JP4114217B2 - 水系防錆塗料用共重合体ラテックス及びそれを用いた防錆方法 - Google Patents

水系防錆塗料用共重合体ラテックス及びそれを用いた防錆方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼材面に対して優れた防錆性を有し、密着性が良好で、且つ耐ブロッキング性に優れた水系防錆塗料用に好適な共重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保全の観点から、各種塗料においては、溶剤系塗料から水系塗料への移行が急速に進んでいる。しかし、従来の水系防錆塗料は、溶剤系防錆塗料に比べて塗料の密着性が劣り、防錆性の問題が指摘されていた。また、密着性を改善させた場合は、鋼材などを積み重ねたときに接触面がブロッキングするなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水系防錆塗料に適用したときに、良好な密着性、防錆性を有し、且つ耐ブロッキング性に優れた塗膜を与えることができる水系防錆塗料用共重合体ラテックスを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、αメチルスチレンダイマーの存在下で、(a)脂肪族共役ジエン系単量体1〜50重量%、(b)アクリルアミド系単量体0.05〜10重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.05〜10重量%、および(d)これら単量体と共重合可能な他のビニル系単量体30〜98.9重量%(ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、共重合体のガラス転移温度(Tg)が0〜70℃であることを特徴とする水系防錆塗料用共重合体ラテックスが提供されて、本発明の上記目的が達成される。以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目的、利点および効果が明らかとなるであろう。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の水系塗料用共重合体ラテックス(以下、「共重合体ラテックス」という場合がある)を乳化重合により製造する際の共重合成分である(a)脂肪族共役ジエン系単量体、(b)アクリルアミド系単量体、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体、(d)これらと共重合可能な他のビニル系単量体について説明する。なお、本明細書では、各々「単量体(a)」、「単量体(b)」、「単量体(c)」、「単量体(d)」という場合がある。
【0006】
(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、特に好ましくは1,3−ブタジエンである。
これらの単量体(a)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかる単量体(a)は、得られる共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、塗膜の耐クラック性を付与する成分であり、その使用量は全共重合成分の1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。単量体(a)が上記範囲であることにより、共重合体が適度な柔軟性および伸びを有し、得られる塗膜が耐クラック性および耐ブロッキング性に優れる結果となる。
【0007】
(b)アクリルアミド系化合物としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられるが、特に好ましくはアクリルアミドである。これら単量体(b)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかる単量体(b)は、得られる共重合体に適度な剛性を与え、水系塗料としたときに良好な粘性と耐ブロッキング性を付与し、その使用量は全共重合成分の0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。
単量体(b)の割合が上記範囲であることにより、水系塗料としたときの粘性が良好となり塗布などの作業性に優れると共に、得られる塗膜の耐ブロッキング性に優れる結果となる。
【0008】
(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。これらの単量体(c)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかる単量体(c)は本発明の共重合体ラテックスの安定性の向上に寄与し、その使用量は共重合体の全共重合成分の0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%である。
単量体(c)の割合が上記範囲であることにより、共重合体ラテックスの機械的安定性が良好に維持され、塗料としたとき、安定性に優れると共に、共重合体ラテックスの粘度が適切で、その取り扱いが容易である。
【0009】
(d)以上の単量体と共重合可能な他のビニル系単量体としては、例えば芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニルなどが挙げられる。
このうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、pーメチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このうち特にメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
さらに、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、このうち特にアクリロニトリルが好ましい。
これら(d)共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0010】
単量体(d)は、単量体(a)、(b)および(c)の種類および使用量とを組み合わせて、その種類および使用量を選択することにより、共重合体の物性、例えばガラス転移点、その他共重合体の機械的性質を調製することができる。
単量体(d)の使用量は、共重合体の全共重合成分の30〜98.9重量%、好ましくは45〜90重量%、さらに好ましくは50〜85重量%である。
単量体(d)の使用量を上記範囲から選択することにより、本発明の共重合体ラテックスを用いた水系塗料の塗膜の耐ブロッキング性および耐クラック性を高水準に維持することができる。
【0011】
本発明の共重合体ラテックスの粘度を適度な範囲に維持して取り扱いを容易とし、且つ塗膜の密着性を向上させる観点から、ラテックス中の共重合体の平均粒子径は、好ましくは50〜500nm、さらに好ましくは120〜300nm、特に好ましくは150〜270nmに調整される。なお、上記平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
ラテックス中の共重合体の平均粒子径を上記範囲とするには、乳化剤及と重合開始剤の種類と量、重合温度、攪拌速度等を適宜調整することによって行うことができる。
【0012】
また、上記共重合体のガラス転移温度は、0〜70℃、好ましくは5〜60℃である。ガラス転移温度を上記範囲に設定することにより、塗膜の耐ブロッキング性および耐クラック性を高水準とすることができる。
また、上記共重合体のトルエン不溶分は、水系塗料の造膜性の観点から、好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは5〜80重量%である。
本発明のラテックス共重合体の共重合体が、ガラス転移点に関する上記特定およびトルエン不溶分に関する上記特定を充足するようにするには、基本的には、実際に採用される前記単量体(a)、(b)、(c)および(d)の種類に応じて、前記で特定された範囲内で各単量体の使用量を選択すると共に、上記共重合体ラテックスを製造する後記方法において、添加される連鎖移動剤の量などを選択して分子量を調節することにより行うことができる。勿論、共重合体の物性に影響を与える因子は、反応装置、重合方法、その他諸々の重合条件があるが、これらが一定となれば、適宜実験を行うことにより各単量体の量および連鎖移動剤の量を容易に選択することができる。
【0013】
以上の組成および物性を有する共重合体を含有するラテックスは、上記単量体(a)、(b)、(c)および(d)を水系媒体中、ラジカル重合開始剤の存在下に乳化重合することによって製造することができる。この際、本発明では、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを用いて、共重合体の分子量調節を行う。
連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを用いることにより、共重合体ラテックスの安定性が向上して、スプレイ塗工性が優れ、塗工の際の操作性及び生産性が改善されると共に塗膜の密着性、防錆性等の塗膜特性が優れる結果となる。
【0014】
連鎖移動剤としてのα−メチルスチレンダイマーは、それ自体公知の物質であり、例えば酸触媒の存在下にα−メチルスチレンをダイマー化することにより下記の異性体の混合物として得られる。
(i)2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
(ii)2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン
(iii)1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダン
上記の3種類の異性体のうち、(i)のα−メチルスチレンダイマーが最も好ましいが、他の異性体も使用することができる。また、オリゴマー化後、精製が行われていないこれら異性体の混合物であってもよい。
好ましい混合物として、異性体(i)が40重量%以上、異性体(ii)と異性体(iii)の合計量が60重量%以下のもの、より好ましい混合物として、異性体(i)が60重量%以上、異性体(ii)と異性体(iii)の合計量が40重量%以下のもの、特に好ましい混合物として、異性体(i)が70重量%以上、異性体(ii)と異性体(iii)の合計量が40重量%以下のものを挙げることができる。
α−メチルスチレンダイマー中には、本発明の目的の達成を妨げない程度に少量の不純物、例えば未反応α−メチルスチレン、上記3種類以外のα−メチルスチレンのオリゴマーまたはポリマーを含有していてもよい。
【0015】
本発明では、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーと共に、そのほかの連鎖移動剤を併用することができる。併用することができる連鎖移動剤としては、四塩化炭素、クロロホルム、四臭化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィドなどのキサントゲン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;その他、アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、ターピノーレン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなど通常の乳化重合で使用可能なものを挙げることができるが、好ましくはメルカプタン類、ターピノーレンである。
使用される連鎖移動剤合計量中、α−メチルスチレンダイマーの量は、通常20〜100重量%、好ましくは30〜100重量%である。α−メチルスチレンダイマー以外の連鎖移動剤を併用することで、連鎖移動効果、重合反応性が向上する。α−メチルスチレンダイマー以外の連鎖移動剤を併用する場合には、α−メチルスチレンダイマーの量は、連鎖移動剤の総合計量に対して30〜95重量%、特には30〜85重量%であることが好ましい。
また、連鎖移動剤の合計量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部である。
【0016】
本発明で使用される単量体を乳化重合して共重合体ラテックスを製造するに際しては、公知の方法で水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、上記分子量調節剤などを用いて製造することができる。
ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としては、アミン塩、第4級アンモニュウム塩をもつものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチジル(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
【0017】
重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニュウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重合開始剤、および還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが、それぞれ単独あるいは組み合わせで使用できる。
【0018】
重合方法としては、例えば単量体混合物を全量一括で仕込み重合する方法、単量体混合物の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、あるいは単量体混合物を重合の始めから連続的に添加する方法、あるいはシード粒子を用いる方法などを採ることができる。
重合温度は、通常20〜85℃、好ましくは20〜80℃、重合時間は、通常10〜30時間である。
【0019】
本発明の共重合体ラテックスは、水系塗料、特に水系防錆塗料に好適に用いることができる。本発明の共重合体ラテックスの使用割合は、通常、塗料配合中の20〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であるが、要求される性能によってはこの使用割合に限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。
〔実施例1〜3、比較例1〜3〕
(共重合体ラテックス)
単量体組成および連鎖移動剤の量を表1に示す通りとし、内容積100リットルのオートクレーブを用いて、通常の乳化重合法により、各共重合体ラテックスを製造した。
得られた各共重合体ラテックスおよび共重合体の性状は、次のようにして測定した。
(1)粒子径
大塚電子(株)製レーザー粒径解析システムLPA−3100を用い、動的光散乱法による平均粒子径を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
各共重合体ラテックスから形成した乾燥フイルムを示差走査熱量計(セイコウ電子工業(株)製DSC5200)を用い、ASTM D34−18−75法に準じて測定した。
(3)トルエン不溶解分
各共重合体ラテックスから形成した乾燥フイルム(aミリグラム)を、攪拌下で、50℃のトルエン100ミリリットル中に2時間浸漬した後、NO.2濾紙でろ過した。次いでろ液の一部(cミリリットル)を正確に分取して、蒸発乾固させ、得られた残存固形分(bミリグラム)を精密天秤で秤量し、下記式により測定した。
トルエン不溶解分(%)={〔(a−b)×(100/c)〕/a}×100
【0021】
(塗料用配合)
各共重合体ラテックスを用いて、下記の処方により塗料組成物を調製した。
各共重合体ラテックス(固形分換算) 40.0部
酸化チタン 14.0部
リン酸亜鉛 4.0部
タルク 41.8部
消泡剤 0.1部
分散剤 0.1部
増粘剤 塗料粘度が3,000mPa Sとなるように適当量を添加
水 塗料固形分が60%となるように適当量を添加
【0022】
(塗料の性能試験)
塗装基材は、磨き軟鋼板を使用し、塗装膜厚は、20μmとして、各塗料組成物の試験を行った。
(4)密着性
試験片をJIS K5400 6.15に準拠し、テープ剥離法(2mmクロスカット)で3回測定して平均値を求めた。10点法で評価点数の大きい方が密着性が良好である。
(5)塩水噴霧試験
試験片をJIS K5400 7.8に準拠し、塗装板の上半分をクロスカットし、120時間塩水噴霧し、防錆性を以下に示す方法で判定した。
○:カット部の錆の発生幅が片側2mm以内
△: 〃 3〜5mm
×: 〃 5mm以上
(6)耐ブロッキング試験
塗装面を合致させた試験片2枚を、温度50℃、荷重500g/cm2の条件で1時間保持した時の、塗装面の耐ブロッキング性を以下に示す方法で判定した。
○:ブロッキング面積が全面積の5%以内
△: 〃 5〜30%
×: 〃 30%以上
【0023】
(評価結果)
以上の結果を、表1にまとめて示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004114217
【0025】
表1に示される結果から、以下のことが結論される。
本発明の共重合体ラテックスは、水系防錆塗料としたときに、良好な密着性、防錆性を示し、且つ耐ブロッキング性が優れていた。
これに対して、比較例1は、α−メチルスチレンダイマーを使用しない例であり、密着性および防錆性が劣っていた。また、共重合体ラテックスの安定性が劣っていた。
比較例2は、脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合が本発明範囲の上限を超えるもので共重合体ラテックスのガラス転移点が低く過ぎるため、耐ブロッキング性が劣っていた。
さらに比較例3は、アクリルアミド系化合物が含まれていない例であり、密着性、防錆性および耐ブロッキング性が劣っていた。
【0026】
【発明の効果】
本発明の共重合体ラテックスは、水系防錆塗料としたときに、鉄鋼材面に対して優れた防錆性を有し、密着性が良好で、且つ耐ブロッキング性が優れている。従って、本発明の共重合体ラテックスは、近年の水系塗料への移行に合致したものであり、防錆塗料のみならず、他の一般水系塗料への展開を可能にするものであり、地球環境の向上に奇与するところが大である。

Claims (3)

  1. αメチルスチレンダイマーの存在下で、(a)脂肪族共役ジエン系単量体1〜50重量%、(b)アクリルアミド系単量体0.05〜10重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.05〜10重量%、および(d)これら単量体と共重合可能な他のビニル系単量体30〜98.9重量%(ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、共重合体のガラス転移温度(Tg)が0〜70℃であることを特徴とする水系防錆塗料用共重合体ラテックス。
  2. α−メチルスチレンダイマーの存在下で、(a)脂肪族共役ジエン系単量体1〜50重量%、(b)アクリルアミド系単量体0.05〜10重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.05〜10重量%、および(d)これら単量体と共重合可能な他のビニル系単量体30〜98.9重量%(ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である。)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、共重合体のガラス転移温度(Tg)が0〜70℃である水系防錆塗料用共重合体ラテックスを調製した後、該水系防錆塗料用共重合体ラテックスを鉄鋼材面に塗布して、該鉄鋼材面に防錆用の塗膜を与えることを特徴とする鉄鋼材面の防錆方法。
  3. α−メチルスチレンダイマーの存在下で、(a)脂肪族共役ジエン系単量体1〜50重量%、(b)アクリルアミド系単量体0.05〜10重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.05〜10重量%、および(d)これら単量体と共重合可能な他のビニル系単量体30〜98.9重量%(ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である。)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、共重合体のガラス転移温度(Tg)が0〜70℃である水系防錆塗料用共重合体ラテックスを、鉄鋼材面に塗布し、防錆用の塗膜を形成させてなることを特徴とする鉄鋼材と防錆用の塗膜との積層体。
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