JP4115760B2 - 医療用連結容器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液、薬液等を充填し、その形状のまま使用する輸液バッグ、CAPDバッグなどの医療用容器に関する。特に形状的に多数連結された医療用容器であって、製造、梱包、輸送、内容物の充填などにおいて取り扱いが容易である上、貯蔵、輸送時における荷崩れを防止できる医療用連結容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸液バッグ、CAPDバッグなどの医療用容器は、かって主流であったガラス瓶からブロー成形法による樹脂製瓶に切り替わり、現在はさらにフィルムをシールし、ポート部材を溶着して取りつけバッグ状に形成した形態のものに変わりつつある。これらのバッグ状医療用容器は高い柔軟性を持ち、使用に際し内容液の排出に合わせて自動的に容積を縮小していくため、二次空気導入が不要となる。この結果、空気中に浮遊している極微細な粉塵や細菌などの汚染物質の混入が防止でき、また廃棄物の減容、減量化に大きな効果が得られることから今後さらに使用量が増加していくと考えられる。
【0003】
このようなバッグ状医療用容器は、ポート部以外のシールは連続フィルムの状態で袋状区画にシールされる場合があり、製袋工程の効率がよくまた機械も簡単で専有面積も小さく生産性が高い。しかし一般にはバッグ状に製袋された以降は枚葉状に切りはなされた後ポート部材を取り付けるのが普通である。
これに対しポート部材の取り付けまでを一貫した工程で連続容器の形態での改善された提案があった(特開2001−112847号公報)が、この場合においてもポート部材を取り付けた直後に1個ごとの容器に切り離しており、内容物充填機にも1個ごとに供給することが必要とされている。
【0004】
このため、切り離された1個ごとのバッグ状容器の受け渡し、貯蔵、搬送、内容物充填工程における容器の柔らかさのための位置決め、固定など、さらに充填後における貯蔵、梱包、輸送などに大がかりで複雑な機械構造が必要となり、容器の寸法変更に対する対応性は困難となり、装置的に調整の難しさ、機械保守の手間や故障の発生などで製造コストの上昇につながりやすい。
【0005】
また製袋工程と充填工程は工程的に独立しており、さらに容器の性状が柔軟で不定形なため、搬送、梱包、充填機への送り込み等も難しく、さらに容器自体に自立性がなく、形状保持が困難であり、そのまま積み上げたときなどは荷崩れ、変形、傷つき等の問題が発生しやすいため特別な取り扱いに手間がかかり、一般的に容積も著増し、生産工程上も効率が悪い場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、容器製造工程においては、フィルムから連続してポート部材を溶着して取り付けることができるようにされた医療容器用筒状フィルムの製造方法、またはポート部材が取り付けられたバッグ状の連結した医療用容器の製造方法であって、連結状態にあっても、フィルムの溶融シールやポート部材溶着により発生する張力が緩和され、平面状連結体として取り扱えるため、未充填容器の貯蔵、梱包、運搬が容易であり、また内容物充填工程では包装から内容物充填機への連続供給が容易にでき、さらに内容物充填後の梱包、貯蔵、取り出し、個々のバッグへの分離が容易かつ確実に行える医療用連結容器の製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は
[1] チューブ状のインフレーションフィルムを溶融シール機に供給し、ポート部材取り付け部を除く区画接合部を溶融シールして袋状区画が連続した状態に形成し、該シールにより発生した応力または張力の緩和のために、側縁から溶融シール部の範囲内に切り込みを入れることを特徴とする連結した医療容器用筒状フィルムの製造方法、
【0008】
[2] チューブ状のインフレーションフィルムを溶融シール機に供給し、ポート部材取り付け部を除く区画接合部を溶融シールして袋状区画を連続した状態に形成すると共に、側縁部に独立した切り込み用溶融シール部を設け、これら溶融シールにより発生した応力または張力の緩和のために、側縁から切り込み用溶融シール部のシールした範囲内に切り込みを入れることを特徴とする連結した医療容器用筒状フィルムの製造方法、
【0009】
[3] 上記[1]または[2]に記載の製造方法により製造された連結容器用筒状フィルムのポート取付部にポート部材を取り付けることを特徴とする連結した医療用容器の製造方法、
【0010】
[4] 上記[3]に記載の連続した医療用連結容器を、ポート部材が重ならないように2個以上の一定区画毎に折り畳むことを特徴とする連結した医療用容器の包装方法、及び
【0011】
[5] 上記[3]に記載された医療用連結容器を、連結した状態で連続的に内容物充填装置に供給し、充填することを特徴とする連結した医療用容器の内容物充填方法、を開発することにより上記の目的を達成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、2枚の連続したフィルムがその周辺を溶融シールされて袋状区画(本発明において「袋状区画」とは、袋状に溶融シールされたものの他、ポート部材を接合することによりあるいは薬液を充填した後に行われる溶融シールにより袋状となる部分を溶融シールしたものも含む。)が隣接して形成されており、必要に応じて各袋状区画のそれぞれに、側縁の片側または両側にポート部材を設けた特徴とする医療用連結容器であり、ポート部材のシールも含めて全ての製袋工程を連続フィルムを切断することなく連結した状態で容器を形成することによって、製袋機の構造を簡単にし、容器形態の変更に対する対応性の向上、調整の容易化、設置面積の最小化による製造コストの低減、異物混入の防止が実現でき、更には梱包が容易で且つ搬送時の荷崩れがなく、また充填機への送り込みの連続化、自動化がしやすい連結された医療用連結容器及びその製造方法を提案するものである。
【0016】
本医療用連結容器に使用するフィルムは、通常インフレーション成形法により成形されたフィルムチューブまたはTダイ成形法等により成形されたフィルムであり、これを2枚重ね合わせるか、或いは幅広の連続するフィルムを折り畳み2枚とするかして使用する。特にインフレーションフィルムは筒状となっており、筒状内部がフィルム成形時のままの無菌状態に保持されているので、連結容器成形時に側縁部を切り取ってそのまま使用することができるので好ましい。
該フィルムは、単層であってもよいが、2層以上の積層フィルムでもよく、重ね合わせたフィルムの内面同士をエチレン系またはプロピレン系のポリマーなど、ヒートシールまたは高周波シールなどの溶融シール可能な樹脂とすることが好ましい。フィルムの厚さは容器の容積、目的に応じて適宜選択されるが、輸液バッグにおいては通常100〜500μm、特に200〜400μm程度のフィルムが使用される。
【0017】
袋状区画は、上記の重ね合わせた2層のフィルムを一定間隔で区画の周辺を溶融シール(本発明において、袋状区画を形成する溶融シール部を「区画接合部」という。)することにより形成する。この場合、フィルムの連続方向に沿った片側または両側の側縁にポート部材を溶着した場合でも枚葉化することなく、連続したフィルム状態で製袋することができ、また内容物充填工程、さらに梱包、取り出しなども一体の連結容器として取り扱うことができる。また必要に応じ、該袋状区画内部に弱シールにより区画を設け、それぞれの区画には長期間混合のままにしないことが好ましい薬剤を別々に収容し、使用時に圧力を加えて該弱シール部を剥離し、これら区画を連通させることにより薬液を混合後すぐに使用できる様な複数の薬液を収容可能とした容器にしても良い。
【0018】
ポート部材は輸液バッグなどに用いるものとおなじポート部材であって良い。このポート部材の取り付けは、上記連続した袋状区画を有する連結容器の2個以上の一定区画毎に折り畳んだときにポート部材部が重なり合わないように配置することが好ましい。
例えば折り畳み部をずらしてポート部を重ならないようにすることもできるし、連結容器を折り畳んだときにポート部が重ならないようにポート部材を袋状区画の中心よりずらして設けても良いし、或いは連結容器を折り畳んだときに折り畳み長さに合わせ一定数毎に袋状区画の一方の側縁にのみ設けるなどする事により、ポート部の厚さによる影響を可能な限り減少することが好ましい。
ポート部材は、薬液充填および薬液の取り出し口としての機能を有するが、薬液充填後は殆どの場合、薬液取り出し口のみがあればよい場合が多い。例えば医療用容器として一つのポート部があればよい場合には、薬液の充填はフィルム長手方向の両側の側縁にポート部材を設けておき、該袋状区画の中間部(フィルムの長手方向に平行に)を切断し、その切断部分を薬液充填口として使用することもできる。
【0019】
この2枚重ね合わせたフィルムをシールして袋状区画を連続した状態に形成する。シール方法は接着剤を用いても良いが、有機溶剤を使用せずに環境問題、内容物汚染の危険性がなく生産性が高くコストも有利な溶融シールが好ましい。例えば熱金型、高周波等の加熱手段を用い、それぞれの区画のポート部材を取り付ける領域を除く区画接合部の3乃至4辺をシールして袋状区画を形成する。
【0020】
フィルムの連続方向に形成される連続した袋状区画は、連続した区画接合部によって結合されている。この区画接合部は隣接した袋状区画の周辺をシール部の延長したシール部からなる区画接合部であっても良く、或いはその中間にシールしていない連結部を設けた区画接合部であっても良い。
なお連続した袋状区画のそれぞれに側縁の片側または両側にポート部材が設けられているときに、折り畳み部となる区画接合部の幅をポート部の最大径(連結容器の連続方向の最も大きい部分の長さ)より大とすれば、ポート部材を重ならないように折り畳み部を自由に選択できるので好ましい。
【0021】
連結容器の長さはエンドレスに製造できるので、貯蔵、梱包、搬送などにおいては折り畳んで取り扱うことが必要となる。連結容器を折り畳みやすくするためには、容器外周の区画接合部または連結部に折り目を予定する位置にミシン目または不連続のスリットを設けておけば意図した場所で折り畳むことが容易になり、より作業性が良くなる。折り方は図2または図3に示すような方法があり、状況に応じて使い分ける。
さらに連結した区画を切り離すため或いはそれぞれの医療用容器をその形状に合わせて切り離すためにもミシン目または不連続スリットは有効であり、折り畳み目とは一部共通しても構わないが各区画毎に折り畳み目とは別に設けることができる。
【0022】
フィルムの連続方向に形成される連続した袋状区画を形成した医療用連結容器は、溶融シール部の形状により、医療用連結容器の開始端から最終端までが必ずしも直線的にならず、溶融シール後の熱収縮のため、左右いずれかの方向に曲がる場合がある、特に医療用連結容器が長尺になるほど、この問題が発生しやすい、これは溶融シール部の面積が医療用連結容器の長尺方向の中心軸に対して必ずしも対称でないことによる。これにより医療用連結容器がロール状に巻かれたまま放置したときに、巻かれた医療用連結容器の一つの片側がきつく巻き締められ、反対側が緩く巻き締められることがあり、きつく締まった側はブロッキングが起こりやすくなり、ロール状医療用連結容器が繰りだしにくくなることがあった。
また折り畳んだ医療用連結容器の場合には、その幅が溶融シール前のフィルムの幅よりも大きくなることがあり、梱包材への梱包に支障を来すことがあった。さらに、本医療用容器において、連続したフィルムに立体形状を持つポート部材をフィルム長手方向側縁に溶着すると、ポート部材の厚さのために溶着部分のフィルムがそれ以外の部分に比べ長さが不足して2枚のフィルムの長手方向に過大な張力を発生し、変形や位置ズレが起き易いため連結した状態での容器を平面状に維持することが極めて困難となる。
連続したままの医療用容器を平面状として取り扱うためには、ポート部材を取り付ける工程の前またはその後の適切な段階においてに該応力または張力の緩和手段を執ることが必要である。
緩和手段としては該張力を緩和できる手段であれば特に限定しないが、例えば連結部の側縁部側から切り込みを入れる、またはポート部材取り付けの直前、溶融シール時または直後に区画接合部またはポート部材を取り付けた後に全体を平面状になるように弱い張力を掛けて連続容器の側縁部近傍または全体を加熱し応力または張力を緩和する、あるいは袋状区画を形成する際、隣り合った区画接合部の間に溶融シールしていない連結部を設ける、などの手段を行えばよい。また加熱して応力または張力を緩和する場合には緩和部が狭い面積とならないように温度勾配を持たせても良い。
【0023】
最も好ましい緩和手段としては、ポート部材を溶着する辺の両脇にある区画接合部または連結部に、袋状区画の連続方向に沿った側縁から直線状、V字またはU字などの切り込みを入れ、ポート部材に向かってフィルムの側縁が自由に収縮できるようにすることで解決できる。また、筒状フィルムのシールしていない連結部に切り込みを入れる際には、図6に示す様に、予め連結部の側縁部を溶融シールし、その溶融シール部の範囲内に切り込みを入れることが好ましい。この様にすることで筒状内部の無菌性を保持したまま切り込みをいれることが可能となる。
切り込みを入れるときは、ポート部材を取り付ける前に設けると、ポート部材を溶融シールする際にフィルムに必要以上の張力がかからないためシールが良好に行える利点がある。この切り込みは切り込み幅や深さはポート部のサイズ、区画間の間隔、フィルムの性質、ポート部の溶着条件などにより変わるが、連結容器を平面状にして取り扱える範囲内であればその幅や深さは自由に選択して良い。単に切り込んだだけでもストレスを大きく緩和できる。好ましくはポート部材長さ(側縁部からバッグ内部に入っている長さ)と同じまたはそれより若干深い切り込みを入れておくことが側縁部の張力緩和に有効である。
輸液バッグに使用する場合には、取り出し用ポート部の反対側の溶融シール部に吊り下げよう穴を設けておくと使用に便利である。
【0024】
上記の医療用連結容器は例えば次のようにして製造できる。即ちフィルムを袋状区画の幅またはそれに連結部の幅を加えた一定の間隔で、間欠的あるいは連続的に送り込みながらフィルムの長手方向に沿ってポート部材を取り付ける領域を除いて袋状区画を形成するように溶融シールし、必要に応じその直後に冷却金型により溶融領域を急冷する。この場合隣りあった袋状区画を接触した状態に形成しても良いし、あるいは隣り合った袋状区画の間に溶融シールしていない連結部を設けても良い。
次いでポート部材を取り付ける領域を真空パッドなどによりフィルムを引き離して開口させ、そこにポート部材を挿入し、フィルムの外側から加熱金型を押し当てて溶着シールする。
この場合、溶着の前または後に緩和手段を施すことにより連結した状態であっても平面状の連結容器として取り扱うことが可能となる。
【0025】
側縁両側に同じサイズのポート部材を取り付けた場合であっても連結容器を平面状として取り扱うことは極めて困難であり、またポートシール後にそのまま強い張力をかけるとポートからシールが引きはがされる危険があるので溶融シール後冷却することが好ましいが、冷却により張力がより強く発生する。
特に側縁の片側にのみポート部材を取り付けた場合、あるいは側縁の両側にポート部材を取り付けた場合でもその大きさ(厚さ)が異なる場合などは連結容器のままでは平面状として取り扱うことが殆ど不可能であり、この時点で1個ごとに切り離さないとその後の取り扱いが不可能となることが多い。
しかし、緩和手段を施した連結容器は、連続したフィルムの側縁の張力が大きく緩和されるので平面状(ポート部材部分は大きく膨らんではいるが)として取り扱うことができ、シールの際の剥離も生じない。
ポート部材を取り付ける前又は後に、袋状区画の区画接合部または連結部の折り畳み予定部位にミシン目あるいは不連続スリットを設ける。
なおこれらの成形順序は例として示したものであり、工程的に問題のない範囲で任意に変えることができる。
【0026】
このようにして製造された連結容器は、図2または図3で示すように数容器分をまとめて1段とし、次に2段目を折り畳む際に1段目最後の容器の区画接合部に設けたミシン目または不連続のスリット部に沿った折り目で折れば2段目の容器群は区画接合部でずらした幅の分だけ1段目の容器群に対して相対的にずれて、その結果1段目と2段目のポート部材が重なり合わずに並ぶことができる。次に3段目の折り返しは2段目とは反対に3段目の最初の容器の区画接合部の折り目にミシン目等を入れて折り返せば同じ方向に容器の位置がずれてポート部材が干渉しないように積層する事ができる。一段当たりの容器数を一定とし数段折り畳むと次第に一方向に偏って積層され、且つポート部材が、同じ段の隣接する容器の間に収まらなくなるため一定段数毎に容器数1枚増やして1段目の折り返し位置の上方で再び折り返す様にする。以上の方法で多数の容器を連続的に折り畳めばポート部材の重なり合いを最小限に抑えることができ梱包容積がコンパクトになる。
【0027】
また片側のみにポート部材を設ける容器では、1段目のポート部材を例えば右側の側縁にだけ設け、2段目の容器にはポート部材を側縁の左側だけに設けることによりポート部材の重なり合いを押さえることが可能であるが、さらに上記のように1段目と3段目(奇数同士)のポート部材の位置および2段目と4段目(偶数同士)のポート部材の位置をずらすようにしておけばさらにポート部材の重なり合いを押さえて梱包容積を減少させることが可能となる。
【0028】
また、別の方法として1容器毎に折り目の位置を区画接合部または連結部を挟んで交互に設け、その折り目に併せて交互に折り畳めばポート部材は非容器部分の幅ずつずれてポート部材は干渉せず2段目も同様にして積層すればポート部材を密に整列させて積層させることができる。
ただし、これらの積層方法では同じ面が向き合って重なる場合が必然的に発生し、片側が印刷面であれば、保護フィルムを連続的に、または重なる部分のみに挟むことによって保護することができる。
【0029】
本発明の医療用連結容器は、複数個連続した状態で包装ケースに折り畳みながら梱包することができる。連結容器が充填工程に連続的に送り込まれて内容物充填が行われる際、ロール形態の梱包においては1ロール単位が終了する毎にその最終端(ロールの中心部)を次のロールの開始端に接合しなければならない。しかし本発明の連結容器にあっては、1梱包単位の梱包開始端(連結容器区画の折り畳み包装の始めの部分)を包装ケースの外へ出してから包装ケースの底から折り畳みながら梱包するときは、連結容器開始端と最終端を包装ケースから同時に取り出せる。
【0030】
このように包装時の開始端を包装ケース(梱包単位)の外へ取り出せるようにした折り畳み梱包であれば、開始端(梱包時における)を送り出しの際の最終端として、次に使用予定の梱包単位の開始端(梱包時には最終端)と接合しておくことができるので、多数の梱包単位をあらかじめ接合しておくことにより長時間、連続した内容物充填が可能である。
【0031】
本発明の連結容器はロール形態の梱包においても使用できるが、ロール状に巻く場合、長尺に巻くほど、また長時間保管するほど巻き締められて容器にカール状の変形が発生する可能性が高く、またゆるく巻くと荷崩れやズレによる損傷が起こりやすいので注意が必要である。
また、上記折り畳み方式のほか、連結容器であっても平面状として取り扱えるのでポート部材を除く袋状区画の幅より短い筒状心材を用い、ポート部が筒状心材の外側になるようにして連続的に一定方向に巻き取ることも可能であり、その場合は容器の巻き癖、変形等を考慮して心材径、巻きテンション、巻き径を最適な条件に設定する必要がある。
【0032】
本発明の医療用連結容器は、従来の医療用容器と異なり、折り畳まれているが容器は連結したままで包装されているので、充填に際し連結したままの状態で充填機に供給できる。このため充填機における容器の位置決めなどが容易となり効率的に処理可能となる。
製袋工程あるいは内容物充填工程後に、1個ごとに切断し包装しても良いが、2個以上の一定数毎に切断、包装し、使用に際して1個ごとに切断して製品とすることは自由に選択できる。
【0033】
(実施例)
ポート又はフィルムをシールすることにより、連続フィルムの端縁に沿って発生する張力を緩和する手段として以下の方法による実験を行った。
(実施例1)
フィルム原反として幅280mm、厚み300μの直鎖状低密度ポリエチレン単層インフレーションフィルムを用いた。
まず、ロール状に巻いた原反を間欠的に一定間隔で繰り出し、ポートをシールする側の端(両端)から約10mmのところをナイフ状のカッターで連続的に切断し、重ね合わせた2枚の連続したフィルムとした後、停止した際にポートの間隔のほぼ中央の位置(区画接合部)に、連続フィルムの長手方向に対して直角に、フィルムの端から40mmまで挟みにより切り込み、次の送りの終了後また同様に切り込みを入れるという動作をフィルムを送る度に繰り返した。
【0034】
切り込みを入れた後、2枚合わせているフィルムをバキュームパッドにより開口して、シール部の外径17mm、シール部の長さ15mm(ポートのフィルムへの挿入長さに等しい)のポートを挿入してから、ヒータにより温度150℃に加熱したシール金型により、フィルムの外側からポートを挟み圧力をかけ約3秒間加熱し、ポートをフィルムに接合すると同時に区画接合部も同時に接合し袋状区画を形成した。シール金型を開いてからフィルムを再び送り、冷却用水冷金型でフィルム両側から挟んでシール部を冷却し、この動作を繰り返した。
その結果、切り込みを入れたフィルムはポートシール後も変形を起こさず、また冷却をしたためポートシール直後のポートからフィルムの剥離も見られなかった。尚、この切り込みは張力によりV字型に開いた。
【0035】
(比較例1)
切り込みを設けなかった以外は実施例1と同様に行った。この場合はポートをシールした後フィルムが平面を保てず、その後の搬送、梱包等の工程に支障を来たし、またポートシール後、発生する張力によりフィルムがポートから剥離し、気密が保てないなど医療用容器として必要な品質の医療用容器が得られなかった。
【0036】
(実施例2)
実施例1と同様のフィルムを同様に繰り出し、ポートを挿入してシールする際、両側に隣り合った区画接合部のフィルム端に、フィルム幅方向に40mm、長手方向に20mmの面積で140℃に加熱した金型を2〜3秒間接触させることにより、ポートシールにより発生した張力でフィルム長手方向に加熱部が引き延ばされ、実施例1と同様の効果が得られた。
【0037】
(実施例3)
実施例1と同様のフィルムを同様に繰り出し、ヒータにより温度155℃に加熱したシール金型により約3秒加熱し、袋状区画を形成した。次に隣合った袋状区画の間の溶融シールしていない連結部の両側縁部を150℃のシール金型で溶融シールした後、前記溶融シール部にカッター刃で、側縁部から20mの切り込みを入れた後ロール状に巻き取った。巻き取り後の医療用連結容器は直線的に繰り出された。
【0038】
【発明の効果】
本発明の医療容器用筒状フィルムの製造方法により得られた筒状フィルムは、容器製造工程においては機械設備が簡単で設置面積が小さく経済性に優れると同時に、フィルムから連続してポート部材を溶着して取り付けることができるバッグ状医療用連結容器であって、ポート部材溶着後の連結状態にあってもポート部材溶着による張力が緩和されているので、平面状連結体として取り扱え、折り畳み梱包が自動化しやすく、また該梱包した容器を連続的に内容液充填装置に送り込むことができ、枚葉化された容器の固定クランプや受け渡しの際に生じる位置ズレ、脱落、傷つき等のトラブルの発生が大きく抑制できた。さらに内容物充填後、連続したままの容器の梱包、貯蔵、取り出し、個々のバッグへの分離が容易かつ確実に行える優れた医療用連結容器である。もちろん充填する直前または充填後に各容器は切り離され枚葉形態として充填、梱包、貯蔵などを行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の側縁の両側にポート部材を設けた医療用連結容器(連結部なし)。
【図2】図1の医療用連結容器を折り畳んだ概念図。
【図3】梱包した医療用連結容器の連続した取り出し方。
【図4】本発明の側縁の両側にポート部材を設けた医療用連結容器(連結部あり)。
【図5】本発明の側縁の片側にポート部材を設けた医療用連結容器。
【図6】筒状フィルムの連結部の溶融シール部に切り込みを設けた医療用連結容器。
【符号の説明】
1 ポート部材
2 袋状区画
3 区画接合部
4 連結部
5 切り込み
6 ミシン目または不連続のスリット部
7 吊り下げ用穴
Claims (3)
- チューブ状のインフレーションフィルムを溶融シール機に供給し、袋状区画2を形成するようにポート部材1の取り付け部以外の全周縁を溶融シールし、前記フィルムの長手方向に袋状区画をその区画接合部3により連続して連結し、ポート部材取り付け部にポート部材を取り付けた医療用連結容器の製造方法において、前記溶融シールにより発生した応力または張力の緩和のために、区画接合部3に前記フィルムの長手方向に対し直角方向に側縁から溶融シール部の範囲内で切り込み5を入れることを特徴とする医療用連結容器の製造方法。
- 請求項1に記載の連続した医療用連結容器を、ポート部材が重ならないように2個以上の一定区画毎に折り畳むことを特徴とする医療用連結容器の包装方法。
- 請求項1に記載された医療用連結容器を、連結した状態で連続的に内容物充填装置に供給し、充填することを特徴とする医療用連結容器の内容物充填方法。
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