JP4114252B2 - 点火時にハート型の炎を発生する花火付き蝋燭 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結婚披露宴で行われるキャンドルサービス、誕生日パーティ、ホームパーティ、各種コンサート、イベント産業、放送、宣伝媒体等においての演出効果に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の直立された蝋燭の芯に着火した場合においては、蝋燭の炎はその先端から上部方向へ燃焼する形状であった。
【０００３】
また、花火付きローソクが燃焼する場合においても、その芯の先端から上部方向へ燃焼する炎の形状であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来の蝋燭において、その炎の形状に特定な変化をもたらすことは考えにくく、また従来の主に火花を飛散させ鑑賞する目的の蝋燭花火の成分組成においても、蝋燭の炎の形状に特定な変化をもたらせることは難しく、また本来の竹、針金等の軸に火薬を付着させた単純なその火薬形状からも、炎の燃焼状況にハート型の形状をもたらすエネルギーを得るには問題があった。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、火薬の総量に対する酸化剤である主成分の配合比率と、その他の含有する成分が燃焼時に発生するガスに与える影響を調整して各々の配合比率を確定し、蝋燭の芯の炎がハート型を形成するのに適切な火薬のエネルギー量を得る事が好ましい。
【０００６】
また、火薬の形状はその燃焼時に発せられるエネルギーの噴出する位置、角度、方向が蝋燭の芯の炎をハート型にする為の設計構造とする事が好ましい。
【０００７】
さらに、火薬に色火剤を配合して独自の色火をもたせ、主に山吹色である芯の炎と、火薬の色火との間に色彩的な対比をもたせ、ハートの形状が明確に認識できるようにする方法がある。
【０００８】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
火薬の主成分である酸化剤は燃焼時にガスを多量に噴出する過塩素酸アンモニウムとし、その量は芯の燃焼に圧力を与えハートの形状を得るための適切なエネルギー量である可燃剤量の６．７倍とし、また火花剤は芯の炎がハート型を形成するのに妨げとなる炎の輪郭付近で飛散後に火花となるものを避けるため、粒子の選別が確実に行われるチタニウム粉末とし、炎の内側及び外側付近で火花となりハート型を形成した炎の視覚の上での妨げとなる１００メッシュ以上をカットして炎を明確に視覚にとらえることができるようにし、図７においての鑑賞に必要な火花８として７０メッシュから９０メッシュ範囲以内を酸化剤量の６％量を含有させ、さらにハート型の炎７となる芯の燃焼色である山吹色と対比するように、色火９となる成分に青光を発する酸化銅を酸化剤量の４％量を配合させた。
【０００９】
図４に示される実施例では、火薬の形状は蝋燭５本体から突出させた芯１を中心軸としてほぼ円形２に左右対称に広げて成形し、蝋燭本体から突出させた蝋燭の芯の先端２１に点火した炎が火薬部分に移り、芯を中心として左右方向１１、１２に同時に分散しながら燃焼を開始し、図６で示した火薬の形状を経て燃焼してゆくが、この火薬の配合組成の特性により二方向に分散２２、２３した燃焼面から発生する火薬のエネルギーが各々の燃焼面からほぼ垂直に噴出を開始し、それらの中心に位置する芯の炎がハート型を形成する為に必要なエネルギーが与えられるようにする。
【００１０】
図４においての、火薬構造の側面にあたるほぼ円形である火薬面２の半径は、図８においての、ハート型の中心点（Ａ点）から二方向に出た線が作る角度の大小を決定するため、平均的なハート型に必要な角度９０°を求めるために必要な半径を６ｍｍと設定した。
【００１１】
また図５に示したこの火薬構造の正面にあたる火薬面３の幅は、図８においてのハート型の中心点（Ａ点）から左右の最上部にあたる部分（Ｂ、Ｃ点）に向かう曲線部分１３、１４と左右の最上部にあたる部分（Ｂ、Ｃ点）から互いに交差する部分（Ｄ点）にあたる曲線部分１５、１６の各々を決定するため、ハート型の曲線に最も近い半径の約３４％にあたる２ｍｍに設定し、図４においての、ほぼ円形である火薬面２の全長が燃焼時間に相当するため１２ｍｍとしハート型の炎が形成されて消滅するまでの時間を９秒間に設定した。
【００１２】
０００９、００１０、００１１で示した数値の火薬構造により、図５においての正面にあたる火薬面３側とその裏面側から見た場合にハート型を形成した炎を見ることができる。
【００１３】
図９で示される実施例では、円形部分の火薬構造を繰り返す１７、１８、１９ことにより他方向からもハート型の炎を見ることができ、またそれらは何度でも繰り返せることができる。
【００１４】
さらに、ハート型の炎が終了して通常の蝋燭の燃焼に戻る調整部分４を設け全ての火薬の燃焼が円滑に終了するようにする。
【００１５】
【発明の効果】
先端から突出した芯に付着させ固形化した火薬が仕込まれた蝋燭を、床面より垂直に直立させ、その火薬の先から突出した芯の先端部に点火すると、芯の炎は火薬に導火し、さらに二方向に分散され各々の燃焼面を形成し、その面から発せられる燃焼エネルギーが芯の炎に加えられると、その炎は中央上部部分の分散を開始して直後に完全なハート型の形状を形成した。
【００１６】
また、ハート型の形状を形成する炎の色彩は通常の火薬を伴わない燃焼状態と同等の朱色であったが、火薬成分に含まれる酸化銅により発生した青色の色火がハート型の炎周辺に発生し、青色の背景色の中で朱色のハート型の形状となった炎は明確に認識できた。
【図面の簡単な説明】
【図１】火薬側面の立体図である。
【図２】火薬正面の断面図である。
【図３】火薬側面の断面図である。
【図４】火薬の側面図である。
【図５】火薬の正面図である。
【図６】火薬の燃焼過程で一部火薬が消費された形状の側面図である。
【図７】蝋燭の炎がハート型の形状になった正面図である。
【図８】ハート型の平面図である。
【図９】円形部分の火薬構造を繰り返す立面図である。
【符号の説明】
１ 蝋燭の芯
２ ほぼ円形の火薬部分
３ ほぼ円形の火薬部分を正面から見たところ
４ 蝋燭の燃焼に戻る調整火薬部分
５ 蝋燭
６ 分散された燃焼面を形成した火薬の燃焼過程部分
７ ハート型の形状を形成した炎
８ 火花
９ ハート型の炎周辺に発生した火薬による青色の色火
１０ 火薬全体
１１、１２ 火薬が分散されて燃焼する面
１３、１４ ハート型を形成する上部曲線部分
１５、１６ ハート型を形成する下部曲線部分
１７、１８、１９ 各々正面の方向を変えた連続するほぼ円形の火薬部分
２１ 芯の先端である着火部分

Claims (1)

1. 可燃剤量を１の量として、可燃剤量の６．７倍量の過塩素酸アンモニウムを酸化剤とし、また酸化剤量の６％量の７０メッシュから９０メッシュ範囲以内のチタニュウム、さらに酸化剤量の４％量の酸化銅を用いた火薬を、蝋燭の芯を中心に半径６ｍｍ、厚さ２ｍｍのほぼ円形状に付着（２）させ、火薬配合組成の特性によって芯（２１）の先端から導火し２方向に分散された左右それぞれの燃焼面（２２）、（２３）から垂直に発する火薬エネルギーにより、同時に燃焼する芯の炎の形状をハート型（７）に変化させる花火付き蝋燭。

Images