JP4115849B2 - W系膜の成膜方法およびw系膜 - Google Patents

W系膜の成膜方法およびw系膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの配線に関わるコンタクト、ビア、メタルゲート電極やCu配線のバリア膜等として適用可能なW系膜の成膜方法およびW系膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、半導体デバイスには一層の高速化および低電力化が要求されており、例えば、CMOSの高速化および低電力化のために、n、pそれぞれに異なったゲート電極を用いることが検討されている。また、ゲート電極材料として、ポリシリコンとメタルとを用いたポリメタルゲート電極、または、メタルゲート電極が検討されている。
【0003】
メタルゲート電極としては、ゲートの仕事関数、ゲート酸化膜との親和性(密着性、反応性)等の面から種々の材料が検討されているが、これらの多くは物理的蒸着(PVD)で検討されている。しかしながら、PVDでは近年のデバイスの微細化による高ステップカバレッジに対応することが困難であり、また、イオンによるゲート酸化膜のダメージが懸念される。これに対して化学的蒸着(CVD)は、ステップカバレッジやゲート酸化膜のダメージといった問題がなく、ゲート電極の形成には非常に有望な方法である。特にリプレイスメント・ゲートと呼ばれる手法が適用されると、ゲート酸化膜、電極はステップカバレッジに優位性のあるCVD法が必須となる。
【0004】
CMOSのpゲート電極に適した材料としては、Ru、MoN、Au、Ag等が検討されているが、絶縁膜への拡散速度等不明な点が多く、さらにこれまでSi半導体では使用されていない材料であるため、多くの評価が必要となる。これに対して、Wは、CMOSのpゲート電極に要求されるのに近い仕事関数を有しており、Si半導体に使用されている材料であり、しかもCVD法で成膜可能であるため、CMOSのpゲート電極材料として注目されている。これまでのCVDによるW配線は、WFガスを用いて成膜されているが、原料に含まれるFが下地に悪影響を与えることが懸念される。
【0005】
一方、上述のような半導体デバイスの高速化の観点から層間絶縁膜として低誘電率の有機膜、いわゆるlow−k膜が用いられ、配線層として従来のAlに代わってより電気抵抗が低いCuが用いられつつある。Cu配線層を形成する場合には、例えば層間絶縁膜として形成されたlow−k膜にビアホールやトレンチを形成した後、バリア層としてTaN/Taを形成し、その上にCuシード層を形成し、最終的にCuメッキする方法が用いらる。しかしながら、TaN/TaはPVDで成膜するため、ステップカバレッジが悪く、デバイスルールが厳しくなるとビアホール側面へバリア膜を確保することが困難となる。そこでCu配線層のバリア膜としてCVDで成膜可能なWNが検討されている。
【0006】
このようなWN膜の成膜方法として、W源としてWFを用い、窒化ガスとしてMMH、NH、Nを用いてノンプラズマまたはプラズマを用いたCVDによりWN膜を形成するものが知られている(例えば特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−195621号公報(請求項7、段落0009、0028等)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、窒化ガスとしてNHを用いた場合には、W源であるWFと反応してNHFが発生し、これがチャンバ内に残留しパーティクルとなってWN膜の膜質を低下させる。また、NHガスに含まれる水素が下地膜へ悪影響を及ぼす。さらに、成膜ガスとしてW膜の場合と同様、WFのようなF含有ガスを用いるため、F自体がゲート酸化膜やlow−k膜の膜質に影響を与えるおそれがあり好ましくない。さらにまた、上記特許文献1には、窒化の際にNを用いた場合にはプラズマが必要であることが記載されているが(段落0009)、その場合にはプラズマアタックによりゲート酸化膜等の下地膜が劣化するおそれがある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、下地の膜質に悪影響を与えることなく、かつ膜質を低下させることなくWNを含むW系膜を成膜することができるW系膜の成膜方法を提供することを目的とする。また、窒化の際の下地膜へのダメージが少ないWNを含むW系膜の成膜方法を提供することを目的とする。さらに、そのような方法で得られるWNを含むW系膜を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第の観点では、被処理基板をCVD装置に搬入して、被処理基板を加熱しつつW(CO)ガスを供給することにより被処理基板上にCVDによりW膜を成膜する工程と、W膜成膜後、真空を破ることなく被処理基板をプラズマ処理装置に搬入し、W膜の一部または全部をNガスを含むガスのプラズマにより窒化する工程とを具備し、前記W膜の成膜において、前記被処理基板に対するW(CO)ガスの供給とW(CO)ガスが分解して生成した分解ガスの除去とを交互的に行うことを特徴とするW系膜の成膜方法を提供する。
【0015】
本発明の第の観点では、被処理基板を加熱しつつW(CO)ガスを導入することにより被処理基板上にCVDによりW膜を成膜する工程と、W膜成膜後、W膜の一部または全部をNガスを含むガスのプラズマにより窒化する工程とを具備し、前記W膜を成膜する工程および前記窒化する工程は、同一のチャンバー内で行い、前記W膜の成膜において、前記被処理基板に対するW(CO)ガスの供給とW(CO)ガスが分解して生成した分解ガスの除去とを交互的に行うことを特徴とするW系膜の成膜方法を提供する。
【0016】
上記第1、第2の観点において、前記窒化する工程の後、被処理基板を加熱しつつW(CO)ガスを導入することにより窒化されたW膜の上にCVDによりW膜を成膜する工程をさらに有するものとすることができる。
【0017】
上記本発明の第1、第2の観点において、前記窒化工程は、NおよびArのプラズマを用いて行われることが好ましい。また、前記W膜成膜工程は、被処理基板を300〜600℃に加熱しつつW膜を成膜することが好ましい。
【0018】
本発明の第の観点によれば、上記いずれかの成膜方法によって得られるW系膜を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る方法の工程を説明するための図である。本発明の第1の実施形態においては、図1の(a)に示すように、被処理基板である半導体ウエハ1を準備し、まず、その上に、図1の(b)に示すように、CVDによりW膜2を成膜する(工程1)。ここで、半導体ウエハ1としては、通常、所定の膜を形成してあるものを用いる。次いで、図1の(c)に示すように、このように形成したW膜2にNガスを含むプラズマによる窒化処理を施し、図1の(d)に示すように、W膜2の一部または全部をWN膜3とし(工程2)、所定のW系膜を得る。工程2の窒化処理において、窒化の際の時間等の条件を適宜設定することにより、図示するように、W膜2の一部、例えばW膜2の表面から膜の途中までをWN膜3としてW膜2の上にWN膜3が形成された構造とすることができる。また、W膜2を十分に窒化させた場合には全体を緻密なWN膜3とすることができる。この場合に、W膜2はCVDにより成膜されるのでステップカバレッジが良好であり、かつ窒化の際にNHを用いないので下地膜へのHダメージ等の悪影響がないW系膜を得ることができる。また、窒化の条件を変化させることにより、WN膜の厚さを任意に変化させることができるので、よりバリア性を要求される場合にはWN膜を厚くし、より低抵抗が要求される場合にはWN膜を薄くする。工程2の窒化処理は、工程1のW膜成膜後、酸化防止のためにin−situで行われることが好ましい。この場合に、真空を破らずに、同一システム中でそれぞれ異なるチャンバーで連続して実施してもよいし、同一チャンバー内でW膜成膜後に引き続き窒化処理を行ってもよい。
【0020】
工程1のW膜成膜においては、成膜ガスとして有機金属であるW(CO)ガスを用いることが好ましい。W(CO)ガスは従来から用いられていたWFのようにFを含んでいないのでFの拡散の影響が生じない。また、工程2の窒化処理においては、マイクロ波を用いたプラズマを用いることが好ましい。マイクロ波を用いたプラズマはイオンの生成が少なくラジカルが主に生成されるので、イオンによるプラズマアタックが小さく、窒化の際のダメージが極めて小さい。
【0021】
本発明の第2の実施形態では、図2の(a)〜(d)に示すように、上記第1の実施形態と同様に工程1および工程2を実施した後、図2の(e)に示すように、WN膜3の上にさらにCVDによりW膜4を成膜し(工程3)、所定のW系膜を得る。この場合に、工程2までで全体がWN膜が形成されていれば、WN/W構造となり、工程2まででW膜上にWN膜が形成された構造が形成されていれば、W/WN/Wのサンドイッチ構造となる。このように工程3でW膜を成膜することにより、低抵抗でバリア性の高いW系膜を実現することができる。また、W膜4の存在によりその上の配線層等との密着性を良好にすることができる。さらに、W膜4を配線またはメタルゲート電極として適用してもよい。工程3のW膜4の成膜の際にはWFを用いるも可能であるが、W膜2の成膜の場合と同様、有機金属であるW(CO)ガスを用いることが好ましい。なお、W膜成膜工程と窒化処理工程とを交互に繰り返してW膜とWN膜とを交互に積層してもよく、この場合にはよりバリア性の高いW系膜を得ることができる。
【0022】
以上のような方法で形成されるW系膜は、図3に示すようなゲート電極、および図4に示すようなCu配線のバリア膜として有効である。図3の例では、Si基板5を直接酸化または酸窒化して形成されたSiO、SiNO膜や、極薄熱酸化膜のSiOからなる膜6上に、Al、HfAlO等の高誘電率材料(high−k材料)からなる絶縁層7を形成してなるゲート酸化膜8、その上に、上記第1の実施形態または第2の実施形態に係るW系膜からなるゲート電極の下層9をバリア膜として形成し、その上にW、poly−Si、Cu等からなるゲート電極の上層10を形成している。WNを含むW系膜は下地のhigh−k材料と密着性が良く、低抵抗拡散バリア膜として極めて適している。また、第2の実施形態のように、上層にさらにW膜を成膜することにより、高速なゲート電極を実現することができる。なお、符号11はスペーサ、12は層間絶縁膜である。図4の例では、下層配線13の上にlow−k膜からなる層間絶縁膜14をスピンコーティングまたはCVDにより形成し、デュアルダマシン法に従ってビアホール15およびトレンチ16を形成した後、その内側および層間絶縁膜14の上側に上記第1の実施形態または第2の実施形態に係るW系膜からなるバリアメタル膜17を形成し、その上に配線となるCu膜18を成膜する。Cu膜18は、最初にPVD法により薄いCuシード層を形成し、その後メッキ法によりCuを埋めることにより得られる。WNを含むW系膜は、バリア性が高く、Cuの拡散を有効に防止することができる。また、第2の実施形態のように、上層にさらにW膜を成膜することにより、次の配線を形成した際の配線層との密着性を良好にする。また、W膜自体を配線材料として機能させることもできる。
【0023】
次に、上記工程1の好適な例について説明する。図5は、上記工程1のW系膜の成膜方法を実施するためのCVD−W成膜装置の一例を模式的に示す断面図であり、成膜ガスとしてW(CO)ガスを用いている。
【0024】
この成膜装置100は、気密に構成された略円筒状のチャンバー21を有している。チャンバー21の底壁21bの中央部には円形の開口部42が形成されており、底壁21bにはこの開口部42と連通し、下方に向けて突出する排気室43が設けられている。チャンバー21内には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのAlN等のセラミックスからなるサセプタ22が設けられている。このサセプタ22は、排気室43の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材23により支持されている。サセプタ22の外縁部にはウエハWをガイドするためのガイドリング24が設けられている。また、サセプタ22には抵抗加熱型のヒーター25が埋め込まれており、このヒーター25はヒーター電源26から給電されることによりサセプタ22を加熱して、その熱で被処理体であるウエハWを加熱する。この熱によりチャンバー21内に導入されたW(CO)ガスが熱分解される。この際に、サセプタ22は成膜に都合の良い300〜600℃の間の所定の温度に加熱される。ヒーター電源26にはコントローラー(図示せず)が接続されており、これにより図示しない温度センサーの信号に応じてヒーター25の出力が制御される。また、チャンバー21の壁にもヒーター(図示せず)が埋め込まれており、チャンバー21の壁を40〜80℃程度に加熱するようになっている。
【0025】
サセプタ22には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン46がサセプタ22の表面に対して突没可能に設けられ、これらウエハ支持ピン46は支持板47に固定されている。そして、ウエハ支持ピン46は、エアシリンダ等の駆動機構48により支持板47を介して昇降される。
【0026】
チャンバー21の天壁21aには、シャワーヘッド30が設けられ、このシャワーヘッド30の下部には、サセプタ22に向けてガスを吐出するための多数のガス吐出孔30bが形成されたシャワープレート30aが配置されている。シャワーヘッド30の上壁にはシャワーヘッド30内にガスを導入するガス導入口30cが設けられており、このガス導入口30cにW(CO)ガスを供給する配管32が接続されている。また、シャワーヘッド30の内部には拡散室30dが形成されている。シャワープレート30aには、シャワーヘッド30内でのW(CO)ガスの分解を防止するために、例えば同心円状の冷媒流路30eが設けられており、冷媒供給源30fからこの冷媒流路30eに冷却水等の冷媒が供給され、20〜100℃に制御することができるようになっている。
【0027】
配管32の他端は、成膜原料である固体状のW(CO)原料Sが収容された成膜原料容器33に挿入されている。成膜原料容器33の周囲には加熱手段としてヒーター33aが設けられている。成膜原料容器33には、キャリアガス配管34が挿入され、キャリアガス供給源35から配管34を介してキャリアガスとして例えばArガスを成膜原料容器33に吹き込むことにより、成膜原料容器33内の固体状のW(CO)原料Sがヒーター33aにより加熱されて昇華し、W(CO)ガスとなり、キャリアガスにキャリアされて配管32を介してシャワーヘッド30へ供給され、さらにはチャンバー21へ供給される。キャリアガスとしてはHガスを用いてもよい。なお、配管34にはマスフローコントローラ36とその前後のバルブ37a,37bが設けられている。また、配管32には例えばW(CO)ガスの量に基づいてその流量を把握するための流量計65とその前後バルブ37c,37dが設けられている。また、配管32の流量計65の下流側には、プリフローライン61が接続され、このプリフローライン61は後述する排気管44に接続されており、原料ガスをチャンバー21内に安定に供給するため、所定時間排気するようになっている。さらに、プリフローライン61には、W(CO)ガス配管32との分岐部の直下流にバルブ62が設けられている。配管32,34,61の周囲にはヒーター(図示せず)が設けられており、W(CO)ガスの固化しない温度、例えば20〜100℃、好ましくは25〜60℃に制御される。
【0028】
また、配管32の途中にはパージガス配管38が接続され、このパージガス配管38の他端はパージガス供給源39に接続されている。パージガス供給源39は、パージガスとして、例えばArガス、Heガス、Nガス等の不活性ガスやHガス等を供給するようになっている。このパージガスにより配管32の残留成膜ガスの排気やチャンバ21内のパージを行う。なお、パージガス配管38にはマスフローコントローラ40およびその前後のバルブ41a,41bが設けられている。
【0029】
マスフローコントローラ36,40、流量計65、バルブ37a,37b,37c,37d,41a,41b,62はコントローラ60によって制御され、これによりキャリアガス、W(CO)ガスおよびパージガスの供給・停止およびこれらのガスの流量を所定の流量に制御するようになっている。チャンバー21へ導入されるW(CO)ガスの流量は、流量計65の値に基づいてキャリアガスの流量をマスフローコントローラ36により制御することにより制御される。
【0030】
上記排気室23の側面には排気管24が接続されており、この排気管24には高速真空ポンプを含む排気装置25が接続されている。そしてこの排気装置25を作動させることによりチャンバー1内のガスが、排気室43の空間43a内へ均一に排出され、排気管44を介して所定の真空度まで高速に減圧することが可能となっている。
【0031】
チャンバー21の側壁には、成膜装置100に隣接する搬送室(図示せず)との間でウエハWの搬入出を行うための搬入出口49と、この搬入出口49を開閉するゲートバルブ50とが設けられている。
【0032】
このような成膜装置を用いてW膜を成膜する際には、まず、ゲートバルブ50を開にして搬入出口49からウエハWをチャンバー21内に搬入し、サセプタ22上に載置する。次いで、ヒーター25によりサセプタ22を加熱してその熱によりウエハWを300〜600℃に加熱し、排気装置45の真空ポンプによりチャンバー21内を排気して、チャンバー21内の圧力を6.7Pa以下に真空排気する。
【0033】
次いで、バルブ37a,37bを開にして固体状のW(CO)原料Sが収容された成膜原料容器33にキャリアガス供給源35からキャリアガス、例えばArガスを吹き込み、W(CO)原料Sをヒーター33aにより加熱して昇華させ、次いでバルブ37c,37dを開にして、生成したW(CO)ガスをキャリアガスによりキャリアさせる。そして、バルブ62を開けて所定の時間のプリフローを行い、配管61を通って排気し、W(CO)ガスの流量を安定させる。次いで、バルブ62を閉じると同時にバルブ37eを開けて、W(CO)ガスを配管32へ導入してガス導入口30cからシャワーヘッド30内の拡散室30dに供給され、拡散されて、シャワープレート30aのガス吐出孔30bよりチャンバー21内のウエハW表面に向けてW(CO)ガスを均一に供給する。これにより、加熱されたウエハW表面でW(CO)が熱分解して生じたWがウエハW上に堆積しW膜が形成される。この際のチャンバー21内の圧力は0.10〜666.7Paであることが望ましい。圧力が666.7Paを超えるとW膜の膜質が低下するおそれがあり、一方、0.10Pa未満では成膜レートが低くなりすぎる。また、W(CO)ガスのレジデンスタイムは、100sec以下であることが好ましい。W(CO)ガス流量は、0.01〜5L/min程度が好ましい。
【0034】
所定の膜厚のW膜が形成された時点で、バルブ37a〜37dを閉じてW(CO)ガスの供給を停止し、パージガス供給源39からパージガスをチャンバー21内に導入してW(CO)ガスをパージし、ゲートバルブ50を開にして搬入出口49からウエハWを搬出する。
【0035】
W成膜の際には、以上のように連続的にW(CO)ガスを供給してW膜を成膜する代わりに、ウエハWに対するW(CO)ガスの供給とW(CO)ガスが分解して生成したCOガスの除去とを交互的に行ってW膜を成膜してもよい。連続的にW(CO)ガスを供給して成膜を行う際には、ウエハW上の所定の膜の表面にW(CO)ガスが到達した時点でW(CO)ガスが分解して生じたCOが短時間でWが吸着すべきサイトに吸着してW膜にCOが取り込まれて電気抵抗が高くなるおそれがあるが、W(CO)ガスの供給とW(CO)ガスが分解して生成したCOガスの除去とを交互的に行うことにより、ウエハW上でW(CO)ガスが分解してCOがWが吸着すべきサイトに吸着しても、COが高速排気により速やかに除去され、CO取り込みを低減することができ、電気抵抗が低い良質の膜を得ることができる。COガスの除去は、チャンバー21内を高速排気してもよいし、パージガス供給源39からパージガスを導入するようにしてもよい。
【0036】
なお、キャリアガスはArガスに限らず他のガスを用いてもよく、Nガス、Hガス、Heガス等が用いられる。
【0037】
次に、上記工程2の好適な例について説明する。図6は、上記工程2の窒化処理を実施するための窒化処理装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0038】
この窒化処理装置200は、マイクロ波プラズマにより窒化処理を行う装置であり、気密に構成され、接地された略円筒状のチャンバー71を有している。チャンバー71の底壁71bの中央部には円形の開口部80が形成されており、底壁71bにはこの開口部80と連通し、下方に向けて突出する排気室81が設けられている。チャンバー71内には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのAlN等のセラミックスからなるサセプタ72が設けられている。このサセプタ72は、排気室81の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材73により支持されている。サセプタ72の外縁部にはウエハWをガイドするためのガイドリング74が設けられている。また、サセプタ72には抵抗加熱型のヒーター75が埋め込まれており、このヒーター75はヒーター電源76から給電されることによりサセプタ72を加熱して、その熱で被処理体であるウエハWを加熱する。ヒーター電源76にはコントローラー(図示せず)が接続されており、これにより図示しない温度センサーの信号に応じてヒーター75の出力が制御される。また、サセプタ72内の上部には電極77が水平に埋設されており、この電極77には整合器78を介してウエハに高周波バイアスをかけてイオンを引き込むための高周波電源79が接続されている。
【0039】
サセプタ72には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン82がサセプタ72の表面に対して突没可能に設けられ、これらウエハ支持ピン82は支持板83に固定されている。そして、ウエハ支持ピン82は、エアシリンダ等の昇降機構84により支持板83を介して昇降される。
【0040】
チャンバー71の側壁にはガス導入部材85が設けられており、このガス導入部材85にはガス供給系86が接続されている。このガス供給系86はNガス供給源87およびArガス供給源88を有しており、これらガスがそれぞれガスライン89および90を介してガス導入部材85に供給され、ガス導入部材85からチャンバー71内に導入される。なお、ガスライン89および90には、マスフローコントローラ91およびその前後の開閉バルブ92が設けられている。
【0041】
上記排気室81の側面には排気管93が接続されており、この排気管93には高速真空ポンプを含む排気装置94が接続されている。そしてこの排気装置94を作動させることによりチャンバー71内のガスが、排気室81の空間81a内へ均一に排出され、排気管93を介して所定の真空度まで高速に減圧することが可能となっている。
【0042】
チャンバー71の側壁には、窒化処理装置200に隣接する搬送室(図示せず)との間でウエハWの搬入出を行うための搬入出口95と、この搬入出口95を開閉するゲートバルブ96とが設けられている。
【0043】
チャンバー71の上部は開口部となっており、この開口部の周縁部に沿ってリング状の支持部97が設けられており、この支持部97に誘電体、例えばAlN等のセラミックスからなり、マイクロ波を透過するマイクロ波透過板98がシール部材99を介して気密に設けられている。したがって、チャンバー71内は気密に保持される。
【0044】
マイクロ波透過板98の上方には、サセプタ72と対向するように、円板状の平面アンテナ部材101が設けられている。この平面アンテナ部材101はチャンバー71の側壁上端に係止されている。アンテナ部材101は、例えば表面が銀メッキされた銅板またはアルミニウム板からなり、長溝状のスロット、あるいは円形状の貫通孔からなる多数のマイクロ波放射孔102が所定のパターンで形成されている。このアンテナ部材101の上面には、真空よりも大きい誘電率の高誘電率特性を有する遅波材103が設けられている。チャンバー71の上面には、これらアンテナ部材101および遅波材103を覆うように、シールド蓋体104が設けられている。チャンバー71の上面とシールド蓋体104とはシール部材105によりシールされている。シールド蓋体104には、図示しない冷却水流路が形成されており、そこに冷却水を通流させることにより、シールド蓋体104や遅波材103を冷却するようになっている。なお、シールド蓋体104は接地されている。
【0045】
シールド蓋体104の上壁の中央には開口部106が形成されており、この開口部には導波管107が接続されている。この導波管107の端部には、マッチング回路108を介してマイクロ波発生装置109が接続されている。これにより、マイクロ波発生装置109で発生した例えば周波数2.45GHzのマイクロ波が導波管107を介して上記平面アンテナ部材101へ伝搬されるようになっている。なお、マイクロ波の周波数としては、8.35GHz、1.98GHz等を用いることもできる。
【0046】
導波管107は、上記シールド蓋体104の開口部106から上方へ延出する断面円形状の同軸導波管107aと、この同軸導波管107aの上端部に接続された水平方向に延びる断面矩形状の矩形導波管107bとを有している。矩形導波管107bの同軸導波管107aとの接続部側の端部はモード変換器110となっている。同軸導波管107aの中心には内導体111が延在しており、この内導体111の下端部はアンテナ部材101の中心に接続固定されている。
【0047】
このような窒化処理装置200を用いてW膜を窒化する際には、まず、ゲートバルブ96を開にして搬入出口95からウエハWをチャンバー71内に搬入し、サセプタ72上に載置する。
【0048】
そして、チャンバー71内を所定の圧力、例えば13.33〜1333Paに維持し、ガス供給系86のNガス供給源87およびArガス供給源88から、NガスおよびArガスをそれぞれ、10〜100mL/minおよび0.1〜5L/minの流量でガス導入部材85を介してチャンバー71内に導入する。
【0049】
同時にマイクロ波発生装置109からのマイクロ波をマッチング回路108を経て導波管107に導く。マイクロ波は、矩形導波管107b、モード変換器110、および同軸導波管107aを順次通って平面アンテナ部材101に供給され、アンテナ部材101からマイクロ波透過板98を経てチャンバー71内におけるウエハWの上方空間に放射される。この場合に、マイクロ波は遅波板103によって波長が短くされている。マイクロ波は、矩形導波管107b内ではTEモードで伝搬し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器110でTEMモードに変換されて、同軸導波管107a内をアンテナ部材101に向けて伝搬されていく。
【0050】
アンテナ部材101からマイクロ波透過板98を経てチャンバー71に放射されたマイクロ波によりチャンバー71内ではNガスおよびArガスがプラズマ化し、このプラズマにより活性化されたNラジカル(N)がウエハWに形成されたW膜に作用して窒化反応が生じWNが形成される。この場合に、処理時間を調節することにより、W膜を所望の深さまで窒化させることができる。
【0051】
この場合に、マイクロ波プラズマはプラズマ密度が高く、電子温度が低いため、イオンの生成が少なくラジカルが生成される。したがって、このようにマイクロ波プラズマにより窒化処理を行うことにより、イオンによる被処理体へのプラズマアタックが小さく、窒化の際のイオンによる下地へのダメージを極めて小さくすることができる。また、水素を含むガスを用いず、NガスおよびArガスによるプラズマで窒化処理を行うため、下地に水素の悪影響を及ぼすことがない。なお、Arガスの代わりに他の希ガスを用いてもよい。
【0052】
マイクロ波を用いた窒化処理装置としては、図6に示す装置の他、リモートプラズマ装置を用いることもできる。このリモートプラズマ装置は、図6と同様のマイクロ波発生装置で発生したマイクロ波を導波管によりプラズマ生成室に導き、そこに供給されたArガスおよびNガスをマイクロ波によりプラズマ化して、プラズマ生成室からチャンバーにマイクロ波プラズマを導き、このマイクロ波プラズマによりチャンバー内のウエハWに窒化処理を施すものである。このリモートプラズマ装置は、マイクロ波プラズマをチャンバー外で生成してチャンバー内に導く点が図6の装置と異なるのみであり、基本的には図6の装置とほぼ同様にして窒化処理を行うことができる。
【0053】
以上のようにプラズマ窒化処理に際しては、下地へのダメージが極めて少ない点においてマイクロ波プラズマを用いることが最も好ましいが、以下に示すような誘導結合プラズマ(ICP)装置を用いる場合にも、下地へのダメージを少なくして窒化処理を行うことができる。
【0054】
図7は、このようなICPを用いた窒化処理装置を示す断面図である。このプラズマ処理装置300は、略円筒状のチャンバー121と、チャンバー121の上方にチャンバー121と連続するように設けられた上部が閉塞された円筒状、例えばドーム型のベルジャー122と、チャンバー121の下方に設けられたチャンバー1内を均一に排気するための排気室123とを有している。
【0055】
チャンバー121は、アルミニウム等の導電性材料で構成されており、その内部には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのAlN等のセラミックスからなるサセプタ131が設けられている。このサセプタ131は、排気室123の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材132により支持されている。サセプタ131の上面にはウエハWと略同形の凹部131aが形成されており、この凹部131aにウエハWが落とし込まれるようになっている。サセプタ131の外周には、サセプタ131に載置されたウエハWのエッジを覆うようにシャドウリング133が昇降可能に設けられている。シャドウリング133は、プラズマをフォーカスし、均一なプラズマを形成するのに役立つ。また、サセプタ131をプラズマから保護する役割も有する。
【0056】
サセプタ131は、サセプタ131内の上部には電極134が水平に埋設されており、この電極134には整合器135を介してウエハに高周波バイアスをかけてイオンを引き込みむための高周波電源136が接続されている。ベルジャー122の天壁の上には対向電極として機能し、かつベルジャー122の保持機能を兼備した導電性部材137が設けられている。また、セプタ131内には、電極134の下方位置にヒーター138が埋設されており、ヒーター電源139からヒーター138に給電することにより、ウエハWを所定の温度に加熱可能に構成されている。なお、電極134およびヒーター138への給電線は支持部材132の内部に挿通されている。
【0057】
サセプタ131には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ昇降ピン141が挿通されており、サセプタ131の上面に対して突没可能に設けられている。これらウエハ昇降ピン141は支持板142に固定されており、エアシリンダ等の昇降機構143により支持板142を介して昇降される。
【0058】
チャンバー121の内部には、その内壁に沿ってチャンバー121の内壁にプラズマエッチングにより生成された副生成物等が付着することを防止するための略円筒状をなすチャンバーシールド144が着脱自在に設けられている。このチャンバーシールド144は、チャンバー121の底壁121bに数カ所(2カ所のみ図示)ボルト145により取り付けられており、ボルト145を外すことにより、チャンバー121から取り外すことができ、チャンバー121内のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0059】
チャンバー121の側壁は開口146を有しており、チャンバー121の外側の開口146と対応する位置にはゲートバルブ147が設けられ、このゲートバルブ147を開にした状態でウエハWが隣接するロードロック室(図示せず)とチャンバー121内との間で搬送されるようになっている。
【0060】
ベルジャー122は、例えば石英やAlN等のセラミックス材料のような誘電体材料で形成されており、円筒状の側壁部と、その上の天壁部とを有している。このベルジャー122の側壁部の外側にはアンテナ部材としてのコイル171が略水平方向に巻回(図では7巻)されており、コイル171には整合器172を介して高周波電源173が接続されている。高周波電源173は300kHz〜60MHzの周波数を有している。好ましくは450kHzである。そして、高周波電源173からコイル171に高周波電力を供給することにより、誘電体材料からなるベルジャー122の側壁を介してベルジャー122の内側に誘導電磁界が形成されるようになっている。
【0061】
チャンバー121とベルジャー122との間には、リング状をなすガス導入部材150が設けられている。このガス導入部材150はAl等の導電性材料からなる。ガス導入部材150には、その内周面に沿って複数のガス吐出孔151が形成されている。またガス導入部材150の内部には環状のガス流路152が設けられており、このガス流路152にはガス供給系160からNガスおよびArガスが供給され、これらガスがガス流路152から上記ガス吐出孔151を介してベルジャー122内に吐出される。ガス吐出孔151は、斜め上に向けて形成されており、これらガスがベルジャー122の中央部に向かって供給される。
【0062】
ガス供給系160は、ガス配管161を介して上記ガス導入部材150へ窒化処理用のNガスおよびArガスを供給するためのものであり、図6のガス供給系86と同様に構成される。
【0063】
上記排気室123は、チャンバー121の底壁121bの中央部に形成された円形の穴121cを覆うように下方に向けて突出して設けられている。排気室123の側面には排気管162が接続されており、この排気管162には排気装置63が接続されている。そしてこの排気装置163を作動させることによりチャンバー121およびベルジャー122内を所定の真空度まで均一に減圧することが可能となっている。
【0064】
このような窒化処理装置300を用いてW膜を窒化する際には、まず、ゲートバルブ147を開にして搬入出口146からウエハWをチャンバー121内に搬入し、サセプタ131上面の凹部131aに挿入した状態で載置する。その後、ゲートバルブ147を閉にして、排気装置163によりチャンバー121およびベルジャー122内を排気して所定の減圧状態にし、この減圧状態でガス供給系160から供給されたNガスおよびArガスをガス導入機構150のガス吐出孔161からベルジャー122内に吐出させる。これと同時に、高周波電源173からコイル171に高周波電力を供給することにより、コイル171と導電性部材137との間等に電界を生じさせて、ベルジャー122内に導入したNガスおよびArガスを励起させてプラズマを点火し、その後、ベルジャー122内に流れる誘導電流により連続的にNガスおよびArガスがプラズマ化し、このプラズマにより活性化されたNラジカル(N)がウエハWに形成されたW膜に作用して窒化反応が生じWNが形成される。この際に、サセプタ131内の電極134には高周波電源136から高周波バイアスが印加される。この際の処理条件は、例えば圧力が133〜1333Pa、ウエハ温度が100〜300℃、ガス流量がN:10〜100mL/min、Ar:0.1〜5L/minであり、高周波電源173の電力は200〜1000Wである。この場合に、処理時間を調節することにより、W膜を所望の深さまで窒化させることができる。
【0065】
次に、図5のW膜成膜装置にプラズマ発生機構を適用し、W膜成膜の後に同一チャンバー内で窒化処理を行うことができる装置について図8を参照して説明する。図8の装置400の成膜装置部分は基本的には図5の装置と基本的に同一の構成を有しており、同じものには同じ符号を付して説明を省略する。この装置400において、シャワーヘッド30の上壁のガス導入口30cにはプラズマ導入筒181が接続されており、このプラズマ導入筒181を介してマイクロ波プラズマ生成機構180で発生したマイクロ波プラズマがチャンバー21内に導かれる。一方、成膜用のガスのガス配管32は、プラズマ導入筒181に接続されており、ガス配管32からこのプラズマ導入筒181を介してチャンバー21内に成膜ガスが導入される。
【0066】
マイクロ波プラズマ生成機構180は、プラズマ導入筒181に接続されたプラズマ生成室182と、マイクロ波発生装置183と、マッチング回路184と、導波管185と、ガス供給系190とを有している。
【0067】
上記プラズマ生成室182には、導波管185およびマッチング回路184を介してマイクロ波発生装置183が接続されている。このマイクロ波発生装置183の周波数は例えば2.45GHzである。もちろん、8.35GHz、1.98GHz等他の周波数を用いることもできる。
【0068】
ガス供給系190は、Nガスを供給するNガス供給源191、Arガスを供給するArガス供給源192を有しており、これらにはそれぞれガスライン193,194が接続されている。各ラインにはマスフローコントローラ195およびその前後のバルブ196が設けられている。
【0069】
ガス供給系190からのガスライン193,194はプラズマ生成室182に繋がっており、これらガスライン193,194から供給されたNガスおよびArガスがマイクロ波発生装置183から導波管185を経てプラズマ生成室182に導入されたマイクロ波によりプラズマ化され、そのプラズマがプラズマ導入筒181を経てチャンバー21に導入される。
【0070】
なお、図8の装置は、窒化処理の際にイオンを引き込めるように、サセプタ22内の上部に電極197が水平に埋設されており、この電極197には整合器198を介してウエハに高周波バイアスをかけてイオンを引き込むための高周波電源199が接続されている。
【0071】
このような図8の装置を用いてW膜を成膜する場合には、図5の装置の場合と全く同様に、W(CO)ガスを配管32を介してシャワーヘッド30へ導き、シャワーヘッド30からウエハWへW(CO)ガスを供給し、熱分解によりW膜を成膜する。
【0072】
一方、窒化処理を行う場合には、W(CO)ガスの供給を停止し、プラズマ生成室182でガス供給系190から供給されたNガスおよびArガスをマイクロ波によりプラズマ化し、そのマイクロ波プラズマをシャワーヘッド30を介してウエハW上のW膜に供給することによりW膜の窒化処理がなされる。
【0073】
この際の処理条件は、例えば圧力が133〜1333Pa、ウエハ温度が100〜300℃、ガス流量がN:10〜100mL/min、Ar:0.1〜5L/minであり、マイクロ波発生装置183の電力は2.5〜4.5Wである。このような条件のプラズマにより所定時間処理することにより、W膜を所望の深さまで窒化させることができる。
【0074】
このようにして、W膜成膜および窒化処理を一つの装置で行うことにより、極めて効率よく、しかも酸化等の不都合が生じることなく、WN膜を含むW系膜を成膜することができる。
【0075】
なお、このようなW膜成膜の後に同一チャンバー内で窒化処理を行うことができる装置としては、マイクロ波プラズマ生成機構180の代わりに、図9に示す誘導結合プラズマ生成機構210を設けたものであってもよい。この装置500の成膜装置部分も基本的に図5の成膜装置と同様に構成されている。この装置500において、誘導結合プラズマ生成機構210は、シャワーヘッド30の上壁のガス導入口30cに接続されたセラミックス等の絶縁体からなるプラズマ生成筒211と、プラズマ生成筒211に巻回されたコイル状の高周波アンテナ212と、高周波アンテナ212に高周波電力を供給する高周波電源213とを有している。高周波アンテナ212と高周波電源213との間には整合器214が介在されている。プラズマ生成筒211は、図示しないガス供給系から、図8の装置と同様に、NガスおよびArガスが導入される。
【0076】
このような図9の装置を用いて図5の装置の場合と全く同様にW膜を成膜した後、窒化処理を行う場合には、W(CO)ガスの供給を停止し、ICPプラズマ生成機構210のプラズマ生成筒211にNガスおよびArガスを導入するとともに、高周波アンテナ212に高周波電力を供給し、誘導電界によりプラズマ生成筒211内でNガスおよびArガスをプラズマ化し、その誘導結合プラズマををシャワーヘッド30を介してウエハW上のW膜に供給することによりW膜の窒化処理がなされる。この際の、高周波電源213の電力は、例えば100〜3000Wである。この場合に、処理時間を調節することにより、W膜を所望の深さまで窒化させることができる。
【0077】
図8および図9の装置において、窒化処理のためのプラズマの導入口は、成膜ガスの導入口とは異なっていてもよい。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、CVDでW膜を成膜する際に、W(CO)を用いた場合について示したが、WF等の他のガスを用いてもよい。ただし、WFはFの悪影響が懸念されるから、W(CO)のほうが好ましい。また、プラズマによる窒化処理を行う装置についても、上記装置に限るものではない。ただし、マイクロ波プラズマや誘導結合プラズマ以外のプラズマを用いた装置、例えば平行平板電極を用いたプラズマではプラズマによる下地へのダメージが懸念されるため、マイクロ波プラズマや誘導結合プラズマが好ましい。
【0079】
さらに、上記実施形態では、被処理基板として半導体ウエハを用いた場合について示したが、これに限らず液晶表示装置用ガラス基板等の他の基板にも適用することが可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、W(CO)ガスを用いたCVDによりW膜を成膜した後にW膜の一部または全部をNガスを含むプラズマで窒化し、WFやNHを用いる必要がないので、下地のゲート酸化膜やlow−k膜にFやHの悪影響を与えず、かつ副生成物であるNHFに起因するパーティクルによる膜質低下も発生しない。したがって、ゲート電極やCu配線層のバリア膜として好適なW系膜を得ることができる。また、W膜を形成した後に窒化処理を行うので、窒化する膜厚を任意に変えることができ、要求に応じて必要な拡散バリア性を有するW系膜を形成することができる。そして、このようにして窒化後にさらにW(CO)ガスを用いたCVDによりW膜を成膜することにより、低抵抗のW系膜を実現することができ、ゲート電極やCu配線層のバリア膜として一層良好な特性を示す。
【0081】
また、W膜の一部または全部を窒化するプラズマ窒化処理の際に用いるプラズマ源として電子温度が低いマイクロ波を用いることで、より効果的にW膜を窒化することができる。このようなマイクロ波を用いたプラズマは、高密度であり、イオンの生成が少なく、ラジカルが主に生成されるので、プラズマアタックが小さく、窒化の際のイオンによる下地へのダメージが極めて小さい。したがって、ゲート電極やCu配線層のバリア膜として好適なW系膜を得ることができる。また、このようにして窒化した後にさらにCVDによりW膜を成膜することにより、より低抵抗のW系膜を実現することができ、ゲート電極やCu配線層のバリア膜として一層良好な特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る方法の工程を説明するための模式図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る方法の工程を説明するための模式図。
【図3】本発明のW系膜を適用したゲート電極を示す断面図。
【図4】本発明のW系膜をバリア膜に適用したCu配線部を示す断面図。
【図5】本発明のW膜成膜工程に用いられるCVD−W成膜装置の一例を模式的に示す断面図。
【図6】本発明の窒化処理工程に用いられるマイクロ波プラズマを用いた窒化処理装置の一例を示す断面図。
【図7】本発明の窒化処理工程に用いられる誘導結合プラズマ(ICP)を用いた窒化処理装置の一例を示す断面図。
【図8】本発明のW膜成膜工程と窒化処理工程の両方を一つのチャンバーで行うことが可能な装置の一例を示す断面図。
【図9】本発明のW膜成膜工程と窒化処理工程の両方を一つのチャンバーで行うことが可能な装置の他の例を部分的に示す断面図。
【符号の説明】
1;基板
2,4;W膜
3;WN膜
5;Si基板
8;ゲート酸化膜
9;ゲート電極の下層(W系膜)
10;ゲート電極の上層
13;下層配線
14;層間絶縁膜(low−k膜)
15;ビアホール
16;トレンチ
17;バリアメタル膜(W系薄膜)
18;Cu膜
21,71,121;チャンバー
22,72,131;サセプタ
25,75,138;ヒーター
30;シャワーヘッド
32;配管
33;成膜原料容器
35;キャリアガス供給源
45,94,163;排気装置
86,160,190;ガス供給系
101;アンテナ部材
107,185;導波管
109,183;マイクロ波発生装置
180;マイクロ波プラズマ生成機構
210;誘導結合プラズマ生成機構
S;W(CO)原料
W……半導体ウエハ

Claims (6)

  1. 被処理基板をCVD装置に搬入して、被処理基板を加熱しつつW(CO)ガスを供給することにより被処理基板上にCVDによりW膜を成膜する工程と、
    W膜成膜後、真空を破ることなく被処理基板をプラズマ処理装置に搬入し、W膜の一部または全部をNガスを含むガスのプラズマにより窒化する工程と
    を具備し、
    前記W膜の成膜において、前記被処理基板に対するW(CO)ガスの供給とW(CO)ガスが分解して生成した分解ガスの除去とを交互的に行うことを特徴とするW系膜の成膜方法。
  2. 被処理基板を加熱しつつW(CO)ガスを導入することにより被処理基板上にCVDによりW膜を成膜する工程と、
    W膜成膜後、W膜の一部または全部をNガスを含むガスのプラズマにより窒化する工程と
    を具備し、
    前記W膜を成膜する工程および前記窒化する工程は、同一のチャンバー内で行い、
    前記W膜の成膜において、前記被処理基板に対するW(CO)ガスの供給とW(CO)ガスが分解して生成した分解ガスの除去とを交互的に行うことを特徴とするW系膜の成膜方法。
  3. 前記窒化する工程の後、被処理基板を加熱しつつW(CO)ガスを導入することにより窒化されたW膜の上にCVDによりW膜を成膜する工程をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のW系膜の成膜方法。
  4. 前記窒化工程は、NおよびArのプラズマを用いて行われることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のW系膜の成膜方法。
  5. 前記W膜成膜工程は、被処理基板を300〜600℃に加熱しつつW膜を成膜することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のW系膜の成膜方法。
  6. 請求項1から請求項のいずれかの成膜方法によって得られるW系膜。
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