JP4118333B2 - ニトロシル硫酸からNO▲下x▼を除去する方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、SO2で飽和されている硫酸と混合反応器内でニトロシル硫酸を混合し、その際に混合反応器からN23含有硫酸を抜き取り、この抜き取った硫酸にストリッピングガスを送り込むことによる、ニトロシル硫酸からNOxを除去する方法に関する。
背景技術
このような方法はGB−A−0348866によって公知である。ここでは、残っている窒素酸化物を硫酸から追い出すために、温度が100〜200℃の範囲にある硫酸に煙道ガス又は不活性ガスを送り込む。データベースWPI,AN91−108779には、NOx含有硫酸(廃酸)を循環酸と混合することといわゆる第2の塔に送り込むこととが記述されている。第2の塔の低位領域には、いわゆる第1の塔から生じるSO2−ガスが導入される。第2の塔から抜き取られた循環酸の一部は、過剰なSO2が供給されている第1の塔に送り込まれる。第2の塔の排気ガスはSO2を含んでおらず、第1の塔から抜き取られてNOxを含んでいない硫酸は75重量%のH2SO4を含んでいる。SO2で飽和されている硫酸による廃酸の混合は、この公知の方法においては行われていない。
本発明の根底にある課題は、簡単で且つ低コストのやり方でニトロシル硫酸からNOxを除去することである。本発明によれば、混合反応器から抜き取ったN23含有硫酸を飽和反応器に送り込み、その際に飽和反応器の低位領域へSO2含有ガスを同時に導入し、このSO2含有ガスが少なくとも部分的にN23含有硫酸を通って上方へ流れ、飽和反応器内へ水を送り込み、SO2で飽和されており実際的にはNOxを含んでおらずH2SO4濃度が5〜60重量%である硫酸を飽和反応器から抜き取り、この硫酸の部分流を混合反応器内へ送り込み、その際にニトロシル硫酸のNOx含量に対して少なくとも2重量%だけ化学量論的に過剰なSO2を混合反応器に供給する、という冒頭に述べた方法によって上記の課題が成功する。
NOxという表現は本発明の意味においてはNOとNO2との混合物のことを言う。NOxは、溶解されたニトロシル硫酸として硫酸中に存在している。ニトロシル硫酸は、SO2含有ガス中に含まれているNOから形成される。SO2含有ガスは、例えば焙焼過程、硫黄燃焼過程、硫酸塩分解過程又は冶金学的過程に由来する。NOは、硫酸設備の酸化触媒において50%までNO2に酸化される。NOとNO2との混合物は硫酸によってニトロシル硫酸へ次のように変換される。
NO+NO2+2H2SO4→2HNOSO4+H2
SO2が硫酸及び窒素酸化物を形成しながらニトロシル硫酸と反応することが知られている。
SO2+2HNOSO4+2H2O→3H2SO4+2NO
硫酸の製造においては、通常は2.5重量%超のNOx含量を有するニトロシル硫酸が凝縮物として分離される。NOx含量は、硫酸の他に凝縮物中にニトロシル硫酸として存在する。
発明の開示
外面的に考察すると、ニトロシル硫酸をSO2及び水によって硫酸及びN2へ変換することができる。この酸化還元反応は、SO3 2-としての溶解されたSO2と、NO2 -としてのニトロシル硫酸の加水分解から発生したN23との間で、起こる。窒素への窒素酸化物NO及びNO2の還元は、希釈されたSO2飽和硫酸によるニトロシル硫酸の加水分解中に生じ、この希釈溶液中には還元剤がSO3 2-として化学量論的量を超えて供給されているので、N2形成方向へ平衡がずれる。
本発明の利点は、ニトロシル硫酸含有凝縮物の硫酸成分を硫酸製造の循環中へNOxを含むことなく送還することができるということにある。従来の方法によれば、凝縮物はその方法から抜き取られて再生されるか又は廃棄物処理されなければならない。本発明による方法の特別な利点は、窒素が有害物質NOxから形成されて排気ガスと共に運び去られるということにある。
ニトロシル硫酸のNOx含量に対して少なくとも5重量%だけ化学量論的に過剰なSO2が混合反応器に供給されることが好ましい。SO2のこの過剰によって、NOx含量の減少において良好な結果が達成される。SO2は、NOxからN2への還元によってはなくならないが、SO4 2-へ酸化される。過剰のSO2は硫酸製造用設備中へ運ぶことができるので、費用のかかる再生が不要である。
SO2追加後の硫酸濃度は5〜30%であることが好都合である。この範囲の硫酸濃度において、N2へのNOxの還元のために特に良好な結果が達成される。
本発明の好都合な形態は、ガス状のSO2が、充填塔として形成されている飽和反応器内において水溶液中へ運ばれ、水溶液としてNOx含有硫酸と結合される、ということである。その際に、高められたガス圧下における飽和器の運転によってSO2の飽和が促進される。
本発明によれば、NOx含有硫酸(ニトロシル硫酸)中又はNOx含有硫酸混合物中のNOx含量が減らされることが意図されている。本発明による方法は、NOx含有硫酸のみならず、例えばニトロ化用混酸又はその他の化合物で汚染されている硫酸のようにNOxと硫酸とを含む混合物にも非常に良好な結果で、好都合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の実施形態が、図面及び例を基にして詳細に説明される。この図面は本方法の流れ図を示している。
発明を実施するための最良の形態
本方法の最も重要な部分は、SO2飽和用の反応器(X)とSO2含有希硫酸によるニトロシル硫酸の加水分解及び酸化還元反応用の混合反応器(Y)とである。SO2含有焙焼ガスがライン(1)を経て、水がライン(4)を通って、飽和反応器(X)の低位領域へ導入される。ライン(3)を経てニトロシル硫酸又はこの酸を含有している凝縮物が混合反応器(Y)へ供給される。原理的には、循環しているライン(5)、(6)、(6A)、(7)及び(8)を経て反応器(X)と(Y)との間で希硫酸が運ばれる。形成された硫酸はライン(6B)を通して抜き取られ、N2はライン(2)を経て排気ガスと共に運び去られる。
硫酸がライン(5)を通して飽和反応器(X)から引き出されてポンプ(9)を通して運ばれる。この硫酸は、SO2で飽和されており、実際的にはNOxを含んでおらず、5〜60重量%で大抵の場合は多くても35重量%のH2SO4濃度を示す。ポンプ(9)からは、硫酸がライン(6)を経て運び去られる。この酸の部分流が、ライン(6A)を通して混合反応器(Y)に供給される。反応器(Y)からライン(7)内に抜き取られて依然としてN23を含んでいる酸が間接冷却器(W)に到達する。この冷却器にはライン(10)を経て冷却水が供給され、この冷却水はライン(11)内に抜き取られる。冷却された硫酸はライン(8)を経て飽和反応器(X)内へ導入される。この反応器(X)は、少なくとも一つの充填床を含んでいる。この反応器(X)内では、上方へ流れるSO2含有ガスが、ライン(8)を通して導かれた硫酸から、残っている窒素酸化物を除去するための、ストリッピングガスとして機能する。
実施例1
図面に対応する配置内において、次のように作動される。
ライン(3)を経て、6.8kg/時間のN23に相当する、9.5%HNOSO4のニトロシル硫酸含量を有する240kg/時間の凝縮物が、混合反応器(Y)内へ導入される。この凝縮物は硫酸生成物から生じている。ライン(6A)を経て、SO2で飽和されており20重量%のH2SO4を含む硫酸が反応器(Y)に供給されて、これらの凝縮物とSO2で飽和されている硫酸とが混合される。その際に、溶解されているSO2がニトロシル硫酸と反応して硫酸及び窒素になる。この混合物は、ライン(7)を経て運び去られ、ブロック冷却器(W)の後ろで依然として465mgN23/lの含量を示し、この含量は2.0kgN23/時間の含量に相当する。飽和反応器(X)内では、循環している硫酸がSO2で飽和され、その際に0.28g/時間のNOxを含むSO2含有焙焼ガスがライン(1)を経て導かれる。この硫酸の濃度は、ライン(4)を経る制御された水の追加によって20重量%H2SO4に調節される。ライン(2)を経て反応器(X)を出た焙焼ガスは、減少されたSO2含量を示し、湿潤ガスとして硫酸製造へ戻される。ライン(2)のガスは、時間当たり2.0kgのN23に相当する3.125mgのNOx/Nm3を含んでいる。ライン(6B)及び(6A)中の硫酸では、NOxをもはや検出できなかった。脱硝転換は71.75%に達する。
実施例2
実施例2は、実施例1と同様に実行されるが、以下の相違を有する。
混合反応器(Y)には、SO2で飽和されており16重量%のH2SO4を含む硫酸がライン(6A)を経て供給される。この硫酸は、ブロック冷却器(W)の後ろでライン(8)内で1.7kgN23/時間に相当する400mgN23/lを含んでいる。飽和反応器(X)内では、ライン(4)を経る制御された水の追加の後に16重量%H2SO4の濃度を有する硫酸が発生し、この硫酸がライン(5)内に抜き取られる。この硫酸はNOxを含んでいない。脱硝転換は80.23%に達する。
実施例3
実施例1及び2と同様に作動させるが、以下の相違がある。
ライン(3)を経て190kg/時間の凝縮物が混合反応器(Y)内へ導入される。この凝縮物は、時間当たり4.3kgのN23に相当する7.5重量%HNOSO4のニトロシル硫酸含量を示す。この凝縮物は、混合反応器(Y)内でライン(6A)からの33%のSO2飽和硫酸と混合される。ブロック冷却器(W)の後ろでライン(8)内の硫酸は1.5kgN23/時間に相当する350mgN23/lを示す。飽和反応器(X)内では、制御された水の追加によって33重量%H2SO4の濃度を有する硫酸が調節され、ライン(5)を通して抜き取られる。この酸はNOxを含んでいない。ライン(2)を経て運び去られるSO2ガスは、3.0kgN23/時間に相当する4700mgNOx/Nm3を含んでいる。脱硝転換は34.5%に達する。
実施例1、2及び3の比較は、NOx転換と循環している硫酸の濃度との間に依存関係が存在するという結果を明白にもたらす。循環中を運ばれる硫酸の濃度が高ければ高いほど、脱硝転換がより低くなる。
可能な限り高い脱硝転換の利点は、循環中を運ばれるNOxの量がより少ないということにある。脱硝設備内で排出されないNOxは硫酸設備への主要ガス流中へ戻り、この硫酸設備でその後再びニトロシル硫酸が形成される。より少ない脱硝転換は、より大きい脱硝設備を必要とする。

Claims (6)

  1. SO2で飽和されている硫酸と混合反応器内でニトロシル硫酸を混合し、その際に前記混合反応器からN23含有硫酸を抜き取り、この抜き取った硫酸にストリッピングガスを送り込むことによる、ニトロシル硫酸からNOxを除去する方法において、
    前記混合反応器から抜き取った前記N23含有硫酸を飽和反応器に送り込み、その際に前記飽和反応器の低位領域へSO2含有ガスを同時に導入し、このSO2含有ガスが少なくとも部分的に前記N23含有硫酸を通って上方へ流れ、
    前記飽和反応器内へ水を送り込み、SO2で飽和されておりNOxを含んでおらずH2SO4濃度が5〜60重量%である硫酸を前記飽和反応器から抜き取り、この硫酸の部分流を前記混合反応器内へ送り込み、その際に前記ニトロシル硫酸のNOx含量に対して少なくとも2重量%だけ化学量論的に過剰なSO2を前記混合反応器に供給することを特徴とする方法。
  2. 前記混合反応器から抜き取った前記硫酸を前記飽和反応器への導入前に冷却することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記混合反応器から抜き取った前記硫酸を冷却水で間接的に冷却し、その際に加熱された冷却水を間接冷却器から抜き取ることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. SO2で飽和されている前記硫酸の前記部分流によって、前記ニトロシル硫酸のNOx含量に対して少なくとも5重量%だけ化学量論的に過剰なSO2を前記混合反応器に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. SO2で飽和されておりH2SO4含量が5〜35重量%である硫酸を前記飽和反応器から抜き取ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. SO 2 含有焙焼ガスから硫酸を製造する設備から前記ニトロシル硫酸が生じ、SO2含有焙焼ガスが前記飽和反応器の前記低位領域へ送り込まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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