JP4114456B2 - 無電解メッキ装置及び無電解メッキ方法 - Google Patents

無電解メッキ装置及び無電解メッキ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹凸形状を有する基材に金属メッキ被膜を形成する無電解メッキ装置及び無電解メッキ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材の表面に金属被膜を形成して電気的特性を付与する方法として、スパッタリング方法、真空蒸着方法、電解メッキ方法、無電解メッキ方法等が使用されている。無電解メッキ方法はスパッタリング方法、真空蒸着方法、電解メッキ方法に比べ、装置も比較的簡単で、常圧下での工程であって大量に生産できるため製造コストも低く、凹凸を有する基材に対しても均一に金属メッキ被膜が形成でき、電気的エネルギを用いないで水溶液中の金属イオンを置換反応、あるいは酸化還元反応により、導体や不導体(合成樹脂、ガラス、陶器、ホウロウ等)の基材表面に金属メッキ被膜を形成することが可能であることから利用価値が高い方法として知られている。
【0003】
無電解メッキ方法を利用している一例としては、例えばインクジェットプリンタの剪断モード型インクジェットヘッドに用いる圧電性基盤への電極の設置、サーマルプリンタのサーマルヘッドの基板への発熱体の設置等が挙げられる。
【0004】
剪断モード型インクジェットヘッドの一例としては、例えば特開昭63−247051号公報には、圧電性基盤にインク圧力室と空気圧力室用の溝を研削し、各圧力室の側壁に印加電極を設け、インク圧力室側の印加電極に信号電圧を印加し、空気圧力室側の電極を接地して、インク圧力室側から空気圧力室側に電圧を掛けることにより、側壁を剪断変形させてインク圧力室の圧力変化でインクを吐出させる方式が挙げられている。
【0005】
この剪断モード型インクジェットヘッドに用いる圧電性基盤は、複数の狭く深い溝部(以下、単に溝部ともいう)と、溝部につながる平面とを有する微細構造をしている。各溝部には金属メッキ被膜(以下、単にメッキ被膜ともいう)による印加電極が配設され、平面には各印加電極につながるメッキ被膜による配線用電極が配設されている。
【0006】
溝部の構造の一例としては、溝部の幅は80μm、深さは400μm、長さは100mmが挙げられる。このため、無電解メッキ方法で溝の内側にメッキ被膜(印加用電極)を形成する場合、溝部の奥部分まで無電解メッキ液(以下、単にメッキ液ともいう)が流入し難く、溝の底付近はメッキ液が滞留しやすく、また、化学反応によるガスが発生し気泡が生じ、この気泡によりメッキ液の供給が阻止されることで、メッキ被膜の形成が不均一になったり、また、ピンホール等の欠陥が発生し易く、均一な印加用電極が得られ難い問題がある。上記の微細な構造を有する剪断モード型インクジェットヘッドに用いる圧電性基盤は、無電解メッキ方法でも溝部の側壁に均一に印加用電極と溝つながる平面に配線用電極とを均一に形成するのは非常に困難な基材の一つとして挙げられている。
【0007】
溝部の側壁に形成した印加用電極が不均一になった場合は、側壁の剪断変形が一定に生じなくなる危険があり、これに伴いインクの吐出が一定でなくなり、印刷品質の低下が生じる危険がある。このため、剪断モード型インクジェットヘッドに用いる圧電性基盤は、溝部の側壁部分と溝部につながる平面とに均一にメッキ被膜層を形成するのは重要な項目の一つとされている。
【0008】
特に無電解メッキ方法ではメッキ液自体が化学反応により消耗するため、メッキ液組成変化の影響を直接受ける。このため、剪断モード型インクジェットヘッドに使用する圧電性基盤に設けられた溝部の深部まで均一な印加用電極を形成するためには、メッキ液の安定した供給が必要とされている。
【0009】
このような観点から、メッキ被膜を形成すべき対称物に対してメッキ液を吹き付けながら無電解メッキ処理を行なう技術(例えば、特許文献1参照。)や、メッキ液を撹拌しながら無電解メッキ処理を行なう技術(例えば、特許文献2参照。)や、メッキ処理槽中でメッキ被膜を形成すべき対称物を一定間隔で引き上げ・浸漬操作を行う方法(例えば、特許文献3参照。)等が知られている。しかしながらこれらの技術は、平坦な面に対してメッキ被膜の品質を向上させることや、メッキ被膜を形成すべき対称物に対してメッキ液を均等に供給するために有効であるが、複数の溝部とこれらの溝部につながる平面とを有する微細な構造の圧電性基盤等には有効の技術となっていない。
【0010】
これら複数の溝部とこれらの溝部につながる平面部とを有する微細な構造の圧電性基盤に対する無電解メッキ方法として、無電解メッキ処理槽中で圧電性基盤に設けられた複数の溝部に対して深さ方向にメッキ液を噴出することで溝の深部までメッキ被膜の形成を行う無電解メッキ方法及び無電解メッキ装置が知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながらこの方法では複数の溝部とメッキ液の噴出位置とを合わせる精度が要求される前作業を必要とするため生産性が低く、且つ無電解メッキ装置もメッキ液の噴出装置を配設しなければならずコストが高くなる欠点を有している。
【0011】
又、圧電性基盤に設けられた溝部を一旦トンネル状にして、このトンネル内に強制的にメッキ液を流すことで溝部の深部までメッキ被膜の形成を行う方法が知られている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながらこの方法は、無電解メッキ処理を行う前に圧電性基盤に設けられた複数の溝部を一旦トンネル状にする作業と、無電解メッキ処理終了後に解体して圧電性基盤を取り出す作業が必要となるため生産性が低く、トンネル状にした複数の溝部にメッキ液を強制的に流す装置を付けなければならずコストが高くなる欠点を有している。
【0012】
この様な状況から、凹凸部を有する基材(例えば剪断モード型インクジェットヘッドに使用する複数の溝部を有する圧電性基盤)に対して安定したメッキ被膜の形成が容易な無電解メッキ装置及びこれらの装置を使用した無電解メッキ方法の開発が望まれている。
【0013】
【特許文献1】
特開昭60−13077号公報
【0014】
【特許文献2】
特開昭62−10293号公報
【0015】
【特許文献3】
特開平7−316827号公報
【0016】
【特許文献4】
特開平10−235879号公報
【0017】
【特許文献5】
特開平10−157144号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、その目的は、凹凸部を有する基材に対して安定したメッキ被膜の形成が容易な無電解メッキ装置及びこれらの装置を使用した無電解メッキ方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の構成により達成された。
【0020】
1)少なくとも一つの凹凸形状を有する基材に金属メッキ被膜の形成を行う処理部と水洗部と前記基材の前記処理部及び前記水洗部への移動を行う自動搬送手段とを有する無電解メッキ装置において、前記処理部複数の処理槽を有し、前記水洗部水洗手段と水切り手段とを有し、前記自動搬送手段は前記基材の取り付け部材を有し、前記取り付け部材は取り付け基台を有し、前記取り付け基台は、前記取り付け基台の面に対して直交する面を有する側壁と、前記取り付け基台の面に対して平行な面を有する側壁と、底部とを有する一対のガイド部材を、前記基材を保持したときに前記取り付け基台の短辺とが平行になるように前記取り付け基台の両面に有し、前記処理部から前記水洗部及び前記水洗部から前記処理部へ前記基材の移動を前記自動搬送手段で行うことを特徴とする無電解メッキ装置。
【0021】
2)前記水洗手段がスプレー水洗装置であることを特徴とする1)に記載の無電解メッキ装置。
【0022】
3)前記水洗手段がスプレー水洗装置と水浸漬槽とであることを特徴とする1)に記載の無電解メッキ装置。
【0023】
4)前記水切り手段がガス吹き付け装置であることを特徴とする1)から3)の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
【0024】
5)前記水洗部が一つのみ配設されていることを特徴とする1)から4)の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
【0025】
6)前記自動搬送手段が3次元ロボットであることを特徴とする1)から5)の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
【0026】
7)前記自動搬送手段は、複数の処理槽と水洗部とで基材を最大瞬間昇降速度30〜90cm/secで少なくとも1回昇降させることを特徴とする1)から6)の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
【0027】
8)前記基材は、幅が10〜300μm、アスペクト比が3〜10の溝部を有する剪断モード型インクジェットヘッド用の圧電性基盤であることを特徴とする1)から7)の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
【0028】
9)少なくとも一つの凹凸形状を有する基材に金属メッキ被膜の形成を行う複数の処理槽を有する処理部と水洗部と前記処理部及び前記水洗部へ前記基材の移動を行う自動搬送手段とを有する無電解メッキ装置を用いて、前記基材に前記金属メッキ被膜の形成を行う無電解メッキ方法において、前記無電解メッキ装置は1)〜8)の何れか1項に記載の無電解メッキ装置であることを特徴とする無電解メッキ方法。
【0036】
【発明の実施の形態】
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、剪断モード型インクジェットヘッドに用いる圧電性基盤の様な微細な複数の溝部の内部に対してメッキ皮膜の形成がバラツク原因の一つとして、温度、処理液の供給以外に次の項目が挙げられると推定した。
【0037】
1)無電解メッキ処理槽に浸浸したとき、前工程の処理液が水洗不足により溝部の内部に部分的に残存していることで、残存している部分でメッキ被膜の形成が正常に行われないためにムラが発生する。
【0038】
2)無電解メッキ処理槽に浸浸したとき、前工程の水洗の水が溝の内部に部分的に残っていることで、水が付着している部分は無電解メッキ処理液の濃度が薄くなり、溝の内部で無電解メッキ処理液の濃度勾配が形成されるためメッキ皮膜にムラが発生する。
【0039】
即ち、メッキ皮膜を均一に形成させるためには、メッキ皮膜を形成させる箇所に前工程の処理液、水洗水の残存が無いことが重要であると推定し、無電解メッキ処理槽にメッキ皮膜を形成させる基材(以下、被メッキ体ともいう)を浸浸する前に溝部の内部に前工程の処理液が残存しないような水洗手段および水洗後の水が溝の内部にムラの状態で残らない様な水切り手段を検討し本発明に至った次第である。
【0040】
以下、凹凸形状を有する基材の一例として、図2に示すインク圧力室と空気圧力室用の複数の溝部が形成された剪断モード型インクジェットヘッド用圧電性基盤を用いて、図1〜図10を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【0041】
図1は、一部破断面を有する剪断モード型インクジェットヘッドの一例を示す概略斜視図である。
【0042】
図中1は、剪断モード型インクジェットヘッドを示す。剪断モード型インクジェットヘッド1は、下層圧電性基盤201と上層圧電性基盤202とを接合して形成された圧電性基盤2と、天板3と、ノズル板4とを有している。
【0043】
圧電性基盤2は、研削加工を施すことによりノズル板4側が開口し、反対側が閉塞している互いに平行な所定の長さを有する複数の溝部(凹部に該当する)203と、溝部203の閉塞した側につながる平面(凸部に該当する)205と、溝部203の両側に側壁204とを有している。複数の溝部203は交互にインク圧力室用の溝部203aと空気圧力室用の溝部203bとなっている。溝部203は本発明に係わる基材の凹部に相当し、平面205は本発明の基材の凸部に相当する。
【0044】
301はインク供給管302から供給されたインクのインク溜を示し、各溝部203に連通した各インク供給口303より各インク圧力室用の溝部203aに供給される様になっている。304は圧電性基盤2の上面を覆う第1天板を示し、305は第1天板の上面を覆う第2天板を示す。各溝部203は第1天板304とノズル板4とにより覆われることで複数の密閉されたチャネル(インク圧力室及び空気圧力室)が形成される様になっている。401は各溝部の各側壁の剪断変形に伴い、インク圧力室及び空気圧力室の圧力変化でインクを吐出させる穴を示す。
【0045】
第1天板304及び第2天板305の材料は特に限定されず、例えば有機材料からなっても良いが、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が挙げられる。
【0046】
ノズル板4を構成する基材としては、金属や樹脂が使用される。例えばステンレス、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等が好ましく採用できる。特に好ましくはポリイミド樹脂で、Dupont社製:カプトンや宇部興産(株)製:ユーピレックス等が寸法安定性、耐インク性、耐熱性等に優れているので好ましい。
【0047】
図2は図1に示される圧電性基盤の概略図である。図2の(a)は圧電性基盤の概略斜視図である。図2の(b)は図2の(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
【0048】
圧電性基盤2は下層圧電性基盤201と上層圧電性基盤202とを接合して形成され、これらの下層圧電性基盤201と上層圧電性基盤202とは基盤の厚さ方向に逆方向に分極されている。203cは溝部203の閉塞されている側の傾斜した面を有する底面を示し、平面205とつながっている。
【0049】
206は溝部の側壁204の内面にメッキ被膜により形成された印加用電極を示す。印加用電極206は側壁204を剪断変形させるために電圧が印加される。207は印加用電極206に接続し、溝部につながる平面205にメッキ被膜により形成された配線用電極を示す。配線用電極207は外部のプリント配線基板等への電気的接続のためのリード線接続部となる。印加用電極206と配線用電極207とは連続して形成されている。
【0050】
本図では分極化した圧電性基盤を厚さ方向に分極が逆になるように接合し、溝部の側壁の全面に印加用電極を形成し、側壁の上と下とで剪断変形させる場合を示しているが、溝部の側壁の上半分の分極化した圧電性基盤に印加用電極を形成し、側壁の上半分を剪断変形させる方法であってもかまわない。
【0051】
本図で示される構成の圧電性基盤の方が溝部の側壁の上半分に印加用電極を形成する場合よりも効率が良く、同じ電圧の場合、溝部の側壁の剪断変形量が大きいので高い圧力を発生し、射出されたインクの飛翔速度が速く、着弾ずれを少なくでき画質の大幅な向上が可能である。或いは必要とする剪断変形量に対して電圧を小さくできるので剪断モード型インクジェットヘッドの発熱を抑えることができる。
【0052】
圧電性基盤に使用する材料としては、PZT、PLZT等のセラミックスが挙げられ、主にPbOx、ZrOx、TiOxの混合微結晶体に、ソフト化剤又はハード化剤として知られる微量の金属酸化物、例えばNb、Zn、Mg、Sn、Ni、La、Cr等の酸化物を含むものが好ましい。
【0053】
PZTは充填密度が大きいので圧電性定数が大きく、加工性が良いので好ましい。PZTは、焼成後、温度を下げると、急に結晶構造が変化して、原子がズレ、片側がプラス、反対側がマイナスという双極子の形の、細かい結晶の集まりになる。こうした自発分極は方向がランダムで、極性を互いに打ち消しあっているので、更に分極処理が必要となる。
【0054】
分極処理は、PZTの薄板を電極で挟み、シリコン油中に漬けて、10〜35kV/cm程度の高電界を掛けて分極する。分極したPZTに分極方向に直角に電圧を掛けると、側壁が圧電滑り効果により、斜め方向に、くの宇形に、剪断変形して、インク圧力室の容積が膨張する。
【0055】
本図に示される圧電性基盤において、溝部203は幅が10〜300μm、溝部幅に対する溝部の深さ(アスペクト比)が2〜10であることが好ましい。アスペクト比が2未満の場合は、圧電性基盤に使用する材料によっては剪断変形量が少なくなり、必要とするインクの飛翔速度が得られなくなる場合がある。10を越えた場合は、圧電性基盤に使用する材料によっては溝部の幅の精度が不安定になり、これに伴い印加用電極206を形成しても、安定した剪断変形量が得られなくなる場合がある。
【0056】
本図に示される圧電性基盤において、印加用電極を形成する部分と配線用電極とを形成する部分は互いに形状の異なる部分であり、両者に均等にメッキ層を形成しなければならないものである。
【0057】
このためにメッキ液は全ての溝部203の内部と平面205とに均等に供給することが必要である。
【0058】
図2に示される複数の溝部を有する圧電性基盤の溝部に印加用電極206と、溝部につながる平面に配線用電極207とは無電解メッキ方法にて、1)フォトレジスト層形成工程、2)無電解メッキ前処理工程、3)無電解メッキ工程、4)フォトレジスト層剥離工程等を順次経て形成することが可能である。
【0059】
尚、フォトレジスト層形成工程は本発明に係る圧電性基盤の場合にはメッキ被膜を形成する箇所とメッキ被膜を形成させない箇所とが混在するため必要とするが、被メッキ体の種類によっては必要としない場合もある。この場合は、フォトレジスト層剥離工程は不要となる。
【0060】
図3はフォトレジストパターンを形成した圧電性基盤の概略斜視図である。フォトレジストパターン形成工程においては、圧電性基盤2にフォトレジスト膜を塗布した後、マスクをかけて露光現像し、これにより、印加用電極206と配線用電極207とを形成しない部分にフォトレジストパターン208(図中のドットで示した部分を示す)を形成するものである。その形状は、本図に示すものであり、溝部203の側壁と溝部203につながる平面205の一部が露出されたフォトレジストパターン208が形成されている。
【0061】
図4は、フォトレジストパターンを剥離した後の圧電性基盤の概略斜視図である。
【0062】
図中のドットで示した部分は、印加用電極206が形成された複数の溝部の側壁と、配線用電極207が形成された溝部につながる平面とを示す。フォトレジストパターンを剥離することで図2に示される圧電性基盤が作製される。
【0063】
次に、凹凸形状を有する基材の一例として、図4に示すフォトレジストパターンが形成された圧電性基盤を用いて、図2に示される印加用電極と配線用電極とが形成された圧電性基盤を作製する本発明の無電解メッキ装置及び無電解メッキ方法につき説明する。
【0064】
図5は無電解メッキ装置の一例を示す概略斜視図である。
図中5は無電解メッキ装置を示す。無電解メッキ装置5は、エッチング処理槽6a1と、触媒核形成処理槽6a2と、無電解メッキ処理槽6a3と、フォトレジストパターン除去処理槽6a4とを有する処理部6aと、水洗部6bと、被メッキ体である圧電性基盤を各処理槽に移動するための自動搬送手段であるロボット7とを有している。尚、本発明に係る圧電性基盤の場合にはメッキ被膜を形成する箇所とメッキ被膜を形成させない箇所とを形成するフォトレジスト層形成工程が必要であるが、本発明の無電解メッキ装置には含まず別の装置とすることが好ましい。また、被メッキ体の種類によってはフォトレジスト層形成工程を必要としない場合もあるが、この場合は、フォトレジスト層剥離工程は不要となる。
【0065】
本図の場合は、無電解メッキ装置のフレーム(不図示)に処理部6aと、水洗部6bと、ロボット7とが配設されている場合を示す。ロボット7の配設する場所は特に限定なく、例えば、処理部と水洗部とから分離して天井、壁等に配設してもかまわない。エッチング処理槽6a1、触媒核形成処理槽6a2、無電解メッキ処理槽6a3、フォトレジストパターン除去処理槽6a4には処理液の供給と排液設備(不図示)、温度制御装置(不図示)及び処理液循環装置(不図示)等が配設されている。水洗部6bに関しては図10で説明する。
【0066】
次にロボット7について説明する。701は圧電性基盤取り付け部材(以下、単に取り付け部材ともいう)8を、配設された各処理槽の横方向(X軸)、例えばエッチング処理槽6a1から水洗部6bへの移動、水洗部6bから触媒核形成処理槽6a2への移動、水洗部6bから無電解メッキ処理槽6a3への移動、水洗部6bからフォトレジストパターン除去処理槽6a4等に平行往復移動(図中B矢印方向)する第1移動手段を示す。
【0067】
702は第1移動手段701に保持され、配設された各処理槽に対して直交方向(Y軸)に往復移動可能(図中C矢印方向)な第2移動手段を示す。
【0068】
703は第2移動手段702に配設され、X軸及びY軸方向に対して直交方向(Z軸)に移動可能(図中D矢印方向)な第3移動手段を示す。
【0069】
第1移動手段701は、ステッピングモータ(不図示)により回転するプーリ701a(図6を参照)と、701bとに架けられ往復駆動する駆動ベルト701cとを配設した基台701dとを有している。駆動ベルト701cの片側に第2移動手段702をX軸に沿って移動させる移動部材701eが取り付けられている。尚、移動部材701eには第2移動手段702の基台702dが固定されている。
【0070】
基台701dは、配設された各処理槽の領域外まで延びており、各処理槽の領域外に移動(図中B矢印方向)可能となっている。基台701dには第2移動手段702が配設されており、無電解メッキ処理時以外の時に領域外の部分に第2移動手段702を待機させることで取り付け部材8に取り付けられている無電解メッキ処理が終了した圧電性基盤を取り外し、新しく無電解メッキ処理を行う圧電性基盤に交換することが可能となっている。
【0071】
第2移動手段702は、ステッピングモータ(不図示)により回転するプーリ702a、702b(図6を参照)に架けられ往復駆動する駆動ベルト702cとを配設した基台702dを有している。駆動ベルト702cの片側に第3移動手段703を取り付け部材702gにより取り付けた基台702eが固定された移動部材702fが取り付けられている。これにより、第3移動手段703はY軸に沿って移動(図中C矢印方向)が可能となっている。
【0072】
第3移動手段703は、ステッピングモータ(不図示)により回転するボールネジ703aを配設した基台703bを有している。ボールネジ703aには移動部材703cが取り付けられている。移動部材703cには取り付け部材8の把持部703dを有する取り付け部材703eが取り付けられている。これにより、取り付け部材8がZ軸方向(図中D矢印方向)に往復移動(昇降)が可能になっている。把持部703dは取り付け部材8を着脱可能に取り付ける様になっている。703d1は把持部703dにおいて取り付け部材8を着脱するための動力源を送る配管を示す。
【0073】
処理時における第3移動手段703による取り付け部材8の昇降動作は、昇降の瞬間最大昇降速度が30〜90cm/secで少なくとも1回昇降させることが好ましい。30cm/sec未満の場合は、溝部へのメッキ液の供給が不足し溝部の内部でメッキ処理液の成分が不足し、金属メッキ被膜が不均一になる場合がある。90cm/secを超えた場合、溝部の上面および溝部につながる平面で圧電性基盤の表面を流動するメッキ処理液の流速が速くなり過ぎるためメッキ被膜の形成が抑制される現象が現れ、メッキ被膜が形成されない場所が発生する場合がある。
【0074】
第3移動手段703により取り付け部材8を昇降させることで、圧電性基盤の表面のメッキ処理液を更新させる効果がある。特に微細な溝部と平面とを有する形状を持つ圧電性基板の様な基材では、溝部の内部でメッキ液が部分的に滞留し易く、滞留した箇所でメッキ被膜が部分的に形成されることで、成分のバランスが異なったメッキ液が存在するようになる。このため、取り付け部材8を昇降させることは、これらの成分のバランスが異なったメッキ液を正常な成分を有するメッキ液に更新するための効果が大きい。
【0075】
瞬間最大昇降速度とは、昇降動作は往復動作であるため停止、加減速を周期的に繰返すことになるが、この往復動作の中での最大瞬間速度で表す。
【0076】
無電解メッキ処理中における昇降動作は周期的に行うことが好ましいが、圧電性基盤をメッキ処理液に浸漬した直後に一定時間昇降動作させずに静止させ、初期のメッキ被膜の形成が安定することで、その後高速、流動の悪影響を受け難くなるため好ましい。このため、昇降動作は、圧電性基盤をメッキ処理液に30秒〜2分浸漬後に開始することがより好ましい。
【0077】
昇降動作は連続動作であっても良いが、加減速時を含め圧電性基盤が動いている時間がメッキ処理時間の50%以上あれば間欠動作であっても連続動作であってもかまわない。
【0078】
この昇降動作は、無電解メッキ処理槽以外のエッチング処理槽、触媒核形成処理槽、フォトレジストパターン除去処理槽及び水洗部において採用してもかまわない。又、他の凹凸形状を有する基材に採用することも可能である。
【0079】
図6は図5で示される無電解メッキ装置の概略平面図である。
図中の符号は図5と同義である。処理部6aでは、エッチング処理槽6a1、触媒核形成処理槽6a2、無電解メッキ処理槽6a3及びフォトレジストパターン除去処理槽6a4で処理された後の圧電性基盤の水洗処理を共通で行うための水洗部6bが配設されている。各処理槽の配設位置は特に限定は無いが、無電解メッキ装置をコンパクトにし、ロボットによる被メッキ体である圧電性基盤の各処理槽への移動動作を可能な限り少なくする様に配設することが好ましい。
【0080】
本図では水洗部6bの周囲にエッチング処理槽6a1、触媒核形成処理槽6a2、無電解メッキ処理槽6a3及びフォトレジストパターン除去処理槽6a4を配置した場合を示している。水洗部を共通化できるように各処理槽を配置することで、通常各処理槽の後に配設していた水洗部を無くすことが可能となり、且つロボットによる被メッキ体である圧電性基盤の各処理槽への移動動作を可能な限り少なくすることができ無電解メッキ装置をコンパクトにすることが可能となるため好ましい処理槽の配置の一例である。
【0081】
図7は図5で示されるロボットの配設位置を変えた一例を示す概略斜視図である。本図ではロボット7を処理部6aと水洗部6bとから分離して壁(不図示)に配設した場合を示している。図中701fは第2移動手段702の取り付け部材を示す。第2移動手段702は取り付け部材701fを介して移動部材701eに取り付けられ、X軸に沿って移動が可能となっている。他の符号は図5と同義である。
【0082】
処理部6aにおけるエッチング処理槽6a1、触媒核形成処理槽6a2、無電解メッキ処理槽6a3及びフォトレジストパターン除去処理槽6a4、水洗部6bの配置は図6と同じである。
【0083】
図5〜図7に示される様に、ロボット7を使用することで、圧電性基盤の各処理槽および水洗部への搬送を自動化できると共に、ロボットは搬送移動方向の制約がないため水洗部を1ヶ所とし1つの水洗部で各処理槽での処理後の洗浄を行うことができ、装置の小型化、低コスト化が可能になる。また、取り付け部材8の保管箱(不図示)からの取り出し及び戻しの自動化が可能となり、無電解メッキの自動化が可能となる。尚、ロボット7は予め処理の順番、処理時間、各処理槽での圧電性基盤の昇降回数及び昇降速度が組み込まれコンピュータ制御で駆動するようにすることが好ましい。
【0084】
図8は図5で示される把持部の拡大概略断面図である。
把持部703dは、ブラケット703d2に取り付けられたクランプレバ支持部材703d3と、クランプレバ受け部材703d4、クランプレバ押し出し用シリンダヘッド703d5と、クランプレバ支持部材703d3に回動自在に取り付けられたクランプレバ703d6とを有している。クランプレバ703d6はブラケット703d2に取り付けられたバネ703d7により取り付け部材8を把持しないときはブラケット703d2側に引っ張られることで、クランプレバ受け部材703d4と離れている(図中点線で示されるクランプレバ703d6の状態)。取り付け部材8を把持するときは、クランプレバ押し用シリンダヘッド703d5により押されることでクランプレバ受け部材703d4とクランプレバ703d6が密着し取り付け部材8を把持することが可能となる(図中実線で示されるクランプレバ703d6の状態)。尚、クランプレバ押し用シリンダヘッド703d5の駆動は動力源は空気、電気等でかまわない。
【0085】
図9は取り付け部材の概略図である。図9の(a)は取り付け部材の概略斜視図である。図9の(b)は図9の(a)に示される取り付け部材の概略平面図である。尚、図9の(b)はガイド部材802aの構造を説明するために片方の圧電性基盤9は省略してある。
【0086】
図中、801は取り付け基台を示し、圧電性基盤9を基台801に保持するため少なくとも一対のガイド部材802aを有している。各ガイド部材は圧電性基盤9を保持した時に取り付け基台の短辺801aと平行になるように取り付け基台801の両面に固定されている。
【0087】
ガイド部材802aは取り付け基台801の面に対して直交する面を有する側壁と、取り付け基台801の面に対して平行な面を有する側壁とを有する側壁802a1と、底部802a2とを有している。この様な構造にすることでガイド部材802aに圧電性基盤9を保持したとき、圧電性基盤9の下部面にはガイド部材802aの底部がないため、取り付け部材8を昇降させ無電解メッキ処理を行う時に、ガイド部材802aにより影響を受けることがなく圧電性基盤9へのメッキ液の供給が可能となる。
【0088】
取り付け基台の大きさ及び一対のガイド部材の数は、被メッキ体である圧電性基盤の大きさ及び数によって決められるため、一義的に決めることはできないが、作業効率から複数の圧電性基盤が取り付けられることが必要である。本図は取り付け基台の両面に、各2つの圧電性基盤を保持した状態を示している(片面は不図示)。
【0089】
ガイド部材802aに圧電性基盤を保持する時は、溝部の開口部を下向きにして取り付けることが、溝部の処理液または水洗水の排出を促進することから好ましい。本図に示される圧電性基盤9は、無電解メッキ処理終了後に切断することで図2に示される圧電性基盤が3つ作製できる様な大きさをしている。801bは取り付け基台801の上部を示し、ロボットの把持部703d(図5を参照)により把持される箇所である。
【0090】
図10は図5に示す水洗部の拡大概略断面図である。図10の(a)は水洗部での水洗手段及び水切り手段の配置の一例を示す拡大概略断面図である。図10の(b)は図10の(a)のGで示される部分の拡大概略断面図である。
【0091】
水洗部6bは側壁6b1と底部6b2とを有する箱形構造となっており次の機能を有している。1)水洗手段として、水浸漬槽としても使用でき、2)水洗手段としてスプレー水洗装置による水洗ができ、3)水切り手段としてのガス吹き付け装置よる水切りができ、4)スプレー水洗装置から噴出する水と、ガス吹き付け装置により飛ばされた水とが周囲に飛散するのを防止する機能を有している。
【0092】
水洗部6bを水浸漬槽として使用する場合は、排水管6b5のコック(不図示)を閉め水を溜めることで可能である。水の量は、取り付け部材に配設されたガイド部材802aの最上段が浸漬する位置が好ましく、例えば本図の場合は図中の点線Eで示される位置が好ましい。
【0093】
本発明の無電解メッキ方法において水洗部6bを水浸漬槽として使用する工程としては全ての処理工程の後使用してもよいが、特に無電解メッキ前処理工程である触媒核形成処理槽で処理した後の圧電性基盤のプレ水洗に使用する場合が好ましい。触媒核形成処理槽で処理した直後にスプレー水洗をした場合は、圧電性基盤の表面に付着させた成分が流れ落ちてしまうことがある。これを避けるために、プレ水洗として水浸漬槽による浸漬を行った後、排水管のコック(不図示)を開き水を抜き、スプレー水洗を行うことで防ぐことが可能である。
【0094】
6b3は水洗手段のスプレー水洗装置を示し、取り付け部材の基台801の両面に取り付けられたガイド部材802aに保持されている圧電性基盤9を洗浄するために、両側の側壁6b1に取り付けられている。スプレー水洗装置6b3の数は基台801に取り付けられたガイド部材802aに保持されている圧電性基盤の数に従って決めることが可能である。
【0095】
スプレー水洗装置6b3の配設位置は、予め取り付け部材の基台801に取り付けられたガイド部材802aの位置に合わせ水洗部の側壁6b1に取り付けることが好ましい。本図では両側の側壁6b1にそれぞれ2箇所にスプレー水洗装置6b3を取り付けた場合を示している。
【0096】
6b31は水の供給管を示し、6b32はノズルを示す。水洗時に使用する水の量は、圧電性基盤に設けられた溝部の幅、アスペクト比、本数等により変化かするため、洗浄する圧電性基盤の形状毎に予備実験で決めることが望ましい。水洗時間も水洗水量と同様にして決めることが望ましい。
【0097】
スプレー水洗装置による効果を以下に示す。他の凹凸形状を有する基材の場合も同様である。
【0098】
1)メッキ前処理工程の触媒核形成処理後の水洗が不十分であった場合、触媒凝集物が基材表面に残ったり、一旦取り除いた凝集物が再付着する場合がある。このような状態でメッキ液で無電解メッキ処理した場合は、これら凝集物を核として、イボ状の異常析出物が発生したり、又、凝集物がメッキ被膜の形成が不要とする箇所に付着した場合は凝集物を核としてメッキ被膜の形成がされてしまい不良品を作製してしまう場合がある。
【0099】
スプレー水洗方式を行うことにより、常に新しい水で洗い表面を洗い流すためこれらの触媒凝集物の残存、再付着を防止することが可能となり、安定したメッキ被膜が得られる様になった。
【0100】
2)圧電性基盤に設けられた溝部の内部の洗浄が容易になり、前工程の処理液を次の工程に持ち込むことがなくなり、溝部の内部で部分的な処理液の性能劣化を抑えることが可能となり、安定したメッキ皮膜の形成を行うことが可能となった。
【0101】
3)水洗効率がよくなるため使用する水量を減らすことが可能となり、排水処理負荷の低下を含めコスト低減が可能になった。
【0102】
6b4は水切り手段としてのガス吹き付け装置を示す。ガス吹き付け装置6b4は基台801の両面のガイド部材に保持されている圧電性基盤9が洗浄された後、付着している水の水切りを行うために両側の側壁6b1に取り付けられいる。ガス吹き付け装置6b4の数は基台801の両面のガイド部材に保持されている圧電性基盤の数に従って決めることが可能である。
【0103】
ガス吹き付け装置6b4の配設位置は、予め取り付け部材の基台801に取り付けられたガイド部材802aの位置に合わせ水洗部の側壁6b1に取り付けることが好ましい。本図では両側の側壁6b1にそれぞれ2箇所にガス吹き付け装置6b4を取り付けた場合を示している。
【0104】
6b41はガスの供給管を示し、6b42はノズルを示す。ガス吹き付けによる圧電性基盤に付着した水の水切りは、大部分の水を除去しながら完全には乾かない状態を作れる為、有利である。圧電性基盤が完全に乾いてしまうと、メッキ液を含めた処理液に圧電性基盤を浸漬した際、特に溝部で表面がメッキ液に濡れずに気泡付着の状態になる場合がある。水切りの状態は圧電性基盤に付着した水の大部分を除去し且つ圧電性基盤の表面は完全に乾いておらず、特に溝部の表面には1〜2μmの水の薄膜が残っている状態が好ましい。このような状態にするためには、水除去時に使用するガスの量は、圧電性基盤に設けられた溝部の幅、アスペクト比、本数等により変化するため、圧電性基盤の形状毎に予備実験で決めることが望ましい。水除去時間もガスの量と同様にして決めることが望ましい。使用するガスは空気、チッソガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が好ましい。
【0105】
θはガス吹き付け装置6b4のノズル6b42の側壁6b1への取り付け角度を示す。取り付け角度θは45〜85°が好ましい。45°未満の場合は、圧電性基盤への水の吹き付け角度が浅くなり、溝部の形状によっては水切りが不十分となる箇所が出来る場合がある。85°を超えた場合は、ノズルの形状によっては、水が水洗部周辺に飛散する場合がある。
【0106】
尚、スプレー水洗装置からの水洗水及びガス吹き付け装置で除去された水は排水管6b5より排水される様になっている。ガス吹き付け装置による効果を以下に示す。
【0107】
1)メッキ被膜の形成が既に進行した状態でメッキ液が、例えば水で薄まり50%濃度が低下したときはメッキ被膜の形成する速度が濃度低下に応じ50%低下する程度の影響に止まるが、無電解メッキ処理開始直後では、メッキ液の濃度が50%低下したとき、メッキ被膜の形成が止まってしまいその後まったくメッキ被膜が形成されない場合ある。これはメッキ液の濃度が変わってしまった為にメッキ液に含まれる安定剤成分である金属類が本来析出するべき金属に優先し析出しメッキ被膜の形成を止めてしまうと考えられ、メッキ被膜の形成開始直後の圧電性基盤に接液するメッキ液の濃度はメッキ被膜の形成に重要な影響を与えるのでメッキ液の濃度は一定であることが好ましい。
【0108】
ガス吹き付け装置による水切りで、圧電性基盤に付着している水の除去が容易になり、次の工程に圧電性基盤を移動するとき、持ち込まれる水の量を無視する程度になり、メッキ液の濃度が安定化し、安定したメッキ皮膜を得ることが可能となった。
【0109】
2)圧電性基盤に設けられた複数の溝部の内部の水の除去が均一に行われる様になり部分的に水が残らなくなったため、メッキ液に圧電性基盤を浸漬したとき、溝部の内部とメッキ液との接液が均一になるため安定したメッキ皮膜が得られることが可能となった。
【0110】
3)圧電性基盤に付着している水の除去が容易になるため、従来の様に水切りに時間を必要としないため次の工程に移動する時間が早くなり、生産効率を上げることが可能となった。
【0111】
本図に示される水洗部6bでのロボットの第3移動手段による取り付け部材8の昇降動作は次の様にすることが好ましい。
【0112】
水洗部を水浸漬槽として使用する場合は、触媒核形成処理槽で処理した後、ロボットの第3移動手段により取り付け部材8を瞬間最大昇降速度が30〜90cm/secで浸漬させた後に水を抜く。尚、浸漬する時間は凹凸形状を有する基材の大きさ、数等で異なるため予め予備実験で浸漬する時間を決めることが望ましい。本図に示される様な4つの圧電性基盤の場合は60秒浸漬した後、水を抜くことが好ましい。
【0113】
ロボットの第3移動手段による取り付け部材8を浸漬する場合、後のスプレー水洗をすぐに行うことができるように、予めガイド部材に保持されている圧電性基盤がスプレー水洗装置の位置になるように制御して昇降することが好ましい。この後、スプレー水洗を行う場合は、取り付け部材8のガイド部材802aに保持されている圧電性基盤9の位置を変えずにスプレー水洗を行ってもよく、又、ロボットにより取り付け部材8を除々に上方に移動しながら行ってもかまわない。
【0114】
スプレー水洗後に行うガス吹き付けを行う場合も、スプレー水洗と同様に取り付け部材8のガイド部材802aに保持されている圧電性基盤9の位置を変えずにガス吹き付けを行ってもよく、又、ロボットにより取り付け部材8を除々に上方に移動しながら行ってもかまわない。尚、スプレー水洗及びガス吹き付け時の上方への移動速度はガイド部材802aに保持されている圧電性基盤9の数、形等により異なるため、予め予備実験で確認してからきめることが望ましい。
【0115】
次に図5に示す無電解メッキ装置を用いて図2に示す圧電性基盤を作製する方法について段階的に説明する。
【0116】
1)一方が開口し、他方が閉鎖されている溝と、溝につながる平面を有するPZTで作られた圧電性基盤に図3に示す様に、印加用電極を形成する部分と印加用電極につながる配線用電極を形成する部分を残してフォトレジストパターンを形成する。
【0117】
2)エッチング処理槽、触媒核形成処理槽、無電解メッキ処理槽及びフォトレジストパターン除去処理槽に指定の処理液を入れ、処理液を循環しながら設定温度にする。温度及び循環量の設定は各処理液に配設された温度調整装置及び循環装置により行われる。
【0118】
3)水洗部のスプレー装置の水量の調節、ガス吹き付け装置のガスの噴出量の調節を行う。
【0119】
4)フォトレジストパターンが形成された圧電性基盤を、取り付け部材に図9に示す様に保持させる。
【0120】
5)ロボットを駆動させる。尚、ロボットは予め処理の順番、処理時間、各処理槽での圧電性基盤の昇降回数及び昇降速度が組み込まれコンピュータ制御で駆動するようになっている。
【0121】
6)第一処理槽としてエッチング処理槽にフォトレジストパターンが形成された圧電性基盤を浸漬する。このエッチング処理槽では印加用電極と配線用電極とを形成する箇所(露出された溝の側壁および溝につながる平面の一部に触媒核を形成し易くするために、酸性フッ化アンモニウム、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸等の0.5%水溶液に漬けてPZTで作製された圧電性基盤の表面をエッチングする。
【0122】
7)規定の時間のエッチング処理が終了した後、ロボットによりエッチング処理槽より圧電性基盤が引き上げられ、水洗部に移動し、圧電性基盤をスプレー水洗装置の位置まで降ろす。この後、スプレー水洗を行った後、圧電性基盤をガス吹き付け装置の位置まで引き上げ、ガスを噴出し付着している水の水切りを行う。
【0123】
8)水洗部に規定量の水を入れ、水浸漬槽とする。
9)この後、ロボットにより圧電性基盤を触媒核形成処理槽に移動する。触媒核形成処理槽では、塩化第1錫(SnCl2)と塩化パラジウム(PdCl2)を吸着させて、SnCl2+PdCl2→Pd+SnCl4の反応によりメッキ被膜を形成し易くするための触媒である金属パラジウムPdを生成させる。
【0124】
10)規定の時間で処理が終了した後、ロボットにより触媒核形成処理槽より圧電性基盤が引き上げられ、水洗部に移動し水浸漬槽に1分間浸漬する。浸漬している時間は30秒〜2分間を目途に適宜決めることが可能である。浸漬時間に到達した後、水を抜き、スプレー水洗を行った後、圧電性基盤をガス吹き付け装置の位置まで引き上げ、ガスを噴出し水切りを行う。
【0125】
11)この後、ロボットにより圧電性基盤を無電解メッキ処理槽に移動する。無電解メッキ処理槽では、溝部に印加用電極と溝部につながる平面に配線用電極が形成される。
【0126】
12)規定の時間の無電解メッキ処理が終了した後、ロボットにより無電解メッキ処理槽より圧電性基盤が引き上げられ、水洗部に移動し、圧電性基盤をスプレー水洗装置の位置まで降ろす。この後、スプレー水洗を行った後、圧電性基盤をガス吹き付け装置の位置まで引き上げ、ガスを噴出し付着している水の水切りを行う。
【0127】
13)この後、ロボットにより圧電性基盤をフォトレジストパターン除去処理槽に移動する。フォトレジストパターン除去処理槽では、アルカリ性溶液によりフォトレジストパターンが剥離除去され、図2に示すような溝部に印加用電極と溝部につながる平面の一部に配線用電極が形成された圧電性基盤が得られる。
【0128】
14)規定の時間のフォトレジストパターン除去処理が終了した後、ロボットによりフォトレジストパターン除去処理槽より圧電性基盤が引き上げられ、水洗部に移動し、圧電性基盤をスプレー水洗装置の位置まで降ろす。この後、スプレー水洗を行った後、圧電性基盤をガス吹き付け装置の位置まで引き上げ、ガスを噴出し付着している水の水切りを行う。
【0129】
1)〜14)の工程を経て図2に示すような溝部に印加用電極と溝部につながる平面の一部に配線用電極が安定に形成された圧電性基盤が作製される。
【0130】
以上、本発明に係る凹凸形状を有する基材の一例として圧電性基盤を用いて本発明の無電解メッキ処理装置および無電解メッキ処理装置を使用した無電解メッキ処理方法につき説明してきたが圧電性基盤により得られた効果は、他の凹凸形状を有する基材に対しても当然当てはめることが可能である。
【0131】
本発明に使用するメッキ液は市販されているメッキ液を含め特に限定は無く使用することが可能であり、形成されるメッキ被膜としては、例えばニッケル、銅、スズ、金、コバルト、ニッケル・リン、銅・ホウソ、ニッケル・ホウソ、銅・リン等が挙げられる。これらのメッキ被膜は、目的により適宜選択して使用することができる。
【0132】
図2に示される剪断モード型インクジェットヘッド用圧電性基盤の場合の特に好ましいメッキ被膜としては、ニッケル・ホウソ被膜が挙げられる。
【0133】
剪断モード型インクジェットヘッド用の圧電性基盤にニッケル・ホウソメッキ記録用紙被膜を形成する場合のメッキ液としては、例えば奥野製薬(株)製 トップケミアロイ、上村工業(株)製 BEL801、(株)ワールドメタル製 ニボロン70、ニボロン5等が挙げられる。
【0134】
【発明の効果】
凹凸部を有する基材に対して安定したメッキ被膜の形成が容易な無電解メッキ装置及びこれらの装置を使用した無電解メッキ方法を提供することができ、工程稼働率をあげることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部破断面を有する剪断モード型インクジェットヘッドの一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示される圧電性基盤の概略図である。
【図3】フォトレジストパターンを形成した圧電性基盤の概略斜視図である。
【図4】記録用紙フォトレジストパターンを剥離した後の圧電性基盤の概略斜視図である。
【図5】無電解メッキ装置の一例を示す概略斜視図である。
【図6】図5で示される無電解メッキ装置の概略平面図である。
【図7】図5で示されるロボットの配設位置を変えた一例を示す概略斜視図である。
【図8】図5で示される把持部の拡大概略断面図である。
【図9】取り付け部材の概略図である。
【図10】図5に示す水洗部の拡大概略断面図である。
【符号の説明】
1 剪断モード型インクジェットヘッド
2、9 圧電性基盤
203、203a、203b 溝部
205 平面
206 印加用電極
207 配線用電極
208 フォトレジストパターン
3 天板
4 ノズル板
5 無電解メッキ装置
6a 処理部
6a1 エッチング処理槽
6a2 触媒核形成処理槽
6a3 無電解メッキ処理槽
6a4 フォトレジストパターン除去処理槽
6b 水洗部
6b3 スプレー水洗装置
6b31、6b41 供給管
6b32、6b42 ノズル
6b4 ガス吹き付け装置
7 ロボット
701 第1移動手段
702 第2移動手段
703 第3移動手段
703d 把持部
8 圧電性基盤取り付け部材
θ 取り付け角度

Claims (9)

  1. 少なくとも一つの凹凸形状を有する基材に金属メッキ被膜の形成を行う処理部と水洗部と前記基材の前記処理部及び前記水洗部への移動を行う自動搬送手段とを有する無電解メッキ装置において、前記処理部複数の処理槽を有し、前記水洗部水洗手段と水切り手段とを有し、前記自動搬送手段は前記基材の取り付け部材を有し、前記取り付け部材は取り付け基台を有し、前記取り付け基台は、前記取り付け基台の面に対して直交する面を有する側壁と、前記取り付け基台の面に対して平行な面を有する側壁と、底部とを有する一対のガイド部材を、前記基材を保持したときに前記取り付け基台の短辺とが平行になるように前記取り付け基台の両面に有し、前記処理部から前記水洗部及び前記水洗部から前記処理部へ前記基材の移動を前記自動搬送手段で行うことを特徴とする無電解メッキ装置。
  2. 前記水洗手段がスプレー水洗装置であることを特徴とする請求項1に記載の無電解メッキ装置。
  3. 前記水洗手段がスプレー水洗装置と水浸漬槽とであることを特徴とする請求項1に記載の無電解メッキ装置。
  4. 前記水切り手段がガス吹き付け装置であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
  5. 前記水洗部が一つのみ配設されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
  6. 前記自動搬送手段が3次元ロボットであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
  7. 前記自動搬送手段は、複数の処理槽と水洗部とで基材を最大瞬間昇降速度30〜90cm/secで少なくとも1回昇降させることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
  8. 前記基材は、幅が10〜300μm、アスペクト比が3〜10の溝部を有する剪断モード型インクジェットヘッド用の圧電性基盤であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の無電解メッキ装置。
  9. 少なくとも一つの凹凸形状を有する基材に金属メッキ被膜の形成を行う複数の処理槽を有する処理部と水洗部と前記処理部及び前記水洗部へ前記基材の移動を行う自動搬送手段とを有する無電解メッキ装置を用いて、前記基材に前記金属メッキ被膜の形成を行う無電解メッキ方法において、前記無電解メッキ装置は請求項1〜8の何れか1項に記載の無電解メッキ装置であることを特徴とする無電解メッキ方法。
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