JPH08204957A - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JPH08204957A
JPH08204957A JP7031344A JP3134495A JPH08204957A JP H08204957 A JPH08204957 A JP H08204957A JP 7031344 A JP7031344 A JP 7031344A JP 3134495 A JP3134495 A JP 3134495A JP H08204957 A JPH08204957 A JP H08204957A
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dct
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JP7031344A
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English (en)
Inventor
Yoshiichi Fujimoto
芳一 藤本
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮画像データを完全に伸長せずに画像処理
を行なう。 【構成】 圧縮画像データをエントロピ復号化すること
によって、各画素ブロックに対するDCT係数を求め、
このDCT係数に対して処理を行なう。DCT係数に対
する処理としては、対称変換処理と階調変換処理があ
る。対称変換処理では、DCTにおける座標UまたはV
が奇数であるDCT係数の正負の符号を反転する操作
や、DCT係数の配列をU=V軸を対称軸として反転す
る操作などを、各画素ブロック毎に実行する。さらに、
各画素ブロックに対するDCT係数のブロックの配列を
ブロック単位で変更することによって、画像内の画素ブ
ロックの配列を変更する。階調変換処理では、DCT係
数を階調変換関数で変換することによって、画像の階調
変換を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、直交変換とエントロ
ピ符号化を行なって得られた圧縮画像データを処理する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、画像データの容量を低減する
ためにJPEGやMPEGなどの種々の画像圧縮技術が
利用されている。これらの画像圧縮技術によれば、画像
データのサイズを数分の1から数十分の1に圧縮するこ
とができ、磁気ディスクの容量やネットワークでの転送
時間、磁気ディスクのアクセス時間等を節約することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、圧縮した画像
データに対して画像処理を行いたい場合に、圧縮画像デ
ータを一度伸長(圧縮画像を復元)した後に画像処理を
行い、再び圧縮する方法が採用されていた。すなわち、
直交変換とエントロピ符号化によって圧縮された画像を
処理するためには、エントロピ復号化と逆直交変換とを
行なって画像データを復元し、この画像データを処理し
た後に、再び直交変換とエントロピ符号化とを行なって
圧縮画像データを作成する必要があった。
【0004】このように、従来は、圧縮画像データを完
全に伸長してから画像処理を行なっていたので、処理に
多大な時間を要するという問題があった。
【0005】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、圧縮画像データ
を完全に伸長せずに画像処理を行なう方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明の請求項1に記載された方法
は、画像を表わす画像データを画素ブロック毎にU−V
座標系の直交変換で変換し、前記直交変換の変換係数を
エントロピ符号化して得られた圧縮画像データを処理す
る方法であって、(a)前記圧縮画像データをエントロ
ピ復号化することによって、各画素ブロックに対する第
1の変換係数ブロックを求める工程と、(b)各画素ブ
ロックに対する前記第1の変換係数ブロック内の一部の
係数の正負の符号を反転する操作と、前記第1の変換係
数ブロックの配列をU=V軸を対称軸として反転する操
作と、の2つの操作の少なくとも一方を実行することに
よって第2の変換係数ブロックを求め、これによって、
各画素ブロックのブロック画像に対する対称変換操作を
行なう工程と、(c)各画素ブロックに対する前記第2
の変換係数ブロックの前記画像内の配列をブロック単位
で変更することによって、前記画像内の画素ブロックの
配列に関する前記対称変換操作を行なう工程と、を備え
ることを特徴とする。
【0007】ここで、「対称変換操作」とは、左右反転
や上下反転のような直線状の軸に関する対称操作と、9
0°回転、180°回転および270°回転のような画
像内の1点を中心とする回転対称操作の両者を含む意味
を有する。
【0008】工程(b)の処理によって画素ブロック毎
の対称変換操作を行ない、工程(c)の処理によって画
像内のブロックの配列に関する対称変換操作を行なうの
で、これらの工程によって画像全体の対称変換操作が実
行されたことになる。
【0009】また、請求項2に記載された方法は、画像
を表わす画像データを画素ブロック毎に直交変換し、前
記直交変換の変換係数をエントロピ符号化して得られた
圧縮画像データを処理する方法であって、(a)前記圧
縮画像データをエントロピ復号化することによって、各
画素ブロックに対する第1の変換係数ブロックを求める
工程と、(b)前記第1の変換係数ブロック内の係数を
階調変換関数で変換することによって、前記画像の階調
変換を行なう工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】ここで、「階調変換関数」とは、式で表わ
されるものに限らず、階調変換の入出力関係を示すルッ
クアップテーブルやグラフなどをも含む意味を有する。
【0011】変換係数は、画像の周波数成分の振幅を示
しているので、変換係数を階調変換関数で変換すること
によって画像の階調変換を行なうことができる。
【0012】
【実施例】
A.画像データの圧縮と伸長の概要:図1は、本発明の
一実施例を適用して画像処理を行なう装置の構成を示す
ブロック図である。この画像処理装置は、CPU20
と、画像データを記憶するフレームバッファ22と、圧
縮/伸長処理回路24と、メインメモリ26と、外部記
憶手段としての磁気ディスク28と、指示手段または入
力手段としてのキーボード30およびマウス32と、フ
レームバッファ22内の画像データをD−A変換するD
−A変換器34と、D−A変換された画像信号に従って
画像を表示する表示手段としてのカラーモニタ36とを
備えている。
【0013】メインメモリ26には、後述する画像処理
を実行するために、係数ブロック対称変換手段と42、
ブロック位置変換手段44と、階調変換手段46とを実
現するためのソフトウェアプログラムが記憶されてい
る。すなわち、これらの手段42,44,46は、ソフ
トウェアプログラムをCPU20が実行することによっ
て実現される。
【0014】圧縮画像データを作成する際には、まず、
カラースキャナなどの図示しない画像入力装置によって
画像データが取り込まれる。圧縮/伸長処理回路24
は、この画像データを圧縮して圧縮画像データを作成
し、磁気ディスク28に格納する。なお、ハードウェア
の圧縮/伸長処理回路24の代わりに、メインメモリ2
6に記憶された圧縮/伸長用ソフトウェアプログラムを
CPU20が実行することによって、圧縮、伸長を行う
ようにすることも可能である。
【0015】この実施例においては、画像データの圧縮
方式としてJPEGアルゴリズムを用いる。JPEGの
アルゴリズムには様々なオプションがあるが、以下では
JPEGアルゴリズムのなかで標準的なものについての
み簡単に説明する。
【0016】JPEGでは圧縮時に使用する表色系を定
めていないが、表色系としては、YCrCb表色系(Y
UV表色系と呼ばれることもある)が使用されるのが普
通である。これは画像を輝度成分Yと色差成分Cr,C
bとに分けたものであり、人間の目が色成分に対して感
度が低いことを利用して、色差成分の圧縮率を高くする
ことができる。
【0017】図2は、画像圧縮の手順を示す説明図であ
る。画像圧縮処理では、まず図3に示す色変換処理を実
施する。色変換処理では、YMCK表色系やRGB表色
系の原画像データをYCrCb表色系の画像データに変
換する。なお、人間の目は色成分に対する分解能が低い
ので、色差成分Cr,Cbのピクセルを主走査方向と副
走査方向にそれぞれ1/2に間引きする。この結果、図
3の右端に示すようにYCrCb表色系の画像データが
得られる。
【0018】図2に示す、ディスクリートコサイン変換
(DCT)では、8×8ピクセルの画素ブロック毎に変
換が実行される。図4は、ブロックの分割を示す説明図
である。DCTを実行する際には、図4に示すようにY
成分を4ブロック分変換した後、Cr成分を1ブロック
分変換し、Cb成分を1ブロック分変換する。前述した
ように、色差成分Cr,Cbは1/2に間引きされてい
るので、上記のように変換を順次行なうことによって、
原画像の16×16画素の領域に対するDCT変換を実
行したことになる。
【0019】図5は、DCTの内容を示す説明図であ
る。図5に示すように、DCTでは8×8画素の画像デ
ータが8×8マトリクスの変換係数に変換される。な
お、この実施例では、画像に対する座標系をX−Y座標
系と呼び、変換係数に対する座標系をU−V座標系と呼
ぶ。DCTの変換式は、次の数式1で表わされる。
【0020】
【数1】
【0021】なお、F(U,V)は変換係数、f(X,
Y)は原画像データである。8×8個の変換係数(DC
T係数)の各項は、画素ブロックのブロック画像に含ま
れる各周波数成分の大きさを表わしている。なお、DC
Tの変換式における各周波数成分は、直交基底とも呼ば
れている。
【0022】図6は1次元のDCTの基底を示し、図7
は2次元DCTの基底を示すグラフの例である。図6に
示すように、DCT係数の基底のU成分は、原画像のX
方向の画像データの変化を示している。一方、DCT係
数の基底のV成分は、原画像のY方向の画像データの変
化を示している。
【0023】2次元DCT係数では、(U,V)=
(0,0)に対する係数が直流成分(DC成分)を表わ
し、その他の係数が交流成分(AC成分)を表わす。D
CT係数の値は、高周波成分になるほど小さな値になる
のが普通である。
【0024】なお、2次元DCTの直交基底のそれぞれ
にDCT係数を乗算して、それを足しあわせると画像デ
ータを復元することができる。この操作は、逆DCTと
呼ばれている。
【0025】DCTで得られた変換係数は、圧縮率を向
上させるために量子化される(図2参照)。量子化と
は、それぞれのDCT係数をあらかじめ定められた値
(量子化幅)で除算することである。JPEGでは量子
化テーブルを任意に指定することができる。人間の目は
高周波成分に対して感度が低いので、高周波成分ほど大
きな量子化幅が用いられる。量子化を行うとDCT係数
の高周波成分は大部分が0になるので、圧縮率を向上さ
せることができる。量子化テーブル内の量子化幅を変え
れば、圧縮率を変化させることも可能である。
【0026】量子化されたDCT係数は、ハフマン符号
化とDPCM符号化(予測符号化)とを用いてエントロ
ピ符号化される(図2)。エントロピ符号化とは、情報
の冗長性を低減することによってデータ量を削減する方
法である。
【0027】JPEGにおけるエントロピ符号化では、
図8に示すように、DCT係数をジグザグスキャンによ
って並べ変える。図9は、ジグザグスキャンによって並
べられたDCT係数の一例を示す説明図である。DC係
数((U,V)=(0,0)のDCT係数)は、一つ前
のDC係数との差分を符号化する。これは、DPCM符
号化(予測符号化)と呼ばれるエントロピ符号化方法で
ある。AC係数については、0でないAC係数の値と、
そのAC係数の前に連続する0のAC係数のランレング
スとに対してハフマン符号化が実行される。
【0028】図10は、圧縮画像データの伸長の手順を
示す説明図である。伸長は、圧縮の逆の手順で行なわれ
る。すなわち、エントロピ復号化を行なった後に、逆量
子化を行なってDCT係数を求め、逆DCT変換を行う
ことによってYCrCb表色系の画像データを得る。そ
して、間引いたピクセルを水増しするとともに表色系の
逆変換を行なう。
【0029】B.実施例における圧縮画像の処理の全体
手順:図11は、この発明の一実施例における画像圧縮
の処理手順を示すフローチャートである。ステップS1
では、圧縮画像データを磁気ディスク28から読み出し
てメインメモリ26に格納する。ステップS2では圧縮
画像データをエントロピ復号化してDCT係数を求め
る。ステップS3において、DCT係数に対して処理を
実行することによって、後述する画像の対称変換や画像
の階調変換などの画像処理を行なう。ステップS4で
は、処理後のDCT係数を再びエントロピ符号化するこ
とによって圧縮画像データを再作成し、ステップS5に
おいてこの圧縮画像データを磁気ディスク28に格納す
る。以下では、ステップS3における画像の対称変換処
理と、画像の階調変換処理の内容を順次説明する。
【0030】C.画像の左右反転および上下反転:前述
した図6に示すように、DCT係数の基底のU成分は、
8×8画素ブロック内のX方向の画像データの分布を示
している。すなわち、U座標が偶数である基底は、8×
8画素ブロックの中心を通りY方向に平行な軸に対して
左右対称な画像データの分布を示しており、U座標が奇
数である基底は、8×8画素ブロックの中心を通りY方
向に平行な軸の左右で正負が逆転するような画像データ
の分布を示している。従って、各画素ブロック内の画像
を左右に反転する(すなわちY方向に平行な軸に関して
反転する)には、U座標が奇数の基底に対するDCT係
数の正負の符号を反転すればよい。
【0031】図12は、図11のステップS3におい
て、画像の左右反転を行なう場合の処理手順を示すフロ
ーチャートである。ステップS11では、座標Uが奇数
である基底に対するDCT係数の正負を反転させる。図
13は、(U,V)=(1,0)の基底の正負を反転さ
せた場合を示す説明図である。座標Uが奇数である基底
の正負を反転させると、Y方向の画像データの分布は変
わらずにX方向の分布のみが変化する。図14は、左右
反転処理の内容を示す説明図である。各画素ブロックに
対するDCT係数のブロック(「DCTブロック」と呼
ぶ)の中で、座標Uが奇数である基底に対するDCT係
数は斜線で示した位置にある。従って、ステップS11
では、この斜線を付した位置のDCT係数の正負を反転
させる。この結果、各画素ブロックに対するブロック画
像が左右に反転する。
【0032】ステップS12では、画像内の全画素ブロ
ックの配列を左右反転させるように、画像内のDCTブ
ロックの配列をブロック単位で変更する。すなわち、図
14(B)に示すように、画像内に含まれるすべてのD
CTブロックの左右の位置を反転させるようにDCTブ
ロックの配列を変更する。ステップS11において各画
素ブロックのブロック画像が左右に反転しているので、
ステップS12の処理によって、画像全体が左右に反転
されることになる。
【0033】図15は、図11のステップS3におい
て、画像の上下反転を行なう場合の処理手順を示すフロ
ーチャートである。画像の上下反転は、座標Vが奇数で
ある基底に対するDCT係数の正負を反転させればよい
(ステップS21)。また、ステップS22では、画像
内の全画素ブロックの配列を上下反転させるようにDC
T係数の配列をブロック単位で変更する。
【0034】このように、画像の左右または上下の反転
は、U座標またはV座標が奇数である基底に対するDC
T係数の正負を反転させ、また、画像内におけるDCT
ブロックの配列を左右または上下に反転させることによ
って実現することができる。なお、図12における2つ
のステップS11,S12の順序は逆にしてもよく、ま
た、図15における2つのステップS21,S22の順
序も逆にしてよい。
【0035】C.画像の回転:図16は、実施例におけ
る画像の90°,180°,270°の回転の方法を示
す説明図である。なお、図16においては、画像の向き
を示すために画像領域内に文字「F」が便宜的に付され
ている。
【0036】図16(A)に示すように、画像を時計方
向に90°回転させる操作は、画像をX=Y軸に対して
反転させる操作と、画像を左右に反転させる操作とを組
み合わることによって実現できる。画素ブロック内のブ
ロック画像をX=Y軸に対して反転させるには、図17
に示すように、DCTブロック内の各DCT係数の位置
をU=V軸に対して反転するように変更すればよい。
【0037】図18は、図11のステップS3におい
て、画像の90°反転を行なう場合の処理手順を示すフ
ローチャートである。ステップS31では、図17に示
すように、DCT係数をU=V軸を中心に反転させるこ
とによって、各画素ブロックのブロック画像をX=Y軸
に対して反転させる。ステップS32では、座標Uが奇
数である基底に対するDCT係数の正負を反転させるこ
とによって、各画素ブロックのブロック画像を左右に反
転させる。そして、ステップS33では、画像内の全画
素ブロックの配列を90°回転させるように、画像内の
DCTブロックの配列をブロック単位で90°回転す
る。ステップS31,S32の処理によって、各画素ブ
ロックのブロック画像が90°回転しているので、ステ
ップS33の処理を行なえば画像全体が90°回転する
ことになる。
【0038】図16(B)に示すように、画像を時計方
向に180°回転させる操作は、画像を上下に反転させ
る操作と、画像を左右に反転させる操作とを組み合わる
ことによって実現できる。図19は、図11のステップ
S3において、画像の180°反転を行なう場合の処理
手順を示すフローチャートである。ステップS41で
は、座標UまたはVの一方が奇数で他方が偶数である基
底に対するDCT係数の正負を反転させる。これによっ
て、各画素ブロックのブロック画像を上下と左右に同時
に反転させることができる。そして、ステップS42で
は、画像内の全画素ブロックの配列を180°回転させ
るように、画像内のDCTブロックの配列をブロック単
位で変更する。ステップS41の処理によって、各画素
ブロックのブロック画像が180°回転しているので、
ステップS42の処理を行なえば画像全体が180°回
転することになる。
【0039】図16(C)に示すように、画像を時計方
向に270°回転させる操作は、画像をX=Y軸に対し
て反転させる操作と、画像を上下に反転させる操作とを
組み合わることによって実現できる。図20は、図11
のステップS3において、画像の270°反転を行なう
場合の処理手順を示すフローチャートである。ステップ
S51では、DCT係数をU=V軸を中心に反転させる
ことによって、各画素ブロックのブロック画像をX=Y
軸に対して反転させる。ステップS52では、座標Vが
奇数である基底に対するDCT係数の正負を反転させる
ことによって、各画素ブロックのブロック画像を上下に
反転させる。そして、ステップS53では、画像内の全
画素ブロックの配列を270°回転させるように、画像
内のDCTブロックの配列をブロック単位で変更する。
ステップS51,S52の処理によって、各画素ブロッ
クのブロック画像が270°回転しているので、ステッ
プS53の処理を行なえば画像全体が270°回転する
ことになる。
【0040】なお、DCT係数の位置をU=V軸に対し
て反転させる場合には、反転を行なう前に逆量子化が行
なわれる。但し、U=V軸に対して対称な量子化テーブ
ルを用いる場合には逆量子化を省略することができる。
【0041】なお、図18における3つのステップS3
1,S32,S33の順序は任意に変更することができ
る。同様に、図19における2つのステップS41,S
42,S43の順序も任意に変更することができ、図2
0における3つのステップS51,S52,S53の順
序も任意に変更することができる。
【0042】図1に示す係数ブロック対称変換手段42
は、図12のステップS11を実行するほか、図15の
ステップS21,図18のステップS31,S32、図
19のステップS41、および、図20のステップS5
1,S52を実行する。また、ブロック位置変更手段
は、図12のステップS12を実行するほか、図15の
ステップS22,図18のステップS33、図19のス
テップS42、および、図20のステップS53を実行
する。
【0043】D.階調の変換:図21は、画像の階調変
換を行なうための1次式を示すグラフである。図21に
おいて、横軸はRGB表色系やYMCK表色系などの原
画像の表色系の色座標である。階調の1次変換では、表
色系の各色成分座標(例えばRGB表色系の場合にはR
座標とG座標とB座標)に対して傾きαとオフセット
(切片)βの値を個別に設定することができる。
【0044】例えば、原画像のRGB表色系に対する傾
きαとオフセットβとが与えられると、YCrCb表色
系における傾きとオフセットは次の数式2および3に従
ってそれぞれ求められる。
【0045】
【数2】
【0046】
【数3】
【0047】ここで、MはRGB表色系からYCrCb
表色系への変換マトリクス(表色系変換マトリクス)で
ある。
【0048】図22は、図11のステップS3におい
て、画像の階調変換を行なう場合の処理手順を示すフロ
ーチャートである。ステップS61では、階調変換の1
次式の傾きαとオフセットβを表色系の変換マトリクス
MによってYCrCb表色系の傾きαとオフセットβに
変換する。ステップS62では、すべてのDCT係数に
対して、変換後の傾きαを乗算する。そして、ステップ
S63では、画像内の最初の画素ブロックに対するDC
成分に、変換後のオフセットβを加える。ここで、最初
の画素ブロックに対するDC成分のみにオフセットβを
加えるのは、DC成分がDPCM(予測符号化)で符号
化されているので、最初の画素ブロックに対してオフセ
ットβを加えれば、すべての画素ブロックに対してオフ
セットを加えたことと同じだからである。ステップS6
3の前にDC成分の復号化を行なっている場合には、す
べての画素ブロックのDC成分にオフセットβを加算す
ればよい。なお、図22における階調変換処理は、図1
に示す階調変換手段46によって実行される。
【0049】以上のように、DCT係数を階調変換関数
で変換することによって、画像の階調変換を行なうこと
ができる。なお、図22におけるステップS62,S6
3の順序は変更してもよい。また、階調変換関数として
は、1次式に限らず、高次の式やルックアップテーブル
などの種々の形態の変換関数を適用することが可能であ
る。
【0050】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様で実施することが可能であり、例えば次のような変
形も可能である。
【0051】(1)上記実施例では、JPEG方式で圧
縮された圧縮画像データを処理する場合について説明し
たが、本発明はこれに限らず、一般に直交変換とエント
ロピ符号化とによって作成された圧縮画像データに適用
することができる。
【0052】(2)直交変換の変換係数に対して上述の
対称変換や階調変換の処理を行なった後に、処理後の変
換係数を逆直交変換して画像を再現するようにしてもよ
い。直交変換係数には0のものが多いので、伸長した画
像データに対して対称変換や階調変換の処理を実行する
よりも、直交変換係数に対してこれらの処理を実行する
方が処理を短時間で行なうことが可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた発明によれば、工程(b)の処理によって画素ブロ
ック毎の対称変換操作を行ない、工程(c)の処理によ
って画像内のブロックの配列に関する対称変換操作を行
なうので、これらの工程によって画像全体の対称変換操
作が実行される。従って、圧縮画像データを完全に伸長
せずに画像の対称変換処理を行なうことができる。
【0054】請求項2に記載された発明によれば、直交
変換の変換係数を階調変換関数で変換することによって
画像の階調変換を行なうことができる。従って、圧縮画
像データを完全に伸長せずに画像の階調変換処理を行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用して画像処理を行なう
装置の構成を示すブロック図。
【図2】画像圧縮の手順を示す説明図。
【図3】色変換の手順を示す説明図。
【図4】ブロックの分割を示す説明図。
【図5】DCTの内容を示す説明図。
【図6】1次元のDCTの基底を示すグラフ。
【図7】2次元DCTの基底を示すグラフ。
【図8】DCT係数をジグザグスキャンによって並べ変
える方法を示す説明図。
【図9】ジグザグスキャンによって並べられたDCT係
数の一例を示す説明図。
【図10】圧縮画像データの伸長の手順を示す説明図。
【図11】この発明の一実施例における画像圧縮の処理
手順を示すフローチャート。
【図12】画像の左右反転処理の手順を示すフローチャ
ート。
【図13】(U,V)=(1,0)の基底の正負を反転
させた場合を示す説明図。
【図14】左右反転処理の内容を示す説明図。
【図15】画像の上下反転処理の手順を示すフローチャ
ート。
【図16】画像の90°,180°,270°の回転の
方法を示す説明図。
【図17】画素ブロック内のブロック画像をX=Y軸に
対して反転させる方法を示す説明図。
【図18】画像の90°反転処理手順を示すフローチャ
ート。
【図19】画像の180°反転処理の手順を示すフロー
チャート。
【図20】画像の270°反転処理の手順を示すフロー
チャート。
【図21】画像の階調変換を行なう1次式を示すグラ
フ。
【図22】画像の階調変換の処理手順を示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
20…CPU 22…フレームバッファ 24…圧縮/伸長処理回路 26…メインメモリ 28…磁気ディスク 30…キーボード 32…マウス 34…D−A変換器 36…カラーモニタ 42…係数ブロック対称変換手段 44…ブロック位置変換手段 46…階調変換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 5/00 H04N 1/41 Z G06F 15/66 330 B 15/68 310 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を表わす画像データを画素ブロック
    毎にU−V座標系の直交変換で変換し、前記直交変換の
    変換係数をエントロピ符号化して得られた圧縮画像デー
    タを処理する方法であって、(a)前記圧縮画像データ
    をエントロピ復号化することによって、各画素ブロック
    に対する第1の変換係数ブロックを求める工程と、
    (b)各画素ブロックに対する前記第1の変換係数ブロ
    ック内の一部の係数の正負の符号を反転する操作と、前
    記第1の変換係数ブロックの配列をU=V軸を対称軸と
    して反転する操作と、の2つの操作の少なくとも一方を
    実行することによって第2の変換係数ブロックを求め、
    これによって、各画素ブロックのブロック画像に対する
    対称変換操作を行なう工程と、(c)各画素ブロックに
    対する前記第2の変換係数ブロックの前記画像内の配列
    をブロック単位で変更することによって、前記画像内の
    画素ブロックの配列に関する前記対称変換操作を行なう
    工程と、を備えることを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 画像を表わす画像データを画素ブロック
    毎に直交変換し、前記直交変換の変換係数をエントロピ
    符号化して得られた圧縮画像データを処理する方法であ
    って、(a)前記圧縮画像データをエントロピ復号化す
    ることによって、各画素ブロックに対する第1の変換係
    数ブロックを求める工程と、(b)前記第1の変換係数
    ブロック内の係数を階調変換関数で変換することによっ
    て、前記画像の階調変換を行なう工程と、を備えること
    を特徴とする画像処理方法。
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