本発明に係る待ち合わせ決定装置は、待ち合わせを行う者の移動履歴を自動的に取得し、その履歴データを利用することで、適切な待ち合わせ場所を提案する。近年、車載機器にハードディスク等の大容量の記憶媒体が搭載され、車両の移動履歴を容易に蓄積できるようになっている。また、携帯電話等の携帯型小型端末においても位置情報が容易に取得できるようになり、大容量の半導体メモリ等により容易に蓄積できるようになってきている。また、鉄道、バス等の公共の移動手段においてもICカードやプリペイドカード等の普及により、自動改札機能と交通機関の利用履歴が容易に蓄積できるようになってきている。本発明は、このような近年における記憶技術を有効活用することで、移動端末装置等の移動履歴を用いてユーザ同士の待ち合わせ場所の探索を自動的に行うものである。
つまり、本発明に係る待ち合わせ場所決定装置は、複数人が待ち合わせる場所を決定する装置であって、複数人の移動履歴を取得する移動履歴取得手段と、取得された移動履歴に基づいて待ち合わせ場所を決定する決定手段とを備えることを特徴とする。これによって、過去の移動履歴に基づいて待ち合わせ場所が決定されるので、スケジュールをあらかじめ入力しておくことなく、将来における適切な待ち合わせ場所を決定することができる。
ここで、前記決定手段は、例えば、前記移動履歴における共通位置を抽出し、抽出した共通位置に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよい。そして、共通位置が存在しない場合には、前記移動履歴における移動経路間の距離を用いて待ち合わせ場所を決定してもよい。さらに、前記移動履歴に含まれる時刻情報を用いることで、より好ましい待ち合わせ場所を決定することもできる。
なお、本発明の適用例として、前記複数人が用いた車両の移動履歴を用いて待ち合わせ場所を決定する方法がある。この方法では、前記決定手段は、前記移動履歴を交差点の通過履歴を示す交差点時系列データに変換し、得られた交差点時系列デを用いて待ち合わせ場所を決定するのが好ましい。例えば、交差点時系列データに含まれる各交差点の通過時刻を用いて待ち合わせ場所を決定してもよい。具体的には、同一の交差点における前記複数人の通過時刻の差分が小さい交差点を特定し、特定した交差点に基づいて待ち合わせ場所を決定したり、同一の交差点における前記複数人の通過時刻が同一の時間帯に属し、かつ、差分が小さい交差点を特定し、特定した交差点に基づいて待ち合わせ場所を決定する。これによって、道路の交差点に着目して最適な待ち合わせ場所が決定されるので、車両を利用して待ち合わせをするのに便利な待ち合わせ場所決定装置が実現される。
また、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、複数のランドマークについての位置情報を取得するランドマーク位置情報取得手段を備え、前記決定手段は、取得された位置情報に対応するランドマークを待ち合わせ場所として決定してもよい。これによって、運転しながらでも外観の見える建造物等が待ち合わせ場所として決定されるので、運転者は容易に待ち合わせ場所を発見することができる。
また、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、区画に区分された地域の地図情報を取得する地図情報取得手段を備え、前記決定手段は、前記移動履歴と前記地図情報取得手段によって取得された地図情報とから、前記複数人の移動履歴に含まれる共通の区画、または、距離が近い区画を抽出し、抽出した区画に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよいし、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、道路の位置を示す道路情報を取得する道路情報取得手段を備え、前記決定手段は、前記移動履歴と前記道路情報取得手段によって取得された道路情報とから、前記複数人の移動履歴に含まれる道路を特定し、特定した道路に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよい。これによって、複数人の移動履歴に共通場所が存在しない場合であっても、共通の区画や共通の道路を手がかりにして、複数人が待ち合わせるのに適した場所を決定することができる。
また、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、複数の駐車場についての位置情報を取得する駐車場位置情報取得手段を備え、前記決定手段は、前記駐車場位置情報取得手段によって取得された位置情報に対応する駐車場を待ち合わせ場所として決定してもよい。これによって、待ち合わせ場所に早く到着した者が駐車場を探す手間が省ける。
また、本発明の別の適用例として、前記複数人が用いた公共の交通機関の利用履歴を移動履歴として用いて待ち合わせ場所を決定する方法がある。この方法では、前記決定手段は、前記移動履歴から前記複数人が共通に利用した交通機関の駅を特定し、特定した駅を待ち合わせ場所として決定するのが好ましい。このとき、前記交通機関が停車する駅の中から特定した駅を待ち合わせ場所として決定してもよい。これによって、乗降駅だけでなく、急行電車等が停車する駅も待ち合わせ駅として決定され得る。
ここで、前記決定手段は、前記移動履歴から前記複数人が利用した交通機関の駅の利用回数を算出し、算出した利用回数に基づいて特定した駅を待ち合わせ場所として決定したり、前記決定手段は、前記移動履歴から前記複数人が利用した交通機関の駅の通過時刻を算出し、算出した通過時刻に基づいて特定した駅を待ち合わせ場所として決定してもよい。これによって、複数人が頻繁に利用し、かつ、利用時間が接近している駅が待ち合わせ場所として決定されるので、生活パターンに沿った最適な駅が待ち合わせ場所として決定される。
また、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記交通機関の駅間の運賃を示す路線情報を取得する路線情報取得手段を備え、前記決定手段は、前記移動履歴と前記路線情報取得手段によって取得された路線情報とから、前記複数人が利用した交通機関の駅から待ち合わせ場所とする駅までの運賃を算出し、算出した運賃に基づいて特定した駅を待ち合わせ場所として決定してもよいし、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記複数人が所持している前記交通機関の定期券に関する定期券情報を取得する定期券情報取得手段を備え、前記決定手段は、前記移動履歴と前記定期券情報取得手段によって取得された複数人の定期券情報とを用いて待ち合わせ場所を決定してもよい。これによって、待ち合わせ駅に行くのに要する運賃が安くて済む駅が優先して待ち合わせ駅として決定されるので、費用を優先した待ち合わせ場所の決定が可能となる。
また、前記決定手段はさらに、決定した待ち合わせ場所で待ち合わせる時刻を決定してもよい。これによって、最適な待ち合わせ場所だけでなく、最適な待ち合わせ時刻についても自動的に決定される。
また、本発明に係る別の態様として、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記移動履歴取得手段で取得された移動履歴から滞在場所を検出する滞在場所検出手段を備え、前記決定手段は、前記滞在場所検出手段で検出された滞在場所から待ち合わせ場所を決定してもよい。例えば、前記移動履歴が車両の移動履歴である場合に、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記滞在場所検出手段で検出された滞在場所において前記車両の停車範囲を算出する滞在場所範囲算出手段を備え、前記決定手段は、前記滞在場所範囲算出手段で算出された停車範囲の情報を用いて待ち合わせ場所を決定したり、前記決定手段は、待ち合わせを行う車両の台数と前記前記滞在場所範囲算出手段で算出された停車範囲とから待ち合わせ場所を決定したりしてもよい。具体的な決定方法として、前記決定手段は、前記停車範囲から駐車可能な車両の台数を特定し、待ち合わせを行う車両の台数が前記駐車可能な車両の台数を越えない滞在場所を待ち合わせ場所として決定するのが好ましい。これによって、待ち合わせに集まる全ての車両が駐車できるスペースが確保された場所が待ち合わせ場所として決定される。
ここで、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記滞在場所検出手段で検出された滞在場所に対して、前記複数人の移動履歴における移動経路からの距離を算出する滞在場所距離算出手段を備え、前記決定手段は、前記滞在場所距離算出手段で算出された距離に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよい。このとき、例えば、前記決定手段は、前記滞在場所検出手段で検出された複数の滞在場所のうち、前記複数人についての前記距離の和が小さくなる滞在場所を優先して待ち合わせ場所を決定するのが好ましい。これによって、待ち合わせをする複数人にとって、普段走行している経路からの距離が近い便利な場所が待ち合わせ場所として決定される。
また、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記移動履歴取得手段で取得された移動履歴から、前記滞在場所検出手段で検出された滞在場所における滞在時間を算出する滞在時間算出手段を備え、前記決定手段は、前記滞在時間算出手段で算出された滞在場所ごとの滞在時間に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよい。このとき、例えば、前記決定手段は、前記滞在場所検出手段で検出された複数の滞在場所のうち、前記複数人についての前記滞在時間の平均が小さくなる滞在場所を優先して待ち合わせ場所を決定するのが好ましい。これによって、早く到着したユーザが待っている時間等を考慮して待ち合わせ場所を決定することが可能になる。
また、前記待ち合わせ場所決定装置はさらに、前記滞在場所検出手段で検出された滞在場所に対して、公共の交通機関の乗降できる位置からの距離を算出する滞在場所距離算出手段を備え、前記決定手段は、前記滞在場所距離算出手段で算出された距離に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよい。
これによって、例えば、公共機関の駅に近い場所が待ち合わせ場所として決定され、公共機関の駅と待ち合わせ場所との間を歩く必要がある場合等において便利な場所が待ち合わせ場所として決定される。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の1形態における待ち合わせ場所決定システムの構成を示す機能ブロック図である。この待ち合わせ場所決定システムは、車両の移動履歴に基づいて待ち合わせ場所等を決定するシステムであり、移動履歴取得部1100、第1移動履歴蓄積部1101、第2移動履歴蓄積部1102、共通位置情報検出部1103、地図情報蓄積部1104および待ち合わせ場所決定部1105から構成される。
移動履歴取得部1100は、カーナビゲーション装置等で取得された複数の車両(第1車両、第2車両など)の移動履歴を無線通信等で収集し、各車両に対応した記憶領域(第1移動履歴蓄積部1101、第2移動履歴蓄積部1102)に格納する通信インターフェース等である。第1移動履歴蓄積部1101は、第1車両の移動履歴を蓄積するためのハードディスク等である。第2移動履歴蓄積部1102は、第2車両の移動履歴を蓄積するためのハードディスク等である。共通位置情報検出部1103は、第1移動履歴蓄積部1101および第2移動履歴蓄積部1102に蓄積された移動履歴から共通の位置情報を検出する処理部である。地図情報蓄積部1104は、緯度経度情報と目印となる地点との対応関係を示す地図情報が蓄積されたDVD等である。待ち合わせ場所決定部1105は、共通位置情報検出部1103で検出された位置情報と地図情報蓄積部1104に蓄積されている目印となる地点の情報を利用して待ち合わせ場所を決定し、決定した待ち合わせ場所を表示する処理部である。
図2は、図1に示された待ち合わせ場所決定システムのハードウェア構成例を示す図である。この待ち合わせ場所決定システムは、ハードウェアの構成として、例えば、ユーザAおよびBの車両の位置情報を取得するGPSアンテナ1201Aおよび1201B、ユーザAおよびBの車両の経路のナビゲーションや情報の提供を行うカーナビゲーション本体1202AおよびB、カーナビゲーション本体1202AおよびBから提供される情報を提示する車載ディスプレイ1203AおよびB、ユーザAおよびBの車両がサーバとの情報交換を行う通信ユニット1204AおよびB、ユーザAおよびBの車両へ情報の提供、車両の移動履歴の蓄積、車両間の情報の交換を実現するための移動履歴蓄積サーバ1205から構成される。
なお、図1における移動履歴取得部1100は、例えば、図2におけるGPSアンテナ1201AおよびB、カーナビゲーション本体1202AおよびB、通信ユニット1204AおよびB、通信網、移動履歴蓄積サーバ1205が備える通信インターフェース等に相当し、図1における第1移動履歴蓄積部1101、第2移動履歴蓄積部1102、共通位置情報検出部1103、地図情報蓄積部1104および待ち合わせ場所決定部1105は、例えば、図2における移動履歴蓄積サーバ1205が備える記憶装置や処理機能に相当する。また、図1における待ち合わせ場所決定部1105によって決定された待ち合わせ場所の情報は、移動履歴蓄積サーバ1205から通信網、通信ユニット1204AおよびBを介してカーナビゲーション本体1202AおよびBに転送され、車載ディスプレイ1203Aに表示される。
次に、以上のように構成された本実施の形態における待ち合わせ場所決定システムの動作について説明する。
各ユーザの車両に搭載されたGPSユニットにより、各車両の移動履歴はカーナビゲーション本体1202AおよびBに蓄積される。このような蓄積された移動履歴を用いることで、普段、走行している経路に関する情報を抽出することが可能である。そこで、本システムでは、ユーザAおよびユーザBが車両を用いて待ち合わせを行う場合に、各車両の移動履歴をカーナビゲーション本体1202AおよびBから通信ユニット1204AおよびBを介して移動履歴蓄積サーバ1205に転送しておき、移動履歴蓄積サーバ1205において、各ユーザの移動履歴から、普段、利用している経路(通勤や通学等)の共通経路を抽出することで、お互いがよく知っている経路での待ち合わせ場所を自動的に決定する。決定した待ち合わせ場所を移動履歴蓄積サーバ1205からカーナビゲーション本体1202AおよびBに転送し、車載ディスプレイ1203AおよびBに表示する。これによって、電話や電子メール等で、お互いが普段利用している経路を説明し合ったり、相談したりすることなく、車両の移動履歴データに基づく最適な待ち合わせ場所の自動決定が行われる。
図3(a)〜(c)は、運転者によるカーナビの画面との対話によって待ち合わせ場所等が自動決定される様子を示す画面表示例を示す。ここでは、運転者が車載ディスプレイ1203Aに表示されたボタン「待ち合わせ場所の自動決定」を押した後に(図3(a))、待ち合わせをする相手を選択すると(図3(b))、カーナビゲーション本体1202Aが通信ユニット1204Aを介して移動履歴蓄積サーバ1205に接続し、移動履歴蓄積サーバ1205において、指定されたユーザの移動履歴と指定した運転者の移動履歴を利用して待ち合わせ場所および時刻が決定され、その結果が車載ディスプレイ1203Aに地図とともに表示される様子が示されている(図3(c))。
図4は、本待ち合わせ場所決定システムが待ち合わせ場所を決定する詳細な手順を示すフローチャートである。ここでは、ユーザAとユーザBの車両による移動履歴のデータからお互いが待ち合わせを行う場所を決定する手順が示されている。なお、この例では、ユーザAとユーザBの移動履歴の中に共通する交差点が1つ以上存在するものとしている。また、第1移動履歴蓄積部1101および第2移動履歴蓄積部1102には、移動履歴取得部1100により、それぞれ、ユーザAおよびBの移動履歴(緯度経度の時系列データ)が蓄積されているものとする。
まず、共通位置情報検出部1103は、第1移動履歴蓄積部1101および第2移動履歴蓄積部1102に蓄積された移動履歴から交差点情報を抽出する(ステップS1301)。つまり、緯度経度の位置情報の系列を交差点の系列情報に変換する。具体的には、図5(a)に示されるユーザAの移動履歴のように、カーナビゲーション等のGPSアンテナから得られた緯度経度の時系列データ(移動履歴)が得られているので、これらの時系列データを交差点と緯度経度の対応関係が蓄積されている地図データ(図示せず)を用いて、交差点の系列データ(交差点を識別するIDの時系列データ;図5(b))に変換する。
図6は、そのようにして得られた交差点の系列データを地図上に示した例である。ユーザAおよびBの移動軌跡は、それぞれ、●および▲で表現されている。ここには、2003年7月1日の10時12分ごろユーザAが南の方角から交差点S7およびS2を通過し北へ向かって走行したデータ例が記載されている。待ち合わせの相手であるユーザBについても同様の処理を行い、緯度経度の系列データから交差点の系列データに変換を行う。なお、この例では、緯度経度の情報を交差点の系列情報に変換したが、道路(リンク)の系列情報に変換してもよい。
次に、共通位置情報検出部1103は、共通交差点が複数あるか否かを判断する(ステップS1302)。具体的には、ユーザAの交差点の通過履歴と、ユーザBの交差点の通過履歴において、共通交差点があるか否かを判断する。共通交差点が複数ある場合には(ステップS1302でYES)、ステップS1304へ進み、共通交差点が1つの場合には(ステップS1302でNO)、ステップS1303へ進む。図6の例では、ユーザAとユーザBの共通交差点は、1箇所(交差点S2)であるため、ステップS1303へ進む。
共通交差点が1箇所である場合には(ステップS1302でNO)、待ち合わせ場所決定部1105は、その共通交差点S2を待ち合わせ場所付近交差点とする(ステップS1303)。これにより、ユーザA、ユーザBともに過去に走行したことがある交差点S2が待ち合わせ場所の基準となる交差点となる。
最後に、待ち合わせ場所決定部1105は、地図情報蓄積部1104を参照することで、その待ち合わせ場所付近交差点S2の周辺のランドマークを待ち合わせ場所と決定する(ステップS1307)。なお、このランドマークとは、小売店、コンビニエンスストア等の商用施設、公園、遊園地等の遊戯施設、図書館、市役所等の公共施設等、運転しながらでも外見から判断可能な建造物のことをいう。交差点を待ち合わせ場所としても、車両を停車しておくことが難しいため、交差点S2付近で前記ランドマークを待ち合わせ場所として検索することで、駐車場等の車両を停車できる場所を待ち合わせ場所とすることが可能になる。ここでは、例えば、図7に示されるような、各交差点付近の目印となる建物のデータベース(交差点とランドマークとを対応づけたデータベース)が地図情報蓄積部1104に蓄積され、そのようなデータベースを参照することで、例えば、「スーパーBig」が待ち合わせ場所と決定される。
一方、図8および図9の地図に示されるように、ユーザAとユーザBが通過した交差点が複数ある場合、例えば、ユーザAおよびBの移動履歴が図8に示される移動履歴である場合には、2つの交差点S2およびS6が共通交差点として抽出され、また、図9の地図に示される移動履歴である場合には、3つの交差点S2、S6およびS7が共通交差点として抽出される。このように、共通交差点が複数存在する場合には(ステップS1302でYES)、ステップS1304へ進む。
この場合には、まず、待ち合わせ場所決定部1105は、各ユーザの共通交差点の通過時刻の平均値を計算する(ステップS1304)。例えば、いま、ユーザAは、図10に示されるように、交差点S2を複数回通過しているとする。これらの通過時刻の平均値(平均通過時刻)を計算する。図8の地図の例では、同様に交差点S6についても平均通過時刻を計算する。同様に、ユーザBについても、交差点S2および交差点S6について、平均通過時刻を計算する。
次に、待ち合わせ場所決定部1105は、各共通交差点について、各ユーザの平均通過時刻の差分を計算する(ステップS1305)。例えば、図11に示されるように、交差点S2、S6およびS7それぞれについて、ユーザAおよびユーザBの平均通過時刻から、それらの差分(通過時刻差分)を計算する。
続いて、待ち合わせ場所決定部1105は、通過時刻差分が最小の交差点を待ち合わせ場所付近交差点と決定する(ステップS1306)。図11の例では、交差点S2の通過時刻差分が最小である。よって、交差点S2がユーザAおよびユーザB共に近い時間帯に通過していると判断し、交差点S2を最適な待ち合わせ場所付近の交差点と決定する。最後に、前述の例と同様に、待ち合わせ場所決定部1105は、地図情報蓄積部1104に蓄積されたランドマークを参照することで、交差点S2のランドマーク「スーパーBig」を待ち合わせ場所として決定する(ステップS1307)。
以上のようにして、本待ち合わせ場所決定システムによれば、あらかじめスケジュール等を入力しておくことなく、自動的に取得されたユーザ同士(ここでは、車両)の移動履歴に基づいて、最適な待ち合わせ場所が決定される。つまり、ユーザが普段利用する経路や時間帯を優先して待ち合わせ場所が決定される。
なお、上記例では、図10に示されるように、ユーザAが交差点S2を通過する時刻が1日のうちの1つの時間帯に集中していた。しかしながら、通勤・通学等で利用する交差点の場合には、往路と復路の両方で同じ交差点を通過することがある。このような場合には、図12(a)に示されるように、通過時刻は、1日のうちの2つの離れた時間帯(この例では、7時および20時の時間帯)に集中することとなり、大きく異なる2つの通過時刻が検出される。このような時刻が検出された場合には、通過時刻の平均値を算出しても意味がない時刻になってしまう。そこで、通過時刻に大きなばらつきがある(分散値が十分に大きい)ときには、午前と午後に分離して通過時刻の平均値を算出したり、クラスタリング手法等を用いて通過時刻を算出したりする。その結果、図12(b)および(c)に示されるように、ユーザAの交差点S2の平均通過時刻が7時11分と20時16分という2つの結果として得られる。このように、あらかじめ設定された分散の閾値(例えば、1時間)を超えるような場合には、複数パターンの通過時刻を特定し、複数の通過時刻を考慮して待ち合わせ場所および待ち合わせ時刻を決定してもよい。つまり、同一の交差点における複数人(ここでは、車両)の通過時刻が同一の時間帯に属し、かつ、差分が小さい交差点を特定し、特定した交差点に基づいて待ち合わせ場所を決定してもよい。
また、上記例では、ユーザAとユーザBの移動履歴において共通する交差点が存在していた。しかしながら、現実には、それらの移動履歴において共通する交差点があるとは限らない。そこで、次に、共通する交差点が存在しない場合の待ち合わせ場所の決定方法について説明する。
図13は、待ち合わせをするユーザ同士で共通する移動履歴が存在しない場合において待ち合わせ場所を決定する手順を示すフローチャートである。なお、本図において、ステップS2201〜S2206は、図4のフローチャート(ステップS1301、S1302、S1304〜S1307)と同様のため説明を省略する。ここでは、図14の地図に示されるように、ユーザAおよびユーザBの移動履歴において共通する交差点がない例を用いて説明する。
まず、共通位置情報検出部1103は、区画の量子化を行う(ステップS2207)。たとえば、図14に示されるように、地図を、一定距離の辺からなる矩形領域である区画P11〜P43に分割する。なお、図14では格子状に分割を行ったが、都道府県や市の境界線等で分割してもよい。
次に、共通位置情報検出部1103は、共通区画があるか否かを判断する(ステップS2208)。つまり、各区画において、ユーザAおよびユーザBが過去に存在したか否かを判定し、ユーザAおよびユーザBともに存在した区画を共通区画とする。共通区画が存在した場合には(ステップS2208でYES)、ステップS2210へ進む。共通する区画が存在しなかった場合には(ステップS2208でNO)、ステップS2209へ進む。図14の例においては、共通する区画が存在しないため、ステップS2209へ進む。
共通区画が存在しない場合には(ステップS2208でNO)、共通位置情報検出部1103は、最も接近した区間を共通区画として検出する(ステップS2209)。つまり、ユーザAおよびユーザBが過去に存在した区画の中で、最も近接する区画を抽出する。図14の例においては、ユーザAが区画P22であってユーザBが区画P32であるケース(共通区画の組)と、ユーザAが区画P23であってユーザBが区画P33であるケース(共通区画の組)が、ユーザ間の距離が近づいた例として、それぞれ、共通区画として検出する。
そして、待ち合わせ場所決定部1105は、各共通区画を通過している時刻の平均を算出する(ステップS2210)。算出方法は、前記、交差点通過時刻を算出する場合と同様の方法で算出することが可能である。その結果、図15に示されるように各区画を通過した時刻が算出される。
続いて、待ち合わせ場所決定部1105は、複数の共通区画(あるいは、共通区画の組)の中から、各ユーザの平均通過時刻の差分が最小の共通区画(あるいは、共通区画の組)を最適な共通区画として絞りこむ(ステップS2211)。この例では、各共通区画での各ユーザの通過時刻の差分を計算する。その結果、図16のように、2つの共通区画の組(P22とP32、P23とP33)それぞれの差分が計算され、より小さい共通区画の組(P22とP32)が最適と判断し、各区画(P22とP32)を共通区画と決定する。最後に、待ち合わせ場所決定部1105は、地図情報蓄積部1104を参照することで、共通区画での目印を待ち合わせ場所と決定する(ステップS2212)。この例では、区画P22および区画P32のいずれかの区画内の目印となるランドマークを待ち合わせ場所と決定する。
以上の処理により、共通する交差点がない場合でも、移動履歴において最も近づく区画を共通区画とし、その区画での目印となる建物を検索することで、待ち合わせ場所を決定することが可能になる。また、区画を通過した時刻を考慮することで、各ユーザが待ち合わせを行う時刻の決定も行うことが可能になる。これによって、ユーザが、普段、利用する経路であって、さらに、その通過時刻を考慮したうえで待ち合わせを行うために、あえて普段の生活パターンを乱すことなく、待ち合わせを行うことが可能になる。
なお、本実施の形態においては、待ち合わせ場所を決定するために交差点や区画を通過した時刻の差分情報を用いたが、この判断基準に代えて、あるいは、この判断基準に加えて、各交差点や区画を通過した回数を用いてもよい。これにより、ユーザが普段利用している経路で、より、運転に慣れた地点を優先して待ち合わせ場所を決定することができる。
また、共通する交差点や近隣の区画で判定するだけでなく、道路情報を利用して判定してもよい。そのような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの構成例を図17に示す。この待ち合わせ場所決定システムは、道路情報を用いて待ち合わせ場所を決定するシステムであり、移動履歴取得部3900、第1移動履歴蓄積部3901、第2移動履歴蓄積部3902、道路情報蓄積部3903、共通道路検出部3904、ランドマーク情報蓄積部3905および待ち合わせ場所決定部3906から構成される。
移動履歴取得部3900は、カーナビゲーション装置等で取得された複数の車両の移動履歴(時刻と位置情報の組からなる時系列データ等)を無線通信等で収集し、各車両に対応した記憶領域(第1移動履歴蓄積部3901、第2移動履歴蓄積部3902)に格納する通信インターフェース等である。第1移動履歴蓄積部3901および第2移動履歴蓄積部3902は、それぞれ、第1および第2車両の移動履歴を蓄積するためのハードディスク等である。道路情報蓄積部3903は、位置情報と道路情報の対応関係を蓄積するハードディスク等である。共通道路検出部3904は、第1移動履歴蓄積部3901および第2移動履歴蓄積部3902に蓄積された移動履歴と道路情報蓄積部3903に蓄積された道路情報とから、共通に利用している道路を検出する処理部である。ランドマーク情報蓄積部3905は、運転中でも外観から識別可能な建造物(ランドマーク)に関する情報とその位置情報とが組で蓄積されているハードディスク等である。待ち合わせ場所決定部3906は、共通道路検出部3904で検出された道路の情報をもとに、待ち合わせ場所として適切なランドマークを決定する処理部である。
このような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムが待ち合わせ場所を決定する処理の流れは次の通りである。なお、地図上に位置の移動履歴をマッピングする作業は実施の形態1と同様であるため、ここでは処理の異なる部分のみを説明する。
いま、図18に示されるように、ユーザの移動履歴が交差する地点がない場合でも、ユーザが普段、共通の道路(図18の例では国道1号線)を利用していることがわかる。そこで、その道路におけるユーザ間の共通走行履歴の近さ(交差点S2と交差点S4との距離)が所定の閾値以内(例えば1kmなど)であれば、共通道路上でユーザの走行履歴を延長した地点(つまり、交差点S2‐交差点S4間の任意の地点)を待ち合わせ場所としてもよい。つまり、共通道路検出部3904が第1移動履歴蓄積部3901および第2移動履歴蓄積部3902に蓄積された移動履歴から道路情報蓄積部3903を参照することで共通道路を検出し、その共通道路に基づいて、待ち合わせ場所決定部3906が共通道路上の地点を待ち合わせ場所と決定する。
さらには、図19の地図に示されるように、ユーザAとユーザBの移動履歴に交差する点がなく、かつ、共通の道路も存在しない場合には、各ユーザの移動履歴から普段利用する道路を選択し、その延長上の交わる点を待ち合わせ場所として設定することも可能である。つまり、共通道路検出部3904は、共通道路を検出できない場合に、移動履歴に含まれる道路を延長し、延長した道路同士の交差を検出する。そして、待ち合わせ場所決定部3906は、その交差に基づいて、待ち合わせ場所を決定する。これにより、普段、走行しなれた経路上での待ち合わせが可能になる。さらに、交差点等で待ち合わせすることが困難な場合には、待ち合わせ場所決定部3906は、ランドマーク情報蓄積部3905を参照することで、待ち合わせ場所として設定された交差点から近いランドマークを待ち合わせ場所として決定することが可能である。
なお、本実施の形態では、各区画に対してユーザが普段通過する平均時刻を考慮したが、通過時刻は必ずしも近いとは限らない。そこで、通過時刻の差分に応じて、通過の早いユーザに対して、時間を潰すことが可能な施設を合わせて提案してもよい。そのために、例えば、図20に示されるようなランドマークの名称、その位置情報、および休憩できる時間に関する情報(「休憩可能時間」)をあらかじめランドマーク情報蓄積部3905に蓄積しておく。そして、待ち合わせ場所決定部3906は、ユーザ間の通過時刻の差があらかじめ設定された値よりも大きい場合には、待ち合わせ場所として決定するランドマークを検索する際に、位置情報だけでなく、休憩可能時間も考慮して待ち合わせ場所を決定する。例えば、30分以内であれば喫茶店、30分以上60分未満であれば書店というように、事前に記憶している立ち寄り場所提案規則に基づいて決定した待ち合わせ場所を通過の早いユーザに提案することで、ユーザは時間を無駄にすることなく待ち合わせまでの時間を有効に利用することができる。同様に、ランドマーク情報蓄積部3905に無料で駐車可能な時間を駐車場の位置と同時に蓄積しておくことで、一人が駐車場で待っていても料金のかからない範囲で待ち合わせをすることが可能になる。
また、本実施の形態では、過去の移動履歴の共通場所を待ち合わせ場所としたが、居住地区から等しい距離にあることを考慮して待ち合わせ場所を決定してもよい。居住地域の検出については、車両の移動履歴から夜間に駐車している場所を検出することで自動的に検出することが可能である。
また、本実施の形態では、2人の移動履歴を用いて待ち合わせ場所を決定する例について述べたが、3人以上においても共通交差点を抽出することで待ち合わせ場所を決定することができる。特に、3人以上の待ち合わせ場所を決定する場合には、3名の中から移動履歴の重複が大きい2名の待ち合わせ場所と時刻を最初に決定した後に、残りの1名との待ち合わせ場所を決定してもよい。これにより、全員が同時に1つの待ち合わせ場所に集まる必要がなくなり、効率的な待ち合わせが可能になる。
また、本実施の形態ではカーナビゲーションシステムを対象とし、ユーザの車での移動履歴に基づいて待ち合わせ場所を決定する例について述べたが、携帯電話やPDAなど、位置情報が測位可能な機器であれば同様のシステムを実現することができる。さらに、移動体に備えられる機器がネットワーク機能を有する場合や着脱可能なメモリカードを利用できる場合には、第1移動履歴蓄積部1101および1102は、ネットワーク上の別の機器、またはメモリカードに存在していてもよいことは言うまでもない。
また、待ち合わせ場所に集合する全てのユーザが過去に集合場所を通過したことがあるとは限らないので、集合場所に初めて訪問するユーザに対してカーナビ等を利用して経路案内をすることは有効である。このような機能を実現する変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの構成を図21に示す。この待ち合わせ場所決定システムは、待ち合わせ場所の決定だけでなく、待ち合わせ場所への経路案内を行うことができるシステムであり、移動履歴取得部4100、第1移動履歴蓄積部4101、第2移動履歴蓄積部4102、位置情報距離算出部4103、待ち合わせ場所決定部4104、経路案内出発点決定部4105および経路案内出力部4106から構成される。
移動履歴取得部4100は、カーナビゲーション装置等で取得された複数の車両の移動履歴を無線通信等で収集し、各車両に対応した記憶領域(第1移動履歴蓄積部4101、第2移動履歴蓄積部4102)に格納する通信インターフェース等である。第1移動履歴蓄積部4101および第2移動履歴蓄積部4102は、それぞれ、第1および第2車両の移動履歴を蓄積するためのハードディスク等である。位置情報距離算出部4103は、第1移動履歴蓄積部4101に蓄積されている位置情報と第2移動履歴蓄積部4102に蓄積されている位置情報間の距離を計算する処理部である。待ち合わせ場所決定部4104は、位置情報距離算出部4103で算出された距離から待ち合わせ場所を決定する処理部である。経路案内出発点決定部4105は、待ち合わせ場所決定部4104で決定された待ち合わせ場所と第1移動履歴蓄積部4101および第2移動履歴蓄積部4102に蓄積されている移動履歴から、待ち合わせ場所を通過した履歴がなかった場合に待ち合わせ場所までの経路における出発点を決定する処理部である。経路案内出力部4106は、経路案内出発点決定部4105で決定された出発点から、待ち合わせ場所までの経路を探索し決定する処理部である。
このような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの動作について、図22に示される地図を例にして説明する。いま、ユーザAおよびユーザBの移動履歴が図22に示される移動履歴であった場合に、待ち合わせ場所として「スーパーBIG」が決定されるまでの処理は実施の形態1と同様である。つまり、移動履歴取得部4100、第1移動履歴蓄積部4101、第2移動履歴蓄積部4102、位置情報距離算出部4103および待ち合わせ場所決定部4104は、実施の形態1における移動履歴取得部1100、第1移動履歴蓄積部1101、第2移動履歴蓄積部1102、共通位置情報検出部1103および地図情報蓄積部1104と同様の機能を備える。
いま、待ち合わせ場所の「スーパーBIG」について、ユーザBは過去に通過したことがあるが、ユーザAは過去に通過したことがないとする。このような事実は、過去の移動履歴から自動的に検出することが可能である。そこで、ユーザAに対しては、待ち合わせ場所の「スーパーBIG」までの経路を知らせる必要がある。そのために、経路案内出発点決定部4105は、ユーザAの移動履歴が蓄積されている第1移動履歴蓄積部4101の位置情報のうち、「スーパーBIG」に最も近い地点、または、交差点を検出する。図22においては、交差点S2が「スーパーBIG」に最も近い交差点となっている。そこで、経路案内出力部4106は、交差点S2を経路案内の出発点として、ユーザAに対しては、「スーパーBIG」までの経路案内を行う。
なお、各ユーザの自宅の位置がすでに登録されている場合には、自宅を経路案内の出発地点とし、自宅から待ち合わせ場所までの経路の案内を行ってもよい。また、移動履歴から、頻繁に利用する交差点の情報を取得することができるため、ユーザは、その交差点に関する情報ならば熟知していると判断し、その交差点を経路案内出発点として、待ち合わせ場所までの経路探索を行ってもよい。また、待ち合わせ場所がユーザの移動履歴にない場合には、その地点をユーザが知らないことが多い。その場合、安全な走行を実現するために、経路案内を行うときには、最短距離で行く経路より、幹線道路を優先して経路検索を行ったほうがよい場合もあるので、その場合には、幹線道路を含む経路の案内を行えばよい。
また、本実施の形態においては、各ユーザの過去の移動履歴から待ち合わせ場所を決定したが、現在の道路の渋滞状況等を考慮して、待ち合わせ場所や待ち合わせ時間を決定してもよい。
また、待ち合わせ場所を決定した後に、各ユーザが待ち合わせ場所に到着したことをGPS等の位置情報を検出するセンサによって検知することで、まだ待ち合わせ場所に到着していないユーザに対して、すでに他のユーザが到着していることを知らせることもできる。これにより、多くのユーザが待ち合わせ時間より早く待ち合わせ場所に到着している場合には、他のユーザに対して、急がせる効果があり、結果的に、全員が集まる時刻が早まる。そのような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの構成例を図23に示す。この待ち合わせ場所決定システムは、待ち合わせ場所の決定だけでなく、あるユーザが待ち合わせ場所に到着したことを他のユーザに通知する機能を備えるシステムであり、移動履歴取得部4300、第1移動履歴蓄積部4301、第2移動履歴蓄積部4302、共通位置情報検出部4303、待ち合わせ場所決定部4304、第1位置情報取得部4305、第2位置情報取得部4306、到着者検出部4307および到着情報通知部4308から構成される。
移動履歴取得部4300は、カーナビゲーション装置等で取得された複数の車両の移動履歴を無線通信等で収集し、各車両に対応した記憶領域(第1移動履歴蓄積部4301、第2移動履歴蓄積部4302)に格納する通信インターフェース等である。第1移動履歴蓄積部4301および第2移動履歴蓄積部4302は、それぞれ、第1および第2車両の移動履歴を蓄積するためのハードディスク等である。共通位置情報検出部4303は、第1移動履歴蓄積部4301および第2移動履歴蓄積部4302に蓄積されている位置情報から、共通の位置情報を検出する処理部である。待ち合わせ場所決定部4304は、共通位置情報検出部4303で検出された位置情報を用いて待ち合わせ場所を決定する処理部である。第1位置情報取得部4305は、第1移動体の現在の位置情報を、第2位置情報取得部4306は、第2移動体の現在の位置情報を、それぞれ検出する処理部である。到着者検出部4307は、待ち合わせ場所決定部4304で決定された待ち合わせ場所に対して、第1位置情報取得部4305および第2位置情報取得部4306で検出された第1および第2移動体の現在位置情報から、誰が待ち合わせ場所に到着したかを検出する処理部である。到着情報通知部4308は、到着者検出部4307で検出された到着者以外にすでに到着したユーザがいることを知らせる処理部である。
このような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの動作は次に通りである。なお、待ち合わせ場所を決定するまでの流れは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。つまり、移動履歴取得部4300、第1移動履歴蓄積部4301、第2移動履歴蓄積部4302、共通位置情報検出部4303および待ち合わせ場所決定部4304は、実施の形態1における移動履歴取得部1100、第1移動履歴蓄積部1101、第2移動履歴蓄積部1102、共通位置情報検出部1103および地図情報蓄積部1104と同様の機能を有する。
第1位置情報取得部4305および第2位置情報取得部4306は、各移動体の現在位置の情報を取得する。取得された情報に基づいて、到着者検出部4307は、各移動体の位置情報と待ち合わせ場所の位置情報との差分を検出し、その差分が、あらかじめ100M等で設定された値より小さくなったときには、移動者が待ち合わせ場所に到着したと判断する。そして、その判断結果に基づいて、到着情報通知部4308は、まだ待ち合わせ場所に到着していない移動者に対して、他の移動者が待ち合わせ場所に到着した旨の通知をする。なお、移動者が、待ち合わせ場所に予定よりも早く到着したために、待ち合わせ場所近辺のレストランや書店等で休憩している場合がある。その場合には、待ち合わせ場所に十分近いが、あらかじめ設定された100M以内に入らない。そこで、移動者の位置情報の差分値を検出し、待ち合わせ場所に対してあらかじめ設定された1KM以内で、かつ、移動者の動きが止まったと判断したときには、移動者は待ち合わせ場所付近に到着し、近くの休憩できる場所にいると判断し、まだ到着していない移動者に通知してもよい。
また、本実施の形態では、移動履歴を蓄積したユーザの現在位置を考慮せずに、待ち合わせ場所を決定したが、ユーザが現在いる場所を考慮し、これからユーザが移動しそうな場所を待ち合わせ場所として決定してもよい。
また、本実施の形態では、待ち合わせ場所だけが決定されたが、待ち合わせ場所を決定した後に、その待ち合わせ場所、または、その待ち合わせ場所に最も近い地点を通過した時刻情報を利用することで、待ち合わせ時刻をも決定することが可能である。そのような変形例に係る待ち合わせ場所および時刻決定システムの構成例を図24に示す。この待ち合わせ場所および時刻決定システムは、待ち合わせ場所だけでなく、待ち合わせ時刻も決定することができるシステムであり、移動履歴取得部4400、第1移動履歴蓄積部4401、第2移動履歴蓄積部4402、共通位置情報検出部4403、地図情報蓄積部4404、待ち合わせ場所決定部4405、通過時刻計算部4406および待ち合わせ時刻決定部4407から構成される。なお、構成要素4400〜4405は、実施の形態1における構成要素1100〜1105と同様であるため説明を省略する。
通過時刻計算部4406は、第1移動履歴蓄積部4401および第2移動履歴蓄積部4402に蓄積された移動履歴を用いて、過去における待ち合わせ場所の通過時刻を計算する処理部である。待ち合わせ時刻決定部4407は、通過時刻計算部4406で計算された通過時刻を利用して、待ち合わせ時刻を決定する処理部である。
待ち合わせ時刻を決定する流れについて図25のフローチャートを用いて説明する。なお、移動履歴に基づいて待ち合わせ場所を決定する処理(ステップS4501)は、実施の形態1と同様のため省略する。
待ち合わせ場所が決定されると、通過時刻計算部4406は、まず、過去の移動履歴から待ち合わせ場所の通過時刻を計算する(ステップS4502)。例えば、いま、図8の移動履歴において、待ち合わせ場所が交差点S2と決定され、ユーザAのS2の通過時刻として、図12(a)に示されるように計算(特定)したとする。続いて、通過時刻計算部4406は、通過時刻の分散が大きいか否かを判断する(ステップS4503)。その結果、通過時刻の分散が大きい場合には(ステップS4503でYES)、通過時刻計算部4406は、通過時刻のクラスタリングを実行する(ステップS4504)。たとえば、図12(b)および(c)に示されるように、朝の通過時刻と夜の通過時刻に分類する。そして、通過時刻計算部4406は、各クラスでの平均通過時刻を算出する(ステップS4505)。同様にして、ユーザBについても、通過時刻の分散が大きい場合には、クラスタリングを行い、平均通過時刻を算出する。最後に、待ち合わせ時刻決定部4407は、ユーザ同士での通過時刻の平均を計算し、待ち合わせ時刻と決定する(ステップS4506)。たとえば、図26に示されるように各ユーザの平均通過時刻が算出された場合には、差分が小さいほう(パターン1)のユーザ同士の通過時刻の平均を算出し、その平均時刻を待ち合わせ時刻とする。
以上の流れにより、過去の移動履歴を利用することで、各ユーザの生活パターンの変更を少なくした待ち合わせ時刻の決定が可能になる。
なお、この待ち合わせ時刻の決定例では、移動履歴から待ち合わせ場所を決定した後に、その待ち合わせ場所を通過する時刻を用いて待ち合わせ時刻を決定したが、待ち合わせ場所が指定等によってあらかじめ決められている場合には、その場所における待ち合わせ時刻のみを決定してもよい。たとえば、待ち合わせ場所をユーザが指定した場合には、過去の移動履歴から、その場所を通過する時刻を算出し、その時刻の情報を用いて待ち合わせ時刻だけを決定すればよい。
また、上記待ち合わせ時刻の決定例では、過去の移動履歴に含まれる待ち合わせ場所を通過する時刻を用いて待ち合わせ時刻を決定したが、過去の移動履歴において待ち合わせ場所を通過した移動履歴があるとは限らない。そこで、待ち合わせ場所が決定された後に、過去の移動履歴から、その場所に近い移動履歴を特定し、最も近い移動履歴を通過した時刻を、待ち合わせ場所の通過時刻として代用してもよい。これにより、決定された待ち合わせ場所を通過した移動履歴がない場合でも、生活パターンの変更を少なくした待ち合わせ時刻の決定が可能になる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
上記実施の形態1では、待ち合わせを行うユーザの車両の移動履歴を用いて待ち合わせ場所を決定したが、車両だけでなく、電車やバス等の公共の交通機関での移動履歴を用いて待ち合わせ場所を決定することも可能である。近年、電車やバス等の公共の交通機関を利用する際、ICカード等を利用することで、事前に切符等を購入しなくても利用できるようになってきている。さらには、携帯電話にキャッシング機能をもたせることで、カード等を利用することなく、局所無線機能が付加された携帯電話で電車に乗車することも可能になってきている。
このようなインフラが整うことで、公共の交通機関での移動履歴を再利用することが容易になってきている。そこで、本実施の形態では、複数ユーザによる公共の交通機関の利用履歴を用いることで、最適な待ち合わせ場所を決定する。
図27は、本実施の形態における待ち合わせ場所決定システムの構成を示す機能ブロック図である。この待ち合わせ場所決定システムは、電車やバス等の公共の交通機関の移動履歴に基づいて待ち合わせ場所等を決定するシステムであり、移動履歴取得部2600、第1移動履歴蓄積部2601、第2移動履歴蓄積部2602、路線情報蓄積部2603、駅利用頻度検出部2604および待ち合わせ駅決定部2605から構成される。
移動履歴取得部2600は、携帯電話等で取得された複数のユーザの移動履歴(改札を通過した駅とその時刻との組からなる時系列データ等)を無線通信等で収集し、各ユーザに対応した記憶領域(第1移動履歴蓄積部2601、第2移動履歴蓄積部2602)に格納する通信インターフェース等である。第1移動履歴蓄積部2601および第2移動履歴蓄積部2602は、それぞれ、公共の交通機関を利用する第1および第2ユーザの移動履歴を蓄積するためのハードディスク等である。路線情報蓄積部2603は、公共交通機関の路線情報が蓄積されているハードディスク等である。駅利用頻度検出部2604は、第1移動履歴蓄積部2601および第2移動履歴蓄積部2602から、駅の利用頻度を検出する処理部である。待ち合わせ駅決定部2605は、駅利用頻度検出部2604で検出された利用頻度の情報から、待ち合わせを行う駅を決定する処理部である。
図28は、図27に示された待ち合わせ場所決定システムのハードウェア構成例を示す図である。この待ち合わせ場所決定システムは、ハードウェアの構成として、携帯電話2701AおよびB、改札機2702および移動履歴蓄積サーバ2703から構成される。携帯電話2701AおよびBは、それぞれ、ユーザAおよびBが公共交通機関を利用するための改札機能の付いた携帯電話機である。改札機2702は、公共交通機関の改札機である。なお、携帯電話2701A(または2701B)を保持したユーザが改札機2702を通過した場合には、その携帯電話2701A(または2701B)のメモリに、通過した改札駅とその時刻に関する情報が記録される。移動履歴蓄積サーバ2703は、公共交通機関の路線情報、具体的には、どの路線にどの駅が存在するかの情報や駅間の所要時間等に関する情報等を保持するコンピュータ等である。
以上のように構成された本実施の形態における待ち合わせ場所決定システムの動作の概要について説明する。待ち合わせ場所を検索するユーザ同士が、それぞれ改札機能をもった携帯電話2701AおよびBを所有していたとする。ユーザAが所持する携帯電話2701Aには、ユーザAの普段利用している鉄道会社とその駅名とその駅を利用する時間が蓄積される。同様にユーザBの所有する携帯電話2701Bにおいても同様の情報が蓄積される。いま、ユーザAとユーザBが二人で同じ目的地に行くため等の理由で、待ち合わせ場所を決めなければならない場合が生じたとする。このとき、二人が電話等の話し合いで待ち合わせ場所を決めることもできるが、普段の二人の鉄道会社の利用履歴を利用することで、普段の生活パターンを変更することなく、最適な待ち合わせ場所を提案することが可能となる。具体的には、各ユーザの携帯電話2701AおよびBに記録された駅名や利用時間を移動履歴として移動履歴蓄積サーバ2703に転送しておき、移動履歴蓄積サーバ2703において、路線情報から待ち合わせ駅を決定し、決定した結果を携帯電話2701AおよびBに転送して表示させる。これによって、各ユーザの定期券の情報と、その区間を利用している時間の情報を利用することにより、普段の生活パターンを変更することがない最適な待ち合わせ場所を提案することが可能になる。
以下、本システムの動作の詳細について図29のフローを用いて説明する。本実施の形態では、ユーザA、ユーザB、ユーザCの3名の移動履歴を用いて待ち合わせ場所を決定する方法について述べる。なお、各移動履歴蓄積部2601および2602には、移動履歴取得部2600により、各ユーザの移動履歴が蓄積されているものとする(この例では、少なくとも3名のユーザ用の移動履歴蓄積部がシステムに備えられているとする)。また、ユーザは3名である必要はなく、4名以上でも、同様の処理により動作することは当然である。
まず、駅利用頻度検出部2604は、ユーザの鉄道の利用履歴から、利用駅の利用回数を計算する(ステップS2801)。例えば、いま、図30に示されるように、ユーザAとユーザCは自宅が阪急線の豊中駅にあり、ユーザAが勤務している会社が近鉄線の東大阪駅にあるとする。ユーザAは、毎朝、阪急線で豊中駅から梅田まで行き、地下鉄で梅田駅から難波駅へ行き、近鉄線で難波駅から東大阪駅まで通勤している。また、帰りは、その逆の路線を利用して会社から自宅へ帰宅している。その結果、図31に示されるような鉄道の利用履歴に関する情報が第1移動履歴蓄積部2601に蓄積される。図31の第1行では、7月3日に阪急電車に乗車して豊中駅を7:05に出発し、梅田駅に7:30に到着したことが示されている。このような鉄道機関の利用履歴が移動履歴取得部2600によって取得され、第1移動履歴蓄積部2601に蓄積される。これらの履歴から、駅利用頻度検出部2604は、各駅の利用回数を計算する。その結果、図32(a)に示されるような表が生成される。
一方、ユーザBは、図30に示されるように、南海線の堺駅に自宅があり、ユーザAと同じ近鉄線の東大阪駅に会社があるとする。ユーザAと同様に、この通勤経路に関する鉄道の利用履歴が第2移動履歴蓄積部2602に蓄積され、駅利用頻度検出部2604によって、図32(b)のような表が生成される。
また、図30に示されるように、ユーザCの自宅は、ユーザAと同じ豊中駅にあるが、ユーザAおよびBとは異なり勤務先は京阪線の守口駅にあるとする。その結果、ユーザAおよびユーザBと同様に、図32(c)のような表が生成される。駅利用頻度検出部2604は、図32(a)〜(c)の表の集計をすることにより、図33の集計表を生成する。図33において、例えば、「難波」駅は、図32のユーザBの14回とユーザCの8回を足した22回となっている。
次に、駅利用頻度検出部2604は、各駅の利用回数を集計した表より、3名の利用回数の合計が多い3つの駅を候補駅として検出する(ステップS2802)。図32の例では、難波駅22回、鶴橋駅20回、梅田駅19回が選択される。
そして、待ち合わせ駅決定部2605は、選択された候補駅に関して、すべてのユーザが利用した駅か否かを判断する(ステップS2803)。その結果、すべてのユーザが利用した駅が存在する場合には(ステップS2803でYES)、すべてのユーザが利用した駅の中で、最も利用回数の多い駅を待ち合わせ駅と決定する(ステップS2804)。
一方、候補駅が全ユーザの利用駅ではない場合(ステップS2803でNO)、例えば、本例のように、難波駅と鶴橋駅はユーザCが利用せず、梅田駅はユーザBが利用していない場合には、すべてのユーザが利用している駅が候補駅として存在しないため、ステップS2805へ進む。
この場合には、待ち合わせ駅決定部2605は、まず、ステップS2803で選択された各候補駅について、路線情報蓄積部2603にあらかじめ準備された駅間距離テーブルを参照することで、その駅を利用していないユーザの利用駅で最も近い利用駅(P)を抽出する(ステップS2805)。なお、駅間距離テーブルは、図34に示されるような表であり、公共交通機関から提供されているものを利用して作成される。
続いて、待ち合わせ駅決定部2605は、各候補駅と駅(P)間の所要時間が15分以下であるか否かを判断する(ステップ2806)。たとえば、いま、難波駅に関しては、ユーザCが利用していないので、ユーザCが利用している駅の中で、難波駅に最も近い駅は、図34より京橋駅(P)で28分となっている。また、鶴橋駅に関しては、ユーザCが利用していないので、ユーザCが利用している駅の中で、鶴橋駅に最も近い駅は、図34より京橋駅(P)で14分となっている。さらに、梅田駅に関しては、ユーザBが利用していないので、ユーザBが利用している駅の中で、梅田駅に最も近い駅は、図34より難波駅(P)で38分となっている。このような状況において、各候補駅と駅(P)間の所要時間が15分以下の駅を選択してみる。
この選択が可能な場合(ステップS2806でYES)、つまり、各候補駅と駅(P)間の所要時間が15分以下である場合は、ステップS2807へ進む。本例では、ステップS2805において検出された京橋駅(P)だけが鶴橋駅に対して14分となっており、15分以下であるため、このケースが選択され、次のステップへ進む。その結果、選択された鶴橋駅がユーザA、Bが利用する駅で、ユーザCの利用する駅からも十分に近いということで、鶴橋駅が待ち合わせ場所の駅として選択される(ステップS2807)。
一方、ステップS2806において、15分以下の駅が存在しなかった場合には(ステップS2806でNO)、ステップS2808へ進む。ここで、待ち合わせ駅決定部2605は、ステップS2802で選択されていなかった駅を新たに選択するため、ステップS2802で選択されていなかった駅があるかどうかを判断する(ステップS2808)。もし、すでにすべての駅が候補として選択された後、適当な駅がなかった場合には(ステップS2808でNO)、適当な待ち合わせ場所となる駅が存在しなかったということでアルゴリズムを終了する(ステップS2810)。一方、選択されていない駅がある場合には(ステップS2802でYES)、それらの駅の中から利用頻度の高い3個の駅を選択し、ステップS2803へ戻る(ステップS2809)。以上の動作を実行することにより、各ユーザの公共交通機関の移動履歴から、適切な待ち合わせ場所を自動的に決定することが可能になる。
なお、本実施の形態では、ステップS2802において、3個の駅を選択したが、候補となる駅の数は計算機の能力に応じて適当に設定すればよい。
また、本実施の形態では、ステップS2805において、15分以下と設定したが、十分に近いと判断できる駅間の距離であれば、どんな値でも問題ない。なお、駅間の所要時間でなく、駅間の距離を用いてもよい。
また、本実施の形態では、路線情報蓄積部2603に図34に示す各駅間の距離に関する情報を蓄積し、待ち合わせ駅の選択に利用した。これに代えて、あるいは、これに加えて、図35に示されるように駅間の運賃に関する情報を、路線情報蓄積部2603に記憶させることにより、費用を考慮した待ち合わせ駅の決定が可能になる。たとえば、利用回数で決定した候補駅を利用していないユーザについては、運賃が最も安い利用駅を検出し、その運賃が一定額を超えない場合に、その候補駅を待ち合わせ駅と決定する。
また、本実施の形態では、図32に示されるように、ユーザの乗降する駅を待ち合わせ駅の候補として選択したが、ユーザが利用した列車が出発駅と終着駅以外で停車する駅も含めて、待ち合わせ駅の候補としてもよい。たとえば、ユーザAにおいて、豊中駅から梅田駅まで阪急電車の急行電車に乗車したときには、途中、十三駅に停車したことになる。そこで、途中の十三駅も待ち合わせ駅の候補とすることが可能である。この機能を実現するためには、ユーザの改札を通過した時刻情報を用いて、ユーザが乗車した列車の種別(特急、急行、準急、普通等)を判別すればよい。
図36は、そのような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの構成を示す機能ブロック図である。この待ち合わせ場所決定システムは、ユーザが乗降する駅だけでなく、交通機関が途中停車する駅も含めて待ち合わせ駅を決定することができるシステムであり、移動履歴取得部5100、第1移動履歴蓄積部5101、第2移動履歴蓄積部5102、列車運行表蓄積部5103、列車種別判定部5104、路線情報蓄積部5105、駅利用頻度検出部5106および待ち合わせ駅決定部5107から構成される。
移動履歴取得部5100は、携帯電話等で取得された複数のユーザの移動履歴(改札を通過した駅とその時刻との組からなる時系列データ等)を無線通信等で収集し、各ユーザに対応した記憶領域(第1移動履歴蓄積部5101、第2移動履歴蓄積部5102)に格納する通信インターフェース等である。第1移動履歴蓄積部5101および第2移動履歴蓄積部5102は、それぞれ、第1および第2ユーザの駅の利用履歴を蓄積するためのハードディスク等である。列車運行表蓄積部5103は、各列車が各駅を出発・到着する時刻が蓄積されているハードディスク等である。列車種別判定部5104は、駅の改札の通過時刻と各列車の集発・到着時刻からユーザがどの列車を利用したかを判定する処理部である。路線情報蓄積部5105は、各駅間の距離や運賃に関する情報を蓄積しているハードディスク等である。駅利用頻度検出部5106は、列車種別判定部で判定された列車の種別から利用者の乗車した列車の停車駅を判別し、各駅の利用回数を計算する処理部である。待ち合わせ駅決定部5107は、駅利用頻度検出部5106で検出された駅の利用頻度から待ち合わせを行う駅を決定する処理部である。
このような変形例に係る待ち合わせ場所決定システムの動作は次の通りである。なお、駅の利用頻度を検出した後の処理は、実施の形態2と同様の処理で待ち合わせ駅を決定することができるため、乗車した列車を判別する手法についてのみ説明を行う。
列車運行表蓄積部5103には、各列車の出発時刻と到着時刻に関する情報が蓄積されている。例えば、阪急電車において豊中駅から梅田駅まで、「普通」「準急」「急行」の3種類の列車が運行していた場合、図37(a)および(b)に示されるように、3種類の列車「普通」「急行」「準急」がそれぞれ豊中駅を9:55、10:00、10:05に出発し、梅田駅に10:25、10:20、10:30に到着したものとする。このとき、図37(a)のパターン1に示されるように、あるユーザの改札の通過履歴として、9:56に豊中駅の改札を通過し、10:24に梅田駅の改札を通過したとする。このとき、上記の3種類の列車のうち、入札時刻より「普通」には乗車することができず、出札時刻より、「準急」に乗車することもありえない。その結果、列車種別判定部5104は、「急行」に乗車したことが改札の履歴から判断することが可能である。また、図37(b)のパターン2に示されるように、出札時刻が10:35の場合には、「急行」に乗車することも可能であるが、「急行」に乗車したとすると到着駅において、多くの時間を費やしたことになる。一方、「準急」に乗車したとすると、列車が到着駅について、そのまま改札を通過した時刻としては適当である。このような場合には、列車種別判定部5104は、「準急」に乗車したと判断する。
上記のように、ユーザの改札を通過した時刻と、列車の運行時刻表から、列車種別判定部5104は、ユーザがどの種別の列車に乗車したかを推定することが可能である。そして、駅利用頻度検出部5106は、推定された列車の種別と、各列車の停車駅に関する情報から、ユーザが乗車した列車の停車駅を判定し、その停車駅の頻度情報を生成する。待ち合わせ駅決定部5107は、その頻度情報に基づいて、待ち合わせ駅を決定する。このようにして、ユーザが乗降する駅だけでなく、列車が途中停車する駅も含めて、最適な待ち合わせ駅が決定される。
また、本実施の形態では、図32の表に示されるように、ユーザの乗降する駅が待ち合わせ駅の候補として選択されたが、ユーザが利用する通過駅も含めて、待ち合わせ駅の候補としてもよい。具体的には、ユーザAにおいて、豊中から梅田まで阪急電車で通勤している場合には、途中の通過駅として、十三や岡町等の駅が存在したとする。これらの駅も待ち合わせ候補の駅として扱ってもよい。このような各路線に存在する駅に関する情報は、路線情報蓄積部2603に蓄積されているものとする。
なお、本実施の形態では、各ユーザが待ち合わせを行う時刻を考慮していなかったが、待ち合わせを行う時刻があらかじめ決定されている場合もあるので、その際の処理について説明する。
例えば、PM7時にユーザA、ユーザB、ユーザCが待ち合わせをする場合について説明する。ユーザにより、PM7時が設定されると、その前後1時間、すなわち、6時から8時までの間において、各ユーザが、どの駅を利用しているかの利用頻度に関する情報を、各ユーザの履歴から計算する。図32では、各ユーザがすべての時間帯において、利用している駅に関する頻度情報であったが、時間帯が指定されると、その時間帯に利用している駅の頻度に関する情報が抽出される。なお、出発駅と到着駅に関する情報のみしか履歴として蓄積されていない場合には、出発駅を出発した時刻と終着駅に着いた時刻から推定することも可能である。また、図36に示されるように、駅の利用履歴から乗車した列車を判別することで、途中の駅を通過した時刻を推定することも可能になる。
ある時間帯における図32と同様の表がユーザ毎に生成されると、本実施の形態と同様に、図33のようなユーザの利用駅を集計した表も作成できる。このようにして、指定された時間帯における利用頻度の表を生成することにより、図29のステップS2802以降の処理を実行することで、所定の時刻における待ち合わせ場所を決定することが可能になる。例えば、図38(a)に示されるように、待ち合わせ相手の電子メールアドレスと待ち合わせを行う時刻とを携帯電話で入力することにより、携帯電話の保有者の移動履歴と指定した相手の移動履歴とを利用し、図38(b)に示されるような待ち合わせ場所に関する結果を表示することが可能になる。
さらに、実施の形態1と同様に、駅を通過する時刻の履歴を蓄積しておけば、待ち合わせ時刻を自動的に提案することも可能となる。
なお、本実施の形態では、ユーザの移動履歴の情報を利用して待ち合わせ駅を決定したが、待ち合わせ後に行く場所(行き先)を入力し、その行き先を加味して待ち合わせ駅を決定してもよい。例えば、図39(a)および(b)に示されるように、待ち合わせを行う相手と、その後に行く場所として「レストラン」を設定し、その情報を利用して待ち合わせ駅の候補を決定してもよい。例えば、レストランが設定されると、レストランが多い駅を優先的に待ち合わせ駅として選択されるようにすることができる。
また、本実施の形態では、すべてのユーザの移動履歴を平等に扱い、待ち合わせ駅の決定を行ったが、あるユーザが定期券や回数券等を所持していた場合には、そのユーザの定期券や回数券の区間を優先した待ち合わせ駅を決定してもよい。例えば、ユーザAが豊中駅から梅田駅までの定期券を所有していた場合には、その区間の利用頻度が5回であっても、定期券を所持していることを考慮し、その区間の利用頻度を倍の10回にする。これにより、その区間の駅が待ち合わせ駅になる可能性が高くなり、定期券を所有しているユーザの移動履歴を重視した待ち合わせ駅の決定がなされることになる。たとえば、図32に示されるユーザAの乗車回数に対して、図40に示されるように、豊中から梅田までの定期券を保有していた場合に、豊中の乗車回数と梅田の乗車回数を倍の数とする。これにより、ユーザA、B、Cの各駅の利用回数の合計の値は、図41に示されるように、「梅田」の回数が最も多くなる。その結果、梅田が待ち合わせ駅の第一候補となる。定期券や回数券と同様、あらかじめ運行料金を払っている区間が存在する場合には、その情報を駅の履歴に反映させることにより、考慮することが可能になる。
また、本実施の形態では、携帯電話に鉄道のチケット機能があり、その履歴情報を利用して待ち合わせ駅が決定された。各ユーザが所有するICカード等の記憶媒体に、各ユーザの移動履歴が蓄積されているとすると、図42に示されるように、待ち合わせを行うユーザのICカードを機器に順番に挿入することにより、待ち合わせ駅を決定する装置を実現することができる。例えば、忘年会等のイベント場所を決定するときに、参加者が多くなり、公平に開催場所を決定する際には、参加者の駅の利用履歴に関する情報を入力することで、開催場所を決定することが可能になる。
また、実施の形態1および2では、カーナビや携帯電話等の移動端末に蓄積された移動履歴を移動履歴蓄積サーバに転送し、移動履歴蓄積サーバで待ち合わせ場所および時刻を決定し、その結果を移動端末に戻して表示したが、本発明は、このようなサーバ・クライアント方式に限定されない。たとえば、第1の移動端末に蓄積された移動履歴を第2の移動端末に転送し、第2の移動端末において最適な待ち合わせ場所および時刻を決定してもよい。つまり、本発明に係る待ち合わせ場所決定装置を構成する機能的な各構成要素は、移動端末において実現されてもよいし、サーバ装置において実現されてもよい。
また、移動端末から移動履歴蓄積サーバへの移動履歴の転送については、待ち合わせ場所を決定する対象となる移動端末だけを対象としてもよいし、あらかじめ定められた複数の移動端末を対象としてもよい。さらに、移動履歴を転送するタイミングとしては、待ち合わせ場所を決定する直前であってもよいし、あらかじめ定められた一定周期であってもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
実施の形態1においては、複数人の車両の移動履歴から、移動履歴において共通する交差点や経路を基に待ち合わせ場所を決定した。その際に、複数人が車両にて待ち合わせを行う場合には、各車両が同時に到着することは少なく、早く到着した車両が、別の車両を待つ必要がある。そこで、実施の形態1においては、図7に示すように各交差点に対して目印となるランドマークで待ち合わせを行うこととした。しかしながら、その待ち合わせ場所は、初めて訪問する場所である可能性があり、所定の時間以上、駐車可能か否かを判断することができない。また、待ち合わせは、複数台の車両で行うこともあるため、十分な駐車スペースがある場所を待ち合わせ場所として選択する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、車両の移動履歴から過去に訪問した場所を抽出し、その場所での過去の滞在時間の情報と滞在位置の情報を利用して待ち合わせ場所を決定する。具体的には、過去の移動履歴において、所定の時間以上滞在した履歴のある場所を待ち合わせ場所の候補とし、選択された候補場所から待ち合わせに最も適している場所を決定するものである。さらに、停車した位置が所定の範囲のある場所を選択することで、十分な駐車領域がある待ち合わせ場所を選択することが可能になる。
本実施の形態のモジュールの構成を図43に示す。図43の待ち合わせ場所決定装置は、車両の移動履歴における滞在時間と滞在位置の情報から待ち合わせ場所を決定する装置であり、第1移動履歴蓄積部5301、第2移動履歴蓄積部5302、滞在場所検出部5303、代表滞在場所決定部5304、平均滞在時間算出部5305、代表滞在場所範囲算出部5306、集合可能台数算出部5307、代表滞在場所距離算出部5308、待ち合わせ場所決定部5309から構成されている。次に、各構成モジュール(構成要素)の動作について説明する。
第1移動履歴蓄積部5301、第2移動履歴蓄積部5302は、ユーザの移動履歴を蓄積しているハードディスク等である。例えば、ここには、車両による移動履歴として、図44のような形式で蓄積されている。図44では、車両を停車させた場所の位置情報(「停車場所ID」)と、その場所に停車させた時刻(「停車開始日時」)、次にその場所から出発した時刻(「出発時刻」)が蓄積されている。これらの情報は、車両のエンジンの作動・停止を検出し、そのときのGPS等による位置情報の検出により獲得することができる。さらに、駐車する場所がショッピングセンター等の屋内であった場合には、車両に装着された3次元ジャイロ等を利用することにより、車両を停車させた位置を算出することが可能になる。なお、図44に示される移動履歴における項目「滞在時間」は、「出発時刻」から「停車開始日時」を差し引くことによって得られる時間である。
図44の1行目は10月11日22時12分に自宅駐車場(北緯34度44分35秒、東経135度20分35秒)に到着し、次の日の朝10月12日7時15分に駐車場から出発した履歴が蓄積されている。この間9時間3分の間停車していたことを示している。このように、各滞在場所において、どれだけの時間停車していたかを計測することが可能になる。
滞在場所検出部5303は、停車していた車両の移動履歴から滞在場所を検出する。図44に示すように停車した履歴が蓄積されている場合には、各停車場所を滞在場所として検出できる。
代表滞在場所決定部5304は、滞在場所検出部5303で検出された滞在場所に対して、滞在場所が近い場所同士を同一の代表滞在場所として決定する。具体的には、図44の表(例えば、「停車場所ID」がS1とS4の移動履歴)に示されるように、同じ滞在場所である自宅駐車場であっても、毎日の駐車する位置は、必ずしも同じ緯度経度として検出されない場合がある。特に、商用施設の駐車場においては、複数の車両が駐車できるようになっていることが多いため、同一の緯度経度として検出されない。そこで、例えば、50M以内の停車場所同士は、同一の滞在場所であると判断する。
平均滞在時間算出部5305は、図44で各停車場所に対して車両の停車時間を算出できているため、各代表滞在場所での停車時間の平均値を算出する。平均滞在時間から待ち合わせを行うときに、早く到着したユーザが待っている時間を考慮することが可能になる。
代表滞在場所範囲算出部5306は、代表滞在場所決定部5304で決定された代表滞在場所において、滞在場所検出部5303で検出された駐車位置の範囲を算出する。例えば、図45に示すようにP1からP4の代表滞在場所が検出され、各滞在場所での停車位置を×で地図上に表示すると、×印が各滞在場所で散在していることから分かるように、各代表滞在場所において停車している範囲が異なることがわかる。例えば、P1の駐車位置は、自宅の駐車場であり、2台の駐車スペースがあるため、停車位置はほぼ同一の位置となる。一方、P3のように道路の両側に駐車場所がある場合には、同一の代表滞在場所であっても停車場所の範囲が広くなっている。そこで、各代表滞在場所P1からP4に対して、停車範囲を算出する。その結果、図46(A)の「停車範囲」欄に示すように各代表滞在場所における停車範囲が算出される。図45(A)では、P3のような大型ショッピングセンターの場合には、広い範囲で停車していることがわかる。多くの人数の車両が集う待ち合わせ場所の場合には、このように広い駐車領域がある場所の方が適している。
集合可能台数算出部5307は、代表滞在場所範囲算出部5306で算出された範囲の値を用いて待ち合わせに集合可能な車両の台数を算出する。具体的には、例えば、図45(B)に示すように、停車範囲の面積に対して一度に駐車可能な台数の対応表を予め保持しておき、この対応表を参照することで、駐車可能な台数を推定することができる。この対応表では、車両の駐車面積に応じて駐車可能車両数が予め算出されている。その結果、図45(C)に示すように各代表滞在場所P1からP4に対して駐車可能台数を推定することが可能になる。
代表滞在場所距離算出部5308は、代表滞在場所決定部5304で決定された各代表滞在場所に対して第1及び第2移動履歴蓄積部5301及び5302で蓄積されている各ユーザの移動履歴における移動経路からの距離を算出する。算出した結果、図47の「ユーザA〜E」欄に示すように各代表滞在場所と各ユーザの移動履歴における移動経路上の最寄の分岐点との距離が算出される。
待ち合わせ場所決定部5309は、代表滞在場所距離算出部5308で算出された距離をもとに各代表滞在場所の評価値を算出し、その値をもとに待ち合わせ場所を決定する。図47の例では、「評価値」欄に示されるように、各距離の値の和を算出し、その値が最小になっているP3が待ち合わせ場所として選択される。
以上のモジュールにより構成された待ち合わせ場所決定装置の動作について、図48のフローチャートにまとめる。はじめに、第1及び第2移動履歴蓄積部5301、5302で蓄積されている移動履歴から滞在場所検出部5303において、滞在場所と滞在時間を移動履歴から算出する(S4801)。その結果、図44の滞在場所の表が作成される。図44のように作成された滞在場所(車両の停車場所)から滞在場所を1つ選択する(S4802)。S4802で選択された滞在場所の周囲に代表滞在場所がないかを判断する(S4803)。周囲(例えば50M以内)に、代表滞在場所があった場合には、S4804へ進みその代表滞在場所に帰属する滞在場所とする(S4804)。周囲に、代表滞在場所がなかった場合には、S4805へ進みその場所を新たな代表滞在場所とする(S4805)。他にも滞在場所がある場合には、その滞在場所を選択しS4802へ戻る。すべての滞在場所について処理をおえた場合には、次のステップへすすむ(S4806)。S4802からS4806までの処理は、代表滞在場所決定部5304において処理を行い、代表滞在場所を決定する。その結果、図45のP1からP4の代表滞在場所が決定される。
平均滞在時間算出部5305において、各代表滞在場所の滞在回数、平均滞在時間を算出する(S4807)。代表滞在場所範囲算出部5306において、各代表滞在場所に対して滞在範囲を算出する(S4808)。図45に示すように、各滞在場所毎に車両の停車範囲が異なる。そこで、各代表滞在場所に対して、車両の停車範囲を算出する。その結果、図46(A)の「滞在範囲」が算出される。集合可能台数算出部5307において、代表滞在場所における停車範囲から待ち合わせ可能な車両台数を算出し、待ち合わせ人数に応じて代表滞在場所を選択する(S4809)。この場合、ユーザ数がAからEの5人であるため、5人以上が車両で待ち合わせできる停車場所が選択される。代表滞在場所距離算出部5308において、各ユーザの移動履歴と各代表滞在場所との距離を算出する(S4810)。その結果、図47の表が作成される。待ち合わせ場所決定部5309において、各代表滞在場所に対して評価値を算出し待ち合わせ場所を決定する(S4811)。本例では、各移動履歴における移動経路との距離の和が最も小さいP3が待ち合わせ場所として決定される。なお、評価値の算出方法として、移動経路からの距離に代えて、あるいは、加えて、平均滞在時間を考慮してもよい。たとえば、移動経路からの距離に依存する評価値と、平均滞在時間に依存する評価値との合計を考慮して待ち合わせ場所を決定することで、待ち合わせをする全車両の移動経路からの距離の総和が小さく、かつ、平均滞在時間が小さい滞在場所が待ち合わせ場所として決定され得る。
以上の動作の結果、車両で待ち合わせを行う場合に、その待ち合わせ場所において、十分に車両の停車スペースを考慮して待ち合わせ場所の決定を行うことが可能になる。
なお、本実施の形態においては、待ち合わせを行う人数に応じて滞在場所の停車範囲との関係を用いて待ち合わせ場所を決定した。さらに、平均停車時間の値を用いることで、待ち合わせに適した場所か否かを判定することも可能となる。例えば、普段1時間以上停車している場所であれば、待ち合わせを行う他人が少々遅れたとしても、待ち合わせ場所で車両を停車して待つことが可能である。しかしながら、普段、長時間停車できない場所であると、待ち合わせに適した場所とはならない。特に、多くの人数で待ち合わせを行う場合には、待ち合わせに遅れる人がいる場合が多い。そこで、待ち合わせを行う人数が所定の人数より多い場合には、十分な停車時間がある待ち合わせ場所を決定するのが適している。また、ユーザが待ち合わせ場所へ向かう距離が大きくなればなるほど、車両の場合には予定時間に到着できない可能性が高い。そのため、移動履歴との距離が離れている場合には、十分な停車時間がある待ち合わせ場所を決定する方がよい。
なお、本実施の形態においては、待ち合わせを行うユーザの移動履歴の停車情報を用いて待ち合わせ場所を決定した。さらに、他人の移動履歴から停車時間や位置に関する情報を取得し、待ち合わせ場所を決定してもよい。
なお、本実施の形態においては、車両の移動履歴から停車場所に関する情報を算出し、待ち合わせ場所を決定した。さらに、携帯端末により移動履歴から所定時間以上、所定の範囲内(50M以内)の滞在場所を抽出し、その滞在場所に関する滞在時間や滞在回数に関する情報を基に待ち合わせ場所を決定してもよい。
なお、本実施の形態においては、停車位置の範囲を用いて待ち合わせ場所を決定した。しかしながら、複数人で待ち合わせを行い、1台の車で待ち合わせ場所から目的地へ出発することもある。この場合、停車位置への交通機関が車両でないと行きにくい場所であると、待ち合わせ場所として適さない。そこで、停車位置と公共交通機関の駅からの距離の情報を用いて、待ち合わせ場所を決定することも可能である。例えば、図49に示すように各停車場所に対して鉄道等の公共交通機関が存在する。このとき、代表滞在場所距離算出部5308が、各停車位置と移動経路上の最寄の分岐点との距離に代えて、各停車位置と最寄の駅との距離を算出することで、停車位置ごとの「平均停車時間」と「駅からの距離」を示す図50の表を作成する。この表から、駅からの距離が十分に近く(徒歩圏内で)、停車時間が30分以上可能な場所を待ち合わせ場所として決定することが可能となる。すなわち、停車位置と公共の交通機関の乗降できる位置との距離に応じて待ち合わせ場所を決定する。これにより、複数人が一台の車両に乗車して目的地へ向かう場合に、待ち合わせ行うのに適した場所を選択することが可能になる。特に、ユーザが普段駐車しなれた場所を選択することができ、ユーザ自身が契約している駐車場等を待ち合わせ場所として選択されることも可能になる。さらに、実施の形態2で用いた公共の交通機関での待ち合わせ場所を決定する方法と組み合わせることも可能である。
なお、特許請求の範囲の構成要素と実施の形態の構成要素との対応は以下の通りである。つまり、移動履歴取得手段の具体例が移動履歴取得部1100、2600、3900、4100、4300、4400、5100等であり、待ち合わせ場所又は時刻を決定する決定手段の具体例が待ち合わせ場所決定部1105、3906、4104、4304、4405、5309、待ち合わせ駅決定部2605、5107、待ち合わせ時刻決定部4407等であり、ランドマーク位置情報取得手段の具体例がランドマーク情報蓄積部3905とそれを参照する待ち合わせ場所決定部等の処理部とを併せたものに相当し、地図情報取得手段の具体例が地図情報蓄積部1104とそれを参照する共通位置情報検出部等の処理部を併せたものに相当し、道路情報取得手段の具体例が道路情報蓄積部3903とそれを参照する共通道路検出部3904等の処理部を併せたものに相当し、駐車場位置情報取得手段の具体例がランドマーク情報蓄積部3905における駐車場のランドマーク情報とそれを参照する待ち合わせ場所決定部等の処理部とを併せたものに相当し、路線情報取得手段の具体例が路線情報蓄積部2603、5105とそれを参照する駅利用頻度検出部2604や待ち合わせ駅決定部2605、5107等の処理部とを併せたものに相当し、定期券情報取得手段の具体例が改札機2702等であり、滞在場所検出手段の具体例が滞在場所検出部5303、代表滞在場所決定部5304等であり、滞在場所範囲算出手段の具体例が代表滞在場所範囲算出部5306であり、滞在場所距離算出手段の具体例が代表滞在場所距離算出部5308であり、滞在時間算出手段の具体例が平均滞在時間算出部5305である。