JP4117029B2 - ハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼイヘリ デンスから精製された抽出物、その製造方法及びその使用 - Google Patents

ハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼイヘリ デンスから精製された抽出物、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

茶及びハルパゴフィタム プロカンベンス(Harpagophytum procumbens)からの抽出物は、様々な症状、例えば、様々な種類の消化不良、リウマチ性疾患、産科系のもの、損傷治癒、動脈石灰化像、アレルギー疾患等のために長い間民間医療において推奨されてきた。
植物、その成分及びその化学構造については多く報告されているが、それに比べて、薬理学的/毒物学的な研究は数が少ない。文献調査は、エルファルングセイルカンデ(Erfahrungsheilkunde)2、1995、ページ74から79に見ることができる。水、メタノール及びn-ブタノールによる第2根(the secondary root)からの様々な抽出物の研究は、A.Erdosらの「Planta medica」、Journal of Medicinal Plant Research、1978、vol.34、ページ97から108に見ることができる。この研究は、上記の様な抽出物は、アセチルサリチル酸よりも低いアレルギー作用を顕著に低下させる培地効果(medium-patent)を有するという早期報告を支持するものである。更に、この研究は、グリコシド ハルパゴシド(harpagoside)は、達成された鎮痛性及び消炎性効果に寄与している唯一の物質ではない可能性があるという結論にも導いた。この証拠は、全ての実験的モデルにおいて他の抽出物よりも顕著なより良い効果を有することができなかった、85%のハルパゴシドを含む高度精製抽出物H25C3の活性により与えられた。
ラディックス ハルパゴフィチ(Radix Harpagophyti)からの抽出物のリウマチ性疾患の治療における適性についての調査から(ウェンゼル(Wenzel)、P.、ウェジェナー(Wegener)、T.、DAZ 135、1131-1144)、ハルパゴフィタム抽出物は培地効果の沈痛性及び強い消炎性活性を有していることが示された。両方の分野のために、概して、シクロオキシゲナーゼ活性の阻害により実験的に測定された活性の機構が主張されている(シメット(Simmet)ら、Thrombosis Res.67、123-134、1992)。
本発明の第一の目的は、高度に精製されたハルパゴシドよりも高い効率を有する可能性のあるハルパゴフィタム プロカンベンス(Harpagophytum procumbens)から精製された及び可能なかぎり標準化された抽出物を提供することにある。本発明の更なる目的は、他の適する出発材料の使用することにある。
これらの目的は、驚くべきことに、水性及び/又は水性/アルコール性(C1-C3)抽出物スピッサム(spissum)及び/又は乾燥抽出物をn-ブタノールにより飽和された水に溶解し、水で飽和されたn-ブタノールで抽出し、かつ、真空でn-ブタノールを除去することにより得ることができる抽出物により達成された。n-ブタノールはできる限り完全に除去する。ハルパゴフィタム プロカンベンスに加えて、ハルパゴフィタム ゼイヘリ デンス(Harpagophytum zeyheri DENCE)も実質的に同様の結果を得るために使用することができることが更に発見された。従って、これらの2つの出発薬物のみ又は混合物を使用することがいずれの場合にも可能である。
上記抽出物が、既に知られている及び以前使用されていた抽出物よりも何故効果的であるのかは現在明らかにはされていない。グリコシドそのものは効果がないか、又は弱い効果のみを有すると示されていたため、文献から、ハルパゴシドを高濃縮する方法が有効であると予想することはできなかった。現在まで証明されていない可能な1説は、実際の活性素因はハルパゴシドではなく、高度に精製された場合に少なくとも部分的にハルパゴシドに混入される物質又は物質群であるという説である。もう1つの可能な説は、様々な原因から共働作用をすることができる相互依存的に作用する1以上の共存物質があるという説である。共存物質は、同様に効果的である第2の又はそれ以上の物質又は胃腸系のハルパゴシドの生物学的有効性又は安定性を増加させる1以上の物質である可能性もある。最後に、本発明の方法により、アンタゴニストのように活性に影響を与える物質を多重成分混合物から消耗又は除去することができるというものである。
これらの説の1つは、クロマトグラフィーによる実験において、水性抽出物、水性/アルコール性抽出物、n-ブタノール抽出物及び本発明の抽出物をはっきりと分類することができるという事実により支持される。本発明によれば、ハルパゴシドの成分は、純粋n-ブタノールによる抽出物におけるものと同じ次数(order)の量である。しかしながら、純粋n-ブタノール抽出物の効果は、本発明の抽出物の効果よりも明らかに低い。水性又は水性/アルコール性(C1-C3)混合物は、高収率で植物材料から実際に活性である素因又は相互依存的な作用素因を抽出する能力がある可能性がある。そして、それらが抽出された後には、抽出物は容易にn-ブタノールに溶解し、従って、ハルパゴシドと共に濃縮される。
ハルパゴシド単独で活性であるかということは現在まだ観察されていないが、ハルパゴシド含有量は本発明の調製物の「標準化」のために使用することができる。まだ完成していない更なる研究は、本発明の抽出物の更に優れた消炎性及び鎮痛性作用がどこに基づいているのかを見つけることを課題にしている。第二物質又は物質群のみに活性が基づいているのか、又はハルパゴシドに共働作用があるのかを解明することも可能になるであろう。
しかし、実施においては、ハルパゴフィタム プロカンベンス及びハルパゴフィタム ゼイヘリ デンスの両方から調製することができる精製された優れて効果的な標準化抽出物を提供する方法は、既に顕著な進歩である。
これらの抽出物は最初に経口投与形態、例えば、タブレット、カプセル、ジュース、シロップ又は溶液に加工することができる。
従って、本発明は、精製された抽出物のみを含むのではなく、それらの調製方法及び気管支喘息、大腸炎潰瘍、モルバス コロン(Morbus Crohn)、リウマチ型疾患、及び薬剤、他の物質又は疾病により起こるリポキシゲナーゼレベルの増加が見られる症状の治療のための薬剤の調製のための使用を含む。
本発明の方法は、更に詳しく下記の実施例において例示される。
実施例1
ハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼイヘリ デンスの乾燥第2保存根(secondary storage roots)200kgは、ミルで粒子サイズが12mmよりも小さく、好ましくは8から10mmになるように粉砕される。2100kgの水を添加した後、混合物は、大まかに70から85℃で16時間濾過される。上記方法で得られた抽出物は、55℃で150mbarの低圧力下で乾燥物質含有量を65から75%にされる。ハルパゴシド含有量は、約1.0から1.5%である。
上記の得られた水性ピルラー(pillular)抽出物(一次抽出物)約180kgは、乾燥含有量の10倍のn-ブタノールで飽和された水と混合される。抽出物は、攪拌して完全に溶解され、水で飽和されたn-ブタノールの同体積フラクションを用いて、30℃で液体/液体抽出にかけられる。続いて、相分離が行われる。下の水相は、更に2回半分の体積n-ブタノールをそれぞれ用いて液体/液体抽出にかけられる。
3つの抽出それぞれから得られたブタノール相は混合され、再度ブタノールで飽和された水により洗浄される。混合されたブタノール相は、続いて約50から60℃で、150から200mbarの低圧力下で、固体含有量が少なくとも50%である濃縮物が得られるまで蒸発させる。
上記のように得られた約16kgのピルラー抽出物(二次抽出物)は、60から80℃で、スプレー乾燥装置で本来そうであったように乾燥される。n-ブタノールは、実験において完全に除去される。得られた乾燥抽出物は粉砕される。本発明の乾燥抽出物は、HPLCからハルパゴシド含有量は約15から30%であり、約25から35:1の薬物対抽出物の比(DER)を有している。
実施例2
実施例1により得られた水性ピルラー抽出物(一次抽出物)約180kgは、約80℃でスプレー乾燥法により乾燥される。30分間垂直ミキサーで処理し、それに続いて最良の粒子サイズ、<1mmなるように粉砕して、均一な乾燥抽出物(一次抽出物)を調製する。このハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼンヘリ デンスの乾燥水性抽出物は、約10倍のn-ブタノールで飽和された水に溶解される(出発溶液)。この出発溶液は濾過され、同量の水で飽和されたn-ブタノールにより分離される。相分離が起こる。上層のブタノール相は、ブタノールで飽和された水(比率1:1 v/v)で再洗浄される。下層の水相は更に2回、合計で3回、水で飽和されたブタノールで抽出される。混合されたブタノール相は真空で乾燥するまで蒸発させる(200mbar、60℃)。水相も混合され、濃縮される。出発溶液との比較実験で、水相及びブタノール相につて以下の結果を得た。
Figure 0004117029
この表から、水で飽和されたブタノールを用いた液体/液体抽出では、純粋なブタノール抽出により得られる濃度と同様の収率の、ハルパゴシドの選択的な濃縮を得られることが示された。
しかしながら、本発明の方法では、乾燥物質の大部分の量及びそこに含まれる二次材料、例えば糖は水相に残り、一方ハルパゴシド、他のイリドイド(iridoid)化合物及び他の活性成分はn-ブタノール相に移動する。
実施例3
ハルパゴフィタム プロカンベンス デ カンドール(DE CANDOLLE)及び/又はハルパゴフィタム ゼンヘリ デンスの乾燥二次保存根200kgは、粒子の大きさが8から10mmになるようにミルで粉砕される。90%(v/v)エタノール約3600kgの添加の後、混合物は、大まかに20から30℃で16時間濾過される。55℃で150mbarの低圧力下で、上記のように得られた抽出物の乾燥物質含有量を<95%にする。これにより、6から12:1のDERを有する20から30kgの乾燥抽出物が得られる。ハルパゴシド含有量は約1から1.5%である。上記で使用された約180kgのExtr.ハルパゴフィタムe rad.spir.sicc.は、更に実施例1に記載されているように加工される。
ハルパゴシド含有量は11.6m/m〔%〕であり、最初の抽出物の分量は0.9gであり、抽出された物質の収率は8.6%である。ハルパゴシドの分量は0.112gである。収率は93.4%である。薬物対抽出物の比DERnativeは、出発溶液で3:1、ブタノール相で32:1である。
従って、この抽出物は更に高濃縮ハルパゴシドを含有している。上記のように得られた抽出物のHPLCクロマトグラムは、実施例1及び2の抽出物のものと非常に類似している。
シメット(Simmet)及びロエウ(Loew)博士による、水相のみの抽出物、n-ブタノールのみの抽出物及び本発明の抽出物の薬理学的比較研究は、同じ濃度のハルパゴシドを有するn-ブタノール抽出物と比較して、本発明の抽出物は明らかに高い効率を持つことを明らかにした。
以下の抽出物が試験された。
Figure 0004117029
抽出物のシステイニル-LT生合成及びトロンボキサンB2生合成に対する影響が試験された。健康な男性対象(20から25歳)の全血液のそれぞれ2mlは、ヘパリン、10E/ml(最終濃度)により血液凝固を阻止され、対応する試験抽出物と共に37℃でポリスチレンチューブで15分間予備インキュベイションされる。この期間の後、イオノフォル(Ionophor)A23187、10μM(最終濃度)が添加され、インキュベイションが37℃で更に60分間続けられた。遠心の後、血漿は除去され、1つのアリコットを残して、予め冷却された(−20℃、30分間)アセトンを用いてタンパク質沈殿が行われた。サンプルは、低圧力下でロータベーターにより濃縮され、10mMのトリス緩衝液、pH7.4で再度懸濁される。この物質は、システイニル-ロイコトリエン(LT)の放射免疫分析のために使用された。抗-システイニル-LT抗体は主としてLTC4を認識するが、LTD4及びLTE4による交差反応のそれぞれ70%を担っている。標準曲線はLTC4により作成された。トロンボキサン(TX)B2は、血漿サンプルのアリコットの放射免疫法により直接観察された。結果は図1及び2にまとめられている。
トロンボキサンB2生合成における効果は同じであるが、システイニル-LT生合成は明らかに異なっており、本発明の抽出物6番は明らかにより効果的であり、より選択的であるという結果を得た。
本発明の抽出物は、気管支喘息、大腸炎潰瘍、モルバス コロン、リウマチ型疾患の症状及び薬剤、他の物質、又は疾患により起こるリポゲナーゼレベルの増加が見られる症状のために使用することができる。
対照的に、100%メタノールによる抽出物(抽出物5番)の更なる薬理学的研究は、システイニル-LT生合成における顕著な効果を有しておらず、一方、実施例3の抽出物(抽出物8)は実施例2の抽出物6番と同様の高い活性を示した。
人工胃液及び腸液の研究は、ハルパゴシドは少なくとも2時間、純粋な形態及び希釈形態の両方において安定であることを示した。薬物動力的研究は、最高の血液レベルは、200から800mgの間の量の実施例2の抽出物の投与による吸収の後、1から4時間以内に観察されることを示した。

Claims (3)

  1. 水性及び/又は水性/アルコール性(C1-C3)ピルラー及び/又は乾燥抽出物をn-ブタノールにより飽和された水に溶解し、水で飽和されたn-ブタノールで抽出し、及び真空でn-ブタノールを除去することにより得ることができるハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼンヘリ デンスから精製された抽出物。
  2. 水性及び/又は水性/アルコール性ピルラー及び/又は乾燥抽出物をn-ブタノール飽和された水に溶解し、かつ、得られた溶液を水で飽和されたn-ブタノールで抽出し、続いて真空でn-ブタノールを除去することを特徴とするハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼンヘリ デンスからの精製された抽出物の調製方法。
  3. 気管支喘息、大腸炎潰瘍、モルバス コロン、リウマチ型疾患、及び薬剤、他の物質又は疾病により起こるリポキシゲナーゼレベルの増加が見られる症状の治療のための薬剤の調製のための請求項1に記載のハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼイヘリデンスから精製された抽出物の使用。
JP54149897A 1996-05-18 1997-05-15 ハルパゴフィタム プロカンベンス及び/又はハルパゴフィタム ゼイヘリ デンスから精製された抽出物、その製造方法及びその使用 Expired - Fee Related JP4117029B2 (ja)

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