JP4116489B2 - 縁切り弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次側の水路から一次側の水路への逆流を防ぐ縁切り弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二次側の水路から一次側の水路への逆流を防ぐ縁切り弁に関して、特許文献1に記載のものがあった。このような縁切り弁は、一次側の圧力が二次側の圧力よりも高い正常時には、排水口を閉じて一次側の水路から二次側の水路へ流体を流すが、逆流が生じて二次側の圧力が一次側の圧力よりも高くなる異常時には、排水口を開口させて逆流水を排出させるものである。特許文献1に記載のものは縁切り弁の本体内部に略円筒形状をなすピストンがベロフラムと呼ばれる圧力検知用のゴム製の隔膜によって移動される構成をなし、このピストンを移動させることで排水口の開閉を行うものであった。尚、このものにおいて、ゴム製の隔膜は薄膜状をなしており、強度、耐久性等を確保するため、基布入りにより耐圧補強された高価なものが用いられていた。
これに対し、本願出願人は、図19に示すように、ゴム製の膜部(隔膜)6と、弁座4を水密状に閉止するパッキン部材5とを備えて排水口2の開閉を行う弁体3を平板状に形成することにより、縁切り弁1の小型化を可能とした。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−304144公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一次側と二次側との圧力差が過大となって、弁体3が弁座4に対して強く押し付けられると、弁座4がパッキン部材5に食込みすぎて、パッキン部材5を損傷させたり、劣化を早めたりする恐れがあった。また、一次側の圧力が高くなったときに膜部6の弛み部分が二次側へ回曲してしまうと、膜部6の弛み部分が縁切り弁1の本体内壁と弁体3との間に挟み込まれて損傷してしまう恐れがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、弁体の保護を可能とする縁切り弁の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、本体に一次側の流体の流体圧を検知可能な圧力検知室と、二次側の流体を流入させる流入室とを有すると共に、前記流入室には、外部へ流体を排出する排水口と、前記排水口の開口端部に設けられた弁座と、一次側と二次側の圧力差の大小によって前記排水口を開閉する弁体とを備えた縁切り弁であって、前記弁体には、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときには前記弁座に押し付けられて前記排水口を水密状に閉止し、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも低いときには前記弁座から離間して前記排水口を開放する弾性材よりなるパッキン部材と、前記パッキン部材より硬質な材料にて形成され、かつ、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときに前記パッキン部材が前記弁座に当接した後に、前記本体側に設けられた受部に当接することにより、前記パッキン部材の前記弁座に対する押し付け量を規制可能なストッパ部とが備えられてなり、かつ前記弁体と前記本体側との間に一次側へ向けて弛みを持った状態で接続されて、前記弁体の開閉動作を許容する膜部を備え、前記膜部が二次側への反転を規制できるように前記ストッパ部に、弛み形状の内側に入り込んで前記弛み部分に当接可能な巻き込み防止部が設けられているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記流入室内に設けられた付勢部材によって前記弁体に前記排水口の開放方向への付勢力を作用させるようにしたものにおいて、前記弁体に設けられた前記付勢部材に対するばね受に前記ストッパ部が設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記排水口の開口端部には前記弁座に隣接して副座部が設けられ、前記副座部は一次側と二次側の圧力差が通常範囲内の時には前記パッキン部材に当接せずに、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも設定された圧力差よりも過大な圧力差を生じたときに前記パッキン部材に当接可能とするところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
ストッパ部が受部に当接することにより、弁体に備えられたパッキン部材の弁座に対する押し付け量を規制できる。これにより、排水口を閉止する際に、弁座がパッキン部に過度に押し付けられて食込むことにより、パッキン部材の弾性限界を超えて局所的に亀裂が生じたり、パッキン部材に偏磨耗が発生したりすることを防いで、パッキン部材を保護することが可能となる。
また、ストッパ部に設けられた巻き込み防止部が弛み形状の内側に配されているので、膜部の弛み部分が巻き込み防止部に当接して二次側へ反転することを規制でき、膜部の巻き込みの防止が可能となる。
【0011】
<請求項2の発明>
ばね受に設けられたストッパ部を受部に当接させてパッキン部材を保護することが可能となる。
【0012】
<請求項3の発明>
一次側と二次側との圧力差が過大になった場合にパッキン部材と副座部とが当接してパッキン部材に作用する圧力を分散できるので、弁座のパッキン部材への食込みを制限して、パッキン部材を保護することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図1から図8に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る給湯システムSの概要図を示しており、給湯システムSは、上水道から供給された水を給湯用熱交換器Hで加熱して湯を生成し、この湯と水とを混合して適度の温度にした温水が浴槽Bへ供給するようになっている。そして、給湯システムSは、給湯用熱交換器Hと浴槽Bとの間に縁切り弁ユニット10が配設された構成である。
尚、詳細は割愛するが、本実施形態の給湯システムSは温水をキッチン等他の箇所にも供給可能となっている。また、本実施形態の給湯システムSには上記した給湯用熱交換器Hに加え追い焚き回路Rが設けられており、一旦浴槽Bへ貯められた水はこの追い焚き回路Rで再加熱できるようになっている。
【0016】
縁切り弁ユニット10は、上流ユニット20と下流ユニット30とから構成されると共に、電磁弁11、第1、第2の逆止弁12,13、流量計14及び縁切り弁50を一体に備える。
【0017】
上流ユニット20は、円筒管21の上流側の開口端部に、湯と水とを混合させる混合管路Uが接続されるようになっている(図1参照)と共に、円筒管21の中間部分に枝分かれして後述する縁切り弁50に接続される導入管25を備える。
また、円筒管21の下流側には弁取付部22が連続して形成されている。その内部には、図2に示すように、同心円状に大小2つの円筒壁22A,22Bを備え、内側の円筒壁22Bの上端には導水口22Cが開口すると共に、その開口端は電磁弁11の弁座22Dをなしている。この弁座22Dに対して電磁弁11の弁体11Aが接離することにより電磁弁11の開閉動作がなされる。また、弁取付部22の下流側端部は、第1逆止弁12を介在した状態で下流ユニット30と嵌合するようになっている。
【0018】
下流ユニット30は、弁取付部22と同軸に連接された主管31を有している。この主管31は、図2に示すように、上流側端部に第1逆止弁12を介在させつつ上流ユニット20を接続するための接合部33が形成されている。また、主管31の他方側端部の出水口34には、第2逆止弁13が組み込まれると共に、浴槽Bへと続く浴槽配管Lが接続されている(図1参照)。尚、両逆止弁12,13は、二次側(下流側)から一次側への逆流を防ぐ為のもので、下流側からの逆流水が進入すると、逆流水の流勢によって内部の弁体12A,13Aが上流側へ移動されて、閉弁動作を行うようになっている。
また、主管31の中間部には流量計14が配設され、この流量計14でもって浴槽Bへの給湯量を計測するようになっている。
さらに、主管31における接合部33と流量計14との間には側方への枝管32が分岐形成されており、この枝管32には縁切り弁50が接続されている。縁切り弁50は、第2逆止弁13が万が一の故障等で浴槽Bからの逆流が生じた際に汚水が一次側(上流側)へ進入することを防ぐためのものである。
【0019】
縁切り弁50は、図2,4に示すように、本体51に蓋体52を組付けて構成されるもので、本実施形態では蓋体52が上流ユニット20の導入管25の先端部に一体に形成されている。
縁切り弁50は、内部に配設されたダイヤフラム53によって、蓋体52側の圧力検知室54と本体51側の流入室55とに区画されている。
【0020】
ダイヤフラム53は良好な撓み性を有するゴム材にて周縁に可撓部53Fを有する略円盤状に形成され、図4に示すように、可撓部53Fは断面下向きU字状をなすように弛みを持った状態で組付けられる。また、ダイヤフラム53は、可撓部53Fの外周に厚肉状に形成された固着部53Rが本体51と蓋体52とで挟持されて縁切り弁50の内壁に水密状態で固着される。さらに、可撓部53Fの内周側は、略円盤状をなして後述する弁体58の下面全体を被覆可能なパッキン部材53Pとなっている。パッキン部材53Pは中央に差込孔53Aが穿孔され、この差込孔53Aに弁体58の下面の差込部58Bが嵌め込まれて抜止状態で固着されるようになっている。
【0021】
また、縁切り弁50は、同心円状に大小2つの円筒壁51A,51Bを備え、流入室55が外側円筒壁51Aと内側円筒壁51Bとの間に通じると共に、内側円筒壁51Bの内側が汚水を排出する排水口56をなしている。
そして、内側円筒壁51Bの流入室55側の開口端には、弁座57と後述する副座部65とが形成されており、常にはこの弁座57のみに対してパッキン部材53Pが接離することにより縁切り弁50の開閉動作がなされる。
弁座57は、内側円筒壁51Bにおける上端縁の内周寄りに全縁に配され、その頂面は全周に亘って断面弧状に形成されている。
【0022】
副座部65は、内側円筒壁51Bにおける上端縁の外周寄り全縁に配されており、弁座57に対し外周側へ下り勾配となる傾斜面を介して平坦面をなすように連続している。
このことにより副座部65は、弁座57より低位に配されることになる。圧力検知室54側の圧力が流入室55側の圧力よりも高まった場合に、パッキン部材53Pが弁座57に押し付けられることになるが、上記した圧力検知室54側と流入室55側の圧力の差が通常に予定されている範囲内(以下、「通常差圧内」という)であれば、パッキン部材53Pは弁座57のみに食込み、副座部65にはほぼ食込みがなされないよう、弁座57に対する高差が副座部65に設定されている。
但し、上記の通常差圧内よりも高い圧力差となった場合に、初めて副座部65とパッキン部材53Pとが当接し、副座部65に対するパッキン部材53Pの食込みがなされる。この場合に、パッキン部材53Pへ作用する圧力を分散させ、弁座57がパッキン部材53Pに食込むことを規制するようになっている(図6,8参照)。
【0023】
一方、弁体58は、外周縁に側壁が起立した略円盤状をなすと共に側壁の全周縁には外方へフランジ58Aが張り出している。このフランジ58Aはパッキン部材53Pが排水口56を閉止しているときには蓋体52の天井面52Aから離間し、開放しているときは天井面52Aに当接することで、ダイヤフラム53の開放動作に対するストッパの役割を果たす。また、弁体58の下面中央部には差込部58Bが下方突出形成されている。この差込部58Bの基端には外周方向へ突出する抜止部58Cが形成されており、上述のパッキン部材53Pの差込孔53Aが嵌め込まれると抜止部58Cでもって抜止することにより、パッキン部材53Pが弁体58にシール状態で固着されるようになっている。
【0024】
さらに、パッキン部材53Pの下面側にはダイヤフラム53を上方向へ付勢するばね59が配されている。ばね59は内側円筒壁51Bの外側に遊嵌され、下端側は、内側円筒壁の基端部分のばね座に嵌め込まれ、上端側は、ばね受60に当接されている。
ばね受60は硬質の樹脂製で上方に開口する有底短円筒形状をなし、底板61の中央には弁座57を挿通可能な挿通口60Aが穿設されると共に底板61の下面側には挿通口60Aの周縁部にばね59の上端部を嵌め込み可能な嵌合部60Bが凹設されている。尚、ダイヤフラム53が排水口56を開放しているときにはばね受60と内側円筒壁51Bとの間に所定量の隙間が保有されるようにしてあり、二次側の水を排水口56へ排出可能としている。
【0025】
また、ばね受60は、底板61の外周縁から上方に一体に延びる円筒壁が巻き込み防止部62をなしている。この巻き込み防止部62はパッキン部材53Pの外周縁と外側円筒壁51Aとの間の隙間に沿って上方へ延びると共に、巻き込み防止部62の上端面は可撓部53FのU字状回曲部分の形状に合わせた円弧面をなすように形成されている。これによりダイヤフラム53の可撓部53Fがパッキン部材53Pの外周縁と外側円筒壁51Aとの間に巻き込まれるのを規制している。
特に、この実施形態において、巻き込み防止部62の上端部には、その上端面の円弧面に連続するように全縁に沿って外側へ円形断面をもって厚肉状に張り出すストッパ部63が形成されている。このストッパ部63は可撓部53FのU字状回曲部分の内側に位置することで、可撓部53Fと当接可能とし、上記の巻き込み防止をより確実にしている。
【0026】
一方、外側円筒壁の上端縁には前記ダイヤフラム53の固着部53Rを嵌め入れる装着溝が凹設されており、この装着溝の内周縁には固着部53Rの外れ止めとばね受60に対する下降規制とを行う受部64が上方へ向けて突出している。また、パッキン部材53Pが排水口56を開放しているときには、ばね59の付勢力によってばね受60が持ち上げられていることから、受部64はストッパ部63と離間した状態である。そして、通常差圧内にあるときにダイヤフラム53が排水口56を閉じても受部64はストッパ部63と当接しない。しかしながら、通常差圧内よりも過大な圧力差になるときには、パッキン部材53Pが副座部65に当接するのと同時或いは若干これに遅れて受部64がストッパ部63と当接してパッキン部材53Pの弁座57に対する過度の食込みを生じないようにしている。
【0027】
続いて本実施形態の縁切り弁50の動作について説明する。
縁切り弁ユニット10が給湯システムSに接続されると縁切り弁50の圧力検知室54は、導入管25を介して一次側の水が進入することで、一次側の圧力を取り入れるとともに、流入室55は枝管32から二次側の水が進入することで二次側の圧力が取り入れられる。
ここで、給湯システムSにおいて、正常時(通常差圧内において、圧力検知室54の水圧が流入室55の水圧よりも高い時)には一次側(上流側)の水圧が二次側(下流側)の水圧よりも高くなっており、このような圧力差によって流体(温水)が上流側から下流側へ流れるようになっている(図2,5,7参照)。すなわち、正常時にはダイヤフラム53は圧力検知室54側から押圧されて弁体58を押し下げ、パッキン部材53Pを弁座57に対して密着させて排水口56を閉止している(図2,5,7参照)。
このときパッキン部材53Pは弁座57に対してのみ密着し副座部65には当接していない。ここで、副座部65を弁座57に対して密着させないのは、正常時にパッキン部材53Pに対しての密着面積を必要最小限に留めてシール圧を高めるためである。
【0028】
これに対し、図3,4に示すように、二次側からの逆流が生じた異常時においては、この場合には二次側の圧力が一次側の圧力を上回るため、流入室55内の圧力が圧力検知室54内の圧力を上回る。この結果、ダイヤフラム53が流入室55側から押圧されて弁体58を押し上げ、パッキン部材53Pを弁座57から離間させて排水口56が開口される。
また、弁体58にはばね59の付勢力が作用しているので、二次側の圧力が一次側の圧力に迫った場合に即座に弁体58を移動させて排水口56を開口可能となっている。
【0029】
ここで、本実施形態の縁切り弁ユニット10において、縁切り弁50が閉弁動作を行う際に、一次側と二次側との圧力差が通常差圧内よりも過大となった場合について説明する。
この場合、一次側の水圧によって弁体58が勢いよく下方へ押し下げられて、弁体58のパッキン部材53Pに弁座57の先端が当接してもさらに弁体58が下方へ移動し、弁座57がパッキン部材53Pへ食込み始める。すると、図8に示すように、パッキン部材53Pは弁座57の周縁に設けられた副座部65に当接するので、弁座57と副座部65とに当接支持される。これにより、パッキン部材53Pとの密着面積が増加することで、パッキン部材53Pへ作用する圧力が弁座57と副座部65とに分散される。従って、弁座57に対する局所的な食込みが緩和される。
さらに、上記のようにパッキン部材53Pと副座部65とが当接してから、弁体58が下方へ移動しようとしても、ストッパ部63は受部64と当接する。このとき、ストッパ部63は硬質な樹脂製材料で形成されて、十分な強度を備えているので、一次側から作用する圧力を受け止めることができる。これにより、弁体58がそれ以上下方へ移動しようとすることが強制的に規制される。
このようにして、一次側と二次側との圧力差が過大となった場合に弁座57がパッキン部材53Pの弾性限界を超えて食込んで亀裂が生ずることを回避できる。
【0030】
このように本実施形態の縁切り弁50によれば、一次側と二次側との圧力差が過大になった場合でも、まず副座部65がパッキン部材53Pに当接してパッキン部材53Pに作用する圧力を分散し、続いて、ストッパ部63が受部64に当接することでパッキン部材53Pへの弁座57の食込みを規制できる。従って、パッキン部材53Pの弾性限界を超えて局所的に亀裂が生じたり、パッキン部材53Pに偏磨耗が生ずることを防いで、パッキン部材53Pを保護することが可能となる。
さらに、本実施形態の縁切り弁50によれば、ばね受60に設けた巻き込み防止部62が、ダイヤフラム53の可撓部53FにおけるU字状回曲部分の内側の隙間内に配されている。これにより、一次側の圧力が二次側よりも過大になって可撓部53Fが流入室55側へ反転しようとしても、可撓部53Fの弛み部分が巻き込み防止部62に当接し、流入室55側へ反転することを規制できるので、可撓部53Fの巻き込みの防止が可能となる。
【0031】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図9ないし図15によって説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態と縁切り弁50の構造のうち、ストッパ部63Aと受部64Aの構造及び副座部65Aの構造が異なるものである。他の同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、ばね受60の底板61の下面外周縁部がストッパ部63Aとして形成されている。
一方、第1実施形態では固着部53Rに対する外れ止めが受部64を兼用するものであったが、第2実施形態では外れ止めの内周側を下方へ切欠いて形成された段差部を受部64Aとしている。
上記のようにして外側円筒壁51Aが切欠かれたことにより、第1実施形態に比べてばね受60の巻き込み防止部62がより肉厚化されて強度の向上が図られていると共に、その上端縁は円弧状に形成されている(図12,14参照)。
また、副座部65Aは先端縁を上方に盛り上がらせて断面円弧状をなすように形成されている(図14参照)。
【0032】
このような構成の縁切り弁50では、上記第1実施形態同様、正常時には流入室55よりも圧力検知室54の圧力の方が高くなっているので、ダイヤフラム53が圧力検知室54側から押圧されて弁体58を押し下げ、パッキン部材53Pを弁座57に対して密着させて排水口56を閉止する(図12,14参照)。
これに対し、二次側からの逆流が生じた場合には流入室55内の圧力が圧力検知室54内の圧力を上回るので、ダイヤフラム53が流入室55側から押圧されて弁体58を押し上げ、パッキン部材53Pを弁座57から離間させて排水口56が開口される(図11参照)。
【0033】
さらに、縁切り弁50が閉弁動作を行う際に、一次側と二次側との圧力差が過大となった場合には、パッキン部材53Pに弁座57の先端が当接した状態(図14参照)からさらに弁体58が下方へ移動して弁座57がパッキン部材53Pへ食込み始める。
すると、副座部65Aがパッキン部材53Pに当接し、パッキン部材53Pを当接支持することにより、パッキン部材53Pへ作用する圧力が弁座57と副座部65Aとに分散される(図15参照)。
それと共に、パッキン部材53Pと副座部65Aとが当接してからさらに、弁体58が下方へ移動しようとすると、ばね受60の下面のストッパ部63Aが、受部64Aと当接して、弁体58がそれ以上下方へ移動しようとすることを強制的に規制する(図15参照)。これにより、弁座57がパッキン部材53Pの弾性限界を超えて食込んで亀裂が生ずることを回避できる。
このように本実施形態に係る縁切り弁50でも上記第1実施形態同様、パッキン部材53Pを保護することが可能となる。
さらに、本実施形態では、ばね受60を厚肉に形成して強度を向上させたので、ストッパ部63Aと受部64Aとの協働による弁体58の下降規制をより確実に行うことが可能となる。
【0034】
<第3実施形態>
図16ないし図18は本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態は上記第2実施形態の縁切り弁50と比して、弁座57の先端部が平坦面をなすと共に、パッキン部材53Pの下面に弁座57の先端縁に沿って押し当てられる環状の突条部53Tが形成されている点が異なる。他の同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施形態のように、パッキン部材53Pに弁座57の先端縁に沿って押し当てられる環状の突条部53Tが形成された縁切り弁50では、パッキン部材53Pの突条部53Tが弁座57の上端面に密着することで水密を図る(図17参照)。
そして、一次側と二次側との圧力差が過大になった場合には、図18に示すように、突条部53Tが圧縮変形することにより、パッキン部材53Pに作用する荷重を吸収し、パッキン部材53Pへ作用する引き裂き応力を低減させることができる。これにより、パッキン部材53Pを保護することが可能となる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では蓋体が導入管に一体に形成されていたが、別体のものでもよい。また、これに限らず、例えば蓋体と導入管とを一体に形成すると共に、上流ユニットの円筒管21と別体に形成したようなものであってもよい。
(2)上記実施形態ではダイヤフラム53にパッキン部材53Pが一体に形成されたものであったが、ダイヤフラムとパッキン部材とを別体に形成したものであってもよい。
(3)上記実施形態では副座部は平坦面状や曲面状をなしていたが、これら以外の形状をなすものであってもよい。
(4)上記実施形態では、ばね受60は硬質な樹脂製であったが、これに限らず、例えば金属製やセラミック製のものであってもよい。
(5)上記実施形態では、副座部65,65Aは弁座57の外周側に形成されていたが、弁座の内周側縁に形成されるものであってもよい。
(6)上記実施形態では、巻き込み防止部62はばね受60に形成されていたが、これに限らず、可撓部53Fの弛み形状の内側に入り込んだ位置に設けるものであればよく、例えば、固着部53Rの内周面から可撓部53FのU字状回曲部分の内側に突出形成された巻き込み防止部であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る給湯システムの概要図
【図2】縁切り弁ユニットの正常時における断面図
【図3】縁切り弁ユニットの異常時(逆流時)における断面図
【図4】縁切り弁の開弁時における断面図
【図5】縁切り弁の閉弁時における断面図
【図6】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の断面図
【図7】縁切り弁の閉弁時における拡大断面図
【図8】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の拡大断面図
【図9】第2実施形態に係る縁切り弁ユニットの正常時における断面図
【図10】縁切り弁ユニットの異常時(逆流時)における断面図
【図11】縁切り弁の開弁時における断面図
【図12】縁切り弁の閉弁時における断面図
【図13】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の断面図
【図14】縁切り弁の閉弁時における拡大断面図
【図15】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の拡大断面図
【図16】第3実施形態に係る縁切り弁の開弁時における断面図
【図17】縁切り弁の閉弁時における断面図
【図18】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の断面図
【図19】従来の縁切り弁ユニットの断面図
【符号の説明】
50…縁切り弁
51…本体
53…ダイヤフラム(膜部)
53P…パッキン部材
54…圧力検知室
55…流入室
56…排水口
57…弁座
58…弁体
59…ばね(付勢部材)
60…ばね受
62…巻き込み防止部
63…ストッパ部
64…受部
65…副座部

Claims (3)

  1. 本体に一次側の流体の流体圧を検知可能な圧力検知室と、二次側の流体を流入させる流入室とを有すると共に、
    前記流入室には、外部へ流体を排出する排水口と、前記排水口の開口端部に設けられた弁座と、一次側と二次側の圧力差の大小によって前記排水口を開閉する弁体とを備えた縁切り弁であって、
    前記弁体には、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときには前記弁座に押し付けられて前記排水口を水密状に閉止し、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも低いときには前記弁座から離間して前記排水口を開放する弾性材よりなるパッキン部材と、
    前記パッキン部材より硬質な材料にて形成され、かつ、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときに前記パッキン部材が前記弁座に当接した後に、前記本体側に設けられた受部に当接することにより、前記パッキン部材の前記弁座に対する押し付け量を規制可能なストッパ部とが備えられてなり、
    かつ前記弁体と前記本体側との間に一次側へ向けて弛みを持った状態で接続されて、前記弁体の開閉動作を許容する膜部を備え、前記膜部が二次側への反転を規制できるように前記ストッパ部に、弛み形状の内側に入り込んで前記弛み部分に当接可能な巻き込み防止部が設けられていることを特徴とする縁切り弁。
  2. 前記流入室内に設けられた付勢部材によって前記弁体に前記排水口の開放方向への付勢力を作用させるようにしたものにおいて、
    前記弁体に設けられた前記付勢部材に対するばね受に前記ストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の縁切り弁。
  3. 前記排水口の開口端部には前記弁座に隣接して副座部が設けられ、
    前記副座部は一次側と二次側の圧力差が通常範囲内の時には前記パッキン部材に当接せずに、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも設定された圧力差よりも過大な圧力差を生じたときに前記パッキン部材に当接可能とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縁切り弁。
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