JP4114887B1 - 小麦の品種識別法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 国内で市場流通する外国品種を含む主要な小麦品種を網羅し、かつ、栽培環境等に影響されず再現性の高い小麦の品種識別法を確立すること。
【解決手段】 小麦DNA上の品種間で差のあるSSR領域を特異的に増幅できる10組の小麦品種識別用プライマー、それを含む小麦品種識別用キット並びにこれらプライマー対を用いて小麦から抽出したDNAを鋳型としたPCRを行い、得られた増幅DNAを解析することによる小麦の品種識別法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は小麦の品種識別法に関し、詳しくは、小麦DNA上の品種間で差のある単純反復配列(Simple Sequence Repeat:SSR)領域を、品種識別プライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、得られた増幅DNAを解析することによる小麦の品種識別法に関する。
小麦は国内主要穀類の一つであり、被食部である種子特有の蛋白質や澱粉特性を利用して、様々な食品へと加工される。品種の品質特性によって用途が異なるため、食感の優れる製めん用品種や製パン性に優れる品種、醤油醸造に適した特性をもつ品種など、それぞれの食品に最適な品種が必要とされる。
また、南北に長く位置する日本では地域によって気象条件が多岐にわたることから、各地域の栽培環境に適した品種の育成が進められており、現在の市場に流通する品種は40品種以上に及ぶ。さらに、小麦の自給率が2割に満たない我が国では、カナダ、オーストラリア、アメリカから年間500万t以上を輸入しているため、さらに数多くの品種が国内の小麦市場に流通している状況にある。
一方、近年、食の安全、安心が消費者に注目されるようになったことから、国内では香川県の育成品種「さぬきの夢2000」に代表されるような地域特産小麦が増加し、特定品種のブランド化が進んでいる。
このような、多様な用途に適した品種の選択、栽培品種のブランド化の進展から、原々種や原種生産での混種や、市場流通過程での原料品種取り違えの問題は、食品流通過程において大きな混乱と経済的損失を生じるものであり、国内における主要小麦品種の簡便で正確な識別法の確立が求められているところである。
従来、品種の識別は形態や生理特性などの違いで行われてきたが、これらの方法では気象条件や栽培方法等に影響されやすく、正確な識別は困難な場合があった。そのため、稲やイチゴ、果樹では遺伝子工学的手法を利用した品種識別法が開発されてきた。
それらの方法は、DNAマーカーと呼ばれる品種間でのDNA塩基配列の差異(多型)を検出する道具を用いて品種識別を行うものであり、栽培環境に影響されない遺伝子上の特徴を指標とすることから、正確な品種識別が可能となる。その手法としてはRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)法、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphisms)法、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)法、SSR(Simple Sequence Repeat)法等が利用されている。
国内における小麦の品種識別法に関しては、内村ら(非特許文献1)が福岡県内の主要3品種について、小林ら(非特許文献2)が関東周辺地域における主要17品種について、それぞれRAPD法による結果を報告している。また、黒澤ら(非特許文献3)は、RAPD法と同様に、PCRを用いて各種遺伝子領域の多型を検出することにより、国内の主要2品種の識別が可能であることを報告している。
これまで小麦で報告されたDNAを利用した品種識別技術は、その対象が一部の品種に限られ、国内で市場流通する主要な品種を網羅していない。
また、RAPD法はひとつのマーカーから得られる多型が少なく、黒澤らの方法では、国内における栽培品種のように遺伝的に非常に近縁な場合は多型が少ないことが予想され、識別対象品種の拡大が困難である。
育種学研究, 2(別1), 113, 2000 日本作物学会紀事, 75(2), 165-174, 2006 日本食品科学工学会第52回大会講演要旨集, 79, 2005
本発明は、国内で市場流通する外国品種を含む主要な小麦品種を網羅し、かつ、栽培環境等に影響されず再現性の高い小麦の品種識別法を確立することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために、小麦DNA上のSSR領域における多型に着目して鋭意研究を重ねた末、データベースNCBIに登録されているUniGene 35,263個のcDNA配列情報に基づいて、品種間で差のある当該多型領域を特異的に増幅できる10組の小麦品種識別用プライマーを開発することに成功した。さらに、これらプライマー対を用いて、小麦から抽出したDNAを鋳型としたPCRを行い、得られた増幅DNAを解析することによる小麦の品種識別法を完成するに至った。
本発明の品種識別プライマーを用いて、小麦DNAを鋳型としたPCRを行うと、鋳型DNAに相補的に結合したフォワードプライマーとリバースプライマーに挟まれた反復配列が増幅され、場合によっては品種間でサイズの異なる増幅DNAが生成される。ここで生成された増幅DNAを、例えば直接電気泳動により分画し、泳動パターンを確認することによって品種を識別することが可能となる。
従来技術のRAPD法は、ランダムな10〜12塩基からなるオリゴヌクレオチドを品種識別プライマーとして使用し、上記と同様に増幅DNAを解析して品種を識別するものである。黒澤らの方法もまた、遺伝子領域をPCRで増幅させるように設計したプライマー対を用いて同様の解析を行うものである。
一方、本発明において着目したSSR領域は、ゲノム中に散在する単純な塩基配列の反復領域であり、反復回数に依存するこの領域の長さは極めて多型性に富んでいる。したがって、現在、国内で栽培されている小麦品種のように遺伝的に近縁な場合でも、品種間の多型を検出することができる。
以上のように、本発明者らは、小麦品種間で多型を示し、かつ、高い再現性を持つ10組のプライマー対を選定することによって、国内で市場流通する主要な小麦品種を網羅した品種識別法を開発し、本発明を完成させたのである。
すなわち、請求項1に記載の本発明は、以下の(a)〜(c)の工程を含む小麦の品種識別法である。
(a)被検体である小麦試料からDNAを抽出する工程
(b)TaSE3(配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE6(配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE37(配列番号5及び6に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE63(配列番号7及び8に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE92(配列番号9及び10に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE96(配列番号11及び12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE117(配列番号13及び14に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE123(配列番号15及び16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE149(配列番号17及び18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)及びTaSE151(配列番号19及び20に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)からなる群より選ばれた1組のプライマー対を用いて、上記(a)で抽出したDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、DNAを増幅する工程
(c)上記(b)で得られた増幅DNAの長さを解析することにより、品種間の多型を検出する工程
請求項2に記載の本発明は、工程(b)に記載の10組のプライマー対を用いて(b)工程及び(c)工程を繰り返し、各プライマー対による増幅DNAの断片長のデータを組み合わせることにより小麦試料の品種を識別する、請求項1に記載の小麦の品種識別法である。
請求項に記載の本発明は、TaSE3(配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE6(配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE37(配列番号5及び6に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE63(配列番号7及び8に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE92(配列番号9及び10に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE96(配列番号11及び12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE117(配列番号13及び14に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE123(配列番号15及び16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE149(配列番号17及び18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)及びTaSE151(配列番号19及び20に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)からなる群より選ばれた少なくとも1組のプライマー対である。
請求項に記載の本発明は、請求項に記載のプライマー対を含む小麦の品種識別用キットである。
本発明によれば、対象品種として国内で市場流通する外国品種を含む主要な小麦品種を網羅した、正確、迅速かつ簡便な小麦の品種識別法が提供される。これにより、小麦の原々種や原種生産での混種や、市場流通過程での原料品種取り違えを確認することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る小麦の品種識別法は、
(a)被検体である小麦試料からDNAを抽出する工程、
(b)小麦DNA上の品種間で異なるSSR領域を特異的に増幅するように設計された本発明の小麦品種識別用プライマー対のうち1組を用いて、上記(a)で抽出したDNAを鋳型としたPCRを行い、DNAを増幅する工程、および
(c)上記(b)で得られた増幅DNAの長さを解析することにより、品種間の多型を検出する工程、
を含むことを特徴とするものである。
本発明の品種識別法の対象となる小麦の種類は特に限定されないが、例えば国内品種であるホクシン、農林61号、シロガネコムギ、チクゴイズミ、春よ恋、タイセツコムギ、シラネコムギ、ナンブコムギ、ホロシリコムギ、つるぴかり、きたもえ、あやひかり、ニシホナミ、タクネコムギ、ネバリゴシ、さぬきの夢2000、キタカミコムギ、タマイズミ、ふくさやか、ふくほのか、シラサギコムギ、チホクコムギ、ハルユタカ、キタノカオリ、ニシノカオリ、ミナミノカオリ、イワイノダイチ、ダイチノミノリ、バンドウワセ、きぬの波、きぬあずま、春のかがやき、アブクマワセ、コユキコムギ、しゅんよう、ゆきちから、キヌヒメ、きぬいろは、ダブル8号、農林26号、ユメアサヒ等、オーストラリア品種であるEradu、Cadoux、Arrino、Calingiri、Aroona等、アメリカ合衆国品種であるTyee、Eden、Jubilee、White Bird、Lewjiain、Zak、Hyak、Eltan、Alturas、Jagger等、およびカナダ品種であるAC Barrie、CDC Teal等、といった国内市場で流通している品種が挙げられる。
本発明の被検体でありDNAの採取源である小麦試料としては特に限定されるものではなく、小麦植物体のどの組織でも使用可能である。例えば、種子、葉、茎などを試料とすることができ、小麦粉などももちろん使用可能である。
(a)工程において小麦試料からDNAを抽出する方法としては、CTAB法や市販のDNA抽出キットによる方法など通常用いられる方法を採用することができる。
例えば、小麦種子1粒を破砕したものに1.5×CTABを400μl加えてよく懸濁し、55℃で15分間加温した後、遠心分離し、上層のみを採取する。これに等量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加えて室温で10分間振とうさせる。これを遠心分離した後、上層のみを採取し、1.5倍量の沈殿用バッファーを加えてDNAを析出させる。これを遠心して上澄みを捨て、1M NaCl溶液300μlを加えて55℃で10分間静置後、等量のイソプロパノールを加えて再びDNAを析出させる。遠心して上澄みを捨て、70%エタノール300μl程度を加えて洗浄し、再度、同作業を繰り返す。得られた沈殿を乾燥させた後、TEを50μl 加え、1晩4℃に静置して溶解させることによってDNA溶液を得ることが出来る。
次に(b)工程では、本発明の10組の品種識別プライマー対から選ばれた1組を用いて、上記(a)工程で抽出したDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、DNAを増幅する。
本発明においてプライマー対とは、PCRにおいて使用されるフォワードプライマーとリバースプライマーの組み合わせを指す。以下、「プライマー対」のことを単に「プライマー」と呼ぶこともある。
本発明の品種識別プライマーは、データベースNCBIに登録されている小麦のUniGene35,263個の配列情報に基づいて、SSRマーカー開発支援プログラムread2Markerを利用して設計されたプライマー対の中から、含まれる反復回数の多い上位186組のプライマー対を選択し、小麦14品種間におけるPCR増幅の可否および多型の有無を確認した結果、もっとも品種識別に適する10組を選定したものである(実施例1参照)。
本発明の10組のプライマー対とは、以下に示すものである。プライマーの合成は、専門の業者に依頼することができる。
なお、本発明のプライマーとしては、下記の塩基配列の一部であって15塩基以上の連続した塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを用いることも可能である。
(1)TaSE3
TaSE3は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号2に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(2)TaSE6
TaSE6は、配列表の配列番号3に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号4に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(3)TaSE37
TaSE37は、配列表の配列番号5に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号6に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(4)TaSE63
TaSE63は、配列表の配列番号7に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号8に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(5)TaSE92
TaSE92は、配列表の配列番号9に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号10に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(6)TaSE96
TaSE96は、配列表の配列番号11に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号12に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(7)TaSE117
TaSE117は、配列表の配列番号13に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号14に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(8)TaSE123
TaSE123は、配列表の配列番号15に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号16に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(9)TaSE149
TaSE149は、配列表の配列番号17に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号18に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
(10)TaSE151
TaSE151は、配列表の配列番号19に記載の塩基配列からなるフォワードプライマーと、配列番号20に記載の塩基配列からなるリバースプライマーと、を組み合わせてなるオリゴヌクレオチドプライマー対である。
本発明はさらに、上記10組の品種識別プライマーから選ばれた少なくとも1組のプライマー対を含む小麦の品種識別用キットを提供する。このキットは、本発明の小麦の品種識別法に用いるためのキットである。
本発明の小麦の品種識別用キットは、上記品種識別プライマーの他に、DNAポリメラーゼ等のPCR用試薬なども含んでいてよい。
(b)工程におけるPCRは、上記10組の品種識別プライマーの中から選ばれたいずれか1組を用いて、上記(a)工程で抽出されたDNAを鋳型とするのであれば、常法に従って行うことができる。
例えば、小麦試料のDNAに、上記10組の品種識別プライマーのうちの1組、Taqポリメラーゼ等の耐熱性DNAポリメラーゼ、反応用緩衝液およびdNTPsを加えた状態で、常法に従い約90〜100℃下での変性、約30〜75℃下、好ましくは約50〜70℃下、より好ましくは約50〜60℃下でのアニーリング及び約70〜75℃下での伸長、の3過程を1サイクルとする反応を30〜40サイクル行ってDNAを増幅することができる。
(c)工程では、上記(b)工程で得られた増幅DNAの長さを解析することにより、品種間の多型を検出する。
(b)工程におけるPCRによって、品種識別プライマーのフォワードプライマーとリバースプライマーとに挟まれたSSR領域のDNA断片が大量に増幅される。上記10組の品種識別プライマーは、品種間で反復回数の差が出るSSR領域を挟むように設計されているため、場合によっては品種ごとに断片長(分子量)の異なる増幅DNAが得られる。したがって本発明では、(b)工程で得られた増幅DNAの長さを決定することにより、品種間の多型(SSR領域における反復回数の差)を検出することができるのである。
本発明において、増幅DNAの長さの解析は、例えばアガロースゲル電気泳動やキャピラリー電気泳動等により行うことができる。PCR後の反応液を電気泳動すると、分子量の小さい(断片長の短い)増幅DNAほど速く陽極に移動するので、増幅DNAのバンドの移動距離から該増幅DNAの断片長を決定することができる。
本発明では、(a)工程で抽出した小麦DNAについて、複数の品種識別プライマーを用いて(b)工程及び(c)工程を繰り返し、各プライマー対による増幅DNAの断片長のデータを組み合わせることにより、被検試料の品種を正確に識別することができる。
本発明の品種識別プライマーTaSE3を用いて得られた増幅DNAの長さの違いによって、国内市場で流通する小麦58品種は11グループに識別される。同様に、TaSE6では5、TaSE37では4、TaSE63では4、TaSE92では2、TaSE96では4、TaSE117では2、TaSE123では7、TaSE149では5、TaSE151では3のグループに識別することができる(表7参照)。
各プライマー対を用いて得られた増幅DNAの長さに基づいて識別されたグループをそれぞれ記号(A〜J)で示し、10組のプライマー対に由来する10個の記号組合せによって品種識別を行うことで、国内品種と国外品種の識別が可能である。また、国内で流通量が多い「ホクシン」や「農林61号」、地域特産のブランド品種「さぬきの夢2000」など、主要な国内品種についても個別に識別することができる(表8参照)。
例えば、国産の主要品種である「ホクシン」については、TaSE3〜TaSE151の10組のプライマー対に由来する記号がそれぞれA,D,B,A,A,B,B,F,D,Aであり、他にこれと同じ識別結果を持つ品種はない(表8参照)。
また、小麦試料がある特定の品種であるか否か識別したい場合には、その品種に特異的なバンドが得られるプライマー対のみを用いて品種を識別することが可能である。例えば、小麦品種「農林61号」のみからなる小麦粉中に他品種が混入していないか、あるいは品種の取り違えが起きていないか調べるときは、TaSE96のみを用いてPCRを行い、電気泳動パターンにおいて295bp(A)のバンドのみが検出された場合には他品種が混入していないと判定することができるし、一方、複数のバンドが検出された場合には他品種が混入していると判定することができる。
さらに、小麦試料の品種が「ホクシン」又は「農林61号」であることが分かっているなど、ある程度限られた範囲のうちの何れの品種か識別したい場合には、TaSE3など1組の品種識別プライマーのみを用いて品種を識別することが可能である。
このように、本発明に用いる品種識別プライマーは、上記10組の品種識別プライマーの中から、目的に応じて必要なものを適宜選択して用いればよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1(プライマー設計および品種識別プライマーの選定)
データベースNCBIに登録されている小麦のUniGene35,263個(2005年9月時点)から、SSRマーカー開発支援プログラムread2Markerを利用してプライマー設計を行った。なお、上記プログラムread2Markerとは、塩基配列データからSSRを検索し、当領域をはさむようにプライマー設計を行うプログラムであり、その詳細に関しては、H. Fukuoka et al., Bio Techniques 39:472-476 (2005)に記載されている。
read2Markerで設計したプライマー対のうち、フォワードプライマーとリバースプライマーに挟まれたSSR領域に含まれる反復回数の多い方から上位186組のプライマー対を選択し、TaSE1〜186と命名した。これらのプライマー対について、少なくとも小麦14品種(ホクシン、農林61号、チクゴイズミ、ネバリゴシ、さぬきの夢2000、タマイズミ、ふくさやか、シロガネコムギ、シラサギコムギ、春よ恋、ハルユタカ、Eradu、Calingiri、Zak)におけるPCR増幅の可否と多型の有無を確認した。
小麦からのDNAの抽出は、種子1粒から以下のような改変CTAB法で行った。
種子1粒を軽くハンマー粉砕後、2.0ml滅菌凍結保存チューブにφ5.5mmビーズ2個とともに入れ、ビーズ式細胞破砕装置(TOMY製Micro Smash)で3000rpmにて150秒間処理した。1.5×CTABを400μl加えてよく懸濁し、55℃のヒートブロック等で15分間加温した後、遠心し、上層のみを新しい1.5mlチューブに移した。等量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え、室温で10分間振とうさせた。遠心後、上層のみを新しい1.5mlチューブに移し、上層の1.5倍量の沈殿用バッファーを加えてDNAを析出させた。遠心して上澄みを捨て、1M NaCl溶液300μlを加えて55℃で10分間静置後、等量のイソプロパノールを加えて再びDNAを析出させた。遠心して上澄みを捨て、70%エタノール300μl程度を加えて洗浄し、再度、同作業を繰り返した。得られた沈殿をスピードバックで3分間ほど乾燥させた後、TEを50μl 加え、1晩4℃に静置して溶かしたものをDNA溶液とした。
分光光度計でDNA溶液の濃度を算出し、10ng/μl に調整して次のPCR反応に用いた。
PCR反応には、Applied Biosystems Instrument (ABI)製のAmpliTaq Goldを使用した。反応液組成は、AmpliTaq Gold (5units/μl) を0.04μl、添付の10×バッファーを1μl、各2.0mM dNTPsを1μl、25mM MgCl2を0.6μl、鋳型DNA(10ng/μl)を1μl、フォワードおよびリバースプライマー(10pM)を0.2μlずつ混合し、滅菌水を用いて1サンプルあたりの反応液量を10μlにした(表1参照)。
PCR装置にはABI社製Gene Amp PCR System 9700を使用した。反応サイクルは、最初に94℃で9分反応させた後、94℃30秒、60℃30秒、72℃30秒の反応を35サイクル行い、最後に72℃で7分間反応させた(表2参照)。
上記のPCR反応で得られた増幅DNAの電気泳動は、サブマリン電気泳動装置(BIO CRAFT製)を使用し、3%アガロースゲルで150V、40分間泳動し、臭化エチジウム染色後の紫外線照射によりバンドを確認した(表3参照)。
上記のPCR反応で増幅しなかったTaSE151など71組のプライマー対について、グラジエントPCR反応を行い、アニーリング温度の変化による増幅の可否を確認した。なお、グラジエントPCR反応は、小麦研究に多用される「Chinese Spring」という品種のDNAを鋳型に用いて行った。
PCR反応液組成は上記と同様に調整し、グラジエントPCR反応はタカラバイオ製PCR Thermal Cycler Dice Gradientを使用して、94℃で9分反応後、94℃で30秒、50〜70℃で30秒、72℃で30秒の反応を35サイクル行い、最後に72℃で7分反応させた(表4参照)。
増幅DNAの電気泳動は上記と同様に行い、バンドを確認した。50℃や54℃、66℃などの特定温度で増幅が見られたTaSE151など24組のプライマー対に関しては、アニーリング温度を当該温度に設定して再度小麦14品種についてPCRを行い、少なくとも上記した小麦14品種間で多型(増幅DNAの断片長の差)の有無を確認した。
以上、186組すべてのプライマー対についてPCR増幅の可否、多型の有無を判定した。その結果、もっとも品種識別に適すると考えられた10組のプライマー対を選定した(表5参照)。なお、表5に記載の反復領域とは、プライマー対に挟まれて増幅されるSSR領域の塩基配列を示す。
実施例2(小麦58品種の品種識別)
国内で市場流通していると考えられる主要な小麦品種58品種(国内41品種、輸入17品種)を選定し、供試した(表6参照)。
実施例1で最終的に選定した10組のプライマー対について、フォワードプライマーの片側にFAM、NED、VIC、PETのいずれかの蛍光色素(いずれもアプライドバイオシステムズ社製)を付加したものを、業者に依頼して合成した。
表6の小麦58品種から実施例1と同様にしてDNAを抽出し、上記の蛍光プライマー対を用いて実施例1の表1及び表2と同様のPCR反応を行った。ただし、TaSE151を用いたPCR反応におけるアニーリング温度は50℃に設定した。
PCR反応で得られた増幅DNAをキャピラリー型電気泳動装置を用いて分離し、増幅長を決定することによって詳細に多型を検出し、品種識別を行った。
すなわち、PCR反応液1μlにつきホルムアミド6.93μl、サイズスタンダードマーカー(ABI製 GENESCAN-500LIZ)0.07μlを混合し、ローディングサンプルとした。これをキャピラリー型電気泳動装置(ABI製 3130xl Genetic Analyzer)で分離した後、遺伝子解析ソフトウェア(ABI製 GeneMapper)を用いて増幅長を算出した。
各品種につき、少なくとも3粒からそれぞれDNAを抽出し、データを取得した。
代表データとして、ホロシリコムギ、ニシホナミ、タクネコムギ及びさぬきの夢2000の4品種についてTaSE6を用いて得られた増幅DNAの電気泳動図を図1に示す。図1中、薄い色はサイズスタンダードマーカーを、濃い色は増幅DNAを示す。
結果を表7に示す。
TaSE3を用いた増幅DNAの長さの違いによって、小麦58品種は11グループ(A〜J)に識別された。同様に、TaSE6では5、TaSE37では4、TaSE63では4、TaSE92では2、TaSE96では4、TaSE117では2、TaSE123では7、TaSE149では5、TaSE151では3のグループに識別することができた。
また、各プライマーを用いて得られた増幅長をそれぞれ記号(A〜J)で示し、各品種における10個の記号組合せによって品種識別を行った結果、58品種を47グループに識別できた(表8参照)。なお、表8中の「−」は増幅DNAが得られなかったことを示す。
国内41品種間では31グループに識別でき、国内品種と輸入品種は一致する記号組合せがなく、識別可能であった。このことから、本発明によって、小麦市場で大半を占めると考えられる輸入銘柄に含まれる品種と、地域ブランド化によって付加価値の高まっている国内品種の識別が可能であることが分かった。
また、特に、国内で流通量が多い「ホクシン」、「農林61号」、地域特産のブランド品種「さぬきの夢2000」など主要な品種は、個別に識別が可能であった。
本発明により、国内で市場流通する外国品種を含む主要な小麦品種を正確に識別することが可能となるため、都道府県等の試験研究機関における原々種や原種生産での混種の確認、また、市場流通過程における原料品種の取り違えを確認する手段として利用できる。
小麦4品種のTaSE6による増幅DNAの電気泳動図を示す。図中、薄い色はサイズスタンダードマーカーを、濃い色は増幅DNAを示す。

Claims (4)

  1. 以下の(a)〜(c)の工程を含む小麦の品種識別法。
    (a)被検体である小麦試料からDNAを抽出する工程
    (b)TaSE3(配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE6(配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE37(配列番号5及び6に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE63(配列番号7及び8に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE92(配列番号9及び10に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE96(配列番号11及び12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE117(配列番号13及び14に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE123(配列番号15及び16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE149(配列番号17及び18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)及びTaSE151(配列番号19及び20に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)からなる群より選ばれた1組のプライマー対を用いて、上記(a)で抽出したDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、DNAを増幅する工程
    (c)上記(b)で得られた増幅DNAの長さを解析することにより、品種間の多型を検出する工程
  2. 工程(b)に記載の10組のプライマー対を用いて(b)工程及び(c)工程を繰り返し、各プライマー対による増幅DNAの断片長のデータを組み合わせることにより小麦試料の品種を識別する、請求項1に記載の小麦の品種識別法。
  3. TaSE3(配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE6(配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE37(配列番号5及び6に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE63(配列番号7及び8に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE92(配列番号9及び10に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE96(配列番号11及び12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE117(配列番号13及び14に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE123(配列番号15及び16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)、TaSE149(配列番号17及び18に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)及びTaSE151(配列番号19及び20に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー対)からなる群より選ばれた少なくとも1組のプライマー対。
  4. 請求項に記載のプライマー対を含む小麦の品種識別用キット。
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