JP4775945B2 - Pb1遺伝子と連鎖する分子マーカーを指標にイネの穂いもち抵抗性を識別する方法 - Google Patents

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本発明は、穂いもちの抵抗性を有するイネの品種を判別する方法に関する。
いもち病はイネの栽培期間を通じてその発生がみられる。特に出穂後に発病する穂いもちは、葉いもちと異なり、直接的に収量の減少や品質・食味の低下をもたらす。そのため、穂いもち防除は多くの栽培水田で行われ、全水田で平均約1回の農薬散布がなされている計算になる。穂いもち抵抗性品種の利用は、穂いもち防除および農薬使用低減に非常に有効な手段となりうる。
Pb1は、穂いもち抵抗性遺伝子として初めて同定された優性主働遺伝子である(非特許文献1、非特許文献2)。イネ縞葉枯病抵抗性育種に取り組む愛知県農業総合試験場(以下、「愛知農総試」と省略)において、Pb1が発見された。愛知農総試は、インド型イネ品種「Modan」 由来のイネ縞葉枯病抵抗性中間母本「St.No.1」を導入し、イネ縞葉枯病抵抗性系統を多数育成した。それらの系統の穂いもち抵抗性検定を通じて、イネ縞葉枯病抵抗性と連鎖した穂いもち抵抗性遺伝子:Pb1の存在が発見された。
Pb1による抵抗性は、葉いもちよりも、穂いもちに対しより強い圃場抵抗性を発現する。葉いもちに対する圃場抵抗性は、幼苗期では弱いものの、10葉期以降では顕著になる特性を示す。また、Pb1の圃場抵抗性は主働遺伝子による抵抗性であり通常育種により容易に導入可能である。このように多くの優れた特徴を有するPb1であるが、最も重要な特徴は、穂いもち抵抗性が長期間安定していることである。実用品種が群馬、埼玉、愛知の各県に普及してから今年で23年が経過し、平成3年、平成5年、平成15年のいもち病多発年を経てもなお、Pb1による抵抗性品種では、いもち病菌の変異による抵抗性の崩壊(ブレークダウン)が見られない(非特許文献3)。
Pb1によるいもち病抵抗性が実際的で実用的な重要形質であるにもかかわらず、Pb1の作用機構は未だ解明されていない。また、穂いもち抵抗性系統の育成は、穂いもち抵抗性の検定が必要であるが、従来は、実際にイネを圃場に栽培し、出穂を待ったうえで、穂いもち抵抗性を検定する必要があった。穂いもち検定は実に1シーズンを要する。また検定に適した場所が少ないこともあり、育成過程の早い段階では穂いもち検定がおこなわれず、ある程度他の形質が評価されて系統の遺伝的背景も固定した後に、やっと穂いもち検定が実施されることが多かった。そのため、折角育成された系統が、実は穂いもち抵抗性が極弱であった例もみられた。穂いもち抵抗性品種の育成のためには、育成初期段階での穂いもち検定を可能とする、効率的評価・検定方法の開発が求められている。これまでにPb1と連鎖する分子マーカーの報告もあるが(特許文献1、非特許文献5-8)、実用化にむけて、検定の確実度のより高いマーカーが求められている。
特許3153889 藤井潔・遠山孝通・杉浦直樹・坂紀邦・井上正勝・朱宮昭男(1999)イネ縞葉枯ウイルス抵抗性の日本型イネ品種月の光と姉妹系統に見いだされた穂いもち抵抗性の性質と家系分析.育種学研究 1.69-76. 藤井潔・早野由里子・杉浦直樹・林長生・坂紀邦・遠山孝通・井澤敏彦・朱宮昭男(1999)イネ縞葉枯病抵抗性品種が有する穂いもち抵抗性の遺伝子分析.育種学研究1.203-210. 藤井潔・早野由里子・杉浦直樹・林長生・井澤敏彦・岩崎真人(2005)イネ準同質遺伝子系統を用いた穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1による穂いもち発病抑制効果の定量的評価.育種学研究7.印刷中(6月に発行予定) Fujii, K., Y. Hayano-Saito, K. Saito, N. Sugiura, N. Hayashi, T. Tsuji, T.Izawa and M. Iwasaki (2000) Identification of a RFLP marker tightly linked to the panicle blast resistance gene, Pb1, in rice. Breeding Science 50. 183-188. Allelic diversity among Basmati and non-Basmati long-grain indica rice varieties using microsatellite markers. Journal of Plant Biochemistry and Biotechnology, 2004, vol.13, pp25-32 早野由里子・藤井潔・杉浦直樹・斎藤浩二・林長生 近交系を用いたイネ穂いもち圃場抵抗性遺伝子 Pb1の座乗領域の解析 遠山孝通・早野由里子・杉浦直樹・藤井潔・井澤敏彦・中前均(1998) 水稲穂いもち抵抗性遺伝子Pb-st(t)と連鎖するPCRマーカーの開発.愛知県農業総合試験場研究報告30:27-34 Chen,X., Temnykh,S., Xu,Y., Cho,Y.G. and McCouch,S.R. Development of a microsatellite framework map providing genome-wide coverage in rice (Oryza sativa L.) Theor. Appl. Genet. 95, 553-567 (1997)
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、穂いもち抵抗性を識別するための効率的方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。Pb1の遺伝解析が愛知県農業総合試験場および北海道農業試験場(現北海道農業研究センター)によって行われ、RFLP 分析から、Pb1遺伝子はイネ第11染色体長腕部に存在し、イネ縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iと遺伝距離5.2cMで連鎖していることがわかっている(非特許文献2、非特許文献4)。この情報をもとに、国際イネゲノム塩基配列解読プロジェクト(IRGSP)が公開している「日本晴」BAC/PACの物理地図から、11番染色体85.7cMに位置するマーカー「S723」と90.1cMに位置するマーカー「R2458」の間に夾まれた10個のクローンを選択した。該10個のクローンについて、Pb1マーカーの作製を試みた。
まずインド型イネ品種「Kasalath」のBAC末端塩基配列と「日本晴」の塩基配列を比較し、制限酵素切断部位の塩基の違いを探した。その塩基多型の前後にプライマーを設計し、「St.No.1」および「農林8号」のDNAを鋳型としてPCRを行い、増幅産物のサイズまたはその産物を制限酵素切断した断片のサイズの違いを検出し、マーカー「K1」および「K3」を作製した。
次に、SSR(Single sequence repeat)を解析し、SSRを増幅するようにプライマーを設計した。該プライマーにより「St.No.1」および「農林8号」のDNAを鋳型としてPCRを行い、増幅産物の電気泳動のバンドの違いから、7つのSSRマーカー:「SSR2」、「SSR4」、「SSR6」、「SSR11」、「SSR16」、「SSR34」、「SSR39」を作製した。
3つ目の方法では、「日本晴」の塩基配列の任意の位置にプライマーを設計し、「St.No.1」および「農林8号」のPCR産物のサイズをアガロースゲル電気泳動により確認した。PCR産物のサイズが異なる場合は、そのまま多型として利用した。マーカー「N3-2」、「N4-1」、「Pb3810/16」は、この方法により作製した。一方、PCR産物のサイズが同じ場合は、PCR産物の塩基配列を解読し、GENETYXにより解析し制限酵素の認識部位の塩基配列多型を利用した。この方法により、マーカー「N6-1」、「N6-3」、「NA-2RG4」、「NA-16RG」、「N4-3RG1」、「N2-3RG」、「N2-2RG」、「N2-1RG」を作製した。
続いて「農林8号」/「St.No.1」のF2植物7,279個体について、幼苗の葉からアルカリ法によりDNAを簡易抽出し、該DNAについて、上記マーカーの中から「N6-1」及び「Pb3810/16」を用いて、「N6-1」及び「Pb3810/16」の間で組換えを起こした334個体を選抜した。上記334組換え個体について21個の分子マーカーの遺伝子型を決定し、組換え位置を明らかにした。その結果、Pb1想定領域には非常に組換えが起こりやすい領域と極めて起こりにくい領域が隣り合わせに存在することが判明した。
また、「農林8号」/「St.No.1」交配集団から選抜した334の組換えヘテロ系統のうち一部を次世代でホモに固定化し、得られた61ホモ化系統(F4)について上記マーカーを用いて「農林8号」型/「St.No.1」型のいずれであるかを決定するとともに、現地圃場において穂いもち抵抗性を検定した。その結果、本発明者らはPb1遺伝子位置の絞り込みに成功し、Pb1はマーカー「NA-2RG4」から「N2-3RG」の間に存在することが明らかになった。
さらに、本発明者らは、穂いもち抵抗性の有無が既に確認されたイネの品種・系統について、上記本発明のPb1マーカーを用いて穂いもち抵抗性検定を行った。その結果、本発明のPb1マーカーによる穂いもち抵抗性検定は正しい結果を出すことができ、有用性の高いことが証明された。すなわち、本発明は穂いもち抵抗性遺伝子Pb1の検出に関し、具体的には、以下の発明を提供するものである。
(1)イネの穂いもち抵抗性遺伝子Pb1と連鎖する分子マーカーであって、図1の連鎖地図に示される分子マーカーのうち、少なくとも1つの分子マーカーを指標に、被検イネの穂いもち抵抗性を識別する方法、
(2)分子マーカーが、穂いもち抵抗性の形質を有するイネと同様の遺伝子型を示す場合に、被検イネが穂いもち抵抗性であると判定される、上記(1)に記載の方法、
(3)分子マーカーが配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51のいずれかに記載の塩基配列またはその部分配列からなる分子マーカーである、上記(1)または(2)に記載の方法、
(4)以下の工程を含む、穂いもち抵抗性の形質を有するイネを選抜する方法
(a)穂いもち抵抗性の形質を有するイネ、およびその他の形質を有するイネを交配する工程
(b)交配させて得られるイネから、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法を使用して、穂いもち抵抗性の形質を有するイネを選抜する工程、
(5)配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチド、
(6)以下(a)から(u)のいずれかに示す、少なくとも1つのプライマーセット
(a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA
(b)配列番号:4に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:5に記載の塩基配列からなるDNA
(c)配列番号:7に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:8に記載の塩基配列からなるDNA
(d)配列番号:9に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:10に記載の塩基配列からなるDNA
(e)配列番号:11に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:12に記載の塩基配列からなるDNA
(f)配列番号:13に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:14に記載の塩基配列からなるDNA
(g)配列番号:15に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:16に記載の塩基配列からなるDNA
(h)配列番号:18に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:19に記載の塩基配列からなるDNA
(i)配列番号:21に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:22に記載の塩基配列からなるDNA
(j)配列番号:23に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:24に記載の塩基配列からなるDNA
(k)配列番号:26に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:27に記載の塩基配列からなるDNA
(l)配列番号:28に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:29に記載の塩基配列からなるDNA
(m)配列番号:30に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:31に記載の塩基配列からなるDNA
(n)配列番号:32に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:33に記載の塩基配列からなるDNA
(o)配列番号:34に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:35に記載の塩基配列からなるDNA
(p)配列番号:37に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:38に記載の塩基配列からなるDNA
(q)配列番号:40に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:41に記載の塩基配列からなるDNA
(r)配列番号:42に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:43に記載の塩基配列からなるDNA
(s)配列番号:45に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:46に記載の塩基配列からなるDNA
(t)配列番号:47に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:48に記載の塩基配列からなるDNA
(u)配列番号:49に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:50に記載の塩基配列からなるDNA、
(7)以下の(a)から(i)のいずれかに示す組み合わせを少なくとも一つ以上含む、穂いもち抵抗性識別キット。
(a)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:TaqI
(b)配列番号:4に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:5に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:Sau3AI
(c)配列番号:15に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:16に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:RsaI
(d)配列番号:18に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:19に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:AluI
(e)配列番号:23に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:24に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:EcoT22I
(f)配列番号:32に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:33に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:Sau3AI
(g)配列番号:37に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:38に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:BclI
(h)配列番号:42に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:43に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:MspI
(i)配列番号:45に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:46に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:BanIII。
本発明によって、イネの穂いもち抵抗性を識別する新規方法が提供された。本発明の方法によれば、イネの成長段階の早期において、穂いもち抵抗性の有無を判断することが可能になる。本発明の方法で穂いもち抵抗性を有するイネを選抜することにより、穂いもち抵抗性イネの育種期間の大幅短縮が見込まれる。
本発明は、イネの穂いもち抵抗性遺伝子Pb1と連鎖する分子マーカーであって、図1の連鎖地図に示される分子マーカーのうち、少なくとも1つの分子マーカーを指標に、被検イネの穂いもち抵抗性を識別する方法を提供する。本発明の識別方法においては、被検イネが穂いもち抵抗性遺伝子Pb1を有するか否かを調べることにより、被検イネの穂いもち抵抗性を特異的かつ効率的に識別できる。
本発明における「穂いもち抵抗性遺伝子Pb1」(以下において、単に「Pb1」と記載する場合あり)は、イネ第11染色体長腕部に存在し、イネ縞葉枯病抵抗性を有する品種においては、イネ縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iと遺伝距離5.2cMで連鎖する。
本発明の識別方法においては、穂いもち抵抗性の有無を識別したい所望のイネ(以下において、「被検植物」と記載する場合あり)において、Pb1遺伝子を有する場合に、被検植物は穂いもち抵抗性を有するイネであるものと判定され、Pb1遺伝子を有しない場合に、被検植物は穂いもち抵抗性を有しないイネであるものと判定される。
本発明の識別方法の好ましい態様においては、Pb1と連鎖する分子マーカーを用いることを特徴とする。本発明における「分子マーカー」とは、Pb1と遺伝的に連鎖するDNA領域であって、他のDNA領域と識別可能なDNA領域をいう。本発明において好ましい分子マーカーとしては、図1に記載の分子マーカー(マーカー番号:1‐21)を例示できる。
一般に分子マーカーとは、単位cMで表す地図距離が短いほどその遺伝子の近傍に位置し、その遺伝子と同時に遺伝するため、有用性が高い。Pb1の厳密な位置はまだ確定されていないが、本発明者によってPb1位置の絞込みが行われ、Pb1はマーカー「NA-2RG4」(マーカー番号:7)からマーカー「N2-3RG」(マーカー番号:16)の間に存在することが示された(図1)。したがって本発明の方法においては、図1に記載の分子マーカー21個の中でも、上記2つのマーカー間に存在するマーカー(「NA-2RG4」、「NA-16RG」、「SSR4」、「N4-3RG1」、「SSR34」、「N4-1」、「SSR39」、「K3」、「N3-2」、「N2-3RG」)は、特に有用なマーカーである可能性が高い。
本発明の方法の一つの態様としては、穂いもち抵抗性の形質を有するイネと同様の遺伝子型を示す場合に、被検イネが穂いもち抵抗性であると判定される方法である。上記「穂いもち抵抗性の形質を有するイネ」とは、穂いもち抵抗性遺伝子Pb1を有することが確認されているイネのことをいう。例えば、被検植物における分子マーカーが「穂いもち抵抗性の形質を有するイネ」と同じ遺伝子型を示すとき、被検植物は穂いもち抵抗性を有すると判定される。被検植物における分子マーカーと「穂いもち抵抗性の形質を有するイネ」における分子マーカーとの比較は、分子マーカーのDNA配列の比較だけではなく、該DNA配列によって特徴付けられる情報の比較によっても実施することができる。分子マーカーのDNA配列によって特徴づけられる情報としては、分子マーカーの存在の有無についての情報、分子マーカーに含まれる変異部位や多型部位の存在の有無についての情報が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば本発明の実施例にあるように、被検植物のDNAを鋳型として分子マーカー領域増幅用のプライマーによってPCR法を行ったときの増幅産物の分子量が、「穂いもち抵抗性の形質を有するイネ」増幅産物の分子量を電気泳動で比較し、分子量が同じであれば「同様の遺伝子型を示す」ということができる。よって、「同様の遺伝子型を示す」には、分子マーカーのDNA配列が完全に同一である場合だけではなく、該DNA配列によって特徴づけられる情報が同一である場合も含まれる。
また本発明の一つの態様においては、図1の連鎖地図に示される2つ以上の分子マーカーを適宜選択し、本発明の識別方法を実施することにより、より確度の高い識別が可能となる。
本発明において「分子マーカーを用いる」とは、該分子マーカーをイネの穂いもち抵抗性の識別のための指標として利用することを意味する。つまり本発明の好ましい態様においては、被検植物について分子マーカーが穂いもち抵抗性の形質を有するイネと同様の遺伝子型を示す場合に、被検植物は穂いもち抵抗性の形質を有するものと判断される。
本発明において「被検イネ」とは、イネであれば特に制限されず、インディカ種であっても、ジャポニカ種であってもよく、または、インディカ種とジャポニカ種との交配品種・系統や野生イネ、あるいは栽培品種と野生イネの交配・交雑品種であってもよい。本発明における「穂いもち抵抗性の形質を有するイネ」としては、Pb1を有するイネであればよく、一例としては、「Modan」や「St.No.1」を挙げることができるが、これらに限定されない。既にPb1を有していることが判明しているイネの品種・系統における分子マーカーの型を対照(コントロール)とすることにより、本発明の識別方法を好適に実施することができる。
また、本発明の好ましい態様においては、「被検植物」は、親が確実に分っている育成途中の系統等を指す。つまり、被検植物において、「穂いもち抵抗性」の親と同じ遺伝子型を示すものが、高い確率で穂いもち抵抗性の形質を有する(Pb1遺伝子を有する)ものと判定される。この場合の確率とは、組換え価をP(%)とした場合、1-0.01xPで表わすことができる。
本発明の分子マーカーとしては、例えば、STS(Sequence Tagged Site)マーカー、CAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)マーカー、SSR(Single sequence repeat)マーカーを挙げることができる。STSマーカーとは、DNA上の配列タグ部位(STS)の多型の有無の判定に利用できるDNA領域をいい、STSとは、DNA上の特定位置に特異的な配列部位をいう。STSの多型は、該特定配列部位を含むDNA領域をPCR法等の核酸増幅法により増幅し、該増幅産物をアガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけることにより、バンドの有無や位置の違いとして検出することができる。また、CAPS法は、DNA上の特異的な配列部位を含む領域を、さらに制限酵素で処理し、該特異的配列部位内における多型を検出する方法である。例えば、STSによる増幅産物に多型が見られない場合に、該増幅産物を各種制限酵素で処理し、電気泳動等により多型を検出する。SSRマーカーは、マイクロサテライトマーカーとも呼ばれるマーカーである。DNA上には、数塩基からなる配列の繰り返しが存在し、該繰り返しの数は系統等により異なる。SSRマーカーは、この繰り返し数の多型の違いを検出するためのマーカーである。
本発明に使用できる上記方法のマーカーとしては、図1に示されている分子マーカーであれば特に制限されず、任意のマーカーを用いることができる。
本発明の分子マーカーとしてSTSマーカーまたはSSRマーカーを用いる場合は、本発明の識別方法を、例えば以下のようにして行うことができる。まず、被検イネおよび穂いもち抵抗性の形質を有するイネからDNA試料を周知方法によって調製する。次に、調製したDNAを鋳型として、プライマーDNAを用いて核酸増幅反応(例えば、PCR法)を行う。増幅したDNA断片の大きさを、電気泳動等により被検イネと穂いもち抵抗性との間で比較し、同様の遺伝子型を示す場合には、該被検植物は、穂いもち抵抗性の形質を有すると判定される。
本発明の分子マーカーとしてCAPSマーカーを用いる場合は、本発明の識別方法を、例えば以下のようにして行うことができる。まず、被検イネおよび穂いもち抵抗性の形質を有するイネからDNA試料を周知方法によって調製する。次に、調製したDNAを鋳型として、プライマーDNAを用いて核酸増幅反応(例えば、PCR法)を行う。増幅したDNA断片を制限酵素で切断し、切断されたDNA断片の大きさを、電気泳動等により被検イネと穂いもち抵抗性との間で比較し、同様の遺伝子型を示す場合には、該被検植物は、穂いもち抵抗性の形質を有すると判定される。
本発明の識別方法に使用するプライマーDNAは、当業者においては、各種分子マーカーについての配列情報を考慮して、最適なプライマーを適宜設計することが可能である。通常、上記プライマーとは、Pb1を有するイネに特異的に存在し、Pb1と連鎖する塩基配列に特異的なプライマー、またはPb1を有するイネに特異的に存在し、Pb1と連鎖する塩基配列を挟み込むように設計された、該塩基配列を増幅するための一対のプライマーセットである。またCAPSマーカーのためのプライマーセットは、特定の制限酵素と組み合わせて使用することが望ましい。具体的には下記のようなプライマーセットおよび制限酵素を例示することが出来る。
STSマーカーのプライマーセットとしては、
プライマーN4-1F(配列番号28)およびプライマーN4-1R(配列番号29)からなるプライマーセットN4-1、
プライマーN3-2F(配列番号34)およびプライマーN3-2R(配列番号35)からなるプライマーセットN3-2、
プライマーK1F(配列番号47)およびプライマーK1R(配列番号48)からなるプライマーセットK1、
プライマーPb3810/16F(配列番号49)およびプライマーPb3810/16R(配列番号50)からなるプライマーセットPb3810/16、
の4つのプライマーセットを例示することができる。
また、CAPSマーカーのプライマーセットおよび制限酵素として、
プライマーN6-1F(配列番号1)およびプライマーN6-1R (配列番号2)からなるプライマーセットN6-1、並びに制限酵素:TaqI、
プライマーN6-3F(配列番号4)およびプライマーN6-3R(配列番号5)からなるプライマーセットN6-3、並びに制限酵素:Sau3AI、
プライマーNA-2RG-4F(配列番号15)およびプライマーNA-2RG-4R(配列番号16)からなるプライマーセットNA-2RG-4、並びに制限酵素:RsaI、
プライマーNA-16RGF(配列番号18)およびプライマーNA-16RGR(配列番号19)からなるプライマーセットNA-16RG、並びに制限酵素:AluI、
プライマーN4-3RG1F(配列番号23)およびプライマーN4-3RG1R(配列番号24)からなるプライマーセットN4-3RG1、並びに制限酵素:EcoT22I
プライマーK3F(配列番号32)およびプライマーK3R(配列番号33)からなるプライマーセットK3、並びに制限酵素:Sau3AI
プライマーN2-3RGF(配列番号37)およびプライマーN2-3RGR(配列番号38)からなるプライマーセットN2-3RG、並びに制限酵素:BclI
プライマーN2-2RGF(配列番号42)およびプライマーN2-2RGR(配列番号43)からなるプライマーセットN2-2RG、並びに制限酵素:MspI
プライマーN2-1RGF(配列番号45)およびプライマーN2-1RGR(配列番号46)からなるプライマーセットN2-1RG、並びに制限酵素:BanIII
の9つのプライマーセットを例示することができる。
さらに、SSRマーカーのプライマーセットとして、
プライマーSSR-16F(配列番号7)およびプライマーSSR-16R(配列番号8)からなるプライマーセットSSR-16、
プライマーSSR-2F(配列番号9)およびプライマーSSR-2R(配列番号10)からなるプライマーセットSSR-2、
プライマーSSR-24F(配列番号11)およびプライマーSSR-24R(配列番号12)からなるプライマーセットSSR-24、
プライマーSSR-11F(配列番号13)およびプライマーSSR-11R(配列番号14)からなるプライマーセットSSR-11、
プライマーSSR-4F(配列番号21)およびプライマーSSR-4R(配列番号22)からなるプライマーセットSSR-4、
プライマーSSR-34F(配列番号26)およびプライマーSSR-34R(配列番号27)からなるプライマーセットSSR-34、
プライマーSSR-39F(配列番号30)およびプライマーSSR-39R(配列番号31)からなるプライマーセットSSR-39、
プライマーSSR-6F(配列番号40)およびプライマーSSR-6R(配列番号41)からなるプライマーセットSSR-6、
の8つのプライマーセットを例示することができる。
本発明のPCRプライマーは、当業者においては、例えば、自動オリゴヌクレオチド合成機等を利用して作製することができる。また、当業者においては周知の多型検出方法、例えば、上記PCRプライマーを用いたPCR-SSCP法等によっても本発明の方法を実施することが可能である。
また、本発明の分子マーカーがゲノムDNAのエクソン中に存在する場合には、mRNAを鋳型としたRT-PCRを利用することも可能である。また、Taqman(量的PCR検出)システム(Roche社)を利用すれば、蛍光により増幅産物の有無を検出することが可能である。このシステムによれば、電気泳動の手間も省けるため短時間で本発明の識別方法を行うことが可能である。
また、本発明の識別方法に供される、DNA試料は、特に制限されるものではないが、通常、被検植物であるイネから抽出するゲノムDNAを用いる。また、ゲノムDNAの採取源としては特に限定されるものではなく、イネのいずれの組織からも抽出できる。例えば、穂、葉、根、茎、種子、胚乳部、フスマ、胚等から抽出することができる。
本発明の上記DNA試料の調製(抽出)方法としては、当業者においては、公知の方法によって行うことができる。好ましい調製方法として、例えば、CTAB法を用いてDNAを抽出する方法を挙げることができる。
さらに本発明の上記電気泳動分析は常法にしたがって行えばよい。例えば、アガロースまたはポリアクリルアミドのゲル中で電圧をかけて電気泳動し、分離したDNAパターンを分析する。
本発明はまた、配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを提供する。
ここで「相補鎖」とは、A:T(ただしRNAの場合はU)、G:Cの塩基対からなる2本鎖核酸の一方の鎖に対する他方の鎖を指す。また、「相補的」とは、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全に相補配列である場合に限られず、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上の塩基配列上の相同性を有すればよい。相同性を決定するためのアルゴリズムは当業者に周知のものを使用すればよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖に特異的にハイブリダイズする。ここで「特異的にハイブリダイズする」とは、通常のハイブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、サムブルックら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbour Laboratory Press,New York,USA,第2版1989に記載の条件)において、他のDNAとクロスハイブリダイゼーションを有意に生じないことを意味する。
本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAの検出や増幅に用いるプローブやプライマーとして使用することができる。また、本発明のオリゴヌクレオチドは、DNAアレイの基板の形態で使用することができる。
該オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる場合、その長さは、通常15bp〜100bpであり、好ましくは17bp〜30bpである。プライマーは、本発明のDNAまたはその相補鎖の少なくとも一部を増幅しうるものであれば、特に制限されない。また、プライマーとして用いる場合、3'側の領域は相補的とし、5'側には制限酵素認識配列やタグなどを付加することができる。また、配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51に記載の塩基配列からなるDNAの検出や増幅に用いるプライマーセットとしては、前述のプライマーセットの中から対応するプライマーセット(プライマーセットN6-1、プライマーセットN6-3、プライマーセットNA-2RG-4、プライマーセットNA-16RG、プライマーセットN4-3RG1、プライマーセットN3-2、プライマーセットN2-3RG、プライマーセットN2-2RG、プライマーセットPb3810/16)を例示することできる。
また、上記オリゴヌクレオチドをプローブとして使用する場合、該プローブは、配列番号:3、6、17、20、25、36、39、44、51のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズするものであれば、特に制限されない。該プローブは、合成オリゴヌクレオチドであってもよく、通常少なくとも15bp以上の鎖長を有する。
本発明のオリゴヌクレオチドをプローブとして用いる場合は、適宜標識して用いることが好ましい。標識する方法としては、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、オリゴヌクレオチドの5'端を32Pでリン酸化することにより標識する方法、およびクレノウ酵素等のDNAポリメラーゼを用い、ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチド等をプライマーとして32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を取り込ませる方法(ランダムプライム法等)を例示することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば市販のオリゴヌクレオチド合成機により作製することができる。プローブは、制限酵素処理等によって取得される二本鎖DNA断片として作製することもできる。
本発明のイネの穂いもち抵抗性を識別するための試薬においては、有効成分であるオリゴヌクレオチド以外に、例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、界面活性剤、脂質、溶解補助剤、緩衝剤、保存剤等が必要に応じて混合されていてもよい。
本発明の識別方法を利用すれば、穂いもち抵抗性と識別されるイネを早期に選抜することが可能となる。本発明はこのような穂いもち抵抗性と識別されるイネを早期に選抜する方法も提供する。ここでいう「早期」とは、イネの出穂より前の状態を指し、好ましくは発芽直後の状態を指す。本発明の選抜方法を利用すれば、穂いもち抵抗性の形質を有する品種の育成を従来よりも短期間で成し遂げることが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]マーカーの作製
公開されているイネ(品種:日本晴)の塩基配列の情報を利用した。Pb1の分子遺伝地図を参考に、国際イネゲノム塩基配列解読プロジェクト(IRGSP)が公開しているBAC/PACの物理地図から、11番染色体85.7cMに位置するマーカー「S723」と90.1cMに位置するマーカー「R2458」の間に夾まれた10個のクローンについて、次の3つの方法により全部で21個のPb1周辺マーカーを作製した。
1つ目の方法では、インド型イネ品種「Kasalath」のBAC末端塩基配列と「日本晴」の塩基配列の比較を行い、制限酵素切断部位に塩基の違いがないかを探した。その塩基多型の前後にプライマーを設計し、「St.No.1」および「農林8号」のDNAを鋳型としてPCRを行った。「St.No.1」は、「Modan」に日本型水稲「農林8号」を5回戻し交配し育成された品種である。「St.No.1」はPb1を持つが、「農林8号」はPb1を持たない。上記PCRにより増幅した産物のサイズまたはその産物を制限酵素切断した断片のサイズの違いを検出し、マーカーとした。上記方法により、マーカー「K1」および「K3」を作製した。「K1」はSTS(Sequence Tagged Site)マーカー、「K3」はCAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)マーカーである。
次に、SSR(Single sequence repeat)を解析し、SSRを増幅するようにプライマーを設計した。該プライマーを用いて「St.No.1」および「農林8号」のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、それぞれのPCR増幅産物について、アクリルアミドゲル電気泳動によりバンドの大きさを確認した。「St.No.1」および「農林8号」の増幅産物のバンドに違いがあるものを選び出し、7つのSSRマーカー:「SSR2」、「SSR4」、「SSR6」、「SSR11」、「SSR16」、「SSR34」、「SSR39」を作製した。
3つ目の方法は、以下のように行った。「日本晴」の塩基配列の任意の位置にプライマーを設計し、「St.No.1」および「農林8号」のPCR産物のサイズをアガロースゲル電気泳動により確認した。PCR産物のサイズが異なる場合は、そのまま多型として利用した。マーカー「N3-2」、「N4-1」、「Pb3810/16」は、この方法により作製した。一方、PCR産物のサイズが同じ場合は、PCR産物の塩基配列を解読し、GENETYXにより解析し制限酵素の認識部位の塩基配列多型を利用した。この方法により、マーカー「N6-1」、「N6-3」、「NA-2RG4」、「NA-16RG」、「N4-3RG1」、「N2-3RG」、「N2-2RG」、「N2-1RG」を作製した。これら8個はいずれもCAPSマーカーである。
上記で作製したマーカー21個のそれぞれについて、簡単な説明を下記に記す。
a)分子マーカー番号1:「N6-1」 CAPSマーカー
プライマーN6-1F :5’-GCCCAGTAGTACCACCTCCA-3’ (配列番号1)
プライマーN6-1R :5’-CAGTCTTCTACCGCGAAAGG-3’ (配列番号2)
制限酵素の種類:TaqI
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたときのPCR産物の塩基配列:942bp の部分配列:774bpを配列番号3に示す。該774bp部分配列(配列番号3)の529位から532位にかけてTaqIの制限酵素切断位置が存在する。そのため、942bpからなる上記PCR産物のみならず、774bp部分配列も、穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
b)分子マーカー番号2:「N6-3」 CAPSマーカー
プライマーN6-3F :5’-TCATGTCTCCTCTCCCATCC-3’ (配列番号4)
プライマーN6-3R :5’-GACCAAGAAGGCGTCAAGAG-3’ (配列番号5)
制限酵素の種類:Sau3AI
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたときのPCR産物の塩基配列:953bpの部分配列: 784bpを配列番号6に示す。該784bp部分配列(配列番号6)の631位から634位にかけてSau3AIの制限酵素切断位置が存在する。そのため、953bpからなるPCR産物のみならず、784部分配列も、穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
c)分子マーカー番号3:「SSR16」 SSRマーカー
プライマーSSR-16F :5’-TGATGACCATACAAGTGGGG-3’ (配列番号7)
プライマーSSR-16R :5’-GACTGTTCATCGAATGCCCT-3’ (配列番号8)
d)分子マーカー番号4:「SSR2」 SSRマーカー
プライマーSSR-2F :5’-CACATGCAACACAACACAGG-3’ (配列番号9)
プライマーSSR-2R :5’-ATGGAGGTGGAGAAGGGG-3’ (配列番号10)
e)分子マーカー番号5:「SSR24」 SSRマーカー
プライマーSSR-24F :5’-GGAGAGGGGGAGGATTAGAA-3’ (配列番号11)
プライマーSSR-24R :5’-TAGGACGAGCCAAGCTCAAG-3’ (配列番号12)
f)分子マーカー番号6:「SSR11」 SSRマーカー
プライマーSSR-11F :5’-CCGATATCCAATTAACAATGC-3’ (配列番号13)
プライマーSSR-11R :5’-CAACCCTCCACCACTCACTT-3’ (配列番号14)
g)分子マーカー番号7「NA-2RG4」 CAPSマーカー
プライマーNA-2RG-4F :5’-CAGGATGGACAGGATATGTGG-3’ (配列番号15)
プライマーNA-2RG-4R :5’-CATGTGCCTTGCATTTCTTC-3’ (配列番号16)
制限酵素の種類:RsaIまたはClaI
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたとき、塩基配列:323bpのPCR産物が得られる。上記PCR産物323bpの前後を含む配列906bpを配列番号17に示す。上記PCR産物323bpは、上記906bp(配列番号17)の535位から857位に位置する。上記906bp(配列番号17)における763位から766位(PCR産物323bpの228位から231位)の配列(ATAC)は、制限酵素によって切断されないが、日本晴、農林8号(両品種ともPb1無)における対応する配列は、RsaIの制限酵素切断位置となる。したがって、上記PCR産物323bpは、RsaIと組み合わせることで、穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
また、同様に906bp(配列番号17)の619位から624位(PCR産物323bpの84位から89位)の配列ATCTATは制限酵素で切断されないが、日本晴、農林8号における対応する配列は、ClaIの制限酵素切断位置となる。したがって、上記PCR産物323bpは、ClaIと組み合わせることで、穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
さらに、906bpの172位から177bp位の配列ACTAGTは制限酵素SpeIによって切断されるが、日本晴、農林8号における対応する配列は切断されない。したがって、上記906bp(配列番号17)は、SpeIと組み合わせることで、日本晴や農林8号と区別できるマーカーとして利用できる。
h)分子マーカー番号8「NA-16RG」 CAPSマーカー
プライマーNA-16RGF :5’-GACAGCCTTATCGTTCAGCA-3’ (配列番号18)
プライマーNA-16RGR :5’-TTGAAGCAATCTAATAATGGAGGA-3’ (配列番号19)
制限酵素の種類:AluI
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたとき、塩基配列:336bpのPCR産物が得られる。上記PCR産物336bpの前後を含む配列1118bpを配列番号20に示す。上記PCR産物336bpは、上記1118bp(配列番号20)の552位から887位に位置する。上記1118bp(配列番号20)における624位から627位(PCR産物336bpの72位から75位)の配列(AGCC)は、制限酵素で切断されないが、日本晴、農林8号における対応する配列は、AluIの制限酵素切断位置となる。したがって、上記PCR産物336bpは、AluIと組み合わせることで、穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
i)分子マーカー番号9「SSR4」 SSRマーカー
プライマーSSR-4F :5’-GTTGATGAGCTCCATCGCTC-3’ (配列番号21)
プライマーSSR-4R :5’-TCCTCTTAAGCAGCCACCAT-3’ (配列番号22)
j)分子マーカー番号10「N4-3RG1」 CAPSマーカー
プライマーN4-3RG1F :5’-CGCCAAGCTACCCAAGTTAC-3’ (配列番号23)
プライマーN4-3RG1R :5’-TTGCAGCATTGTCTTCATCC-3’ (配列番号24)
制限酵素の種類:EcoT22I
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたとき、塩基配列 :378bpのPCR産物が得られる。上記PCR産物378bpの前後を含む配列1150bpを配列番号25に示す。上記PCR産物378bpは、1150bp(配列番号25)の270位から647位に位置する。上記1150bp(配列番号25)における315位から320位(PCR産物378bpの45位から50位)の配列(ATGCAT)は、制限酵素EcoT22Iで切断される。上記PCR産物378bpは、EcoT221との組み合わせにより穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
k)分子マーカー番号11:「SSR34」 SSRマーカー
プライマーSSR-34F :5’-GCGGGGAGTAGAACTCCAG-3’ (配列番号26)
プライマーSSR-34R :5’-CTGGCTCTTCAAGTCCATCC-3’ (配列番号27)
l)分子マーカー番号12:「N4-1」 STSマーカー(優性マーカー)
プライマーN4-1F :5’-GAGAGGCTGAACCGTTGAAG-3’ (配列番号28)
プライマーN4-1R :5’-CCAATGCTACCACCACTCCT-3’ (配列番号29)
m)分子マーカー番号13:「SSR39」 SSRマーカー
プライマーSSR-39F :5’-CGCTGAAGTGAGGGGAAGT-3’ (配列番号30)
プライマーSSR-39R :5’-GACAACACGCAAACATGACC-3’ (配列番号31)
n)分子マーカー番号14「K3」 CAPSマーカー
プライマーK3F :5’-AAAACGATTTCCACGGAGAC-3’ (配列番号32)
プライマーK3R :5’-AATCTCGGCAGCTGATAGGA-3’ (配列番号33)
制限酵素の種類:Sau3AI
o)分子マーカー番号15:「N3-2」 STSマーカー
プライマーN3-2F :5’-CGCAGCGTTTTTATGGATTT-3’ (配列番号34)
プライマーN3-2R :5’-ACGTCCATCCAGCGTTTATC-3’ (配列番号35)
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたときのPCR産物の塩基配列:1131bpの部分配列:775bpを配列番号36に示す。上記部分配列775bpについて、日本晴及び農林8号の相当する配列と比較すると、775bp(配列番号36)における349位から3bpの欠失および368位から27bpの欠失がみられる。上記欠失を挟んでプライマーを設計すれば、部分配列:775bpも、穂いもち抵抗性識別マーカーとしての利用が可能である。
p)分子マーカー番号16:「N2-3RG」 CAPSマーカー
プライマーN2-3RGF :5’-TGACGCAGCAACTAAGATGG-3’ (配列番号37)
プライマーN2-3RGR :5’-TCTTCTAGTTCATTCTGGATTCTAAA-3’ (配列番号38)
制限酵素の種類:BclIまたはSau3AI
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたとき、塩基配列 :224bpのPCR産物が得られる。上記PCR産物224bpの前後を含む配列812bpを配列番号39に示す。上記PCR産物224bpは、上記812bp(配列番号39)の46位から270位に位置する。上記812bpにおける166位から171位(PCR産物224位の120位から125位)の配列(TGATCA)は制限酵素BclIで切断される。また、同様に812bpにおける167位から170位(PCR産物224bpの121位から124位)の配列GATCは制限酵素Sau3AIで切断され、日本晴、農林8号の対応する配列は切断されないため、上記PCR産物224bpは、BclIまたはSau3AIとの組み合わせにより、穂いもち抵抗性識別マーカーとして利用できる。
q)分子マーカー番号17:「SSR6」 SSRマーカー
プライマーSSR-6F :5’-TTTTTATGGGATTGAGGGAGT-3’ (配列番号40)
プライマーSSR-6R :5’-GTCAAGCTAGGCGGATTGTC-3’ (配列番号41)
r)分子マーカー番号18:「N2-2RG」 CAPSマーカー
プライマーN2-2RGF :5’-TCTTGGGTGTCAGGTTTGAA-3’ (配列番号42)
プライマーN2-2RGR :5’-ATAGCTGTGATGGAGGTGGG-3’ (配列番号43)
制限酵素の種類:MspI
上記プライマーを用いてイネ品種「St. No. 1」を鋳型としたとき、塩基配列:202bpのPCR産物が得られる。上記PCR産物202bpの前後を含む配列762bpを配列番号44に示す。上記PCR産物202bpは、上記762bp(配列番号44)の386位から670位に位置する。上記762bpにおける425位から428位(PCR産物202bpの39位から42位)の配列(CCGG)は、制限酵素MspIで切断される。
s)分子マーカー番号19:「N2-1RG」 CAPSマーカー
プライマーN2-1RGF :5’-CCTTTAGGTCCACCGAATCA-3’ (配列番号45)
プライマーN2-1RGR :5’-GACACTATGCAGGTGCAGGA-3’ (配列番号46)
制限酵素の種類:BanIII
t)分子マーカー番号20:「K1」 STSマーカー
プライマーK1F :5’-TCTGGATAAAAATGGCGGAG-3’ (配列番号47)
プライマーK1R :5’-CCAGGCCGAACCCTAATATC-3’ (配列番号48)
u)分子マーカー番号21:「Pb3810/16」 STSマーカー
プライマーPb3810/16F :5’-TCTACGAGAGTTACAGCTTCTCC-3’ (配列番号49)
プライマーPb3810/16R :5’-GAGTTGCATGGTACACCTAGCC-3’ (配列番号50)
PCR産物の塩基配列 240bp(イネ品種「St. No. 1」を鋳型としたときのPCR産物)(配列番号51)
[実施例2]Pb1領域の絞込み
「農林8号」/「St.No.1」のF2植物7,279個体について、幼苗の葉からアルカリ法によりDNAを簡易抽出した。21個の分子マーカーのうち、最も外側に位置する「N6-1」(マーカー番号1)及び「Pb3810/16」(マーカー番号21)のプライマー(図1参照)を用いてPCRを行い、「N6-1」及び「Pb3810/16」の間で組換えを起こした334個体を選抜した。
上記334組換え個体について21個の分子マーカーの遺伝子型を決定し、組換え位置を明らかにした。まず、各個体のDNAを幼苗から抽出した。該DNAを鋳型とし、実施例1で作製した21のマーカーのプライマーを用いてPCRを行い、アガロースゲル電気泳動によりパターンの解析を行った。21個のマーカーによる電気泳動パターンをSt.No.1および農林8号と比較し、各マーカーのパターンがSt.No.1型であるか農林8号型であるかを判断した。その結果、Pb1想定領域には非常に組換えが起こりやすい領域と極めて起こりにくい領域が隣り合わせに存在することが判明した。
次に、「農林8号」/「St.No.1」交配集団から選抜した334の組換え系統のうち一部を次世代で固定化し、得られた61ホモ化系統(F4)について、現地圃場において穂いもち抵抗性を検定した。上記穂いもち抵抗性検定は、いもち病常発地である愛知県農業総合試験場山間農業研究所場内圃場において平成15年、16年の2カ年行った。6月初めに1系統15株を1本植え2反復で試験圃場に移植し、通常の栽培管理を行った。いもち病は7月上旬から発生した。穂の発病が始まる出穂10日以降、発病程度を0から10までの11段階で表す浅賀の調査基準(浅賀 1981 イネ品種のいもち病に対する圃場抵抗性の検定に関する研究 農事試験場研究報告 35号 51-138.)に基づき発病調査を行った。各系統の出穂21〜23日後の調査値を発病程度とした。発病値は、羅病籾率を求め、羅病籾率0%を発病値:0とし、羅病籾率100%を発病値:10とした。「St.No.1」(Pb1を持つ)、「農林8号」(Pb1を持たない)の発病値はそれぞれ2.7、9.1であった。この値を参考にして組換え固定系統の穂いもち抵抗性を判定した。一方、61ホモ化系統について、本発明の21個のマーカーのそれぞれについて、St.No.1型を示すか、農林8号型を示すかを調べた。61ホモ化系統の各マーカーの型を表1に示す。表1において、IはSt.No.1型を、J:は農林8号型を表す。また、表中の[J/H]は、マーカーが優性マーカーであるため、「J」ジャポニカ型でも「H」ヘテロ型でも同じサイズのバンドになり、「J」と「H」を区別することができないことを示す。一連の上記検討の結果、Pb1はマーカー「NA-2RG4」(マーカー番号7)−「N2-3RG」(マーカー番号16)の間に特定された(表1、図1)。
[実施例3]Pb1連鎖マーカーによる穂いもち検定
主に愛知県育成の品種を含む96品種・系統について、本発明のPb1連鎖マーカーを用いて穂いもち検定を行った。使用した品種・系統は穂いもち抵抗性の有無が確認されており、本発明のマーカーによる検定結果が正しいものであるかどうかを検討した。
幼苗からDNAを抽出し、今回作製した分子マーカーの中からマーカー番号15:「N3-2」のプライマーを用いてPCRを行い、1.5%アガロースゲル電気泳動によりパターンの解析を行った。「St.No.1」のPCR産物は「農林8号」及び「日本晴」より99bp短い1129bpのバンドとして検出され、他の品種との区別が可能であった。この位置にバンドが形成された品種は、「St.No.1」から穂いもち抵抗性を導入した品種・系統に限定された(図2)。
穂いもち抵抗性遺伝子Pb1の推定領域および分子マーカーの位置を示す図である。下線無しの数字(1‐21)はマーカー番号を、下線付きの数字は、各マーカー間の組み換え個体数を表す。穂いもち抵抗性遺伝子Pb1は、第11番染色体長腕中央部に位置する。Pb1は278kbに限定されており、21個の分子マーカーはPb1推定領域の前後及び内部に設定した。 本発明マーカーによる穂いもち抵抗性の判別結果を示す写真である。マーカー「N3-2」のプライマーでPCRを行うと1.1kbあたりに増幅されたバンドが検出される。この位置のバンドの有無と穂いもち抵抗性の強弱は一致した。

Claims (5)

  1. イネの穂いもち抵抗性遺伝子Pb1と連鎖する分子マーカーであって、配列番号:25で示される分子マーカーを指標に、被検イネの穂いもち抵抗性を識別する方法。
  2. 分子マーカーが、穂いもち抵抗性の形質を有するイネと同様の遺伝子型を示す場合に、被検イネが穂いもち抵抗性であると判定される、請求項1に記載の方法。
  3. 以下の工程を含む、穂いもち抵抗性の形質を有するイネを選抜する方法。
    (a)穂いもち抵抗性の形質を有するイネ、およびその他の形質を有するイネを交配する工程
    (b)交配させて得られるイネから、請求項1又は2に記載の方法を使用して、穂いもち抵抗性の形質を有するイネを選抜する工程
  4. 以下に示す、プライマーセット。
    列番号:23に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:24に記載の塩基配列からなるDNA
  5. 以下に示す組み合わせを含む、穂いもち抵抗性識別キット。
    列番号:23に記載の塩基配列からなるDNAおよび配列番号:24に記載の塩基配列からなるDNA、並びに制限酵素:EcoT22I
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