JP4117127B2 - アルミニウム被覆マグネシウム合金材及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム被覆マグネシウム合金材及びその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム被覆マグネシウム合金材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
展伸用の純マグネシウム及び展伸用マグネシウム合金には、次のものがある(組成は公称である。また、%はwt%である)。
【0003】
AZ31(アルミニウム3.0%,亜鉛1.0%を含有)
AZ61(アルミニウム6.0%,亜鉛1.0%を含有)
AZ80(アルミニウム8.5%,亜鉛0.5%を含有)
HK31(トリウム3.2%,ジルコニウム0.7%を含有)
HM21(トリウム2.0%,マンガン0.8%を含有)
Ml(マンガン1.2%を含有)
ZE10(亜鉛1.2%,Rare Earth Metal0.17%を含有)
ZH11(亜鉛0.5%,トリウム0.75%を含有)
ZK10(亜鉛1.3%,ジルコニウム0.6%を含有)
ZK30(亜鉛3.0%,ジルコニウム0.6%を含有)
ZK60(亜鉛5.5%,ジルコニウム0.4%を含有)
ZM21(亜鉛2.2%,マンガン1.2%を含有)
LA141(リチウム14.0%,アルミニウム1.0%を含有)
【0004】
これらは適宜配合され、溶解後、鋳造される。造塊後は一般に表面を切削した後、150〜450℃で押出し、圧延若しくは引抜きされて、棒,管若しくは板等の形状に形成され、その後、鍛造,プレス加工されて目的製品形状となる。
【0005】
しかし上記マグネシウム合金は耐腐食特性が良好ではなく、特に耐海水性が劣る為、耐腐食性を付与すべく、研磨後表面処理が施される。
【0006】
この表面処理の手段としては、メッキ,化成処理,陽極酸化,塗装若しくはクリヤ塗装などの組合せ処理が行なわれるが、これらの組合わせ処理は工数が極めて多く、製造原価の20〜40%にまで達してしまうのが現状である。
【0007】
更に、塗装処理されたマグネシウム合金はリサイクル性に欠ける問題点もある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するもので、一般的にマグネシウム合金に含まれるアルミニウムをマグネシウム合金材の表面に被覆することで、従来のアルミニウム材やアルミニウム合金材の表面処理をそのまま適用できることとし、マグネシウム材の複雑な表面処理工程を簡略化すると共に確実化することが可能となるアルミニウム被覆マグネシウム合金材を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨を説明する。
【0010】
マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材と、蒸着,メッキ,溶射若しくは浸漬などの手段で表面に亜鉛を被覆した純アルミニウム材またはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム材とを互いの接触面に空気が流入しないよう真空若しくは無酸化状態で接触させた後、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工により10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0011】
また、マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材の表面に、蒸着,メッキ,溶射若しくは浸漬などの手段で亜鉛を被覆し、このマグネシウム材またはマグネシウム合金材と、純アルミニウム材またはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム材とを互いの接触面に空気が流入しないよう真空若しくは無酸化状態で接触させた後、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工により10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合する事を特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0012】
また、マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材の表面に、純アルミニウム材またはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%を含むアルミニウム合金材を蒸着若しくは溶射してアルミニウム被覆層を形成し、その後、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、加圧圧縮変形させて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0013】
また、マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0%wt含むマグネシウム合金材の表面に、鉄芯入りの純アルミニウムまたは鉄芯入りで且つマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金の小球を投射して被覆層を形成し、その後、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、加圧圧縮変形させて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0014】
また、マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材の表面に、純アルミニウムまたはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金の粉体を堆積させた後、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、加圧圧縮変形させて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載のアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法において、前記マグネシウム材若しくは前記マグネシウム合金材として、展伸用マグネシウム材を使用した板状のマグネシウム材若しくは展伸用マグネシウム合金材を使用した板状のマグネシウム合金材を採用したことを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0016】
【発明の作用及び効果】
マグネシウム材若しくはマグネシウム合金材の一面若しくは複数面に純アルミニウム材若しくはアルミニウム合金材が被覆されているから、アルミニウムに対して行なわれる表面処理が可能となり、マグネシウム材でありながらアルミニウム材と同等の耐腐食性を有する合金材となる。
【0017】
即ち、本発明のアルミニウム被覆マグネシウム合金材は、表面処理としてアルミニウム合金ですでに確立しているクロメート処理,陽極酸化,アルマイト処理などを施すことが可能で、よってプレス加工品,鍛造加工品などのマグネシウム製品にコスト安で耐腐食性を付与することができる。
【0018】
また、アルミニウム材若しくはアルミニウム合金材の厚さが制限されていることにより、本発明のアルミニウム被覆マグネシウム合金材は、マグネシウム材本来の特性も発揮することになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、以下に説明する。
【0020】
本実施例は、アルミニウム材若しくはアルミニウム合金材の表面処理をそのまま施すことができるアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法に係るものである。
【0021】
以下、更に具体的に詳述する。
【0022】
[実施例1]
板状の展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0023】
この展伸用純マグネシウム材の一面に、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さで純アルミニウム材を被覆し、アルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0024】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウム材を被覆しても良い。
【0025】
[実施例2]
板状の展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0026】
この展伸用純マグネシウム材の一面に、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さでアルミニウム合金材を被覆し、アルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0027】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金材を被覆しても良い。
【0028】
[実施例3]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む板状の展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0029】
この展伸用マグネシウム合金材の一面に、該展伸用マグネシウム合金材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さで純アルミニウム材を被覆し、アルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0030】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウム材を被覆しても良い。
【0031】
[実施例4]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む板状の展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0032】
この展伸用マグネシウム合金材の表面に、該展伸用マグネシウム合金材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さでアルミニウム合金材を被覆し、アルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0033】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金材を被覆しても良い。
【0034】
[実施例5]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0035】
一方、純アルミニウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0036】
続いて、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面と前記純アルミニウム材の清浄面とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用純マグネシウム材と該純アルミニウム材とが一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0037】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウム材を被覆しても良い。
【0038】
[実施例6]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0039】
一方、マグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0040】
続いて、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面と前記アルミニウム合金材の清浄面とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用純マグネシウム材と該アルミニウム合金材とが一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0041】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金材を被覆しても良い。
【0042】
[実施例7]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、表面を清浄する。
【0043】
一方、純アルミニウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0044】
続いて、前記展伸用マグネシウム合金材の清浄面と前記純アルミニウム材の清浄面とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用マグネシウム合金材と該純アルミニウム材とが一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0045】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウム材を被覆しても良い。
【0046】
[実施例8]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0047】
一方、蒸着,メッキ,溶射,浸漬などの手段で表面に亜鉛が被覆された純アルミニウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0048】
続いて、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面と前記純アルミニウム材の清浄面(亜鉛被覆面)とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用純マグネシウム材と該純アルミニウム材とが亜鉛を介して一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0049】
蒸着は、真空蒸着,イオンプレーティング若しくはスパッタリング等の物理蒸着を用いる(他の実施例も同様である。)。
【0050】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウム材を被覆しても良い。
【0051】
[実施例9]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、表面を清浄する。
【0052】
一方、蒸着,メッキ,溶射,浸漬などの手段で表面に亜鉛が被覆された純アルミニウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0053】
続いて、前記展伸用マグネシウム合金材の清浄面と前記純アルミニウム材の清浄面(亜鉛被覆面)とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用マグネシウム合金材と該純アルミニウム材とが亜鉛を介して一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0054】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム材を被覆しても良い。
【0055】
[実施例10]
蒸着,メッキ,溶射,浸漬などの手段(浸漬が最も良い)で表面に亜鉛が被覆された展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0056】
一方、純アルミニウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0057】
続いて、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面(亜鉛被覆面)と前記純アルミニウム材の清浄面とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用純マグネシウム材と該純アルミニウム材とが亜鉛を介して一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0058】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウム材を被覆しても良い。また、展伸用純マグネシウム材の代わりにアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材を用いた場合も同様である。
【0059】
[実施例11]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、表面を清浄する。
【0060】
一方、マグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0061】
続いて、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面と前記アルミニウム合金材の清浄面とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用純マグネシウム材と該アルミニウム合金材とが一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0062】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金材を被覆しても良い。
【0063】
[実施例12]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、表面を清浄する。
【0064】
一方、マグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0065】
続いて、前記展伸用マグネシウム合金材の清浄面と前記アルミニウム合金材の清浄面とを互いの接触面に空気が流入しないように真空若しくは無酸化雰囲気で接触させ、続いて、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工を行って10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することにより、該展伸用マグネシウム合金材と該アルミニウム合金材とが一体化したアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0066】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金材を被覆しても良い。
【0067】
[実施例13]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄にした後、真空槽内に置き、真空槽内の別の箇所に置いた坩堝に純アルミニウム材を入れ、これを加熱溶解することで純アルミニウムの蒸気を発生させ、この蒸気を前記純展伸用マグネシウム材の清浄面に蒸着せしめることで展伸用純マグネシウム材の一面に純アルミニウムの被覆層が形成されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0068】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウムを蒸着しても良い。
【0069】
[実施例14]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄にした後、真空槽内に置き、真空槽内の別の箇所に置いた坩堝にマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0%含むアルミニウム合金材を入れ、これを加熱溶解することでアルミニウム合金の蒸気を発生させ、この蒸気を前記展伸用純マグネシウム材の清浄面に蒸着せしめることで展伸用純マグネシウム材の一面にアルミニウム合金の被覆層が形成されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0070】
この際、蒸気源として用いるアルミニウム合金材は、マグネシウム及びマンガンを含むものを用いる場合と、アルミニウム,マグネシウム及びマンガンを含むものを用いる場合がある。
【0071】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金を蒸着しても良い。
【0072】
[実施例15]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム,リチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄にした後、真空槽内に置き、真空槽内の別の箇所に置いた坩堝に純アルミニウム材を入れ、これを加熱溶解することで純アルミニウムの蒸気を発生させ、この蒸気を前記純展伸用マグネシウム材の清浄面に蒸着せしめることで展伸用純マグネシウム材の一面に純アルミニウムの被覆層が形成されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0073】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウムを蒸着しても良い。
【0074】
[実施例16]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム,リチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄にした後、真空槽内に置き、真空槽内の別の箇所に置いた坩堝にマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0%含むアルミニウム合金材を入れ、これを加熱溶解することでアルミニウム合金の蒸気を発生させ、この蒸気を前記展伸用純マグネシウム材の清浄面に蒸着せしめることで展伸用純マグネシウム材の一面にアルミニウム合金の被覆層が形成されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0075】
この際、蒸気源として用いるアルミニウム合金材は、マグネシウム及びマンガンを含むものを用いる場合と、アルミニウム,マグネシウム及びマンガンを含むものを用いる場合がある。
【0076】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金を蒸着しても良い。
【0077】
[実施例17]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、清浄にした後、該清浄面に、作動ガスとしてアルゴンガスを用いたプラズマジェットにより純アルミニウム粉末を溶射することで、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さで純アルミニウムが被覆されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0078】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金を蒸着しても良い。
【0079】
[実施例18]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、清浄にした後、該清浄面に、作動ガスとしてアルゴンガスを用いたプラズマジェットによりマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金粉末を溶射することで、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さでアルミニウム合金が被覆されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0080】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金を蒸着しても良い。
【0081】
[実施例19]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、清浄にした後、該清浄面に、作動ガスとしてアルゴンガスを用いたプラズマジェットにより純アルミニウム粉末を溶射することで、該展伸用マグネシウム合金材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さで純アルミニウムが被覆されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0082】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に純アルミニウムを蒸着しても良い。
【0083】
[実施例20]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、清浄にした後、該清浄面に、作動ガスとしてアルゴンガスを用いたプラズマジェットによりマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金粉末を溶射することで、該展伸用マグネシウム合金材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さでアルミニウム合金が被覆されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0084】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面にアルミニウム合金を蒸着しても良い。
【0085】
[実施例21]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0086】
一方、直径0.5〜1.0mmの鉄粒を純アルミニウムの溶湯中を通過せしめることにより、鉄芯入りの純アルミニウムの小粒を作成する。
【0087】
この小粒を高圧ガスとともに噴射させるか若しくは機械的に投射することにより、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面に純アルミニウムの被覆層を形成することでアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0088】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記小粒を噴射若しくは投射する方法でも良い。
【0089】
[実施例22]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0090】
一方、直径0.5〜1.0mmの鉄粒をアルミニウム合金の溶湯中を通過せしめることにより、鉄芯入りのアルミニウム合金の小粒を作成する。
【0091】
この小粒を高圧ガスとともに噴射させるか若しくは機械的に投射することにより、前記展伸用純マグネシウム材の清浄面にアルミニウム合金の被覆層を形成することでアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0092】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記小粒を噴射若しくは投射する方法でも良い。
【0093】
[実施例23]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0094】
一方、直径0.5〜1.0mmの鉄粒を純アルミニウムの溶湯中を通過せしめることにより、鉄芯入りの純アルミニウムの小粒を作成する。
【0095】
この小粒を高圧ガスとともに噴射させるか若しくは機械的に投射することにより、前記展伸用マグネシウム合金材の清浄面に純アルミニウムの被覆層を形成することでアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0096】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記小粒を噴射若しくは投射する方法でも良い。
【0097】
[実施例24]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨し、該一面を清浄する。
【0098】
一方、直径0.5〜1.0mmの鉄粒をアルミニウム合金の溶湯中を通過せしめることにより、鉄芯入りのアルミニウム合金の小粒を作成する。
【0099】
この小粒を高圧ガスとともに噴射させるか若しくは機械的に投射することにより、前記展伸用マグネシウム合金材の清浄面にアルミニウム合金の被覆層を形成することでアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0100】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記小粒を噴射若しくは投射する方法でも良い。
【0101】
[実施例25]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨して清浄面とした後、該清浄面に、純アルミニウムの粉末を、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さに相当するだけ堆積させ、続いて、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、更に、耐熱性平板工具を用いて加圧圧縮変形させ、前記粉体同志を接合させると同時に、該粉体を展伸用純マグネシウム材の表面に接合させて被覆層を形成することによりアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0102】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記純アルミニウムの粉末を堆積する方法でも良い。
【0103】
[実施例26]
展伸用純マグネシウム材の一面を研磨して清浄面とした後、該清浄面に、マグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金粉末を、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さに相当するだけ堆積させ、続いて、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、更に、耐熱性平板工具を用いて加圧圧縮変形させ、前記粉体同志を接合させると同時に、該粉体を展伸用純マグネシウム材の表面に接合させて被覆層を形成することによりアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0104】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記アルミニウム合金の粉末を堆積する方法でも良い。
【0105】
[実施例27]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨して清浄面とした後、該清浄面に、純アルミニウムの粉末を、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さに相当するだけ堆積させ、続いて、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、更に、耐熱性平板工具を用いて加圧圧縮変形させ、前記粉体同志を接合させると同時に、該粉体を展伸用純マグネシウム材の表面に接合させて被覆層を形成することによりアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0106】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記純アルミニウムの粉末を堆積する方法でも良い。
【0107】
[実施例28]
アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材の一面を研磨して清浄面とした後、該清浄面に、マグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金粉末を、該展伸用純マグネシウム材の垂直方向厚さの0.1〜10%の厚さに相当するだけ堆積させ、続いて、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、更に、耐熱性平板工具を用いて加圧圧縮変形させ、前記粉体同志を接合させると同時に、該粉体を展伸用純マグネシウム材の表面に接合させて被覆層を形成することによりアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0108】
尚、清浄する面を複数面とし、この複数面に前記アルミニウム合金の粉末を堆積する方法でも良い。
【0109】
以上の実施例25〜28は、純アルミニウムの粉末やアルミニウム合金の粉末を加熱する際、真空若しくは無酸化雰囲気中でプラズマレーザーや電子ビームなどにより純マグネシウム若しくはマグネシウム合金の溶解温度以下の温度、即ち、約660℃以下に該粉末を加熱して溶解し、被覆層を形成する方法で置き換えることも可能である。
【0110】
[実施例29]
マグネシウムの溶解温度である約660℃以下の約600℃で溶湯になるアルミニウム合金、例えば、マグネシウムを約10wt%含むアルミニウム合金や、リチウムを約11.7wt%含むアルミニウム合金を坩堝中で溶解し、その溶湯中に、表面を研磨して清浄にした展伸用純マグネシウム材を15秒以下の短時間浸漬させ、該展伸用純マグネシウム材の表面にアルミニウム合金の被覆層が形成されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0111】
[実施例30]
マグネシウムの溶解温度である約660℃以下の約600℃で溶湯になるアルミニウム合金、例えば、マグネシウムを約10wt%含むアルミニウム合金や、リチウムを約11.7wt%含むアルミニウム合金を坩堝中で溶解し、その溶湯中に、表面を研磨して清浄にしたアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材を15秒以下の短時間浸漬させ、該展伸用マグネシウム合金材の表面にアルミニウム合金の被覆層が形成されたアルミニウム被覆マグネシウム合金材を製造する。
【0112】
以上の各実施例によれば、いずれもアルミニウム被覆マグネシウム合金材のプレス加工品,鍛造品に対し、アルミニウム合金で既に確立しているクロメート処理,陽極酸化,アルマイト処理などの表面処理を適用することができ、展伸用純マグネシウム材や、アルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含む展伸用マグネシウム合金材に対して耐腐食性を付与する上で従来は不可欠であった塗装工程を省く事ができる。
【0113】
また、アルミニウムの層の厚さは限定されているから、絞り特性等の展伸用のマグネシウム材に要求される特性も十分発揮される。
【0114】
尚、前記クロメート処理,陽極酸化,アルマイト処理などは、アルミニウムの表面処理方法としてその技術は既に確立しており、また耐腐食性の点からも信頼される表面処理法である。
【0115】
以下、上記各実施例の効果を裏付ける実験例について詳述する。
【0116】
[実験例1(実施例7の実験例)]
アルミニウム3wt%,亜鉛1wt%を含むマグネシウム合金AZ31熱間押出し板の厚さ2.5mm,幅150mmの板の両面を研磨した後、その両面に表面を清浄にした厚さ0.5mmの工業用純アルミニウム1100の焼なまし板を全面に接触させ、更に真空中で周囲を溶接することで、アルミニウムで真空パックした厚さ3.5mm,幅165mmAZ31材を作成した。ついで炉中400℃で30分加熱して1パスで2.9mmの厚さに圧延し、以後厚さ2mmまでは毎回400℃に30分加熱して4パスで圧延し、さらに厚さ約0.8mmまでは毎回400℃に15分加熱して6パスで圧延した。
【0117】
この熱間圧延では板面にふくれを生ずることなく、平坦で美麗な長尺板を得ることができた。
【0118】
また、工業用純アルミニウムとマグネシウム合金AZ31の接合部には図1の光学顕微鏡組織写真(100倍)に示すように厚さ0.015mmの拡散層が形成され、欠陥なく完全に接合されたことが示された。この接合部における金属合金元素のアルミニウム,マグネシウム,亜鉛の分布は図2のX線マイクロアナライザーのとおりであり、厚さ約0.015mmの拡散合金層が形成され、接合は無理なく完全に達成されたといえる。
【0119】
図3に深絞り性試験に用いたダイセットの概略構造を示すが、このダイセットを用いて行なった絞り比DRの試験温度による変化は図4の符号Bに示すとおりであり(符号Aは、通常のAZ31。尚、各材の板厚は0.8mm。)、アルミニウムを被覆していないマグネシウム合金AZ31板の限界絞り比LDR3.0(250℃において)に比べて2.5(250℃において)で、僅かに劣るが、実用深絞りプレス加工においてなんら問題はない。ここで絞り比DRは円形ブランクの直径DOとパンチ直径dpの比DO/dpで示され、限界絞り比LDRは深絞り可能な最大ブランク直径DOmaxとパンチ直径dの比DOmax/dで示される。
【0120】
尚、図3中、符号1はブランク、2は上型、3は下型、4はパンチ、5はヒーター、6は断熱板、7は伝熱板、8は冷却水、9は熱電対である。また、図4中たて軸はDR、よこ軸はダイス温度(℃)である。
【0121】
また、図4中、符号Cは後記実験例2の試験結果である。
【0122】
[実験例2(実施例9の実験例)]
アルミニウム3wt%,亜鉛1wt%を含むマグネシウム合金AZ31熱間押出し板の厚さ2.5mm,幅150mmの板の両面を研磨し、一方、厚さ0.5mmの工業用純アルミニウム1100の焼きなまし板の表面を清浄し、その片面に0.5μmの厚さに亜鉛をメッキしたアルミニウム板を設け、このアルミニウム板を前記AZ31熱間押出し板全面に当てて真空中で周囲を溶接することにより、アルミニウムで真空パックした厚さ3.5mm,幅165mmのAZ31材を作成した。ついで350℃の炉中で30分加熱して1パスで2.9mmの厚さに圧延し、以後厚さ2mmまでは毎回350℃で30分加熱し、厚さ2mm以下は毎回350℃で15分加熱して実験例1と同様の工程で圧延して、厚さ0.8mmの板を得た。
【0123】
深絞り成形性試験の結果は図4の符号Cに示すとおりであり、[実験例1]と全く同一の結果であり、限界絞り比LDR2.5であった。
【0124】
[実験例3(実施例7の実験例その2)]
直径23.3mm,厚さ0.5mm,高さ10mmの内面を研磨して清浄にした工業用純アルミニウム1100の底付き円筒に、直径23.3mm,高さ9.5mmの3重量%アルミニウム,1重量%亜鉛を含むマグネシウム合金AZ31円柱を挿入、嵌合させ、図5に示す金型20のコンテナー21中にセットし、金型20を400℃に加熱してパンチ22を用いて逆押出しを行い、外周面がアルミニウムクラッド23の底付きマグネシウムパイプ24を成形した。
【0125】
図6に接合部の光学顕微鏡組織写真(100倍)を示す。アルミニウムとマグネシウムの接合部には厚さ約0.01mmの拡散層が確実に形成されており、マグネシウムとアルミニウムとの接合が完全に達成されている。
【0126】
[実験例4(実施例12の実験例)]
アルミニウム3wt%,亜鉛1wt%を含むマグネシウム合金AZ31熱間押出し板の厚さ2.5mm、幅150mmの板の両面を研磨し、一方、厚さ0.5mmの非熱処理形アルミニウム合金3004(標準組成マンガン1.2wt%,マグネシウム1.0wt%)の焼きなまし板の表面を清浄にし、このアルミニウム焼なまし板を前記マグネシウム合金板の全面に当てて真空中で周囲を溶接し、アルミニウム合金で真空パックした厚さ3.5mm,幅165mmのAZ31板を作成した。以後[実験例1]と同じ圧延工程で圧延し、厚さ0.8mmの板を得た。
【0127】
アルミニウム合金3004とマグネシウム合金AZ31の接合部には図7の光学顕微鏡写真(100倍)に示すように厚さ0.05mmの拡散層が形成され、欠陥なく完全に接合していた。
【0128】
また、マグネシウム合金AZ31に対して非熱処理形アルミニウム合金5083を溶接した場合も全く同様であった。
【0129】
[実験例5(実施例7の実験例その3)]
内面を研磨し、清浄にした外径23mm,肉厚0.5mmの工業用純アルミニウムの電縫管11に、外面を研磨、清浄にした同一のアルミニウム3wt%,亜鉛1wt%を含むマグネシウム合金AZ31の外径21mm,肉厚2.5mmの熱間押出し管12を挿入し、更に直径15mmの合金鋼芯金13を挿入し、図8に示すようにセットして400℃の雰囲気温度で超硬合金ダイス14を通して引抜き加工を行い、外径21mm,肉厚3mmのアルミニウム被覆AZ31合金パイプを得た。
【0130】
尚、その他の実施例について実験を行った場合でも、同様に、良好なアルミニウム被覆マグネシウム合金材が得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実験例1の接合部の光学顕微鏡組織写真である。
【図2】 実験例1の金属合金元素の分布を示すX線マイクロアナライザーである。
【図3】 深絞り性試験に用いたダイセットの構造を示す説明図である。
【図4】 絞り比DRの試験結果である。
【図5】 実験例3の熱間押出しによる接合法の説明図である。
【図6】 実験例3の接合部の光学顕微鏡組織写真である。
【図7】 実験例4の接合部の光学顕微鏡組織写真である。
【図8】 実験例5の熱間ダイス引抜きによる接合法の説明図である。

Claims (6)

  1. マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材と、蒸着,メッキ,溶射若しくは浸漬などの手段で表面に亜鉛を被覆した純アルミニウム材またはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム材とを互いの接触面に空気が流入しないよう真空若しくは無酸化状態で接触させた後、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工により10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法。
  2. マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材の表面に、蒸着,メッキ,溶射若しくは浸漬などの手段で亜鉛を被覆し、このマグネシウム材またはマグネシウム合金材と、純アルミニウム材またはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含む非熱処理アルミニウム材とを互いの接触面に空気が流入しないよう真空若しくは無酸化状態で接触させた後、150〜450℃に加熱して圧延,押出し,引抜き若しくは圧縮加工し、一回若しくは複数回の前記加工により10〜90%圧縮変形を与えて両者を接合する事を特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法。
  3. マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材の表面に、純アルミニウム材またはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%を含むアルミニウム合金材を蒸着若しくは溶射してアルミニウム被覆層を形成し、その後、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、加圧圧縮変形させて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法。
  4. マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0%wt含むマグネシウム合金材の表面に、鉄芯入りの純アルミニウムまたは鉄芯入りで且つマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金の小球を投射して被覆層を形成し、その後、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、加圧圧縮変形させて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法。
  5. マグネシウム材またはアルミニウム,亜鉛,マンガン,ジルコニウム及びリチウムの任意の一つ若しくは複数の元素を0.0〜15.0wt%含むマグネシウム合金材の表面に、純アルミニウムまたはマグネシウム及びマンガンの少なくとも一つを0.0〜5.0wt%含むアルミニウム合金の粉体を堆積させた後、真空若しくは無酸化雰囲気中で150〜450℃に加熱し、加圧圧縮変形させて両者を接合することを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載のアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法において、前記マグネシウム材若しくは前記マグネシウム合金材として、展伸用マグネシウム材を使用した板状のマグネシウム材若しくは展伸用マグネシウム合金材を使用した板状のマグネシウム合金材を採用したことを特徴とするアルミニウム被覆マグネシウム合金材の製造方法。
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