JP4118030B2 - 画像圧縮装置・画像伸長装置、画像圧縮方法・画像伸長方法及び該方法を実現する情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像データに関する画像圧縮・伸長方法、該画像圧縮・伸長方法を実現する画像圧縮・伸長装置、及び、該画像圧縮・伸長方法を実行するプログラムの情報記録媒体に関する。
本発明に係る画像圧縮・伸長技術は、画像関連アプリケーションプログラムや、プリンタドライバ等のデバイスドライバ、更には、その他カラー画像を扱う画像関連機器にも応用することができる。
【0002】
【従来の技術】
画像圧縮及び画像伸長技術に関しては、従来、各種の発明が行なわれてきている。そのうち、カラー画像データに関する画像圧縮技術として、画素の間引き処理を行なう次のごとき画像圧縮技術が開示されている。即ち、特開平7−221993号公報「カラー画像データの間引き方法及び装置、並びにカラー画像データの圧縮方法」において開示されている画像圧縮技術は、画像メモリ上の小さな画像ブロックサイズ毎のカラー画像データについて、色成分を示すUデータ及びVデータに関する変化率に応じて、間引を行なう画素の大きさを変化させ、該変化率が大きい場合は、小さな間引きを行ない、該変化率が小さい場合は、大きな間引きを行なうことにより、エッジ部分の途切れを低減させるものである。
而して、人間の目の特性を利用して、8×8や16×16ピクセル等からなる画像ブロック毎に、色の変化の度合いに応じて、適合する色成分の間引き率を選択することにより、見かけ上の画質劣化が少ない効果的な画像圧縮を実現しているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−221993号公報「カラー画像データの間引き方法及び装置、並びにカラー画像データの圧縮方法」に開示されている画像圧縮方法においては、カラー画像データについて、画像ブロック毎に、色成分を示すUデータ、Vデータの変化率を計算する必要があるために、処理速度が遅くなってしまう問題を有している。
【0004】
また、一般に、自然画は、水平・垂直方向の細線やエッジが多く、斜めの細線やエッジが少ない。したがって、特開平7−221993号公報「カラー画像データの間引き方法及び装置、並びにカラー画像データの圧縮方法」に開示されている画像圧縮方法にて示されているごとく、単純に、画素の間引き位置を、図10のハッチング部に示すように、垂直方向にある列単位に、すべての画素を間引きしてしまうと、細線やエッジが、自然画に多く存在する垂直方向で完全に欠損することが生じてしまう。
【0005】
そこで、図11のハッチング部に示すように、画素の間引き位置を斜めにずらすことにより、自然画に多い垂直・水平方向の細線やエッジの欠損の発生を防止することができる。
また、同一の画素間引き数であっても、図12のハッチング部に示すごとき画素の間引き位置よりも、図13のハッチング部に示すごとき画素の間引き位置の方が、垂直方向で見る限り、画素の間引き位置間の間隔が広くなるため、途切れが目立ちにくい。
また、かかる斜め方向の間引き処理を実現する方法としては、特開平7−221993号公報に示されているような色成分を示すUデータ、Vデータの変化率に依存させることなく、あらかじめ定められた規則に応じて、各画像ブロック毎の間引き画素位置(複数からなる間引き画素からなる場合には、間引きブロック位置)を互いの画像ブロック間においては水平・垂直方向に隣接せしめないように、配置することにより達成せしめることができる。即ち、かかる隣接させない位置での画素の間引き処理がなされることにより、実効的に斜め方向の間引き処理を実現することが可能であり、該実現方法をコンピュータによるプログラムとして実施する場合においても、より簡易な実装となり、高速な画像処理が可能となる。
【0006】
本発明に係る画像圧縮・伸長技術は、一般に、細線やエッジが水平・垂直方向には多く、斜め方向には少ない自然画に対して、各画像ブロック毎の画素の間引き位置を斜めに傾斜させることにより、水平・垂直方向の細線やエッジの途切れを低減させることを可能とすると共に、Uデータ、Vデータの変化率を算出するような複雑な演算処理を行なわずに、画素の間引き処理を実現することにより、画像処理の高速化を可能とすることを目的としているものである。
本発明に係る画像圧縮・伸長技術の目的を更に詳細に説明すると、以下の通りである。
【0011】
本発明に係る第1の目的は、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロック単位に画素の間引き処理を行なう際に、水平方向に間引く画素数が、対象とする画像ブロックの水平方向の画素数の半分(即ち、1/2)よりも少ない場合は、間引き処理がなされる画素からなる間引きブロックの位置が、水平方向には等間隔で、かつ、垂直方法には各画像ブロック毎に互いに隣接させないことにより、水平・垂直方向の細線やエッジの途切れを連続的に生じさせずに、途切れ部を低減させ、高い画質を維持させることにある。
【0012】
本発明に係る第2の目的は、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロック単位に画素の間引き処理を行なう際に、水平方向に間引く画素数が、対象とする画像ブロックの水平方向の画素数の半分(即ち、1/2)よりも多い場合は、圧縮間引き処理が施された後の画素からなる圧縮ブロックの配置位置が、水平方向には等間隔で、かつ、垂直方向には各画像ブロック毎に互いに隣接させないことにより、水平・垂直方向の細線やエッジの途切れを連続的に生じさせずに、途切れ部を低減させ、高い画質を維持させることにある。
【0014】
本発明に係る第3の目的は、圧縮ブロックを伸長する際に、圧縮時の間引きブロックの位置を考慮し、各間引き画素の位置に最も近傍に位置している画素の画素データに基づいて補間させる最近傍法を用いることにより、画質をある程度高く維持させ、また、画像伸長処理の高速化を図ることにある。
【0015】
本発明に係る第4の目的は、最近傍法により補間する際に、最も近傍に位置する画素が複数個存在する場合に、対象とする間引きブロックが属していた元の画像ブロックではない他の隣接画像ブロックを構成している圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させることにより、当該間引きブロックの各画素の補間方向を、水平・垂直方向のいずれかに固定させずに、水平・垂直方向の両方の細線やエッジを考慮に入れた画像伸長を行なうことを可能とし、高い画質を維持させることにある。
【0016】
本発明に係る第5の目的は、最近傍法により補間する際に、間引きブロックの水平・垂直方向いずれか短辺側の方向に隣接した位置にある圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間させることにより、例え、水平・垂直方向の細線やエッジに途切れが生じたとしても、該細線やエッジの画像データを有する途切れ画素数を少なく済ませることにある。
【0017】
本発明に係る第6の目的は、間引きブロックの長辺方向の画素数が3画素以上からなる場合に最近傍法により補間する際に、間引きブロックの水平・垂直方向いずれか短辺側に接した位置にある画素に関しては、該短辺側に隣接した位置にある圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間させ、一方、短辺側に接していない位置にある画素に関しては、該画素の最近傍にある隣接圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間させることにより、当該間引きブロックの各画素の補間方向を、水平・垂直方向のいずれかに固定させずに、例え、水平・垂直方向の細線やエッジに途切れが生じたとしても、途切れ画素を少なく済ませることができ、高い画質を維持させることにある。
【0018】
本発明に係る第7の目的は、画像出力時の変倍により画素数変換がなされる場合には、該画素数変換率に応じた画素補間方法を用いるべく、第1の閾値よりも大きくなる時、前記最近傍法の代わりに線形補間法を用いることにより、前記最近傍法に比べて、より高い画質を維持させることにある。
【0019】
本発明に係る第8の目的は、画像出力時の変倍により画素数変換がなされる場合には、該画素数変換率に応じた画素補間方法を用いるべく、前記第1の閾値より更に大きい第2の閾値よりも大きな変換率となる時、前記最近傍法,前記線形補間法の代わりに、3次補間法を用いることにより、前記最近傍法,前記線形補間法に比べて、更に高い画質を維持させることにある。
【0020】
本発明に係る第9の目的は、前記第1または2の目的を実現している画像圧縮技術に対応した画像伸長技術を用いることにより、高い画質を維持させ、かつ、画像伸長処理の高速化を図ることにある。
【0021】
本発明に係る第10の目的は、前記第1または2の目的を実現する画像圧縮技術、及び/又は、前記第3乃至第9のいずれか、又は、複数の目的を実現する画像伸長技術をコンピュータにより実施させるためのプログラムとして記録せしめるコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体とすることにより、画素を間引く位置を、適応的に変化せしめることを可能とし、高い画質を維持させ、かつ、画像処理の高速化を図ることを可能とする画像処理システムを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮装置であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮装置において、前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x<(1/2)×m
の関係にある時、前記間引きブロックの各間引き位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0027】
請求項2に記載の発明は、画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮装置であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮装置において、前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x>(1/2)×m
の関係にある時、前記圧縮ブロックの配置位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0029】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像圧縮装置を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置であって、前記伸長の際、間引かれた前記画素からなる間引きブロックの各画素を、前記圧縮ブロックの最も近傍に位置する画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0030】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像伸長装置において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、間引かれる前に前記間引きブロックが属していた前記元の画像ブロック内を構成する圧縮ブロックの画素と、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素との両者が存在する場合、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0031】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の画像伸長装置において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0032】
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5のいずれか1に記載の画像伸長装置において、前記間引きブロックを構成する長辺方向の画素数が3画素以上の画素からなる場合、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に接して配置される画素に関しては、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させ、前記間引きブロックの短辺側に接して配置されていない画素に関しては、該画素に最も近傍の位置にある隣接の圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0033】
請求項7に記載の発明は、請求項3乃至6のいずれか1に記載の画像伸長装置において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた第1の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法の代わりに、前記間引きブロックに隣接する複数の各圧縮ブロックを構成する画素のうち、最も近傍にある各画素の画像データに基づいて線形補間する線形補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0034】
請求項8に記載の発明は、請求項3乃至7のいずれか1に記載の画像伸長装置において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた前記第1の閾値を超えて更に大きい第2の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法及び前記線形補間法の代わりに、前記間引きブロックに隣接するすべての圧縮ブロックの各画素の画像データに基づいて、あらかじめ定められた3次元の計算式により補間画像データ値を算出する3次補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0035】
請求項9に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像圧縮装置を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させることができる画像伸長装置とすることを特徴とするものである。
【0036】
請求項10に記載の発明は、画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮方法であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮方法において、前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x<(1/2)×m
の関係にある時、前記間引きブロックの各間引き位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0041】
請求項11に記載の発明は、画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮方法であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮方法において、前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x>(1/2)×m
の関係にある時、前記圧縮ブロックの配置位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0043】
請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載の画像圧縮方法を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法であって、前記伸長の際、間引かれた前記画素からなる間引きブロックの各画素を、前記圧縮ブロックの最も近傍に位置する画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0044】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像伸長方法において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、間引かれる前に前記間引きブロックが属していた前記元の画像ブロック内を構成する圧縮ブロックの画素と、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素との両者が存在する場合、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0045】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13に記載の画像伸長方法において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0046】
請求項15に記載の発明は、請求項12乃至14のいずれか1に記載の画像伸長方法において、前記間引きブロックを構成する長辺方向の画素数が3画素以上の画素からなる場合、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に接して配置される画素に関しては、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させ、前記間引きブロックの短辺側に接して配置されていない画素に関しては、該画素に最も近傍の位置にある隣接の圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0047】
請求項16に記載の発明は、請求項12乃至15のいずれか1に記載の画像伸長方法において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた第1の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法の代わりに、前記間引きブロックに隣接する複数の各圧縮ブロックを構成する画素のうち、最も近傍にある各画素の画像データに基づいて線形補間させる線形補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0048】
請求項17に記載の発明は、請求項12乃至16のいずれか1に記載の画像伸長方法において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた前記第1の閾値を超えて更に大きい第2の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法及び前記線形補間法の代わりに、前記間引きブロックに隣接するすべての圧縮ブロックの各画素の画像データに基づいて、あらかじめ定められた3次元の計算式により補間画像データ値を算出する3次補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0049】
請求項18に記載の発明は、請求項10または11に記載の画像圧縮方法を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させることができる画像伸長方法とすることを特徴とするものである。
【0050】
請求項19に記載の発明は、請求項10または11に記載の画像圧縮方法、及び/又は、請求項12乃至18のいずれか1又は複数に記載の画像伸長方法を、コンピュータにより実施させるためのプログラムとして記録せしめたコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体とすることを特徴とするものである。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像圧縮・伸長方法を実現する画像圧縮・伸長装置に関し、以下に図面を参照しながら、説明する。なお、かかる画像圧縮・伸長方法は、コンピュータによるプログラムとして実施させることができるように記録せしめた情報記録媒体としても実現することができる。
ここに、図1は、本発明に係る画像圧縮・伸長方法を実現する画像圧縮・伸長装置の構成に関する実施形態の一例を示す回路ブロック構成図である。
【0052】
図1に示すように、本発明に係る画像圧縮・伸長装置は、オリジナルの画像データを蓄積しているハードディスク装置HDD10、画像圧縮処理を実行するパーソナルコンピュータPC20及び画像処理された画像を印刷出力するプリンタ装置30とが、データバス40を介して、相互接続されて構成されている。
パーソナルコンピュータPC20は、画像圧縮を行なうために、ハードディスク装置HDD10に蓄積されている画像データを読み書きするランダムアクセスメモリRAM1 21と、パーソナルコンピュータPC20全体の制御を司るCPU1 22とから構成されている。
また、プリンタ装置30は、圧縮された画像データを伸長させるために、画像データを読み書きするランダムアクセスメモリRAM2 31と、プリンタ装置30全体の制御を司るCPU2 32とから構成されている。
【0053】
ここで、ハードディスク装置HDD10に格納されているオリジナル画像データをプリンタ装置30にプリントアウトする場合、パーソナルコンピュータPC20により、該オリジナル画像データは圧縮され、圧縮された圧縮画像データが、データバス40を介して、プリンタ装置30に送信される。かかる画像圧縮処理により、プリンタ装置30への送信データ量が低減されるため、送信時間が短縮され、オリジナル画像データの画像圧縮・画像伸長に要する時間を加味しても、高速なプリントアウトが実現可能になる。
【0054】
まず、ハードディスク装置HDD10上に記録格納されているオリジナル画像データは、パーソナルコンピュータPC20のCPU1 22からの命令によって、パーソナルコンピュータ20内のランダムアクセスメモリRAM1 21上の読込領域21aに読み込まれる。
CPU1 22は、ランダムアクセスメモリRAM1 21上の読込領域21aに読み込まれたオリジナル画像データを逐次読み出して、画像圧縮処理を行なう。
CPU1 22は、圧縮された圧縮画像データを、ランダムアクセスメモリRAM1 21上の別の領域即ち圧縮領域21bに書き込んで、一時保存する。
その後、CPU1 22からの命令によって、圧縮後の圧縮画像データは、ランダムアクセスメモリRAM1 21の圧縮領域21bから、データバス40を介して、プリンタ装置30内のランダムアクセスメモリRAM2 31上の転送領域31aに、転送されて記録される。
【0055】
プリンタ装置30内のCPU2 32は、転送されてきた圧縮後の圧縮画像データを、ランダムアクセスメモリRAM2 31上の転送領域31aから読み出して、復号値を獲得して、圧縮画像データの画像伸長処理を行ない、元の画像データの画素数に相当する伸長画像データに復元する。
CPU2 32は、画像伸長処理がなされた伸長画像データを、ランダムアクセスメモリRAM2 31上の別の領域即ち伸長領域31bに書き込んで、一時保存する。
その後、プリンタ装置30内のCPU2 32は、伸長された伸長画像データを、ランダムアクセスメモリRAM2 31上の伸長領域31bから読み出して、所定の手順に則って、プリント用紙にプリントアウトさせる。
ここに、該所定の手順としては、たとえば、プリントアウトの際の出力画素数を更に変換するいわゆる「変倍」の指定がなされている場合の画素数変換処理などが該当する。
【0056】
次に、パーソナルコンピュータ20にて実施される画像圧縮処理、及び、プリンタ装置30にて実施される画像伸長処理について、図2に基づいて説明する。
図2は、本発明に係る画像圧縮技術と画像伸長技術の一例を説明するための模式図である。
【0057】
図2(A)は、2×3画素のブロックを2×2画素の圧縮ブロックに圧縮する場合の概念を説明する模式図であり、図2(B)は、図2(A)と同じ圧縮処理を施した際の細線A及び細線Bに対する影響を説明するための模式図である。
ここに、図2においては、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、該元の画像ブロックから画素を間引く間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、該間引き処理後である圧縮後の圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合を示している。
【0058】
即ち、図2(A)においては、カラー画像データについて画像を圧縮する際に、画素の間引きの対象となる単位領域である元の画像ブロックは、2×3画素の画像ブロックとし、かかる元の画像ブロック毎に、画素の間引き処理が実行されている。ここで、図2(A)にて各元の画像ブロックの白色部分で示す2×2画素が、画像圧縮後の圧縮ブロックとして抽出され、各元の画像ブロックの右端、または、左端のハッチング部で示す2×1画素が、間引きされた画素からなる間引きブロックであり、該間引きブロックを構成している各画素が間引きされて、当該2×1画素が間引きブロックとなり、圧縮結果として削除される。
【0059】
而して、2×3画素の画像ブロック単位で圧縮して行く際、それぞれ2×1画素の間引きブロックの位置は、対象とする画像ブロックの水平方向においては、等間隔に配置されており、一方、垂直方向においては、上下に互いに隣り合う隣接2×3画素の画像ブロック間では、間引きブロックの位置が、隣接していない位置にある2×1画素が用いられるように、間引き処理がなされる。従って、垂直方向に一つ上側の行に位置する元の画像ブロックの右端にある画素を間引きしている場合、当該行の元の画像ブロックに関しては、上側の間引き位置と重ならないように、左端にある画素が間引きされる。かかるごとき間引き処理を、各行の元の画像ブロックに対して、規則的に繰り返していくことにより、垂直方向には互いに間引きブロックが隣接しない位置に配置されていることになる。
【0060】
なお、本実施例においては、対象とする元の画像ブロック毎に、水平方向に等間隔の画素を列方向に間引き処理をし、かつ、垂直方向には相互に隣接していない位置の画素を間引き処理する例を示しているが、水平・垂直方向を逆にして、水平方向には隣接しない画素であり、かつ、垂直方向には等間隔の画素を行方向に間引き処理をすることとしても、もちろん構わない。即ち、水平・垂直方向のどちらか一方の方向の画素の間引き位置と、もう一方の方向の画素の間引き位置とが、互いに依存し合って決定され、あらかじめ定められた所定の関係を保つように、間引きブロックが規則的に配置(即ち、互いに隣接しない位置に配置)されるようにすれば、水平・垂直方向のいずれの方向の間引きブロックの位置を等間隔に配置することとしても良い。
【0061】
隣り合う位置にある隣接2×3画素の画像ブロック間では、各間引きブロックが互いに隣接しないことにより、画像データの水平・垂直方向の画素が、1列・1行のすべてについて間引きされて、削除されてしまうことがなく、水平・垂直方向のいずれの方向にある細線やエッジについても途切れる程度が低減され、高い画質を維持することが可能となる。
ここで、圧縮後の2×2画素の圧縮ブロックは、周知の圧縮手段である損失を伴って圧縮がなされるロッシー(lossy)な圧縮手段BTC(Block Truncation Coding)を用いて圧縮することにより、画像の圧縮率を更に向上させることとしている。
【0062】
次に、前述のごとき間引き処理により画像圧縮された圧縮ブロックを画像伸長させる場合の画像補間処理方法について説明する。
図2(A)に示す2×2画素の圧縮ブロックとして圧縮された画像を伸長して、元の画像ブロックの2×3画素のブロックにする際に、2×1画素からなる前記間引きブロックの各画素の画像データは、間引きブロックの短辺側に隣接している各圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間される。
たとえば、図2(A)において、2×1の間引きブロックabは、画素aと画素bとからなっていて、該間引きブロックabの上側の短辺に隣接している2×2画素の圧縮ブロックgjは、画素gと画素hと画素iと画素jとからなり、該間引きブロックabの下側の短辺に隣接している2×2の圧縮ブロックkn1は、画素kと画素lと画素m1と画素n1とからなっている。かかる場合において、圧縮画像を伸長する際に、間引きブロックabの画素aは、短辺である上側で隣接している画素hの画像データを、また、間引きブロックabの画素bは、同じく短辺である下側で隣接している画素kの画像データを、そのまま用いて、補間される。
【0063】
而して、図2(B)に示すように、例えば、垂直方向の細線Aが、画素g,h,a,b,k,l上に存在している場合、画素aが、画素hの画像データを、画素bが、画素kの画像データを用いて補間されるとすると、2画素a,bとも、細線Aを正しく復元できる。
一方、間引きブロックabの長辺に隣接している2×2画素の圧縮ブロックの画像データを用いて、最近傍法によって補間させるようにした場合、画素aが、画素eの画像データを、画素bが、画素fの画像データを用いて補間されることとなり、細線Aは、画素a,bの2画素分も途切れてしまうことになる。
【0064】
ここに、最近傍法により、補間画素を決定する場合、たとえば、画素aに対しては、画素eもしくは画素oのいずれも等しい距離にあり、また、画素bに対しては、画素fもしくは画素pのいずれも等しい距離にあるが、かかる場合においては、間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成している圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、補間がなされることとし、画素aが、画素eの画像データを、画素bが、画素fの画像データを用いて補間される。
【0065】
一方、水平方向の細線Bが、画素c,e,a,o,q上に存在している場合、逆に、間引きブロックabの長辺に隣接している2×2画素の圧縮ブロックの画像データを用いて、最近傍法によって補間させるようにして、画素aが、画素eの画像データを、画素bが、画素fの画像データを用いて補間されるとすると、細線Bの1画素分の画像データを正しく復元することができるが、前述のように、間引きブロックabの短辺側に隣接している2×2画素の圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間されることとして、画素aが、画素hの画像データを、画素bが、画素kの画像データを用いて補間されるとすると、水平方向の細線Bは、画素aの1画素分途切れることになる。しかし、途切れる長さは、短辺側の長さ分の画素数、即ち、図2(B)の場合は、1画素分だけで済む。
【0066】
即ち、間引きブロックの短辺側に隣接した圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間することとすれば、例え、細線やエッジに途切れが発生したとしても、途切れ画素数を少なく済ませることができる。
また、間引き方法を工夫しているため、最近傍法を用いたとしても、ある程度高い画質を維持することができ、かつ、高速に、補間処理を施すことができる。
【0067】
ここで、伸長後の画像の出力の際に、画像出力時の画像変倍処理がなされる場合、たとえば、CRT等により画像が拡大されて表示されるごとき場合等、あらかじめ画素数変換がなされることが分かっている場合においては、かかる画素数の変換率が、あらかじめ定められた所定の基準値即ち第1の閾値(例えば、1倍)よりも大きい場合、画像の伸長時に前記最近傍法の代わりに線形補間法を用いて画素の補間がなされることとし、画質の向上を図っている。即ち、例えば、図2(A)において、2×2画素の前記圧縮ブロックとして圧縮された画像を伸長する際に、2×1画素からなる前記間引きブロックの各画素が、間引きブロックの短辺に隣接している各圧縮ブロックの画像データを用いて、最近法を用いて補間されるという前述の画像伸長方法の代わりに、前記間引きブロックに隣接する複数の各圧縮ブロックを構成する画素のうち、最も近傍にある各画素の画像データに基づいて線形補間する線形補間法を用いて補間させることとする。
【0068】
例えば、図2(A)において、間引きブロックabの画素a,bは、間引きブロックabの長辺に隣接している2つの圧縮ブロックcf,orの隣接画素の画像データを用いて、線形補間法によって補間される。
即ち、間引きブロックabの画素aは、画素eと画素oとの平均値{(e+o)/2}の画像データを、また画素bは、画素fと画素pとの平均値{(f+p)/2}の画像データを、用いて補間される。
【0069】
かくのごとき線形補間法を用いる理由は、画素数変換率が、あらかじめ定められた第1の閾値(例えば、1)よりも大きい場合においては、前記最近傍法によって、間引きブロックの短辺側に隣接している圧縮ブロックの1画素の画像データのみを用いて補間される際に、目視によっても、補間の不自然さが認識されるようになってしまい、高い画質が維持できなくなるためである。従って、画像出力の際に、変倍処理がなされることがあらかじめ分かっている場合で、かつ、前記第1の閾値よりも、画素数変換率が大きい場合においては、最近傍法に代えて、線形補間法を用いることとしている。
【0070】
さらに、伸長後の画像の出力の際に、更に大きく拡大されて出力表示される場合、即ち、画素数の前記変換率が、前記第1の閾値を更に超えて、あらかじめ定められた別の所定の基準値、即ち、第2の閾値(例えば、2倍)よりも大きくなることがあらかじめ分かっている場合においては、更に補間画素の不自然さを低減させるために、前記最近傍法及び前記線形補間法の代わりに、前記間引きブロックに隣接するすべての圧縮ブロックの各画素の画像データに基づいて、あらかじめ定められた3次元の計算式により補間画像データ値を算出する3次補間法を用いて補間させることとする。
【0071】
例えば、図2(A)において、2×2画素の前記圧縮ブロックとして圧縮された画像を伸長する際に、2×1画素からなる間引きブロックabのうちの画素aに関する画像データを補間する場合について、以下に示す。
図2(A)において、2×1画素の間引きブロックabの画素aが補間される場合、該間引きブロックabと隣接するすべて(4個)の2×2画素の圧縮ブロックcf,gj,kn1,orにあるすべて(16個)の画素の画像データを用いて、3次元計算を行なうことにより、間引き画素aに関する補間画像データの値が算出される。
【0072】
画素aの周辺に位置している前記16個の画素c乃至画素rの画像データを用いて、画素aに関する補間画像データf(a)を算出する3次元の計算式の一例を、下記の式(1)に示す。
ここに、式(1)は、R,G,Bの各成分毎に使用されるものである。
また、式(1)において、f(c),f(d),…,f(q),f(r)は、それぞれ各画素c,d,…,q,rにおける画像データであり、xa,yaは、画素aにおけるそれぞれ色度座標x値,y値であり、(xc,xd,…xq,xr),(yc,yd,…yq,yr)はそれぞれ画素c,d,…,q,rにおけるそれぞれ色度座標x値,y値である。
【0073】
また、C(t)は、サンプリング定理を構成する関数{sinπt/πt}の近似式であり、変数tの値により、次の式(2)乃至式(4)のいずれかの式が適用される。
0≦|t|<1の場合 C(t)= 1-2t2+|t|3 …式(2)
1≦|t|<2の場合 C(t)= 4-8|t|+5t2−|t|3 …式(3)
2≦|t|の場合 C(t)= 0 …式(4)
【0074】
かくのごとき3次補間法によって、間引きブロックの画素の画像データが補間される場合、該画素の周辺に位置するすべての圧縮ブロックにおける複数個(図2(A)においては、16個)の画素の画像データを用いて補間計算を行なうこととするため、前記線形補間法を用いる場合よりも、補間処理速度は落ちるが、前記線形補間法を用いる場合よりも、更に高画質とすることができる。
【0075】
尚、前記所定の基準値、即ち、第1の閾値,第2の閾値は、適用される画像圧縮・伸長装置の画像表示能力や観察距離等の条件によって、決定されるものであり、前記に例示した値(例えば、1倍、2倍など)は、単なる例にすぎない。
【0076】
また、図6及び図7は、前述した画像圧縮・伸長方法の処理の流れを示したフローチャートである。即ち、図6は、画像圧縮技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートであり、図7は、画像伸長技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【0077】
まず、図6に示す画像圧縮処理の流れについて、説明する。
間引き処理の対象単位領域を構成する2×3画素からなる元の画像ブロックを水平方向に圧縮するために、2×1画素の間引きブロックを間引きしていく場合は、該間引きブロックが元の画像ブロック内に所在する位置は、水平方向(即ち、行方向)に配置されている2×3画素からなる元の各画像ブロックとも、同一位置(例えば、右端の位置)にある2×1画素を、間引きブロックとして、間引いていく(ステップS1)。
【0078】
次に、2×3画素からなる元の各画像ブロックを垂直方向に圧縮するために、2×1画素の間引きブロックを間引いていく場合は、該間引きブロックが元の画像ブロック内に所在する位置は、垂直方向に一つ前(上)の行にある2×3画素からなる元の各画像ブロック内における間引きブロックの位置と隣接しない位置(例えば、一つ前の行にある元の画像ブロックでは、右端の位置であれば、左端の位置)にある2×1画素を、間引きブロックとして、間引いていく(ステップS2)。
更に、2×3画素からなる元の各画像ブロックのうち、2×1画素の間引きブロックを間引いた後の2×2画素からなる圧縮ブロックは、BTC法に基づいて、ロッシーな圧縮がなされる(ステップS3)。
【0079】
すべての2×3画素からなる元の画像ブロックに対して、まだ間引き処理が施されていない場合は(ステップS4のNO)、ステップS1に戻って、間引き処理が施され、すべてについて、間引き処理が施された場合は(ステップS4のYES)、画像圧縮処理が終了となる。
【0080】
次に、図7に示す画像伸長処理の流れについて、説明する。
まず、各圧縮ブロックである2×2画素の画像データを読み込む(ステップS11)。
次に、画像出力の際の画素数変換率αの大きさを判定する(ステップS12)。
画素数変換率αが、第1の閾値である例えば1倍以下であれば、間引きブロックの各画素は、間引きブロックの短辺側に隣接している各圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間される(ステップS13)。
【0081】
また、画素数変換率αが、第1の閾値である例えば1倍よりも大きく、かつ、第2の閾値である例えば2倍以下であれば、間引きブロックの各画素は、間引きブロックに隣接する複数の各圧縮ブロックを構成する画素のうち、最も近傍にある各画素の画像データ、例えば、間引きブロックの長辺に隣接している2つの圧縮ブロックの各画素の画像データを用いて、線形補間法によって補間される(ステップS14)。
【0082】
また、画素数変換率αが、第2の閾値である例えば2倍よりも大きい場合は、間引きブロックの各画素は、該間引きブロックに隣接するすべての圧縮ブロックにある各画素の画像データに基づいて、あらかじめ定められた3次元の計算式により補間画像データ値を算出する3次補間法によって補間される(ステップS15)。
【0083】
次に、図3を用いて、画像伸長技術について、特に、間引きブロックの長辺方向の画素数が3個以上に及ぶ場合における画素の補間技術に関する画像伸長技術について更に説明する。
ここに、図3は、本願請求項3,4,6,12,13,15に係る画像伸長技術の一例を更に説明するための模式図である。
【0084】
図3においては、カラー画像データについて画像を圧縮する際に、画素の間引きの対象となる単位領域である元の画像ブロックは、3×3画素の画像ブロックとし、かかる元の画像ブロック毎に、画素の間引き処理が実行されている。ここで、図3にある各元の画像ブロックの白色部分で示す3×2画素が、画像圧縮後の圧縮ブロックとして抽出され、各元の画像ブロックの右端、または、左端のハッチング部で示す3×1画素が、間引きされた画素からなる間引きブロックであり、該間引きブロックを構成している各画素が間引きされて、圧縮結果として削除される。
【0085】
而して、3×3画素の元の画像ブロック単位で圧縮して行く際、それぞれ3×1画素の間引きブロックの位置は、対象とする元の画像ブロックの水平方向においては、等間隔に配置されており、一方、垂直方向においては、互いに隣り合う隣接3×3画素の元の画像ブロック間では、間引きブロックの位置が、隣接していない位置にある3×1画素が用いられるように、間引き処理がなされる。従って、垂直方向に一つ上側の行に位置する元の画像ブロックの右端にある画素を間引きしている場合、当該行の元の画像ブロックに関しては、上側の間引き位置と重ならないように、左端にある画素が間引きされる。かかるごとき間引き処理を、各行の元の画像ブロックに対して、規則的に繰り返していくことにより、互いに間引きブロックが隣接しない位置に配置されていることになる。
【0086】
なお、本実施例においては、対象とする元の画像ブロック毎に、水平方向に等間隔の画素を列方向に間引き処理をする例を示しているが、水平・垂直方向を逆にして、垂直方向に等間隔の画素を行方向に間引き処理をすることとしても構わない。
【0087】
隣り合う位置にある隣接3×3画素の元の画像ブロック間では、各間引きブロックが互いに隣接しないことにより、画像データの水平・垂直方向の画素がすべて間引きされて、削除されてしまうことがなく、水平・垂直方向のいずれの方向にある細線やエッジについても途切れる程度が低減され、高い画質を維持することが可能となる。
ここで、圧縮後の2×2画素の圧縮ブロックは、周知の圧縮手段である損失を伴って圧縮がなされるロッシー(lossy)な圧縮手段BTC(Block Truncation Coding)を用いて圧縮されることにより、画像の圧縮率を更に向上させることとしている。
【0088】
次に、前述のごとき間引き処理により画像圧縮された圧縮ブロックを画像伸長させる場合の画像補間処理方法について説明する。
例えば、図3に示すように、3×2画素の前記圧縮ブロックとして圧縮された画像を伸長して、元の画像ブロックの3×3画素のブロックにする際に、3×1画素からなる前記間引きブロックが、長辺である画素が3画素であるため、前記間引きブロックの両端の画素の画像データは、間引きブロックの短辺側に隣接している各圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間され、一方、中間にある画素は、長辺側に隣接した圧縮ブロックであり、かつ、元の画像ブロックに属していない圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間される。
【0089】
即ち、図3において、3×1の間引きブロックacは、画素a,b,cからなっていて、該間引きブロックacの上側の短辺に隣接している3×2画素の圧縮ブロックjoは、画素j,k,l,m1,n1,oからなり、該間引きブロックacの下側の短辺に隣接している3×2の圧縮ブロックpuは、画素p,q,r,s,t,uからなり、また、該間引きブロックacの長辺に隣接した圧縮ブロックであり、かつ、元の画像ブロックに属していない3×2画素の圧縮ブロックdiは、画素d,e,f,g,h,iからなっている。
【0090】
かかる場合において、圧縮画像を伸長する際に、間引きブロックacの上端の画素aは、上側で隣接している画素lの画像データを、また、間引きブロックacの下端の画素cは、下側で隣接している画素pの画像データを、間引きブロックacの中間に位置する画素bは、左側の長辺で隣接している画素hを、それぞれそのまま用いて補間される。
【0091】
而して、図2(B)に示した場合と同様に、間引きブロックの短辺側に接する画素は、該間引きブロックの短辺側に隣接した圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法を用いて補間されることにより、例え、細線やエッジに途切れが発生したとしても、途切れ画素数を少なく済ませることができる。
また、間引きブロックの短辺側に接する画素以外の画素は、短辺側に接する画素の補間方法とは異なる方向にあり、かつ、間引き画素に最も近い画素の画像データを用いて補間される。即ち、間引きブロックの各画素の補間方向を、水平・垂直方向のいずれかに固定させずに、各画素が補間されることにより、画質を維持することができる。
また、間引き方法を工夫しているため、最近傍法を用いたとしても、ある程度高い画質を維持することができ、かつ、高速に、補間処理を施すことができる。
【0092】
また、図3に示した画像伸長技術における処理の流れと、該画像伸長技術を説明するための前述した画像圧縮技術における処理の流れは、前記図7及び図6の場合と同様であり、ただ、元の画像ブロックが、3×3画素からなるブロックであり、間引きブロックが、3×1画素からなるブロックであり、かつ、圧縮ブロックが、3×2画素からなるブロックである場合として読み変えることとなる。
【0093】
但し、図7に示す画像伸長技術の処理における画素変換率αが1倍以下の直近傍法においては、間引きブロックを構成する画素数が3個以上となるため、図7に関する前述の説明とは異なる。即ち、間引きブロックの短辺側に隣接している各圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、間引きブロックの短辺側に接する各画素が補間され、更に、短辺側に接していない画素は、隣接する圧縮ブロックの画素で、かつ、元の画像ブロックとは異なるブロックに属する画素の画像データにより、補間されることになる。
【0094】
図4は、間引きブロックの水平方向の画素数と、元の画像ブロックの水平方向の画素数の半分(即ち、1/2)とが等しくなる場合(即ち、圧縮後の圧縮ブロックの水平方向の画素数とが等しくなる場合)における画像圧縮技術と画像伸長技術の例を説明するための模式図である。
図4においては、カラー画像データについて画像を圧縮する際に、画素の間引きの対象となる単位領域である元の画像ブロックは、2×4画素の画像ブロックとし、かかる元の画像ブロック毎に、画素の間引き処理が実行されている。ここで、図4にある各元の画像ブロックの白色部分で示す2×2画素が、画像圧縮後の圧縮ブロックとして抽出され、各元の画像ブロックの右半分、または、左半分のハッチング部で示す2×2画素が、間引きされた画素からなる間引きブロックであり、該間引きブロックを構成している各画素が間引きされて、圧縮結果として削除される。
【0096】
而して、2×4画素の画像ブロック単位で圧縮して行く際、それぞれ2×2画素の間引きブロックの位置は、対象とする画像ブロックの水平方向においては、等間隔に配置されており、一方、垂直方向においては、互いに隣り合う隣接2×4画素ブロック間では、間引きブロックの位置が、隣接していない位置にある2×2画素が用いられるように、間引き処理がなされる。従って、垂直方向に一つ上側の行に位置する元の画像ブロックの右側半分にある画素を間引きしている場合、当該行の元の画像ブロックに関しては、上側(即ち、前の行)の間引き位置と重ならないように、間引きブロックの位置を、上側の行にある画像ブロックとは、画像ブロックの水平方向の画素数の(1/2)に相当する画素数ずつ水平方向にずらすことにより、左側半分にある画素が間引きされる。かかるごとき間引き処理を、各行の元の画像ブロックに対して、規則的に繰り返していくことにより、互いに間引きブロックが隣接しない位置に配置されていることになる。
【0097】
隣り合う位置にある隣接2×4画素の画像ブロック間では、各間引きブロックが互いに隣接しないことにより、画像データの水平・垂直方向の画素がすべて間引きされて、削除されてしまうことがなく、水平・垂直方向のいずれの方向にある細線やエッジについても途切れる程度が低減され、高い画質を維持することが可能となる。
ここで、圧縮後の2×2画素の圧縮ブロックは、周知の圧縮手段である損失を伴って圧縮がなされるロッシー(lossy)な圧縮手段BTC(Block Truncation Coding)を用いて圧縮されることにより、画像の圧縮率を更に向上させることとしている。
【0098】
次に、前述のごとき間引き処理により画像圧縮された圧縮ブロックを画像伸長させる場合の画像補間処理方法について説明する。
例えば、図4に示すように、2×2画素の前記圧縮ブロックとして圧縮された画像を伸長して、元の画像ブロックの2×4画素のブロックにする際に、2×2画素からなる前記間引きブロックは、前記間引きブロックの短辺側に隣接している各圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間される。
【0099】
即ち、図4において、2×2の間引きブロックadは、画素a,b,c,dからなっていて、該間引きブロックadの上側の短辺に隣接している2×2画素の圧縮ブロックilは、画素i,j,k,lからなり、該間引きブロックadの下側の短辺に隣接している2×2の圧縮ブロックm1pは、画素m1,n1,o,pからなっている。
【0100】
かかる場合において、圧縮画像を伸長する際に、間引きブロックadの左上端の画素aは、上側で隣接している画素jの画像データを、また、間引きブロックadの左下端の画素bは、下側で隣接している画素m1の画像データを、また、間引きブロックadの右上端の画素cは、上側で隣接している画素lの画像データを、また、間引きブロックadの右下端の画素dは、下側で隣接している画素oの画像データを、それぞれそのまま用いて補間される。
【0101】
而して、図2(B)に示した場合と同様に、間引きブロックの各画素は、該間引きブロックの短辺側に隣接した圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間されることにより、例え、細線やエッジに途切れが発生したとしても、途切れ画素数を少なく済ませることができる。
また、間引き方法を工夫しているため、最近傍法を用いたとしても、ある程度高い画質を維持することができ、かつ、高速に、補間処理を施すことができる。
【0102】
また、図8は、前述した画像圧縮技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。また、図8に示す画像圧縮技術により圧縮された圧縮ブロックを伸長する場合の画像伸長技術における処理の流れは、前述の図7と同様であり、ただ、元の画像ブロックが2×4画素からなるブロックであり、間引きブロックが、2×2画素からなるブロックであり、かつ、圧縮ブロックが、2×2画素からなるブロックである場合として読み変えることとなる。
【0103】
次に、図8に示す画像圧縮技術における処理の流れについて、説明する。
間引き処理の対象単位領域を構成する2×4画素からなる元の画像ブロックを水平方向に圧縮するために、2×2画素の間引きブロックを間引きしていく場合は、該間引きブロックが元の画像ブロック内に所在する位置は、水平方向(即ち、行方向)に配置されている2×4画素からなる元の各画素ブロックとも、同一位置(例えば、右側半分の位置)にある2×2画素を、間引きブロックとして、間引いていく(ステップS21)。
【0104】
次に、2×4画素からなる元の各画像ブロックを垂直方向に圧縮するために、2×2画素の間引きブロックを間引いていく場合は、該間引きブロックが元の画像ブロック内に所在する位置は、垂直方向に一つ前(上)の行にある2×4画素からなる元の各画像ブロック内における間引きブロックの位置と隣接しない位置(例えば、一つ前の行にある元の画像ブロックでは、右半分の位置であれば、左半分の位置)にある2×2画素を、間引きブロックとして、間引いていく。即ち、垂直方向に1つ前(上)の行にある2×2画素の間引きブロックの位置とは、2×4画素からなる元の画像ブロックの半分(即ち、1/2)の画素数分ずらした位置にある2×2画素を、間引きブロックとして、間引いていく(ステップS22)。
更に、2×4画素からなる元の各画像ブロックのうち、2×2画素の間引きブロックを間引いた後の2×2画素からなる圧縮ブロックは、BTC法に基づいて、ロッシーな圧縮がなされる(ステップS23)。
【0105】
すべての2×4画素からなる元の画像ブロックに対して、まだ間引き処理が施されていない場合は(ステップS24のNO)、ステップS21に戻って、間引き処理が施され、すべてについて、間引き処理が施された場合は(ステップS24のYES)、画像圧縮処理が終了となる。
【0106】
次に、図5を用いて、本発明に係る画像圧縮技術と画像伸長技術について、更に説明する。特に、間引きブロックの水平方向の画素数が、元の画像ブロックの水平方向の画素数の半分(即ち、1/2)よりも大きくなる場合における画像圧縮技術に関する画像圧縮技術について説明する。
【0107】
ここに、図5は、本発明に係る画像圧縮技術と画像伸長技術の例を更に説明するための模式図である。
【0108】
図5においては、カラー画像データについて画像を圧縮する際に、画素の間引きの対象となる単位領域である元の画像ブロックは、2×3画素の画像ブロックとし、かかる元の画像ブロック毎に、画素の間引き処理が実行されている。ここで、図5にある各元の画像ブロックの白色部分で示す2×1画素が、画像圧縮後の圧縮ブロックとして抽出され、各元の画像ブロックの右側、または、左側のハッチング部で示す2×2画素が、間引きされた画素からなる間引きブロックであり、該間引きブロックを構成している各画素が間引きされて、圧縮結果として削除される。
【0109】
而して、2×3画素の画像ブロック単位で圧縮して行く際、それぞれ2×1画素の圧縮ブロックの位置は、対象とする画像ブロックの水平方向においては、等間隔に配置されており、一方、垂直方向においては、互いに隣り合う隣接2×3画素ブロック間では、圧縮ブロックの位置が、隣接していない位置にある2×1画素が用いられるように、間引き処理がなされる。即ち、間引きブロックの水平方向の画素数が元の画像ブロックにおける水平方向の画素数の半分を超えるような場合においては、前述の場合と異なり、間引きブロックを用いる代わりに、間引き処理後の圧縮ブロックを構成する要素が互いに隣り合う位置にない画素を用いるように間引き処理がなされる。
【0110】
従って、垂直方向に一つ上側の行に位置する元の画像ブロックの右側にある画素を間引きして、左端側に圧縮ブロックの位置がある場合、当該行の元の画像ブロックに関しては、上側(即ち、前の行)の圧縮ブロック位置と重ならないように、左側にある画素が間引きされ、右端側に圧縮ブロックの位置が来るように間引き処理がなされる。かかるごとき間引き処理を、各行の元の画像ブロックに対して、規則的に繰り返していくことにより、互いに圧縮ブロックが隣接しない位置に配置されていることになる。
【0111】
隣り合う位置にある隣接2×3画素の画像ブロック間では、各圧縮ブロックが互いに隣接しないことにより、画像データの水平・垂直方向の画素がすべて間引きされて、削除されてしまうことがなく、例え、細線やエッジに途切れが発生したとしても、水平・垂直方向のいずれの方向においても、途切れる程度が低減され、高い画質を維持することが可能となる。
ここで、圧縮後の2×2画素の圧縮ブロックは、周知の圧縮手段である損失を伴って圧縮がなされるロッシー(lossy)な圧縮手段BTC(Block Truncation Coding)を用いて圧縮されることにより、画像の圧縮率を更に向上させることとしている。
【0112】
次に、前述のごとき間引き処理により画像圧縮された圧縮ブロックを画像伸長させる場合の画像補間処理方法について説明する。
例えば、図5に示すように、2×1画素の前記圧縮ブロックとして圧縮された画像を伸長して、元の画像ブロックの2×3画素のブロックにする際に、2×2画素からなる前記間引きブロックは、前記間引きブロックの短辺側に隣接している各圧縮ブロックの画素の画像データを用いて、最近傍法によって補間される。
【0113】
即ち、図5において、2×2の間引きブロックadは、画素a,b,c,dからなっていて、該間引きブロックadの左上側において、短辺が隣接している2×1画素の圧縮ブロックghは、画素g,hからなり、また、該間引きブロックadの左側において、長辺が隣接している2×1画素の圧縮ブロックefは、画素e,fからなり、また、該間引きブロックadの左下側において、短辺が隣接している2×1の圧縮ブロックijは、画素i,jからなり、また、該間引きブロックadの右側において、長辺が隣接している2×1画素の圧縮ブロックklは、画素k,lからなっている。
【0114】
かかる場合において、圧縮画像を伸長する際に、間引きブロックadの左上端の画素aは、上側で隣接している画素hの画像データを、また、間引きブロックadの左下端の画素bは、下側で隣接している画素iの画像データを、また、間引きブロックadの右上端の画素cは、右側で隣接している画素kの画像データを、また、間引きブロックadの右下端の画素dは、右側で隣接している画素lを、それぞれそのまま用いて、最近傍法により補間される。
【0115】
而して、図2(B)に示した場合と同様に、間引きブロックの各画素は、該間引きブロックに、短辺が隣接している圧縮ブロックの画像データを用いて補間されると共に、隣り合う画素が、互いに異なる方向にある隣接する画素の画像データにより補間されることにより、例え、細線やエッジに途切れが発生したとしても、途切れ画素数を少なく済ませることができる。
また、間引き方法を工夫しているため、最近傍法を用いたとしても、ある程度高い画質を維持することができ、かつ、高速に、補間処理を施すことができる。
【0116】
また、図9は、前述した本発明に係る画像圧縮技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。また、図9に示す画像圧縮技術により圧縮された圧縮ブロックを伸長する場合の画像伸長技術における処理の流れは、前述の図7と同様であり、ただ、元の画像ブロックが2×3画素からなるブロックであり、間引きブロックが、2×2画素からなるブロックであり、かつ、圧縮ブロックが、2×1画素からなるブロックである場合として読み変えることとなる。
【0117】
次に、図9に示す画像圧縮技術における処理の流れについて、説明する。
間引き処理の対象単位領域を構成する2×3画素からなる元の画像ブロックを水平方向に圧縮するために、2×2画素の間引きブロックを間引きしていく場合は、該間引きブロックが元の画像ブロック内に所在する位置は、水平方向(即ち、行方向)に配置されている2×3画素からなる元の各画像ブロックとも、同一位置(例えば、右側の位置)にある2×2画素を、間引きブロックとして、間引いていく(ステップS31)。
【0118】
次に、2×3画素からなる元の各画像ブロックを垂直方向に圧縮するために、2×2画素の間引きブロックを間引いていく場合は、画素が間引かれた後の2×1画素からなる圧縮ブロックが元の画像ブロック内に所在する位置は、垂直方向に一つ前(上)の行にある2×3画素からなる元の各画像ブロック内における圧縮ブロックの位置と隣接しない位置(例えば、一つ前の行にある元の画像ブロックでは、左側の位置であれば、右側の位置)にある2×1画素を、圧縮ブロックとして残存するように、間引いていく(ステップS32)。
更に、2×3画素からなる元の各画像ブロックのうち、2×2画素の間引きブロックを間引いた後の2×1画素からなる圧縮ブロックは、BTC法に基づいて、ロッシーな圧縮がなされる(ステップS33)。
【0119】
すべての2×3画素からなる元の画像ブロックに対して、まだ間引き処理が施されていない場合は(ステップS34のNO)、ステップS31に戻って、間引き処理が施され、すべてについて、間引き処理が施された場合は(ステップS34のYES)、画像圧縮処理が終了となる。
【0120】
なお、本願請求項9に記載の画像伸長装置、あるいは、本願請求項18に記載の画像伸長方法に係る発明は、本願請求項1または2に記載された画像圧縮装置、あるいは、本願請求項10または11に記載された画像圧縮方法を用いて、画素を間引くことによって圧縮された圧縮ブロックを伸長させることができることを特徴とする発明であり、前述の各実施例に示した例により容易に実施させることができることは明らかである。
また、本願請求項19に係る発明は、請求項10乃至18に記載の画像圧縮方法・画像伸長方法に関する図6乃至図9に示すごとき各処理ステップを、コンピュータにより実行させるプログラムとして記録せしめた、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体に係る発明であり、前述の各実施例に基づいて、容易に実施させることができることは明らかである。
【0125】
【発明の効果】
(請求項1に記載の発明に対する作用効果)
あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロック単位に画素の間引き処理を行なう際に、水平方向に間引く画素数が、対象とする画像ブロックの水平方向の画素数の半分(即ち、1/2)よりも少ない場合は、間引き処理がなされる画素からなる間引きブロックの位置が、水平方向には等間隔で、かつ、垂直方向には各画像ブロック毎に互いに隣接させないことにより、水平・垂直方向の細線やエッジの途切れを連続的に生じさせずに、途切れ部を低減させ、高い画質を維持させることができる。
【0126】
(請求項2に記載の発明に対する作用効果)
あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロック単位に画素の間引き処理を行なう際に、水平方向に間引く画素数が、対象とする画像ブロックの水平方向の画素数の半分(即ち、1/2)よりも多い場合は、圧縮間引き処理が施された後の画素からなる圧縮ブロックの位置が、水平方向には等間隔で,かつ、垂直方向には各画像ブロック毎に互いに隣接させないことにより、水平・垂直方向の細線やエッジの途切れを連続的に生じさせずに、途切れ部を低減させ、高い画質を維持させることができる。
【0128】
(請求項3,12に記載の発明に対する作用効果)
圧縮ブロックを伸長する際に、圧縮時の間引きブロックの位置を考慮し、各間引き画素の位置に最も近傍に位置している画素の画素データに基づいて補間させる最近傍法を用いることにより、画質をある程度高く維持させ、また、画像伸長処理の高速化を図ることができる。
【0129】
(請求項4,13に記載の発明に対する作用効果)
最近傍法により補間する際に、最も近傍に位置する画素が複数個存在する場合に、対象とする間引きブロックが属していた元の画像ブロックではない他の隣接画像ブロックを構成している圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させることにより、当該間引きブロックの各画素の補間方向を、水平・垂直方向のいずれかに固定させずに、水平・垂直方向の両方の細線やエッジを考慮に入れた画像伸長を行なうことを可能とし、高い画質を維持させることができる。
【0130】
(請求項5,14に記載の発明に対する作用効果)
最近傍法により補間する際に、間引きブロックの水平・垂直方向いずれか短辺側の方向に隣接した位置にある圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間させることにより、例え、水平・垂直方向の細線やエッジに途切れが生じたとしても、該細線やエッジの画像データを有する途切れ画素数を少なく済ませることができる。
【0131】
(請求項6,15に記載の発明に対する作用効果)
間引きブロックの長辺方向の画素数が3画素以上からなる場合に最近傍法により補間する際に、間引きブロックの水平・垂直方向いずれか短辺側に接した位置にある画素に関しては、該短辺側に隣接した位置にある圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間させ、一方、短辺側に接していない位置にある画素に関しては、該画素の最近傍にある隣接圧縮ブロックの画素の画像データを用いて補間させることにより、当該間引きブロックの各画素の補間方向を、水平・垂直方向のいずれかに固定させずに、例え、水平・垂直方向の細線やエッジに途切れが生じたとしても、途切れ画素を少なく済ませることができ、より高い画質を維持させることができる。
【0132】
(請求項7,16に記載の発明に対する作用効果)
画像出力時の変倍により画素数変換がなされる場合には、該画素数変換率に応じた画素補間方法を用いるべく、第1の閾値よりも大きくなる時、前記最近傍法の代わりに線形補間法を用いることにより、前記最近傍法に比べて、より高い画質を維持させることができる。
【0133】
(請求項8,17に記載の発明に対する作用効果)
画像出力時の変倍により画素数変換がなされる場合には、該画素数変換率に応じた画素補間方法を用いるべく、前記第1の閾値より更に大きい第2の閾値よりも大きな変換率となる時、前記最近傍法,前記線形補間法の代わりに、3次補間法を用いることにより、前記最近傍法,前記線形補間法に比べて、更に高い画質を維持させることができる。
【0134】
(請求項9,18に記載の発明に対する作用効果)
前記請求項1または2に記載の画像圧縮装置、あるいは、前記請求項10または11に記載の画像圧縮方法を実現させる画像圧縮技術に対応した画像伸長技術を用いることにより、高い画質を維持させ、かつ、画像伸長処理の高速化を図ることができる。
【0135】
(請求項19に記載の発明に対する作用効果)
前記請求項10または11に記載の画像圧縮方法、及び/又は、前記第12乃至第18のいずれか、又は、複数に記載の画像伸長方法をコンピュータにより実施させるためのプログラムとして記録せしめるコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体とすることにより、画素を間引く位置を、適応的に変化せしめることを可能とし、高い画質を維持させ、かつ、画像処理の高速化を図ることを可能とする画像処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像圧縮・伸長方法を実現する画像圧縮・伸長装置の構成に関する実施形態の一例を示す回路ブロック構成図である。
【図2】 本発明に係る画像圧縮技術と、画像伸長技術の一例を説明するための模式図である。
【図3】 本発明に係る画像伸長技術の例を更に説明するための模式図である。
【図4】 本発明に係る画像圧縮技術と画像伸長技術の例を更に説明するための模式図である。
【図5】 本発明に係る画像圧縮技術と画像伸長技術の例を更に説明するための模式図である。
【図6】 本発明に係る画像圧縮技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】 本発明に係る画像伸長技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】 本発明に係る画像圧縮技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】 本発明に係る画像圧縮技術における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】 従来の画像圧縮方法の例を説明するための模式図である。
【図11】 従来の画像圧縮方法における問題を解決する一例を説明するための模式図である。
【図12】 従来の画像圧縮方法における問題を解決する他の例を説明するための模式図である。
【図13】 従来の画像圧縮方法における問題を解決する更なる他の例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10…ハードディスク装置HDD、20…パーソナルコンピュータPC、21…ランダムアクセスメモリRAM1、21a…読込領域、21b…圧縮領域、22…CPU1、30…プリンタ装置、31…ランダムアクセスメモリRAM2、31a…転送領域、31b…伸長領域、32…CPU2、40…データバス。
Claims (19)
- 画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮装置であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、
前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮装置において、
前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x<(1/2)×m
の関係にある時、前記間引きブロックの各間引き位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とする画像圧縮装置。 - 画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮装置であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、
前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮装置において、
前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x>(1/2)×m
の関係にある時、前記圧縮ブロックの配置位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とする画像圧縮装置。 - 請求項1または2に記載の画像圧縮装置を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長装置であって、前記伸長の際、間引かれた前記画素からなる間引きブロックの各画素を、前記圧縮ブロックの最も近傍に位置する画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長装置。
- 請求項3に記載の画像伸長装置において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、間引かれる前に前記間引きブロックが属していた前記元の画像ブロック内を構成する圧縮ブロックの画素と、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素との両者が存在する場合、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長装置。
- 請求項3または4に記載の画像伸長装置において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長装置。
- 請求項3乃至5のいずれか1に記載の画像伸長装置において、前記間引きブロックを構成する長辺方向の画素数が3画素以上の画素からなる場合、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に接して配置される画素に関しては、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させ、前記間引きブロックの短辺側に接して配置されていない画素に関しては、該画素に最も近傍の位置にある隣接の圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長装置。
- 請求項3乃至6のいずれか1に記載の画像伸長装置において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた第1の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法の代わりに、前記間引きブロックに隣接する複数の各圧縮ブロックを構成する画素のうち、最も近傍にある各画素の画像データに基づいて線形補間させる線形補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長装置。
- 請求項3乃至7のいずれか1に記載の画像伸長装置において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた前記第1の閾値を超えて更に大きい第2の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法及び前記線形補間法の代わりに、前記間引きブロックに隣接するすべての圧縮ブロックの各画素の画像データに基づいて、あらかじめ定められた3次元の計算式により補間画像データ値を算出する3次補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長装置。
- 請求項1または2に記載の画像圧縮装置を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させることができることを特徴とする画像伸長装置。
- 画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮方法であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、
前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮方法において、
前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x<(1/2)×m
の関係にある時、前記間引きブロックの各間引き位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とする画像圧縮方法。 - 画像データに対して画素の間引きを施して、該画像データの圧縮を行なう画像圧縮方法であって、前記画素の間引き位置に関し、水平・垂直方向のどちらか一方である方向の各前記画素の間引き位置に対して、もう一方である他方向の各前記画素の間引き位置が、互いに依存して決定され、
前記画素の間引きが実施される単位領域を、あらかじめ定められた画素数からなる画像ブロックとし、画素の間引きの対象となる元の画像ブロックにおいて、圧縮後の画素のみからなる圧縮ブロックを構成しない残りの画素を、間引きブロックとして、間引く画像圧縮方法において、
前記画素の間引きの対象となる前記元の画像ブロックが、垂直方向にn個の画素数、かつ、水平方向にm個の画素数からなる(n×m)画素数のブロックであり、前記間引きブロックが、垂直方向に間引く画素数がn個、かつ、水平方向に間引く画素数がx個からなる(n×x)画素数のブロックであり、前記圧縮ブロックが、垂直方向に画素数がn個、かつ、水平方向に画素数が(m−x)個からなる{n×(m−x)}画素数のブロックである場合において、水平方向に間引く前記画素数xが、
x>(1/2)×m
の関係にある時、前記圧縮ブロックの配置位置に関し、水平方向においては、等間隔の位置に配置され、かつ、垂直方向においては、互いに隣接しない位置に配置されていることを特徴とする画像圧縮方法。 - 請求項10または11に記載の画像圧縮方法を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させる画像伸長方法であって、前記伸長の際、間引かれた前記画素からなる間引きブロックの各画素を、前記圧縮ブロックの最も近傍に位置する画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項12に記載の画像伸長方法において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、間引かれる前に前記間引きブロックが属していた前記元の画像ブロック内を構成する圧縮ブロックの画素と、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素との両者が存在する場合、間引かれる前に前記間引きブロックが属していない隣接の元の画像ブロックを構成する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項12または13に記載の画像伸長方法において、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項12乃至14のいずれか1に記載の画像伸長方法において、前記間引きブロックを構成する長辺方向の画素数が3画素以上の画素からなる場合、前記間引きブロックの各画素を補間させる前記最も近傍に位置する画素として、前記間引きブロックの短辺側に接して配置される画素に関しては、前記間引きブロックの短辺側に隣接する圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させ、前記間引きブロックの短辺側に接して配置されていない画素に関しては、該画素に最も近傍の位置にある隣接の圧縮ブロックの画素の画像データにより補間させる最近傍法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項12乃至15のいずれか1に記載の画像伸長方法において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた第1の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法の代わりに、前記間引きブロックに隣接する複数の各圧縮ブロックを構成する画素のうち、最も近傍にある各画素の画像データに基づいて線形補間させる線形補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項12乃至16のいずれか1に記載の画像伸長方法において、元の画像ブロックに伸長させた後の画像出力の際に、更に画素数変換がなされる場合、該画素数変換の程度を示す変換率が、あらかじめ定められた前記第1の閾値を超えて更に大きい第2の閾値よりも大きな値となる場合には、前記最近傍法及び前記線形補間法の代わりに、前記間引きブロックに隣接するすべての圧縮ブロックの各画素の画像データに基づいて、あらかじめ定められた3次元の計算式により補間画像データ値を算出する3次補間法を用いて、元の画像ブロックの画素数に伸長させることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項10または11に記載の画像圧縮方法を用いて画素を間引くことによって、圧縮された圧縮ブロックを元の画像ブロックの画素数に伸長させることができることを特徴とする画像伸長方法。
- 請求項10または11に記載の画像圧縮方法、及び/又は、請求項12乃至18のいずれか1又は複数に記載の画像伸長方法を、コンピュータにより実施させるためのプログラムとして記録せしめたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体。
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