JP4118490B2 - 木造住宅の構造設計支援装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、住宅の設計時にコンピュータを用いて構成材の強度の判定を行えるようにした住宅の構造計画支援方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
在来軸組工法においては、大工などの現場作業者が、作業現場において柱や横架材を所定の寸法に加工し、組立を行っていたが、近年、これら材木の加工にいわゆるプレカットシステムが導入され、専用のプレカット工場にて材木に対する所用の加工が予めなされ、加工された材木が建築現場に運搬されて、木材相互の組立が行われている。係るプレカットシステムにおいては、経験に基づく加工ルールに従い柱、梁の材料寸法を決定しており、必要以上の強度の材料を用いる傾向が強かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、プレカットシステムにおいて、コンピュータを用いて構造解析を行い、結果を表示させることで、適切に材料の選択ができるようにするとの着想を持った。しかしながら、構造解析の結果を全て表示させると、いずれの値が問題となるか判別し難いことが判明した。例えば、横架材の高さを決定するためにせん断応力を求める際には、長期のせん断応力と短期のせん断応力とを求める必要があるが、これら両方の値を表示させると、いずれが問題となるか分かり難いことが予想された。
【0004】
この発明は、建設物の形状データから、適切な材料を選択するために必要な構造データを選択できる建設物の構造設計方法を提供することを目的とする。
【0005】
また、この発明は、建設物の形状データから、適切な材料を選択するために必要な構造データを表示できる建設物の構造設計方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の木造住宅の構造設計支援装置は、伏図データをコンピュータに入力し、長期・短期の荷重により各横架材に発生する応力又はたわみの最大値を記入した状態の伏図を出力するために、以下の構成を備えた演算プログラムが前記コンピュータにインストールされていることを特徴とする。
[1] 前記演算プログラムには、入力された設計情報、建設地域に関する情報及び伏図データに基づいて、設計荷重の算出を行う設計荷重算出プログラムが含まれていること。
[2] 前記演算プログラムには、入力された伏図データに基づき、耐力壁、通常の壁、柱材及び横架材を、同一座標系において特定するために座標データ化する座標データ化プログラムが含まれていること。
[3] 前記演算プログラムには、前記設計荷重算出プログラム及び座標データ化プログラムによる演算処理の結果を受けて、検討対象となっている木造住宅を構成する各大梁について、当該大梁の下側に管柱がある際には、当該大梁の両端部と前記管柱の配置との関係から荷重スパンを決定すると共に、当該大梁の上に梁又は柱が存在するか否か、当該大梁に根太が架かり梁又は柱が存在する否か、当該大梁上に根太があるか否か、当該大梁上に内壁があるか否か、当該大梁上に外壁があるか否か、を順次判定し、当該判定結果に基づいて、当該大梁に対する構造データの計算条件を、「集中荷重のみ」、「等分布荷重と集中荷重」、「等分布荷重のみ」のいずれの荷重形式とするかを決定し、長期荷重及び短期荷重のそれぞれについて、少なくとも各大梁に生じる曲げ応力、せん断応力又はたわみの値を算出する応力等算出用プログラムが含まれていること。
[4] 前記演算プログラムには、前記応力等算出用プログラムの算出結果に基づいて、各大梁に生じる曲げ応力、せん断応力又はたわみについて長期荷重から算出される値と短期荷重から算出される値の内の大きい方の値と、長期・短期の荷重の別とを対象となる大梁の近傍に表した伏図を表示する大梁寸法等修正検討用伏図表示プログラムが含まれていること。
【0007】
本発明の木造住宅の構造設計支援装置は、さらに、以下の構成を備えるとよい。
[5] 前記演算プログラムは、オペレータにより横架材の高さ等の修正があった際には構造計算をやり直し、該やり直した構造計算に基づいて前記大梁寸法等修正検討用伏図表示プログラムによる表示を更新する更新処理を実行する様に構成されていること。
【0008】
【0009】
本発明によれば、適切な材料を選択するために必要な構造データのみを表示することができる。
【0010】
本発明によれば、適切な高さの横架材を選択することができる。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を参照して説明する。本実施の形態では、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)の画面で住宅の仕様及び形状データを入力しながら住宅の設計を行い、同時に、接合金物の選択、梁、柱及び基礎の強度チェックを行うようになっている。先ず、住宅の仕様データ及び形状データをパソコンに入力する手順及び設計処理について、図5〜図11フローチャートを参照しながら説明する。ここで、設計を行う2階建て住宅の1階土台部の伏図を図1に、2階床梁部の伏図を図2に示す。
【0013】
図5は、第1実施形態に係る建築物の構造設計方法を遂行するための主ルーチンを示している。先ず、S100において初期条件を入力後、柱や梁等の位置データを処理して初期条件設定を終える。続いて、S200で地震力や風圧力等の水平荷重に対する検討を行い、各柱の負担面積と設計荷重から長期軸力の算出(S300)及び積雪・水平力による各柱の短期軸力(S400)の算出を行う。最後に、S500で、大梁・柱に対して強度上の必要に応じて、大梁の梁成を高め、柱を太くする修正を行う。
【0014】
ここで上述したS100での初期条件設定について、当該処理のサブルーチンを示す図6を参照して更に詳細に説明する。S110で住宅の設計・物件情報を入力する。ここでは、荷重を計算するために必要な屋根種別、収納される重量物等の情報を入力する。S120で住宅の建設される地域を入力する。これは、後述するように、積雪時の荷重を求める際に、地域により基準となる積雪量が異なるため、地域を指定させることで、積雪量を特定する。続いて、S130で図1、図2に示す1、2階の伏図及び図示しない小屋梁部の伏図のデータを入力する。この伏図のデータとしては、当該住宅用の材木をプレカット加工するためにプレカットシステムにて生成されたデータを流用することができる。
【0015】
続いて、S140で各層(階)ごとの固定荷重、積載荷重などの仮定荷重を設定する。固定荷重とは建物を構成する柱・梁等の建築物の自重である。したがって、構成材料により、それらの荷重を合計したものとなる。積載荷重とは、建築物内に収納される物や人間の重量である。ここでは、1層(階)での固定荷重、積載荷重を仮定し、2層(階)についても同様に固定荷重、積載荷重を仮定する。
【0016】
S140での各層(階)における仮定荷重の設定が終わると、S150において各層(階)ごとの設計荷重の算出を行う。各層(階)における固定荷重、積載荷重を合計した荷重が設計荷重となり、この情報データを基に構造計算を行い、材料配置座標データを算出する。
【0017】
次に、S160で位置データの変換を行う。先ず、各層(階)・各耐力壁の座標位置データ及び壁倍率αiを(Xi、Yi、Xj、Yj、αi)に変換する。即ち、図12に示すように耐力壁Wの両端の座標(Xi、Yi、 Xj、Yj)を求め、座標で当該耐力壁Wを特定できるようにする。同様に、通常の壁(外壁・内壁)位置データを(Xi、Yi、Xj、Yj)に変換、柱の位置データ及び幅角d、材種番号nを(Xi、Yi、d、n)に変換、最後に梁の位置データ及び幅d、成h、材種番号nを(Xi、Yi、Xj、Yj、d、h、n)に変換する。全ての位置データの変換が終わると、初期条件設定(S100)のサブルーチンが終了する。
【0018】
つぎに、主ルーチンを示す図5中のS200での水平荷重に対する検討について、当該処理のサブルーチンを示す図7のフローチャートを参照して説明する。S210では、各層(階)・梁間・桁行方向毎の有効壁量及び壁耐力の算定を行う。ここで耐力壁とは、水平力、建物の自重等による鉛直力に対抗する壁体であり、各耐力壁の長さに壁倍率を乗じ、これを累計したものが有効壁量となる。また、壁耐力は、有効壁量に200Kgf/mを乗じたものである。つぎに、地震力・風圧力に対する必要壁量の算定を行う(S212)。ここでは、有効壁量の必要壁量に対する比率が1.0以上であるように調整し、壁量の検討を終える。
【0019】
S214では、地震力及び風圧力の算定を行い、続いてS216で地震力・風圧力における水平力に対する耐力の比率が1.0以下であるように調整し、耐力の検討を終了する。つぎに、S218で層間変形角及び剛性率の検討を行う。外壁材が構造体に追随して脱落しないためには、層間変形角が1/200以下及び剛性率が0.6以上が必要である。特に、木造2階建てでは層間変形角は1/120以下となる。このステップでは、層間変形角が1/200(1/120)以下、剛性率が0.6以上であるように調整し、確認されれば、次のステップに移る。
【0020】
S220では、偏心率の検討を行う。各階平面の重心と耐力壁の剛性の中心である剛心のずれが偏心率であり、偏心率が0.15以下なら、耐力壁の配置バランスが良い建物である。このステップでは、偏心率が0.15以下であるように調整をしたら、このスッテップを終了し、S222に移る。
【0021】
S222では保有水平耐力の検討を行う。ここで、終局状態における水平耐力が保有水平耐力である。各層(階)の必要保有水平耐力に対する各層(階)の保有水平耐力の比が1.0以下であるように調整をし、確認がされれば次のステップに移る。
【0022】
最後に、S230で接合金物を選択する処理を行う。S230での処理が終了すると、水平荷重に対する検討(S200)のサブルーチンを終了する。
【0023】
このステップ230の接合金物の選択処理について、当該処理のサブルーチンを示す図8のフローチャートを参照して説明する。先ず、横架材に接合される柱を選択し(S232)、当該柱に加わる引抜き力の計算を行う(S234)。ここでは、次式により引き抜き力(柱の短期応力による引き抜き力:t)VTを演算する。
【数1】
V=(Qh/l)β−VL
ここで、Qは地震力又は風圧力、hは耐力壁の柱の支点間距離、lは耐力壁の柱間距離、βは耐力壁の位置による押さえ効果の係数(0.5〜1.0)、VLは柱の軸力を表す。
【数2】
VT=ΣVS×β−VL
ここで、ΣVSは水平力によって生じる柱の軸力の合計を表す。ここで、図1に示す伏図中の各柱について算出した引き抜き力を図3中に示す。なお、四角で囲まれている数値の上段は、X軸方向の引き抜き力を、下段はY軸方向の引き抜き力を表している。また、数値の記載されていない柱は、引き抜き力が無視できるほど小さいことを表している。
【0024】
引き続き、当該柱は家屋の隅に配置されるかを判断する(S236)。即ち、図1中の柱(隅柱)H1のように隅に配設される際には、図13(A)に示すように横架材O1との間にL字状の接合金物CPが取り付けられ、一方、図1中の柱H2のように隅以外では、図13(B)に示すように横架材O1との間にV字状の接合金物(山形金物)VPが取り付けられる。このため、柱に位置を判断する。
【0025】
先ず、隅柱H1を処理する場合について説明する(S326:Yes)。引き抜き力が所定値(例えば、0.5t)を越えるかを判断する(S240)。ここで、所定値未満の場合には(S240:No)、L字状の接合金物CPが1個で引き抜き力に耐えられるため、L字状の接合金物CPを1個選択する(S242)。他方、所定値を越える場合には(S240:Yes)、1個で引き抜き力に耐えられないため、L字状の接合金物CPを2個選択し(S244)、図13(A)に示すように施工せしめる。そして、全ての柱について接合金物の選択が終了したかを判断し(S250)、選択が終了するまでは(S250:No)、S232に戻り、次の柱について接合金物の選択を行う。
【0026】
柱が隅柱でない際の処理について説明する(S326:No)。まず、引き抜き力が所定値(例えば、0.5t)を越えるかを判断する(S238)。ここで、所定値未満の場合には(S238:No)、V字状の接合金物VPが1個で引き抜き力に耐えられるため、V字状の接合金物VPを1個選択する(S246)。他方、所定値を越える場合には(S238:Yes)、V字状の接合金物VPが1個では引き抜き力に耐えられないため、V字状の接合金物VPと併せてコーナ用の接合金物Cを選択する(S248)。L字状の接合金物CPと異なり、V字状の接合金物VPは柱に2個取り付けることができないため、図13(B)に示すようにV字状の接合金物VPの側面側に取り付け可能なコーナ用の接合金物Cを選択する。そして、全ての柱について、接合金物の選択が全て終了すると(S250:Yes)、各階(1階土台部、2階床梁部、小屋梁部)の伏図中に接合金物の種別及び個数を入れて表示する(S252)。ここで、1階土台部に取り付けられる接合金物の表示を図4に示す。
【0027】
そして、オペレータにより印刷が指示された場合には(S254:Yes)、図4に示す接合金物の表示を含む伏図を印刷する(S256)。該印刷物により現場施工者は、接合金物を容易に取り付けることができ、また、施工後に正しく接合金物が取り付けられたかを確認することが可能となる。
【0028】
続いて、主ルーチンを示す図5に示すS500(柱・大梁の修正)について、当該処理のサブルーチンである図9のフローチャートを参照して説明する。先ず、全ての計算が終了しているかを判断し(S502)、計算が終了する前は(S502:No)、S510で未選択の大梁を選択する。その後、S520でスパンLの確認を行う。例えば、大梁の下側に管柱がある際には、大梁の端部−管柱間のスパンと、管柱−大梁の他端部間のスパンとを確認する。横架材の上に梁、根太などがある際にも、同様に荷重スパンを確認する。この確認が終了したら次のS530に移動する。
【0029】
S530では、大梁にかかる荷重形式を選択する。荷重形式は、後述するように大梁上にある横架材の種類やスパンなどによって決定される。荷重形式の選択が終了すると、荷重形式と梁の検定式より構造計算を行う(S540)。
【0030】
S550では、未選択の大梁があるかどうかを判別する。未選択の大梁があれば(S550:Yes)、S510に戻り、同様の処理を繰り返す。全ての大梁を選択して計算が終了すると(S550:No)、計算結果の表示の指定に待機する(S560)。
【0031】
上述したS530での大梁にかかる荷重形式の選択について、当該処理のサブルーチンを示す図10のフローチャートを参照して説明する。先ずS531では、指定した大梁の上に梁又は柱が存在するかを判定する。梁又は柱が存在する場合には(S531:Yes)、S538に進み、指定した大梁は集中荷重のみを受けていると判定する。
【0032】
一方、梁又は柱が存在しない場合には(S531:No)、S532へ進み、指定した大梁に根太が架かり、かつ梁又は柱が存在するかどうかを判定する。根太が架かり、かつ梁又は柱が存在するなら(S532:Yes)、S539に進み、指定した大梁は等分布荷重と集中荷重を受けていると判定する。
【0033】
ここでも大梁には根太はかかっておらず、かつ梁又は柱も存在しない時には(S532:No)、S533に進み、指定した大梁上に根太があるかどうかを判定する。根太があるなら(S533:Yes)、S537に進み、指定した大梁は等分布荷重のみを受けていると判定する。
【0034】
指定した大梁上に根太はない場合には(S533:No)、S534に進み、大梁上に内壁があるかどうかを判定する。内壁があるなら(S534:Yes)、S533と同様にS537に進み、指定した大梁は等分布荷重のみを受けていると判定する。
【0035】
内壁がないなら(S534:No)、S535へ進み、大梁上に外壁があるかどうかを判定する。外壁があるなら(S535:Yes)、同様にS537に進み、指定した大梁は等分布荷重のみを受けていると判定する。ここで、大梁上に外壁はない場合(S535:No)、S536へ進み、大梁上は床であると判定し、S537に進み、大梁は等分布荷重のみを受けていると判定する。以上の処理で荷重形式の判定(S530)を終了する。
【0036】
ここで、上述したS538、S539、S537の荷重形式の判定処理の際に、大梁のスパンLに加わる荷重(kg/m)を算出する。ここでは、等分布荷重のみと判定した際には(S537)、次式により等分布荷重ωを演算する。
【数3】
ω(kg/m)=W(kg/m2)×p(m)+(壁単位荷重)×(高さ)
ここで、Wは、設計荷重を表し、pは梁負担幅を表す。なお、等分布荷重ωについてのみ計算式を示すが、上述したS538の集中荷重のみの場合、S539の等分布荷重と集中荷重の場合も、所定の演算式に基づき荷重を算出する。
【0037】
図8を参照して上述したS540の構造算出処理について、当該処理のサブルーチンを示す図11を参照して説明する。梁の検定式は荷重形式により決まるが、大梁が等分布荷重のみを受けていると判定された際の検定について説明する。先ず、長期及び短期の曲げ応力度を求める(S541)。長期の曲げ応力度fb(kg/cm2)は次式より求める。
【数4】
fb=(3ωL2/h2・4b)
ここで、L(m)はスパン、h(mm)は大梁の梁成、b(mm)は大梁の幅を表す。そして、短期の曲げ曲げ応力度Fb(kg/cm2)を求める。
【0038】
次に、長期及び短期のせん断応力度を求める(S542)。長期のせん断応力度fsを次式より求める。
【数5】
fs=1.5ωL/2bh
【0039】
そして、短期のせん断応力度Fsを求める。短期せん断応力度Fsは、図15に示すように短期軸力(NS1、NS2、NS3、NS4、NSi)(Kg)が加わっている場合を例に挙げて説明する。i番目の短期軸力NSiによる短期せん断応力度Fsi(Kgf/cm2)は次式で求まる。
Fsi=fsi+1.5(L−a)・NSi/Lbh
【0040】
支点A側での短期せん断応力度の和ΣFSia(Kgf/cm2)は下記の通り
{Fs1=fs1+1.5(L−a)・NS1/Lbh


Fsi=fsi+1.5(L−a)・NSi/Lbh}
同様に、支点B側での短期せん断応力度の和ΣFSib(Kgf/cm2)は下記の通り
{Fs1=fs1+1.5・a・NS1/Lbh


Fsi=fsi+1.5・a・NSi/Lbh}
よって、求める短期せん断応力度の和は下記の通り。
max(ΣFSia、ΣFSib)
【0041】
同様にして、長期・短期のたわみを算出し(S543)、長期・短期のめり込みを算出し(S544)、長期・短期の座屈応力を算出する(S545)。その後、小屋梁部以外、即ち、1階、2階については(S546:No)、柱荷重の水平力、長期、積雪時を算出し(S547)、処理を終了する。
【0042】
ここでは、1階と2階とで共通項目を算出しているが、階毎に算出項目を変えることもできる。例えば、1階土台部については、柱荷重の水平力、長期、積雪時を算出し、横架材はめり込み、座屈、引き抜き力を算出し、2階床梁部については、柱荷重の水平力、長期、積雪時を算出し、横架材のせん断強度、曲げ、たわみ、めり込み、座屈、引き抜き力を算出し、小屋梁部に対しては、せん断強度、曲げ、たわみを算出する等である。なお、本実施形態では、算出項目として、長期、短期を算出し、この短期に積雪時の荷重を含めて計算するが、積雪時を短期荷重とは別に計算することもできる。また、荷重が等分布荷重と集中荷重からなる場合、及び、集中荷重のみからなる場合には、大梁の各スパンに対して同様の処理を行い、各スパンの内の最大値を求め、この値を表示する。
【0043】
再び、図9を参照して構造計算に続く処理について説明する。S540での計算終了後は、計算結果の表示の指示に待機し(S560)、例えば、曲げ応力の表示の指示があると(S560:Yes)、各スパンについて、上記算出した長期、短期の曲げ応力の内のいずれか大きな値を選択した後(S570)、図14に示すように伏図中に当該大きな方の値と長期・短期の種別を表示する(S580)。なお、S570における最大値の選択とは、柱・横架材を選択する際に考慮しなければならない値を選択することを意味し、例えば、比率の際には、最も低い側の値を選択する場合も含む概念である。
【0044】
そして、該表示に基づき、オペレータにより横架材の高さ等の修正があった際には(S590:Yes)、ステップ540へ移行し、構造計算をやり直す。そして、計算結果の表示の指示に従い(S560:Yes)、最大値を選択し(S570)、伏図中に表示する(S580)。そして、修正の終了が指示されると(S592:Yes)、S500での修正処理を終了する。
【0045】
本実施形態では、構造計算により短期、長期の構造データを算出し、算出した構造データの内の考慮を必要とする側を選択し、建設物の図面上に表示する。このため、適切な材料を選択するために必要な構造データのみを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 設計を行う住宅の1階の伏図である。
【図2】 設計を行う住宅の2階の伏図である。
【図3】 設計を行う住宅の1階に発生する引き抜き力の説明図である。
【図4】 図1に示す伏図中に接合金物の表示が加えられた表示画面の説明図である。
【図5】 第1実施形態の建築物の構造設計方法の主ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 図5中の初期条件設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 図5中の水平荷重に対する検討処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】 図7中の接合金物の選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 図5中の大梁・柱の修正処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】 図8中の荷重形式決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 図8中の構造算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】 耐力壁の位置データ変化を示す説明図である。
【図13】 図13(A)は、隅柱に取り付けられる接合金物の説明図であり、図13(B)は、柱に取り付けられる接合金物の説明図である。
【図14】 図2に示す伏図中に応力の表示が加えられた表示画面の説明図である。
【図15】 短期せん断応力度の説明図である。
【符号の説明】
O1 大梁
H1 隅柱
H2 柱
CP L字状接合金物
VP V字状接合金物

Claims (2)

  1. 伏図データをコンピュータに入力し、長期・短期の荷重により各横架材に発生する応力又はたわみの最大値を記入した状態の伏図を出力するために、以下の構成を備えた演算プログラムが前記コンピュータにインストールされていることを特徴とする木造住宅の構造設計支援装置。
    [1] 前記演算プログラムには、入力された設計情報、建設地域に関する情報及び伏図データに基づいて、設計荷重の算出を行う設計荷重算出プログラムが含まれていること。
    [2] 前記演算プログラムには、入力された伏図データに基づき、耐力壁、通常の壁、柱材及び横架材を、同一座標系において特定するために座標データ化する座標データ化プログラムが含まれていること。
    [3] 前記演算プログラムには、前記設計荷重算出プログラム及び座標データ化プログラムによる演算処理の結果を受けて、検討対象となっている木造住宅を構成する各大梁について、当該大梁の下側に管柱がある際には、当該大梁の両端部と前記管柱の配置との関係から荷重スパンを決定すると共に、当該大梁の上に梁又は柱が存在するか否か、当該大梁に根太が架かり梁又は柱が存在する否か、当該大梁上に根太があるか否か、当該大梁上に内壁があるか否か、当該大梁上に外壁があるか否か、を順次判定し、当該判定結果に基づいて、当該大梁に対する構造データの計算条件を、「集中荷重のみ」、「等分布荷重と集中荷重」、「等分布荷重のみ」のいずれの荷重形式とするかを決定し、長期荷重及び短期荷重のそれぞれについて、少なくとも各大梁に生じる曲げ応力、せん断応力又はたわみの値を算出する応力等算出用プログラムが含まれていること。
    [4] 前記演算プログラムには、前記応力等算出用プログラムの算出結果に基づいて、各大梁に生じる曲げ応力、せん断応力又はたわみについて長期荷重から算出される値と短期荷重から算出される値の内の大きい方の値と、長期・短期の荷重の別とを対象となる大梁の近傍に表した伏図を表示する大梁寸法等修正検討用伏図表示プログラムが含まれていること。
  2. さらに、以下の構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の木造住宅の構造設計支援装置。
    [5] 前記演算プログラムは、オペレータにより横架材の高さ等の修正があった際には構造計算をやり直し、該やり直した構造計算に基づいて前記大梁寸法等修正検討用伏図表示プログラムによる表示を更新する更新処理を実行する様に構成されていること。
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