JP4091445B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面部分を除去するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程においては、例えば、被処理体であるシリコンウエハに形成されたコンタクトホールの底部にTiを成膜し、Tiと基板のSiとの相互拡散によりTiSiを形成し、その上にTiN等のバリア層を形成し、さらにその上にAl層、W層、Cu層等を形成してホールの埋め込みと配線の形成が行われる。従来から、このような一連の工程を実施するためにクラスターツール型のような複数のチャンバーを有するメタル成膜システムが用いられている。このようなメタル成膜システムにおいては、良好なコンタクトを得るために成膜処理に先立って、シリコンウエハ上に形成された自然酸化膜やエッチングダメージ層等を除去する処理が施される。このような自然酸化膜を除去する装置としては、特許文献1に示されたような水素ガスとアルゴンガスを用いて誘導結合プラズマを形成するものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−336426号公報(図2およびその説明部分)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近時、シリコンウエハの自然酸化膜と同時に、各膜間のコンタクト抵抗を低くするために金属膜のエッチングストッパーもエッチングされるような場合や、前の工程で形成された層、例えばCu配線層の上に形成された酸化膜およびその上の金属バリア膜を一括して除去する場合等、金属膜をエッチングする場合にこのような酸化膜除去装置を用いつつあるが、金属膜のような導電性材料をエッチングする場合には、装置の誘電体壁内面に導電性材料が付着し、このような誘導結合プラズマ処理におけるプラズマの安定性や均一性に悪影響を及ぼすという問題点がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、導電性材料をプラズマ処理する場合に、導電性材料の付着物がプラズマ処理に影響を与えないプラズマ処理装置を提供することを目的とする。また、シリコン酸化膜以外の材料をエッチングする場合に、付着物にともなうメモリー効果や付着物剥がれによるパーティクルが発生し難いプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、被処理体に対してプラズマ処理を行う、その壁部の少なくとも一部が誘電体壁で構成された処理容器と、前記処理容器の内壁部を構成し、誘電体壁に隣接する接地された導電性部材と、前記誘電体壁の外側に設けられ、前記処理容器内に誘導電界を形成するアンテナと、前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段と、プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材料が前記導電性部材に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御する前記処理容器内部に設けられたシールド部材とを具備することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0009】
処理容器の内壁に誘電体壁に隣接して接地された導電性部材が存在する場合に、誘電体壁に付着した導電性材料がこの導電性部材と接触すると、アンテナから供給される誘導電流が導電性材料から導電性部材を介して接地ラインに流れるため、処理容器内部に供給される誘導電流が小さくなってプラズマが着火され難くなる。これに対し、上記構成によれば、シールド部材により、誘電体壁に付着した導電性材料が導電性部材に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御するので、導電性材料から導電性部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができ、導電性材料からなる付着物による悪影響を回避することができる。
【0010】
本発明の第2の観点では、被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、被処理体を収容し、その中でプラズマ処理を行う処理容器と、前記処理容器の少なくとも一部を構成する誘電体壁と、前記処理容器の内壁部を構成し、誘電体壁に隣接する接地された導電性部材と、前記誘電体壁の外側に設けられ、前記処理容器内に誘導電界を形成するアンテナと、前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段と、プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材に前記誘導電界にともなう誘導電流が流れることを阻止するように、前記誘電体壁に付着する導電性材料を不連続にするとともに、プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材料が前記導電性部に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御する、前記処理容器内部に設けられたシールド部材とを具備することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0011】
一般的に、アンテナに流れる高周波電流にともなって処理容器内部に誘導電界が生じ誘導電流が流れるが、誘電体壁にその誘導電流の方向に連続して導電性材料が付着している場合には、その導電性材料にも誘導電流が流れ、処理容器内部のプラズマの吸収エネルギーに寄与する誘導電流はその分減少するから、導電性材料に流れる電流が大きいとプラズマ吸収エネルギーが小さくなってプラズマが不安定になりやすい。また、上述したように、処理容器の内壁に誘電体壁に隣接して接地された導電性部材が存在する場合に、誘電体壁に付着した導電性材料がこの導電性部材と接触すると、アンテナから供給される誘導電流が導電性材料から導電性部材を介して接地ラインに流れるため、処理容器内部に供給される誘導電流が小さくなってプラズマが着火され難くなる。これに対し、第2の観点によれば、シールド部材が、プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材料に前記誘導電界にともなう誘導電流が流れることを阻止するように、前記誘電体壁に付着する導電性材料を不連続にして、導電性材料の付着物に流れる誘導電流を極力小さくし、プラズマに寄与する誘導電流を多くするので、プラズマを安定的に維持することができ、かつ、シールド部材により、誘電体壁に付着した導電性材料が導電性部材に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御するので、導電性材料から導電性部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができる。これらにより、導電性材料からなる付着物による悪影響を回避することができる。
【0012】
上記第1、第2の観点において、前記処理容器としては、被処理体を載置する載置台が設けられたチャンバー、およびそのチャンバーの上方にチャンバーと連通するように設けられた誘電体壁からなるベルジャーを有するものとすることができる。また、前記アンテナは、前記ベルジャーの周囲にコイル状に形成されるように構成することができる。
【0015】
本発明の第3の観点では、被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、被処理体を収容するチャンバー、およびそのチャンバーの上方にチャンバーと連通するように設けられた誘電体壁からなるベルジャーを有する処理容器と、前記チャンバー内に設けられた被処理体が載置される載置台と、前記ベルジャーの外側の周囲にコイル状に巻回され、前記ベルジャー内に誘導電界を形成するアンテナと、前記ベルジャーと前記チャンバーとの間に設けられ、前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを導入する導電性部材からなる接地されたガス導入部材と、前記ベルジャーの内壁に沿って設けられ、少なくとも前記ベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするシールド部材とを具備することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0016】
このようにベルジャーとチャンバーとの間に導電性部材からなるガス導入部材が設けられている場合には、このガス導入部材は通常は接地されているので、ベルジャー内壁に付着した導電性材料がこの処理ガス導入部材と接触すると、アンテナから供給される誘導電流が導電性材料から処理ガス導入部材を介して接地ラインに流れるため、処理容器内部に供給される誘導電流が小さくなってプラズマが着火され難くなる。これに対し、上記構成によれば、シールド部材により、少なくともベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするので、ベルジャー内壁に付着した導電性材料がガス導入部材に接触しないようにすることができ、導電性材料からガス導入部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができ、導電性材料からなる付着物による悪影響を回避することができる。
【0017】
本発明の第4の観点では、被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、被処理体を収容するチャンバー、およびそのチャンバーの上方にチャンバーと連通するように設けられた誘電体壁からなるベルジャーを有する処理容器と、前記チャンバー内に設けられた被処理体が載置される載置台と、前記ベルジャーの外側の周囲にコイル状に巻回され、前記ベルジャー内に誘導電界を形成するアンテナと、前記ベルジャーと前記チャンバーとの間に設けられ、前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを導入する導電性部材からなる接地されたガス導入部材と、前記ベルジャーの内壁に沿って設けられ、その全周に亘って周方向に連続しない複数の窓部を有するとともに、前記ベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするシールド部材とを具備することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0018】
このようにアンテナがベルジャーの外側にコイル状に巻回されている場合にはアンテナを流れる高周波電流によりベルジャー内部にアンテナの巻回方向に沿って誘導電流が流れるが、ベルジャー内壁に導電性材料が連続的に付着する場合にはその部分にも同方向に電流が流れて処理容器内部のプラズマの吸収エネルギーに寄与する誘導電流はその分減少するから、導電性材料に流れる電流が大きいとプラズマ吸収エネルギーが小さくなってプラズマが不安定になりやすい。また、上述したように、ベルジャーとチャンバーとの間に導電性部材からなる接地されたガス導入部材が設けられている場合には、ベルジャー内壁に付着した導電性材料がこの処理ガス導入部材と接触すると、アンテナから供給される誘導電流が導電性材料から処理ガス導入部材を介して接地ラインに流れるため、処理容器内部に供給される誘導電流が小さくなってプラズマが着火され難くなる。これに対し、第4の観点によれば、シールド部材により、少なくともベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするので、ベルジャー内壁に付着した導電性材料がガス導入部材に接触しないようにすることができ、導電性材料からガス導入部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができ、かつ、シールド部材により、少なくともベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするので、ベルジャー内壁に付着した導電性材料がガス導入部材に接触しないようにすることができ、導電性材料からガス導入部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができる。これらにより、導電性材料からなる付着物による悪影響を回避することができる。
【0019】
上記第4の観点のプラズマ処理装置において、前記シールド部材は、窓部の幅と隣接する窓部との間の部分の幅とが1:1〜2:1であることが好ましい。前記窓部は、スリット状、楕円状、孔状等種々の形状をとることができる。特に、縦方向に延在するスリット状であることが好ましい。また、上記第4の観点のプラズマ処理装置において、前記シールド部材は、前記ベルジャーの周壁に沿って円筒状に形成することができ、また、前記ベルジャーは円筒状の側壁部と、その上に設けられた天壁部とを有し、前記シールド部材は前記側壁部に対応する円筒部分と、前記天壁部に対応するドーム状部分とを有し、円筒部分およびドーム状部分の両方に前記縦方向のスリットを有する構成とすることもできる。
上記第1〜第4の観点において、前記シールド部材は、上端から下端まで延びる切り欠き部が形成されていることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。このプラズマ処理装置100は、金属膜上に形成される金属酸化膜等をエッチング除去するためのものであり、略円筒状のチャンバー1と、チャンバー1の上方にチャンバー1と連続するように設けられた上部が閉塞された円筒状、例えばドーム型のベルジャー2と、チャンバー1の下方に設けられたチャンバー1内を均一に排気するための排気室3を有している。
【0021】
チャンバー1は、アルミニウム等の導電性材料で構成されており、その内部には被処理体であるウエハWを水平に支持するための誘電性材料からなるサセプタ(載置台)11が円筒状の支持部材12に支持された状態で配置されている。このサセプタ11は、排気室3の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材12により支持されている。サセプタ11の上面にはウエハWと略同形の凹部11aが形成されており、この凹部11aにウエハWが落とし込まれるようになっている。サセプタ11の外周には、サセプタ11に載置されたウエハWのエッジを覆うようにシャドウリング13が昇降可能に設けられている。シャドウリング13は、プラズマをフォーカスし、均一なプラズマを形成するのに役立つ。また、サセプタ11をプラズマから保護する役割も有する。
【0022】
サセプタ11は、高熱伝導性のセラミック材料、例えばAlN、Al2O3等で構成されている。中でも最も熱伝導性が高いAlNが好ましい。サセプタ11内の上部には電極14が水平に埋設されており、この電極14には整合器16を介してウエハに高周波バイアスをかけてイオンを引き込みむための高周波電源15が接続されている。ベルジャー2の天壁の上には対向電極として機能し、かつベルジャー2の保持機能を兼備した導電性部材17が設けられている。また、セプタ11内には、電極14の下方位置にヒーター18が埋設されており、ヒーター電源19からヒーター18に給電することにより、ウエハWを所定の温度に加熱可能に構成されている。なお、電極14およびヒーター18への給電線は支持部材12の内部に挿通されている。
【0023】
サセプタ11には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ昇降ピン21が挿通されており、サセプタ11の上面に対して突没可能に設けられている。これらウエハ昇降ピン21は支持板22に固定されており、エアシリンダ等の昇降機構23により支持板22を介して昇降される。
【0024】
チャンバー1の内部には、その内壁に沿ってチャンバー1の内壁にプラズマエッチングにより生成された副生成物等が付着することを防止するための略円筒状をなすチャンバーシールド24が着脱自在に設けられている。このチャンバーシールド24は、Ti材(TiまたはTi合金)により構成されている。シールド材としてAl材を用いてもよいが、Al材では処理中においてパーティクルの発生があるので、付着物との密着性が高くパーティクルの発生を大幅に減少することができるTi材を用いることが好ましい。また、Al材のシールド本体にTiをコーティングして用いてもよい。さらに、チャンバーシールド24の表面は、付着物との密着性を向上させるため、ブラスト処理等で微小な凹凸形状にしてもよい。このチャンバーシールド24はチャンバー1の底壁1bに数カ所(図では2カ所)ボルト25により取り付けられており、ボルト25を外すことにより、チャンバー1から取り外すことができ、チャンバー1内のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0025】
チャンバー1の側壁は開口26を有しており、チャンバー11の外側の開口26と対応する位置にはゲートバルブ27が設けられ、このゲートバルブ27を開にした状態でウエハWが隣接するロードロック室(図示せず)とチャンバー1内との間で搬送されるようになっている。
【0026】
ベルジャー2は、例えば石英やAlN等のセラミックス材料のような誘電体材料で形成されており、円筒状の側壁部2aと、その上の天壁部2bとを有している。このベルジャー2の側壁部2aの外側にはアンテナ部材としてのコイル51が略水平方向に巻回(図では7巻)されており、コイル51には整合器53を介して高周波電源52が接続されている。高周波電源52は300kHz〜60MHzの周波数を有している。好ましくは450kHzである。そして、高周波電源52からコイル51に高周波電力を供給することにより、誘電体材料からなるベルジャー2の側壁を介してベルジャー2の内側に誘導電磁界が形成されるようになっている。ベルジャー2の内部には、その内壁に沿ってベルジャー2の内壁への付着物を制御するシールド部材54が設けられている。なお、このシールド部材54については後述する。
【0027】
チャンバー1とベルジャー2との間には、リング状をなすガス導入部材30が設けられている。このガス導入部材30はAl等の導電性材料からなり、接地されている。ガス導入部材30には、その内周面に沿って複数のガス吐出孔31が形成されている。またガス導入部材30の内部には環状のガス流路32が設けられており、このガス流路32にはガス供給機構40から後述するようにArガス、H2ガス等が供給され、これらガスがガス流路32から上記ガス吐出孔31を介してベルジャー2内に吐出される。ガス吐出孔31は、斜め上に向けて形成されており、これらガスがベルジャー2の中央部に向かって供給される。
【0028】
ガス供給機構40は、プラズマ処理用のガスをベルジャー2内に導入するためのものであり、所定のガスのガス供給源、開閉バルブ、および流量制御のためのマスフローコントローラ(いずれも図示せず)を有しており、ガス配管41を介して上記ガス導入部材30へ所定のガスを供給する。なお、各配管のバルブおよびマスフローコントローラは図示しないコントローラにより制御される。
【0029】
プラズマ処理用のガスとしては、Ar、Ne、Heが例示され、それぞれ単体で用いることができる。また、Ar、Ne、HeのいずれかとH2との併用、およびAr、Ne、HeのいずれかとNF3との併用であってもよい。これらの中では、Ar単独、Ar+H2が好ましい。プラズマ処理用のガスは、エッチングしようとするターゲットに応じて適宜選択される。
【0030】
上記排気室3は、チャンバー1の底壁1bの中央部に形成された円形の穴1cを覆うように下方に向けて突出して設けられている。排気室3の側面には排気管61が接続されており、この排気管61には排気装置62が接続されている。そしてこの排気装置62を作動させることによりチャンバー1およびベルジャー2内を所定の真空度まで均一に減圧することが可能となっている。
【0031】
次に、シールド部材54について詳細に説明する。
図2はシールド部材54を示す斜視図である。このシールド部材54は例えばAl等の金属で構成され、ベルジャー2の側壁部2aに対応する円筒部71と、ベルジャー2の天壁部2bに対応する天井部72とを有しており、これらは一体的にベルジャー2の中に挿入される。
【0032】
円筒部71は、その底部にスカート状に広がったスカート部73とスカート部73から外側に延出した取り付け部74とを有している。また、円筒部71には、縦方向に延びる短冊状(スリット状)を有する複数の窓部75が全周に亘って略等間隔で形成されている。この窓部75は、円筒部71の底から高さtmmの位置を下端として上方に天井部72近傍位置まで延びている。円筒部71の下端部のtmmの部分により、プラズマ処理中に飛散する導電性材料がベルジャー2の内壁からガス導入部材30に繋がって付着することを防止するようになっている。すなわち、tmmの部分は、ガス導入部材30の上端からベルジャー2の内壁に付着する導電性材料の付着物の下端までの距離に相当し、30mm程度以上であることが好ましい。これにより、このような効果をより有効に発揮することができる。また、窓部75は所定間隔をおいて形成されて、周方向に不連続になっている。これによりベルジャー2の内壁における導電性材料の付着物に流れる誘導電流を極力小さくして効率良く安定なプラズマを生成することができる。この場合に、この窓部75は導電性付着物に流れる誘導電流が最小限になるような幅aおよび間隔bで形成される。窓部75の幅は5〜30mm程度が好ましく5〜20mmがより好ましい。また、窓部75の幅aと窓部75の間の部分の幅bとの比は、1:1〜1:2であることが好ましい。なお、図示の例では、窓部75の幅aと窓部75の間の部分の幅bとの比は略1:1である。円筒部71には上端から下端まで延びる切り欠き部76が形成されている。この切り欠き部76によりシールド部材54に流れる周方向の電流の抵抗を大きくすることができ、より安定したプラズマを形成・維持することができる。
【0033】
天井部72はドーム状をなし、頂上から下端部に延びる縦方向の細長いスリット状(図では細長い扇形型)をなす複数の窓部77が円筒部71の窓部75と同様に全周に亘って形成されている。なお、窓部77と窓部77の間の部分は略同じ形状であっても異なる大きさであってもよい。また、天井部72において、窓部77の幅と窓部77の間の部分との比は、円筒部71における場合と同様、1:1〜1:2であることが好ましい。窓部75と77とは連続的に形成されていてもよい。なお、図示した例では窓部77と窓部77の間の部分は略同じ形状であってこれらの幅の比は1:1である。
【0034】
なお、窓部75,77の形状は、ベルジャーの周方向に連続しない限り、上述のような縦方向に延びる短冊状や扇状をなすスリット形状に限らず、図3の(a)に示すような楕円状のスリットや、(b)〜(d)に示すように異形のスリット状であってもよく、また縦方向に延びるスリットに限らず、(e)、(f)に示すような孔状や、(g)、(h)に示すような横方向スリット状等、種々の形状を採用することができる。また、孔状や横方向スリットを形成する場合には、(e)や(g)のように縦横揃えてもよいし、(f)、(h)のように縦方向および/または横方向に千鳥配置してもよい。(e)〜(h)の場合には、縦方向および横方向の両方とも窓部の長さとその間の部分の長さの比が1:1〜1:2であることが好ましい。
【0035】
次に、このように構成されるプラズマ処理装置100による処理動作について説明する。
まず、ゲートバルブ27を開にして、図示しない搬送アームによりチャンバー1内にウエハWを搬入し、サセプタ11から突出した昇降ピン21の上にウエハWを受け渡す。次いで、昇降ピン21を下降させてウエハWをサセプタ11上面の凹部11aに挿入した状態で載置する。その後、ゲートバルブ27を閉にして、排気装置62によりチャンバー1およびベルジャー2内を排気して所定の減圧状態にし、この減圧状態でガス供給機構40から供給された所定のガス、例えばArガスをガス導入機構30のガス吐出孔31からベルジャー2内に吐出させる。これと同時に、高周波電源15および高周波電源52から、それぞれサセプタ11内の電極14およびコイル51に高周波電力を供給することにより、コイル51と導電性部材17との間等に電界が生じ、ベルジャ2内に導入したガスを励起させてプラズマを点火する。
【0036】
プラズマを点火した後、ベルジャー2内には誘導電流が流れ、連続的にプラズマが生成され、そのプラズマによりウエハW上に形成された所定の金属膜の上に形成された金属酸化膜をエッチング除去する。この際にサセプタ11のヒーター18によりウエハWが所定温度に維持される。その温度は20〜500℃であり、好ましくは20〜200℃である。
【0037】
このようにして金属酸化膜を除去する際には、隣接して存在する金属膜もエッチングされる。したがって、エッチングの際にベルジャー2内に金属が飛散することになるが、従来の装置では、シールド部材54が設けられていなかったため、ベルジャー2の内壁に金属が付着することとなる。
【0038】
金属膜が存在する基板に対して上述のようなエッチング処理を繰り返すと、ベルジャー2の内壁にエッチングされた金属が付着し、これが連続してベルジャー2の内壁の全面に亘って導電性である金属膜が形成される。そして、この金属膜が導電性材料からなるガス導入部材30に達する。このガス導入部材30はチャンバー1を介して接地されているから、図4に示すように、コイル51からの誘導電流が金属膜88を介してガス導入部材30およびチャンバー1を経てグラウンドに流れるため、ベルジャー2内に生じる誘導磁界が弱くなり、初期の段階でプラズマの着火が阻害されてプラズマが生成され難くなる。このように、ベルジャー2の内壁に金属膜88が形成されている場合には、また、図5に示すように、プラズマに寄与する誘導電流IPがベルジャー2の内壁周方向に沿って流れる他、金属膜にも電流IMがベルジャー2の内壁周方向に沿って流れる。コイル51を介して供給される誘導電流Iの大きさは一定でありI=IP+IMであるから、プラズマに寄与する誘導電流IPは電流IMの分減少することとなり、電流IMが大きいとプラズマ吸収エネルギーが小さくなってプラズマが不安定になりやすい。
【0039】
これに対して、本実施形態では、図6に示すように、シールド部材54を設けたので、このような初期においてプラズマが着火し難かったりプラズマが不安定になるといった不都合を防止することができる。つまり、ウエハWから飛散した金属は、シールド部材54の窓部75の下にtの幅で存在するシールド部分によって遮蔽されるので、ベルジャー2の内壁のそのシールド部分に対応する領域には金属膜が形成されず、金属膜98が導電性材料からなるガス導入部材30に接することが防止される。したがって、図7に示すように、コイル51からの電流が金属膜を介してグラウンドに流れることが抑止されるので、プラズマの着火が阻害されなくなる。また、シールド部材54のスリット状の窓部75、77は通り抜けてベルジャー2の内壁に達し、窓部が形成されていない部分は飛散した金属を遮蔽して、ベルジャー2の内壁には、窓部75,77に対応した周方向に不連続な金属膜98が形成されることとなり、チャンバー2の内壁の周方向に沿って流れる電流IMの大きさを極めて小さいものとすることができる。したがって、プラズマに寄与する誘導電流を多くすることができ、プラズマを安定的に維持することができる。
【0040】
次に、以上のように金属酸化膜の除去とともに金属膜がエッチング除去される実際のアプリケーションについて説明する。図8の例では、Cu層81の上にLow−k膜等の層間絶縁膜82が形成され、その上に例えばTa/TaN、Ti/TiN等の金属ストッパ層83が形成されており、ドライエッチングによりエッチングして下層のCu層81まで達するホール84が形成されている(a)に示す構造において、ホール84の中のエッチング残渣やCuの上に形成された酸化膜(Cu2O)85をエッチング除去する場合に、(b)に示すように、金属ストッパ層83も同時にエッチングされることとなる。
【0041】
また、図9の例では、Cu層91の上にLow−k膜等の層間絶縁膜92が形成され、層間絶縁膜92にCu層91に達するホール93が形成され、その際ホール93の底に露出しているCuの上に酸化膜(Cu2O)94が形成された状態で、その上に金属製の拡散バリア層95を形成した(a)に示す構造において、ホール93の底の酸化膜94を除去するために、拡散バリア層95および酸化膜94を連続してエッチングすることとなり、金属製の拡散バリア層95もエッチングされることとなる。
【0042】
これらいずれの場合にも、金属がエッチングされることにより、金属の飛散が生じるが、上述のようにシールド部材54を設けることにより、初期においてプラズマが着火し難かったりプラズマが不安定になるといった不都合を防止することができる。
【0043】
ところで、絶縁膜としてSiO2以外の材料を用いた場合には、その上に形成される不適切な膜、例えばた自然酸化膜等をエッチング除去する際に、その材料がプラズマによりエッチングされて、そのエッチング除去された材料が処理容器の内壁に付着することにより、メモリー効果と呼ばれる現象が生じたり、付着物が剥離してパーティクルが発生したりする。この場合のメモリー効果とは、シリコン酸化膜以外の材料、例えばシリコン基板やポリシリコン膜をエッチングしたときに、シリコンが処理容器内壁に付着し、プラズマ内に生成した電子やイオン等がその付着物を介して接地ラインに流れることによりプラズマが不安定となり、その直後にシリコン酸化膜を所定の条件でエッチングしてもその影響により定常状態のエッチングを行えないという現象をいう。特にSi系の低誘電率有機系材料、いわゆるLow−k膜上の不適切な膜、例えば自然酸化膜を上記のようなプロセスで除去する場合には、処理容器の内壁にSi−C系の材料が付着し、メモリー効果が生じやすい。また、応力の高い膜のため膜剥がれが生じやすい。
【0044】
これを防止するためには、処理容器に希ガスを含む処理ガスを供給しつつ、処理容器内にプラズマを生成して、そのプラズマにより被処理体の表面部分をエッチング処理により除去した際に、処理容器内に例えば酸素ガスとArガスとを供給して酸素を含むプラズマを生成し、上記希ガスを含む処理ガスによるプラズマによって被処理体から飛散して処理容器内壁に付着した付着物を酸化させることが好ましい。
【0045】
これにより、被処理体の表面部分が、Si系の低誘電率有機系材料のようなSiO2膜以外の絶縁膜である場合であっても、処理容器内壁に付着する付着物をシリコン酸化物(SiOx)にして安定化(不動態化)するので、メモリー効果や膜剥がれによるパーティクルの発生を回避することができる。
【0046】
以下、具体的に説明する。図10は、このようなメモリー効果や膜剥がれによるパーティクルの発生を回避する処理を実施するためのプラズマ処理装置を示す断面図である。このプラズマ処理装置100′は、シールド部材54が設けられていないこと以外は図1のプラズマ処理装置100と同様に構成されている。
【0047】
上述したように、SiO2以外の材料からなる絶縁層、特にSi系の低誘電率有機系材料、いわゆるLow−k膜上の不適切な部分、例えば自然酸化膜をプラズマエッチングで除去する場合には、ベルジャー2の内壁やチャンバーシールド24にSi−C系の材料が付着し、メモリー効果や膜剥がれが生じやすい。ここでは、このような不都合を解消するために、上記実施形態と同様の手順でLow−k膜等の絶縁層上の不適切な部分、例えば自然酸化膜をプラズマエッチングにより除去した後、高周波電力を維持したまま、ガス供給機構40からガス導入部材を介してArガス+O2ガスの混合ガス等の酸素を含むガスをベルジャー2に導入して酸素を含むプラズマを生成し、ウエハWから飛散してベルジャー2の内壁に付着した付着物を酸化させる。
【0048】
具体的には、図11に示すように、Cu膜101上に形成されたLow−k膜102の表面をエッチングした場合には、図12に示すように、ベルジャー2の内壁やチャンバーシールド24にSi−C系の材料からなる膜103が付着するが、酸素プラズマで処理することにより、以下の反応が生じ、安定なシリコン酸化膜(SiOx)に変化する。
SiC+(x+1)O* → SiOx+CO↑
このように、ベルジャー2の内壁等に付着する付着物をシリコン酸化物(SiOx)にして安定化(不動態化)するので、メモリー効果や膜剥がれによるパーティクルの発生を回避することができる。
【0049】
次に、被処理体であるウエハWの載置部の他の例について図13を参照して説明する。この例では、サセプタ11の上にマスクプレート33が着脱自在に設けられ、このマスクプレート33の表面に形成された凹部33a上にウエハWが載置されるようになっている。
【0050】
マスクプレート33は、石英(SiO2)等の誘電体で構成されている。このマスクプレート33は、ウエハWを載置しない状態でプラズマ処理を行ってチャンバー1内の初期化を行うため、および、サセプタ11からウエハWへ汚染物が飛散することを防止するために設けられており、特にシリコン上の酸化物をエッチング除去する際に有効である。
【0051】
サセプタ11およびマスクプレート33には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ昇降ピン21が挿通されており、マスクプレート33の上面に対して突没可能に設けられている。
【0052】
マスクプレート33は、チャンバー1の底壁から垂直に延びる複数本、例えば3本(1本のみ図示)のシャフト34によってその周囲部分が支持されている。このシャフト34は例えばアルミナ等のセラミック材料からなり、ハステロイ等の耐熱合金からなるネジ36により固定されている。マスクプレート33におけるシャフト34の支持部35は、マスクプレート33の最外周を切り欠いて形成されており、熱膨張の影響を極力排除するようになっている。また、マスクプレート33を設置する場合には例えば3本のシャフト34の位置合わせをする必要があるが、そのために、図14に示すように予め所定の位置関係に調整された、シャフト34の挿入孔39が設けられたシャフトガイド38を用い、このシャフトガイド38の挿入孔39をシャフト34の頭部に挿入し、その状態でマスクプレート13を設置する。なお、種々のシャフト位置に対応してシャフトガイド38に複数の位置用の挿入孔39を設けるようにしてもよい。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態ではシールド部材54を円筒部71と天井部72とで構成したが、ベルジャー2の天壁への付着物は、プラズマへの影響が少ないので天井部72は必須なものではない。窓部75,77の形状も上記実施形態のものに限るものではない。また、上記実施形態では、誘電体壁であるベルジャー2に隣接する接地された導電性部材がガス導入部材30である例を示したが、他の接地された導電性部材であってもよい。アンテナもコイルに限る必要はない。
【0054】
また、上記実施形態では本発明を自然酸化膜の除去を行う装置に適用した場合を示したが、本発明はコンタクトエッチング等を行う他のプラズマエッチング装置に適用することも可能であり、さらには、本発明を他のプラズマ処理装置に適用することも可能である。さらに、被処理体として半導体ウエハを用いた例について示したが、これに限らず、LCD基板等、他の被処理体に対しても適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シールド部材により、誘電体壁に付着した導電性材料が接地された導電性部材に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御するので、導電性材料から導電性部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができ、導電性材料からなる付着物による悪影響を回避することができる。
また、これに加えて、シールド部材が、プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材料に前記誘導電界にともなう誘導電流が流れることを阻止するように、前記誘電体壁に付着する導電性材料を不連続にすることにより、導電性材料の付着物に流れる誘導電流を極力小さくすることができ、プラズマに寄与する誘導電流を多くすることができるから、プラズマを安定的に維持することができ、導電性材料からなる付着物による悪影響を一層効果的に回避することができる。
【0058】
また、本発明によれば、シールド部材により、少なくともベルジャー内壁の接地されたガス導入部材の近傍領域をシールドするので、ベルジャー内壁に付着した導電性材料がガス導入部材に接触しないようにすることができ、導電性材料からガス導入部材に流れる電流を小さくして、プラズマを確実に着火することができ、導電性材料からなる付着物による悪影響を回避することができる。
また、これに加えて、その全周に亘って周方向に連続しない複数の窓部を有するシールド部材をベルジャーの内壁に沿って設けることにより、ベルジャー内壁には、略その窓部に対応した部分にのみ導電性材料が付着し、その付着形態は誘導電流の方向に対して不連続とすることができる。したがって、導電性材料の付着物に流れる誘導電流を極力小さくすることができ、プラズマに寄与する誘導電流を多くすることができるから、プラズマを安定的に維持することができ、導電性材料からなる付着物による悪影響を一層効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図。
【図2】図1のプラズマ処理装置に用いられるシールド部材を示す斜視図。
【図3】シールド部材に形成される窓部の他の形状を示す図。
【図4】金属膜がベルジャー内壁に付着しているときのプラズマ着火時の電流の流れを示す図。
【図5】金属膜がベルジャー内壁に付着しているときの誘導電流の流れを示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態のプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理した場合のベルジャー内壁に付着した金属付着物を示す模式図。
【図7】図6の状態で金属膜が付着しているときのプラズマ着火時の電流の流れを示す図。
【図8】本発明が適用されるデバイス構造の一例を示す断面図。
【図9】本発明が適用されるデバイス構造の他の例を示す断面図。
【図10】メモリー効果や膜剥がれによるパーティクルの発生を回避する処理を実施するためのプラズマ処理装置を示す断面図。
【図11】メモリー効果や膜剥がれが問題になるデバイス構造を示す図。
【図12】ベルジャーの内壁やチャンバーシールドにSi−C系の材料からなる膜が付着状態を示す図。
【図13】ウエハの載置部の他の例を示す断面図。
【図14】図13においてマスクプレートの支持に用いられるシャフトの位置合わせを行うためのシャフトガイドを示す平面図。
【符号の説明】
1;チャンバー
2;ベルジャー
11;サセプタ
13;マスクプレート
14;電極
15,52;高周波電源
17;導電性部材
30;ガス導入部材(導電性部材)
40;ガス供給機構
51;コイル(アンテナ)
54;シールド部材
71;円筒部
72;天井部
75,77;窓部
98;金属膜
W;半導体ウエハ
Claims (12)
- 被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
被処理体に対してプラズマ処理を行う、その壁部の少なくとも一部が誘電体壁で構成された処理容器と、
前記処理容器の内壁部を構成し、誘電体壁に隣接する接地された導電性部材と、
前記誘電体壁の外側に設けられ、前記処理容器内に誘導電界を形成するアンテナと、
前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段と、
プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材料が前記導電性部材に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御する前記処理容器内部に設けられたシールド部材と
を具備することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
被処理体を収容し、その中でプラズマ処理を行う処理容器と、
前記処理容器の少なくとも一部を構成する誘電体壁と、
前記処理容器の内壁部を構成し、誘電体壁に隣接する接地された導電性部材と、
前記誘電体壁の外側に設けられ、前記処理容器内に誘導電界を形成するアンテナと、
前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを供給するガス供給手段と、
プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材に前記誘導電界にともなう誘導電流が流れることを阻止するように、前記誘電体壁に付着する導電性材料を不連続にするとともに、プラズマ処理の際に飛散して前記誘電体壁に付着した導電性材料が前記導電性部に接触しないように、前記誘電体壁への前記導電性材料の付着を制御する、前記処理容器内部に設けられたシールド部材と
を具備することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記処理容器は、被処理体を載置する載置台が設けられたチャンバー、およびそのチャンバーの上方にチャンバーと連通するように設けられた誘電体壁からなるベルジャーを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記アンテナは、前記ベルジャーの周囲にコイル状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
被処理体を収容するチャンバー、およびそのチャンバーの上方にチャンバーと連通するように設けられた誘電体壁からなるベルジャーを有する処理容器と、
前記チャンバー内に設けられた被処理体が載置される載置台と、
前記ベルジャーの外側の周囲にコイル状に巻回され、前記ベルジャー内に誘導電界を形成するアンテナと、
前記ベルジャーと前記チャンバーとの間に設けられ、前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを導入する導電性部材からなる接地されたガス導入部材と、
前記ベルジャーの内壁に沿って設けられ、少なくとも前記ベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするシールド部材と
を具備することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 被処理体の導電性材料を含む部分に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
被処理体を収容するチャンバー、およびそのチャンバーの上方にチャンバーと連通するように設けられた誘電体壁からなるベルジャーを有する処理容器と、
前記チャンバー内に設けられた被処理体が載置される載置台と、
前記ベルジャーの外側の周囲にコイル状に巻回され、前記ベルジャー内に誘導電界を形成するアンテナと、
前記ベルジャーと前記チャンバーとの間に設けられ、前記処理容器内にプラズマ処理を行うためのガスを導入する導電性部材からなる接地されたガス導入部材と、
前記ベルジャーの内壁に沿って設けられ、その全周に亘って周方向に連続しない複数の窓部を有するとともに、前記ベルジャー内壁の前記ガス導入部材の近傍領域をシールドするシールド部材と
を具備することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記シールド部材は、窓部の幅と隣接する窓部との間の部分の幅とが1:1〜2:1であることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
- 前記窓部は、スリット状、楕円状、孔状のいずれかであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のプラズマ処理装置。
- 前記窓部は、縦方向に延在する矩形状であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のプラズマ処理装置。
- 前記シールド部材は、前記ベルジャーの周壁に沿って円筒状に形成されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記ベルジャーは円筒状の側壁部と、その上に設けられた天壁部とを有し、前記シールド部材は前記側壁部に対応する円筒部分と、前記天壁部に対応するドーム状部分とを有し、円筒部分およびドーム状部分の両方に前記窓部を有することを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記シールド部材は、上端から下端まで延びる切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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