱面22の熱量によって高温になされた被乾燥物3を掻き出し、分散させて乾燥槽1の空気に触れさせて水分の蒸発を促し乾燥を行う。
【0015】
さらに公転手段6を回動させ回転羽根5を乾燥槽1内で繰り返し周回させることで、前記の乾燥作用を乾燥槽1の全域に渡って行い、乾燥槽1全体の被乾燥物3の乾燥をムラ無く行う。
この第一乾燥工程は、まず被乾燥物3を伝熱面22へ圧密し伝熱面22の熱量を被乾燥物3へ伝導させ、被乾燥物3を高温にするので、第一乾燥工程での乾燥槽1内部の空気は被乾燥物3の高温化に伴い温度が上昇する。第一乾燥工程が進み、伝熱面22での加熱による温度上昇の限界まで被乾燥物3が高温に達すると、乾燥槽1の内部の空気の温度は温度上昇しなくなり、一定値で安定する。
【0016】
乾燥槽1の内部の空気の温度は温度上昇が上限へ達し、乾燥槽1内の被乾燥物3の高温化が十分になされると、次の第二乾燥工程を行う。
第二乾燥工程では、回転手段5の回転羽根24と公転手段6が夫々同一方向で回転される。例えば、図6(b)で示すように、回転羽根24と公転手段6が、どちらも反時計回りに回転する。
この回転方向では、公転手段6の回動により回動方向にある被乾燥物3を次々に回転羽根24の回転方向域Bへ取り込み続ける。回転方向域Bでは、前述のように取り込んだ回転方向域内の被乾燥物3や伝熱面22へ圧密されて固まった被乾燥物3を回転羽根24の回転により掻き出し、細分化させ乾燥槽1の内方の空間へ分散させ、被乾燥物3の表面を最大限に空気に触れさせて被乾燥物3の水分の蒸発を促し乾燥を行う。
さらに公転手段6の回動により回転羽根24が乾燥槽1内を繰り返し周回することで、前記の分散作用が乾燥槽1の全域に渡って行われ、乾燥槽1全体の被乾燥物3の蒸発が均一にムラ無く行われる。
第二乾燥工程は、第一乾燥工程で伝熱面22に押圧され十分高温になされた被乾燥物3が回転羽根24の回転方向域Bでの分散作用により、乾燥槽1内部の空気に触れ水分の蒸発を促され被乾燥物3の乾燥が行われる。
この第二乾燥工程において、乾燥槽1内の空気は蒸発作用が促されることにより、気化熱が奪われ、乾燥槽1内の空気の温度は低下する。蒸発作用が行われ続けると乾燥槽1内部の空気の温度も次第に低くなり、さらに蒸発が限界まで行われると、蒸発が少なくなり、乾燥槽1内部の空気の温度低下も止まり温度が一定となる。
【0017】
前記第一乾燥工程と第二乾燥工程で、被乾燥物3への伝熱作用と蒸発作用を十分行われ、被乾燥物3の乾燥が進行すると、次の第三乾燥工程を行い、被乾燥物3の更なる乾燥を行う。
この第三乾燥工程では、回転手段5の回転羽根24の回転方向を一定周期で切り替えて変更し、時計回りと反時計回りを連続的に交互に回転するようになして、被乾燥物3への伝熱作用と蒸発作用を連続的に交互に行うことで、前記第一乾燥工程と第二乾燥工程である程度まで乾燥をなされた被乾燥物3を更に乾燥させて被乾燥物3の乾燥をより確実に行う。
以上の乾燥工程を行うことで、乾燥槽1の全域の被乾燥物3が均一に乾燥され、ムラの無い乾燥を被乾燥物3の全体に渡って行うことができ、無駄な乾燥時間を要することなく、被乾燥物3の全体を効率良く乾燥することができる。
【0018】
本発明の第二実施例は、前記各乾燥工程において、回転手段5の回転数を各々の乾燥工程に対して最良の回転数を設定することで、被乾燥物3の乾燥を効率よく行う。
第一乾燥工程では、回転手段5の回転数を他の乾燥工程に比べて高回転で行う。これにより、伝熱面22での伝導作用をより多くの被乾燥物3へ作用させることができる。
第二乾燥工程では、回転手段5の回転数を第一乾燥工程での回転数より低回転で行う。これにより、乾燥槽1の空気中へ掻き出す分散作用を低速で行うことで、被乾燥物3を空気中へ長時間留まらせて蒸発を充分に行わせる。
第三乾燥工程では、回転手段5の回転数を第二乾燥工程での回転数より高回転で行うことにより、伝熱作用と蒸発作用を高頻度で交互に行い、確実に乾燥を行う。
前記例では、回転手段5の回転数を各々の乾燥工程に対して最適の回転数を設定することで、被乾燥物3の乾燥を効率よく行うが、公転手段6の回転数を前記例と同じく設定することで、同様の作用により等しく効果を得ることができる。
【0019】
本発明の第三実施例は、各電動機の過負荷に応じて、回転手段5と公転手段6の回転数を制御し、ムラの無い乾燥を行う。
前記の夫々の乾燥工程において、乾燥が進むと被乾燥物3は、乾燥以前の水分を多量に含む流動性の高い物性から水分の蒸発に伴い水分を含まない流動性の低い物性へと変化する。また、食品残渣などの残飯に米飯が多く含まれる場合には、乾燥作用に加え回転羽根5の攪拌により米飯が餅状の粘性を有する固まりとなってしまう。
そのため、回転手段5の回転や公転手段6の回動において、回転時に被乾燥物3が回転抵抗として作用し、被乾燥物3の乾燥が進むにつれて抵抗が次第に増大し、各電動機に過負荷が生じる。
夫々の工程において、過負荷が生じた場合は、電動機A8の電流を過電流検出器19が検知し、演算器18に入力する。演算器18は、この過電流検出器19からの過電流分の入力デ−タと回転数選択手段21からの設定値を演算し、周波数変換器16として設けたインバ−タへ指令を出す。インバ−タは電源周波数を過電流に応じた値だけ減少させ、電動機A8に供給する。電動機A8の回転に従って回転羽根24の回転数は減速する。
【0020】
以上の乾燥過程における負荷トルク、電力および回転数の関係を、図7に示し、これを説明する。回転羽根24の負荷量、即ち負荷時の荷重に従って変化する負荷トルクに対し、電力が常に一定の値H1となるよう調整した場合の電動機A8の回転数を二点鎖線aで示す。被乾燥物3の乾燥に最良の回転羽根回転数である定回転数N1に対し、電力が一定の値H1以下の場合は、この回転数N1で被乾燥物3の乾燥を続けるのであるが、乾燥が進むにつれて発生する大きなトルクT2に対し、電動機A8の回転数をN1と一定に維持するとすれば、その電力は、二点鎖線で示すH2の如く一定の値H1よりも増大する。 しかし、回転数を前記消費電力と電動機A8の回転数の関係を応用して電力が常に一定の値H1を越えないようにN2に減速する。同様にしてその後乾燥が進行し、被乾燥物3が細分化するにつれて、徐々に低下する負荷トルクに従い、徐々に回転数を増して行く。そして、最も乾燥に最良の回転羽根24の周速に達するまで電動機A8の回転数を増加し、最良の回転羽根周速である回転数N1まで達すると、それ以後の乾燥工程においては、電力が一定の値H1となる回転数aに沿って増していくのでなく、電力がH1以下となっても所望する回転数N1で被乾燥物の乾燥を続ける。
電力の上限値H1は、電動機の特性、たとえばコイルの温度上昇や軸受の寿命などを考慮して回転羽根24の負荷量に対して最大限電動機の能力を発揮させるように決定する。
【0021】
過電流検出器19は、電気的な作動によるものの他、電動機A8から回転羽根5に至る任意の位置で発生する回転トルクを力学的に検出するトルク検出器となしてもよい。
被乾燥物3は材料の種類、含水量、個々の大きさなどの違いや異なる材料の比率及び投入量などによって、種々の実施態様があり、各実施態様に最良な回転数は、前記各工程における夫々の回転域内においても異なる。従って、回転数選択手段21に記憶手段を連設し、被乾燥物に応じた最良な回転数が各乾燥工程で選択設定できるようにすれば、各実施態様に対し、さらに最適な乾燥が行えるから、より効率良く乾燥が行える。
【0022】
前記実施例では、回転手段5の回転羽根24の回転数と電動機A8の電流と負荷トルクについての実施例を説明しているが、他の例としては、公転手段6の回転数と電動機B14の電流と負荷トルクについても同じ作用が得られるので、公転手段の回転数も前記の制御を行うことで同様の乾燥作用の効果を得ることができる。
【0023】
前記各実施例の回転羽根24の形態についての他の実施例を図8に示す。
図8(a)において、回転羽根24aは回転軸7の周囲へらせん状に配設する。これにより、被乾燥物3を伝熱面22の方向へ跳ね飛ばしつつ、上方へ送る作用が得られ、被乾燥物3が下方へ片寄ることなく、伝熱面22の全面へ均等に圧密され、伝導作用をムラ無く行うことができる。
図8(b)において、層状に配設された回転羽根24bの全長は上方の回転羽根24ほど短くなされている。これにより、回転羽根24と伝熱面22との隙間が上方になるにしたがって空間を大きく持つので被乾燥物3が上方に留まり、被乾燥物3が下方へ片寄ることなく、伝熱面22の上方を有効的に作用させることができる。
図8(c)において、回転手段5cが複数個設けられている。これにより、被乾燥物3が夫々の回転手段5c同士で挟み込まれ細分化され乾燥をより促進できる。また、乾燥槽1の中心部へ被乾燥物3が残留するのを防ぎ、乾燥槽1内の被乾燥物3へムラ無く確実に回転手段5cの作用を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、回転羽根24による被乾燥物3への伝導作用と分散作用を強制的に乾燥槽1の全域に渡って行い、乾燥槽1内の全ての被乾燥物3へ熱の伝熱と水分の蒸発を均等に作用させるので、被乾燥物3の乾燥ムラをなくし、乾燥槽1内の被乾燥物3全体を均一に乾燥することができる。
また、乾燥槽1の全域の被乾燥物3が均一に乾燥され、ムラの無い乾燥を被乾燥物3の全体に渡って行うことができるので、無駄な乾燥時間を要することなく、被乾燥物3の全体を効率良く短時間で乾燥することができる。
さらに、被乾燥物3の乾燥状態や材料に応じて、回転羽根24と公転手段6の回転数や回転方向を選択することができるので、被乾燥物3の乾燥状態や材料を問わず、どのような被乾燥物3でも最適な乾燥工程を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の装置の側断面図を示す。
【図2】図1のZ−Z断面図を示す。
【図3】電動機の回転を制御するためのフロー図を示す。
【図4】回転羽根の回転における被乾燥物に対する作用図を示す。
【図5】回転羽根の回転における被乾燥物の分布状態を示す平面図。
【図6】回転羽根と公転手段の回転方向による被乾燥物に対する作用図を示す。
【図7】乾燥過程における負荷トルク、電力および回転数の関係グラフを示す。
【図8】回転羽根5の形態についての他の実施例を示す。
【符号の説明】
1 乾燥槽
3 被乾燥物
5 回転手段
6 公転手段
8 電動機A
14 電動機B
18 演算器
22 伝熱面
23 伝熱手段
24 回転羽根
Claims (8)
- 被乾燥物を内部に貯える竪型に形成された円筒形状の乾燥槽と、
該乾燥槽の内面に設ける被乾燥物に熱を伝える伝熱面と、
前記乾燥槽の周囲に連設し伝熱面に熱を与える伝熱手段と、
前記乾燥槽の中心から半径方向へ離れた位置に回転軸を有し回転羽根を回転させる回転手段と、
前記乾燥槽の中心を回転軸として回転手段を回動する公転手段
とを備える乾燥装置において、
前記回転手段と公転手段は夫々独立した別の駆動源である電動機によって駆動され、
前記回転手段と公転手段が、
伝熱面と回転羽根との間で被乾燥物を圧密して被乾燥物を伝熱面へ強制的に押圧接触させて伝熱面の熱を被乾燥物へ伝導させる際には回転方向を夫々逆方向で回転し、
前記回転手段と公転手段が、
伝熱面へ圧密させた被乾燥物を回転羽根で掻き出して乾燥槽内の空気中へ飛散させ被乾燥物の表面を空気に触れさせて水分の蒸発を促して被乾燥物の乾燥させる際には回転方向を夫々同一方向で回転する
ことを特徴とする乾燥装置。 - 前記回転羽根が、回転軸から直角方向へ向けて層状に間隔を有して配設され、且つ回転軸の周囲へらせん状に配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。 - 前記回転羽根が、回転軸から直角方向へ向けて層状に間隔を有して配設され、且つ各々の回転羽根の全長が上方の回転羽根ほど短くなされている
ことを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。 - 前記回転手段が複数個設けられていることを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。
- 被乾燥物を内部に貯える竪型に形成された円筒形状の乾燥槽と、該乾燥槽の内面に設ける被乾燥物に熱を伝える伝熱面と、前記乾燥槽の周囲に連設し伝熱面に熱を与える伝熱手段と、前記乾燥槽の中心から半径方向へ離れた位置に回転軸を有し回転羽根を回転させる回転手段と、前記乾燥槽の中心を回転軸として回転手段を回動する公転手段とを備える乾燥装置を用い、
乾燥槽内に投入される被乾燥物は乾燥槽全容量の40%以下の容量であって、
回転手段と公転手段の回転方向が夫々逆方向で回転しながら、
伝熱面と回転羽根との間で被乾燥物を圧密して被乾燥物を伝熱面へ強制的に押圧接触させて伝熱面の熱を被乾燥物へ伝導させる第一乾燥工程と、
回転手段と公転手段の回転方向が夫々同一方向で回転しながら、
伝熱面へ圧密させた被乾燥物を回転羽根で掻き出して乾燥槽内の空気中へ飛散させ被乾燥物の表面を空気に触れさせて水分の蒸発を促して被乾燥物の乾燥を実施する第二乾燥工程を行なう
ことを特徴とする乾燥方法。 - 前記第一乾燥工程と、
第二乾燥工程と、
その後、回転手段又は公転手段の回転方向があらかじめ定められた時間で正転と逆転を連続的に交互に繰り返しながら実施される第三乾燥工程を備える
ことを特徴とする請求項5記載の乾燥方法。 - 前記回転手段の回転速度が高速で回転しながら実施される第一乾燥工程と、
回転手段の回転速度が低速で回転しながら実施される第二乾燥工程と、
再び回転手段の回転速度が高速で回転しながら実施される第三乾燥工程を備えることを特徴とする請求項5記載の乾燥方法。 - 前記公転手段の回転速度が高速で回転しながら実施される第一乾燥工程と、
公転手段の回転速度が低速で回転しながら実施される第二乾燥工程と、
再度公転手段の回転速度が高速で回転しながら実施される第三乾燥工程を備えることを特徴とする請求項5記載の乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097845A JP4118726B2 (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 乾燥装置およびその乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097845A JP4118726B2 (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 乾燥装置およびその乾燥方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301468A JP2004301468A (ja) | 2004-10-28 |
JP4118726B2 true JP4118726B2 (ja) | 2008-07-16 |
Family
ID=33409530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003097845A Expired - Fee Related JP4118726B2 (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 乾燥装置およびその乾燥方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4118726B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008036594A (ja) * | 2006-08-10 | 2008-02-21 | Nippon Kagaku Kikai Seizo Kk | 攪拌装置の制御方法 |
NO20075383A (no) * | 2007-10-22 | 2008-10-13 | In Motion As | Regulering av tyngre maskiner |
KR102618158B1 (ko) * | 2022-04-11 | 2023-12-27 | (주)규원테크 | 교반 장치 및 그 제어방법 |
CN116332470B (zh) * | 2023-05-15 | 2024-03-29 | 巢湖市爱华环保科技有限公司 | 一种自动化污泥处理装置 |
CN116929032B (zh) * | 2023-09-13 | 2023-11-28 | 山东蓝墨生物科技有限公司 | 一种芦丁生产的烘干装置 |
-
2003
- 2003-04-01 JP JP2003097845A patent/JP4118726B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004301468A (ja) | 2004-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4906838B2 (ja) | 生ごみ処理機の乾燥炉 | |
JP4282551B2 (ja) | 乾燥装置と被乾燥物の乾燥方法 | |
KR960016951A (ko) | 액상 및 페이스트 형상 재료의 교반혼합 제어방법 및 그 장치 | |
JP4118726B2 (ja) | 乾燥装置およびその乾燥方法 | |
KR101418605B1 (ko) | 회전스크류를 구비한 음식물 처리기의 건조로 | |
JP2009247997A (ja) | 生ゴミ処理装置 | |
KR100899538B1 (ko) | 유도가열방식을 이용한 음식물 처리기 | |
JP4330259B2 (ja) | 乾燥方法および乾燥装置 | |
JP2000176399A (ja) | 有機廃棄物処理装置 | |
JP2015202451A (ja) | 金属材料の再資源化のための処理方法 | |
CN207342710U (zh) | 一种高速搅拌釜 | |
JP2006017315A (ja) | 乾燥装置の制御システムと制御方法 | |
JP4178622B2 (ja) | 厨芥処理機 | |
JP2001234204A (ja) | 金属粉末の加熱装置 | |
KR20090073392A (ko) | 컷팅 배출 장치가 구비된 음식물 처리기의 건조로 | |
KR20090073390A (ko) | 도어 배출 장치가 구비된 음식물 처리기의 건조로 | |
KR102257332B1 (ko) | 정량투입식 음식물 처리기 | |
CN216909916U (zh) | 一种储能调温相变材料加工装置 | |
JP2907178B2 (ja) | 電磁波加熱装置 | |
JP2002205034A (ja) | 生ごみ処理機 | |
JP2005296915A (ja) | 生ごみ処理装置および生ごみ処理方法 | |
CN216558188U (zh) | 生物废料多级烘干装置 | |
KR101418604B1 (ko) | 음식물 처리기의 건조로 | |
CN212549163U (zh) | 一种沥青乳化剂固液搅拌装置 | |
JPH11325722A (ja) | 脱水乾燥装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060324 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070702 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080401 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080423 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4118726 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |