JP4116931B2 - オゾン処理方法及びオゾン処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水処理施設におけるオゾン処理方法及びオゾン処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の浄水処理は、主に脱臭や殺菌、有機物やその他の不純物(アンモニア、鉄、マンガン等)の酸化除去等を目的としてオゾンを水中に散気させる、いわゆるオゾン処理をその工程途中に組み入れている場合が多い。図3はこの浄水処理の一例を示すフロー図である。この例では、原水に先ず凝集剤を注入して濁質を凝集沈殿させ、その上澄水に対して最初のオゾン処理(第1オゾン処理)を行っており、急速砂濾過処理をしてから二度目のオゾン処理(第2オゾン処理)を行っている。オゾン処理を施した際には、そのときに生成される副生成物を吸着するべく後工程に活性炭処理を併用するのが一般的であり、この活性炭処理がなされた後に塩素が注入され、浄水として上水道に供給される。なお、各処理の順序や有無は浄水場の仕様によって異なることも多く、例えばオゾン処理についても、その回数を一回のみ行う場合や凝集沈殿処理の前に行う場合等、様々な仕様が考えられる。
【0003】
オゾン処理は、槽(以降、オゾン反応槽という)に処理対象水(以降、これを被処理水といい、オゾン処理後のものを処理水という)を満たしたうえで、このオゾン反応槽の底部に設けた散気管からオゾンを気泡として所定時間、供給する方式が多用されている。図4はオゾン処理設備の一構成例をフローとして示したものであり、空気源設備と、オゾン発生設備と、前記オゾン反応槽等からなるオゾン反応設備と、排オゾン処理設備とを備えた構成からなる。オゾンはオゾン反応槽で被処理水に気泡として接触することでその一部が被処理水に溶け込み、溶けなかった余剰のオゾンガスは排オゾン処理設備により無害化されたうえで大気中に放出される。なお、オゾン処理に必要な接触時間は除去対象物や槽の違いにより異なるが、有機物等を分解するためには概ね10〜20分程度の接触が必要とされている。
【0004】
オゾン反応槽は、オゾンを溶解・接触させる接触槽と、反応を更に進行させる滞留槽とからなる。散気管方式の場合は向流式オゾン接触槽が多く採用され、オゾンを散気し、被処理水を向流で接触させ反応を進行させる。槽が大型の場合は向流部を多段に配置し、最終段はオゾンを注入せず溶存オゾンによる反応の進行だけを期待する滞留槽とする場合が多い。
【0005】
さて、原水に含まれる不純物の一つとして臭素が挙げられる。この臭素は陸上の自然界ではそれ程多く存在するものではないが、海水や工業排水等が流れ込んだ河川の中には臭素イオン濃度が高くなっている場所がある。臭素とオゾンが反応すると臭素酸(BrO3 -)が生成されるが、この臭素酸は非常に安定性の高い物質であるため、後の活性炭処理でも容易には吸着除去できない。したがって、いかに臭素酸の生成を抑えつつ他の物質に対して有効な酸化除去を行うかが重要となってくる。ここで、最近では、被処理水に対するオゾン注入の管理は、処理水中に残留しているオゾンの濃度(前記滞留槽の出口付近における処理水中の濃度であり、つまり所定のオゾン処理時間が全て終了したときの濃度を指す。以降、これを溶存オゾン濃度という)を一定に制御するという方式が主流であり、浄水場によって違いはあるものの、概ね溶存オゾン濃度を0.1〜0.2mg/Lの設定値として設備を稼働させている。
【0006】
臭素はオゾンと反応する速度が有機物や他の不純物に比べて遅く、オゾン処理した場合に先ず最初に分解されるのが有機物で、次いで鉄やマンガンなどの金属物質が反応し、臭素は最終段階あたりでオゾンと反応し、臭素酸が生成されることが知られている。図5は、臭素酸濃度と溶存オゾン濃度との関係を端的に示したグラフであり、溶存オゾンが検出されはじめるに従って臭素酸が生成される様子が良く判る。したがって、処理水の溶存オゾン濃度を零の値に設定すれば、すなわち処理水にオゾンが残留しないように制御すれば臭素酸の生成を未然に防げるはずである。
【0007】
しかし、単純に溶存オゾン濃度を零の値として設定した場合、臭素酸の生成は抑えられるものの、はたしてその前段階においてオゾンが有機物等の完全な酸化除去で消費されたうえでの零の値なのか、もともとのオゾンの注入量が足りないうえでの零の値なのかが不明である。この問題は、臭素酸が生成される前の処理対象物たる有機物等の種類や濃度が常に一定であれば、予め試験を行い各種データを取得しておくことで対応できるのであるが、実際の浄水場では日や時刻によって濃度分布が大きく異なることが多い。このようなことから、ほとんどの浄水場では、この有機物等の完全な酸化除去を優先させ、多少オゾンが残留するように溶存オゾン濃度を0.1〜0.2mg/Lの設定値として管理しているのである。したがって、このような方法では臭素酸の生成は否めず、また過剰なオゾンを注入することから不経済な処理方法となる。
【0008】
以上のような溶存オゾン濃度を一定に制御する方法に対し、臭素酸の生成抑制を目的としたオゾン処理方法が特許文献1に開示されている。このオゾン処理方法は、前記オゾン反応槽の中の接触槽においてオゾンの濃度或いは吸収量を監視し、その検出結果に基づいてオゾン注入量を制御するというものであり、具体的には、トリハロメタン前駆物質等の有機物が常に一定の除去率で酸化除去されるという現象を前提として、接触槽において有機物の分解除去が一定レベルに達したらオゾンの注入量をその都度制限するという処理方法となっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−288561号公報(第4及び第5頁、図1ないし図5)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
原水中に含まれる有機物は前記したように日や時刻によってその種類が異なる場合があり、オゾンとの反応速度の点に関しても速く反応するものと遅く反応するものが混在し、河川水等によってはその種類の割合が大きく変動する場合も想定される。したがって、このような場合、特許文献1に開示された処理方法のように、オゾン処理の途中段階である接触槽において、オゾンの濃度或いは吸収率を監視するという方法では、含有される有機物の種類の変動によって誤差が生じやすいという問題がある。
【0011】
本発明は、以上のような問題を解決するために創作されたものであり、被処理水中に含まれる有機物の種類や割合の変動に対して影響を受けにくく、精度良く臭素酸の生成を抑制できるオゾン処理方法及びオゾン処理システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として試料水用オゾン反応槽に送水し、前記試料水用オゾン反応槽において試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾンを注入し、臭素酸が生成される前の酸化除去対象物が完全に酸化除去され、溶存オゾン濃度を、微量の臭素酸が生成される程度の所定値で一定となるようにオゾンの注入量を制御して、そのときの試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を求め、前記オゾン注入率を基に演算して試料水の溶存オゾン濃度が0 mg/L となる最適オゾン注入率を求め、前記最適オゾン注入率に関するデータを浄水処理工程にフィードバックさせ、浄水処理工程のオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御することにより、被処理水中の酸化除去対象物の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を行うことを特徴とするオゾン処理方法とした。
【0013】
当該方法によれば、所定値の溶存オゾン濃度のみを因子として制御する構成であるため、被処理水中に含まれる有機物の種類や割合の変動に対して影響を受けにくく、精度良く臭素酸の生成を抑制できる。
【0014】
また、浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として貯留する試料水用オゾン反応槽と、前記試料水用オゾン反応槽にオゾンを注入するオゾン発生器と、前記試料水用オゾン反応槽において試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾンを注入し、臭素酸が生成される前の酸化除去対象物が完全に酸化除去され、溶存オゾン濃度を、微量の臭素酸が生成される程度の所定値で一定となるように前記オゾン発生器を制御する制御装置と、前記所定値の溶存オゾン濃度に対応する前記制御装置の出力信号を入力し、該出力信号から試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を割り出し、該オゾン注入率から試料水の溶存オゾン濃度が0 mg/L となる最適オゾン注入率を求める演算装置と、を備え、前記最適オゾン注入率に関するデータ信号に基き、浄水処理工程のオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御することにより、被処理水中の酸化除去対象物の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を行うことを特徴とするオゾン処理システムとした。
【0015】
当該システムによれば、所定値の溶存オゾン濃度のみを因子として制御する構成であるため、被処理水中に含まれる有機物の種類や割合の変動に対して影響を受けにくく、精度良く臭素酸の生成を抑制できる。また、簡易な部品構成となるため経済的なシステムを構築できる。
【0016】
さらに、浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として貯留する試料水用オゾン反応槽と、前記試料水用オゾン反応槽にオゾンを注入するオゾン発生器と、前記試料水用オゾン反応槽において試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾンを注入し、臭素酸が生成される前の酸化除去対象物が完全に酸化除去され、溶存オゾン濃度を、微量の臭素酸が生成される程度の所定値で一定となるように前記オゾン発生器を制御する制御装置と、前記オゾン発生器から発生するオゾンの濃度を測定する発生オゾン濃度計と、前記所定値の溶存オゾン濃度に対応する前記発生オゾン濃度計の出力信号を入力し、該出力信号から試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を割り出し、該オゾン注入率から試料水の溶存オゾン濃度が0 mg/L となる最適オゾン注入率を求める演算装置と、を備え、前記最適オゾン注入率に関するデータ信号に基き、浄水処理工程のオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御することにより、被処理水中の酸化除去対象物の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を行うことを特徴とするオゾン処理システムとした。
【0017】
当該システムによれば、所定値の溶存オゾン濃度のみを因子として制御する構成であるため、被処理水中に含まれる有機物の種類や割合の変動に対して影響を受けにくく、精度良く臭素酸の生成を抑制できる。また、簡易な部品構成となるため経済的なシステムを構築できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は図3で示した浄水処理工程に本発明を適用した形態であり、必要オゾン注入量計1を用いて第1オゾン処理に適用した場合を示している。また、図2は図1に示す必要オゾン注入量計1の構成フロー図である。なお、図1の点線矢印で付記する如く、第2オゾン処理において本発明を適用することも可能であり、場合によっては第1オゾン処理及び第2オゾン処理の双方に適用しても良い。
【0019】
第1オゾン処理や第2オゾン処理に関する各処理設備は公知の構成、例えば図4で示したように、空気源設備と、オゾン発生設備と、オゾン反応槽等からなるオゾン反応設備と、排オゾン処理設備とを備えた構成からなる。オゾン反応槽はオゾンを溶解・接触させる接触槽と、反応を更に進行させる滞留槽とからなる。散気管から供給されるオゾンは被処理水に気泡として接触することでその一部が被処理水に溶け込み、溶けなかった余剰のオゾンガスは排オゾン処理設備により無害化されたうえで大気中に放出される。
【0020】
本実施の形態では、図1の点線で囲んだ浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として間欠的にサンプリングし、これを試料水用オゾン反応槽2(図2)に送水し、試料水用オゾン反応槽2において試料水の溶存オゾン濃度が所定値で一定となるようにオゾンの注入量を制御して、そのときの試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を求め、このオゾン注入率を基に演算して溶存オゾンが生じないレベルの最適オゾン注入率を求め、前記最適オゾン注入率に基づいて浄水処理工程側のオゾン反応槽においてオゾンの注入制御を行うことを主な特徴とする。
【0021】
前記試料水用オゾン反応槽2を含む必要オゾン注入量計1の一構成例について図2を参照して説明する。必要オゾン注入量計1は、試料水用オゾン反応槽2と、浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として試料水用オゾン反応槽2に送水する試料水ポンプPと、試料水用オゾン反応槽2にオゾンを注入するオゾナイザ5(オゾン発生器)と、試料水用オゾン反応槽2における溶存オゾン濃度を常時監視する溶存オゾンモニタ3と、試料水用オゾン反応槽2において溶存オゾン濃度が所定値で一定となるようにオゾナイザ5を制御する溶存オゾン濃度定値コントローラ4(制御装置)と、所定値の溶存オゾン濃度に対応する溶存オゾン濃度定値コントローラ4の出力信号S1を入力し、出力信号S1から試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を割り出し、このオゾン注入率から溶存オゾンが生じないレベルの最適オゾン注入率を求める演算装置8と、を備えている。
【0022】
試料水用オゾン反応槽2は、浄水処理工程中の被処理水の一部を貯留すれば良いため容量の小さい槽として構成される。この試料水用オゾン反応槽2は、浄水処理工程側のオゾン反応槽の擬似的役割を担うものである。
【0023】
試料水用オゾン反応槽2において、試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾナイザ5からオゾンが注入される。具体的には例えば図4に示した散気管からオゾンを気泡として試料水に供給する。オゾンの供給時間は例えば臭素酸が生成される前の酸化除去対象物(主に有機物)が完全に酸化除去され、所定値の溶存オゾン濃度が生ずるまでの時間であり、通常は従来技術で説明したように10〜20分程度である。
【0024】
そして、溶存オゾン濃度を溶存オゾンモニタ3で監視し、溶存オゾンモニタ3から出力される信号を溶存オゾン濃度定値コントローラ4に入力する。溶存オゾン濃度定値コントローラ4は溶存オゾンモニタ3から出力される信号に基いて、溶存オゾン濃度が所定値で一定となるようにオゾナイザ5におけるオゾンの発生量を制御する。
【0025】
溶存オゾン濃度の測定は、所定のオゾン処理時間が全て終了したときの濃度を測定することから、例えば試料水用オゾン反応槽2の出口付近に設けた溶存オゾン濃度測定装置(図示せず)により行う。溶存オゾン濃度測定装置としては、公知のものが使用される。所定値の溶存オゾン濃度としては、微量の臭素酸が生成される程度の濃度で良く、例えば1リットルの試料水に対して0.2mg/Lの割合でオゾンが溶存する濃度とする。
【0026】
そして、この所定値の溶存オゾン濃度(例えば0.2mg/L)に対応する溶存オゾン濃度定値コントローラ4の出力信号S1を、アイソレータ6を介して演算装置8に入力する。演算装置8はこの出力信号S1から、所定値の溶存オゾン濃度となっている試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を割り出す。したがって、この所定値の溶存オゾン濃度に対応したオゾン注入率を基礎データとして演算し、溶存オゾンが生じないレベルまで減ずる値としてやれば、オゾンが有機物等の完全な酸化除去で消費されたうえで、溶存オゾン濃度が0mg/Lとなる最適オゾン注入率を精度良く求めることができる。
【0027】
このようにして求めた最適オゾン注入率に関するデータを、プラント側オゾナイザ制御信号S3として浄水処理工程にフィードバックさせ、浄水処理工程のオゾン反応槽においてオゾンの注入を制御する構成とすれば、具体的にはオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御する構成とすれば、浄水処理工程において、有機物等の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を高精度で両立できることとなる。
【0028】
また、本実施の形態によれば、所定値の溶存オゾン濃度のみを因子として制御する構成であるため、被処理水中に含まれる有機物の種類や割合の変動に対して影響を受けにくく、精度良く臭素酸の生成を抑制できるという効果が奏される。
【0029】
なお、演算装置8に取り込む信号としては、前記出力信号S1の他に、オゾナイザ5からの発生オゾンの濃度を測定する発生オゾン濃度計7を設けることにより、所定値の溶存オゾン濃度に対応することとなるこの発生オゾン濃度計7からの出力信号S2を取り込み、これを基に演算する構成としても良い。また、説明した実施の形態では、浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として間欠的にサンプリングし、これを試料水用オゾン反応槽2に送水しているが、このサンプリングは連続的に行っても良い。
【0030】
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。演算装置8において、所定値の溶存オゾン濃度に対応したオゾン注入率から最適オゾン注入率を求める演算式や、最適オゾン注入率に関するデータをプラント側オゾナイザ制御信号S3として出力する際の補正係数処理等は、必要オゾン注入量計1及び浄水処理工程を予め試験運転し、実測した値をシミュレートして求めておくものである。
その他、本発明は、各構成要素に関するレイアウトや形状、個数等について図面に記載したものに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、被処理水中に含まれる有機物の種類や割合の変動に対して影響を受けることなく、有機物等の酸化除去及び臭素酸の生成抑制の両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した浄水処理工程のフロー図である。
【図2】必要オゾン注入量計の構成フロー図である。
【図3】従来からの浄水処理工程のフロー図である。
【図4】オゾン処理設備の一構成例を示すフロー図である。
【図5】臭素酸濃度と溶存オゾン濃度との関係を端的に示すグラフである。
【符号の説明】
1 必要オゾン注入量計
2 試料水用オゾン反応槽
4 溶存オゾン濃度定値コントローラ(制御装置)
5 オゾナイザ(オゾン発生器)
7 発生オゾン濃度計
8 演算装置
Claims (3)
- 浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として試料水用オゾン反応槽に送水し、
前記試料水用オゾン反応槽において試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾンを注入し、臭素酸が生成される前の酸化除去対象物が完全に酸化除去され、溶存オゾン濃度を、微量の臭素酸が生成される程度の所定値で一定となるようにオゾンの注入量を制御して、そのときの試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を求め、
前記オゾン注入率を基に演算して試料水の溶存オゾン濃度が0 mg/L となる最適オゾン注入率を求め、
前記最適オゾン注入率に関するデータを浄水処理工程にフィードバックさせ、浄水処理工程のオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御することにより、被処理水中の酸化除去対象物の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を行うことを特徴とするオゾン処理方法。 - 浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として貯留する試料水用オゾン反応槽と、
前記試料水用オゾン反応槽にオゾンを注入するオゾン発生器と、
前記試料水用オゾン反応槽において試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾンを注入し、臭素酸が生成される前の酸化除去対象物が完全に酸化除去され、溶存オゾン濃度を、微量の臭素酸が生成される程度の所定値で一定となるように前記オゾン発生器を制御する制御装置と、
前記所定値の溶存オゾン濃度に対応する前記制御装置の出力信号を入力し、該出力信号から試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を割り出し、該オゾン注入率から試料水の溶存オゾン濃度が0 mg/L となる最適オゾン注入率を求める演算装置と、
を備え、
前記最適オゾン注入率に関するデータ信号に基き、浄水処理工程のオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御することにより、被処理水中の酸化除去対象物の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を行うことを特徴とするオゾン処理システム。 - 浄水処理工程中の被処理水の一部を試料水として貯留する試料水用オゾン反応槽と、
前記試料水用オゾン反応槽にオゾンを注入するオゾン発生器と、
前記試料水用オゾン反応槽において試料水に溶存オゾンが発生するようにオゾンを注入し、臭素酸が生成される前の酸化除去対象物が完全に酸化除去され、溶存オゾン濃度を、微量の臭素酸が生成される程度の所定値で一定となるように前記オゾン発生器を制御する制御装置と、
前記オゾン発生器から発生するオゾンの濃度を測定する発生オゾン濃度計と、
前記所定値の溶存オゾン濃度に対応する前記発生オゾン濃度計の出力信号を入力し、該出力信号から試料水の単位体積当たりのオゾン注入率を割り出し、該オゾン注入率から試料水の溶存オゾン濃度が0 mg/L となる最適オゾン注入率を求める演算装置と、
を備え、
前記最適オゾン注入率に関するデータ信号に基き、浄水処理工程のオゾン反応槽におけるオゾン発生器からのオゾンの注入量を制御することにより、被処理水中の酸化除去対象物の酸化除去及び臭素酸の生成抑制を行うことを特徴とするオゾン処理システム。
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