JP4113932B2 - 統計多重装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、統計多重装置に関し、特にATM(Asynchronous Transfer Mode)、フレームリレー、パケット交換というような統計多重型ネットワークを挟んで入力側装置と出力側装置とを備えたパケットフォーマットの変換装置(PAD:Packet Assembly/Disassembly(パケット分解/組立装置)、FRAD:Frame Assembly/Disassembly(フレーム分解/組立装置)、CLAD:Cell Assembly/Disassembly(セル分解/組立装置)等)に適用でき、また、TCP/IP等、原理的に統計多重の仕組を持つデータネットワーク全般に応用可能な統計多重装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の統計多重装置は、図7に示す3つの方式の内のいずれかを実装している。
(1)フルストア型(同図(1)):統計多重型ネットワーク1の入力側装置2は、入力側データパケットの到着を待ち、データフレーム分完全にバッファリングした後、1つ以上の網内のパケットフォーマットに変換する。出力側装置3は、全てのパケットの到着を待ち、データパケットを組立てた後、端末(図示せず)へ出力する。
【0003】
(2)セミストア型(同図(2)):統計多重型ネットワーク1の入力側装置2は、入力側データパケットの到着をデータフレーム分完全に待たずに、1つの網内パケットサイズ分のデータが到着した時点で、その分を網内のパケットフォーマットに変換してネットワーク1内に送出する。さらにデータパケットが到着したら、第2パケット目に変換して逐次送出する。出力側装置3は、全てのパケットの到着を待ち、データパケットを組立てて出力する。従って、このセミストア型はフルストア型と入力側装置においてのみ異なる。
【0004】
(3)カットスルー型(同図(3)):統計多重型ネットワーク1の機能により、入力から出力までの遅延ゆらぎ時間の最大値が保障されている場合、セミストア型において、出力側装置3は、全てのパケットの到着を待たずに、一定の最大遅延ゆらぎ時間間隔(T0)分のバッファを介してデータパケットを出力する。
【0005】
ここで、カットスルー型が遅延時間削減に有効であることを、図8に示すATM網における適用例により以下に説明する。
まず、低速側速度をV0(kbps)、ATM中継線速度をV1(Kbps)>V0 、セル(網内フレーム)のペイロードサイズをA(バイト)、ヘッダサイズをB(バイト)、低速側フレームサイズをX=A×N(バイト)とする。この場合、低速側フレームは、N個のセルに分割される。
【0006】
この時の、セミストア型とカットスルー型の伝送時間の差を試算する。ただし、分割のためのオーバーヘッドは無視し、装置や伝送路の遅延は無いものとし、網内の待ち時間(ゆらぎ時間) はセミストア型では無いものとし、さらにカットスルー型では固定遅延時間T0に吸収されるものと仮定する。
【0007】
今、V0=9.6Kbps、V1=156000Kbps、A=48バイト、B=5バイト、X=48×20=960バイト(N=20)と仮定して計算すると、以下のようになる。
例えば、T0=100msとしても、カットスルー型による伝送時間の削減効果は大きいことが分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、フルストア型およびセミストア型では、統計多重型ネットワークを経由させない通信と比較して、2箇所(フルストア型)または1箇所(セミストア型)で完全にバッファリングを必要とするという影響により、2倍以上の遅延時間を生じることになる。
【0009】
また、カットスルー型では、遅延時間の悪化は僅かであるが、統計多重型ネットワークが保証する遅延ゆらぎ時間の最大値を固定的に利用するため、結果としてデータ端末間に提供する遅延時間は大きくなる。すなわち、図8における最大遅延ゆらぎ推定時間(固定待機時間)T0を十分大きく取らなければならない。
【0010】
さらに、一般に、統計多重型ネットワークの中で遅延ゆらぎ時間の保障機能を持つものは例えばCBR(Constant Bit Rate)のATMネットワーク等に限られており(遅延ゆらぎ保障の無い例:IPネットワーク、フレームリレーネットワーク、遅延ゆらぎ保障の無いATMネットワーク)、かかる機能を持つものであっても、その提供コスト(ネットワーク内における影響) は非常に高価であり、統計多重化の大きなメリットである経済性を損なってしまう。
【0011】
一方、メインフレームプロトコル通信では、一般にデータフレーム送信後、相手端末の返信を一定時間の間に受信することを前提としている。そのため、カットスルー型以外を採用すると、遅延時間の増大から通信不能になるケースが多い。従って、ネットワークコストが高いカットスルー型を利用するしか手段が無く、十分な統計多重効果が得られない等の深刻な問題点があった。
【0012】
従って本発明は、統計多重型ネットワークを挟んで同一速度の入力側装置と出力側装置とを備え、該入力側装置が、データフレームを1つ以上のデータパケットに分割して該ネットワークに伝送し、該出力側装置が、該ネットワークからの各データパケットを最大遅延ゆらぎ推定時間間隔だけ遅延させて出力するカットスルー型の統計多重装置において、該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を削減することにより、遅延ゆらぎ保障の無いネットワークにおいても、遅延ゆらぎ時間を網とは独立して管理することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る統計多重装置は、以下の特徴に着目してなされたものである。
▲1▼統計多重型ネットワークでは一般に、適切に設計されている限り、遅延時間や遅延ゆらぎ時間は、統計的に殆ど全ての場合、一定範囲に収まる。すなわち、突出して大きな遅延時間やゆらぎ時間の可能性は小さい。
【0014】
▲2▼端末側伝送制御手順は、データパケットの廃棄や誤りに対して再送手順を備えている場合が多い(そのような手順を前提としても、適用できる範囲は広い) 。また、音声のように、再送手順は無いが極少数のデータパケットの廃棄を許容できるメディアも多い。
【0015】
このため、統計多重型ネットワークにおいて、遅延時間または遅延ゆらぎ時間を統計的に予測し、統計的例外ケースにおいては、正常な出力を行わない方式が、有効に機能する。
このような着目点に基づき、本発明に係る統計多重装置は、出力側装置が、前回のデータフレームにおける各データパケットの理想到着時間間隔に対する遅延ゆらぎ到着時間間隔に基づいて前回のデータフレームの最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を動的に更新すると共に、前回のデータフレームにおける各データパケットの遅延ゆらぎ到着時間間隔の内の最大値と前回の最大遅延ゆらぎ推定時間間隔との加算平均値を求め、該加算平均値を今回のデータフレームの最大遅延ゆらぎ推定時間間隔とする制御部を有する。
【0016】
すなわち、制御部は、最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0を以下のようにして更新(再設定) する。
まず、図1(1)に示す最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0の初期値(十分な遅延余裕を見込んだ値=従来から用いられている固定値)をTstartとし、前回のデータフレームにおける各分割データパケットP1〜P4の理想到着時間間隔αを基準としたときの遅延ゆらぎ時間T1〜T3の内の最大値をTmaxとする。
【0017】
そして、前回の最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0から今回のT0(新)を、以下のように求める。
T0(新)=(T0+Tmax)÷2 (フレームの途中で廃棄されなかった場合:請求項
1(及び2)の発明)、又は
Tstart (フレームの途中で廃棄があった場合:請求項3の発明)
すなわち、T0を低く設定し過ぎたために廃棄が発生した場合は、Tstartに戻し、そうでなければ、T0とTmaxの平均値を取る。従って、廃棄が発生しない場合は、Tmax<T0 となるため、徐々に最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0が小さくなって行く。
【0018】
したがって、制御部は、更新される該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔が最小値以下にならないように設定してもよく(請求項5の発明)、また、1データパケットのみのフレームは廃棄しないようにしてもよい(請求項4の発明)。
請求項2の発明においては、制御部が、該入力側装置から与えられる前回及び今回の各データフレームにおける先頭データパケットの理想到着時刻に対する遅延時間同士間の差分に応じて該遅延ゆらぎ到着時間間隔を補正した後、該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を動的に更新することを特徴としており、端的に言えば、請求項1の発明に加えて先頭パケットの遅延時間を考慮し、入力側装置−出力側装置間の遅延時間を指定可能にしている。
【0019】
この場合、T0の計算手法は請求項1の発明を前提とするが、先頭パケットの装置間の遅延時間(パケットに記録した時刻表示から算出)Xをも考慮する点が異なっている。
すなわち、請求項1の発明では、パケット間の到着時間間隔αに基づいてT0を更新しているので、2番目のパケットから遅延ゆらぎ時間T1〜T3を考慮していることになるが、厳密には1番目のパケット自身にも遅延ゆらぎ時間が発生している筈である。
【0020】
そのため、請求項1の発明では、最悪、1番目のパケットの到着時刻のゆらぎが-T0(早く到着した場合)で、2番目以後のパケットの到着時刻のゆらぎが+T0(遅く到着した場合)というとき、2番目以降のパケットの遅延ゆらぎ時間を、1番目のパケット遅延ゆらぎ時間と合わせて見込んでしまい、本来はゆらぎが+T0であるにも関わらず2倍の遅延ゆらぎ時間(2×T0)を見込むことになり、これに相当する誤差を含むことになる。
【0021】
また、元々のデータフレームが短くて、網内で1パケットのまま伝送する可能性が高い場合、請求項1の発明は1番目のパケットの差分を評価するため、上記の場合には効果が発揮されない。
以上のことから、請求項2の発明は、図1(2)に示す如く、先頭パケットの理想的遅延時間(ゆらぎを含まない到着時刻の推定値)X0も合わせて評価し、このX0を基準として後続のパケットが遅延した時間だけ請求項1の発明における遅延ゆらぎ到着時間間隔を動的に変更することで、上記不具合の解消を図ろうとするものである。
【0022】
まず、X0の評価手法の例を示す。X0は先頭パケット到着時に評価する。
X0(新)= X(初期値は最初のフレームの第1パケットの遅延時間をそのまま
採用する)、又は、
(X0+X)÷2 (最新のXの値を利用して更新する)
T0の評価は請求項1の発明と同様であるが、請求項1の発明が先頭パケットの実際の遅延ゆらぎを含んだ到着時刻を基準にしていたのに対し、請求項2の発明では、最新のX0(先頭パケットの理想的なゆらぎを含まない到着時刻の推定値)を基準にして、各パケットの遅延ゆらぎ時間を決定する。これに基づき、請求項1の発明と同様にして、1フレーム処理後に最大値Tmaxを考慮してT0を更新する。
【0023】
請求項6の発明においては、上記の各発明におけるT0の再評価に過去の遅延ゆらぎ時間の統計情報を利用することができる。
すなわち、過去の遅延ゆらぎ時間Tの記録を統計情報として保持しておき、T0の更新時において、統計理論を利用した予測評価が可能になる。
【0024】
これは、遅延ゆらぎ値は統計的に正規分布で近似される特性があることが知られており、遅延ゆらぎ時間Tの統計情報から、正規分布モデルに従い、遅延ゆらぎ時間T<T0である確率が高く、例えば99%である最小値のT0を算出する。ただし、T0>Tstartなら、T0=Tstartとする。
【0025】
このようにして請求項6の発明では、廃棄率の統計的保証を行いつつ、パケット出力の遅延時間を削減できる。
請求項7の発明においては、上記の各発明におけるT0の更新にネットワークの輻輳情報を利用することができる。
【0026】
統計多重装置は、ネットワークの機能として、輻輳状態の通知機能を具備しているのが普通である。本発明においては、輻輳情報を検出し、その結果で最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0を次のように動的に変える手法をとる。
T0(新)=(T0+Tmax)÷2(フレームの途中で廃棄されなかった場合かつ輻輳通知が無い場合)、
Tstart(フレームの途中で廃棄があった場合)、又は
Tstart(輻輳通知があった場合)
本発明は輻輳状態に敏感に反応することで廃棄率を減少させることができる。
【0027】
請求項8の発明においては、上記各発明における最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0の更新に装置自身の輻輳情報を利用することができる。
上記請求項7の発明と同様に、装置自体のもつ輻輳情報(バッファ使用率等)を利用する手法であり、最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0の更新アルゴリズムは、請求項8の発明と同様である。
【0028】
本発明により、輻輳通知における網の標準規約を理解する必要が無く回路の単純化が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係る統計多重装置の実施例をブロック図で示したものであり、入力側装置2及び出力側装置3は共に、端末対応部11とバッファ部12と回線対応部13と制御部14と時刻部15と統制部16とで構成されている。
【0030】
回線対応部13は統計多重型ネットワーク1の回線信号から網内パケットPを取り出す(▲1▼)回線インタフェースを提供するものであり、端末対応部11は端末パケットを端末回線信号に変換(▲3▼)するインタフェースを提供するものである。
バッファ部12は、メモリ20を内蔵し、データパケット(の一部) のバッファリングと、統計多重型ネットワーク1における網内パケットフォーマットと端末パケットフォーマットとの変換を行う。一般に、1つの端末パケットは、複数の網内パケットに変換される。
【0031】
また、入力側装置2のバッファ部12は、従来のセミストア型(図7(2)参照)と同様の動作を呈し、データパケットの全てが到着することを待たずに、順次、網内パケットに変換送信する。また、制御部14と連携してデータパケットの到着時刻を網内パケットに記録して送信することができる。
【0032】
出力側装置3のバッファ部12は、網内パケットを受信した後、バッファリングし、制御部14から指示されたタイミングで端末側パケットに変換(▲2▼)して送信する。
また、入力側装置2の制御部14は、データパケットの到着時刻をバッファ部12に通知する。出力側装置3の制御部14は、最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0を内部レジスタ21に記録し、網内パケットの到着通知(▲4▼)を受けた後、T0時間後にバッファ部12に端末側パケットへの変換送信を指示(▲5▼)する。或いはパケットの廃棄を命令(▲6▼)する。T0は、網内パケットの到着時刻、及び時刻部15が示す現在時刻(▲7▼)等から各網内パケット毎に再計算され更新される。
【0033】
時刻部15は、ネットワーク1内で同期された現在の時刻を記録(▲7▼)する(請求項3の発明)。なお、ネットワーク1内の時刻同期の手法については、種々知られているので詳細は省略する。
統計部16は、出力側装置3において、網内パケット到着時刻の履歴から過去の遅延ゆらぎ時間の統計値を保持(▲8▼)し、制御部14がこれを参照(▲9▼)する(請求項7の発明)。
【0034】
図2に示した本発明に係る統計多重装置をATM網に適用したときの出力側装置3の実施例を図3に示す。この場合の端末側プロトコルはHDLCとする。制御部14には、T0を保持するためのレジスタ21と、Tmaxを保持するためのレジスタ22とが設けられている。なお、入力側装置2は、従来のセミストア型装置と同様のものでよいため省略する。また、時刻部と統計部が除去(請求項1の発明)されている。
【0035】
図4は、図3のバッファ部12におけるHDLCフレームとATMセルの変換例を示す。すなわち、ATMセルCからヘッダを取り除き、48バイト単位にパディングを付与して分割し、さらにAALヘッダを付与して組み立てた後、HDLCヘッダとFCSを付けたHDLCフレームに変換している。
【0036】
このような実施例において、遅延ゆらぎ超過によるエラーが無く、HDLCフレームを送信する場合の出力側装置3の制御部14の動作手順を図5のフローチャートを参照して以下に説明する。
レジスタ21に保持する最大遅延ゆらぎ推定時間間隔T0に予め初期値(Tstart)を設定する(ステップS1)。
【0037】
バッファ部12は、セル(パケット)の到着を待機し、先頭セルの受信を制御部14に通知(▲4▼)し、先頭セルをバッファリングする(同S2)。
制御部14は、先頭セル受信通知を受け、T(1)=0としタイマ処理を開始する(同S3)。
【0038】
バッファ部12は、引き続き、セルを継続受信し、制御部14に通知してバッファリングする。このとき、i 番目のセルに対して、先頭セル受信時刻+α×(i-1)(図1(1)参照)、すなわち理想(ゆらぎ無し)状態でのセル到着時刻と、i番目のセルの実際の到着時刻の差分を、遅延ゆらぎ時間T(同図T1〜T3参照)として計算する。そして、データフレーム中の最大遅延時間(同図ではT3)をTmaxとしてレジスタ22に保持する。
【0039】
制御部14は、セル受信通知を受け、i番目のセルに対してT(i)=0としタイマ処理をする(同S3)。
そして、時間チェックを行い(同S4)、T(i)<T0+α×(i-1)であるか否かを判定する。この場合、T(i)>T0+α×(i-1)であれば、遅延ゆらぎ超過でエラー処理を行う必要がある。
【0040】
すなわち、このエラー処理として、i番目以降の到着セルは全て廃棄する(同S5)。i番目のセルを端末に送出する時刻になったら、FCSのみのHDLCフレーム終端部を擬似的に作成し、送出する。このとき、FCS をエラー値にしておき、受信端末側でFCSエラーにより無効フレームとされるようにする。
【0041】
フレーム廃棄処理が走った場合、アルゴリズムに従い、T0=Tstartとする(同S9)。
T(i)<T0+α×(i-1)の場合、制御部14は、次のパケットの到着を待ち(同S6)、T(1)=T0(すなわち、T(j+1)=T0+α×(j)におけるj=0)となった時点で、バッファ部12に先頭セル分のHDLCフレーム変換出力命令(▲5▼)を出す(同S7)。バッファ部12は、先頭セルの部分のみHDLCフレームに変換し、端末側に送信する。
【0042】
このとき、図4に示すAALヘッダの影響で、先頭セル内のペイロードの途中からHDLCフレームが開始するため、AALヘッダ先頭から仮想的にこの時刻で出力を開始し、実際にHDLCフレームの先頭バイトの出力順番になったときに初めて端末側に実際に出力する。
【0043】
続いて、T(2)=T0+α(すなわち、T(j+1)=T0+α×(j)におけるj=1)となった時点で、2番目のセルをHDLCフレームに変換し、端末側に出力する(同S7)。1番目のセルと2番目のセルの出力時間間隔がαであるため、HDLCフレームは切れ目無く出力ができる。同様にして、最終フレームまで出力する(同S8)。
【0044】
以上が1 つのHDLCフレームの処理である。
1 つのフレームの処理が正常に終了したら、T0とTmaxから、T0を上述したアルゴリズムに従って更新する(同S9)。
次に、図1(1)に示す請求項1(及び2)の発明と同図(2)に示す請求項3の発明との関係を、ATM網の状態に応じてT0が実際にどのように変化するかを示した実施例を用いて比較説明する。
【0045】
また、この実施例では固定パケット長を前提としているが、本発明は、フレームリレー等の可変長の網内パケットを持つネットワークにおいても、各パケットの理想到達間隔α(図1参照)をパケット長に応じて計算することにより対応可能である。
【0046】
まず、パケットの到着記録が次のような状況であったと仮定する。なお、初期値T0=Tstart=20msとする。
<請求項1の発明の実施例>
第1フレーム(T0=20) :ゆらぎT=-4,-1 は全てT0以下であり廃棄されない。
【0047】
【0048】
第4フレーム(T0=6) :1パケットでありT0修正対象ではない。
第5フレーム(T0=6) :第3パケットのゆらぎT=+10なのでT0を超えてゆら
ぎが発生し廃棄される。
T0(新)=Tstart=20
<請求項2の発明の実施例>
ゆらぎ“0"の時の遅延時間の推定値X0も順次変化する。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
T=+1,0,+11 従って、Tmax=+11
ゆらぎは全てT0以下であり廃棄されない。
T0(新)=(10+(+11))÷2=11(切り上げ)
このように、請求項2の発明では、請求項1の発明より早期に輻輳に反応する他、1パケットのみのフレームは廃棄しない方式をとれば、全体のフレーム廃棄率を下げることが可能である。
【0055】
なお、両実施例では、T0の更新にあたって、廃棄が無い限り最小値0に収束する形態をとっているため、長い時間の間にフレーム廃棄が必ず発生する。そこで、最小値>0を別途固定設定し、最小値を考慮してT0を再計算することにより、実際のフレーム廃棄率を低下させてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る統計多重装置によれば、統計多重型ネットワークへの要求リソースを最小限にした場合(ATMにおけるVBR、UBR等の低優先クラスを利用した場合)、最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を必要以上に大きくとる必要がなく、動的に最適化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る統計多重装置の原理説明図である。
【図2】本発明に係る統計多重装置の実施例を示したブロック図である。
【図3】本発明に係る統計多重装置の応用例を示したブロック図である。
【図4】本発明に係る統計多重装置の実施例におけるHDLCフレームとATMセルの変換例を示した図である。
【図5】本発明における出力側装置の制御部の動作手順例を示したフローチャート図である。
【図6】本発明に係る統計多重装置の実施例におけるデータ例を示した図である。
【図7】従来例による統計多重ネットワークの処理方式を示した図である。
【図8】セミストア型とカットスルー型の統計多重ネットワークにおける伝送シーケンスと時間の関係を説明するための図である。
【符号の説明】
1 統計多重型ネットワーク
2 入力側装置
3 出力側装置
11 端末対応部
12 バッファ部
13 回線対応部
14 制御部
15 時刻部
16 統計部
21,22 レジスタ
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (8)
- 統計多重型ネットワークを挟んで同一速度の入力側装置と出力側装置とを備え、該入力側装置が、データフレームを1つ以上のデータパケットに分割して該ネットワークに伝送し、該出力側装置が、該ネットワークからの各データパケットを最大遅延ゆらぎ推定時間間隔だけ遅延させて出力するカットスルー型の統計多重装置において、
該出力側装置が、前回のデータフレームにおける各データパケットの理想到着時間間隔に対する遅延ゆらぎ到着時間間隔に基づいて前回のデータフレームの最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を動的に更新すると共に、前回のデータフレームにおける各データパケットの遅延ゆらぎ到着時間間隔の内の最大値と前回の最大遅延ゆらぎ推定時間間隔との加算平均値を求め、該加算平均値を今回のデータフレームの最大遅延ゆらぎ推定時間間隔とする制御部を有することを特徴とした統計多重装置。 - 請求項1において、
該制御部が、該入力側装置から与えられる前回及び今回の各データフレームにおける先頭のデータパケットの理想到着時刻に対する遅延時間同士間の差分に応じて該遅延ゆらぎ到着時間間隔を補正した後、該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を動的に更新することを特徴とした統計多重装置。 - 請求項1又は2において、
該制御部が、今回の最大ゆらぎ推定時間間隔が前回の最大ゆらぎ推定時間間隔を越えているとき、今回のデータフレームを廃棄するとともに該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を初期値に再設定することを特徴とした統計多重装置。 - 請求項3において、
該制御部が、1データパケットのみのフレームは廃棄しないことを特徴とした統計多重装置。 - 請求項4において、
該制御部が、更新される該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔が最小値以下にならないようにしたことを特徴とする統計多重装置。 - 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
該制御部が、該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔として、過去のデータフレームにおけるデータパケット到着間隔の統計情報に基づいて前回の最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を超えない確率の高い最小の値を算出することを特徴とした統計多重装置。 - 請求項6において、
該制御部が、該ネットワーク内の輻輳状況を監視し、輻輳時には該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を初期値に再設定することを特徴とした統計多重装置。 - 請求項7において、
該制御部が、該出力側装置の輻輳状況を監視し、輻輳時には該最大遅延ゆらぎ推定時間間隔を初期値に再設定することを特徴とした統計多重装置。
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