以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[システムの概要]
本実施形態では、一例として、本開示に係るコンピュータシステムを経路検索システム1に適用する。実施形態に係る経路検索システム1は、ユーザにより指定された出発地から目的地までの移動経路を検索してユーザにその移動経路を提供するコンピュータシステムである。ユーザとは、経路検索システム1などのような、本開示に係るコンピュータシステムを利用して情報を入手する人をいう。出発地とは、移動経路を検索するための始点として設定される場所のことをいい、目的地とはその検索のための終点として設定される場所をいう。出発地および目的地はいずれも経路検索の基準点である。移動経路とは、或る地点から別の地点までの移動に関する情報をいい、少なくとも、該或る地点から該別の地点までの経路を示す。一例では、移動経路は、出発地から目的地までの経路だけでなく、その経路の属性(以下では「経路属性」という)も示すことができる。経路属性とは、経路の性質、特徴、または状況を表す任意の情報である。例えば、経路属性は、交通機関などの移動手段と、経路を移動するための所要時間または費用と、経路の状況(例えば交通情報)と、経路に関連する地物(すなわち地物情報)と、経路に関連する事業者(すなわち事業者情報)と、経路に関連するサービス情報(例えば広告情報、クーポン情報など)とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
地物とは、地上に存在する任意の有体物または無体物をいう。地物は自然物でも人工物でもよい。例えば、地物は、山地、農地、住宅地、更地、河川、湖、海、観光地、道路、鉄道、建物、公園、塔、信号機、踏切、横断歩道、歩道橋、浮標などを含み得る。無体物である地物の例として、任意の目的で設定された区域(例えば、撮影禁止区域、一時的な進入禁止区域など)、イベントが開催される区域、集合場所、撮影スポットなどが挙げられる。当然ながら、地物の種類はこれらに限定されない。
広告とは、商業上の目的で商品またはサービスの情報を不特定の人に向けて広く宣伝するための情報伝達をいう。広告情報は広告を示す情報である。広告で扱われる商品またはサービスの種類は何ら限定されない。
一例では、経路検索システム1は様々な移動手段を含む選択肢から適切な1以上の移動経路を検索してその移動経路をユーザに提供する。この経路検索において、経路検索システム1は移動経路に関連する広告を検索して、その広告を移動経路と共にユーザに提供する。移動経路に関連する広告とは、ユーザが移動経路に沿って移動する際に立ち寄ることが可能な施設によって提供される商品またはサービスの広告をいう。
一例では、経路検索システム1は移動手段の変更を伴う移動経路を検索する。移動手段とは、移動するための方法をいう。移動手段は移動体に限定されず、移動体を用いない方法も含む概念である。移動手段は公共交通機関でもよいし、ユーザが自分で操作する移動体でもよい。移動手段は、地上または地下の移動体でもよいし、空中の移動体でもよいし、水上または水中の移動体でもよい。移動手段の例として徒歩、自転車、バイク、自家用車、バス、タクシー、在来線、高速鉄道、航空機、およびフェリーが挙げられるが、当然ながら移動手段はこれらに限定されるものではない。「移動手段の変更」とは或る移動手段から別の移動手段に変えることをいう。移動手段が限定されないことに対応して、移動手段の変更も限定されない。或る移動手段から別の移動手段への乗換は、移動手段の変更の一例である。移動手段の変更の例として、タクシーから在来線への乗換、或る路線(鉄道路線、バス路線など)から別の路線(鉄道路線、バス路線など)への乗換、自家用車から徒歩への変更、徒歩から在来線への変更などが挙げられる。
公共交通機関とは、運行する経路および時刻が決まっており、且つ不特定の一般の人々が共同で利用する交通機関をいう。公共交通機関の例として鉄道、路線バス、航空機、フェリーなどが挙げられるが、公共交通機関はこれらに限定されない。タクシーは公共交通機関ではない。
移動手段の変更に関連して、経路検索システム1は交通結節点に関する処理を実行する。交通結節点とは移動手段の変更が実施される場所(要するに、移動手段が変わる場所)をいう。より具体的には、交通結節点は、複数の同種あるいは異種の移動手段の接続が行われる場所をいう。交通結節点は少なくとも一つの交通施設を含む。交通施設とは、移動手段を変更するためにユーザに利用される施設をいう。交通施設は、交通結節点を構成する要素として経路検索システム1により処理される。交通施設の例として、駅、バス停、タクシー乗り場、港、空港、レンタカーの営業所、レンタサイクルのサイクルポート、駐車場、および駐輪場が挙げられるが、交通施設はこれらに限定されない。一つの交通施設が複数の交通結節点と関連付けられてもよい。したがって、交通結節点および交通施設は多対多の関係(言い換えるとM:Nの関係)にある。
[システムの構成]
図1は経路検索システム1の一例を示す図である。経路検索システム1は、該システムの主要な機能を実行するサーバ10を備える。一例では、サーバ10は通信ネットワークを介して地図データベース20、広告データベース30、および1以上のユーザ端末40と接続する。
サーバ10は移動経路をユーザに提供するコンピュータである。サーバ10はユーザ端末40からの要求に従って経路検索を実行し、検索された移動経路をユーザ端末40に提供する。
図1はサーバ10の機能構成の一例も示す。サーバ10は機能モジュールとして通信部11および検索部12を備える。通信部11はユーザ端末40との間でデータを送受信する機能モジュールである。具体的には、通信部11は経路検索の要求をユーザ端末40から受信し、検索された移動経路を検索結果としてそのユーザ端末40に送信する。検索部12は移動経路を検索する機能モジュールである。検索部12は、移動経路そのものを検索する経路検索部13と、移動経路に関連する広告を検索する広告検索部14とを備える。
サーバ10として機能するコンピュータは限定されない。一例では、サーバ10は業務用サーバなどの大型のコンピュータによって構成される。図2は、サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、サーバ10は制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、一つまたは複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、または取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、またはプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。一例では、プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、サーバ10の各機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
ストレージ103は、コンピュータをサーバ10として機能させるためのプログラム120を記憶する。プログラム120は、コンピュータを上記の各機能モジュールとして機能させるためのプログラムコードを含む。プログラム120は、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリなどの非一時的な記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、プログラム120は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
サーバ10は一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで論理的に一つのサーバ10が構成される。
地図データベース20は、経路検索に必要な地図データ21を永続的に記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。地図データベース20は経路検索システム1の一部として構築されてもよいし、経路検索システム1とは別のコンピュータシステムに設けられてもよい。
地図データ21は、地図を構成する地図要素を示す電子データである。地図要素の種類および表現方法は限定されず、任意の方針で設計されてよい。地図要素の例としてノードおよびリンクが挙げられる。ノードとは、経路を特徴づける位置をいい、より具体的には、移動体の移動方法(例えば方向、速度など)を変えることができる位置、または該移動方法が変わる位置をいう。交通結節点および交通施設はいずれもノードの一種であり得る。リンクとは、経路を示すために設定される仮想的な線のことをいい、隣接するノード間を結ぶ。リンクの形状は直線でも曲線でもよく、あるいは、直線と曲線との組合せでもよい。地上においては、リンクの形状は道路の形状に依存し得る。ノードおよびリンクが設定される位置は限定されず、例えば、ノードおよびリンクは地上、地下、空中、水上、または水中に設定され得る。
広告データベース30は、交通施設に関連する広告を示す広告データ31を永続的に記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。広告データベース30は経路検索システム1の一部として構築されてもよいし、経路検索システム1とは別のコンピュータシステムに設けられてもよい。
一例では、サーバ10は、地図データ21および広告データ31を第1制御部(より具体的には、検索部12)からの指示に応答して参照する参照ステップを、該第1制御部とは異なる第2制御部に実行させるプログラムを実行する。例えば、このプログラムはアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)として実装される。第1制御部および第2制御部はいずれも機能モジュールであり、プロセッサ上で実現される。第1制御部が実行されるプロセッサと第2制御部が実行されるプロセッサとが同じでもよいし異なってもよい。例えば、第1制御部および第2制御部の少なくとも一つはプロセッサ101上で実現される。
ユーザ端末40はユーザによって操作されるコンピュータ(クライアント端末)である。ユーザ端末40は固定端末でもよいし携帯端末でもよい。ユーザ端末40の例として、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、またはパーソナルコンピュータが挙げられるが、端末の種類はこれらに限定されない。図1では一つのユーザ端末40のみを示すが、経路検索システム1にアクセスするユーザ端末40の台数は限定されない。
[データ構造]
地図データ21および広告データ31は経路検索のために用いられ、一例では、広告情報を伴う移動経路を提供するために用いられる。地図データ21および広告データ31のそれぞれについて具体的なデータ構造は限定されず、任意の手法で実装されてよい。図3を参照しながらデータ構造の一例を説明する。図3は地図データ21および広告データ31のデータ構造の一例を示す図である。
一例では、地図データ21は交通結節点テーブル211、交通施設テーブル212、および乗換テーブル213を含む。
交通結節点テーブル211は、交通結節点に関する情報を示す交通結節点データを記憶するデータテーブルである。一例では、交通結節点データの各レコードは、個々の交通結節点を一意に特定する交通結節点IDと、交通結節点の名称(交通結節点名)とを含む。
交通施設テーブル212は、交通施設に関する情報を示す交通施設データを記憶するデータテーブルである。一例では、交通施設データの各レコードは、個々の交通施設を一意に特定する交通施設IDと、交通施設の名称(交通施設名)と、交通結節点IDと、代表フラグとを含む。交通結節点IDは、交通施設が属する交通結節点を示す。代表フラグは、交通施設が一つの交通結節点におけるすべての交通施設を代表するか否かを示す情報であり、二値で示される。一例では、代表フラグは、交通施設が代表であることを示す「1」と、交通施設が代表でないことを示す「0」とのいずれか一方を示す。本開示では、代表の交通施設を「代表施設」といい、代表でない交通施設を「構成施設」という。代表施設は任意に設定されてよい。例えば、代表施設は、交通結節点の中で最も中心的な役割を果たす施設、最も利用者が多い交通施設、あるいはランドマークの役割を持つ交通施設でもよい。
乗換テーブル213は、交通結節点での乗換に関する情報を示す乗換データを記憶するデータテーブルである。一例では、乗換データの各レコードは、乗換に用いられる二つの交通施設のID(第1交通施設IDおよび第2交通施設ID)と、この二つの交通施設間の移動に関する属性(移動属性)とを示す。
移動属性は交通施設間の移動に関する特徴または性質をいう。一例では、移動属性は移動コスト、移動手段、移動方向、距離、および経路種別を含む。移動コストは移動に掛かる負荷であり、例えば移動時間で表される。移動方向は二つの交通施設間において乗換のための移動が可能な方向を示し、例えば、双方向または片方向を示す値によって表される。例えば、二つの交通施設が駅と乗車専用のバス停である場合には、駅からバス停までの乗換は可能だが、バス停から駅までの乗換は不可能である。したがって、この場合の移動方向は片方向であり、より具体的には、駅からバス停への片方向である。経路種別は利用者または利用場面に基づいて設定される経路の種別である。経路種別は任意の基準で設定されてよく、例えば、一般的な経路である「通常」、車椅子利用者が通行できる「バリアフリー」などの様々な経路種別が設定されてよい。
本開示では、交通結節点での交通施設間の移動経路、すなわち、移動手段の変更に関する移動経路のことを「変更経路」ともいう。変更経路は、出発地から目的地までの移動経路の一部である。第1交通施設IDおよび第2交通施設IDの一つのペアについて複数の移動属性が存在してもよい。すなわち、或る二つの交通施設間に複数の変更経路が存在してもよい。
交通施設テーブル212は交通結節点IDによって交通結節点テーブル211と関連付けられ、この関係によって、交通結節点に属する交通施設が定義される。乗換テーブル213は二つの交通施設IDによって交通施設テーブル212と関連付けられ、この関係によって、交通結節点で可能な乗換方法が表される。地図データ21はこれらのようなデータテーブル間の関係を示すので、経路検索システム1は地図データ21を参照することで交通結節点および交通施設に関する詳細な情報を得ることができる。
一例では、広告データ31の各レコードは、個々の広告を一意に特定する広告IDと、広告が関連付けられる交通施設を示す交通施設IDと、広告に関する属性(広告属性)とを示す。
広告属性は広告に関する特徴または性質をいう。一例では、広告属性は広告名、広告目的、広告詳細、対象施設、階層、改札口との位置関係、改札口種別、地理的位置、および交通施設までの距離を含む。広告名は、広告によって宣伝される対象を示し、例えば店舗名によって表されてもよい。広告目的は、その店舗にユーザが立ち寄る目的を示す。広告詳細は、広告によって宣伝される商品またはサービスに関する詳細な情報である。対象施設はその店舗が入っている施設をいい、階層はその店舗が位置する対象施設内のフロアを示す。対象施設は、交通施設を構成する建築物を示してもよいし、交通施設は別の施設の建築物を示してもよい。改札口との位置関係は、その店舗が交通施設の改札口の内側および外側のどちらに位置するかを示す。改札口の内側とは、対応する移動手段を利用するための権利を有する人(典型的には、公共交通機関のチケットを持つ人)のみが正当に入ることができる領域をいう。改札口の外側とは、人がその権利を有しなくても正当に入ることができる領域をいう。したがって、広告データ31は、交通施設の改札口の内側または外側と、該交通施設に関連する広告との対応を示す。改札口種別は、対応する移動手段の種類を示す。地理的位置は、現実世界における店舗の場所を示す。交通施設までの距離は、交通施設と店舗との間の距離を示す。
広告データ31は、改札口を有する交通施設に関連する広告だけでなく、改札口を有しない交通施設に関連する広告を示してもよい。
地図データ21のデータテーブル群と広告データ31とは交通施設IDによって互いに関連付けられる。加えて、広告データ31を構成する対象施設、階層、改札口との位置関係、改札口種別、地理的位置、および交通施設までの距離はいずれも、広告に対応する店舗の位置に関するデータ項目である。したがって、経路検索システム1は地図データ21および広告データ31を参照して、移動経路だけでなく、その経路に対応する広告も検索することができる。
個々のデータテーブルの構造は上記の例に限定されず、任意の方針でデータ構造が設計されてよい。例えば、上述したデータおよびデータテーブルの少なくとも一つが任意の方針で正規化または非正規化されて一または複数のデータテーブル上に記憶されてもよい。
個々のデータの個々のデータ項目は静的に設定されてもよいし動的に設定されてもよい。「静的に設定される」とは、値が予め設定され、人手の介入がない限りはその設定が変更されないことをいう。一方、「動的に設定される」とは、値が任意の事象に応じて人手の介入無しに変更され得ることをいう。動的な設定は、所与のデータ項目を制御するプログラムが所定のコンピュータ上で実行されることで実現される。
[システムでの処理手順]
図4を参照しながら、経路検索システム1の動作を説明するとともに本実施形態に係る経路検索方法を説明する。図4は経路検索システム1の動作の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。
ステップS11では、通信部11がユーザ端末40から検索要求を受信する。検索要求は移動経路の検索条件を示すデータ信号である。ユーザ端末40は、経路検索に必要な情報の入力とその情報の送信とを含むユーザ操作に応答して検索条件を生成し、この検索条件を示す検索要求をサーバ10に向けて送信する。通信部11はその検索要求を受信する。検索条件は、ユーザにより指定された出発地および目的地を少なくとも示す。出発地は、ユーザ端末40のGPS(全地球測位システム)機能によって算出されたユーザ端末40の現在位置でもよい。検索条件は出発日時および到着日時のうちの少なくとも一つ、少なくとも一つの経由地、利用する交通手段、変更経路の条件などの、移動経路そのものに関する他のデータ項目をさらに含んでもよい。検索条件は、経由地での滞在時間、表示させたい広告の条件(広告条件)などの、広告検索に関連するデータ項目をさらに含んでもよい。広告条件の内容は限定されず、例えば、広告条件は、広告属性のデータ項目に対応する様々な値を含んでよい。
続いて、検索部12がその検索条件を満たす1以上の移動経路を検索する。処理フローS1では検索部12の処理をステップS12,S13として示す。
ステップS12では、経路検索部13がその検索条件を満たす1以上の移動経路を検索する。経路検索部13は複数の移動経路を検索してもよく、例えば、道筋が互いに異なる複数の移動経路、道筋は同じだが交通手段または移動日時が互いに異なる複数の移動経路、あるいはこれらの移動経路の双方を検索してもよい。経路検索部13は検索条件に従って地図データベース20内の地図データ21を参照して移動経路を検索する。この検索処理の中で、経路検索部13は移動手段の変更(例えば、乗換方法)に関する検索を実行し得る。個々の移動経路および個々の移動手段の変更を検索する具体的な手法は限定されず、経路検索部13は任意のアルゴリズムを用いて、移動手段の変更(例えば変更経路)を含む移動経路を検索してよい。経路検索部13は検索条件と乗換データの経路種別とに基づいて、バリアフリーの経路、雨の日に適した経路などのような、特定の目的に合致する変更経路を検索してもよい。
ステップS13では、広告検索部14が、検索された1以上の移動経路のそれぞれについて、該移動経路に関連する広告を検索する。広告の検索方法は限定されず、広告検索部14は個々の移動経路について広告を任意の手法によって検索してよい。
広告検索部14はそれぞれの移動経路について次のように広告を検索する。すなわち、広告検索部14は移動経路上に位置する1以上の交通結節点を特定する。広告検索部14は出発地、1以上の経由地、および目的地のうちの少なくとも一つについて交通結節点を特定してよい。続いて、広告検索部14は特定された交通結節点のそれぞれについて、地図データ21および広告データ31を参照して、該交通結節点に関連する広告を検索する。具体的には、広告検索部14は交通結節点テーブル211、交通施設テーブル212、および乗換テーブル213を参照して、その交通結節点において移動経路上に位置する少なくとも一つの交通施設を特定する。一例では、広告検索部14は変更経路上に位置する少なくとも一つの交通施設を特定する。続いて、広告検索部14は広告データ31を参照して、特定された交通施設に対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。少なくとも一つの広告を特定できた場合には、広告検索部14は特定された広告を移動経路と関連付ける。広告検索部14は一つの移動経路上の個々の交通結節点についてこのような処理を実行して、該移動経路に関連する広告を検索する。
ステップS14では、通信部11が検索結果をユーザ端末40に向けて送信する。検索結果は、検索された1以上の移動経路を示すデータ信号である。一例では、ユーザ端末40はその検索結果を受信および表示し、これによりユーザはその検索結果を視認することができる。ユーザ端末40は検索結果を音声によって出力してもよい。検索結果が、広告情報を伴う移動経路を含む場合には、ユーザは出発地から目的地の間で立ち寄ることが可能な店舗、あるいは、出発地から目的地の間で入手可能な商品もしくは利用可能なサービスを知ることができる。
[検索の例]
上述したように、広告検索部14は任意の手法を用いて広告を検索してよい。以下ではその検索方法についての様々な例を示す。
(第1の場合)
図5〜図9を参照しながら、広告検索に関する第1の場合について説明する。図5は第1の場合における交通結節点および交通施設を示す図である。図6は第1の場合における地図データ21および広告データ31を示す図である。図7〜図9はいずれも、第1の場合における検索結果の一例を示す図である。
第1の場合では駅Saから空港Axへの経路検索を示す。この事例では、ハブHa,Hb,Hcという三つの交通結節点が存在する。ハブHaは代表施設である駅Saを含む。ハブHbは、代表施設である駅Sbと、構成施設であるバス停Baとを含む。ハブHcは、代表施設である空港Axと、駅Scおよびバス停Bbという二つの構成施設とを含む。駅Saと駅Sbとは路線Xa(鉄道)で繋がり、駅Sbと駅Scとは路線Xb(鉄道)で繋がる。バス停Baとバス停Bbとは路線Ya(バス)で繋がる。ハブHbではユーザは鉄道とバスとの間の乗換ができる。ハブHcではユーザは鉄道またはバスと航空機との間の乗換ができる。図6の地図データ21(交通結節点テーブル211、交通施設テーブル212、および乗換テーブル213)はこのような交通結節点および交通施設に関する構成を示す。
図6の広告データ31に示すように、第1の場合では四つの広告が存在すると仮定する。売店Ka、飲食店Ra、および売店Kbの広告は駅Sbに関連し、このうち売店Kaは改札口の内側に位置し、飲食店Raおよび売店Kbは改札口の外側に位置する。飲食店Rbの広告は空港Axに関連する。
第1の場合では、経路検索システム1が、移動経路201および移動経路202を含む検索結果を出力するものとする。移動経路201は、駅Saから路線Xaで駅Sbまで行き、駅Sbで改札口を出ることなく路線Xbに乗り換えて駅Scへ行き、駅Scから空港Axへ徒歩で行く経路である。移動経路202は、駅Saから路線Xaで駅Sbまで行き、駅Sbで改札口を出てバス停Baへ徒歩で行き、バス停Baから路線Yaでバス停Bbへ行き、バス停Bbから空港Axへ徒歩で行く経路である。経路検索部13が移動経路201,202を検索したことに応答して、広告検索部14は広告データ31を参照してそれぞれの移動経路に関連する広告を検索する。
図7は、鉄道間の乗換の場合に考慮される改札口の位置関係が「内側」であるという広告条件を含む検索条件に対応する検索結果の一例を示す。以下に、この例における広告検索の一手法を説明する。
広告検索部14は例えば、移動経路201上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告を検索する。
まず、広告検索部14はハブHaにおいて移動経路201上に位置する駅Saを特定する。広告データ31は駅Saに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなくハブHaについての処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路201上に位置する駅Sbを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件を満たす店舗に対応する広告を特定する。駅Sbに対応する広告は売店Ka、飲食店Ra、および売店Kbの3個である。しかし、検索条件を満たす店舗は、改札口の内側に位置する売店Kaのみである。したがって、広告検索部14は売店Kaの広告を移動経路201と関連付け、飲食店Raおよび売店Kbの広告は移動経路201に関連付けない。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路201上に位置する駅Scおよび空港Axを特定する。広告データ31は駅Scに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなく駅Scについての処理を終了する。続いて、広告検索部14は広告データ31を参照して、空港Axに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。空港Axに対応する広告は飲食店Rbであり、この飲食店Rbは検索条件を満たす。したがって、広告検索部14は飲食店Rbの広告を移動経路201と関連付ける。
以上の処理により、広告検索部14は移動経路201に関連する広告として売店Kaおよび飲食店Rbを検索し、これらの広告情報を伴う移動経路201を検索結果としてユーザ端末40に提供する。広告情報の内容は限定されず、例えば、店舗までの所要時間、滞在可能時間などの、店舗への立ち寄りに関する移動コストを表してもよい。
広告検索部14は例えば、移動経路202上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告を検索する。
まず、広告検索部14はハブHaにおいて移動経路202上に位置する駅Saを特定する。移動経路201の場合と同様に、広告検索部14は広告を特定することなくハブHaについての処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路202上に位置する駅Sbおよびバス停Baを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。駅Sbに対応する広告は売店Ka、飲食店Ra、および売店Kbの3個である。移動経路202は駅Sbの改札口を通過するので、それら3店舗のいずれも検索条件を満たす。したがって、広告検索部14は売店Ka、飲食店Ra、および売店Kbの広告を移動経路202と関連付ける。広告データ31はバス停Baに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなくバス停Baについての処理を終了する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路202上に位置するバス停Bbおよび空港Axを特定する。広告データ31はバス停Bbに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなくバス停Bbについての処理を終了する。続いて、広告検索部14は空港Axについての処理を実行し、移動経路201の場合と同様に、飲食店Rbの広告を移動経路202と関連付ける。
以上の処理により、広告検索部14は移動経路202に関連する広告として売店Ka、飲食店Ra、売店Kb、および飲食店Rbを検索し、これらの広告情報を伴う移動経路202を検索結果としてユーザ端末40に提供する。
図8は、鉄道間の乗換の場合に考慮される改札口の位置関係が「内側」であり、且つ広告目的が「食事」であるという広告条件を含む検索条件に対応する検索結果の一例を示す。以下に、この例における広告検索の一手法を説明する。
広告検索部14は例えば、移動経路201上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告を検索する。
まず、広告検索部14はハブHaの駅Saについて広告を検索する。駅Saに対応する広告データ31は存在しないので、広告検索部14は広告を特定することなくハブHaについての処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路201上に位置する駅Sbを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。改札口の内側に位置する店舗は売店Kaのみだが、売店Kaの広告目的は「買物」であり検索条件に合致しない。したがって、広告検索部14は広告を特定することなくハブHbについての処理を終了する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路201上に位置する駅Scおよび空港Axを特定する。駅Scに対応する広告データ31は存在しないので、広告検索部14は広告を特定することなく駅Scについての処理を終了する。続いて、広告検索部14は広告データ31を参照して、空港Axに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。空港Axに対応する広告は飲食店Rbであり、この広告目的は「食事」である。したがって、広告検索部14は飲食店Rbの広告を移動経路201と関連付ける。
以上の処理により、広告検索部14は、飲食店Rbの広告情報を伴う移動経路201を検索結果としてユーザ端末40に提供する。
広告検索部14は例えば、移動経路202上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告を検索する。
ハブHaについては、移動経路201と同様に、広告検索部14は広告を特定することなく処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路202上に位置する駅Sbおよびバス停Baを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。この例では、広告検索部14は飲食店Raを特定し、この店舗の広告を移動経路202と関連付ける。バス停Baに対応する広告データ31は存在しないので、広告検索部14は広告を特定することなくバス停Baについての処理を終了する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路202上に位置するバス停Bbおよび空港Axを特定する。広告検索部14は、バス停Bbについては広告を特定することなく処理を終了する。続いて、広告検索部14は空港Axについての処理を実行し、移動経路201の場合と同様に、飲食店Rbの広告を移動経路202と関連付ける。
以上の処理により、広告検索部14は移動経路202に関連する広告として飲食店Raおよび飲食店Rbを検索し、これらの広告情報を伴う移動経路202を検索結果としてユーザ端末40に提供する。
図9は、鉄道間の乗換の場合に考慮される改札口の位置関係が「内側」であり、広告詳細が「書店」であり、且つ滞在時間が「30分」であるという広告条件を含む検索条件に対応する検索結果の一例を示す。以下に、この例における広告検索の一手法を説明する。
広告検索部14は例えば、移動経路201上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告検索を実行する。
まず、広告検索部14はハブHaの駅Saについて広告を検索する。駅Saに対応する広告データ31は存在しないので、広告検索部14は広告を特定することなくハブHaについての処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路201上に位置する駅Sbを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件(広告条件)を満たす広告を特定する。改札口の内側に位置する店舗は売店Kaのみだが、売店Kaの広告詳細は「土産」であり検索条件に合致しない。したがって、広告検索部14は広告を特定することなくハブHbについての処理を終了する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路201上に位置する駅Scおよび空港Axを特定する。駅Scに対応する広告データ31は存在しないので、広告検索部14は広告を特定することなく駅Scについての処理を終了する。続いて、広告検索部14は広告データ31を参照して、空港Axに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。空港Axに対応する広告は飲食店Rbだが、飲食店Rbの広告詳細は「食事」であり検索条件に合致しない。したがって、広告検索部14は広告を特定することなくハブHcについての処理を終了する。
以上の処理により、広告検索部14は、広告情報の無い移動経路201を検索結果としてユーザ端末40に提供する。
広告検索部14は例えば、移動経路202上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告を検索する。
ハブHaについては、移動経路201と同様に、広告検索部14は広告を特定することなく処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路202上に位置する駅Sbおよびバス停Baを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。この例では、広告検索部14は交通施設までの距離と、滞在時間と、乗換の移動コストと、ハブHbでの乗換時間とを考慮して売店Kbを特定する。そして、広告検索部14は売店Kbの広告を移動経路202と関連付ける。もし、ハブHbでの乗換時間が滞在時間よりも短いなどの理由により売店Kbへの立ち寄りが不可能であると判定する場合には、広告検索部14は売店Kbに到達できないと判定し、売店Kbの広告を抽出しない。バス停Baについては、広告検索部14は広告を特定することなく処理を終了する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路202上に位置するバス停Bbおよび空港Axを特定する。広告検索部14は、バス停Bbについては広告を特定することなく処理を終了する。続いて、広告検索部14は空港Axについての処理を実行し、移動経路201の場合と同様に広告を特定しない。
以上の処理により、広告検索部14は売店Kbの広告情報を伴う移動経路202を検索結果としてユーザ端末40に提供する。売店Kbへの立ち寄りが不可能であると判定する場合には、広告検索部14は広告の無い移動経路202を検索結果として設定する。
図7〜図9の例では、検索条件が、改札口の位置関係が「内側」であるという広告条件を含む。しかし、広告検索部14は、検索条件が改札口の位置関係についての広告条件を含まない場合にも、移動経路が改札口を通過するか否かに基づいて該移動経路に関連する広告を検索してよい。例えば、移動経路が改札口を通過しない場合には、広告検索部14は改札口の内側に位置する店舗の広告のみを、または改札口の外側に位置する店舗の広告のみを検索する。移動経路が改札口を通過する場合には、広告検索部14は改札口の内側に位置する店舗と改札口の外側に位置する店舗との双方について広告を検索し得る。
改札口を通過するか否かは、特に経由地において移動経路の重要な要素となる。一例では、広告検索部14は、移動経路の経由地に位置する交通結節点において該移動経路が改札口の内側から該改札口の外側へと向かうか否かに基づいて、該移動経路に関連する広告を検索する。
(第2の場合)
図10〜図12を参照しながら、広告検索に関する第2の場合について説明する。図10は第2の場合における交通結節点および交通施設を示す図である。図11は第2の場合における地図データ21および広告データ31を示す図である。図12は第2の場合における検索結果の一例を示す図である。
第2の場合では駅Sdから駅Sgへの経路検索を示す。この事例では、ハブHd,He,Hf,Hgという四つの交通結節点が存在する。ハブHdは代表施設である駅Sdを含む。ハブHeは、代表施設である駅Seと、構成施設であるバス停Bcとを含む。ハブHfは、代表施設である駅Sfと、構成施設であるバス停Bcとを含む。ハブHgは代表施設である駅Sgを含む。駅Sdと駅Seとは路線Xc(鉄道)で繋がり、駅Seと駅Sgとは路線Xd(鉄道)で繋がり、駅Sfと駅Sgとは路線Xe(鉄道)で繋がる。ハブHe,Hfのそれぞれではユーザは鉄道とバスとの間の乗換ができる。図11の地図データ21(交通結節点テーブル211、交通施設テーブル212、および乗換テーブル213)はこのような交通結節点および交通施設に関する構成を示す。
図11の広告データ31に示すように、第2の場合では三つの広告が存在すると仮定する。飲食店Rcおよび飲食店Rdの広告は駅Seに関連し、これらの店舗はいずれも改札口の外側に位置する。売店Kcの広告は駅Sfに関連し、この店舗は改札口の外側に位置する。駅Sfの近くには売店Kdも存在する。しかし、駅Sfと売店Kdとの間には川が存在し、駅Sfから売店Kdに行くことができない。このような位置関係を考慮して、広告データ31は駅Sfに関連する広告として売店Kdを含まない。したがって、第2の場合では広告検索部14は売店Kdの広告を検索しない。
第2の場合では、経路検索部13が駅Sdから路線Xcで駅Seまで行き、駅Seで路線Xdに乗り換えて駅Sgに行く第1移動経路を検索し、広告検索部14がこの第1移動経路に基づいて広告を検索すると仮定する。
図12は、広告目的「買物」を広告条件として含む検索条件に対応する検索結果の一例を示す。この例では改札口の位置関係が考慮されないので、広告検索部14は、経由地の駅Seでいったん改札口を出る移動経路を許容する。以下に、この例における広告検索の一手法を説明する。
広告検索部14は例えば、第1移動経路上に位置するハブHd,He,Hgについて次のように広告を検索する。
ハブHdについては、広告データ31は駅Sdに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなく処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHeにおいて第1移動経路上に位置する駅Seおよびバス停Bcを特定する。広告データ31は駅Seに対応するレコードを含むがバス停Bcに対応するレコードを含まない。したがって、広告検索部14はバス停Bcについては広告を特定せず、駅Seについてのみ広告の特定を試みる。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Seに対応し且つ検索条件を満たす広告を特定する。駅Seに対応する広告は飲食店Rcおよび飲食店Rdの2個であるが、いずれも広告目的が「食事」であり検索条件を満たさない。
一例では、広告検索部14はその結果に応答して、地図データ21の交通施設テーブル212を参照し、ハブHeと他の交通結節点との双方に属する交通施設が存在するか否かを判定する。その交通施設が存在する場合には、広告検索部14は該他の交通結節点において、検索条件を満たす広告の特定を試みる。もし、該他の交通結節点において広告を特定できる場合には、経路検索部13が、第1移動経路を、該他の交通結節点を経由する第2移動経路に修正する。より具体的には、経路検索部13は、特定された広告に対応する交通施設をさらに経由する第2移動経路を生成する。広告検索部14は特定された広告を第2移動経路に関連付ける。
この例では、バス停BcがハブHeだけでなくハブHfにも属するので、広告検索部14はハブHfにおいて広告を検索する。ハブHfはバス停Bcおよび駅Sfを含む。広告データ31を参照すると、駅Sfに対応する広告として売店Kcが存在する。売店Kcの広告目的は「買物」であり検索条件に合致するので、広告検索部14は売店Kcの広告を特定する。経路検索部13は、第1移動経路を、ハブHf(より具体的には駅Sf)を経由する第2移動経路に修正する。広告検索部14は売店Kcの広告を第2移動経路に関連付ける。
経路検索部13は第1移動経路に基づいて複数の第2移動経路を生成してもよい。図12に示すように、経路検索部13は、駅Seでいったん改札口を出て駅Sf近くの売店Kcに立ち寄り、その後に駅Seに戻って路線Xdで駅Sgに向かう移動経路203を第2移動経路として生成してもよい。移動経路203に代えてまたは加えて、経路検索部13は、駅Seから売店Kcに立ち寄った後に、駅Sfから路線Xeで駅Sgに向かう移動経路204を第2移動経路として生成してもよい。
さらに、広告検索部14はハブHgにおいて第2移動経路上に位置する駅Sgを特定する。しかし、広告データ31は駅Sgに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなく処理を終了する。
以上の処理により、広告検索部14は売店Kcの広告情報を伴う第2移動経路(例えば移動経路203,204)を検索結果としてユーザ端末40に提供する。第2の場合では、広告検索部14は、複数の交通結節点に属する交通施設を基準として、広告を検索する範囲を拡大する。したがって、検索条件に合致する広告をより確実に提供することが可能になる。
広告検索部14は、或る交通結節点において、検索条件を満たす広告を特定できた場合にも、該交通結節点と共通の交通施設を含む他の交通結節点において、検索条件を満たす広告の特定を試みてもよい。すなわち、二つの交通結節点が共通の交通施設を含む場合には、広告検索部14は、一方の交通結節点において広告を特定するか否かにかかわらず、他方の交通結節点内の交通施設に関連する広告を検索してもよい。上記の例に関して説明すると、仮に広告検索部14がハブHeにおいて広告を特定した場合であっても、広告検索部14はさらにハブHfにおいて広告を検索してもよい。
(第3の場合)
図13〜図16を参照しながら、広告検索に関する第3の場合について説明する。図13は第3の場合における交通結節点および交通施設を示す図である。図14は第3の場合における地図データ21および広告データ31を示す図である。図15および図16はいずれも、第3の場合における検索結果の一例を示す図である。
第3の場合では、第1の場合と同様に、駅Saから空港Axへの経路検索を示す。この事例では、ハブHa,Hb,Hc,Hiという四つの交通結節点が存在する。ハブHaは代表施設である駅Saを含む。ハブHbは代表施設である駅Sbを含む。ハブHcは、代表施設である空港Axと、構成施設である駅Scとを含む。ハブHiは代表施設である駅Siを含む。駅Saと駅Sbとは路線Xa(鉄道)で繋がり、駅Sbと駅Scとは路線Xb(鉄道)で繋がる。駅Saと駅Siとは路線Xf(鉄道)で繋がり、駅Siと駅Scとは路線Xg(鉄道)で繋がる。ハブHcではユーザは鉄道と航空機との間の乗換ができる。図14の地図データ21(交通結節点テーブル211、交通施設テーブル212、および乗換テーブル213)はこのような交通結節点および交通施設に関する構成を示す。
図14の広告データ31に示すように、第3の場合では7個の広告が存在すると仮定する。売店Ka、飲食店Ra、および売店Kbの広告は駅Sbに関連し、このうち売店Kaは改札口の内側に位置し、飲食店Raおよび売店Kbは改札口の外側に位置する。飲食店Rbの広告は空港Axに関連する。売店Ka、飲食店Rb、および飲食店Reの広告は駅Siに関連し。このうち売店Kaは改札口の内側に位置し、飲食店Rbおよび飲食店Reは改札口の外側に位置する。
第3の場合では、経路検索システム1が、移動経路205および移動経路206を含む検索結果を出力するものとする。移動経路205は、駅Saから路線Xaで駅Sbまで行き、駅Sbで路線Xbに乗り換えて駅Scへ行き、駅Scから空港Axへ徒歩で行く経路である。移動経路206は、駅Saから路線Xfで駅Siまで行き、駅Siで路線Xgに乗り換えて駅Scへ行き、駅Scから空港Axへ徒歩で行く経路である。経路検索部13が移動経路205,206を検索したことに応答して、広告検索部14は広告データ31を参照してそれぞれの移動経路に関連する広告を検索する。
第3の場合では、広告検索部14は特定の経路または特定の交通施設にのみ関連する広告を他の広告よりも優先して出力する。「第1の広告を第2の広告よりも優先して出力する」とは、またはこれに対応する表現は、第1の広告が第2の広告よりも目立つように少なくとも第1の広告を出力することをいう。この手法は、第2の広告を出力することなく第1の広告を出力する手法と、第2の広告よりも上位に第1の広告を表示することとを含む。
図15は、特定の一つの移動経路にのみ関連する広告を優先して出力する検索結果の一例を示す。この検索結果を得るために、「経路間の比較」が広告条件として設定されるものとする。この例では改札口の位置関係が考慮されないので、広告検索部14は、経由地の駅Seまたは駅Siでいったん改札口を出る移動経路を許容する。以下に、この例における広告検索の一手法を説明する。
広告検索部14は例えば、移動経路205上に位置するハブHa,Hb,Hcについて次のように広告を検索する。
まず、広告検索部14はハブHaの駅Saについて広告を検索する。しかし、広告データ31は駅Saに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなくハブHaについての処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHbにおいて移動経路205上に位置する駅Sbを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Sbに対応し且つ検索条件を満たす広告を候補として特定する。ここでは、広告検索部14は売店Ka、飲食店Ra、および売店Kbの広告を特定する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路205上に位置する駅Scおよび空港Axを特定する。広告データ31は駅Scに対応するレコードを含まないので、広告検索部14は広告を特定することなく駅Scについての処理を終了する。続いて、広告検索部14は広告データ31を参照して、空港Axに対応し且つ検索条件を満たす広告を候補として特定する。ここでは、広告検索部14は飲食店Rbの広告を特定する。この結果、広告検索部14は移動経路205について、駅Sbに関連付けられた三つの広告(売店Ka、飲食店Ra、および売店Kb)と、空港Axに関連付けられた一つの広告(飲食店Rb)とを特定する。
また、広告検索部14は例えば、移動経路206上に位置するハブHa,Hb,Hiについて次のように広告を検索する。
ハブHaについては、移動経路205の場合と同様に、広告検索部14は広告を特定することなく処理を終了する。
次に、広告検索部14はハブHiにおいて移動経路206上に位置する駅Siを特定する。広告検索部14は広告データ31を参照して、駅Siに対応し且つ検索条件を満たす広告を候補として特定する。ここでは、広告検索部14は売店Ka、飲食店Rb、および飲食店Reの広告を特定する。
さらに、広告検索部14はハブHcにおいて移動経路206上に位置する駅Scおよび空港Axを特定する。移動経路205の場合と同様に、広告検索部14は飲食店Rbの広告を特定する。この結果、広告検索部14は移動経路206について、駅Siに関連付けられた三つの広告(売店Ka、飲食店Rb、および飲食店Re)と、空港Axに関連付けられた一つの広告(飲食店Rb)とを特定する。
続いて、広告検索部14は移動経路205,206のそれぞれについて、該移動経路にのみ関連する広告を選択する。移動経路205,206の候補を比較すると、移動経路205にのみ関連する報告は飲食店Raおよび売店Kbであり、移動経路206にのみ関連する広告は飲食店Reである。したがって、広告検索部14は移動経路205では飲食店Raおよび売店Kbの広告を他の広告よりも優先して出力し、移動経路206では飲食店Reの広告を他の広告よりも優先して出力する。図15では広告検索部14は移動経路205,206のそれぞれについて該移動経路にのみ関連する広告情報を出力する。しかし、上述したように、広告検索部14は移動経路205,206の双方に関連する広告を低い優先度でさらに出力してもよい。
図16は、個々の移動経路について、特定の一つの交通施設にのみ関連する広告を優先して出力する検索結果の一例を示す。この検索結果を得るために、「施設の比較」が広告条件として設定されるものとする。この例でも改札口の位置関係が考慮されないので、広告検索部14は、経由地の駅Seまたは駅Siでいったん改札口を出る移動経路を許容する。
「経路間の比較」と同様に、広告検索部14は移動経路205について、駅Sbに関連付けられた三つの広告(売店Ka、飲食店Ra、および売店Kb)と、空港Axに関連付けられた一つの広告(飲食店Rb)とを候補として特定する。続いて、広告検索部14はこれらの広告のうち、移動経路205において一つの交通施設にのみ関連付けられた広告を選択する。この例では四つの広告のいずれも一つの交通施設にのみ関連付けられているので、広告検索部14は該四つの広告のすべてを優先して出力する。
「経路間の比較」と同様に、広告検索部14は移動経路206について、駅Siに関連付けられた三つの広告(売店Ka、飲食店Rb、および飲食店Re)と、空港Axに関連付けられた一つの広告(飲食店Rb)とを候補として特定する。続いて、広告検索部14はこれらの広告のうち、移動経路206において一つの交通施設にのみ関連付けられた広告を選択する。この例では、売店Kaおよび飲食店Reは駅Siにのみ関連付けられているが、飲食店Rbは複数の交通施設に関連付けられている。したがって、広告検索部14は売店Kaおよび飲食店Reの広告を飲食店Rbの広告よりも優先して出力する。
図16では広告検索部14は移動経路205,206のそれぞれにおいて、一つの交通施設にのみ関連する広告を出力する。しかし、上述したように、広告検索部14は移動経路205,206のそれぞれにおいて、複数の交通施設に関連する広告を低い優先度でさらに出力してもよい。
広告検索部14は、経路間の比較および施設間の比較の双方が広告条件(検索条件)として設定されたことに応答して、特定の一つの移動経路上の特定の一つの交通施設にのみ関連する広告を優先して出力してもよい。
広告検索部14は上述した第1〜第3の場合の手法を組み合わせて広告を検索してもよい。例えば、広告検索部14は改札口の位置関係を考慮し、且つ広告の検索範囲を拡大する手法によって広告を検索してもよい(第1および第2の場合の組合せ)。あるいは、広告検索部14は広告の検索範囲を拡大し、且つ特定の移動経路または交通施設にのみ関連する広告を検索する手法を採用してもよい(第2および第3の場合の組合せ)。あるいは、広告検索部14は改札口の位置関係を考慮し、且つ特定の移動経路または交通施設にのみ関連する広告を検索する手法を採用してもよい(第1および第3の場合の組合せ)。あるいは、広告検索部14は改札口の位置関係を考慮し、広告の検索範囲を拡大し、且つ特定の移動経路または交通施設にのみ関連する広告を検索する手法を採用してもよい(第1〜第3の場合の組合せ)。
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係るコンピュータシステムはプロセッサを備える。プロセッサは、改札口を有する交通施設を含む交通結節点を示す地図データと、改札口の内側または外側と交通施設に関連する広告との対応を示す広告データとを参照し、交通結節点を含む移動経路が改札口を通過するか否かに基づいて、該移動経路に関連する広告を検索する。
本開示の一側面に係るプログラムは、第1制御部からの指示に応答して、記憶部に記憶された地図データおよび広告データを参照する参照ステップを第2制御部に実行させる。地図データは、改札口を有する交通施設を含む交通結節点を示す。広告データは、改札口の内側または外側と交通施設に関連する広告との対応を示す。第1制御部は、交通結節点を含む移動経路が改札口を通過するか否かに基づいて、該移動経路に関連する広告を検索する。
このような側面においては、移動経路と改札口との位置関係に基づいて広告が検索されるので、移動経路に応じて広告を適切に提供することができる。
他の側面に係るコンピュータシステムでは、プロセッサが、移動経路の経由地に位置する交通結節点において該移動経路が改札口の内側から該改札口の外側へと向かうか否かに基づいて、該移動経路に関連する広告を検索してもよい。この処理によって、移動経路の具体的な変更方法(例えば、具体的な乗換方法)に応じて広告を適切に提供することができる。
他の側面に係るコンピュータシステムでは、交通結節点が、他の交通結節点にも含まれる共通の交通施設を含んでもよい。プロセッサは、共通の交通施設に基づいて他の交通結節点を特定し、該他の交通結節点内の交通施設に関連する広告を検索してもよい。この場合には、複数の交通結節点に属する交通施設を基準として、広告を検索する範囲が拡大される。したがって、検索条件に合致する広告をより確実に提供することが可能になる。
他の側面に係るコンピュータシステムでは、プロセッサが、移動経路上の複数の交通結節点のそれぞれについて広告を検索し、移動経路上で特定の交通施設にのみ関連する広告を優先して出力してもよい。この処理によって、特定の交通施設に特有な広告を提供することができる。
他の側面に係るコンピュータシステムでは、プロセッサが、複数の移動経路のそれぞれについて広告を検索し、複数の移動経路のうちの特定の移動経路にのみ関連する広告を優先して出力してもよい。この処理によって、特定の移動経路に特有な広告を提供することができる。
[変形例]
以上、本開示をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
経路検索システム1は、広告検索の結果に基づいて、広告の数が最も多い移動経路を他の移動経路より優先して出力してもよい。あるいは、経路検索システム1は広告情報の無い移動経路を検索結果に含めることなく、広告情報を伴う移動経路を検索結果として出力してもよい。
上記実施形態では本開示に係るコンピュータシステムをクライアントサーバシステムに適用するが、本開示に係るコンピュータシステムはスタンドアロンのコンピュータに適用されてもよい。
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
コンピュータシステム内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」および「未満」の二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
以上の実施形態の全部または一部に記載された態様は、広告の適切な提供、処理速度の向上、処理精度の向上、使い勝手の向上、データを利用した機能の向上または適切な機能の提供その他の機能向上または適切な機能の提供、データおよび/またはプログラムの容量の削減、装置および/またはシステムの小型化等の適切なデータ、プログラム、記録媒体、装置および/またはシステムの提供、並びにデータ、プログラム、装置またはシステムの制作・製造コストの削減、制作・製造の容易化、制作・製造時間の短縮等のデータ、プログラム、記録媒体、装置および/またはシステムの制作・製造の適切化のいずれか一つの課題を解決する。