JP4005003B2 - 縁切り弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次側の水路から一次側の水路への逆流を防ぐ縁切り弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二次側の水路から一次側の水路への逆流を防ぐ縁切り弁に関して、特許文献1に記載のものがあった。このような縁切り弁は、一次側の圧力が二次側の圧力よりも高い正常時には、排水口を閉じて一次側の水路から二次側の水路へ流体を流すが、逆流が生じて二次側の圧力が一次側の圧力よりも高くなる異常時には、排水口を開口させて逆流水を排出させるものである。特許文献1に記載のものは縁切り弁の本体内部に略円筒形状をなすピストンがベロフラムと呼ばれる圧力検知用のゴム製の隔膜によって移動される構成をなし、このピストンを移動させることで排水口の開閉を行うものであった。尚、このものにおいて、ゴム製の隔膜は薄膜状をなしており、強度、耐久性等を確保するため、基布入りにより耐圧補強された高価なものが用いられていた。
これに対し、本願出願人の一部によって、図10に示すような平板状の弁体3でもって、排水口2を開閉する構成とする縁切り弁1が開発され、これにより、縁切り弁1の小型化が可能となった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−304144公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のものでは一次側と二次側との圧力差が過大となって、弁体3が弁座4に対して強く押し付けられると、弁座4が弁体3のパッキン部材5に食込みすぎて、パッキン部材5を損傷させたり、劣化を早めたりする恐れがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、弁体の保護を可能とする縁切り弁の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、本体に一次側の流体の流体圧を検知可能な圧力検知室と、二次側の流体を流入させる流入室とを有すると共に、前記流入室には、外部へ流体を排出する排水口と、前記排水口の開口端部に設けられた弁座と、一次側と二次側の圧力差の大小によって前記排水口を開閉する弁体とを備えた縁切り弁であって、前記弁体には、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときには前記弁座に押し付けられて前記排水口を水密状に閉止し、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも低いときには前記弁座から離間して前記排水口を開放する弾性材よりなるパッキン部材と、前記パッキン部材より硬質な材料にて形成されて、前記弁座の内側において前記本体側に設けられた内側受部に当接する内側当接部と、前記パッキン部材より硬質な材料にて形成されて、前記弁座の外側において前記本体側に設けられた外側受部に当接する外側当接部とが備えられ、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときには、前記パッキン部材が前記弁座に当接した後に、前記内側当接部が前記内側受部に当接しかつ前記外側当接部が外側受部にそれぞれ当接することにより、前記パッキン部材の前記弁座に対する押し付け量を規制可能となっているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記排水口の開口端部には前記弁座に隣接して副座部が設けられ、前記副座部は一次側と二次側の圧力差が通常範囲内の時には前記パッキン部材に当接せずに、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも設定された圧力差よりも過大な圧力差を生じたときに前記パッキン部材に当接可能とするところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも過大となったときに、弁座の内側では内側当接部と内側受部とが当接し、弁座の外側では外側当接部と外側当接部とが当接する。即ち、弁座の内外双方において各当接部と各受部とが当接することにより、弁体に備えられたパッキン部材の弁座に対する押し付け量を二重に規制することができる。これにより、排水口を閉止する際に、弁座がパッキン部に過度に押し付けられて食込むことにより、パッキン部材の弾性限界を超えて局所的に亀裂が生じたり、パッキン部材に偏磨耗が発生したりすることを防いで、パッキン部材を保護することが可能となる。
本発明に関し、弁座を挟んで内外に内側当接部と外側当接部とを設けた理由は次の通りである。
縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用したとき、内側当接部或いは外側当接部のいずれか一方のみであると、弁座を境に弁体が弁座の外側或いは内側に微妙な反りを生ずる恐れがあるので、このような反りをいずれも解消できるようにするためである。
【0008】
<請求項2の発明>
一次側と二次側との圧力差が過大になった場合にパッキン部材と副座部とが当接してパッキン部に作用する圧力を分散できるので、弁座のパッキン部材への食込みを制限して、弾性体を保護することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1から図9に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る給湯システムSの概要図を示しており、給湯システムSは、上水道から供給された水を給湯用熱交換器Hで加熱して湯を生成し、この湯と水とを混合して適度の温度にした温水が浴槽Bへ供給するようになっている。そして、給湯システムSは、給湯用熱交換器Hと浴槽Bとの間に縁切り弁ユニット10が配設された構成である。
尚、詳細は割愛するが、本実施形態の給湯システムSは温水をキッチン等他の箇所にも供給可能となっている。また、本実施形態の給湯システムSには上記した給湯用熱交換器Hに加え追い焚き回路Rが設けられており、一旦浴槽Bへ貯められた水はこの追い焚き回路Rで再加熱できるようになっている。
【0010】
縁切り弁ユニット10は、上流ユニット20と下流ユニット30とから構成されると共に、流量計11、電磁弁12、第1、第2の逆止弁13,14及び縁切り弁50を一体に備える。
【0011】
上流ユニット20は、円筒管21の上流側の開口端部に、湯と水とを混合させる混合管路Uが接続されるようになっている(図1参照)と共に、円筒管21の開口端部側に枝分かれして後述する縁切り弁50に接続される導入管25を備える。また、円筒管21内には流量計11が配設され、この流量計11でもって浴槽Bへの給湯量を計測するようになっている。
また、円筒管21の下流側には弁取付部22が連続して形成されている。その内部には、図2に示すように、同心円状に大小2つの円筒壁22A,22Bを備え、内側の円筒壁22Bの上端には導水口22Cが開口すると共に、その開口端は電磁弁12の弁座22Dをなしている。この弁座22Dに対して電磁弁12の弁体12Aが接離することにより電磁弁12の開閉動作がなされる。また、弁取付部22の下流側端部は、第1逆止弁13を介在した状態で下流ユニット30と嵌合するようになっている。
【0012】
下流ユニット30は、弁取付部22と同軸に連接された主管31を有している。この主管31は、図1に示すように、上流側端部に第1逆止弁13を介在させつつ上流ユニット20を接続するための接合部33が形成されている。また、主管31の他方側端部の出水口34には、第2逆止弁14が組み込まれると共に、浴槽Bへと続く浴槽配管Lが接続されている(図1参照)。尚、両逆止弁13,14は、二次側(下流側)から一次側への逆流を防ぐ為のもので、下流側からの逆流水が進入すると、逆流水の流勢によって内部の弁体13A,14Aが上流側へ移動されて、閉弁動作を行うようになっている。
さらに、主管31には側方へ分岐する枝管32が形成されており、この枝管32には縁切り弁50が接続されている。縁切り弁50は、第2逆止弁14が万が一の故障等で浴槽Bからの逆流が生じた際に汚水が一次側(上流側)へ進入することを防ぐためのものである。
【0013】
縁切り弁50は、図2,4に示すように、本体51に蓋体52を組付けて構成されるもので、本実施形態では蓋体52が上流ユニット20の導入管25の先端部に一体に形成されている。また、縁切り弁50は、内部に配設されたダイヤフラム53によって、蓋体52側の圧力検知室54と本体51側の流入室55とに区画されている(図2参照)。
また、縁切り弁50は、同心円状に大小2つの円筒壁51A,51Bを備え、流入室55が外側円筒壁51Aと内側円筒壁51Bとの間に通じると共に、内側円筒壁51Bを下方へ延出させることで、汚水を排出する排水口56が管状に設けられており、ダイヤフラム53を一体に備える弁体58でもって排水口56の開閉を行うようになっている(図2,3参照)。
【0014】
ダイヤフラム53は良好な撓み性を有するゴム材にて周縁に可撓部53Fを有する略円盤状に形成され、図4に示すように、可撓部53Fは断面下向きU字状をなすように弛みを持った状態で組付けられる。また、ダイヤフラム53は、可撓部53Fの外周に厚肉状に形成された固着部53Rが外側円筒壁51Aの上端縁に凹設された装着溝51Rに嵌め入れられてから本体51と蓋体52とで挟持されて縁切り弁50の内壁に水密状態で固着される。さらに、可撓部53Fの内周側は、略円盤状をなして後述する弁体58の下面全体を被覆可能なパッキン部材53Pとなっている。パッキン部材53Pは中央に差込孔53Aが穿孔され、この差込孔53Aに弁体58の下面の差込部58Bが嵌め込まれて抜止状態で固着されるようになっている。
【0015】
また、排水口56を形成する内側円筒壁51Bの流入室55側の開口端には、弁座57と次述する副座部65とが形成されており、常にはこの弁座57のみに対してパッキン部材53Pが接離することにより縁切り弁50の開閉動作がなされる(図6参照)。弁座57は、内側円筒壁51Bにおける上端縁の内周寄りに全縁に配され、その頂面は全周に亘って断面弧状に形成されている(図4,8参照)。
【0016】
副座部65は、内側円筒壁51Bにおける上端縁の外周寄り全縁に配されており、弁座57に対し外周側へ下り勾配となる傾斜面を介して平坦面をなすように連続している(図4,8参照)。
このことにより副座部65は、弁座57より低位に配されることになる。圧力検知室54側の圧力が流入室55側の圧力よりも高まった場合に、パッキン部材53Pが弁座57に押し付けられることになるが、上記した圧力検知室54側と流入室55側の圧力の差が通常に予定されている範囲内(以下、「通常差圧内」という)であれば、パッキン部材53Pは弁座57のみに食込み、副座部65にはほぼ食込みがなされないよう、弁座57に対する高差が副座部65に設定されている(図4,8参照)。
但し、上記の通常差圧内よりも高い圧力差となった場合に、初めて副座部65とパッキン部材53Pとが当接し、副座部65に対するパッキン部材53Pの食込みがなされる。この場合に、パッキン部材53Pへ作用する圧力を分散させ、弁座57がパッキン部材53Pに食込むことを規制するようになっている(図7,9参照)。
【0017】
一方、弁体58は、硬質の樹脂製で外周縁に側壁が起立した略円盤状をなすと共に側壁の全周縁には外方へフランジ58Aが張り出している。このフランジ58Aはパッキン部材53Pが排水口56を閉止しているときには蓋体52の天井面52Aから離間し(図6参照)、開放しているときは天井面52Aに当接することで(図4参照)、ダイヤフラム53の開放動作に対するストッパの役割を果たす。また、弁体58の下面中央部には差込部58Bが下方突出形成されている。この差込部58Bの基端には外周方向へ突出する抜止部58Cが形成されており、上述のパッキン部材53Pの差込孔53Aが嵌め込まれると抜止部58Cでもって抜止することにより、パッキン部材53Pが弁体58にシール状態で固着されるようになっている。
【0018】
さらに、パッキン部材53Pの下面側にはダイヤフラム53を上方向へ付勢するばね59が配されている。ばね59は内側円筒壁51Bの外側に遊嵌され、下端側は、内側円筒壁の基端部分のばね座に嵌め込まれ、上端側は、ばね受60に当接されている。
ばね受60は硬質の樹脂製で上方に開口する有底短円筒形状をなし、底板61の中央には弁座57を挿通可能な挿通口60Aが穿設されると共に底板61の下面側には挿通口60Aの周縁部にばね59の上端部を嵌め込み可能な嵌合部60Bが凹設されている。尚、ダイヤフラム53が排水口56を開放しているときにはばね受60と内側円筒壁51Bとの間に所定量の隙間が保有されるようにしてあり、二次側の水を排水口56へ排出可能としている。
また、ばね受60は、底板61の外周縁から上方に一体に延びる円筒壁が巻き込み防止部62をなしている。この巻き込み防止部62はパッキン部材53Pの外周縁と外側円筒壁51Aとの間の隙間に沿って上方へ延びると共に、その上端面は可撓部53FのU字状回曲部分の形状に合わせた円弧面をなすように形成されている。これによりダイヤフラム53の可撓部53Fがパッキン部材53Pの外周縁と外側円筒壁51Aとの間に巻き込まれるのを規制している。
【0019】
さて、本実施形態に係る弁体58には、本体51に設けられた受部64に当接することで、弁体58の下方への移動を規制する当接部63が設けられている。この受部64と当接部63とは弁座57を境にして内外に配されているおり、弁座57の内周側には内側受部64Bと内側当接部63Bとが配され、弁座57の外周側には外側受部64Aと外側当接部63Aとが配されている。
【0020】
内側当接部63Bは、弁体58の差込部58Bを下方に延ばし、その下端面を内側受部64Bに当接可能に形成されている。そして、内側受部64Bは、図5に示すように、内側円筒壁51Bの内周面から中心へ向けて図示3枚の平板状の部材をほぼ等角度毎に張り出してなると共に、弁座57よりも低位に形成された上端面において内側当接部63Bを受け止め可能としている。
一方、外側当接部63Aは、ばね受60の底板61の下面外周縁部に形成されている。また、装着溝51Rの内周側は下方へ切欠いて段差状にされ、その段差面が外側受部64Aとなって上記外側当接部63Aを受け止め可能としている。
尚、前記内側受部63Bは内側円筒壁内51Bにおいて3枚を放射状に配したが、枝管32から排水口56への逆流水の排水をできるだけ効果的に行うために枝管32との接続部分を避けた配置としてある。
【0021】
本実施形態では、1次側と2次側とが通常差圧内にあるときにダイヤフラム53が排水口56を閉じても両受部64A,64Bは両当接部63A,63Bと当接しない(図6,8参照)。しかしながら、通常差圧内よりも過大な圧力差になるときには、パッキン部材53Pが副座部65に当接するのと同時或いは若干これに遅れて双方の受部64A,64Bが双方の当接部63A,63Bとそれぞれ当接してパッキン部材53Pの弁座57に対する過度の食込みを生じないようにしている(図7,9参照)。
【0022】
続いて本実施形態の縁切り弁50の動作について説明する。
縁切り弁ユニット10が給湯システムSに接続されると縁切り弁50の圧力検知室54は、導入管25を介して一次側の水が進入することで、一次側の圧力を取り入れるとともに、流入室55は枝管32から二次側の水が進入することで二次側の圧力が取り入れられる。
ここで、給湯システムSにおいて、正常時(通常差圧内において、圧力検知室54の水圧が流入室55の水圧よりも高い時)には一次側(上流側)の水圧が二次側(下流側)の水圧よりも高くなっており、このような圧力差によって流体(温水)が上流側から下流側へ流れるようになっている(図2,6,8参照)。すなわち、正常時にはダイヤフラム53は圧力検知室54側から押圧されて弁体58を押し下げ、パッキン部材53Pを弁座57に対して密着させて排水口56を閉止している(図2,6,8参照)。
このときパッキン部材53Pは弁座57に対してのみ密着し副座部65には当接していない。ここで、副座部65を弁座57に対して密着させないのは、正常時にパッキン部材53Pに対しての密着面積を必要最小限に留めてシール圧を高めるためである。
【0023】
これに対し、図3,4に示すように、二次側からの逆流が生じた異常時においては、この場合には二次側の圧力が一次側の圧力を上回るため、流入室55内の圧力が圧力検知室54内の圧力を上回る。この結果、ダイヤフラム53が流入室55側から押圧されて弁体58を押し上げ、パッキン部材53Pを弁座57から離間させて排水口56が開口される。
また、弁体58にはばね59の付勢力が作用しているので、二次側の圧力が一次側の圧力に迫った場合に即座に弁体58を移動させて排水口56を開口可能となっている。
【0024】
ここで、本実施形態の縁切り弁ユニット10において、縁切り弁50が閉弁動作を行う際に、一次側と二次側との圧力差が通常差圧内よりも過大となった場合について説明する。
この場合、一次側の水圧によって弁体58が勢いよく下方へ押し下げられて、弁体58のパッキン部材53Pに弁座57の先端が当接してもさらに弁体58が下方へ移動し、弁座57がパッキン部材53Pへ食込み始める。すると、図9に示すように、パッキン部材53Pは弁座57の周縁に設けられた副座部65に当接するので、弁座57と副座部65とに当接支持される。これにより、パッキン部材53Pとの密着面積が増加することで、パッキン部材53Pへ作用する圧力が弁座57と副座部65とに分散される。従って、弁座57に対する局所的な食込みが緩和される。
さらに、上記のようにパッキン部材53Pと副座部65とが当接してから、或いはこれと同時に、弁体58に設けられた内側当接部63B及び外側当接部63Aがそれぞれ内側受部64B、外側受部64Aと当接する(図9参照)。このとき、両当接部63A,63Bは硬質な樹脂製材料で形成されて、十分な強度を備えているので、一次側から作用する圧力を2箇所で受け止めることができる。これにより、弁体58がそれ以上下方へ移動しようとすることが2重に規制される。
また、本実施形態の縁切り弁50では、弁座57を挟んで内外に内側当接部63Bと外側当接部63Aとが設けられている。これは、圧力検知室54に過大な圧力が作用したとき、仮に、内側当接部63B或いは外側当接部63Aのいずれか一方のみであると、弁座57を境に弁体58が弁座57の外側或いは内側に微妙な反りを生ずる恐れがあるので、このような反りをいずれも解消できるようにするためである。
このようにして、一次側と二次側との圧力差が過大となった場合に弁座57がパッキン部材53Pの弾性限界を超えて食込んで亀裂が生ずることを確実に回避できる。
【0025】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、蓋体52が導入管25に一体に形成されていたが、別体のものでもよい。また、これに限らず、例えば蓋体52と導入管25とを一体に形成すると共に、上流ユニットの円筒管21と別体に形成したようなものであってもよい。
(2)上記実施形態では、ダイヤフラム53にパッキン部材53Pが一体に形成されたものであったが、ダイヤフラムとパッキン部材とを別体に形成したものであってもよい。
(3)上記実施形態では、副座部65は平坦面をなすものであったが、例えば、副座部が先端面を上方に盛り上がらせて断面円弧状をなすように形成されたものであってもよい。また、副座部は平坦面状や曲面状に限らず、これら以外の形状をなすものであってもよい。
(4)上記実施形態では、弁体58及びばね受60は硬質な樹脂製であったが、これに限らず、例えば、これらの双方或いはいずれか一方が金属製やセラミック製のものであってもよい。
(5)上記実施形態では、副座部65は弁座57の外周側に形成されていたが、弁座の内周側縁に形成されるものであってもよい。
(6)上記実施形態では、外側当接部63Aと内側当接部63Bとを同時に当接させるものであったが、厳密な意味での同時である必要はなく、いずれか一方の当接後、僅かな遅れ時間、或いは僅かな圧力差をもって他方が当接するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、内側受部64Bは下端が排水口56の外方の開口部に至るまで延設されていたが、下端が排水口56の中途まで設けられたものであってもよい。また、内側受部64Bは内側円筒壁51Bの内部を複数室に完全に区画するような形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯システムの概要図
【図2】縁切り弁ユニットの正常時における断面図
【図3】縁切り弁ユニットの異常時(逆流時)における断面図
【図4】縁切り弁の開弁時における断面図
【図5】図4のX−X’における平断面図
【図6】縁切り弁の閉弁時における断面図
【図7】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の断面図
【図8】縁切り弁の閉弁時における拡大断面図
【図9】縁切り弁の一次側に過大な圧力が作用した場合の拡大断面図
【図10】従来の縁切り弁ユニットの断面図
【符号の説明】
50…縁切り弁
51…本体
53P…パッキン部材
54…圧力検知室
55…流入室
56…排水口
57…弁座
58…弁体
63A…外側当接部
63B…内側当接部
64A…外側受部
64B…内側受部
65…副座部

Claims (2)

  1. 本体に一次側の流体の流体圧を検知可能な圧力検知室と、二次側の流体を流入させる流入室とを有すると共に、
    前記流入室には、外部へ流体を排出する排水口と、前記排水口の開口端部に設けられた弁座と、一次側と二次側の圧力差の大小によって前記排水口を開閉する弁体とを備えた縁切り弁であって、
    前記弁体には、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときには前記弁座に押し付けられて前記排水口を水密状に閉止し、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも低いときには前記弁座から離間して前記排水口を開放する弾性材よりなるパッキン部材と、
    前記パッキン部材より硬質な材料にて形成されて、前記弁座の内側において前記本体側に設けられた内側受部に当接する内側当接部と、
    前記パッキン部材より硬質な材料にて形成されて、前記弁座の外側において前記本体側に設けられた外側受部に当接する外側当接部とが備えられ、
    一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも高いときには、前記パッキン部材が前記弁座に当接した後に、前記内側当接部が前記内側受部に当接しかつ前記外側当接部が外側受部にそれぞれ当接することにより、前記パッキン部材の前記弁座に対する押し付け量を規制可能となっていることを特徴とする縁切り弁。
  2. 前記排水口の開口端部には前記弁座に隣接して副座部が設けられ、
    前記副座部は一次側と二次側の圧力差が通常範囲内の時には前記パッキン部材に当接せずに、一次側の流体圧が二次側の流体圧よりも設定された圧力差よりも過大な圧力差を生じたときに前記パッキン部材に当接可能とすることを特徴とする請求項1に記載の縁切り弁。
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